説明

コード読取装置及びプログラム

【課題】所定の2次元コードであることの識別を早期に行うことを可能とする。
【解決手段】コード読取装置は、撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、取り込まれた画像に含まれるコードを検出する検出手段と、検出されたコードを復号する復号手段と、検出されたコードが2次元コードである場合、当該2次元コードの型番を識別する識別手段とを備える。復号手段は、識別された型番が所定の型番である場合に、検出された2次元コードの復号を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コード読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗用の商品情報処理システムにおいて、例えばPOS(Point Of Sale)端末を有する会計システムに前捌きシステムを盛り込んだものがある。前捌きシステムは、店舗の会計エリアに設置されたPOS端末による会計処理の前に、店員が携帯する携帯端末が店員の操作によって商品を登録し、この携帯端末で登録された商品の2次元コードを印字した仮レシートをプリンタによって発行する。このような前捌きシステムが導入された店舗においては、客は、前捌きシステムによって発行された仮レシートを、店舗の会計場所でオペレータに渡す。オペレータは、仮レシートに印字された2次元コードをPOS端末に接続されたスキャナ等のコード読取装置に読み取らせる。そして、POS端末が、コード読取装置によって読み取られた2次元コードのデータに基づいて会計処理を実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、POS端末に接続されたコード読取装置の読取エリアには、前捌きシステムにかかる2次元コードの他に、商品に印刷されたメーカーのURL情報などを含む2次元コード等が運び込まれる。これらの2次元コードはPOSシステムの運用上不要な2次元コードであるため、これまでは一旦2次元コードを復号した後、復号された情報を元に識別し、取捨選択を行ってきた。しかしながら、これらの不要な2次元コードの復号はシステムのハードウェアリソースに無駄な負担をかけてきた。したがって、負荷軽減のために前捌きシステムにかかる2次元コードであるか否かを、早期に識別することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、実施形態のコード読取装置は、撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、前記取り込まれた画像に含まれるコードを検出する検出手段と、前記検出されたコードを復号する復号手段と、前記検出されたコードが2次元コードである場合、当該2次元コードの型番を識別する識別手段と、を備え、前記復号手段は、前記識別された型番が所定の型番である場合に、前記検出された2次元コードの復号を行う。
【0005】
また、実施形態のプログラムは、コンピュータを、撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、前記取り込まれた画像に含まれるコードを検出する検出手段と、前記検出されたコードを復号する復号手段と、前記検出されたコードが2次元コードである場合、当該2次元コードの型番を識別する識別手段と、として機能させ、前記復号手段は、前記識別された型番が所定の型番である場合に、前記検出された2次元コードの復号を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、チェックアウトシステムを示す斜視図である。
【図2】図2は、実施形態にかかるPOS端末及びコード読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、実施形態にかかるコード読取装置のCPUにおける機能構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、2次元コードにおけるファインダパターン、位置合わせパターンを例示する概念図である。
【図5】図5は、実施形態にかかるコード読取装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、撮像部の撮像領域と商品との関係の一例を示す図である。
【図7】図7は、商品事前登録券の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では、チェックアウトシステムを例に実施形態にかかるコード読取装置及びプログラムを図面を参照して説明する。チェックアウトシステムは、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS端末などある。実施形態は、飲食店やスーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0008】
