説明

コード化された伝送による遠隔吸収分光

【課題】コード化された伝送による遠隔吸収分光装置を提供すること。
【解決手段】装置は、媒体の吸収バンドと一致するスペクトルコンテントと、媒体のオフラインバンドと一致するスペクトルコンテントとを有する多重スペクトル電磁気放射を生成する生成器と、吸収バンド内の生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分と、オフラインバンド内の生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分との間の関係を規定するために、生成されたスペクトルコンテントを修正し、媒体を通して修正された放射を伝送する送信器と、送信器によって規定された関係から、受信された放射の偏差に対して受信された放射のスペクトルコンテントを評価し、偏差から、吸収バンド内のスペクトル成分の媒体による吸収を決定する少なくとも1つの受信器とを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(背景)
気体(例えば、CO、CH、O等)を分析するための従来の活性供給源吸収分光システムは、並置された送信器および受信器を実装し、例えば、伝送された信号を供給源位置に戻すための短い経路長または反射を必要とする。長い距離にわたって、並置された受信器への信号の戻りをもたらすために、伝送された信号がミラーまたはグラウンドに反射される。これらのシステムにおいて、エアロゾル構成成分または粒子から散乱された戻り光は、後方散乱された放射から余分なエラーを引き起こす。後方散乱された戻り光が、分析されている媒体を通る部分的経路のみを完成させるので、このエラーは、事実上、測定された吸収を低減させる。さらに、使用された反射器が拡散である場合に、システムにおいて大きな「距離の2乗に比例した」損失が生じ、システム全体の長いレンジの実装を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
これらの技術および他の技術の欠点を照らし、部分経路散乱された戻り光が無視され、伝送パワー損失を低減し、反射する伝送放射に対して拡散標的のみが存在するような、媒体および大気中の構成成分を測定する技術に対するニーズが感じられる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
(要約)
本明細書において、空間的に分離され、かつ任意的に配置された送信器および受信器サブシステムを用いる遠隔吸収分光に適用可能な技術が説明される。多重スペクトル電磁気放射は、媒体の吸収バンドおよびオフラインバンドの両方と一致するスペクトルコンテントを有するように生成され得る。放射は、例えば、1組のコードによって、伝送の前に修正され、吸収バンドの少なくとも1つのスペクトル成分とオフラインバンドの少なくとも1つのスペクトル成分との間の関係を規定し得る。この関係は、時間的に一定であるように制御され、受信器において既知である。受信器は、媒体を通した見通し線を介して伝送された放射を受け取り、受信された放射のスペクトルコンテントが分析される。送信器によって規定された関係からの受信された放射のスペクトルコンテントの偏差は、吸収内のスペクトルコンテントの媒体による吸収によるものであり得る。
【0004】
本発明の概念の上記およびさらなる特徴および利点は、以下の定義、説明およびそれらの具体的な実施形態の説明図を考慮して明白になる。これらの説明は、本発明の概念のある実施形態の特定の詳細になるが、バリエーションは存在し得、かつ本開示を検討する際に、当業者にとって明白であることが理解されるべきである。
【0005】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
装置であって、該装置は、
生成器であって、該生成器は、媒体の吸収バンドと一致するスペクトルコンテントと、該媒体のオフラインバンドと一致するスペクトルコンテントとを有する多重スペクトル電磁気放射を生成する、生成器と、
送信器であって、該送信器は、該吸収バンド内の該生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分と、該オフラインバンド内の該生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分との間の関係を規定するために、該生成されたスペクトルコンテントを修正し、該媒体を通して修正された放射を伝送する、送信器と、
少なくとも1つの受信器であって、該少なくとも1つの受信器は、該媒体を通した見通し線を介して伝送された放射を受け取るために、該送信器から空間的に分離され、該送信器に対して任意的に配置可能であり、該受信器は、該送信器によって規定された該関係から、該受信された放射の偏差に対して該受信された放射のスペクトルコンテントを評価し、該偏差から、該吸収バンド内の該スペクトル成分の該媒体による吸収を決定する、少なくとも1つの受信器と
を含む、装置。
(項目2)
上記送信器は、上記吸収バンドの各スペクトル成分と上記オフラインバンドの各スペクトル成分とのための放射チャンネルを含み、各放射チャンネルは、該吸収バンドのスペクトル成分と該オフラインバンドのスペクトル成分との間の上記関係が維持されるように、対応するスペクトル成分を修正する、上記項目に記載の装置。
(項目3)
上記送信器は、
各放射チャンネルにおける変調器であって、各放射チャンネルにおける変調器は、各放射チャンネルにおける変調器に提供されたそれぞれの制御信号に従うそれぞれの変調コードによって、上記対応するスペクトル成分を変調する、各放射チャンネルにおける変調器と、
検出器であって、該検出器は、少なくとも上記吸収バンドのスペクトル成分の放射チャンネルと、上記オフラインバンドのスペクトル成分の放射チャンネルとから、該検出器に入射する変調された放射から電気信号を生成する、検出器と、
コントローラであって、該コントローラは、該吸収バンドのスペクトル成分と該オフラインバンドのスペクトル成分との間の上記関係を維持するために、該検出器の信号に応答して該制御信号を生成する、コントローラと
を含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目4)
