説明

コード読取装置およびプログラム

【課題】オペレータによる値引処理操作を必要とせずに、簡単に値引処理を行う。
【解決手段】ラベル読取部53は、カメラ20が撮像した画像データDにサービス表示ラベルが検出されなくとも、タイマー56がタイムアウトしていない間は、カメラ20が撮像した撮像エリア70内の画像データDを新たに取り込んで、サービス表示ラベルの検出を所定の時間だけ続行する。サービス表示ラベルを検出した場合には、コード読取装置2は、サービス表示ラベルからサービス情報を読み取ってサービスコードC2を生成し、バーコード読取部52が読み取ったバーコードデータC1と複合化してPOS端末3に出力する。これにより、バーコード62とサービス表示ラベルの貼付位置が離れていても、双方の情報を関連付けてPOS端末3に出力することができ、自動的に値引処理を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード読取装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の小売店では、生鮮品の廃棄ロスを削減するために、閉店時間が近づくと商品を値引して販売することがしばしば行われている。この場合、店側は、値引額や割引率などを表示した値引ラベルを商品に貼付して、顧客に値引商品であることを明示している。また、POS(Point of Sales)端末のオペレータは、客が買上げる商品に値引ラベルが貼付されている場合には、スキャナで当該商品のバーコードを読み取るとともに、キーボードやタッチパネル等から値引に関する処理を行う。このため、オペレータが値引ラベルに気付かずに値引商品を通常価格で販売してしまうおそれがあった。
【0003】
これに対して、特許文献1では、カメラでバーコードおよび値引ラベルを同時に撮像し、撮像した画像から読み取った商品コードおよび値引情報をPOS端末に出力することで、POS端末における値引処理を自動的に行う技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された技術では、値引ラベルとバーコードとを一度に撮像するようにしていることから、値引ラベルがバーコードの近くに貼付されることが必要となる。しかしながら、値引ラベルは店員が手作業で貼り付けることが多いため、バーコードと値引ラベルの位置が離れることがある。このような場合には、カメラが一度に両者を撮像することができないため、値引処理を自動的に行うことができず、オペレータがキーボード等から手入力することによって値引処理を行っていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、オペレータによる値引処理操作を必要とせずに、自動的に値引処理を行うことができるコード読取装置およびプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のコード読取装置は、撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、前記画像取込手段が取り込んだ前記画像から、コードシンボルの画像およびサービス表示の画像のいずれか一方を検出して、検出した前記画像から、前記コードシンボルに対応する商品情報または前記サービス表示に対応するサービス情報のいずれか一方を読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段が前記情報の読み取りを行った後所定の時間は、前記第1の読取手段が検出していない他方の前記画像を検出するまで前記画像取込手段による前記画像の取り込みを行って、前記他方の画像を検出した場合には、検出した前記他方の前記画像から、前記商品情報または前記サービス情報のいずれか一方を読み取る第2の読取手段と、前記第2の読取手段が前記いずれか一方の前記情報を読み取った場合には、読み取った前記情報を前記第1の読取手段が読み取った前記情報とともに出力する情報出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、前記画像取込手段が取り込んだ前記画像から、コードシンボルの画像およびサービス表示の画像のいずれか一方を検出して、検出した前記画像から、前記コードシンボルに対応する商品情報または前記サービス表示に対応するサービス情報のいずれか一方を読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段が前記情報の読み取りを行った後所定の時間は、前記第1の読取手段が検出していない他方の前記画像を検出するまで前記画像取込手段による前記画像の取り込みを行って、前記他方の画像を検出した場合には、検出した前記他方の前記画像から、前記商品情報または前記サービス情報のいずれか一方を読み取る第2の読取手段と、前記第2の読取手段が前記いずれか一