説明

コード情報を介した製品広告サービス業

【課題】IT業界が確立した独自の宣伝媒体としての利用方法をそのまま利用することによって新たな業界を成立させることができる情報の配信方法を提供する。
【解決手段】印刷された商品の情報には、一品ずつコードを印刷し、このコード情報を携帯電話で読み取ることによって自動的にセンターに接続し、センターから自動的に画像や文書情報が携帯電話に送信されるので、より詳しい情報を消費者に提供できる。その際に、アクセスの回数をセンターで把握することによって、そのアクセス回数に応じた宣伝費用を商品提供会社に請求する。また、それと同時にアクセス回数、アクセス時間帯などの情報を提供することによって、より鮮明な消費者情報、消費者動向を把握できるので、宣伝の効果を高める工夫が可能になり、また、センターを管理する事業者は宣伝費の収入によってその事業を遂行、拡大できる。情報の提供方法としては、テレビ、バソコン画面を利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
販売する商品の情報を印刷物として提供またはテレビ、パソコン、デジタルフォトフレームなどの画面を通して提供し、これらの提供された情報に携帯電話のカメラ機能などを利用してアクセスした回数をセンターで検出して、この情報に対する要求度、期待値を得ることによって、その商品のユーザーの受け入れ度を測定し、そのアクセス回数に応じた費用を、情報提供社に対して対価として要求することを基本とするコード情報を介した製品広告サービス業の提供である。
【背景技術】
【0002】
IT業界においては、サイトにアクセスして情報を取得することについては無料で実施されている。webにおいては、情報の習得、サーバーの保守、回線の管理などの業務が発生し、ここでの機器購入、機器運用の費用、ならびに設置費用、管理する人件費などの膨大な費用が必要となる。このような費用は、サイトに埋め込まれたバナー広告という手段を用いその広告提供社からの広告料収入によってその経営が成り立っている。従って、サイトの価値は、如何に大勢のユーザーがアクセスするかという点に依存しており、その数を増やすために有効と思われる、興味を引く内容が網羅されている。
【0003】
このような事業形態は、ITに始まったものではなく、民間テレビ業界ではその広告収入が最大の収入源であって、それを得るために視聴率が利用され、また、エリア内人口がその算出根拠となっている。即ちその提供する番組を見た人の数によって広告料が決められている。従って、東京などの大都市にあるキー局の番組についてはその視聴者数が膨大であることから、地方局とは大きく異なっている。
これは、IT業界のアクセス数による広告費用と同等の価値を持つものであって、このような事業形態はITに始まったものではないことが分る。
【0004】
印刷業界は、PCの最近の利用が加速する中で、その存在感が徐々にではあるが希薄になっている。例えば、出版業界は、低迷を続けており、その打開策としてPCの機能を利用した出版なども試みられている。しかし、まだ普及率は非常に低いものであり、かつ、爆発的なヒットを飛ばす方策であるとは考えにくいのが現状である。
【0005】
一方、携帯電話は非常な発展を遂げており、最近では定期券の役割も搭載され、さらに近い将来は電子マネーやカード技術までも取り込もうという状況にある。現在の携帯電話の機能として写真撮影機能があるが、この機能の発展系としてQRコードの読み込みが可能になっている。これは、判読ソフトが事前に搭載されていることに由来しているが、インターネット機能を利用して提供されているソフトのダウンロードも可能になっている。このダウンロード機能を利用すれば、各種のコードの読み込みが可能になる。例えばカラーコードとして提供されているコードは、その読み込み、判別ソフトが存在し、これを電話器に搭載すればカラーコードの読み取りができ、また、通信機能を利用してセンターにこのコードを送信することができる。
【課題を解決する手段】
【0006】
背景技術の中で述べたように商品にコード付与、及び携帯電話による読み取りを行うためのデコーダーソフトの提供が行えれば良い。現在のQRコードは、容量としては7kBに制限されており、このことによって汎用性を確保している。また、エラー補正機能を付与されているので、信頼性は高いコードとなっている。
【0007】
他の二次元コードとして提供されているものとして、カラーコードなどがある。25セルで4色表示をすることによって、最大で10の15乗のデータ容量になる。このような膨大なデータ量であるので、適切な管理を行うことによって、販売元毎の管理、製品毎の管理が可能になる。
【0008】
本発明に使用するコードの例を図1、図2に記載する。