上記コントローラは、変調コードをそれぞれの放射チャンネルに対して生成し、上記制御信号において該コードの表示を提供するエンコーダーを含み、該エンコーダーは、上記吸収バンドのスペクトル成分と上記オフラインバンドのスペクトル成分との間の上記関係を維持するために、該コードのパラメータを修正する、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目5)
上記コードは、上記受信器において上記送信器のそれぞれの放射チャンネルを識別する、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目6)
上記コードは、振幅変調コードであり、該コードのパラメータは、信号振幅である、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目7)
上記コントローラは、弁別器を含み、該弁別器は、上記検出器からの信号に応答して電気信号を生成することにより、該弁別器の複数の信号は、上記吸収バンドの変調されたスペクトル成分において伝送されたエネルギーと、上記オフラインバンドの変調されたスペクトル成分において伝送されたエネルギーと表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目8)
上記弁別器は、各放射チャンネルのための相関器を含み、該相関器は、上記検出器の信号に応答して該弁別器の信号のうちの対応する1つを提供するために、対応する放射チャンネルに割り当てられる上記コードに同調される、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目9)
上記受信器は、
検出器であって、該検出器は、該検出器に入射する上記変調された放射から受信器信号を生成する、検出器と、
アナライザーであって、該アナライザーは、上記吸収バンドのスペクトル成分と上記オフラインバンドのスペクトル成分との間の上記関係を維持するために、該検出器信号に応答して上記制御信号を生成する、アナライザーと
を含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目10)
上記アナライザーは、弁別器を含み、該弁別器は、上記検出器からの信号に応答して電気信号を生成することにより、該弁別器の複数の信号は、上記吸収バンドの変調されたスペクトル成分におけるエネルギーと、上記オフラインバンドの変調されたスペクトル成分におけるエネルギーとを表す、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目11)
上記弁別器は、各放射チャンネルのための相関器を含み、該相関器は、上記検出器の信号に応答して該弁別器の信号のうちの対応する1つを提供するために、対応する放射チャンネルに割り当てられる上記コードに同調される、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目12)
上記送信器および上記受信器は、実質的に境界のない媒体内に独立して配置可能である、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目13)
少なくとも1つの受信器が、該少なくとも1つの受信器と実質的に同一の複数の受信器を含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目14)
上記送信器は、ビーム形成器を含み、上記伝送された放射は、上記受信器によって同時に受け取られるように、該ビーム形成器によって配分される、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目15)
上記送信器は、移動可能なプラットフォームを含み、該送信器は、該プラットフォームによって軌道を横切り、該軌道を通る該送信器から伝送される放射は、該軌道によって規定される順序で上記受信器によって受け取られる、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目16)
方法であって、該方法は、
送信器によって、媒体の吸収バンドと一致するスペクトルコンテントと、該媒体のオフラインバンドと一致するスペクトルコンテントとを有する多重スペクトル電磁気放射を生成することと、
該吸収バンド内の該生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分と、該オフラインバンド内の該生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分との間の関係を規定するために、該生成されたスペクトルコンテントを修正することと、
該媒体を通して修正された放射を伝送することと、
受信器において、該媒体を通した見通し線を介して伝送された放射を受け取ることと、
該伝送された放射のスペクトルコンテントからの受信された放射のスペクトルコンテントの偏差を、該関係を規定するために修正されるべき偏差として評価することと、
該偏差から、該吸収バンド内の該スペクトル成分の該媒体による吸収を決定することと
を含む、方法。
(項目17)
上記修正することは、
上記吸収バンド内のスペクトル成分と、上記オフラインバンド内のスペクトル成分とを、それぞれの変調コードを用いて符号化することと、
該吸収バンドのスペクトル成分と該オフラインバンドのスペクトル成分との間の上記関係を維持するために、該コードのパラメータを修正することと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記評価することは、
上記受信された放射の表示を上記コードと相関させ、上記吸収バンド内の受信されたスペクトル成分の表示と、上記オフラインバンドのスペクトル成分の表示とを生成することと、
該吸収バンド内のスペクトル成分と該オフラインバンドのスペクトル成分との間の上記関係と、該吸収バンド内の受信されたスペクトル成分と該オフラインバンドの受信されたスペクトル成分との間の関係との間の差異を決定することと、
該差異を上記偏差として確立することと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記吸収バンド内のスペクトル成分のエネルギーと、上記オフラインバンドのスペクトル成分のエネルギーとの間の比例を上記関係として確立することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記吸収を決定することは、上記吸収バンド内のスペクトル成分のエネルギーと上記オフラインバンドのスペクトル成分のエネルギーとの比例と、該吸収バンド内の受信されたスペクトル成分のエネルギーと該オフラインバンドの受信されたスペクトル成分のエネルギーとの比例との差異を、上記媒体の吸収によるものとすることを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目21)
