コード読取装置
【課題】 導電性コードのより柔軟な読取りを可能にする。
【解決手段】 コード読取方法であって、コードはコード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と異なり、読取装置が容量方式でコードに結合し、読取装置が形成する信号の信号レベルはコード要素の導電性に応じて変化し、信号を修正する少なくとも1つのコード要素から修正因子を決定するコード読取方法。
【解決手段】 コード読取方法であって、コードはコード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と異なり、読取装置が容量方式でコードに結合し、読取装置が形成する信号の信号レベルはコード要素の導電性に応じて変化し、信号を修正する少なくとも1つのコード要素から修正因子を決定するコード読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置でコードを読取る方法に関する。また、本発明はコード読取装置およびコードを形成する電気的なインクに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な製品に機械読取可能なコードを多様に形成することは知られている。ある方法では、少なくとも部分的に導電性を有する材料からあまり導電性を有さない基材の上にコードを形成する。たとえば、コードは、導電性インクで紙または板材に形成可能である。この導電性コードは、場合によって、もう一方の表面が覆われていてもよく、その表面は透明であっても不透明であってもよい。
【0003】
導電性コードを読取るために、様々な解決手段が展開されてきている。特許文献1に示されている解決手段には、容量方式のコード読取装置が開示されている。
【特許文献1】米国特許第5159181号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当該読取装置は、容量方式で読取装置の電極を用いて導電性コードを識別することに基づいており、この読取装置の電極は、コードの幅に対応するように設置される。したがって、読取装置の電極の位置にコードの結合域が形成される。読取装置がコードの位置にある場合、読取装置の電極とコードとが環状になり、電極間の交流電流(AC)を検出する。確実に機能させるために、当該解決手段には、正確な読取方向だけでなく、コードとコード読取装置との相互的な所定の配列が必要である。このため、当該解決手段は、主として、いわゆるカード読取自動装置に適する。このカード読取自動装置では、モータを使って、コードを含むカードを読取装置まで移動させる。この解決手段は、たとえば、コードに関する速度、距離および/または方向が変化する手動などによる、より不安定な状況で読取装置を動かして使用する場合において、正確に作動しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、導電性コードのより柔軟な読取りを可能にする解決手段を発明した。
【0006】
この目的を達成するために、本発明に係る方法の主な特徴として、この方法では、読取装置が形成する信号の信号レベルがコード要素の導電率に応じて変化する場合に容量方式で読取装置のセンサヘッドがコードに結合し、コードから形成される信号を修正する少なくとも1つのコード要素から修正因子を決定する。次に、本発明に係るコード読取装置の主な特徴として、このコード読取装置は、容量方式でコードに結合するように、およびコード要素の導電率に応じて信号レベルが変化する信号を形成するように構成され、さらに、このコード読取装置は、信号を修正する修正因子を決定するように構成される部材を含む。次に、本発明に係る携帯機器の主な特徴として、この携帯機器は、少なくともコード読取装置を含み、このコード読取装置が、容量方式でコードに結合するように、およびコード要素の導電率に応じて信号レベルが変化する信号を形成するように構成され、コード読取装置は、センサヘッドに接続される部材をさらに含み、この部材は信号を修正する修正因子を決定するように構成される。次に、本発明に係る導電性インクの主な特徴として、このコード要素の第1部分が実質的に導電性を有するとともに第2部分の導電率は第1部分の導電率と異なり、読取装置においてコード要素の導電率に応じて信号の信号レベルを変化させるために、インクが決定するコードが容量方式で読取装置に結合するように構成され、信号を修正する修正因子は、インクのコード要素から決定可能である。その他、従属請求項は本発明の追加の実施形態の一部を示す。
【0007】
さらに詳しくは、本発明は、コード読取方法であって、コードはコード要素を含み、コード要素の第1部分は実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、読取装置は容量方式でコードに結合し、その場合、読取装置によって形成される信号の信号レベルはコード要素の導電率に応じて変化し、修正因子を信号を修正する少なくとも1つのコード要素から決定することを特徴とするコード読取方法である。
【0008】
本発明において、信号は、信号を修正するための修正因子に基づいて調節されることを特徴とする。
本発明において、調節は、信号の時間領域で行われることを特徴とする。
【0009】
本発明において、調節は、コードの読取範囲において線形であることを特徴とする。
本発明において、調節は、コードの読取範囲において変化することを特徴とする。
【0010】
本発明において、コードは信号を修正する複数のコード要素を含むことを特徴とする。
本発明において、修正は所定のコード要素の比較に基づくことを特徴とする。
【0011】
本発明において、所定のコード要素はコードの始点および終点に位置することを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記修正因子は、コードと分離した他のコードから受信されることを特徴とする。
【0013】
本発明において、他のコードは、実際のコード上および/または実際のコード下に位置することを特徴とする。
【0014】
本発明において、読取装置は、実際のコードを読取りながら、同時に他のコードを読取るように構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記修正因子は、コードの読取速度の変化によって生じる信号の偏差を修正するように構成されることを特徴とする。