方の前記情報を読み取った場合には、読み取った前記情報を前記第1の読取手段が読み取った前記情報とともに出力する情報出力手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品情報またはサービス情報のいずれか一方を読み取った後所定の時間は、検出していない他方の画像を検出するまで撮像手段による画像の取り込みを行うので、バーコードと値引ラベルの貼り付け位置が離れていてもオペレータが商品の画像を再度撮像することが可能となり、オペレータによる値引処理操作を必要とせずに、自動的に値引処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるコード読取装置を用いたチェックアウトレーンシステムの構成を概略的に示す外観斜視図である。
【図2】図2は、コード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、商品とカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。
【図4】図4は、割引ラベルを示す図である。
【図5】図5は、ポイント割増ラベルを示す図である。
【図6】図6は、ラベル特徴テーブルを説明する図である。
【図7】図7は、バーコードラベルおよび値引ラベルを含む画像データを示す図である。
【図8】図8は、バーコードラベルおよび値引ラベルと、撮像エリアとの関係の一例を示す図である。
【図9】図9は、バーコードラベルを含む画像データを示す図である。
【図10】図10は、値引ラベルを含む画像データを示す図である。
【図11】図11は、バーコードデータを説明する図である。
【図12】図12は、サービスコードを説明する図である。
【図13】図13は、複合コードを説明する図である。
【図14】図14は、コード読取装置が実行する情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第2の実施の形態にかかるコード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図16】図16は、コード読取装置が実行する情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるコード読取装置およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態にかかるコード読取装置2を備えたチェックアウトレーンシステム4の構成を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトレーンシステム4は、商品を入れた買い物かごを戴置するためのサッカー台1と、サッカー台1の略中央に立設されたコード読取装置2と、コード読取装置2と図示しない伝送路によって相互通信可能に接続されたPOS端末3とを備えている。
【0012】
POS端末3は、客が購入する商品の販売登録を行うものである。図1に示すように、POS端末3には、キーボード31、オペレータ用の表示器32、客用の表示器33、レシート印字等を行うプリンタ34、現金等を収容するためのドロワ35等が設けられている。キーボード31には、商品代金の決済に必要な締めキー等が配設されている。POS端末3は、この種のチェックアウトレーンシステムで標準的に使用されているPOS端末と同様の構成と機能とを備えている。
【0013】
コード読取装置2は、商品に貼付されたバーコードを読み取って、バーコードが含む商品情報をPOS端末3に出力するための装置である。図1に示すように、コード読取装置2は、読取窓21と、キーボード22と、ディスプレイ23と、表示LED24と、ブザー25とを主に備えている。キーボード22は、バーコードで登録不能な商品の登録を行う場合に、各種キーによる入力を受付ける。ディスプレイ23は、登録された商品の品名や価格等を買い物客に対して表示する。表示LED24は、商品に貼付されたバーコードが読み取られた場合に点灯して、バーコードが読み取られていることをオペレータに報知する。ブザー25は、商品に貼付されたバーコードが読み取られた場合にブザー音を鳴らして、オペレータに報知する。読取窓21が設けられたコード読取装置2の内部には、CCD(Charge Coupled Device)カメラ20(図2参照)が内蔵されている。
【0014】
図2は、コード読取装置2の構成を示すブロック図である。コード読取装置2は、CPU50と、ROM42と、RAM43と、通信I/F44と、出力ポート46と、キーボードコントローラ47と、表示コントローラ48と、カメラコントローラ49と、メモリ45とを主に備えており、これらをアドレスバス、データバスなどのバスライン41で接続して構成されている。
【0015】