プロセッサ実行可能な命令を含むソフトウェアを用いて符号化された非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体であって、該命令は、プロセッサによって実行されると、
複数の変調コードを用いて多重電磁気放射を符号化し、媒体の吸収バンド内の電磁気放射の少なくとも1つのスペクトル成分と、オフラインバンド内の電磁気放射の少なくとも1つのスペクトル成分との間の関係を規定する機能と、
見通し線前の該放射において規定された該関係からの偏差に対して、該媒体を通る該符号化された放射の該見通し線後の該符号化された放射のスペクトルコンテントを評価する機能と、
該偏差から、該吸収バンド内のスペクトル成分の該媒体による吸収を決定する機能と
を該プロセッサに実行させる、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。
【0006】
(摘要)
遠隔吸収分光は、調査中の媒体を介して、1つ以上の遠隔受信器に同調されたコード化された電磁気伝送を使用する。コード化された伝送は、関心のある吸収バンドと一致する少なくとも1つの波長と、オフラインバンドの1つの波長とを含み、吸収バンド内外のスペクトル成分の間の所定の関係が制御される。スペクトル成分の間の関係は、受信器において、送信器において制御された関係から、スペクトル成分の偏差が受信器において存在するか否かを決定するように評価され得る。所定の関係からの受信された光学信号の偏差は、吸収バンドの放射の吸収を示すように処理される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】図1A〜1Cは、本発明の一般的概念を実施する遠隔吸収分光のためのさまざまなシステム構成を例示する。
【図1B】図1A〜1Cは、本発明の一般的概念を実施する遠隔吸収分光のためのさまざまなシステム構成を例示する。
【図1C】図1A〜1Cは、本発明の一般的概念を実施する遠隔吸収分光のためのさまざまなシステム構成を例示する。
【図2】図2は、本発明の一般的概念を実施する例示的な遠隔吸収分光器(RAS)の高レベルのダイヤグラムである。
【図3A】図3Aは、本発明の一般的概念を実施する例示的な光学RAS送信器の概略的ブロックダイヤグラムである。
【図3B】図3Bは、本発明の一般的概念を実施する例示的な光学RAS受信器の概略的ブロックダイヤグラムである。
【図4】図4は、本発明の一般的概念を実施する伝送処理のフローダイヤグラムである。
【図5】図5は、本発明の一般的概念を実施する例示的な分析処理のフローダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一般的概念が、本発明のある実施形態を通じて最もよく説明され、実施形態が、添付の図面を参照して本明細書において詳細に説明され、同様な参照数字が、本明細書を通じて同様な特徴を指す。用語「発明」は、本明細書において使用される場合に、以下に説明される実施形態自身のみではなく、実施形態の根底にある発明の概念も含むように意図されることが理解されるべきである。一般的発明の概念は、以下に説明される例示的な実施形態に限定されないことがさらに理解されるべきであり、以下の説明は、このような観点から読まれるべきである。
【0009】
さらに、数学的表現が、本明細書に含まれ得、それによって伝えられる原理が、数学的表現を用いて十分に説明されるので理解されるべきである。数式が使用される場合に、他で表現されない限り、これは説明されている根底にある原理の簡潔な説明のためのものであり、他の目的が暗示されず、または推量されるべきではないと理解されるべきである。本開示の全体から、本明細書において数式が本発明にどのように関わるか明確であり、数学的表現の根底にある原理の実施形態が意図される場合に、当業者は、数学的に表現されている原理の物理的明示を実行するための数多くの技術を認識する。
【0010】
図1Aにおいて、本発明が実施され得る例示的な遠隔吸収分光器(RAS)100が例示される。送信器110および受信器130が、距離Dで分離され、送信器110と受信器130との間の容積が、分析される媒体120によって占有される。この目的のために、送信器110は、媒体120を介して、多重スペクトルの電磁気ビーム125を受信器130へ伝送し、受信器130は、媒体120の性質によって変形された電磁気ビーム125を受信し、かつ分析する。ビーム125の少なくとも1つのスペクトルバンドは、測定されるべき媒体120の構成成分の吸収バンドに対応するように選択される。ビーム125の他のスペクトルバンドは、他の吸収バンドと一致するように選択され得、なお他のスペクトルバンドは、参照信号として使用され得る。
【0011】
送信器110は、ビーム125のあるスペクトル成分の間の関係を規定および制御し、そしてこのような関係の情報を受信器130に提供し得る。本明細書に使用される場合、用語「スペクトル成分」は、電磁気放射の構成スペクトル要素を指し、用語「スペクトルコンテント」は、放射の所定の範囲にわたる放射のスペクトル構成を指す。従って、スペクトル成分は、放射のスペクトルコンテントを含むように、放射のスペクトルにわたって配分される。受信器130は、ビーム125の受信されたスペクトル成分を分析し、伝送されたスペクトルの情報から媒体120の吸収性質を解き得る。受信器130は、ある修正をして、システムの構成とこのような構成によって引き起こされた経路依存変数とを補償し得る。
【0012】
RAS100は、実質的に境界のない媒体120(例えば、大気)中に展開され得、図1A(125)において例示されるように、見通し線を介して送信器110から受信器130まで伝送され得る。本明細書において使用されるように、用語「見通し線」は、(例えば、図1Aにおいて例示された散乱122によって)送信器110に向かって伝播する電磁気放射の検出および進行を遮断した送信器110から受信器130への方向での電磁気放射の伝播を指す。この定義の下で、反射が伝送されたビームを横切ることから遮断される限り、見通し線は、反射器の使用を除外しない。
【0013】