【0016】
本発明において、第2読取装置は、信号間の遅れから修正が行われるように前記コードを2回読取るよう構成されることを特徴とする。
【0017】
本発明において、コード要素の相互の大きさの相違は、信号レベルの継続時間に基づいて識別されることを特徴とする。
【0018】
本発明において、コード要素の相互の大きさの相違は、信号レベルの振幅に基づいて識別されることを特徴とする。
【0019】
本発明において、コードに対する読取装置の速度は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて決められることを特徴とする。
【0020】
本発明において、コードの解明に使用される速度修正は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて決められることを特徴とする。
本発明において、コード要素の第1部分は、導電性インクから成ることを特徴とする。
【0021】
本発明において、インクは、読取装置によって生成される周波数の電磁場に関して、導電性を有するように構成されることを特徴とする。
【0022】
本発明において、コードは、少なくとも2つのバーを含み、該バーはその導電率が同一であることを特徴とする。
【0023】
本発明において、コードは、複数のバーを含み、該バーはその導電率値が相互に実質的に異なることを特徴とする。
【0024】
本発明は、コードを読取るコード読取装置であって、コードがコード要素を含み、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、コード読取装置は、
容量方式でコードに結合し、
コード要素の導電性に応じて信号レベルが変化する信号を形成する
ように構成され、
信号を修正する修正因子を決定するように構成される部材をさらに含むことを特徴とするコード読取装置である。
【0025】
本発明において、部材は、少なくとも1つのコード要素から修正因子を決定するように構成されることを特徴とする。
【0026】
本発明において、修正因子に基づいて、部材は、信号を修正する信号を調節するように構成されることを特徴とする。
【0027】
本発明において、部材は、時間領域において信号を調節するように構成されることを特徴とする。
【0028】
本発明において、調節は、コードの読取範囲において線形であることを特徴とする。
本発明において、調節は、コードの読取範囲において変化することを特徴とする。
【0029】
本発明において、部材は、複数のコード要素から修正因子を決定するように構成され、コードは信号を修正する複数のコード要素を含むことを特徴とする。
本発明において、修正は、所定のコード要素の比較に基づくことを特徴とする。
【0030】
本発明において、所定のコード要素は、コードの始点および終点に位置することを特徴とする。
【0031】
本発明において、部材は、コードと分離した他のコードから前記修正因子を受信するように構成されることを特徴とする。
【0032】
本発明において、他のコードは、実際のコード上および/または実際のコード下に位置することを特徴とする。
【0033】
本発明において、読取装置は、実際のコードを読取ると同時に他のコードを読取るように構成されることを特徴とする。
【0034】
本発明において、前記修正因子は、コードの読取速度の変化によって生じる信号の偏差を修正するように構成されることを特徴とする。
【0035】
本発明において、第2読取装置は、部材が信号間の遅れから修正を行うように構成されるように、前記コードを2回読取るよう構成されることを特徴とする。
【0036】
本発明において、コード読取装置は、検出された信号のエッジに応じて、コード要素の相互の大きさの相違を判断するように構成されることを特徴とする。
【0037】
本発明において、コード読取装置は、信号レベルの振幅に応じて、コード要素の相互の大きさの相違を判断するように構成されることを特徴とする。
【0038】
本発明において、コード読取装置は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて、コードに対する読取装置の速度を決定するように構成されることを特徴とする。
【0039】
本発明において、コード読取装置は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて、コードの解明に使用される修正因子を決定するように構成されることを特徴とする。
【0040】
本発明において、センサヘッドは、2以上の電極を含むことを特徴とする。
【0041】
本発明において、2以上の電極は、コードの読取方向に対して連続するようにコード読取装置に設置されることを特徴とする。
【0042】
本発明において、コード読取装置は、携帯端末、通信装置、電子手帳、パーソナル・デジタル・アシスタントのうち少なくとも1つに接続されることを特徴とする。
本発明において、コード要素の第1部分は、導電性インクから成ることを特徴とする。
【0043】
本発明において、インクは、読取装置によって生成される周波数の電磁場に関して、導電性を有するように構成されることを特徴とする。
【0044】
本発明において、コードは、少なくとも2つのバーを含み、該バーはその導電率が同一であることを特徴とする。
【0045】
本発明において、コードは、複数のバーを含み、その導電率値が相互に実質的に異なることを特徴とする。
【0046】
本発明は、コードを読取るコード読取装置を含む携帯機器であって、コードがコード要素を含み、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、コード読取装置は、
容量方式でコードに結合し、
コード要素の導電性に応じて信号レベルが変化する信号を形成する
ように構成され、コード読取装置は、センサヘッドに接続される部材をさらに含み、該部材は信号を修正する修正因子を決定するように構成されることを特徴とする携帯機器である。
【0047】
