説明

コード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ

【課題】環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもでき、さらに、コードとの接着性を向上させることができるコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたカーカスおよび/またはベルトを有するタイヤを提供する。
【解決手段】天然ゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックを5〜20重量部、およびシリカを含有するコード被覆用ゴム組成物、ならびにそれを用いたカーカスおよび/またはベルトを有するタイヤ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タイヤ用ゴム組成物には、合成ゴムやカーボンブラックなどの石油資源由来の原材料が用いられている。
【0003】
しかし、近年環境問題が重視されるようになり、二酸化炭素の排出量抑制の規制が強化され、また、石油現存量は有限であり、石油資源由来の原材料の使用には限界があるため、現在使用されている石油資源由来の原材料の一部または全てを石油外資源由来の原材料で代替したタイヤ用ゴム組成物の開発が求められている。そこで、石油外資源比率を増大させるために、合成ゴムの代わりに天然ゴム(NR)などの石油外資源由来のゴム成分を使用するだけでなく、カーボンブラックの代わりに、シリカなどの石油外資源由来の原材料を増量する必要がある。しかし、シリカを多量に使用した場合、カーボンブラックが有するゴムとコードとの接着性が悪化してしまう。
【0004】
特許文献1には、石油外資源由来の原材料として、天然ゴム、シリカ、セリサイトなどを使用することで、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもでき、さらに、石油資源由来の原材料を主成分とするタイヤと比較しても、遜色のない性能を有するエコタイヤが開示されている。しかし、カーボンブラックの代替材料としてシリカのみが使用されており、カーボンブラックの代わりに、シリカを高配合すると、接着性が悪化することについては、考慮されていない。
【0005】
【特許文献1】特開2003−63206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもでき、さらに、コードとの接着性を向上させることができるコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたカーカスおよび/またはベルトを有するタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、天然ゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、カーボンブラックを5〜20重量部、およびシリカを含有するコード被覆用ゴム組成物に関する。
【0008】
前記カーボンブラックは、天然カーボンブラックであることが好ましい。
【0009】
前記カーボンブラックは、石油系カーボンブラックを含有し、該石油系カーボンブラックの含有量が5〜10重量部であることが好ましい。
【0010】
前記ゴム成分中のエポキシ化天然ゴムの含有率は、10重量%以上であることが好ましい。
【0011】
前記コードは、レーヨンコードであることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記コード被覆用ゴム組成物を用いたカーカスおよび/またはベルトを有するタイヤに関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所定のゴム成分、カーボンブラックおよびシリカを所定量含有することで、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもでき、さらに、コードとの接着性を向上させることができるコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたカーカスおよび/またはベルトを有するタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のコード被覆用ゴム組成物は、ゴム成分、カーボンブラックおよびシリカを含有する。
【0015】
前記ゴム成分は、天然ゴム(NR)および/またはエポキシ化天然ゴム(ENR)からなる。
【0016】
NRとしてはとくに制限はなく、KR7、TSR20、RSS♯3などのタイヤ工業において一般的なものを使用することができる。
【0017】
前記ゴム成分中のNRの含有率は40重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましい。NRの含有率が40重量%未満では、ゴム強度が低下する傾向がある。また、NRの含有率は90重量%以下が好ましく、85重量%以下がより好ましい。NRの含有率が90重量%をこえると、ENRが少ないため、接着性能が悪化する傾向がある。
【0018】
ENRとしては、市販のENRを用いてもよいし、NRをエポキシ化して用いてもよい。NRをエポキシ化する方法としては、とくに限定されるものではないが、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などの方法を用いて行うことができる。過酸法としてはたとえば、NRに過酢酸や過蟻酸などの有機過酸を反応させる方法などがあげられる。
【0019】
ENRのエポキシ化率は4モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましい。ENRのエポキシ化率が4モル%未満では、極性を有することによる改善効果が少なく、接着性の改善効果がみられない傾向がある。また、ENRのエポキシ化率は60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。ENRのエポキシ化率が60モル%をこえると、低温脆化を引き起こす傾向があり、高温で加硫する際にも加硫戻り(リバージョン)が発生してしまう傾向もある。
【0020】
前記ゴム成分中のENRの含有率は10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましい。ENRの含有率が10重量%未満では、充分な接着性が得られない傾向がある。また、ENRの含有率は70重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましい。ENRの含有率が70重量%をこえると、高温で加硫する際に加硫戻りが発生し、コードとの接着性も低下する傾向がある。
【0021】
本発明では、NRおよびENRを組み合わせて使用した場合、石油外資源由来の原材料を用いた海島構造を作成することができ、接着性能が向上するという効果が得られる。