図−1に示した4*4セルの4色のコードでは、データとしては約40億種類の物を識別可能であり、前に述べたような5*5セル4色では10の15乗のデータ量になる。また、図−2に示したカラーコード例では、10の14乗のデータ量になる。さらにカラーバーの数を増やせれば膨大なデータ量になるとともに、エラーコレクションコードも埋め込むことが可能であるし、また、データの繰り返しによるエラー防止技術も利用できる。この例では、最初の5本を提供会社のコードとして提供し、残りの3本を製品に割り当てれば、販売会社数として10億社、製品として26万種類を割り当てることが可能になる。
(また、図−1に示したカラーコードだけでなく、絵や写真も、デコーダーソフトがセル毎に色や模様などの特徴を抽出し、最終的にはセル単位で識別するため、上記とほぼ同じデータ量で、扱うことができる。)
【0009】
このように、商品提供会社と商品をコード化し、例えばカタログや雑誌に印刷されたデータは、例えば携帯電話の写真機能を利用して画像として取り込み、このコードをデコードするソフトをあらかじめ携帯電話にインストールしておくことによって符号化ができる。この符号を携帯電話の通信機能を利用して、センターに送付し、センターはその符号を受信して、その符号の番地に格納された、映像データ、音声データ、文字データを携帯電話器に通信することによってその商品の情報を取得できることになる。
(なお、上記で述べている、デコードするソフトは、かならずしも携帯電話上にインストールされる必要はなく、センター側にインストールしてもよい。その場合、携帯電話からセンター側に画像データを送付し、センター側でデコードすることもできる。)
【0010】
このアクセス回数は、ログとしてセンターに記憶されることから、アクセスの回数を自動的に把握することができる。この回数を根拠に、商品提供会社と契約で定めた一定の価格を乗じることで広告料として請求することになる。
【0011】
図3に本考案の業務遂行の準備のための流れを示すフローを記載する。商品販売を目論む企業、個人(情報提供者)に対してその要請により企業コードと商品コードとを作成して提供する。この提供はコード作成手数料として、例えば1件1万円程度で提供する。販売企業はその商品の写真あるいは宣伝文に加えてこの提供されたコードを印刷する。同時に、センターのサーバーに蓄積する情報、例えば使用方法、特徴、内容の説明、映像情報、音声情報などを編成してセンターに送付する。この編集作業などについては、広告会社などに請け負わせて作成することも可能である。センターは、コードと提供された情報をサーバーにローディングして利用可能な状態にする。この場合、使用するメモリに応じた低額の費用を請求することになる。
(カラーコード(企業コードと商品コード)のかわりに絵や写真を使用する場合、これらの絵や写真は、情報提供者が指定してもよいが、指定された絵や写真が、識別に適しているか否かは、センター側が決めることになる。)
【0012】
図4に実際に提供するサービスについてのフローを示す。印刷物、例えば雑誌、ビラや、映像などで提供された消費者は、この商品に興味を持つ場合に、携帯電話器を使用してその詳しい内容を知ることができる。その方法は、印刷されたコードを読み取って数値コードなどに変換するために使用するデコーダーソフトをサーバーにアクセスして取得する。この状態で印刷物または映像のコード情報を読み取ることができ、携帯電話の通信機能を利用してそのコード情報をセンターに送信する。センターのサーバーはこのアクセスを受信し、コードに適合した情報を検索してそれを携帯電話に送信する。このことによって消費者はより詳しい情報を取得できることになる。
【0013】
センターでは、携帯電話からのアクセスの回数をログデータとして保存できるので、この機能を使用することによってその情報へのアクセス回数をカウントできる。一定期間、例えば週毎、月毎のアクセス回数がわかるので、そのアクセス回数にあらかじめ契約で決定している定額の料金を乗算することによって、商品提供社に対する請求金額が算出でき、これを広告宣伝費として請求することになる。
【0014】
ログの記録から、そのアクセスの回数だけではなく、時間帯についても把握できるので、その分析によって印刷物の提供や映像情報の提供の効果がわかる。これらの情報についても商品提供社に伝えることが可能であるので、例えば、夕方にアクセスが多いならば主婦層が関心を持っている、あるいは昼休み時間帯にアクセスが多いならば、サラリーマンが関心を持っているなどの情報を取れることになるので、広告の出し方、頒布の方法などについての施策を考えるための有益な情報になる。また、広告の効果持続時間などの情報にもなる。また、商品提供者の要望に応じて、このような情報提供することにより、商品提供者に対してマーケティングの調査費用としても請求することにもできる。