送信器110および受信器130は、任意的に配置可能であり得ることにより、媒体120を通る経路長Dが、展開の基礎に基づいて変えられ得る。送信器110と受信器130との間の距離Dは、システム構成(例えば、送信器パワーおよび受信器感度)によって制限され得るが、本発明は、当業者によって本開示を検討する際に認識されるように、数メートルから数百キロメートルまでの範囲の距離に対して実施され得る。
【0014】
図1Bにおいて、代替的な実施形態は、送信器110が、媒体122を通してビーム127を伝送することを可能にし、この場合、このようなビームは、見通し線を介して複数の受信器132、134において同時に受信されるように十分な幅を有する。電磁気ビーム127は、図1Aを参照して説明されたビームにスペクトル的に類似しているが、送信器110において適切なビーム形成技術を介して確立されたより広いビーム幅を有する。なお、図1Cに例示されるさらなる実装において、送信器110は、(例えば、飛行機または衛星によって)軌道140を通して輸送され得、ビーム128、128’および128’’としてそれぞれに例示された電磁気ブームは、送信器110が軌道140に沿って移動するにつれて、媒体124を通る見通し線を介して配分された受信器136〜138において受信され得る。複数の受信器が使用される場合に、例えば、図1Bおよび1Cの構成において、各受信器において実行される吸収分析は、空間の拡張された領域の吸収プロフィールを提供する方法で集約され得る。
【0015】
図2において例示された例示的な実施形態において、RAS200は、伝送されたビーム240’として示された電磁気ビーム240を伝送する送信器210と、受信されたビーム240’’として示されたビーム240を受信し、そしてそれから、ビーム240が通過する媒体の吸収特性を決定する受信器260とを含む。例示的な送信器210は、放射生成器212を介して実装され得、放射生成器212は、放射供給源(例えば、レーザー、ダイオード、磁電管、真空管等)と、放射処理システム(例えば、集光光学系、変調器、ファイバー、レベルモニター等)とを含み得る。送信器210は、ビーム形成システム220をさらに含み得、伝送されたビーム240’は、ビーム形成システム220を介して形成され、調査中の媒体に送達される。ビーム形成システム220は、RAS200の動作する電磁気バンドに適切なビーム形成部品を含み得、ビーム形成部品は、屈折要素(例えば、レンズ)、反射要素(例えば、ミラー)、放射体(例えば、アンテナ)、周波数選択要素(例えば、フィルター)、およびビーム240が所望のビームパターンで伝送され得る他の要素を含むが、それらに限定されない。
【0016】
例示的な送信器210は、コントローラ218を含み、伝送されたビーム240’のスペクトルコンテントは、コントローラ218を介して確立および制御される。ビーム240は、例えば、本明細書において成分242と呼ばれるスペクトル成分C(λABS)と、成分244と呼ばれるスペクトル成分C(λREF)とを含み、この場合、C(・)およびC(・)は、それぞれ、波長λABSおよびλREFを有する電磁気放射についての変調コーディング関数である。記号C(λ)は、それを用いて、放射供給源(例えば、レーザー)によって生成されたスペクトル成分λと、(例えば、変調を介して)λについてのコーディング関数C(・)の適用によって生成されたスペクトル成分とを含む電磁気スペクトルの含意を持つことが理解されるべきである。
【0017】
波長λABSは、調査中の媒体の化学構成成分の吸収バンドと一致するように選択され得、λREFは、参照の目的のために、オフラインバンドにあるように選択され得る。本明細書において使用されるように、用語「オフラインバンド」は、λABSを除いたビーム240の電磁気スペクトルのバンドである。ある実施形態において、λREFは、吸収がλABSでの吸収より少ないスペクトル領域にあるように選択される。
【0018】
コーディング関数C(・)およびC(・)は、受信器260においてスペクトル成分242と244を区別するように選択され得、(例えば、振幅、位相等において)時間的に可変の状態を発生させるように選択されることにより、ビーム240のスペクトル性質が所定の基準ごとに制御され得る。例えば、C(・)およびC(・)は、それぞれの成分242および244を識別し得る異なる変調周波数の独立的振幅変調関数であり得る。変調関数の振幅は、伝送された成分242および244の各々において、本明細書においてP(λABS)およびP(λREF)として示されるスペクトルエネルギーを制御するように独立して変えられ得る。例えば、P(λABS)およびP(λREF)が、(例えば、比例であり得る)所定の関係に従って相対的に維持されるように、変調振幅が制御され得る。受信器260において、P(λABS)とP(λREF)との関係が送信器210において一定である仮定の下で、受信器260におけるその関係の変化は、確実に媒体による吸収によるものとされ得る。当業者は、本発明の精神および意図された範囲から逸脱することなしに、本発明に関連して使用され得る他のコーディングスキームを認識し得る。
【0019】
λABSおよびλREFについてのC(・)およびC(・)の適用は、ビーム240のスペクトルコンテントのエネルギーを再配分し得る。このような再配分は、非常に大きなスペクトルレンジにわたり得る。例えば、COの吸収を測定するために、λABSは、1.5711194マイクロメートルであり得、λREFは、1.57116194マイクロメートルであり得る。C(・)は、いわゆる50kHzの正弦波振幅変調であり得、C(・)は、いわゆる53kHzの正弦波振幅変調であり得る。C(・)がλABSに適用される場合に、1.5711194マイクロメートルでの最初のエネルギーの一部が6.0kmに再配分される。同様に、λREFへのC(・)の適用は、1.57116194マイクロメートルでの最初のエネルギーの一部を5.7kmに再配分する。受信器260は、外側(すなわち、マイクロメートル範囲)の放射を拒絶し得、例えば、キロメートル範囲においてエネルギーレベルの変動を確実に検出しない。しかしながら、1.5711194〜1.57116194マイクロメートルを含むバンドにおけるエネルギーレベルの変動は、受信器260において検出可能であり得、例えば、50kHzおよび53kHz変調は、それらの波長において含まれる検出可能なエネルギーのレベルを制御するために使用され得る。この制御は、送信器210においてλABSとλREFとの間の関係を維持し、かつ受信器260においてその関係の変動を検出するために、本発明の実施形態によって向上され得る。