本発明は、コードを決定する導電性インクであって、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、読取装置においてコード要素の導電率に応じて信号の信号レベルを変化させるために、インクによって決められるコードが容量方式で読取装置に結合するように構成され、信号を修正する修正因子は、インクで作成されたコード要素から決定可能であることを特徴とする導電性インクである。
【発明の効果】
【0048】
本発明の基本概念に1つは、信号読取時に生じ得る偏差を修正するために、容量方式でコード読取装置に結合するコードから、コード読取装置に対する修正因子を抽出することである。読取装置は、容量方式(たとえば、静電気)でコードに結合する。このコードはコード要素を含んでおり、コード要素の第1部分は実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率とは実質的に異なっている。センサヘッドがコード上を走査することなどによって、コードの読取りが可能である。したがって、センサヘッドによって形成される信号の信号レベルは、コード要素の導電率に応じて変化する。走査によって、コードが決定する信号に偏差またはエラーが生じる可能性がある。コードから抽出可能な修正因子は、読取時に生じるエラーと相関しており、読取った信号の修正を補助する。
【0049】
本発明の追加の実施形態において、センサヘッドが読取ったコードデータは、制御ユニットに集められる。制御ユニットは、読取ったコードデータ中の実際のコードのスタートパターンおよびエンドパターンを識別する。実際のコードの幾何学的構造および/または電気的特性に基づいて、制御ユニットは実際のコードを表すデータを形成する。
【0050】
複数の追加の実施形態のうちの一形態では、走査のスタートパターンおよび速度またはその変動、もしくは走査方向でさえ正確に判らない場合であっても、コードに対する電極の位置を識別可能である。これによって、手持ち式での容量性コードの読取りが容易になる。また、他の追加の実施形態では、コードの形状に基づいて、センサの位置およびセンサの速度が識別される。さらに、複数の追加の実施形態のうちの一形態では、何らかの決められたコードパターンから、コードの始点および/または終点を識別する。センサヘッドとコードとの相互的な速度の変動による影響は、各コードパターンが公知構造から成るような追加の1実施形態では、減少する。この場合、1パターン域において、おおよそ一定の速度であればよい。
【0051】
複数の追加の実施形態のうちの一形態では、読取装置は、読取装置の走査が開始される位置と関係なく、1コード(すなわち、スタートパターンから始まり、エンドパターンで終了するコード)を識別するように構成される。当該実施形態では、読取装置は、センサヘッドが識別したコード部分のフロー、すなわち制御ユニットに読取られるようなコードのメモリへのフローから全体のコードを形成し、そこからコードのスタートパターンおよびコードの終点を認識するように構成される。追加の実施形態において、コードが読取られる方向とは関係なくコードの識別が可能である。実施形態においては、センサヘッドとコードとの相互的な速度もまた、変化可能である。
【0052】
この読取技術は、電子機器および/またはデータ転送に支障を来たさないように、実行可能である。これによって、同じ構造内に読取装置と他の機能とを設置することが可能になる。
【0053】
複数の追加の実施形態のうちの一形態では、読取装置が手持ち式でコードを読取る手動操作機器である。
【0054】
複数の追加の実施形態に係る解決手段によって、コードの形成に様々な導電性インクを使用することも可能になる。なぜなら、たとえば低周波で導電性に乏しいインクであっても、充分に高い周波においては導電性を有するものがあるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、次のような添付の主要図面を参照して、複数例によって本発明を説明する。
明瞭化のために、図面には本発明の理解に必要な詳細のみを示す。本発明の理解に不要であって、当業者には自明である構造および詳細は、本発明の特徴を強調するために図面から省略している。
【0056】
本発明の追加の実施形態に係る読取装置1および読取技術を、コード2とともに以下に説明する。この例で使用するコード2は、紙上に導電性インクで形成されたバーコード状のコードであり、その大きさは、数センチメートル範囲である。しかしながら、このコードは、たとえば、その形状、大きさ、素地または導電性材料について、例として示されたコードと異なってよい。本発明の複数の追加の実施形態によれば、容量方式のコード読取装置1などの電気的な読取技術で、コード2の識別が可能である。
【0057】
図1は、本発明に係る読取装置1の追加の実施形態を示すとともに、コード要素、すなわちバーおよびスペースなどを含む導電性コード2の一部を示す。この例において、読取装置1はペン状に形成されている。読取装置1は、その先端にセンサヘッド11を有しており、センサヘッド11には、図2で後述する電極12が位置する。この説明した実施形態において、個々の電極12の大きさは約0.1mm×0.1mmであり、2つの電極の間隔は約0.1mmである。電極12の大きさおよび配置は、とりわけ、コード2のどの程度狭い幅のコード要素を装置1が検出するのかに影響する。たとえば、電極12の間隔をコード2のバーの幅よりも小さくすることによって、センサ11とコードとの相互的な位置に関係なく、コード要素の検出が可能である。この解決手段は、コード2に対する電極12の位置付けに左右されることがない。
【0058】
この電極の読取精度は、ガード電極によって影響を受ける可能性がある。たとえば、大きさが100μmの電極が、100μm離れたところから全面を囲まれている場合、読取距離が数十μmであれば、バーの幅が200μm未満であっても相対的に確実に読取ることが可能である。
【0059】
図2は、読取装置1の追加の実施形態を線図で示す。この例に係る読取装置1は、センサヘッド11および制御ユニット14を含む。センサヘッドは、とりわけ電極12および電子計測機器13を含み、電極間の電気容量を計測するように構成される。電子計測機器13は、とりわけ、AC信号を一方の電極に送る信号発生器と、他方の電極から前記AC信号の応答を感知する前置増幅器とを連携させる。次に、制御ユニット14は、コード2を判断するためにセンサヘッド11が生成する信号を処理する手段を含む。