図1は、チェックアウトシステム1を示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、一取引にかかる商品の登録、精算を行うPOS端末11を備える。POS端末11は、チェックアウト台51上のドロワ21上面に載置されている。ドロワ21は、POS端末11によって開放動作の制御を受ける。POS端末11の上面には、オペレータ(ユーザ)によって押下操作されるキーボード22が配置されている。キーボード22を操作するオペレータから見てキーボード22よりも奥側には、オペレータに向けて情報を表示する表示デバイス23が設けられている。表示デバイス23は、その表示面23aに情報を表示する。表示面23aには、タッチパネル26が積層されている。表示デバイス23よりもさらに奥側には、顧客用表示デバイス24が回転自在に立設されている。顧客用表示デバイス24は、その表示面24aに情報を表示する。なお、図1に示す顧客用表示デバイス24は、表示面24aを図1中手前側に向けているが、表示面24aが図1中奥側に向くように顧客用表示デバイス24を回転させることによって、顧客用表示デバイス24は顧客に向けて情報を表示する。
【0009】
POS端末11が載置されているチェックアウト台51とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台151が配置されている。カウンタ台151の上面には、荷受面152が形成されている。荷受面152には、バーコードBCが付された商品Aを収納する買物カゴ153が載置される。買物カゴ153は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ153aと、第1の買物カゴ153aからコード読取装置101を挟んだ位置に位置付けられる第2の買物カゴ153bとに分けて考えることができる。
【0010】
カウンタ台151の荷受面152には、POS端末11とデータ送受信自在に接続されたコード読取装置101が設置されている。コード読取装置101は、薄型矩形形状のハウジング102を備える。ハウジング102の正面には読取窓103が配置されている。ハウジング102の上部には、表示・操作部104が取り付けられている。表示・操作部104には、タッチパネル105が表面に積層された表示デバイス106が設けられている。表示デバイス106の右隣にはキーボード107が配設されている。キーボード107の右隣には、図示しないカードリーダのカード読取溝108が設けられている。オペレータから見て表示・操作部104の裏面左奥側には、顧客に情報を提供するための顧客用表示デバイス109が設置されている。顧客用表示デバイス109の表示面には、顧客用タッチパネル109aが積層されている。
【0011】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ153aには、一取引にかかる商品Aが収納されている。商品Aには、その商品Aに関する商品コードが符号化されたバーコードBCが貼付されている。商品Aは、オペレータの手によって第2の買物カゴ153bへと移動される。この移動過程で、バーコードBCがコード読取装置101の読取窓103に向けられる。この際、読取窓103の奥側に配置された撮像部164(図2参照)はバーコードBCを撮像する。コード読取装置101では、撮像部164により撮像された画像に含まれるバーコードBCを検出してデコード(復号)することで、商品Aに関する商品コードを読み取る。バーコードBCとして記述された商品コードは、商品Aを特定するために商品ごとに割り当てられたコードであり、一例として13桁の数字であるJANコードである。
【0012】
また、コード読取装置101では、商品Aに貼付されたバーコードBCの他、商品Aに添付された値引きにかかる値引コードや、前捌きシステムにおいて店員が携帯する携帯端末等により発行された仮レシート(商品事前登録券)に印字されている前捌きコードなどの読み取りを行う。この値引コードや前捌きコードは、バーコードBCと同様のJANコードの他、2次元コード(例えばQRコード(登録商標))であってよい。特に前捌きコードについては、登録された商品を示す情報(例えば商品コード)等を含む必要があることから、格納するデータサイズが大きい2次元コードが用いられる。実施形態では、登録された商品を示す情報を格納するのに十分なデータサイズである、型番が17〜20のQRコード(登録商標)を前捌きコードに用いるものとする。
【0013】
例えば、前捌きシステムでは、POS端末11による会計処理の前に、店員が携帯する携帯端末が店員の操作によって商品を登録し、この携帯端末で登録された商品を示す情報を含む2次元コードC1を印字した商品事前登録券T(図7参照)をプリンタによって発行する。このような前捌きシステムが導入された店舗においては、顧客は、前捌きシステムによって発行された商品事前登録券Tを、店舗の会計場所でオペレータに渡す。オペレータは、商品事前登録券Tに印字された2次元コードC1をPOS端末11に接続されたコード読取装置101に読み取らせる。そして、POS端末11が、コード読取装置101によって読み取られた2次元コードC1のデータに基づいて会計処理を実行する。
