説明

コード読取装置、携帯端末、および商品情報処理システム

【課題】二次元コードからの商品情報の二度読みを容易に防止する。
【解決手段】実施形態のコード読取装置は、撮像手段と、検出手段と、サイズ認識手段と、読取手段と、を備える。前記撮像手段は、画像を撮像する。前記検出手段は、前記撮像された画像から、商品の取引に関わる情報を変換した二次元コードを検出する。前記サイズ認識手段は、前記検出した二次元コードのサイズを認識する。前記読取手段は、前記認識した二次元コードのサイズが、同一取引処理内において一つ前に認識された二次元コードのサイズと異なる場合に、前記検出した二次元コードから前記情報を読み取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コード読取装置、携帯端末、および商品情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗用の商品情報処理システムには、例えば、POS(Point Of Sales)端末を有する会計システムに前捌きシステムを盛り込んだものがある。前捌きシステムは、店舗の会計エリアに設置されたPOS端末による会計処理の前に、店員が携帯する携帯端末が店員の操作によって商品を登録する。次いで、前捌きシステムは、携帯端末で登録された商品の商品情報など当該商品の取引に関わる情報をコード化した二次元コードを印字した仮レシートをプリンタによって発行する(特許文献1参照)。なお、前捌きシステムでは、商品に付されたバーコードを携帯端末が備えるスキャナで読み込む。次いで、前捌きシステムは、読み込んだバーコードに組み込まれた商品情報を読み取ることにより、商品の登録を行う。
【0003】
客は、前捌きシステムによって発行された仮レシートを、店舗の会計場所でキャッシャに渡す。キャッシャは、仮レシートに印字された二次元コードをPOS端末に接続されたスキャナに読み取らせる。そして、POS端末が、スキャナによって読み取られた二次元コードに組み込まれたデータに基づいて会計処理を実行する。
【0004】
このように、前捌きシステムによれば、POS端末での会計処理の前に、店員が操作する携帯端末で商品を登録することで、ある客に対するPOS端末での会計処理が行われている最中に、別の客の商品を携帯端末によって登録をすることができるので、会計処理を効率的に行うことができ、会計時間を短縮することができるという利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、仮レシートとして用いられる印字用紙は、一般的に、幅の細いロール紙であるため、サイズの大きい二次元コードを印字することができない。そのため、従来の前捌きシステムにおいては、取引対象の商品の商品情報など、商品の取引に関わる情報の情報量が多い場合、当該情報を複数の二次元コードに分けてコード化し、複数の二次元コードを仮レシートに印字している。しかしながら、複数の二次元コードを仮レシートに印字した場合、POS端末での会計処理の際に複数の二次元コードをスキャナに読み取らせる過程において、キャッシャが、一つの二次元コードを誤ってスキャナに二度読み取らせてしまう、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のコード読取装置は、撮像手段と、検出手段と、サイズ認識手段と、読取手段と、を備える。前記撮像手段は、画像を撮像する。前記検出手段は、前記撮像された画像から、商品の取引に関わる情報を変換した二次元コードを検出する。前記サイズ認識手段は、前記検出した二次元コードのサイズを認識する。前記読取手段は、前記認識した二次元コードのサイズが、同一取引処理内において一つ前に認識された二次元コードのサイズと異なる場合に、前記検出した二次元コードから前記情報を読み取る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本実施形態にかかる商品情報処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、携帯端末を表面側から見て示す斜視図である。
【図3】図3は、携帯端末を裏面側から見て示す斜視図である。
【図4】図4は、携帯端末のキー部を示す平面図である。
【図5】図5は、携帯端末の概略構成を示す図である。
【図6】図6は、携帯端末のRAMに形成される商品情報記憶エリアを説明するための説明図である。
【図7】図7は、POS端末の概略構成を示す図である。
【図8】図8は、ストアサーバの概略構成を示す図である。
【図9】図9は、携帯端末のCPUの機能構成を示す図である。
【図10】図10は、仮レシートの一例を示す図である。
【図11】図11は、前捌き処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、POS端末のCPUの機能構成を示す図である。
【図13】図13は、会計処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】図14は、仮レシートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本実施形態にかかるコード読取装置、携帯端末、および商品情報処理システムについて詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる商品情報処理システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、商品情報処理システム1は、携帯端末100、媒体発行部としての携帯プリンタ200、決済装置300、サーバであるストアサーバ400、無線アクセスポイント500およびプリンタ600を備えている。本実施形態では、商品情報処理システム1は、決済装置300、ストアサーバ400、無線アクセスポイント500およびプリンタ600を、有線LAN(Local Area Network)等の有線通信ネットワーク700によって接続している。また、携帯端末100は、無線通信によって、無線アクセスポイント500や携帯プリンタ200に接続する。ここで、本実施形態では、携帯端末100、携帯プリンタ200およびストアサーバ400が、前捌きシステムを構成している。
【0010】
本実施形態にかかる商品情報処理システム1は、前捌き処理を行う店舗に設置される前捌きシステムである。本実施形態にかかる商品情報処理システム1は、決済装置300における取引対象の商品の決済の前に、決済待ちをしている客の取引対象の商品を、店員が操作する携帯端末100によって登録する。次に、商品情報処理システム1は、登録した商品の情報を表示した仮レシート800(図10参照)を携帯プリンタ200によって発行する。そして、客は、決済の際に、仮レシート800をキャッシャに渡す。仮レシート800を受け取ったキャッシャは、仮レシート800に表示された商品の情報を決済装置300に入力する操作を行う。これにより、決済装置300が商品の決済を行う。