【0020】
図2において例示されるように、電気信号213は、コントローラ218によって生成され、伝送されたビーム240’の成分242と244との間の関係を規定および維持し得る。さらに、生成器212は、伝送されたビーム240’のスペクトルコンテントを示す1つ以上の電気信号215をコントローラ218に提供し得る。信号215において提供されたこのような表示から、コントローラ218は、成分242と244との間の所定の関係が正確に維持されているか否かを決定し得、従って電気信号213に適切な調整を加え得る。
【0021】
例示的な受信器260は、コレクター250を含み、受信されたビーム240’’がコレクター250を介して受け取られ、そして検出器262に提供される。コレクター250は、集光要素を含み得、ビーム240’’は、集光要素によって検出器262のアクティブエリアに集光され、1つ以上の電気信号263が、ビーム240’’に応答して生成され得る。電気信号263は、受信されたビーム240’’のスペクトルコンテント、すなわち、通過した媒体によって変形されたビーム240のスペクトルコンテントを表し得る。電気信号263は、アナライザー264に提供され得、アナライザー264は、受信されたビーム240’’について適切なスペクトル分析を実行し、ビーム240’’のスペクトルコンテントにおける偏差が伝送されたビーム240’のスペクトル成分242と244との間の関係において持たされているか否かを決定し得る。そうである場合に、前述のように、偏差は、媒体によるそれらのスペクトル成分のうちの1つ以上の吸収によるものとして報告され得る。
【0022】
送信器210および受信器260は、視線経路に沿って配置され得ることにより、ビーム240は、調査の下で媒体に単方向に通過し得る。すなわち、送信器210および受信器260は、送信器210から前方方向以外のビーム240からの散乱された放射が検出器262から分離されるように、間隔において位置決めされ得る。従って、RAS200による吸収測定は、従来の大気吸収分光器を用いる場合のような後方散乱によって引き起こされたノイズ汚染を受けない。
【0023】
図3Aは、光学RAS300の例示的な送信器303を例示し、図3Bは、光学RAS300の例示的な受信器307を例示する。まず図3Aを参照すると、送信器303は、2つの光学チャンネル:吸収波長チャンネル302と参照波長チャンネル304とを含む。光学チャンネル302および304は、それぞれの光学放射供給源310および320、光学変調器312および322、ビームスプリッタ314および324、並びにコリメータ316および326を組み込む。光学チャンネル302の出力は、1組のスペクトル成分382であり、参照チャンネル304の出力は、1組のスペクトル成分384であり、スペクトル成分382およびスペクトル成分384の両方は、共通アパーチャ370を通してビーム380で伝送され得る。当業者は、アパーチャ370が物理的光学ストップ以外のものであり得ることを認識および理解し、アパーチャ370の簡潔な例示は、説明の目的のために送信器303の光学境界を規定するものであり、限定ではないことが理解されるべきである。
【0024】
放射供給源310および320は、それぞれの波長λABSおよびλREFでのレーザー放射コヒーレント光(本明細書においてそれぞれにレーザー光311およびレーザー光321と呼ばれる)によって実装され得る。レーザー光311および321は、選択されたコードに従って光学変調器312および322によって変調され得る。光学変調器312および322は、レーザー光311および321にそれぞれのコードを適用するために適切な変調周波数で独立して動作される光電デバイスであり得る。変調されたレーザー光313および323は、後述されるように、ビームスプリッタ314および324の使用を介してサンプリングされ、コリメータ316および326に提供され得る。コリメータ316および326は、適切なビーム拡大器によって実装され得、変調された光313および323は、ビーム拡大器を通ってビーム380としてアパーチャ370から出現する。その一方で、ある実施形態において成分382および384が別々のビームで送信器303から出現し、このような分離されたビームは、本明細書において、説明の目的のために、それが単一ビーム380に含まれるように示されるものであり、限定ではないことが理解されるべきである。さらに、別々のコリメータ316および326が図3Aにおいて例示されるが、光学分野の当業者によって認識されるように、変調された光313および323が1つの共通コリメータを介して拡大され得ることが理解されるべきである。
【0025】
例示的な送信器303は、制御チャンネル306を含み、光学チャンネル302および304のスペクトルコンテントが、制御チャンネル306によって確立および制御される。制御チャンネル306は、適切なハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアを実行するプログラマブル処理ハードウェアを介して実装され得、アナログおよび/またはデジタルハードウェアを介して構成され得る。当業者は、本開示を検討する際に、制御チャンネル306が実施され得る数多くの制御スキームを容易に認識する。本発明の範囲は、制御チャンネル306のそのような実施形態のすべてを含むように意図される。
【0026】
例示的な制御チャンネル306は、それに提供された電気信号332に従って、変調コードを生成するエンコーダー340を含む。RAS300は、特定の変調コードに限定されず、コードは、例えば、RAS300のシステム部品の変調および検出能力を考慮して、アプリケーションベースで選択され得る。エンコーダー340は、電信信号342および344を生成し得、変調器312および322は、電子信号342および344によって独立して動作され、変調コードを各光学チャンネル302および304に適用する。エンコーダー340は、例えば、周波数において固定である振幅変調コードを生成し得る。制御信号332は、チャンネル302および304に適用されたそれぞれのコードの振幅レベルをエンコーダー340に示すことにより、スペクトル成分382と384との関係が維持される。ある実施形態において、関係は、成分382の伝送される光学エネルギーと成分384の伝送される光学エネルギーとの間の所定の比率である。そのように実施される場合に、例示的なエンコーダー340は、伝送されるエネルギー比率を維持するように、各光学制御302および304における1つまたは両方のコードの振幅を変調する。電気信号342および344は、変調器312および322に提供され得、レーザー光313および323が、変調器312および322によって各チャンネル302および304において生成される。