【0014】
図2は、実施形態にかかるPOS端末11及びコード読取装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末11は、情報処理を実行する情報処理部としてのマイクロコンピュータ60を備える。マイクロコンピュータ60は、各種演算処理を実行し各部を制御するCPU61(Central Processing Unit)に、ROM62(Read Only Memory)とRAM63(Random Access Memory)とがバス接続されて構成されている。
【0015】
POS端末11のCPU61には、前述したドロワ21、キーボード22、表示デバイス23、タッチパネル26、顧客用表示デバイス24がいずれも各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。これらは、CPU61による制御を受ける。
【0016】
キーボード22は、「1」、「2」、「3」…等の数字や「×」という乗算の演算子が上面に表示されているテンキー22d、仮締めキー22e、及び締めキー22fを含む。
【0017】
POS端末11のCPU61には、HDD64(Hard Disk Drive)が接続されている。HDD64には、プログラムや各種ファイルが記憶されている。HDD64に記憶されているプログラムや各種ファイルは、POS端末11の起動時に、その全部又は一部がRAM63にコピーされてCPU61により順次実行される。HDD64に記憶されているプログラムの一例は、商品販売データ処理用のプログラムPRである。HDD64に記憶されているファイルの一例は、ストアコンピュータSCから配信されて格納されているPLUファイルF1である。PLUファイルF1は、商品ごとにユニークに割り当てられた商品コードごとに、その商品の名称、単価、商品分類などの商品に関する情報を格納するファイルである。
【0018】
POS端末11のCPU61には、ストアコンピュータSCとデータ通信を実行するための通信インターフェース25が入出力回路(図示せず)を介して接続されている。ストアコンピュータSCは、店舗のバックヤード等に設置されている。ストアコンピュータSCのHDD(図示せず)には、POS端末11に配信されるPLUファイルF1が格納されている。
【0019】
さらに、POS端末11のCPU61には、コード読取装置101との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース65が接続されている。したがって、POS端末11とコード読取装置101とは接続インターフェース65を介して接続される。また、POS端末11のCPU61には、レシートなどに印字を行うプリンタ66が接続されている。POS端末11は、CPU61の制御のもと、一取引の取引内容をレシートに印字する。
【0020】
POS端末11と同様、コード読取装置101も、マイクロコンピュータ160を備える。マイクロコンピュータ160は、CPU161にROM162とRAM163とがバス接続されて構成されている。ROM162には、CPU161によって実行されるプログラムが記憶されている。CPU161には、撮像部164が各種の入出力回路(いずれも図示せず)を介して接続されている。撮像部164は、CPU161によって動作が制御される。表示・操作部104は接続インターフェース176を介してPOS端末11に接続されている。表示・操作部104はPOS端末11のCPU61によって動作が制御される。
【0021】
撮像部164は、CCDイメージセンサやCOMSイメージセンサなどであり、CPU161の制御の下で読取窓103からの撮像を行う。例えば撮像部164では30fpsの動画像の撮像を行う。撮像部164が所定のフレームレートで順次撮像したフレーム画像はRAM163に保存される。
【0022】
さらに、CPU161には、POS端末11の接続インターフェース65に接続して、POS端末11との間でデータ送受信を可能にする接続インターフェース175が接続されている。CPU161の制御の下、コード読取装置101の撮像部164によって撮像された画像から読み取られて復号された商品コード等のコードは、接続インターフェース175を介して出力され、接続インターフェース65を介してPOS端末11に入力される。
【0023】
次に、CPU161がプログラムを順次実行することで実現されるコード読取装置101の機能部について、図3を参照して説明する。図3は、実施形態にかかるコード読取装置101のCPU161における機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、CPU161は、プログラムを順次実行することにより、撮像画像取込部1611、コード検出部1612、識別部1613、復号部1614、出力部1615としての機能を備える。
【0024】
