説明

コード読取装置及びプログラム

【課題】コード読取装置でコードを読み取る際の利用者の使い勝手を向上させる。
【解決手段】コード読取装置1は、カメラ11で撮像した画像からのコードの抽出に先立って、その画像を表示装置14に画面表示する際の画像サイズを入力装置15から受け付け、その画像サイズに応じた撮像画像をコードを抽出するコード抽出対象領域と他の領域と区別して表示装置14に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード,2次元コード等のコードを読み取るコード読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バーコード,2次元コード等のコードを読み取るコード読取装置としては、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の光学撮像素子を用いて撮像した画像をLCD(Liquid Crystal Display)などの表示画面に枠つきで表示し、その枠内の画像からコードを検出してデコードするものがある。このコード読取装置の利用者は、LCDに表示された枠を参考にして、その枠内にコードが収まるように撮像方向を調整することで、適正にコードの読取を行うことができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、上述したコード読取装置と同様な技術として、カメラで撮影している画像を表示する表示部と、バーコード枠を表示部に表示させる枠出力部と、バーコード枠の内側で撮影された画像からバーコード画像を抽出するバーコード抽出部とを備えるカメラ付き携帯電話が開示されている。
【特許文献1】特開2005−4642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したコード読取装置では、表示画面における撮像した画像の表示について、コードを撮像する際には大きく表示したり、逆に、デコードした情報や操作情報を表示する領域を設ける際には小さく表示するなど、画面レイアウトを自由に構成することが困難であり、利用者の使い勝手が悪いという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、コードを読み取る際の利用者の使い勝手を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、撮像画像からコードを抽出してデコードするコード読取装置において、前記撮像画像からのコードの抽出に先立って当該撮像画像を画面表示する際の画像サイズを指定する画像サイズ指定手段と、前記画像サイズ指定手段で指定された画像サイズに応じて表示される撮像画像におけるコードを抽出するコード抽出対象領域を他の領域と区別して画面表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
更に、コンピュータに対して、上述した請求項1記載の発明に示した主要な機能を実現させるためのプログラムを提供する(請求項7記載の発明)。
【0007】
なお、上述した請求項1記載の発明は、次のようなものであってもよい。
前記表示手段は、前記コード抽出対象領域と他の領域との境界に枠を表示する(請求項2記載の発明)。
【0008】
前記表示手段は、前記コード抽出対象領域の表示輝度と他の領域の表示輝度とを異ならせて表示する(請求項3記載の発明)。
【0009】
前記撮像画像の画角を調節する画角調節手段を更に備え、前記表示手段は、前記画角を調節された撮像画像を画面表示する(請求項4記載の発明)。
【0010】
前記撮像画像におけるコード抽出対象領域のサイズを指定する領域サイズ指定手段を更に備え、前記表示手段は、前記画面表示する撮像画像におけるコード抽出対象領域の表示サイズを前記領域サイズ指定手段で指定されたサイズに応じて調整する(請求項5記載の発明)。
【0011】
前記撮像画像におけるコード抽出対象領域の位置を指定する領域位置指定手段を更に備え、前記表示手段は、前記画面表示する撮像画像におけるコード抽出対象領域の表示位置を前記領域位置指定手段で指定された位置に応じて調整する(請求項6記載の発明)。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及び7記載の発明によれば、撮像画像からのコードの抽出に先立って当該撮像画像を画面表示する際の画像サイズを指定し、その指定された画像サイズに応じて表示される撮像画像におけるコードを抽出するコード抽出対象領域を他の領域と区別して画面表示する構成であるため、表示画面上の撮像画像のレイアウトを自在にし、コードの読取際の利用者の使い勝手を向上させることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、コード抽出対象領域と他の領域との境界に枠を表示する構成であるため、撮像画像からコード対象領域を確認し易くすることができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、コード抽出対象領域の表示輝度と他の領域の表示輝度