【0015】
また、これらのアクセス情報と実販売の情報の組み合わせによって、その宣伝の効果の見積りができるので、商品を提供するタイミングを計算するための情報にも利用できる。また、宣伝の方法についての有効な情報として活用が可能になる。
【0016】
この読み取り方法は、印刷吻に限定されるものではなく、テレビ画像やパソコン画像やデジタルフォトフレームの画像を利用しても同一のサービスを提供できるので、コマーシャル画像の発信の際に同時にこのようなコード情報を提供しても良い。また、パソコン上での表示にこのコードを提示しても何ら問題は無く、商品情報の提供方法としては、単に印刷物だけとは限定されない。すなわち、映像情報として提供可能であればこの事業は実現できるということになる。また、特定のコードの代わりに絵や写真を利用することによって、消費者に意外なインパクトをあたえることによって、情報提供者の宣伝力を高める効果もある。
また、単なる特定コードでなく、会社のロゴや製品のイメージ写真や画像を、取り込み対象にすることによって、当該商品の情報のみならず、その取り込みの操作を通じて、写ロゴや製品イメージそれ自体を消費者に知ってもらうことが出来る。よって、会社の知名度を上げる効果が期待される。
【発明の効果】
【0017】
パソコンの発達、また通信技術との融合によって隆盛を遂げているIT関連の事業に比較して、印刷業界は衰退の一途をたどっているという状況にある。この状態を打開することが必要であり、この提案はその衰退を止める一つの手段になりうると考えられる。また、IT業界が確立した独自の宣伝媒体としての利用方法をそのまま利用することによって新たな業界を成立させることができ、また、この方法は映像情報との整合性もあることから情報の配信方法としても有効であると考えられる。
【実施例1】
【0018】
センターからデコーダーを携帯電話にダウンロードし、印刷されたお菓子のカタログに併記されたコードを読み取った。このコードを読み取れば自動的にセンターにアクセスし、すぐさまそのお菓子に関する情報がセンターから送信され、携帯電話で受信できた。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】カラーコード例1 4*4の4色のコード。左端の矢印図は、コードの起点を示す。
【0020】
【図2】カラーコード例2 3*8の4色のコード 左端の矢印図は、コードの起点を示す。
【0021】
【図3】事業遂行の準備フロー
【0022】
【図4】事業遂行のフロー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造販売元、あるいは販売元が販売する商品のカタログ、広告等の印刷物に、特定のコードを付与して印刷を行うか、あるいはテレビ、パソコン、デジタルフォトフレームに表示させ、携帯電話などでこの印刷された映像や画面表示された映像を取得してその中のコードを読み取り、このコードデータをセンターに通信して、このコードに適合したセンターに保存されている、音声情報や文字情報、映像情報を携帯端末などに送信することによって情報を提供し、その際に、センターへのアクセス回数に応じて商品販売会社に対して対価を請求することを基本とするコード情報を介した製品広告サービス業。(また、上記で述べられている特定のコードのかわりに、絵や写真も使用することができる。この場合においても、絵や写真を、決められた条件に基づき、最終的にコードに変換ができるため、上記と同じサービスを提供することができる。)
【請求項2】
請求項1に記載したコードとしては、従来使用されている2次元QRコード、3次元QRコード、カラーコードなどの既存のコードや絵や写真を使用することを特徴とするコード情報を介した製品広告サービス業。
【請求項3】
請求項1に記載したコードは、販売会社コードと製品コード、及びバージョンコードからなるコードであり、最終的には商品毎の区分が可能であることを特徴とするコード情報を介した製品広告サービス業。
【請求項4】
センターに保存されている情報については、各販売会社が独自で設計製作したものであり、自動的にアクセスしたユーザーに提供できることを特徴とするコード情報を介した製品広告サービス業。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−243176(P2011−243176A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128291(P2010−128291)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000209474)谷電機工業株式会社 (25)