【0027】
変調された光313および323は、例えば、ビームスプリッタ314および324、並びにスペクトル成分382と384との間の関係を監視および制御する目的のための光学検出器350を介してサンプリングされ得る。光学検出器350は、サンプリングされたビーム315および325を受け取るための十分の大きさの単一アクティブエリアを有する一体式光学デバイスであり得る。ある実施形態において、集光光学系(例示されていない)は、サンプリングされたビーム315および325と、検出器350のアクティブエリアとの間の経路内に挿入され得る。光学検出器350は、各光学チャンネル302および304の変調が変わる場合、λABSおよびλREFを含むスペクトルレンジの変化に応答するように、十分なダイナミックレンジを有すべきである。
【0028】
検出器350は、ビーム380の変化するスペクトル状態を表す電気信号352を生成し得、電気信号352が弁別器360に提供され得る。次に、弁別器は、各チャンネル302および304の変化するスペクトル状態を示す電気信号334および336を生成し得、電気信号334および336がコントローラ330に提供され得る。例示的な弁別器362は、相関器362および364を含み、各相関器は、対応する光学チャンネル302および304の変調コードに従って構成される。このような相関器362および364は、対応する光学チャンネル302および304の変調コードに同調された整合されたフィルタを介して実装され得る。そのように実装される場合に、各相関器362および364の出力は、成分382および384において転送されるスペクトルエネルギーを示す時間変化の電気信号334および336であり、電気信号334および336は、それぞれ、波長λABSおよびλREFにおいて伝送されるエネルギーに比例している。
【0029】
例示的なコントローラ330は、信号334および336を提供され、各チャンネル302および304の伝送されたエネルギーの間の関係が、コントローラ330によって監視および制御される。例えば、所定の関係がP(λABS)=r・P(λREF)である場合に(ここで、P(X)は、チャンネルXに対して検出器350において測定され、かつ弁別器360によって抽出されたパワーである)、コントローラ330は、信号334および336からP(λABS)/P(λREF)を評価し、所定の比率rから評価された比率の偏差Δrを決定し得る(例えば、Δr=(r−r)、ここで、rは、信号334および336から計算された比率である)。ゼロでない偏差Δrは、制御信号332に反映され得、エンコーダー340は、それに応答して、信号342、344に適切な調整を加え、変調された光ビーム313および323の1つまたは両方においてP(λABS)および/またはP(λREF)を増大および/または減少させ得る。
【0030】
図3Bは、RAS300のための例示的な受信器307を例示する。受信器307は、受信光学系(例えば、テレスコープ370)を含み得、送信器303によって伝送され、かつ調査中の媒体によって変形されたビーム308は、受信光学系によって受け取られ、検出器373に集光される。検出器373は、検出器350の構造に類似し、ただし同一ではない構造を有し得るが、本発明は、そのように限定されない。検出器373は、受信されたビーム380の変化するスペクトル状態を示す電気信号374を生成し得る。検出信号374は、弁別器375に提供され得、弁別器375は、弁別器360の構造(すなわち、相関器377および379を介する構成)に類似し、ただし同一ではない構造を有し得るが、本発明は、そのように限定されない。弁別器375の出力は、各スペクトル成分λABSおよびλREFのスペクトルエネルギーに比例し、信号391および392において信号−ノイズの比率を増大させるために、それぞれの積分器388および389に提供され得る。積分器388および389による積分は、送信器303と受信器307との間の距離Dおよび媒体の組成のような因子に依存して、数秒と数十時間との間の期間にわたって適切な総和技術を介するものであり得る。信号391および392は、受信された比率プロセッサ390に提供され得、関係reval=P(λABS)/P(λREF)は、コントローラ330によって実行された評価に類似であり、ただし同一ではない方法でプロセッサ390によって評価されるが、本発明は、そのように限定されない。受信された比率プロセッサ390は、評価された比率revalを表す電気信号394を生成し得、電気信号394が吸収プロセッサ395に提供され得る。
【0031】
例示的な吸収プロセッサ395は、reval/rの評価から、λABSにおける媒体の吸収を決定する。議論されたように、RAS300は、ビーム380のスペクトルコンテントを正確に管理するように実施されることにより、λABSが関心の吸収バンドにあり、λREFが関心の吸収バンドの外側にあり、伝送比率P(λABS)/P(λREF)がrで維持される。従って、λABSにおいて媒体による任意の吸収がなければ、reval/rは、実質的に1である。reval/rの評価の1からの偏差は、合理的な度合いの確実性で、λABSにおいて媒体の吸収によるものであり得る。吸収プロセッサ395は、reval/rに基づく修正尺度を、特に、伝送経路の長さ、ビーム380の媒体を通る方向、ビーム分散、受信器の数および伝送された放射が同時受信、時間的連続等の受け取られる方法を考慮するために適用し得る。補償されたreval/rの表示は、信号396で報告器397に伝えられ得、報告器397は、人のユーザーによって知覚可能な方法で吸収プロセッサ460の分析の結果をフォーマットし得る。
【0032】
図3A〜3Bにおいて例示された部品の機能の分離は、単に説明の目的のためであり、限定ではないことが理解されるべきである。数多くの代替的なシステム構成は、本発明の精神および意図される範囲から逸脱することなしに、RAS300を実装し得る。
【0033】