撮像画像取込部1611は、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を順次取り込む。撮像画像取込部1611によるフレーム画像の取り込みは、RAM163に保存された順に行われる。コード検出部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれるコード(商品Aに添付されたバーコードBCの他、値引コード、前捌きコード等)を検出する。具体的には、取り込まれたフレーム画像からパターンマッチング技術によるバーコードBCの検出や、所定のファインダパターン(図4参照)から2次元コードの検出などを行う。
【0025】
識別部1613は、コード検出部1612により所定のファインダパターンから2次元コードが検出された場合、検出された2次元コードの形状をもとに、その2次元コードの型番を識別する。この識別部1613による識別は、コード検出部1612により検出された2次元コードの復号部1614による復号に先立って行われる。2次元コードの型番(バージョン)は、例えばQRコード(登録商標)の場合はバージョン1の21×21セルからバーション40の177×177セルまで4セル刻みで定められていることから、2次元コードの大きさなどの形状をもとに型番の識別が可能である。
【0026】
ここで、2次元コードの形状による型番の識別について、詳細に説明する。図4は、2次元コードCのファインダパターンP1、位置合わせパターンP11を例示する概念図である。図4に示すように、2次元コードCは、2次元コードCの位置検出にかかる位置検出パターンとして、2次元コードCそのものの検出に用いられるファインダパターンP1〜P3と、検出した2次元コードCから復号を行う際の位置合わせに用いられる位置合わせパターンP11〜P16とを含む。ファインダパターンP1〜P3は、2次元コードCの3隅に配置されている。ファインダパターンP1とファインダパターンP2との間は距離Dであり、ファインダパターンP1は幅WUL、ファインダパターンP2は幅WURである。
【0027】
識別部1613は、2次元コードCが検出されたフレーム画像から、ファインダパターンP1、P2の最大幅を横切り、ファインダパターンP1、P2の中心を貫くピクセル線に沿って、ファインダパターンP1、P2同士の距離D及び幅WUL、WURを求める。次いで、識別部1613は、2次元コードCの寸法XをX=(WUL+WUR)/14として計算する。次いで、識別部1613は、計算して得られた寸法Xをもとに、V=[(D/X)−10]/4として2次元コードCの型番Vを仮に求める。
【0028】
識別部1613は、仮に求めた型番Vが6以下の場合、この仮に求めた値を識別した型番とする。識別部1613は、仮に求めた型番Vが7以上の場合、右上にあるファインダパターンP2の幅WURを7で除し、CP=WUR/7として2次元コードCのモジュールサイズCPを求める。次いで、識別部1613は、ファインダパターンP2の中心座標及びモジュールサイズCPに基づいた識別情報領域I1のサンプリンググリッドを設定する。識別部1613は、設定したサンプリンググリッドをもとに識別情報領域I1を読み出し、識別情報領域I1に含まれる型番情報をもとに2次元コードCの型番を識別する。なお、識別情報領域I1に適用されている誤り訂正符号による誤り訂正能力を超える誤りを検出した場合は、ファインダパターンP1、P2と同様、ファインダパターンP1、P3により識別情報領域I2を読み出し、識別情報領域I2に含まれる型番情報をもとに2次元コードCの型番を識別する。このように、識別部1613では、ファインダパターンP1〜P3の幅、及びファインダパターンP1〜P3同士の距離をもとに、2次元コードCの型番を正確に識別することが可能である。なお、上述したファインダパターンP1〜P3による型番の識別は一例であって、位置合わせパターンP11〜P16の位置関係によって型番を識別してもよいことは言うまでもないことである。
【0029】
復号部1614は、コード検出部1612が検出したコード(バーコードBC、2次元コードC)を、例えばJANコードやQRコード(登録商標)などの所定の手続きに従って復号する。復号部1614は、コード検出部1612により2次元コードCが検出された場合は、識別部1613により識別された型番がROM162などにおいて予め設定された型番である場合に、検出された2次元コードCの復号を行う。より具体的には、復号部1614は、識別された型番が前捌きコードとして用いられる型番である場合に、検出された2次元コードCの復号を行う。出力部1615は、復号部1614により復号されたコードを接続インターフェース175を介してPOS端末11へ出力する。
【0030】
このように、コード読取装置101では、復号部1614による復号に先立って検出された2次元コードCの識別を識別部1613で行い、識別された型番が前捌きコード等の所定の型番である場合に検出された2次元コードCの復号を復号部1614で行う。このため、コード読取装置101では、例えば前捌きシステムにかかる2次元コード等を早期に識別して、前捌きシステムにかかる2次元コード以外の2次元コードが復号されることを防止でき、処理時間を短縮することが可能となる。