とを異ならせて表示する構成であるため、利用者が撮像画像に映り込む外景に惑わされることなく、コード抽出対象領域を確認し易くすることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、撮像画像の画角を調整する画角調整手段を更に備え、その画角を調整された撮像画像を画面表示する構成であるため、撮像画像からコードを探す場合などは広角にしたり、デコードするコードをコード抽出対象領域に正確に収めて解読精度を高めたい場合は望遠に設定するなど、利用状況に応じた撮像画像の表示を行うことができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、撮像画像におけるコード抽出対象領域のサイズを指定し、画面表示する撮像画像におけるコード抽出対象領域の表示サイズをその指定されたサイズに応じて調整する構成であるため、コード抽出対象領域のサイズを変更する場合でもそれを画面上で視認することができ、利用者の使い勝手を向上させることができる。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、撮像画像におけるコード抽出対象領域の位置を指定し、画面表示する撮像画像におけるコード抽出対象領域の表示位置をその指定された位置に応じて調整する構成であるため、コード抽出対象領域の位置を変更する場合でもそれを画面上で視認することができ、利用者の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について図1〜図10を参照して説明するが、この発明は、この実施の形態に限定しない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の用語はこれに限定しない。
【0019】
図1は、コード読取装置1の機能的構成を模式的に示したブロック図であり、図2は、カメラ11の構成を模式的に示したブロック図であり、図3は、コード読取装置1のコード読取処理を示したフローチャートであり、図4は、コード読取装置1のプレビュー表示処理を示したフローチャートであり、図5(a)は、コード読取装置1の枠位置設定処理を示したフローチャートであり、図5(b)は、枠位置設定処理の変形例を示したフローチャートであり、図6は、プレビュー表示処理の変形例を示したフローチャートであり、図7(a)は、プレビュー画像の大きさ毎の設定を示すテーブルであり、図7(b)は、表示画面に対するプレビュー画像のサイズを例示した図であり、図8(a)は、撮像画像における画角を例示した図であり、図8(b)は、画角毎の撮像画像の表示例を示した図であり、図9(a)は、読取領域の拡大又は縮小を示した図であり、図9(b)は、読取領域の移動を示した図であり、図10は、読取領域と他の領域との輝度を違えた表示を示した図である。
【0020】
まず、コード読取装置1の構成について説明する。図1に示すように、コード読取装置1は、CPU10、カメラ11、RAM12、ROM13、表示装置14、入力装置15及び電源16を備える構成である。
【0021】
CPU10(Central Processing Unit)は、RAM12(Random Access Memory)を作業領域とし、ROM13(Read Only Memory)に格納されている各種制御プログラムや設定データをその作業領域に展開してそのプログラムを順次実行することでコード読取装置1の各部を統括制御する。
【0022】
具体的には、CPU10は、ROMに格納されている動作プログラムに従い、後述する動作処理を行うことで、撮像画像からのコードの抽出に先立って、その撮像画像を画面表示する際のサイズを指定し、その指定されたサイズに応じて撮像画像におけるコードを抽出するコード抽出対象領域を他の領域と区別して画面表示する制御を行う。
【0023】
カメラ11は、図2に示すように、センサ部111、光学系駆動部112、駆動回路113、撮像素子114、アナログ処理回路115、A/D回路116、バッファ117、信号処理回路118、圧縮伸張回路119、光学レンズ120及びシャッター121を備え、CPU10の指示に応じて撮像素子114で撮像された画像データを所定の形式に変換して出力する。
【0024】
センサ部111は、特に図示しない赤外光投光部及び受光部による測距回路とCdSなどの光電導体による露光回路から構成され、撮像方向にある撮像対象物の距離値と露出値とをCPU10へ出力する。
【0025】
光学系駆動部112は、後述する光学レンズ120、シャッター121をステッピングモータや電磁ソレノイドなどの駆動手段により駆動する回路であり、上述のセンサ部111により得られる距離値や露出値に応じたCPU10の指示により、撮像素子114で結像する画像が撮像対象物に合焦するような光学レンズ120の移動と、撮像素子114に入光する光量が適正となるようなシャッター121による露出制御とを行う。
【0026】
駆動回路113は、撮像素子114によって光電変換された各画素対応の電荷を画像信号として順次取り出してアナログ処理回路115に与える。撮像素子114は、CCD又はCMOSなどの光センサにより構成され、当該撮像素子上の撮像面に結像される画像を各画素対応の画像信号として出力する。