図4は、例示的な伝送処理400を例示し、RASが、伝送処理によって、受信器による分析のための放射を伝送し得る。動作405において、それぞれのチャンネル(例えば、RAS300のチャンネル302および304によって例示されたそれら)の放射は、各チャンネルに割り当てられたコードに従って変調される。変調された放射は、動作410において、例えば、共通の検出器350への供給によって組み合わせられ、動作415において、組み合わせられた放射は、例えば、弁別器360によってそれぞれの成分(例えば、吸収バンドのスペクトル成分およびオフラインバンドのスペクトル成分)に区別される。動作420および425において、区別されたスペクトル成分は、コードによって規定されたそれらの間の関係が所定の範囲内にあるか否かを決定するように評価される。範囲内になければ、動作430において、関係を維持するために、変調が変調振幅を増大および減少されることによって調整される。関係が許容範囲内にある場合に、動作425において決定されたように、成分は、動作435においてビームで伝送される。
【0034】
図5は、伝送処理400と共に使用可能で例示的な分析処理500を例示する。動作505において、電気信号は、例えば、検出器420によって、伝送されたビームから得られる。動作510において、スペクトル成分は、例えば、処理400の動作415の方法と類似する方法で区別され、信号は、動作515において、例えば、積分器430によって選択された時間間隔にわたって積分される。動作520において、積分されたスペクトル成分は、コードによって規定されたそれらの間の関係と、受信された成分の間の関係とにおいて偏差が存在するか否かを決定するように評価される。動作525において、このような偏差は、システムおよび伝送経路依存の可変性に対して補償され、動作530において、修正された偏差は、媒体による吸収として報告される。
【0035】
上記説明は、本発明の概念の可能な実装を例示するように意図されるが、限定ではない。多くのバリエーション、変更、および代替物は、本開示を検討する際に、当業者によって明白になる。例えば、示され、かつ説明された部品に同等の部品が取り替えられ得、従って、個々に説明された構成要素および方法が組み合わせられ得、別個のように説明された構成要素が、多くの部品にわたって配分され得る。それ故、本発明の範囲は、上記説明を参照するのではなく、それらの同等物の全範囲と共に、添付された請求範囲を参照して決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、該装置は、
生成器であって、該生成器は、媒体の吸収バンドと一致するスペクトルコンテントと、該媒体のオフラインバンドと一致するスペクトルコンテントとを有する多重スペクトル電磁気放射を生成する、生成器と、
送信器であって、該送信器は、該吸収バンド内の該生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分と、該オフラインバンド内の該生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分との間の関係を規定するために、該生成されたスペクトルコンテントを修正し、該媒体を通して修正された放射を伝送する、送信器と、
少なくとも1つの受信器であって、該少なくとも1つの受信器は、該媒体を通した見通し線を介して伝送された放射を受け取るために、該送信器から空間的に分離され、該送信器に対して任意的に配置可能であり、該受信器は、該送信器によって規定された該関係から、該受信された放射の偏差に対して該受信された放射のスペクトルコンテントを評価し、該偏差から、該吸収バンド内の該スペクトル成分の該媒体による吸収を決定する、少なくとも1つの受信器と
を含む、装置。
【請求項2】
前記送信器は、前記吸収バンドの各スペクトル成分と前記オフラインバンドの各スペクトル成分とのための放射チャンネルを含み、各放射チャンネルは、該吸収バンドのスペクトル成分と該オフラインバンドのスペクトル成分との間の前記関係が維持されるように、対応するスペクトル成分を修正する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記送信器は、
各放射チャンネルにおける変調器であって、各放射チャンネルにおける変調器は、各放射チャンネルにおける変調器に提供されたそれぞれの制御信号に従うそれぞれの変調コードによって、前記対応するスペクトル成分を変調する、各放射チャンネルにおける変調器と、
検出器であって、該検出器は、少なくとも前記吸収バンドのスペクトル成分の放射チャンネルと、前記オフラインバンドのスペクトル成分の放射チャンネルとから、該検出器に入射する変調された放射から電気信号を生成する、検出器と、
コントローラであって、該コントローラは、該吸収バンドのスペクトル成分と該オフラインバンドのスペクトル成分との間の前記関係を維持するために、該検出器の信号に応答して該制御信号を生成する、コントローラと
を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラは、変調コードをそれぞれの放射チャンネルに対して生成し、前記制御信号において該コードの表示を提供するエンコーダーを含み、該エンコーダーは、前記吸収バンドのスペクトル成分と前記オフラインバンドのスペクトル成分との間の前記関係を維持するために、該コードのパラメータを修正する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コードは、前記受信器において前記送信器のそれぞれの放射チャンネルを識別する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記コードは、振幅変調コードであり、該コードのパラメータは、信号振幅である、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラは、弁別器を含み、該弁別器は、前記検出器からの信号に応答して電気信号を生成することにより、該弁別器の複数の信号は、前記吸収バンドの変調されたスペクトル成分において伝送されたエネルギーと、前記オフラインバンドの変調されたスペクトル成分において伝送されたエネルギーと表す、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記弁別器は、各放射チャンネルのための相関器を含み、該相関器は、前記検出器の信号に応答して該弁別器の信号のうちの対応する1つを提供するために、対応する放射チャンネルに割り当てられる前記コードに同調される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記受信器は、