【0022】
前記ゴム成分としては、NRおよびENR以外にも、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、イソモノオレフィンとパラアルキルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などの合成ゴムもあげられるが、これらの合成ゴムを使用すると環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもできないという理由から、合成ゴムを含まないことが好ましい。
【0023】
カーボンブラックとしては、石油系カーボンブラックおよび天然カーボンブラックがあげられる。なかでも、石油外資源比率を増加させ、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもできるという理由から、天然カーボンブラックが好ましい。
【0024】
石油系カーボンブラックとしては、とくに制限はなく、従来ゴム工業で使用されるSAF、ISAF、HAF、FEFグレードなどを使用することができる。
【0025】
石油系カーボンブラックを含有する場合、石油系カーボンブラックの含有量は5重量部以上が好ましい。また、石油系カーボンブラックの含有量は20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。石油系カーボンブラックの含有量が20重量部をこえると、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもできない傾向がある。
【0026】
天然カーボンブラックとしては、松煙墨や油煙墨などがあげられる。
【0027】
松煙墨とは、林産物から製造したカーボンブラックの下級品のことをいい、とくに制限されるわけではないが、たとえば、樹脂に富んだマツ材を細かく割ったものを不完全燃焼させて生成したススを集める方法などにより製造することができる。
【0028】
油煙墨とは、植物油から製造したカーボンブラックの下級品のことをいい、とくに制限されるわけではないが、たとえば、菜種油、胡麻油、桐油などの植物油を不完全燃焼させて生成したススを集める方法などにより製造することができる。
【0029】
石油系カーボンブラックを代替できる天然資源由来の原材料としては、天然カーボンブラック以外にも、備長炭、竹炭などの炭の粉砕物があげられる。しかし、これらを使用した場合、粒子径が大きく、ゴムに対する補強効果が得られにくいという理由から、コードとの接着性が悪化するため、好ましくない。
【0030】
天然カーボンブラックの平均粒子径は1000nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましい。天然カーボンブラックの平均粒子径が1000nmをこえると、補強性が低下する傾向がある。
【0031】
天然カーボンブラックを含有する場合、天然カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100重量部に対して5重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましい。天然カーボンブラックの含有量が5重量部未満では、接着性の改善効果が得られにくい傾向がある。また、天然カーボンブラックの含有量は20重量部以下が好ましく、15重量部以下がより好ましい。天然カーボンブラックの含有量が20重量部をこえると、ゴムとしての補強性が低下する傾向がある。
【0032】
カーボンブラックの含有量(石油系カーボンブラックおよび天然カーボンブラックの合計含有量)は、ゴム成分100重量部に対して5重量部以上、好ましくは10重量部以上である。また、カーボンブラックの含有量は20重量部以下、好ましくは15重量部以下である。
【0033】
シリカとしては、とくに制限はなく、乾式法または湿式法により調製されたものを用いることができる。
【0034】
シリカのBET比表面積(BET)は90m2/g以上が好ましく、110m2/g以上がより好ましい。シリカのBETが90m2/g未満では、充分なゴム強度が得られない傾向がある。また、シリカのBETは380m2/g以下が好ましく、250m2/g以下がより好ましい。シリカのBETが380m2/gをこえると、ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が大幅に低下する傾向がある。
【0035】
シリカの含有量は、ゴム成分100重量部に対して30重量部以上が好ましく、35重量部以上がより好ましい。シリカの含有量が30重量部未満では、ゴム強度が低下し、ゴムとコードとが剥離しやすくなる傾向がある。また、シリカの含有量は55重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましい。シリカの含有量が55重量部をこえると、ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が大幅に低下する傾向がある。
【0036】
本発明のコード被覆用ゴム組成物には、シリカとともにシランカップリング剤を含有することが好ましい。
【0037】
本発明で使用できるシランカップリング剤としてはとくに制限はないが、具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100重量部に対して6重量部以上が好ましく、8重量部以上がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が6重量部未満では、加工性が悪化する傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は16重量部以下が好ましく、12重量部以下がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が16重量部をこえると、ゴム強度が低下する傾向がある。
【0039】
本発明では、所定のゴム成分、石油系カーボンブラック、天然カーボンブラックおよびシリカを所定量含有することで、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもでき、さらに、コードとの接着性に優れるという効果が得られる。
【0040】
本発明のコード被覆用ゴム組成物は、さらに、ステアリン酸カルシウムを含有することができる。
【0041】
ステアリン酸カルシウムを含有する場合、ステアリン酸カルシウムの含有量は、ゴム成分100重量部に対して0.5重量部以上が好ましく、1重量部以上がより好ましい。ステアリン酸カルシウムの含有量が0.5重量部未満では、ENRの熱老化を改善することができない傾向がある。また、ステアリン酸カルシウムの含有量は10重量部以下が好ましく、8重量部以下がより好ましい。ステアリン酸カルシウムの含有量が10重量部をこえると、ゴム強度が低下する傾向がある。