【0027】
アナログ処理回路115は、信号のノイズを低減させるCDS(Correlated Double Sampleing:相関二重サンプリング)回路、信号の増幅を行うAGC(Automatic Gain Control:自動利得制御)回路などを備える構成であり、撮像素子114から出力される画像信号に所要のアナログ信号処理を行い、A/D回路116へアナログ画像信号を出力する。
【0028】
A/D回路116は、アナログ処理回路115から出力されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換し、バッファ117へ出力する。バッファ117は、そのデジタル画像信号を一時的に記憶し、CPU10の指示に応じて信号処理回路118又は圧縮伸張回路119へ順次出力する。なお、バッファ117からのデジタル画像信号の出力は、記憶するデジタル画像データのアドレスポインタを指定することで撮像画像の所定領域を抽出して行っても良い。
【0029】
信号処理回路118は、特に図示しないDSP(Digital Signal Processor)などで構成され、入力されたデジタル画像信号に対し、輝度処理、色処理又は所定の閾値により撮像画像内における対象物の検出(コードの検出)等の画像処理を行う。なお、ここにおける画像処理は、画像の所定領域の鮮鋭度を算出してCPU10へ出力する構成を含んでよい。これにより、CPU10は、最も鮮鋭でコントラストが高くなる合焦した状態に光学レンズ120の位置を調整することができる。
【0030】
圧縮伸張回路119は、入力されるデジタル画像信号を所定の符号化方式で圧縮又は復号化し、CPU10へ出力する。なお、ここにおける圧縮/伸長は、互いに可逆的であってもよいが、不可逆的な圧縮を行なうものであっても良い。例えば、ADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピー符号化方式であるハフマン符号化などの処理によるJPEG(Joint Photographic Experts Group)画像への変換などでよい。
【0031】
光学レンズ120は、レンズ位置を駆動回路113の駆動により調整し、撮像対象の像を前述の撮像素子114上の撮像面に結像(合焦)する。なお、光学レンズ120は、複数のレンズ群と駆動回路113によるレンズ配置の調整とにより、光学ズーム(この光学レンズ120による画角調整については、後述の画角に関する記載と区別するため「光学ズーム」と明記する)が可能に構成されても良い。シャッター121は、特に図示しない複数枚のシャッター羽根が光学レンズ120と撮像素子114との間に配され、そのシャッター羽根を光学系駆動部112で駆動することで通過する光量の制御が可能な構成である。
【0032】
表示装置14は、LCD(液晶表示装置)等の表示画面を備え、CPU10から入力される表示信号に従った所要の表示処理による画像を前記表示画面に表示する。
【0033】
入力装置15は、電源キー、カーソルキー、その他の各種ファンクションキー等を有し、キーの押下信号による操作信号をCPU10に出力する。なお、入力装置15は、上述した操作キー以外に、ダイヤルキーや回転自在なトラックボール等の回転体の回転位置を操作信号として出力する構成であってもよい。特に、拡大・縮小などの増減に関する指示や上下左右方向などの移動方向を指示する際には、上述の回転体から操作指示を受け付ける構成がより好適である。
【0034】
電源16は、特に図示しない電池電源や商用電源等の供給電源からの電力をCPU10からの指示や電源キーの操作に応じてコード読取装置1の各部に配分する。なお、電池電源としてはアルカリ乾電池やマンガン乾電池などの一次電池や、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池及びリチウムイオン電池などの二次電池を含む構成とし、電源16は当該二次電池を充電する構成を備えても良い。
【0035】
次に、コード読取装置1におけるコード読取処理の動作を図3のフローチャートに基づいて説明する。図3に示すように、カメラ11は、光学レンズ120やシャッター121を初期位置への移動やバッファ117のリセット等のカメラ11の初期化を行い(ステップS11)、撮像画像からのコードの抽出に先立って当該撮像画像を画面表示するプレビュー表示処理を行う(ステップS12)。
【0036】
プレビュー表示処理が開始されると、図4に示すように、表示画面におけるプレビュー画像(撮像画像)のサイズが入力装置15からの指示により設定され(ステップS31)、そのプレビュー画像の表示を開始する座標が予め設定されたデータや操作指示に基づいて設定される(ステップS32)。
【0037】