CPU50は、コード読取装置2の動作全体を制御する制御部として機能する。ROM42は、本実施の形態にかかるプログラムや、CPU50の動作を制御するその他のプログラム等を記憶している。RAM43は、CPU50がROM42が記憶する各種プログラムを展開する際にワークエリアとして機能するものである。また、RAM43は、カメラ20によって撮像した画像データなどの各種データを格納する。
【0016】
通信I/F44は、バスを介して接続されたPOS端末3(図1参照)とのデータ通信を制御する。出力ポート46は、ブザー25と表示LED24に駆動信号を出力する。キーボードコントローラ47は、キーボード22からキー信号を取り込む。表示コントローラ48は、ディスプレイ23に対するデータ表示を制御する。カメラコントローラ49は、カメラ20の撮像動作を制御する。
【0017】
カメラ20は、商品に付されたバーコードまたは二次元コード等のコードシンボルや、値引やポイント付加等のサービスを表示したラベルなどを撮像する。
【0018】
次に、本実施の形態のコード読取装置2により処理される商品とカメラ20の撮像領域との関係について説明する。図3は、商品60とカメラ20の撮像エリアとの関係の一例を示す図である。図中2点鎖線で囲った領域は、カメラ20が1フレームで撮像できる領域である撮像エリア70aである。図3に示す商品60には、バーコードラベル61に加えて、サービス表示ラベルの一例である値引ラベルL1が貼付されている。
【0019】
バーコードラベル61には、商品名「豚バラうす切り」や、商品価格「200円」や、バーコード62等が表示されている。バーコード62には、商品60の販売データをPOS端末3で登録処理するのに必要な商品情報として、商品コード等の情報が組み込まれている。また、バーコード62の下部には、バーコード62が組み込んでいる商品コード「2101234567890」が数字で表示されている。値引ラベルL1には、商品60に関する値引額を示す文字情報「表示価格より50円引き」が表示されている。
【0020】
尚、サービス表示ラベルとしては、商品60に付され、商品60の購入時に付与されるサービスに関するサービスを表示しているものであればよい。サービス表示ラベルのその他の例としては、図4に示すように、商品60の割引率を表示した割引ラベルL2や、図5に示すように、商品60を購入した客に対して、通常のポイント付与数より割増されて付与されるポイント数を表示したポイント割増ラベルL3等がある。
【0021】
不揮発性のメモリ45は、サービス表示ラベルの特徴と、サービス表示ラベルが示すサービスの内容を対応付けたラベル特徴テーブルTを格納している。
【0022】
図6は、ラベル特徴テーブルTを説明する図である。図6に示すように、ラベル特徴テーブルTは、サービス表示ラベルが含む文字やシンボルの特徴を示したラベル特徴データと、当該サービス表示ラベルによって商品に付与されるサービス情報とを対応付けて記憶している。
【0023】
より詳細には、ラベル特徴データとは、サービス表示ラベルからOCR等の文字認識処理によって抽出される情報のことである。即ち、図3に示すように、「表示価格より50円引き」と記載された値引ラベルL1については、図6のラベル特徴テーブルTにおいてNo.1のラベル特徴データに示すように、「50、円、引」という情報が文字認識処理によって抽出される。同様に、図4、5に示すラベルL2、L3に対しても、図6のNo.2、No.3のラベル特徴データに示すように、「10、%、引」「10、ポイント」という割引やポイント付与に関する情報が抽出される。
【0024】
サービス情報とは、サービス表示ラベルから読み取った値引情報やポイント付与情報などのサービスに関する情報を、POS端末3の販売登録処理において使用できるよう英数値に変換した情報のことである。即ち、図6に示すように、ラベル特徴データ「50、円、引」に対しては、50円の値引を意味するサービス情報「−50YEN」が対応付けて記憶されている。また、ラベル特徴データ「10、%、引」に対しては、10%の割引を意味するサービス情報「−10%」が対応付けて記憶されている。さらに、ラベル特徴データ「10、ポイント」に対しては、10ポイントのポイント割増を意味するサービス情報「+10P」が対応付けて記憶されている。
【0025】
次に、本実施の形態のコード読取装置2が有する特徴的な機能について説明する。CPU50は、RAM43に展開されたROM42が記憶するプログラムに従って動作することで、図2に示すように、画像データ取込部51と、バーコード読取部52と、ラベル読取部53と、情報出力部54と、報知部55として機能する。
【0026】