【0031】
次に、コード読取装置101の動作について詳細に説明する。図5は、実施形態にかかるコード読取装置101の動作の一例を示すフローチャートである。
【0032】
図5に示すように、POS端末11による商品登録の開始などに応じて処理が開始されると、CPU161は、撮像部164に撮像オン信号を出力して撮像部164による撮像を開始する(S1)。次いで、撮像画像取込部1611は、撮像部164が撮像してRAM163に保存されたフレーム画像を取り込む(S2)。次いで、コード検出部1612は、撮像画像取込部1611により取り込まれたフレーム画像に含まれるコードを検出する(S3)。
【0033】
次いで、コード検出部1612は、S3においてコードの検出が有ったか否かを判定する(S4)。コードの検出が無かった場合(S4:NO)は、S2へ処理を戻して次のフレーム画像に対する処理を行う。
【0034】
コードの検出があった場合(S4:YES)、コード検出部1612は、検出されたコードがファインダパターンP1〜P3を含む2次元コードCであるか否かを判定する(S5)。検出されたコードが2次元コードCでない場合(S5:NO)、復号部1614は、フレーム画像に含まれるコードを抽出して、2次元コード以外(例えばJANコード)の復号処理を行う(S6)。
【0035】
図6は、撮像部164の読取領域Rと商品Aとの関係の一例を示す図である。図中破線で囲った領域は、撮像部164が1フレームで撮像できる領域である読取領域Rである。また、商品Aには、バーコードBCとが付されている。図6に示すように、オペレータにより商品Aが撮像部164に向けられて、読取領域RにバーコードBCが入ったところで、S3によりフレーム画像に含まれるバーコードBCが検出されて、S6による復号処理が行われることとなる。
【0036】
検出されたコードが2次元コードCである場合(S5:YES)、識別部1613は、フレーム画像からファインダパターンP1〜P3を検出し(S7)、検出されたファインダパターンP1〜P3をもとにして得られる2次元コードCの形状から2次元コードCの型番を識別する(S8)。次いで、復号部1614は、識別部1613により識別された型番が予め設定された所定の型番、例えば前捌きコードとして用いられる型番であるか否かを判定する(S9)。
【0037】
識別部1613により識別された型番が前捌きコードとして用いられる型番でない場合(S9:NO)、復号部1614は、検出された2次元コードCの復号を行うことなく、S12へ処理を進める。識別部1613により識別された型番が前捌きコードとして用いられる型番である場合(S9:YES)、復号部1614は、検出された2次元コードCを復号(S10)してS11へ処理を進める。
【0038】
図7は、商品事前登録券Tの一例を示す図である。図7に示すように、商品事前登録券Tには、前捌きシステムにおいて事前に登録された商品にかかる2次元コードC1が印字されている。この商品事前登録券Tに用いられる2次元コードC1は、登録された商品を示す情報を格納するのに十分なデータサイズを要することから、バージョン17〜20などのように、所定の型番が用いられる。したがって、オペレータにより商品事前登録券Tが撮像部164に向けられて、読取領域Rに2次元コードC1が入ったところで、S3によりフレーム画像に含まれる2次元コードCが検出され、S8で2次元コードCの型番が識別される。そして、前捌きシステムで用いられる型番である場合に、S10による復号処理が行われることとなる。
【0039】
S11において、出力部1615は、S6又はS10で復号されたコードをPOS端末11へ出力する(S11)。次いで、CPU161は、POS端末11から商品登録の終了通知などによる業務終了の有無を判定する(S12)。業務を継続する場合(S12:NO)、CPU161は、S2へ処理を戻して次のフレーム画像に対する処理を継続させる。業務を終了する場合(S12:YES)、CPU161は、撮像部164に撮像オフ信号を出力して撮像部164による撮像を終了し(S13)、処理を終了する。
【0040】
なお、実施形態のコード読取装置101で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。実施形態のコード読取装置101で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0041】
さらに、実施形態のコード読取装置101で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態のコード読取装置101で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0042】
実施形態のコード読取装置101で実行されるプログラムは、上述した各部(撮像画像取込部1611、コード検出部1612、識別部1613、復号部1614、出力部1615)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0043】