プレビュー画像のサイズの設定は、図7(a)に示すように、設定データとしてROM13に予め格納される4/9VGA(Video Graphics Array)、1/4VGA、1/9VGA又は1/16VGA等のプレビュー画像の大きさ毎のテーブルを元にその設定されたデータを選択する選択画面が表示され、入力装置15から選択指示が入力されて、それに対応するデータがRAM12に読み出されて行われる。なお、このテーブルには、後述の処理に必要な画角毎のサイズ情報として、撮像画像に占めるプレビュー画像領域のサイズに関する情報及びプレビュー画像におけるコード抽出対象領域のサイズに関する情報が格納される。
【0038】
このプレビュー画像のサイズ設定により、図7(b)に示すように、例えば画面GがVGAの場合のプレビュー画像を、1/9VGAのプレビュー画像A1、1/4VGAのプレビュー画像A2又は4/9VGAのプレビュー画像A3などの様に画面表示することができる。このため、デコードした結果情報の表示領域などの他の情報を表示する場合は小さいサイズの画像で表示し、デコードするコードの確認を要する場合は大きいサイズの画像で表示する等、利用者の利用形態に合わせた大きさで撮像画像を表示することができるため、作業効率を向上させることができる。更に、画像表示を開始する位置を設定することができるため、より自由な画面レイアウトにすることができる。
【0039】
次いで、コード抽出対象領域と他の領域とを区別するためにその境界に表示する枠の有効/無効の設定、つまり、その枠を表示するか否かの設定と、ズームサイズ(画角)の設定が予め格納されたデータや操作指示に基づいて設定され(ステップS33、ステップS34)、枠表示位置の設定処理が行われる(ステップS35)。
【0040】
このズームサイズの設定は、前述した図7(a)のデータテーブルにおける倍率(画角)を選択する選択画面が表示され、入力装置15から選択指示が入力されて行われる。このテーブルデータに基づいたズームサイズの設定により、図8(a)に示すように、コードCを含む撮像画像全体から1.0倍のプレビュー画像A11、1.5倍のプレビュー画像A12又は2.0倍のプレビュー画像A13を抽出し、図8(b)に示すように、その抽出した画像に基づいた撮像画像のズーム画像を画面表示することができる。
【0041】
枠表示位置の設定処理が開始されると、図5(a)に示すように、入力装置15からの操作入力が取得され(ステップS51)、枠の拡大/縮小指示の有無が判定されて(ステップS52)、拡大指示の場合は枠の表示位置を拡大した値に設定され(ステップS53)、縮小指示の場合は枠の表示位置を縮小した値に設定されて(ステップS54)、終了する。
【0042】
この枠の表示位置を拡大/縮小した値への設定は、前述したRAM12に読み出されたプレビュー画像におけるコード抽出対象領域のデータ(図7(a)参照)と、特に図示しない撮像素子114の撮像領域に対するコード抽出対象領域のサイズに関するデータとが指示された拡大/縮小に対応する値へ変換されて行われる。
【0043】
この枠の表示位置を拡大/縮小する設定処理により、図9(a)に示すように、設定前のプレビュー画像Aに対して、コード抽出領域境界枠Wで示すコードを抽出する枠領域を大きくするプレビュー画像A21やその枠領域を小さくするプレビュー画像A22を画面表示することができる。
【0044】
また、枠表示位置の設定処理の変形例としては、図5(b)に示すように、入力装置15からの上下左右方向のキー入力が取得され(ステップS61)、その取得された移動方向とキーの押下時間などによる移動量とを元に枠表示位置が移動した値に設定される(ステップS62)構成であっても良い。
【0045】
この枠の表示位置の移動した値への設定は、プレビュー画像におけるコード抽出対象領域の位置データと、撮像素子114の撮像領域に対するコード抽出対象領域の位置データとが(いずれも図示しない)、指示された移動方向/移動量に応じてシフト処理されて行われる。
【0046】
この枠の表示位置を移動する設定処理により、図9(b)に示すように、画面表示する撮像画像内の任意の場所に(同図では枠を右に移動したプレビュー画像A32を例示)コードを抽出する領域を移動させることができる。
【0047】
ステップS35に次いで、光学ズームの設定などカメラの撮影サイズが設定され(ステップS36)、上述した処理までに設定されたプレビューサイズ、ズームサイズ及び枠表示位置などに基づいた表示する撮像画像のズームサイズ別の枠位置に関するデータが算出され(ステップS37)、カメラ11のバッファ117から設定されたズームサイズに応じた領域が読み出されることでプレビュー用画像が取得され(ステップS38)、そのプレビュー用画像に前記算出された枠位置に関するデータに基づいた枠が合成され(ステップS39)、プレビュー画像が設定されたサイズと位置で表示装置14に画面表示され(ステップS40)、入力装置15からの操作指示などによるプレビュー表示の終了指示の有無が判定されて(ステップS41)、終了しない場合はステップS34へ戻り、終了する場合はプレビュー表示処理を終了する。
【0048】
なお、上述したプレビュー表示処理の変形例としては、図6に示すように、ステップS37に代えて、プレビューサイズ、ズームサイズ及び枠表示位置などに基づき、表示する撮像画像のズームサイズ別の輝度変更位置に関するデータ(前述のズームサイズ別の枠位置と同位置)を算出する処理と(ステップS371)、ステップS39に代えて、前述した輝度変更位置に関するデータと撮像領域との比較演算により当該撮像領域におけるデコードエリア外の表示輝度を減少させる処理(ステップS391)を有するものであってもよい。