【0011】
以下、商品情報処理システム1の各部を詳細に説明する。
【0012】
まず、図2〜6を用いて、携帯端末100の詳細を説明する。図2は、携帯端末を表面側から見て示す斜視図である。図3は、携帯端末を裏面側から見て示す斜視図である。図4は、携帯端末のキー部を示す平面図である。図5は、携帯端末の概略構成を示す図である。図6は、携帯端末のRAMに形成される商品情報記憶エリアを説明するための説明図である。
【0013】
携帯端末100は、店舗の店員等に操作される携帯型の情報処理端末でありコンピュータを構成する。携帯端末100は、図2および図3に示すように、外形が概略直方体であり、当該携帯端末100を携帯した店員が片手で操作できる。携帯端末100は、筐体101の正面に、例えば液晶ディスプレイ等のディスプレイ102とキー部103とを有し、筐体101の裏面に、スキャナ104とバッテリ105とを有する。また、携帯端末100は、筐体101の裏面に、スキャナ104のコード読取口106を有している。また、携帯端末100は、筐体101の左右両側面の略中央部に、トリガスイッチ108,109を有している。トリガスイッチ108,109は、スキャナ104でバーコード等のコードシンボルを読取るときのトリガとなるものである。また、携帯端末100は、筐体101の左側面の下部に、第1の無線通信インタフェース110(図5参照)の投受光窓111を有している。
【0014】
また、携帯端末100は、筐体101の裏面下部に着脱自在に装着されたバッテリ105を有している。携帯端末100を操作する店員は、筐体101の右側面の下部に設けられたリリーススイッチ112を操作することで、バッテリ105を、筐体101から取り外すことができる。携帯端末100は、バッテリ105の電力によって動作する。
【0015】
キー部103は、図4に示すように、「0」〜「9」の値数キーや小数点キーを含むテンキー113、エンターキー114、バックスペースキー115、クリアキー116、シフトキー117、電源キー118、第1のマジックキー119、第2のマジックキー120を有する。
【0016】
スキャナ104は、取引対象の商品に貼付されたバーコードから、商品コードなど商品を示す商品情報を光学的に読み取る。ここで、商品は、当該商品を示す商品情報として商品毎に予め設定された商品コードを有している。そして、本実施形態にかかる商品情報処理システム1を導入した店舗では、各商品に、商品コードが組み込まれたバーコードを貼付している。また、本実施形態にかかる商品情報処理システム1は、スキャナ104を、決済装置300に設けられた後述するCCDスキャナ303とは別体で設けている。
【0017】
また、携帯端末100は、図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(Random Access Memory)123及び日時を計時する時計部124を有する。CPU121、ROM122、RAM123、および時計部124は、アドレスバス、データバス等のバスライン129を介して接続されて、コンピュータである制御部を構成している。
【0018】
CPU121は、ROM122に記憶されたコンピュータ読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、携帯端末100を制御する。ROM122は、CPU121が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM123は、CPU121が実行する各種プログラムを一時的に記憶する。また、RAM123は、各種データを書き換え自在に記憶する。さらに、RAM123は、バッテリ105によって電源がバックアップされており、電源オフ時にも記憶したデータを保持する。
【0019】
また、携帯端末100は、スキャナコントローラ125、ディスプレイコントローラ126、キーコントローラ127、第1の無線通信インタフェース(図面ではI/F)110、および第2の無線通信インタフェース(図面ではI/F)128を有する。携帯端末100は、スキャナコントローラ125、ディスプレイコントローラ126、キーコントローラ127、第1の無線通信インタフェース110、第2の無線通信インタフェース128を、バスライン129によってCPU121に接続している。
【0020】
スキャナコントローラ125は、スキャナ104で読み取られたデータの信号を取込んでCPU121に入力する。ディスプレイコントローラ126は、ディスプレイ102の駆動を制御して、CPU121から与えられる表示データに対応した文字等をディスプレイ102に表示する。キーコントローラ127は、キー部103やトリガスイッチ108,109から出力される信号を取込んでCPU121に通知する。
【0021】
第1の無線通信インタフェース110は、携帯プリンタ200との無線データ通信を制御する。本実施形態では、第1の無線通信インタフェース110は、携帯端末100と携帯プリンタ200との間の無線通信を、赤外線を用いて行う。なお、第1の無線通信インタフェース110は、電波、光、赤外線、超音波、近接無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))などを用いて、携帯端末100と携帯プリンタ200との無線通信を行っても良い。
【0022】
第2の無線通信インタフェース128は、無線アクセスポイント500との無線データ通信を制御する。携帯端末100は、第2の無線通信インタフェース128によって、無線アクセスポイント500を介してストアサーバ400等の他の機器とデータ通信を行う。ここで、本実施形態では、携帯端末100と無線アクセスポイント500とは、無線LAN方式を用いた無線LANシステムを構成している。
【0023】
また、RAM123は、図6に示すように、商品情報記憶エリア123aを有している。商品情報記憶エリア123aは、スキャナ104によってバーコードから読み取られた商品コードが示す商品毎に、商品コード、商品名、単価等の商品情報と、当該商品の取引に対して提供する値引き、割引、ポイント付与などのサービスを示すサービス情報と、を対応付けて記憶するものである。即ち、RAM123の商品情報記憶エリア123aは、スキャナ104によってバーコードから読み取られた商品コードが示す商品の商品情報、および当該商品コードが示す商品の取引に対して提供するサービスのサービス情報を記憶する記憶部である。さらに、RAM123は、携帯端末100を特定する端末IDなどの端末情報を記憶する。