【0060】
電極12を最小化するために、電子計測機器13は可能な限り高感度でなければならない。なぜなら、導電性の表面に対する容量性接続は、電極12の範囲によって決まるからである。充分な感度で読取るために、とりわけ以下の事項が考慮されるべきである。
【0061】
・充分高い動作周波数。なぜなら、容量性インピーダンスは動作周波数に反比例するからである。
・導体、すなわち電極12に近い電子計測機器13の小型化。これは、浮遊容量および結合容量を減少させて、前置増幅器の感度を向上させる。
【0062】
動作周波数は、コード2の形成が可能である方法にも影響を与える。たとえば、複数の導電性インクの導電率を高周波で向上させると、高周波読取装置1で最も良好にインクの読取りが可能である。その一方で、電子機器は、低周波の方がより簡単になる場合が多い。これまでの実験的な試験では、500kHz〜10MHzの読取周波数が良いことが証明されている。約1MHzの周波数で充分な実施形態もある。
【0063】
電極12の配置およびこれらの電子計測機器13との接続は、たとえばプリント回路基本とともに実装可能である。この電極は、前置増幅器の導体の長さを30mm以下にして、設置することが可能である。電極と前置増幅器との間の導体は、導体間の結合容量を最小にするように経路を定めてよい。したがって、電極12近くにコードがなくても、電極12間の基礎結合容量は数十フェムトファラッドになり得る。コードによって生じる容量の変化は、通常、約1フェムトファラッドまたはそれよりさらに小さい。数十フェルトファラッドの基礎結合容量に対して、計測容量変化が1フェムトファラッド未満であれば、たとえば1MHzのインパルス動作周波数が使用されている場合は、確かに実質的に成功である。インピーダンスによって、使用されている前置増幅器のノイズ特性および周波数応答だけでなく、周波数(すなわち、実際には電極の浮遊容量および結合容量)を選ぶことには価値がある。また、センサヘッドがコード上を走査する速度は、電子計測機器13の帯域の決定に影響を与える。
【0064】
図1および図2に係る追加の実施形態において、容量直接測定器を使用する。本実施形態において、信号の導電性インクへの接続は、直接測定される。したがって、電極12間の容量の変化は直接測定される。この測定器がほとんど接触している場合、電極12間に静電シールドがなくても、この容量測定器で確実な読取りがされる。
【0065】
いくつかの実施形態において、たとえば、不可視であるなど、コード2が目で充分に探知できないときに手動で走査させることで読取りを行う場合、走査の始点および速度またはその変化もしくは走査方向さえも正確に判らなくても、コード2に対する電極12の位置は認識可能でなければならない。位置および速度の認識は、コード2に基づいて行われる。
【0066】
図3のフローチャートは、原則として読取時の主な特徴を示す。コード2を読取装置1で読取る場合、センサヘッド11は電子計測機器13が測定する容量に比例する生信号を形成する。生信号はフィルタ処理され、この場合、たとえばローパスフィルタ処理によってノイズを減少させ、またはハイパスフィルタ処理によって基礎レベル(電極12に近いコードがない信号レベル)の変動を減少させることが可能である。このフィルタ処理によってエッジの検出がさらに確実になる。
【0067】
エッジは、たとえば固定式または適応式のエッジ検出閾値化によって検出可能である。エッジ検出後、2状態の(バリナリ)信号を受信する。この信号は、コード2の導電性コード要素がセンサヘッドの下にあるかどうかを示す。
【0068】
あるいは、ハイパスフィルチ処理の遮断周波数が高い場合、この信号は分化される。したがって、コードによって生じた信号は、そのDCレベルの両側で変化して、立ち上がりエッジによって正のピークになり、立ち下りエッジによって負のピークになる。信号レベルのエッジは、DCレベルの両面に閾値検出器を設置することによって検出可能である。
【0069】
あるいは、フィルタ処理された信号を、A/D変換器でデジタルの状態に変換してもよい。この場合、エッジの識別は何らかのデジタル信号処理手段によって実行可能である。
【0070】
追加の実施形態では、バーおよびスペースの幅の識別において、信号の振幅の変動および遷移時間も利用する。こうすることは、読取装置1の読取分解能に対してバーの密度が大きい場合、妥当である。
【0071】
信号検出後、読取装置1のメモリには、2レベルの信号が保存され、メモリに保存されたその信号は、検出したエッジにおいてその状態が変化するバリナリの信号であるか、またはA/D変換信号である。この信号は、通常、走査速度の変動によって生じる偏差を含む。
【0072】
図4は、フィルタ処理された信号の追加例である。コードの識別は、ある状態から別の状態への変更をエッジ検出器で識別することによって(または分化信号のピークを識別することによって)、開始される。コード2の導電性コード要素と非導電性のコード要素との間で信号レベルは変化する。信号のDCレベルが実質的に変化しない場合、いくつかの実施形態では、一定の閾値を使って、コード2の導電性コード要素がセンサヘッド11の下にあるかどうかを判別可能である。連続する2つのエッジの一時的な間隔は、導電性コード要素の幅、コード2の非導電性コード要素(バーおよびスペース)および読取装置1の走査速度によって決まる。
【0073】
信号のエッジ検出後、たとえば後述の方法のうちの一方法によって、速度が補償される。速度の補償後、コード2のコード要素の相対的な幅の差異を測定することが可能である。コード2は、決められた符号化に従って(たとえば、何らかの基準に従って)解読される。
【0074】
次に、たとえばコードの位置が大体判っている場合にコード2を解読する方法および準備を複数示す。コード2の始点および終点は、決められたコードパターンから識別可能である。読取装置1の走査速度の変動は、たとえば以下の方法で、補償可能である。
【0075】
符号化は、たとえば、導電性および非導電性のコード要素の変動、すなわち、導電性バーおよび非導電性スペースの幅の変動などに基づいてよい。したがって、センサヘッド11の絶対速度が判らない場合であっても、コード2は識別可能である。この方法で符号化を成すためには、走査の間中、ほぼ一定の速度を保たなければならない。