【0049】
このプレビュー表示処理の変形例では、図10に示すように、通常表示装置14に表示する表示画像であるプレビュー画像A41をデコードエリア外の表示輝度をコード抽出対象領域の表示輝度よりも減少させたプレビュー画像A42として表示することができるため、境界を示す枠線などが外景に混交し易い状況下でもコード抽出対象領域を見易くすることができる。
【0050】
なお、輝度を減少させる領域は、上記構成とは逆にコード抽出対象領域であってもよいが、好適には、コード抽出対象領域が視認しやすいようにデコードエリア外の輝度を減少させることが好ましい。また、輝度の変更以外に、コード抽出対象領域のみをカラー表示する色彩を違える構成などの他の画像変換処理を施してもよい。
【0051】
上述したプレビュー表示処理(ステップS12)に次いで、カメラ11のレンズの絞り(ピント調整を含んでもよい)などが設定され(ステップS13)、予め設定された設定値や上述の枠表示位置の設定処理(ステップS35)で設定された、撮像素子114の撮像領域に対するコード抽出対象領域のサイズに関するデータ及び/又は撮像素子114の撮像領域に対するコード抽出対象領域の位置データに基づいてデコード用画像の撮像サイズが設定される(ステップS14)。
【0052】
次いで、その設定された撮像サイズに応じてバッファ117から撮像画像を出力するデコード画像の撮像が行われ(ステップS15)、そのデコード画像がRAM12の記憶領域に保存され(ステップS16)、その保存されたデータに基づいてデコード画像がステップS14に確認表示され(ステップS17)、当該デコード画像からコードを抽出してデコードするデコード処理が行われる(ステップS18)。
【0053】
次いで、ステップS18におけるデコード処理が成功したか否か、つまり、デコードによりコードが示す所定の文字列などの情報が取得されたか否かが判定され(ステップS19)、取得されない場合は処理をタイムアウトするか否かが判定され(ステップS20)、タイムアウトしない場合はステップS15に戻り、タイムアウトする場合やデコードが成功した場合はそのまま終了する。なお、タイムアウトしない場合に戻る位置は、ステップS15以外にステップS13であってもよく、特に限定しない。
【0054】
以上のように、コード読取装置1は、カメラ11で撮像した画像からのコードの抽出に先立って、その画像を表示装置14に画面表示する際の画像サイズを入力装置15から受け付け、ROM13に格納された設定データに基づいて、その画像サイズに応じた撮像画像をコードを抽出するコード抽出対象領域と他の領域と区別して表示装置14に表示する。このため、表示画面上の撮像画像のレイアウトを自在にし、コードを読み取る際の利用者の使い勝手を向上させることができる。
【0055】
また、コード読取装置1は、コード抽出対象領域と他の領域との境界を示す枠を表示装置14に画面表示する構成であるため、撮像画像からのコード対象領域の確認を容易にすることができる。
【0056】
また、コード読取装置1は、コード対象領域と他の領域との輝度を違えて表示装置14に画面表示する構成であり、利用者は表示領域の差異を境界線ではなく面として視認することができるため、よりコード抽出対象領域を確認し易くすることができる。
【0057】
また、コード読取装置1は、撮像素子114の撮像領域からの切り出し範囲を調整することで撮像画像の画角を調整し、その画角を調整された撮像画像を表示装置14に画面表示する構成であるため、撮像画像の広い範囲からコードを探す場合や、コード抽出対象領域に正確にコードを収めたい場合など、状況に応じた画面表示を行うことができる。
【0058】
また、コード読取装置1は、撮像画像におけるコード抽出対象領域のサイズや位置を入力装置15からの指示に応じて指定し、その指定されたサイズや位置に撮像画像におけるコード抽出対象領域を調整して表示装置14に画面表示する構成であるため、利用者が撮像画像におけるコード抽出対象領域を調整する場合でも、その変更状況を画面で確認することができる。
【0059】
なお、本実施の形態における記述は、本発明の一例を示すものであり、これに限定しない。本実施の形態における撮影装置1の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0060】
例えば、コード読取装置1は、上述したRAM12やROM13以外に、HDD(Hard Disk Drive)、不揮発性メモリ又は光学/磁気的な記憶媒体とそれに対して読み書きが可能な記憶装置を備える構成であってもよい。また、撮像画像を画面表示する際の画像サイズ、撮像画像の画角、コード抽出対象領域のサイズ又は撮像画像におけるコード抽出対象領域の位置などは、入力装置15から指定されたデータを元にする構成以外に、上述した記憶装置に予め格納される構成であっても良い。
【0061】