【0024】
携帯プリンタ200は、情報を表示した情報表示媒体として例えば仮レシート800(図10)を発行する。携帯プリンタ200は、例えば、用紙としてロール状に巻回されたロール紙を用いるラインサーマル式のプリンタである。携帯プリンタ200は、ロール状に巻回されたロール紙を引き出しつつそのロール紙に情報を印字して仮レシート800を生成する。そして、携帯プリンタ200は、ロール紙から仮レシート800を切断して仮レシート800を発行する。携帯プリンタ200は、CPU、ROM、RAMを有する制御部(図示せず)と、当該制御部に接続された無線通信インタフェース(図示せず)とを有しており、無線通信インタフェースによって携帯端末100と無線データ通信を行う。
【0025】
決済装置300は、図1に示すように、コンピュータとしてのPOS(Point Of Sales)端末301と、POS端末301に接続されたバーコードスキャナ302と、POS端末301に接続されたCCD(Charge Coupled Device)スキャナ303と、を有している。
【0026】
図7は、POS端末の概略構成を示す図である。POS端末301は、図7に示すように、CPU321、ROM322、RAM323、時計部324、I/O(Input/Output)ポート325、ネットワークインタフェース326、キーボードコントローラ327、タッチパネルコントローラ328、ディスプレイコントローラ329、プリンタコントローラ330、スキャナコントローラ331,332、および記憶装置コントローラ333を備えている。POS端末301は、アドレスバス、データバス等のバスライン334を介して、CPU321、ROM322、RAM323、時計部324、I/O(Input/Output)ポート325、ネットワークインタフェース326、キーボードコントローラ327、タッチパネルコントローラ328、ディスプレイコントローラ329、プリンタコントローラ330、スキャナコントローラ331,332、および記憶装置コントローラ333を接続している。
【0027】
CPU321は、ROM322に記憶されたコンピュータ読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、POS端末301を制御する。ROM322は、CPU321が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM323は、CPU321が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。
【0028】
また、時計部324は、現在の日時を計時する。ネットワークインタフェース326は、有線通信ネットワーク700等を通じて接続される他の装置とのデータ通信を制御する。I/Oポート325は、モードスイッチ342からのモード選択信号を入力する。また、I/Oポート325は、ドロワ(図示せず)の引出しを自動開放させるドロワ開放装置335に駆動信号を出力する。キーボードコントローラ327は、キーボード336から操作キーに対応したキー信号を取込んでCPU321に通知する。タッチパネルコントローラ328は、客用のタッチパネル付きディスプレイ337の駆動を制御してCPU321から供給される表示データに対応した文字等をディスプレイ337にカラー表示する。また、タッチパネルコントローラ328は、ディスプレイ337の画面に取り付けられたタッチパネルセンサ338からの信号を取込んでCPU321に通知する。ディスプレイコントローラ329は、オペレータ用のディスプレイ339の駆動を制御してCPU321から与えられる表示データに対応した文字等をディスプレイ339にカラー表示する。プリンタコントローラ330は、レシート/ジャーナル(図面ではR/J)プリンタ340の駆動を制御してCPU321から供給される印字データをもとにレシート印字及びジャーナル印字をレシート/ジャーナルプリンタ340に行わせる。スキャナコントローラ331は、バーコードスキャナ302で読み取られたデータの信号を取込んでCPU321に入力する。スキャナコントローラ332は、CCDスキャナ303で読み取られたデータの信号を取込んでCPU321に入力する。記憶装置コントローラ333は、CPU321からの指示信号に基づいて記憶装置341に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する。
【0029】
記憶装置341は、例えばハードディスクドライブ装置等から構成されており、CPU321を動作させるプログラム等を格納している。記憶装置341は、取引対象の商品の商品コード、商品名、単価等の商品情報と、商品の取引に対して提供する値引き、割引、ポイント付与などのサービスを示すサービス情報とを対応付けて記憶する商品マスタファイルなど、各種情報を記憶する商品情報記憶部341aを含んでいる。商品情報記憶部341aの商品マスタファイルに記憶される商品情報およびサービス情報は、後述するストアサーバ400に記憶されたものの複製である。
【0030】
バーコードスキャナ302は、商品に付されたバーコードを光学的に読み取るものである。CCDスキャナ303は、例えば仮レシート800(図10参照)に印字されたQRコード(登録商標)等の2次元コードを含む画像を光学的に撮像する撮像部である。例えば、CCDスキャナ303は、30fps等の所定のフレームレートでフレーム画像を撮像する。
【0031】
図8は、ストアサーバの概略構成を示す図である。ストアサーバ400は、図8に示すように、CPU421、ROM422、RAM423、時計部424、ネットワークインタフェース(図面ではI/F)425、キーボードコントローラ426、ディスプレイコントローラ427、プリンタコントローラ428、記憶装置コントローラ429を備えている。ストアサーバ400は、アドレスバス、データバス等のバスライン430を介して、CPU421、ROM422、RAM423、時計部424、ネットワークインタフェース(図面ではI/F)425、キーボードコントローラ426、ディスプレイコントローラ427、プリンタコントローラ428、記憶装置コントローラ429を接続している。
【0032】
CPU421は、ROM422に記憶されたコンピュータ読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、ストアサーバ400を制御する。ROM422は、CPU421が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM423は、CPU421が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。