【0042】
本発明のコード被覆用ゴム組成物には、前記ゴム成分、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤およびステアリン酸カルシウムのほかにも、タイヤ工業において一般的に使用される配合剤、たとえば、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤などを適宜配合することができる。
【0043】
本発明は、環境に配慮し、将来の石油の供給量の減少に備えることを目的としており、アロマオイル、ワックスなどの石油資源由来の原材料を含まないことが好ましい。
【0044】
本発明のゴム組成物は、コード被覆用ゴム組成物として用いられるものである。具体的には、カーカスやベルトなどに好適に用いられる。
【0045】
本発明のタイヤは、本発明のコード被覆用ゴム組成物を用いて、通常の方法により製造することができる。すなわち、必要に応じて、前記配合剤を適宜配合した本発明のコード被覆用ゴム組成物で、カーカスコードおよび/またはベルトコードを被覆し、未加硫の状態でタイヤのカーカスおよび/またはベルトの形状にあわせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて、他の部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加熱加圧することにより、本発明のタイヤを製造することができる。
【0046】
本発明のコード被覆用ゴム組成物で被覆するカーカスコードおよび/またはベルトコードは、スチールコードまたは繊維コードである。ここで、繊維コードとは、レーヨンなどのセルロース、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレンテレフタラート、アラミドなどの原料により得られるものである。なかでも、繊維コードが好ましく、石油外資源由来の原材料であり、環境に配慮することも将来の石油の供給量の減少に備えることもできるという理由から、レーヨンを用いた繊維コードがさらに好ましい。
【0047】
このようにして製造したタイヤは、本発明のコード被覆用ゴム組成物を用いることで、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもできるエコタイヤとすることができる。
【実施例】
【0048】
実施例にもとづいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0049】
次に、実施例および比較例で使用した薬品をまとめて説明する。
天然ゴム(NR):KR7
エポキシ化天然ゴム(ENR):クンプーランガスリー社製のENR25(エポキシ化率:25%)
スチレンブタジエンゴム(SBR):JSR(株)製のSBR1502
石油系カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(N2SA:79m2/g)
天然カーボンブラック(1):墨工房「紀州松煙」製の松煙墨パウダー(松煙墨、平均粒子径:55nm)
天然カーボンブラック(2):(株)古梅園製の油煙墨パウダー(油煙墨、平均粒子径:31nm)
竹炭:備長炭の一庵製の竹炭粉末パウダー(100メッシュ)
シリカ:ローディアジャパン(株)製のZEOSIL 115Gr(BET:115m2/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のJOMOプロセスX140
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸「つばき」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製
ステアリン酸カルシウム:日本油脂(株)製のステアリン酸カルシウムGF−200
硫黄:フレキシス社製のクリステックスHSOT20
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
【0050】
実施例1〜8および比較例1〜4
表1に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製のバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を140℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、前記混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、60℃の条件下で5分間混練りし、シート出しすることにより、実施例1〜8および比較例1〜4で使用する厚さ0.7mmの未加硫ゴム組成物を作製した。
【0051】
(剥離試験)
等間隔に並べたレーヨンコードの上下に各実施例または比較例の未加硫ゴムシートを貼り付けて圧着し、150℃の条件下で30分間プレス加硫し、剥離試験用サンプルを作製した。
【0052】
つぎに、剥離試験用サンプルの表面に切り目を25mm幅に入れ、インストロン社製の引張試験機により、50mm/分の引張速度で剥離し、剥離強度(N/25mm)を測定した。また、剥離した後の剥離面において、繊維コードの剥離時における剥離面のゴムシートに覆われている割合(100%:全面が覆われている)を、ゴム被覆率としてあらわした。なお、剥離強度が大きく、ゴム被覆率が大きいほど接着性に優ることを示す。
【0053】
上記試験結果を表1に示す。
【0054】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、
カーボンブラックを5〜20重量部、および
シリカを含有するコード被覆用ゴム組成物。
【請求項2】
カーボンブラックが天然カーボンブラックである請求項1記載のコード被覆用ゴム組成物。
【請求項3】
カーボンブラックが石油系カーボンブラックを含有し、
該石油系カーボンブラックの含有量が5〜10重量部である請求項1または2記載のコード被覆用ゴム組成物。
【請求項4】
ゴム成分中のエポキシ化天然ゴムの含有率が10重量%以上である請求項1、2または3記載のコード被覆用ゴム組成物。
【請求項5】
コードがレーヨンコードである請求項1、2、3または4記載のコード被覆用ゴム組成物。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5記載のコード被覆用ゴム組成物を用いたカーカスおよび/またはベルトを有するタイヤ。

【公開番号】特開2008−1862(P2008−1862A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175100(P2006−175100)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】