また、コード読取装置1は、プレビューサイズ、ズームサイズ及び枠表示位置などを設定する際に、図7(a)に示すような段階的に予め設定された値を選択する構成以外に、その設定された値間の中間値を算出し、その算出された値を元に平滑に設定する構成であって良い。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明であるコード読取装置1の機能的構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】カメラ11の構成を模式的に示したブロック図である。
【図3】コード読取装置1におけるコード読取処理の動作を示したフローチャートである。
【図4】コード読取装置1におけるプレビュー表示処理の動作を示したフローチャートである。
【図5】(a)は、コード読取装置1における枠位置設定処理の動作を示したフローチャートであり、(b)は、枠位置設定処理の変形例の動作を示したフローチャートである。
【図6】プレビュー表示処理の変形例の動作を示したフローチャートである。
【図7】(a)は、プレビュー画像の大きさ毎の設定を示すテーブルであり、(b)は、表示画面に対するプレビュー画像のサイズを例示した図である。
【図8】(a)は、撮像画像における画角を例示した図であり、(b)は、画角毎の撮像画像の表示例を示した図である。
【図9】(a)は、読取領域の拡大又は縮小を示した図であり、(b)は、読取領域の移動を示した図である。
【図10】コード抽出対象領域の表示輝度を他の領域の表示輝度と異ならせて表示する表示例を示した図である。
【符号の説明】
【0063】
1 コード読取装置
10 CPU
11 カメラ
12 RAM
13 ROM(画像サイズ指定手段)
14 表示装置(表示手段)
15 入力装置(画像サイズ指定手段)
16 電源
111 センサ部
112 光学系駆動部
113 駆動回路
114 撮像素子
115 アナログ処理回路
116 A/D回路
117 バッファ
118 信号処理回路
119 圧縮伸張回路
120 光学レンズ
121 シャッター
A、A1〜A3、A11〜A42 プレビュー画像
C コード
G 画面
W コード対象領域境界枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像画像からコードを抽出してデコードするコード読取装置において、
前記撮像画像からのコードの抽出に先立って当該撮像画像を画面表示する際の画像サイズを指定する画像サイズ指定手段と、
前記画像サイズ指定手段で指定された画像サイズに応じて表示される撮像画像におけるコードを抽出するコード抽出対象領域を他の領域と区別して画面表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするコード読取装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記コード抽出対象領域と他の領域との境界に枠を表示することを特徴とする請求項1記載のコード読取装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記コード抽出対象領域の表示輝度と他の領域の表示輝度とを異ならせて表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のコード読取装置。
【請求項4】
前記撮像画像の画角を調節する画角調節手段を更に備え、
前記表示手段は、前記画角を調節された撮像画像を画面表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコード読取装置。
【請求項5】
前記撮像画像におけるコード抽出対象領域のサイズを指定する領域サイズ指定手段を更に備え、
前記表示手段は、前記画面表示する撮像画像におけるコード抽出対象領域の表示サイズを前記領域サイズ指定手段で指定されたサイズに応じて調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコード読取装置。
【請求項6】
前記撮像画像におけるコード抽出対象領域の位置を指定する領域位置指定手段を更に備え、
前記表示手段は、前記画面表示する撮像画像におけるコード抽出対象領域の表示位置を前記領域位置指定手段で指定された位置に応じて調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のコード読取装置。
【請求項7】
撮像画像からコードを抽出してデコードするコード読取装置のコンピュータに、
前記撮像画像からのコードの抽出に先立って当該撮像画像を画面表示する際の画像サイズを指定する機能と、
前記指定された画像サイズに応じて表示される撮像画像におけるコードを抽出するコード抽出対象領域を他の領域と区別して画面表示する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−122229(P2007−122229A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−310968(P2005−310968)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】