【0033】
また、時計部424は、現在の日時を計時する。ネットワークインタフェース425は、有線通信ネットワーク700等を通じて接続される他の装置とのデータ通信を制御する。ストアサーバ400は、有線通信ネットワーク700によって、携帯端末100および決済装置300のPOS端末301とデータ通信できる。キーボードコントローラ426は、キーボード431から操作キーに対応したキー信号を取込んでCPU421に通知する。ディスプレイコントローラ427は、ディスプレイ432の駆動を制御してCPU421から与えられる表示データに対応した文字等をディスプレイ432にカラー表示する。プリンタコントローラ428は、プリンタ433の駆動を制御してCPU421から供給される印字データをもとに用紙に印字をプリンタ433に行わせる。記憶装置コントローラ429は、CPU421からの指示信号に基づいて記憶装置434に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する。
【0034】
記憶装置434は、例えばハードディスクドライブ装置等から構成されており、CPU421を動作させるプログラム等を格納している。記憶装置434は、商品コード、商品名、単価等の取引対象の商品の商品情報、商品の取引に対して提供する値引き、割引、ポイント付与などのサービスを示すサービス情報など、各種情報を記憶する商品情報記憶部434aを含んでいる。つまり、商品情報記憶部434aは、取引対象の商品の商品コード、商品名、単価等の商品情報と、商品の取引に対して提供するサービス情報とを対応付けて記憶する商品マスタファイルを記憶している。
【0035】
無線アクセスポイント500は、有線通信ネットワーク700に接続された機器(例えばストアサーバ400)と携帯端末100とを接続するための無線通信装置であって、無線LAN−有線LANのプロトコル変換を行う。この無線アクセスポイント500は、例えばCPU、ROM、RAMを有する制御部とネットワークインタフェースと無線通信インタフェースとを有するコンピュータを構成する。
【0036】
次に、商品情報処理システム1の携帯端末100のCPU121、POS端末301のCPU321、ストアサーバ400のCPU421がプログラムに従って実行する処理のうち前捌き処理と会計処理とを説明する。
【0037】
まずは、前捌き処理について説明する。図9は、携帯端末のCPUの機能構成を示す図である。前捌き処理は、携帯端末100とストアサーバ400とが実行する。携帯端末100のCPU121は、プログラムに従うことにより、図9に示すように、事前登録部131と、合計金額算出部132と、変換部133と、発行部134と、を機能部として実現する。
【0038】
事前登録部131は、スキャナ104によってバーコードから読み取られた商品コードが示す商品を、登録するものである。具体的には、事前登録部131は、スキャナ104からバーコードから読み取られた商品コードが入力されると、ストアサーバ400の商品情報記憶部434aから、スキャナ104によって読み取られた商品コードと対応付けられた商品名や単価等の商品情報およびサービス情報を読み出す。次いで、事前登録部131は、読み出した商品情報とサービス情報とを対応付けて商品情報記憶エリア123aに記憶させることにより、商品の登録を行う。商品情報およびサービス情報を読み出す際、事前登録部131は、入力された商品コードを含み商品情報およびサービス情報を要求する信号をストアサーバ400に送信する。次いで、事前登録部131は、応答としてストアサーバ400から送信された商品情報およびサービス情報を受信する。さらに、事前登録部131は、受信した商品情報とサービス情報とを対応付けて商品情報記憶エリア123aに記憶させる。事前登録部131は、商品の登録を、スキャナ104から商品コードが入力される毎に行う。事前登録部131は、スキャナ104からの入力順に番号を付して商品情報とサービス情報とを対応付けて商品情報記憶エリア123aに記憶させる。
【0039】
合計金額算出部132は、事前登録部131によって商品の登録が完了した際に、事前登録部131により登録された商品の合計金額を算出する。具体的には、合計金額算出部132は、商品情報記憶エリア123aに記憶された商品情報に含まれる商品の単価を読み出す。次いで、合計金額算出部132は、読み出した商品の単価の合計を合計金額として算出する。
【0040】
変換部133は、スキャナ104により読み取られた商品コードが示す商品の取引に関わる取引情報を、1またはサイズが異なる複数の二次元コードに変換するものである。具体的には、変換部133は、商品情報記憶エリア123aから、事前登録部131によって登録された取引対象の商品の商品情報および当該商品の取引に対して提供するサービスのサービス情報を読み出す。さらに、変換部133は、RAM123に記憶された端末情報を読み出す。そして、変換部133は、読み出した商品情報、サービス情報、および端末情報を取引情報として、取引情報毎に、サイズが異なる複数の二次元コードであって、自コードのサイズを示すサイズバージョンを含むQRコードに変換する。変換部133は、各取引情報の情報量が所定の情報量以下である場合、1つのQRコードに変換する。一方、変換部133は、各取引情報の情報量が所定の情報量より多い場合、各取引情報を複数のQRコードに変換する。変換部133は、複数の取引情報を当該取引情報毎に複数のQRコードに変換する場合、既に取引情報から変換したQRコードのサイズとは異なるサイズのQRコードに変換するものとする。本実施形態では、変換部133は、複数の取引情報をQRコードに変換する場合、各取引情報をサイズが連続する複数のQRコードに変換する。
【0041】
ここで、所定の情報量とは、仮レシート800(図10参照)として用いる用紙の幅に応じて設定され、仮レシート800(図10参照)として用いる用紙の幅に納まるサイズの二次元コードに変換できる情報量である。例えば、仮レシート800として幅が5cmの用紙を用いる場合には、変換部133は、商品25個分の商品情報(取引情報)の情報量を、所定の情報量に設定する。
【0042】
また、取引情報をQRコードに変換する場合、変換部133は、QRコードのサイズバージョンおよび取引情報を変換したQRコードの数を示す数情報を、QRコードに含めるものとする。QRコードのサイズバージョンは、サイズバージョン1の21×21セルから、サイズバージョン40の177×177セルまで4セル刻みで決められている。したがって、変換部133は、商品情報、サービス情報、および端末情報を取引情報として、取引情報毎に、3つのQRコードに変換する場合、各QRコードのサイズバージョン(例えば、サイズバージョン1〜3など)および取引情報を変換したQRコードの数を示す数情報(例えば、1/3、2/3、3/3など)を、各QRコードに含めるものとする。