画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力してカメラ20に撮像動作を開始させる。画像データ取込部51は、カメラ20が撮像した撮像エリア70内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する。また、画像データ取込部51は、ラベル読取部53の指示を受けた場合に、カメラ20が撮像した撮像エリア70内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する。
【0027】
ここで、画像データ取込部51が取り込む画像データD(Da、Db、Dc)について図3、図7ないし図10を用いて説明する。
【0028】
図3に示すように、商品60においてバーコード62と値引ラベルL1が近接して貼付されている場合には、バーコード62と値引ラベルL1とが撮像エリア70aに納まっている。この場合、カメラ20は、バーコード62と値引ラベルL1とを1フレームで撮像することができる。画像データ取込部51は、撮像エリア70aに対応する画像データDa(図7参照)をRAM43の画像ワークエリアに格納する。
【0029】
一方、図8に示すように、商品60においてバーコード62と値引ラベルL1とが離れて貼付されている場合には、バーコード62と値引ラベルL1とは同一の撮像エリア70に納まらない。この場合には、オペレータが読取窓21にかざす商品60の位置を変えて、バーコード62を含む撮像エリア70bと、値引ラベルL1を含む撮像エリア70cとの複数のフレームにより商品60を複数回に分けて撮像することとなる。画像データ取込部51は、撮像エリア70b、70cに対する各画像データDb(図9参照)、Dc(図10参照)をそれぞれ取り込み、RAM43の画像ワークエリアに格納する。
【0030】
バーコード読取部52は、画像データ取込部51がRAM43の画像ワークエリアに格納した画像データから、バーコード62の画像を検出し、検出したバーコード62から商品60の商品情報を読み取るバーコード読取処理を行う。
【0031】
より詳細には、バーコード読取部52は、RAM43の画像ワークエリアに格納された1フレームの画像データD(Da〜Dc、図7、図9、図10参照)を2値化し、2値化したデータ内にバーコード62に関するデータ領域が存在するか否かを検出する。バーコード読取部52は、取り込んだ画像データDにおいてバーコード62に関するデータ領域を検出した場合には、バーコード62をデコードして、図11に示すJ1〜J13のバーコードデータ(JANコード)C1を、商品60の商品情報として読み取る。バーコードデータC1は、メーカーコードや、商品情報としての商品コードや、チェックデジット等を含んでいる。バーコード読取部52は、読み取ったバーコードデータC1をRAM43のバーコードワークエリアに格納する。
【0032】
ラベル読取部53は、画像データ取込部51がRAM43の画像ワークエリアに格納した画像データに対して、サービス表示ラベルの画像を検出するラベル読取処理を行う。ラベル読取部53は、サービス表示ラベルの画像を検出するまで、画像データ取込部51による画像データの取込を予め定めた所定の時間だけ行う。また、ラベル読取部53は、所定の時間内にサービス表示ラベルの画像を検出した場合には、検出したサービス表示ラベルの画像からサービス情報(図6参照)を読み取る。
【0033】
より具体的には、ラベル読取部53は、RAM43の画像ワークエリアに格納された1フレームの画像データD(Da〜Dc、図7、図9、図10参照)に対して、OCR(Optical Character Reader)等の文字認識処理を行う。ラベル読取部53は、サービス表示ラベルが含む文字や絵やシンボル等の特徴と、ラベル特徴テーブルTのラベル特徴データ(図6参照)とを照合して、一致度の高いラベル特徴データを検出した場合に、画像データDにサービス表示ラベルを検出したと判断する。
【0034】
また、ラベル読取部53は、検出したラベル特徴データに該当するサービス情報をラベル特徴テーブルTから読み取る。さらに、ラベル読取部53は、読み取ったサービス情報をコード化してサービスコードC2(図12参照)を生成し、RAM43のサービスコードワークエリアに格納する。
【0035】
図12は、サービスコードC2を説明する図である。図12に示すように、サービスコードC2は、サービスの種類を設定するフラグFと、値引額や値引率や付与ポイント数など提供されるサービスの値を示すデータP1〜P5を含んでいる。フラグFは、例えば、1:値引率、2:値引金額、3:ポイントとしてサービスの種類を表すことができる。
【0036】
さらに、ラベル読取部53は、ラベル読取処理を時間制限するタイマー56の動作を制御する。ラベル読取部53は、サービス表示ラベルを検出していない場合であって、タイマー56がタイムアウトしていない場合には、画像データ取込部51に対して画像取り込みを行うよう指示して、カメラ20が撮像した撮像エリア70内の画像データを新たに取り込む処理を行わせる。
【0037】