【0076】
コード2のバーおよびスペースの幅の意味は、何らかの公知の符号化方法(記号論)によるパターンまたはビットとして解される。通常、バーおよびスペースの決められた数を含む何らかの一定長さのパターンが決められている。バーおよびスペースの幅および位置が決められているコードパターンは、コード化された様々なキャラクタ(あらゆる数字および文字など)のそれぞれに対して、決められている。コードは、所定のパターンを含まずに、バーおよびスペースとして公知の何らかのアルゴリズムでデータをコード化するようなコードにすることも可能である。
【0077】
コードを印刷するときに、導電性のバーの幅を広げてもよい。したがって、バーの幅の代わりに類似のエッジの間隔(たとえば、第1バーの左エッジから次のバーの左エッジまで)を識別する場合、常にコード識別方法の使用が可能である。
【0078】
以下、速度補償方法を複数示す。
複数の追加の実施形態において、特定の期間は読取速度が一定と仮定する。したがって、適切な方法で決められた期間についてデータを調べる。たとえば、導電性コード要素のN量、すなわちバーなどを含むコード期間が調べられる。(このコード期間は1パターンまたは1データバイトなどを示してよい。)この場合、解読速度の重要性排除のために、コードの構造が判らなければならない。追加の実施形態では、Nバー(およびN−1スペース)の長さがパターンに関係なく一定であるコード構造を使用する。このパターンの範囲では速度が一定であると仮定すると、幅の広いコード要素を信号から識別すれば充分である。次に、別の追加の実施形態では、速度決定の方法として、たとえば、コード要素の最短、最長および/または平均の継続時間をコードのコード要素群から求めて、それに基づいて速度を決定することが可能である。たとえば、Code39型バーコードでは、各パターンは5つのバーと4つのスペースからなり、これら9要素のうち、3要素は幅が広く、6要素は狭い。この実施形態では、コード要素の幅の絶対値は重要ではなく、幅の広いコード要素と幅の狭いコード要素との割合が重要である。たとえば、幅の広いコード要素(例中のバーおよび/またはスペース)の幅が、幅の狭いコード要素の幅の2倍になるように定めてもよい。したがって、センサヘッド11とコード2間の速度によってコード2の読取りが決まるのではなく、走査時に形成される信号のエッジ間の時間差からコード要素の幅が決まる。これに基づいて、速度が判らない場合であっても、コード2の1パターン中ほぼ一定の速度が保たれる場合、読取りは確実である。
【0079】
様々な追加の実施形態のうち数形態では、コードに対して局部的に速度修正が決められる。したがって、信号の時間軸は速度の変化を(たとえば線形に)修正する何らかの式で調節される。調節(すなわち時間軸の調節)は複数の違った方法によって実行可能である。たとえば、以下のとおりである。
【0080】
・一実施形態において、調節は、隣接パターンまたはバー/スペース群の速度に基づく。したがって、1つのNコード要素のパターン開始時の読取速度は、前のパターンまたはバー/スペース群の(平均)速度であって、パターン終了時の読取速度は、次のパターンの速度であると仮定する。これらに基づいて、コード要素、すなわち幅の広いバーおよび狭いバーなどを識別する前に、信号の時間軸を線形に調節することができる。
【0081】
・次に、第2実施形態では、パターンの始点および終点で走査速度を確認する。したがって、パターンの第1要素および最終コード要素が所定である、すなわち幅が「狭い」か「広い」かのいずれかであるということが決められている。この速度修正は、これらの継続時間に基づいて計算される。
【0082】
・コードの一定部分のパターンおよび/またはコード要素のうち、他のどれか1つが一定の大きさになるように決定することが可能である。たとえば、最初の3つおよび最後の3つのコード要素のうちの一つの幅が狭くてよい。最も幅の狭いコード要素を識別することによって、速度および必要な調節パラメータの決定が可能である。したがって、どの特定の単一コード要素も狭い幅を有するとは決められないため、コードのデータ密度が高まる。
【0083】
・複数の既知のパターンおよび/またはコード要素に対する速度を決めれば、速度修正にさらに多様な式を使用可能である。たとえば、少なくとも3つの既知のコード要素に基づいて速度を決定することで、二次方程式で速度修正が可能である。
【0084】
・既知のパターンおよび/またはコード要素に代えて、速度を決定する何らかの他の既知の長さ量を使用することが可能である。一定のコード要素群の組合わせた長さがほぼ一定であることが判る場合などには、速度の決定が可能である。
【0085】
走査の全範囲にわたって速度修正をすることも可能である。したがって、上述の方法で走査速度が決められた後、速度の変動を修正するように式は構成されている。多くの使用においては、せいぜい二次方程式を検出すれば充分である。
【0086】
次に、図5は、フィルタ処理された信号の別の追加の実施形態を示す。この場合、走査速度は著しく変化する。読取られるコード2は図4で示した例と同じである。
【0087】
図6は、簡略化された例として速度修正の原理を示す。グラフAは、速度修正前の信号を示す。グラフAから見つけることができるように、読取装置1の走査速度は走査の終点に向かう程、コード2に対して速くなる。この例では、速度変化は時間に関して線形である。グラフBは、速度補償信号を示す。次に、図Cは、速度補償に使用する修正因子を示す。この例では、速度変化は線形であるため、修正因子は線形のグラフである。必然的に、修正因子のグラフCの形状は、読取装置1の走査速度の変動によって決まる。速度を補償された信号Bは、修正因子Cで時間軸を調節することによって、補償されていない信号Aから形成される。この原理として、走査速度が速くなると時間軸は引き伸ばされる。すなわち、より低速の場合と比べて、より大きい因子が使用される。
【0088】
別の実施形態では、図7に示すように、実際のコード2に加えて、同期コード2Sを使用する。同期コード2Sは、実際のコード2と接続するか、またはその周辺、たとえば、コードの隣またはその片面もしくは両面に置かれる。したがって、コード2と同期パターン2Sとの両方を読取るセンサヘッドが多数ある場合、複数のセンサヘッド11は連続して設置可能である。別の実施形態では、同期コード2Sのためのセンサヘッド11は1つである。