【0043】
発行部134は、変換部133によって取引情報から変換されたQRコードを表示した仮レシートを、携帯プリンタ200に発行させるものである。本実施形態では、発行部134は、変換部133により変換された順にQRコードを表示した仮レシートを携帯プリンタ200に発行させるものとする。ここで、仮レシートを図10に示す。仮レシート800には、サイズが異なる複数のQRコード801〜803が表示されている。
【0044】
本実施形態では、発行部134は、図10に示すように、QRコード801〜803に加えて、合計金額算出部132によって算出された合計金額804と、事前登録部131によって登録された商品の個数805とを、携帯プリンタ200の印字によって仮レシート800に表示する。
【0045】
次に、図11を用いて、前捌き処理の流れを説明する。図11は、前捌き処理の流れを示すフローチャートである。携帯端末100のCPU121は、スキャナ104によって取引対象の商品の商品コードが入力されるのを待つ(ステップS1101:No、ステップS1104:No)。CPU121は、スキャナ104によって商品コードが入力されると、商品コードの入力を受け付ける(ステップS1101:Yes)。
【0046】
事前登録部131は、商品コードの入力が受け付けられると、入力された商品コードを含む信号をストアサーバ400に送信して、入力された商品コードが示す商品の商品情報および当該商品の取引に対して提供されるサービスのサービス情報をストアサーバ400に問い合わせる(ステップS1102)。
【0047】
携帯端末100から問い合わせを受けたストアサーバ400では、CPU421が、携帯端末100から受信した商品コードで商品情報記憶部434aを検索して、当該受信した商品コードが示す商品の商品情報、および当該商品情報と対応付けられたサービス情報を得る(ステップS1108)。そして、CPU421は、問い合わせを受けた商品の商品情報およびサービス情報を携帯端末100に応答情報として送信する(ステップS1109)。
【0048】
ストアサーバ400から応答情報として商品情報およびサービス情報を受信した携帯端末100では、事前登録部131が、受信した商品情報およびサービス情報を商品情報記憶エリア123aに記憶させて、入力を受け付けた商品コードが示す商品を登録する(ステップS1103)。CPU121および事前登録部131は、キー部103の所定のキーが操作されることで同一取引処理内における商品の登録の終了が宣言されない場合(ステップS1104:No)、ステップS1101〜S1103の処理を、スキャナ104から商品コードが入力される度に行う。そして、CPU121は、キー部103の所定のキーが操作されて同一取引処理内における商品の登録の終了が宣言されると(ステップS1104:Yes)、商品の登録を終了する。
【0049】
次に、合計金額算出部132は、商品情報記憶エリア123aに記憶された商品情報に含まれる単価を参照して、事前登録部131によって登録された全ての商品の合計金額を算出する(ステップS1105)。次に、変換部133は、商品情報記憶エリア123aに記憶された商品情報およびサービス情報と、RAM123に記憶された端末情報を取引情報として読み出し、取引情報毎に、サイズが異なるQRコードに変換する(ステップS1106)。
【0050】
次に、発行部134は、変換部133によって変換されたQRコード、合計金額算出部132により算出された合計金額804、および事前登録部131により登録された商品の個数805等が表示された仮レシート800を携帯プリンタ200に発行させる(ステップS1107)。
【0051】
次に、POS端末301のCPU321が行う会計処理について説明する。図12は、POS端末のCPUの機能構成を示す図である。CPU321は、プログラムに従うことにより、図12に示すように、取込部1200、検出部1201、サイズ認識部1202、読取部1203、検知部1204、報知部1205、登録部1206と、決済部1207と、を機能部として実現する。
【0052】
取込部1200は、CCDスキャナ303が撮像した、仮レシート800に表示されたQRコードを含むフレーム画像を順次取り込むものである。
【0053】
検出部1201は、CCDスキャナ303により撮像したフレーム画像からQRコードを検出するものである。具体的には、検出部1201は、取込部1200により取り込まれたフレーム画像から、ファインダパターンなどの位置検出用パターンを検索して、複数のQRコード801〜803の検出などを行う。
【0054】
サイズ認識部1202は、検出部1201により検出されたQRコードのサイズを認識するものである。本実施形態では、サイズ認識部1202は、検出したQRコードに含まれるサイズバージョンから、当該検出したQRコードのサイズを認識する。
【0055】
なお、本実施形態では、サイズ認識部1202は、検出したQRコードのサイズバージョンから、当該QRコードのサイズを認識しているが、これに限定するものではない。例えば、サイズ認識部1202は、仮レシートに表示されたQRコード等の二次元コードの幅と、二次元コードの端から仮レシートの端までの長さと、の比率から、当該二次元コードのサイズを認識しても良い。
【0056】
読取部1203は、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが、同一取引処理内において既に認識したQRコードのサイズと異なる場合に、検出部1201により検出したQRコードから取引情報を読み取るものである。本実施形態では、読取部1203は、キーボード336の締めキーが押下される前にサイズ認識部1202により認識されたQRコードのサイズを、同一取引処理内において認識されたQRコードのサイズと判断する。なお、読取部1203は、同一取引処理内において認識したQRコードのサイズ(つまり、キーボード336の締めキーが押下される前に認識されたQRコードのサイズ)を、認識された順にRAM323に記憶しておくものとする。そして、読取部1203は、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズがRAM323に記憶されたQRコードのサイズと一致していない場合には、当該サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが、同一取引処理内において既に認識したQRコードのサイズと異なると判断して、検出部1201により検出したQRコードから取引情報を読み取る。