このようにすることで、オペレータは、タイマー56がタイムアウトしていない所定の時間の間だけ、商品60をカメラ20によって複数回撮像することができる。従って、図8のように、サービス表示ラベルがバーコードラベル61を含む撮像エリア70bに貼付されていない場合であっても、オペレータは、サービス表示ラベルを含む撮像エリア70cによって撮像しなおすことが可能となり、バーコードデータC1およびサービスコードC2を取得することができる。
【0038】
情報出力部54は、ラベル読取部53が生成したサービスコードC2がRAM43に格納されている場合には、バーコード読取部52によりRAM43に格納されているバーコードデータC1にサービスコードC2を結合して複合コードC3を生成し、これをPOS端末3に出力する。
【0039】
図13は、複合コードC3を説明する図である。図13に示すように、複合コードC3は、スタートコードで始まり、バーコードデータC1と、サービスコードC2と、サービスコードC2のチェックデジットCDと、複合コードC3のチェックデジットCODE128CDとを含んでおり、ストップコードで終わるコードとなっている。POS端末3は、コード読取装置2から受け取った複合コードC3に基づいて、商品60にサービスコードC2が示すサービスを付与した販売登録を行う。
【0040】
一例として、図3に示すように、商品60に50円引きの値引ラベルL1が貼付されていた場合には、ラベル読取部53が読み取ったサービス情報「−50YEN」をデジタル化したサービスコードC2が生成される。従って、複合コードC3は、商品コード「2101234567890」に対応するバーコードデータC1と、「−50YEN」に対応するサービスコードC2が含むこととなる。POS端末3は、POS端末3または店舗内のホスト端末(不図示)が保持する商品マスタ等を参照して、バーコードデータC1に対応する商品60の価格を読み込む。さらにPOS端末3は、サービスコードC2に基づいて、読み込んだ価格から50円値引をして、商品の販売登録を行う。
【0041】
報知部55は、バーコード読取部52がバーコード62を読み取った場合に、バーコード62が検出された状態にあることをオペレータに報知するため、バーコードオン信号を出力して表示LED24を発光させる。また、報知部55は、情報出力部54がPOS端末3に対して複合コードC3、或いはバーコードデータC1を出力した場合に、バーコードオフ信号を出力して表示LED24を消灯する。
【0042】
さらに、報知部55は、情報出力部54がPOS端末3にバーコードデータC1を出力した場合には、ブザー25を駆動して、バーコードラベル61のみが読み取られ、サービス表示ラベルは読み取られなかったことを示す第1のブザー音(例えば“ピッ”)を鳴らす。
【0043】
また、報知部55は、情報出力部54がPOS端末3に複合データC3を出力した場合には、ブザー25を駆動して、バーコードラベル61およびサービス表示ラベルの双方が読み取られたことを示す第2のブザー音(例えば“ピッ、ピッ”)を鳴らす。
【0044】
次に、コード読取装置2が行う商品の販売登録処理について図14を用いて説明する。図14は、コード読取装置2が行う情報出力処理の手順を示したフローチャートである。
【0045】
コード読取装置2のCPU50は、POS端末3からのコマンドにより業務起動が指令されると、情報出力処理を開始する。画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力し、カメラ20による撮像動作を開始する(ステップS1)。画像データ取込部51は、カメラ20が撮像した画像データD(Da,Db,Dc)をRAM43の画像ワークエリアに取り込む(ステップS2)。そして、バーコード読取部52は、上述したバーコード読取処理を開始する(ステップS3)。
【0046】
バーコード読取部52は、ステップS3のバーコード読取処理においてバーコード62を検出したか否かを判断する(ステップS4)。バーコード62を検出していない場合(ステップS4:No)には、バーコード読取部52はカメラ20による撮像を続ける(ステップS2)。
【0047】
バーコード62を検出している場合(ステップS4:Yes)には、ラベル読取部53は、ラベル読取処理を時間制限するタイマー56を起動する(ステップS5)。また、報知部55は、バーコードオン信号を出力して表示LED24を点灯させ(ステップS6)、バーコード62が検出されたことをオペレータに報知する。
【0048】
次に、ラベル読取部53は、ステップS2でRAM43の画像ワークエリアに取り込んだ画像データに対して、ラベル読取処理を開始する(ステップS7)。そして、ラベル読取部53は、ステップS7のラベル読取処理においてサービス表示ラベルを検出したか否かを判断する(ステップS8)。
【0049】