【0089】
複数の追加の実施形態のうちの一形態において、容量性のセンサヘッド11は、読取装置1の走査方向に対して、連続した少なくとも2つの部分に設置される。したがって、これらのセンサヘッド11が生成する信号に基づいて、読取走査の速度の決定が可能である。これは、実施形態において、両方のセンサヘッド11が読取るコード2が同じ場合、両方のセンサヘッド11が形成する信号も非常に類似するが、これらの間には遅れが出ることに基づいている。この遅れは、連続するセンサヘッド11と走査速度との間隔によって決まる。連続するセンサヘッド11の間隔は一般的に知られており、この場合、走査速度は遅れに基づいて決定されることが可能である。遅れは、たとえば個別のコード要素が作るパルスの時間差によって、またはより長い信号のサンプルを取ることによって、および信号の相関関係が最大になる遅れを探知することによって、分析可能である。
【0090】
図8は、連続する2つのセンサヘッド11aおよび11bがコード要素上を走査する読取を示す。走査は瞬間速度vで行われ、かつ図中、尺度dはセンサヘッド11aと11bとの間隔を表している。したがって、センサヘッド11aおよび11bからの出力信号間の遅れは、d/vである。この方法で決めた速度に基づいて、前述した類似の方法において時間軸の調節が可能である。
【0091】
図9は、走査中に走査速度が著しく速くなる場合に上述のセンサヘッド11aおよび11bが形成する信号を示す。したがって、データの始点におけるセンサヘッド11aおよび11bからの出力信号間の遅れは、データの終点よりも大きい。
【0092】
さらに別の追加の実施形態において、左から右などの読取方向もまた知られている。たとえば±20度の方向のエラーは許容可能となるように、コードおよびその読取りを実施することも可能である。これは、追加の実施形態において、長さに対して充分な高さがあるコード2を印刷することで達成される。
【0093】
本願に係る使用環境において、読取られるコードは、繰り返しの配列として形成される。したがって、本発明の実施形態に係る読取装置1は、読取装置の走査が開始される場所に関係なく、1つのコード(すなわち、開始パターンから開始して終了パターンで終了するコード)を識別するように構成される。当該実施形態の例は、図10にフローチャートで示されている。当該実施形態では、制御ユニット14は、センサヘッド11が識別するコード要素のフローからコード全体を解読するように構成される。このコード要素のフローとは、すなわち制御ユニットがコードのメモリへのフローを読取るようなコードフローであって、ここから開始パターンに基づいてコードの始点を識別するとともに終了パターンに基づいてコードの終点を識別する。この後、これらの間でコードの内容を判断可能である。追加の実施形態において、コード2は、コードが読取られる方向に関係なく識別可能である。すなわち、たとえば終了パターンから開始パターンに向かってコード2を読取ることが可能である。当該実施形態の例は図11にフローチャートで示す。
【0094】
次に、図12は、読取装置1の別の実施形態をチャートで示す。この例に係る読取装置1は、センサヘッド11および制御ユニット14を含む。この操作は上述のとおりである。この実施形態では、この制御ユニット14は、データ処理ユニット15と接続され、とりわけコード2が含む制御データに応じて動作するように構成される。また、この例にはデータ転送ユニット16が示されており、これを介して、読取装置1が他の機器および/またはシステムと接続する。
【0095】
たとえば、読取装置1は、携帯機器、通信機器、電子手帳および/またはパームコンピュータに接続可能である。読取装置1が別個のユニットであって、適切なデータ転送技術によって、携帯機器、通信機器、電子手帳および/またはパームコンピュータなどの別の機器と接続されていることも可能である。追加の実施形態において、コード読取装置1は、タッチスクリーンのペンと同じ構造物に設置される。この場合、同じユニットでコードを読取って、機器を制御することが可能である。データは、たとえばIR(赤外線)またはBluetooth技術によって、読取装置1と他の機器との間で転送されることが可能である。
【0096】
他の何らかのシステムに接続する読取装置1を構成することによって、様々なサービスを提供し、かつ使用することも可能である。たとえば、図13および14は、コード読取装置1、通信機器3およびサーバ4を含む複数のシステム組立品を示す。図11に示す例では、別個のコード読取装置1は通信機器3とデータ転送接続されているが、図14に示すとおり、この機器は一体化も可能である。また、通信機器3はサーバ4と接続するように構成される。
【0097】
上述の本発明の様々な実施形態に関連して、開示される形態および構造を多様な方法で組合わせることによって、本発明の精神と一致する本発明の多様な実施形態の生成が可能である。したがって、上述の例は本発明を限定するものと解されてはならず、本発明の実施形態は、本発明の精神および/または性質の範囲内で自由に変化可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の追加の実施形態に係るコード読取装置を示す。
【図2】本発明の追加の実施形態に係るコード読取装置をブロック図で示す。
【図3】本発明の追加の実施形態に係るコード読取りをフローチャートで示す。
【図4】コード信号の例を示す。
【図5】コード信号の別の例を示す。
【図6】速度修正の例を示す。
【図7】コードの追加の実施形態を示す。
【図8】センサヘッドを2つ備えた追加の実施形態を示す。
【図9】図8に係る実施形態の信号を示す。
【図10】追加の実施形態に係るコード処理をフローチャートで示す。
【図11】別の追加の実施形態に係るコード処理をフローチャートで示す。
【図12】別の追加の実施形態に係るコード読取装置をフローチャートで示す。
【図13】本発明の実施形態を採用可能なシステムを示す。
【図14】本発明の実施形態を採用可能な別のシステムを示す。
【符号の説明】
【0099】
1 読取装置
2 コード
3 通信機器
4 サーバ