【0057】
また、読取部1203は、取引情報として読み取った商品情報とサービス情報と端末情報とを含む販売データを生成する。そして、読取部1203は、生成した販売データをRAM323等の記憶部に記憶させる。なお、読取部1203は、取引情報として複数の商品の商品情報が読み取られた場合には、商品毎に販売データを生成するものとする。
【0058】
これにより、QRコードに変換された取引情報やQRコードの識別子を読み取ることなく、同じQRコードからの取引情報の二度読みを防止できるので、取引情報の二度読みを防止するための複雑なアルゴリズムを用いることなく、QRコードからの取引情報の二度読みを容易に防止できる。なお、読取部1203は、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが、同一取引処理内において既に認識したQRコードのサイズと同じである場合、検出部1201により検出したQRコードからの読み取りを行うことなく、当該検出したQRコードを破棄するものとする。
【0059】
また、読取部1203は、検出部1201により検出されたQRコードから、携帯端末100の変換部133により取引情報が変換されたQRコードの数を示す数情報を読み取る。
【0060】
検知部1204は、複数の取引情報が当該取引情報毎にサイズが連続する複数のQRコードに変換されている場合、サイズ認識部1202により認識したサイズが連続していない場合にQRコードの検出漏れを検知する。また、検知部1204は、読取部1203により数情報が読み取られた場合、読取部1203により読み取った数情報が示すQRコードの数分、同一取引処理内においてサイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが連続していない場合に、QRコードの検出漏れを検知する。例えば、読取部1203により読み取った数情報が示すQRコードの数が3個であり、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが21×21セル,25×25セル,29×29セルである場合、検知部1204は、読み取った数情報が示すQRコードの数分、認識したQRコードのサイズが連続しているため、QRコードの検出漏れは無いと判断する。一方、読取部1203により読み取った数情報が示す数が3個で、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが21×21セル,29×29セルである場合、検知部1204は、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが3つ連続していないため、QRコードの検出漏れがあると判断する。また、読取部1203により読み取った数情報が示すQRコードの数が3個で、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが21×21セル,25×25セルである場合、検知部1204は、読み取った数情報が示すQRコードの数分、QRコードのサイズが認識されていないため、QRコードの検出漏れがあると判断する。
【0061】
報知部1205は、検知部1204によりQRコードの検出漏れが検知された場合に、オペレータ用のディスプレイ339にメッセージを表示したり、図示しないブザーから警告音を発したりして、QRコードの検出漏れを報知するものである。
【0062】
登録部1206は、バーコードスキャナ302によって読み取られた商品コードが示す商品を登録する。具体的には、登録部1206は、バーコードスキャナ302から商品コードの入力を受け付けた場合、入力を受け付けた商品コードが示す商品の商品コード、商品名、単価等の商品情報およびサービス情報を商品情報記憶部341aから読み出す。そして、登録部1206は、読み出した商品コード、商品名、単価等の商品情報およびサービス情報を含む販売データを生成する。そして、登録部1206は、販売データをRAM323等の記憶部(売上マスタファイル)に記憶させることで当該商品を登録する。
【0063】
決済部1207は、登録部1206により登録した商品または読取部1203により商品情報(取引情報)を読み取った商品に対しての決済を行う。具体的には、決済部1207は、キーボード336の締めキーが押下されると、登録部1206により生成された販売データまたは読取部1203により生成された販売データを参照して、登録部1206により登録した商品または読取部1203により商品情報を読み取った商品の合計売価を算出して、ディスプレイ337,339に表示させる。そして、決済部1207は、店員の操作によって、合計売価以上の預かり金額の入力がキーボード336によってなされると、入力金額を受け入れることで商品の決済を行う。このように、決済部1207は、読取部1203により読み取られた商品情報またはバーコードスキャナ302により読み取られた商品コードによって特定される商品に対して決済を行う。そして、決済部1207は、RAM323に記憶された販売データ等を含む所定内容を表示したレシートをレシート/ジャーナルプリンタ340によって発行する。また、決済部1207は、合計売価等により構成される一取引に係るジャーナルデータを生成する。そして、決済部1207は、生成したジャーナルデータをレシート/ジャーナルプリンタ340によってジャーナル用紙に記録するとともに、ドロワを開放する。
【0064】
次に、図13を用いて、会計処理の流れを説明する。図13は、会計処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
まず、CPU321は、CCDスキャナ303に撮像オン信号を出力してCCDスキャナ303によるフレーム画像の撮像を開始する(ステップS1301)。次いで、取込部1200は、CCDスキャナ303により撮像されたフレーム画像を取り込む(ステップS1302)。次いで、検出部1201は、取込部1200により取り込まれたフレーム画像から、商品の取引に関わる取引情報を変換したQRコードを検出する(ステップS1303)。
【0066】