サービス表示ラベルを検出している場合(ステップS8:Yes)には、情報出力部54は、RAM43のバーコードワークエリアに格納されているバーコードデータC1とサービスコードワークエリアに格納されているサービスコードC2とから、複合コードC3(図13参照)を生成する(ステップS9)。そして、情報出力部54は、生成した複合コードC3を通信インタフェース44を介してPOS端末3に伝送出力する(ステップS10)。報知部55は、ブザー25を駆動して第2のブザー音を鳴らす(ステップS11)。さらに、報知部55は、バーコードオフ信号を出力してバーコードが読み取られていることをオペレータに報知していたLED等の表示器を消灯する(ステップS12)。
【0050】
その後、POS端末3からのコマンドにより業務終了が指令されたか否かを判断する(ステップS18)。業務終了が指令されていない場合(ステップS18:No)には、ステップS2に戻って、ステップS2〜S18を全ての商品の販売登録が終了するまで繰り返す。業務終了が指令された場合には(ステップS18:Yes)、CPU50は、カメラコントローラ49に撮像オフ信号を出力し(ステップS19)、カメラ20による撮像動作を終了する。
【0051】
一方、サービス表示ラベルを検出していない場合には(ステップS8:No)、ラベル読取部53は、ステップS5で起動したタイマー56がタイムアウトしているか否かを判断する(ステップS14)。
【0052】
タイマー56がタイムアウトしていない場合には(ステップS14:No)、ラベル読取部53は、画像データ取込部51を制御して画像データの取り込みを新たに行う(ステップS13)。そして、ラベル読取部53は新たに取り込んだ画像に対してラベル読取処理を実行する(ステップS7)。
【0053】
タイマー56がタイムアウトしている場合には(ステップS14:Yes)、情報出力部54は、RAM43のバーコードワークエリアに格納されているバーコードデータC1を、通信インタフェース44を介してPOS端末3に伝送出力する(ステップS15)。報知部55は、ブザー25を駆動して第1のブザー音を鳴らす(ステップS16)。また、報知部55は、バーコードオフ信号を出力してバーコード62が読み取られていることをオペレータに報知していたLED等の表示器を消灯する(ステップS17)。その後、CPU50は、ステップS18に移行する。
【0054】
上述のように、コード読取装置2は、サービス表示ラベルを読み取るために所定の時間だけ待ち時間を設けており、所定の時間の間はサービス表示ラベルを読み取るまで、カメラ20により撮像された新たな画像データを受付ける。これにより、カメラ20が1フレームでバーコード62およびサービス表示ラベルを撮像できない場合であっても、複数回商品60を撮像することでバーコードデータC1とサービスコードC2とを取得することが可能となる。従って、オペレータによる値引処理を必要とせずに自動的に値引処理やポイント割増処理等のサービス付与処理を行うことができる。
【0055】
また、上述のように、報知部55はバーコードラベル61およびサービス表示ラベルの双方が読み取られた場合と、バーコードラベル61のみが読み取られた場合で、ブザー音の音色や回数を変えてオペレータに報知する。従って、オペレータは、ブザー音の違いにより、サービス表示ラベルが貼付された商品か否かを容易に判別することができる。従って、POS端末3によって自動的に値引処理やポイント割増等のサービス付与を行う場合に、オペレータによる確認作業も簡単に行うことができるという効果を奏する。
【0056】
(第2の実施の形態)
値引の対象となる主な商品としては、店舗内で加工販売される生鮮食品等が挙げられる。一般に、店舗内で加工販売される商品に付される商品コードとしては、特定の数値(ここでは2とする)で始まるインストアコードが使用される。即ち、図3を参照すると、商品コードは「2101234567890」と「2」で始まっており、この商品60にはインストアコードが付されていることが分かる。
【0057】
第1の実施の形態においては、全ての商品に対してバーコード読取処理を行った後に所定の時間、サービス表示ラベルの読取待ちを設けていた。しかしながら、例えばインストアコードが付された商品に対してのみ値引販売を行うような店舗においては、インストアコードが付された商品に限ってサービス表示ラベルの読取待ちをすればよい。そこで、第2の実施の形態にかかるコード読取装置202は、読み取った商品コードがインストアコードか否かを判定し、インストアコードでない場合には、バーコードデータC1のみをPOS端末3に即時に出力することを特徴とする。
【0058】
図15は、第2の実施の形態にかかるコード読取装置202の構成を示すブロック図である。コード読取装置202のCPU250は、インストアコード判別部57をさらに備え、第1の実施の形態にかかる情報出力部54とは異なる情報出力部254を備えている。第1の実施の形態のコード読取装置2と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0059】