11a,11b センサヘッド
12 電極
13 電子計測機器
14 制御ユニット
15 データ処理ユニット
16 データ転送ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置でコードを読取る方法に関する。また、本発明はコード読取装置およびコードを形成する電気的なインクに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な製品に機械読取可能なコードを多様に形成することは知られている。ある方法では、少なくとも部分的に導電性を有する材料からあまり導電性を有さない基材の上にコードを形成する。たとえば、コードは、導電性インクで紙または板材に形成可能である。この導電性コードは、場合によって、もう一方の表面が覆われていてもよく、その表面は透明であっても不透明であってもよい。
【0003】
導電性コードを読取るために、様々な解決手段が展開されてきている。特許文献1に示されている解決手段には、容量方式のコード読取装置が開示されている。
【特許文献1】米国特許第5159181号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当該読取装置は、容量方式で読取装置の電極を用いて導電性コードを識別することに基づいており、この読取装置の電極は、コードの幅に対応するように設置される。したがって、読取装置の電極の位置にコードの結合域が形成される。読取装置がコードの位置にある場合、読取装置の電極とコードとが環状になり、電極間の交流電流(AC)を検出する。確実に機能させるために、当該解決手段には、正確な読取方向だけでなく、コードとコード読取装置との相互的な所定の配列が必要である。このため、当該解決手段は、主として、いわゆるカード読取自動装置に適する。このカード読取自動装置では、モータを使って、コードを含むカードを読取装置まで移動させる。この解決手段は、たとえば、コードに関する速度、距離および/または方向が変化する手動などによる、より不安定な状況で読取装置を動かして使用する場合において、正確に作動しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、導電性コードのより柔軟な読取りを可能にする解決手段を発明した。
【0006】
この目的を達成するために、本発明に係る方法の主な特徴として、この方法では、読取装置が形成する信号の信号レベルがコード要素の導電率に応じて変化する場合に容量方式で読取装置のセンサヘッドがコードに結合し、コードから形成される信号を修正する少なくとも1つのコード要素から修正因子を決定する。次に、本発明に係るコード読取装置の主な特徴として、このコード読取装置は、容量方式でコードに結合するように、およびコード要素の導電率に応じて信号レベルが変化する信号を形成するように構成され、さらに、このコード読取装置は、信号を修正する修正因子を決定するように構成される部材を含む。次に、本発明に係る携帯機器の主な特徴として、この携帯機器は、少なくともコード読取装置を含み、このコード読取装置が、容量方式でコードに結合するように、およびコード要素の導電率に応じて信号レベルが変化する信号を形成するように構成され、コード読取装置は、センサヘッドに接続される部材をさらに含み、この部材は信号を修正する修正因子を決定するように構成される。次に、本発明に係る導電性インクの主な特徴として、このコード要素の第1部分が実質的に導電性を有するとともに第2部分の導電率は第1部分の導電率と異なり、読取装置においてコード要素の導電率に応じて信号の信号レベルを変化させるために、インクが決定するコードが容量方式で読取装置に結合するように構成され、信号を修正する修正因子は、インクのコード要素から決定可能である。その他、従属請求項は本発明の追加の実施形態の一部を示す。
【0007】
さらに詳しくは、本発明は、コード読取方法であって、コードはコード要素を含み、コード要素の第1部分は実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、読取装置は容量方式でコードに結合し、その場合、読取装置によって形成される信号の信号レベルはコード要素の導電率に応じて変化し、修正因子を信号を修正する少なくとも1つのコード要素から決定することを特徴とするコード読取方法である。
【0008】
本発明において、信号は、信号を修正するための修正因子に基づいて調節されることを特徴とする。
本発明において、調節は、信号の時間領域で行われることを特徴とする。
【0009】
本発明において、調節は、コードの読取範囲において線形であることを特徴とする。
本発明において、調節は、コードの読取範囲において変化することを特徴とする。
【0010】
本発明において、コードは信号を修正する複数のコード要素を含むことを特徴とする。
本発明において、修正は所定のコード要素の比較に基づくことを特徴とする。
【0011】
本発明において、所定のコード要素はコードの始点および終点に位置することを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記修正因子は、コードと分離した他のコードから受信されることを特徴とする。
【0013】
本発明において、他のコードは、実際のコード上および/または実際のコード下に位置することを特徴とする。
【0014】
本発明において、読取装置は、実際のコードを読取りながら、同時に他のコードを読取るように構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明において、前記修正因子は、コードの読取速度の変化によって生じる信号の偏差を修正するように構成されることを特徴とする。
【0016】
本発明において、第2読取装置は、信号間の遅れから修正が行われるように前記コードを2回読取るよう構成されることを特徴とする。
【0017】
本発明において、コード要素の相互の大きさの相違は、信号レベルの継続時間に基づいて識別されることを特徴とする。
【0018】
本発明において、コード要素の相互の大きさの相違は、信号レベルの振幅に基づいて識別されることを特徴とする。
【0019】