また、実施形態では、コード読取装置101側で撮像部164で撮像した画像からコードを検出し、検出したコードの復号を行ってPOS端末11に出力する構成を例示した。しかしながら、撮像部164で撮像した画像からのコード検出や、検出したコードの復号については、POS端末11側で行ってもよい。具体的には、CPU61がプログラムを実行することで、撮像画像取込部1611、コード検出部1612、識別部1613、復号部1614、出力部1615と同等の機能をPOS端末11側で実現してよい。
【0044】
また、実施形態では、識別部1613による識別を、コード検出部1612により検出された2次元コードの復号部1614による復号に先立って行う構成を例示した。しかしながら、識別部1613による識別は、復号部1614による復号に先立って行うだけでなく、例えば復号部1614による復号と並行して行なってもよい。識別部1613による識別と復号部1614による復号とを並行して行う場合は、識別部1613により前捌きシステムで用いられる型番であると識別された場合に、復号部1614における復号処理を継続させて、2次元コードの復号を行わせる。また、識別部1613により前捌きシステムで用いられる型番でないと識別された場合には、並行して復号部1614で行われている復号処理を停止させて、2次元コードの復号を行わせないようにする。このように、前捌きシステムで用いられる型番でないと識別された場合に復号部1614で行われている復号処理を途中で停止させることで、負荷を軽減してもよい。また、識別部1613による識別と復号部1614による復号とを並行して行う場合は、2次元コードの復号をより早く行わせることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…チェックアウトシステム、11…POS端末、101…コード読取装置、103…読取窓、104…表示・操作部、160…マイクロコンピュータ、161…CPU、162…ROM、163…RAM、164…撮像部、1611…撮像画像取込部、1612…コード検出部、1613…識別部、1614…復号部、1615…出力部、A…商品、BC…バーコード、C、C1…2次元コード、CP…モジュールサイズ、D…距離、F1…PLUファイル、P1〜P3…ファインダパターン、P11〜P16…位置合わせパターン、PR…プログラム、R…読取領域、T…商品事前登録券、WUL、WUR…幅
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開2004−213061号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記取り込まれた画像に含まれるコードを検出する検出手段と、
前記検出されたコードを復号する復号手段と、
前記検出されたコードが2次元コードである場合、当該2次元コードの型番を識別する識別手段と、を備え、
前記復号手段は、前記識別された型番が所定の型番である場合に、前記検出された2次元コードの復号を行うコード読取装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記2次元コードに含まれる位置検出パターンを検出し、
前記識別手段は、前記検出された位置検出パターンの幅、及び前記位置検出パターン同士の距離に応じて2次元コードの型番を識別する請求項1に記載のコード読取装置。
【請求項3】
前記検出手段が検出するコードは、バーコード又は2次元コードの少なくとも一方である、
請求項1又は2に記載のコード読取装置。
【請求項4】
コンピュータを、
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記取り込まれた画像に含まれるコードを検出する検出手段と、
前記検出されたコードを復号する復号手段と、
前記検出されたコードが2次元コードである場合、当該2次元コードの型番を識別する識別手段と、として機能させ、
前記復号手段は、前記識別された型番が所定の型番である場合に、前記検出された2次元コードの復号を行うプログラム。
【請求項5】
前記検出手段は、前記2次元コードに含まれる位置検出パターンを検出し、
前記識別手段は、前記検出された位置検出パターンの幅、及び前記位置検出パターン同士の距離に応じて2次元コードの型番を識別する請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記検出手段が検出するコードは、バーコード又は2次元コードの少なくとも一方である、
請求項4又は5に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−256313(P2012−256313A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−38023(P2012−38023)
【出願日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】