検出器であって、該検出器は、該検出器に入射する前記変調された放射から受信器信号を生成する、検出器と、
アナライザーであって、該アナライザーは、前記吸収バンドのスペクトル成分と前記オフラインバンドのスペクトル成分との間の前記関係を維持するために、該検出器信号に応答して前記制御信号を生成する、アナライザーと
を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記アナライザーは、弁別器を含み、該弁別器は、前記検出器からの信号に応答して電気信号を生成することにより、該弁別器の複数の信号は、前記吸収バンドの変調されたスペクトル成分におけるエネルギーと、前記オフラインバンドの変調されたスペクトル成分におけるエネルギーとを表す、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記弁別器は、各放射チャンネルのための相関器を含み、該相関器は、前記検出器の信号に応答して該弁別器の信号のうちの対応する1つを提供するために、対応する放射チャンネルに割り当てられる前記コードに同調される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記送信器および前記受信器は、実質的に境界のない媒体内に独立して配置可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つの受信器が、該少なくとも1つの受信器と実質的に同一の複数の受信器を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記送信器は、ビーム形成器を含み、前記伝送された放射は、前記受信器によって同時に受け取られるように、該ビーム形成器によって配分される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記送信器は、移動可能なプラットフォームを含み、該送信器は、該プラットフォームによって軌道を横切り、該軌道を通る該送信器から伝送される放射は、該軌道によって規定される順序で前記受信器によって受け取られる、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
方法であって、該方法は、
送信器によって、媒体の吸収バンドと一致するスペクトルコンテントと、該媒体のオフラインバンドと一致するスペクトルコンテントとを有する多重スペクトル電磁気放射を生成することと、
該吸収バンド内の該生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分と、該オフラインバンド内の該生成されたスペクトルコンテントのうちの少なくとも1つのスペクトル成分との間の関係を規定するために、該生成されたスペクトルコンテントを修正することと、
該媒体を通して修正された放射を伝送することと、
受信器において、該媒体を通した見通し線を介して伝送された放射を受け取ることと、
該伝送された放射のスペクトルコンテントからの受信された放射のスペクトルコンテントの偏差を、該関係を規定するために修正されるべき偏差として評価することと、
該偏差から、該吸収バンド内の該スペクトル成分の該媒体による吸収を決定することと
を含む、方法。
【請求項17】
前記修正することは、
前記吸収バンド内のスペクトル成分と、前記オフラインバンド内のスペクトル成分とを、それぞれの変調コードを用いて符号化することと、
該吸収バンドのスペクトル成分と該オフラインバンドのスペクトル成分との間の前記関係を維持するために、該コードのパラメータを修正することと
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記評価することは、
前記受信された放射の表示を前記コードと相関させ、前記吸収バンド内の受信されたスペクトル成分の表示と、前記オフラインバンドのスペクトル成分の表示とを生成することと、
該吸収バンド内のスペクトル成分と該オフラインバンドのスペクトル成分との間の前記関係と、該吸収バンド内の受信されたスペクトル成分と該オフラインバンドの受信されたスペクトル成分との間の関係との間の差異を決定することと、
該差異を前記偏差として確立することと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記吸収バンド内のスペクトル成分のエネルギーと、前記オフラインバンドのスペクトル成分のエネルギーとの間の比例を前記関係として確立することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記吸収を決定することは、前記吸収バンド内のスペクトル成分のエネルギーと前記オフラインバンドのスペクトル成分のエネルギーとの比例と、該吸収バンド内の受信されたスペクトル成分のエネルギーと該オフラインバンドの受信されたスペクトル成分のエネルギーとの比例との差異を、前記媒体の吸収によるものとすることを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
プロセッサ実行可能な命令を含むソフトウェアを用いて符号化された非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体であって、該命令は、プロセッサによって実行されると、
複数の変調コードを用いて多重電磁気放射を符号化し、媒体の吸収バンド内の電磁気放射の少なくとも1つのスペクトル成分と、オフラインバンド内の電磁気放射の少なくとも1つのスペクトル成分との間の関係を規定する機能と、
見通し線前の該放射において規定された該関係からの偏差に対して、該媒体を通る該符号化された放射の該見通し線後の該符号化された放射のスペクトルコンテントを評価する機能と、
該偏差から、該吸収バンド内のスペクトル成分の該媒体による吸収を決定する機能と
を該プロセッサに実行させる、非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−96987(P2013−96987A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−225053(P2012−225053)
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【出願人】(512067159)エクセリス インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】