サイズ認識部1202は、検出部1201によりQRコードが検出されたか否かを判断する(ステップS1304)。QRコードが検出されなかった場合(ステップS1304:No)、ステップS1302に示す処理へ戻り、次のフレーム画像に対する処理を行う。一方、QRコードが検出された場合(ステップS1304:Yes)、サイズ認識部1202は、検出されたQRコードのサイズを認識する(ステップS1305)。次いで、読取部1203は、認識したQRコードのサイズが、同一取引処理内において既に認識したQRコードのサイズと異なるか否かを判断する(ステップS1306)。そして、認識したQRコードのサイズが同一取引処理内において既に認識したQRコードのサイズと同じである場合(ステップS1306:No)、読取部1203は、検出部1201により検出したQRコードを破棄する(ステップS1307)。一方、認識したQRコードのサイズが同一取引処理内において既に認識したQRコードのサイズと異なる場合若しくは同一取引処理内において未だQRコードのサイズが認識されていない場合(ステップS1306:Yes)、読取部1203は、検出部1201により検出したQRコードから取引情報を読み取る(ステップS1308)。
【0067】
CPU321は、キーボード336の締めキーが押下されたか否かを判断する(ステップS1309)。キーボード336の締めキーが押下されていない場合(ステップS1309:No)、ステップS1302に示す処理に戻り、次のフレーム画像の取り込みを行う。一方、キーボード336の締めキーが押下された場合(ステップS1309:Yes)、読取部1203は、検出されたQRコードから数情報を読み取る(ステップS1310)。
【0068】
検知部1204は、読取部1203により読み取られた数情報が示すQRコードの数分、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが連続しているか否かにより、QRコードの検出漏れを検知する(ステップS1311)。QRコードの検出漏れが検知された場合(ステップS1311:Yes)、報知部1205は、QRコードの検出漏れを報知する(ステップS1312)。なお、QRコードの検出漏れが報知された場合、ステップS1202に示す処理に戻り、再度、フレーム画像の取り込みを行う。
【0069】
一方、QRコードの検出漏れが検知されなかった場合(ステップS1311:No)決済部1207は、読取部1203により取引情報(商品情報)を読み取った商品に対しての決済を行う(ステップS1313)。
【0070】
次いで、CPU321は、業務終了の有無を判定する(ステップS1314)。業務を継続する場合(ステップS1314:No)、CPU321は、ステップS1302に示す処理へ戻り、次のフレーム画像に対する処理を行う。一方、業務を終了する場合(ステップS1314:Yes)、CPU321は、CCDスキャナ303に撮像オフ信号を出力してCCDスキャナ303による撮像を終了し(ステップS1315)、処理を終了する。
【0071】
このように本実施形態にかかる商品情報処理システム1によれば、商品に貼付されたコードシンボルから、取引対象の商品を示す商品情報を読み取り、読み取った商品情報が示す商品の取引に関わる取引情報を、取引情報毎に、1またはサイズが異なる複数のQRコードに変換し、変換されたQRコードが表示された仮レシート800を発行し、発行された仮レシート800に表示されたQRコードの画像を撮像し、撮像された画像を取り込み、取り込まれた画像から、QRコードを検出し、検出したQRコードのサイズを認識し、認識したQRコードのサイズが、同一取引処理内において既に認識されたQRコードのサイズと異なる場合に、検出したQRコードから取引情報を読み取ることにより、QRコードに変換された取引情報やQRコードの識別子を読み取ることなく、同じQRコードからの取引情報の二度読みを防止できるので、取引情報の二度読みを防止するための複雑なアルゴリズムを用いることなく、QRコードからの取引情報の二度読みを容易に防止できる。
【0072】
(第2の実施形態)
本実施形態は、複数の取引情報を、取引情報毎に、複数の二次元コードに変換する際に、同一取引処理内において一つ前に取引情報を変換した二次元コードのサイズとは異なるサイズの二次元コードに取引情報を変換するものである。なお、以下の説明では、上述の実施形態と同様の箇所については説明を省略し、上述の実施形態と異なる箇所について説明する。
【0073】
本実施形態にかかる変換部133は、複数の取引情報を当該取引情報毎に複数のQRコードに変換する場合、1つ前に取引情報から変換したQRコードのサイズとは異なるサイズにQRコードに変換する。つまり、変換部133は、取引情報をQRコードに変換する場合に、一つ前に取引情報から変換したQRコードのサイズと異なっていれば、同一取引処理内において既に取引情報から変換したQRコードのサイズと同じサイズのQRコードに変換しても良い。
【0074】
図14は、仮レシートの一例を示す図である。変換部133は、商品情報、サービス情報、および端末情報の3つの取引情報を、取引情報毎に、3つのQRコードに変換する場合、商品情報をサイズバージョン1のQRコード1401に変換する。次いで、変換部133は、サービス情報をサイズバージョン2のQRコード1402に変換する。さらに、変換部133は、端末情報を、サービス情報を変換したQRコードのサイズバージョン2とは異なる、サイズバージョン1のQRコード1403に変換する。
【0075】
そして、本実施形態にかかる発行部134は、図14に示すように、変換部133により変換されたQRコード1401〜1403を、QRコードに変換された順に表示した仮レシート1400を発行する。
【0076】
本実施形態にかかる読取部1203は、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが、同一取引処理内において一つ前に認識したQRコードのサイズと異なる場合に、検出部1201により検出したQRコードから取引情報を読み取る。具体的には、読取部1203は、サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズがRAM323に最後に記憶されたQRコードのサイズと一致していない場合には、当該サイズ認識部1202により認識したQRコードのサイズが、同一取引処理内において一つ前に認識したQRコードのサイズと異なると判断して、検出部1201により検出したQRコードから取引情報を読み取る。
【0077】
このように本実施形態にかかる商品情報処理システム1によれば、商品に貼付されたコードシンボルから、取引対象の商品を示す商品情報を読み取り、読み取った商品情報が示す商品の取引に関わる取引情報を、取引情報毎に、同一取引処理内において1つ前に取引情報を変換したQRコードのサイズとは異なる複数のQRコードに変換し、変換されたQRコードを変換した順に表示した仮レシート1400を発行し、発行された仮レシート1400に表示されたQRコードの画像を撮像し、撮像された画像を取り込み、取り込まれた画像から、QRコードを検出し、検出したQRコードのサイズを認識し、認識したQRコードのサイズが、同一取引処理内において一つ前に認識されたQRコードのサイズと異なる場合に、検出したQRコードから取引情報を読み取ることにより、QRコードに変換された取引情報やQRコードの識別子を読み取ることなく、少なくとも一つ前に取引情報を読み取ったQRコードからの取引情報の二度読みを防止できるので、取引情報の二度読みを防止するための複雑なアルゴリズムを用いることなく、QRコードからの取引情報の二度読みを容易に防止できる。