インストアコード判別部57は、バーコード読取部52が読み取ったバーコードデータC1(図11参照)を参照して、バーコードデータC1が示す商品コードがインストアコード(サービス対象情報)であることを示す特定の数値で始まっているか否かを判別する。例えば、特定の数値が「2」と定められており、バーコードデータC1が示す商品コードが「2101234567890」のように「2」で始まる場合には、読み取ったバーコードデータC1はインストアコードであると判別する。
【0060】
情報出力部254は、インストアコード判別部57が、バーコード読取部52により読み取られたバーコードデータC1はインストアコードであると判別した場合に、サービス表示ラベルの読取を所定の時間だけ待たずに、即、RAM43に格納されたバーコードデータC1のみをPOS端末3に出力する。
【0061】
次に、コード読取装置202が実行する情報出力処理について図16を参照して説明する。図16は、コード読取装置202が実行する情報出力処理の手順を示すフローチャートである。尚、図14と同じ処理については同じ符号を付してここでの説明を省略する。
【0062】
インストアコード判別部57は、ステップS3で読み取ったバーコード62がインストアコードであるか否か判別する(ステップS20)。インストアコードであると判別した場合(ステップS20:Yes)には、ステップS5に移行して上述したステップS5以降の処理を行う。一方、インストアコードではないと判別した場合(ステップS20:No)に、情報出力部254は、RAM43のバーコードワークエリアに格納されているバーコードデータC1を、通信インタフェース44を介してPOS端末3に伝送出力する(ステップS21)。報知部55は、ブザー25を駆動してバーコード62のみが読み取られたことを示す第1のブザー音を鳴らし(ステップS22)、ステップS18に移行する。
【0063】
上述のように、コード読取装置202は、読み取ったバーコード62から値引の可能性があるか否かを判別するので、値引の可能性のある商品に対してのみ、サービス表示ラベルの読み込み待ちを行う。従って、全ての商品に対してサービス表示ラベルの読み込み待ち時間を設けなくてもよいため、商品の販売登録処理をより短時間で済ませることが可能となる。
【0064】
尚、上述では、バーコード読取部52がバーコード62から商品情報(バーコードデータC1)を読み取ってから、ラベル読取部53がサービス表示ラベルからサービス情報を読み取るとしたが、情報を読み取る順番はこれに限定されるものではない。その他の例として、ラベル読取部53がサービス表示ラベルからサービス情報を読み取った後に、バーコード読取部52がバーコード62から商品情報を読み取るとしても良い。
【0065】
尚、上述では、商品60にサービス表示ラベルが1枚貼付される例について説明したが、商品60に貼付されるサービス表示ラベルは複数枚であっても良いとする。この場合、情報出力部54、254は、バーコードデータC1とともに、各サービス表示ラベルから読み取った複数のサービスコードC2とを複合して複合コードC3を生成するものとする。
【0066】
尚、上述では、ラベル読取部53は、サービス表示ラベルからサービス情報を読み取るとしたが、値引や割引などの情報はラベルに印刷される形態に限定されるものではない。その他の例として、値引や割引などの情報を商品60に直接記載したり、印刷したりするとしてもよい。また、ラベル読取部53は、文字情報の識別処理に限定されず、ラベルや図形等の色や大きさ、形状などを識別して、それらの特徴に対応付けられたサービス情報を読み取るとしても良い。
【0067】
また、上述では、バーコード読取部52は、商品60に貼付されたバーコード62を読み取るとしたが、これに限定されるものではなく、コードシンボル等の2次元コードなどを読み取ってもよい。また、バーコード62は、バーコードラベル61によって商品60に貼付されるとしたが、バーコード62が商品に直接印刷されていてもよい。
【0068】
なお、本実施形態のコード読取装置2、202で実行されるプログラムは、ROM42等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のコード読取装置2で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0069】
さらに、本実施形態のコード読取装置2、202で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のコード読取装置2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0070】