【0078】
以上に説明したとおり、第1,2の実施形態によれば、取引情報の二度読みを防止するための複雑なアルゴリズムを用いることなく、QRコードからの取引情報の二度読みを容易に防止できる。
【0079】
また、本実施形態の携帯端末およびPOS端末で実行されるプログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0080】
また、本実施形態の携帯端末およびPOS端末で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の携帯端末およびPOS端末で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
1 商品情報処理システム
100 携帯端末
104 スキャナ
121,321 CPU
122,322 ROM
123,323 RAM
133 変換部
134 発行部
200 携帯プリンタ
300 決済装置
301 POS端末
303 CCDスキャナ
800 仮レシート
801〜803 QRコード
1201 検出部
1202 サイズ認識部
1203 読取部
1204 検知部
1205 報知部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特許第3632019号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像された画像から、商品の取引に関わる情報を変換した二次元コードを検出する検出手段と、
前記検出した二次元コードのサイズを認識するサイズ認識手段と、
前記認識した二次元コードのサイズが、同一取引処理内において一つ前に認識された二次元コードのサイズと異なる場合に、前記検出した二次元コードから前記情報を読み取る読取手段と、
を備えたコード読取装置。
【請求項2】
同一取引処理内において前記サイズ認識手段により認識したサイズが連続していない場合に二次元コードの検出漏れを検知する検知手段を備えた請求項1に記載のコード読取装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記撮像された画像から、前記情報と当該情報を変換した前記二次元コードの数を示す数情報とを変換した二次元コードを検出し、
前記読取手段は、前記検出した二次元コードから前記数情報を読み取り、
前記検知手段は、前記読み取られた数情報が示す数分、同一取引処理内において前記サイズ認識手段により認識したサイズが連続していない場合に二次元コードの検出漏れを検知する請求項2に記載のコード読取装置。
【請求項4】
前記二次元コードの検出漏れが検知された場合に、二次元コードの検出漏れを報知する報知手段を備えた請求項2または3に記載のコード読取装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記撮像された画像から、取引対象の商品の商品情報を前記情報として変換した二次元コードを検出し、
前記読取手段は、前記検出した二次元コードから前記商品情報を読み取る請求項1から4のいずれか一に記載のコード読取装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記撮像された画像から、商品の取引に対して提供するサービスのサービス情報を前記情報として変換した二次元コードを検出し、
前記読取手段は、前記検出した二次元コードから前記サービス情報を読み取る請求項1から5のいずれか一に記載のコード読取装置。
【請求項7】
前記検出手段は、前記撮像された画像から、前記情報を前記二次元コードに変換した端末の端末情報を前記情報として変換した二次元コードを検出し、
前記読取手段は、前記検出した二次元コードから前記端末情報を読み取る請求項1から6のいずれか一に記載のコード読取装置。
【請求項8】
取引対象の商品に貼付されたコードシンボルから、前記商品の商品情報を読み取る読取手段と、
前記読み取られた商品情報が示す商品の取引に関わる情報を、1またはサイズが異なる複数の二次元コードに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された二次元コードが表示されたレシートを発行する発行手段と、
を備えた携帯端末。
【請求項9】
取引対象の商品に貼付されたコードシンボルから、前記商品の商品情報を読み取る第1読取手段と、
前記読み取られた商品情報が示す商品の取引に関わる情報を、1またはサイズが異なる複数の二次元コードに変換する変換手段と、
前記変換された二次元コードが表示されたレシートを発行する発行手段と、
前記発行されたレシートの画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像された画像から、前記二次元コードを検出する検出手段と、
前記検出した二次元コードのサイズを認識するサイズ認識手段と、
前記認識した二次元コードのサイズが、同一取引処理内において一つ前に認識された二次元コードのサイズと異なる場合に、前記検出した二次元コードから前記情報を読み取る第2読取手段と、
を備えた商品情報処理システム。
【請求項10】
前記変換手段は、前記情報を、1またはサイズが異なる複数の二次元コードであって、自コードのサイズを示すサイズバージョンを含むQRコードに変換し、
前記検出手段は、前記撮像された画像から、前記QRコードを検出し、
前記サイズ認識手段は、前記検出したQRコードに含まれるサイズバージョンが示すサイズを、前記検出したQRコードのサイズとして認識し、
前記第2読取手段は、前記認識したQRコードのサイズが、同一取引処理内において一つ前に認識されたQRコードのサイズと異なる場合に、前記検出したQRコードから前記情報を読み取る請求項9に記載の商品情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−69091(P2012−69091A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143216(P2011−143216)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】