また、この発明は前記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明にかかるコード読取装置は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで使用されるPOS端末用のコード読取装置やバーコードリーダとして適している。
【符号の説明】
【0072】
2、202 コード読取装置
3 POS端末
20 カメラ
21 読取窓
T ラベル特徴テーブル
60 商品
70(70a、70b、70c) 撮像エリア
D(Da、Db、Dc) 画像データ
L1、L2、L3 サービス表示ラベル
C1 バーコードデータ
C2 サービスコード
C3 複合コード
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2008−33640公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記画像取込手段が取り込んだ前記画像から、コードシンボルの画像およびサービス表示の画像のいずれか一方を検出して、検出した前記画像から、前記コードシンボルに対応する商品情報または前記サービス表示に対応するサービス情報のいずれか一方を読み取る第1の読取手段と、
前記第1の読取手段が前記情報の読み取りを行った後所定の時間は、前記第1の読取手段が検出していない他方の前記画像を検出するまで前記画像取込手段による前記画像の取り込みを行って、前記他方の画像を検出した場合には、検出した前記他方の前記画像から、前記商品情報または前記サービス情報のいずれか一方を読み取る第2の読取手段と、
前記第2の読取手段が前記いずれか一方の前記情報を読み取った場合には、読み取った前記情報を前記第1の読取手段が読み取った前記情報とともに出力する情報出力手段と、
を備えたことを特徴とするコード読取装置。
【請求項2】
前記第1の読取手段または前記第2の読取手段によって前記いずれか一方の情報が読み取られた場合には、前記情報出力手段により前記いずれか一方の情報が出力されるまで、前記いずれか一方の情報が読み取られたことを報知する報知手段
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のコード読取装置。
【請求項3】
前記報知手段は、発光手段を発光させることによって前記報知を行うこと、
を特徴とする請求項2に記載のコード読取装置。
【請求項4】
前記第1の読取手段または前記第2の読取手段は、前記サービス表示に含まれた文字情報から前記サービス情報を読み取ること、
を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のコード読取装置。
【請求項5】
前記コードシンボルが、前記商品は前記サービスが付与されうる対象商品であることを示すサービス対象情報を含んでいるか否かを判別する判別手段をさらに備え、
前記第1の読取手段は、前記コードシンボルの画像を検出して、検出した前記画像から、前記コードシンボルに対応する前記商品情報を読み取り、
前記情報出力手段は、前記第1の読取手段が読み取った前記商品情報に前記サービス対象情報が含まれていない場合には、前記第2の読取手段による前記他方の画像の検出を行わずに、前記第1の読取手段が読み取った前記商品情報のみを出力すること、
を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のコード読取装置。
【請求項6】
コンピュータを、
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記画像取込手段が取り込んだ前記画像から、コードシンボルの画像およびサービス表示の画像のいずれか一方を検出して、検出した前記画像から、前記コードシンボルに対応する商品情報または前記サービス表示に対応するサービス情報のいずれか一方を読み取る第1の読取手段と、
前記第1の読取手段が前記情報の読み取りを行った後所定の時間は、前記第1の読取手段が検出していない他方の前記画像を検出するまで前記画像取込手段による前記画像の取り込みを行って、前記他方の画像を検出した場合には、検出した前記他方の前記画像から、前記商品情報または前記サービス情報のいずれか一方を読み取る第2の読取手段と、
前記第2の読取手段が前記いずれか一方の前記情報を読み取った場合には、読み取った前記情報を前記第1の読取手段が読み取った前記情報とともに出力する情報出力手段と、
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−154409(P2011−154409A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13624(P2010−13624)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】