本発明において、コードに対する読取装置の速度は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて決められることを特徴とする。
【0020】
本発明において、コードの解明に使用される速度修正は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて決められることを特徴とする。
本発明において、コード要素の第1部分は、導電性インクから成ることを特徴とする。
【0021】
本発明において、インクは、読取装置によって生成される周波数の電磁場に関して、導電性を有するように構成されることを特徴とする。
【0022】
本発明において、コードは、少なくとも2つのバーを含み、該バーはその導電率が同一であることを特徴とする。
【0023】
本発明において、コードは、複数のバーを含み、該バーはその導電率値が相互に実質的に異なることを特徴とする。
【0024】
本発明は、コードを読取るコード読取装置であって、コードがコード要素を含み、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、コード読取装置は、
容量方式でコードに結合し、
コード要素の導電性に応じて信号レベルが変化する信号を形成する
ように構成され、
信号を修正する修正因子を決定するように構成される部材をさらに含むことを特徴とするコード読取装置である。
【0025】
本発明において、部材は、少なくとも1つのコード要素から修正因子を決定するように構成されることを特徴とする。
【0026】
本発明において、修正因子に基づいて、部材は、信号を修正する信号を調節するように構成されることを特徴とする。
【0027】
本発明において、部材は、時間領域において信号を調節するように構成されることを特徴とする。
【0028】
本発明において、調節は、コードの読取範囲において線形であることを特徴とする。
本発明において、調節は、コードの読取範囲において変化することを特徴とする。
【0029】
本発明において、部材は、複数のコード要素から修正因子を決定するように構成され、コードは信号を修正する複数のコード要素を含むことを特徴とする。
本発明において、修正は、所定のコード要素の比較に基づくことを特徴とする。
【0030】
本発明において、所定のコード要素は、コードの始点および終点に位置することを特徴とする。
【0031】
本発明において、部材は、コードと分離した他のコードから前記修正因子を受信するように構成されることを特徴とする。
【0032】
本発明において、他のコードは、実際のコード上および/または実際のコード下に位置することを特徴とする。
【0033】
本発明において、読取装置は、実際のコードを読取ると同時に他のコードを読取るように構成されることを特徴とする。
【0034】
本発明において、前記修正因子は、コードの読取速度の変化によって生じる信号の偏差を修正するように構成されることを特徴とする。
【0035】
本発明において、第2読取装置は、部材が信号間の遅れから修正を行うように構成されるように、前記コードを2回読取るよう構成されることを特徴とする。
【0036】
本発明において、コード読取装置は、検出された信号のエッジに応じて、コード要素の相互の大きさの相違を判断するように構成されることを特徴とする。
【0037】
本発明において、コード読取装置は、信号レベルの振幅に応じて、コード要素の相互の大きさの相違を判断するように構成されることを特徴とする。
【0038】
本発明において、コード読取装置は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて、コードに対する読取装置の速度を決定するように構成されることを特徴とする。
【0039】
本発明において、コード読取装置は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて、コードの解明に使用される修正因子を決定するように構成されることを特徴とする。
【0040】
本発明において、センサヘッドは、2以上の電極を含むことを特徴とする。
【0041】
本発明において、2以上の電極は、コードの読取方向に対して連続するようにコード読取装置に設置されることを特徴とする。
【0042】
本発明において、コード読取装置は、携帯端末、通信装置、電子手帳、パーソナル・デジタル・アシスタントのうち少なくとも1つに接続されることを特徴とする。
本発明において、コード要素の第1部分は、導電性インクから成ることを特徴とする。
【0043】
本発明において、インクは、読取装置によって生成される周波数の電磁場に関して、導電性を有するように構成されることを特徴とする。
【0044】
本発明において、コードは、少なくとも2つのバーを含み、該バーはその導電率が同一であることを特徴とする。
【0045】
本発明において、コードは、複数のバーを含み、その導電率値が相互に実質的に異なることを特徴とする。
【0046】
本発明は、コードを読取るコード読取装置を含む携帯機器であって、コードがコード要素を含み、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、コード読取装置は、
容量方式でコードに結合し、
コード要素の導電性に応じて信号レベルが変化する信号を形成する
ように構成され、コード読取装置は、センサヘッドに接続される部材をさらに含み、該部材は信号を修正する修正因子を決定するように構成されることを特徴とする携帯機器である。
【0047】
本発明は、コードを決定する導電性インクであって、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、読取装置においてコード要素の導電率に応じて信号の信号レベルを変化させるために、インクによって決められるコードが容量方式で読取装置に結合するように構成され、信号を修正する修正因子は、インクで作成されたコード要素から決定可能であることを特徴とする導電性インクである。
【発明の効果】
【0048】
本発明の基本概念に1つは、信号読取時に生じ得る偏差を修正するために、容量方式でコード読取装置に結合するコードから、コード読取装置に対する修正因子を抽出することである。読取装置は、容量方式(たとえば、静電気)でコードに結合する。このコードはコード要素を含んでおり、コード要素の第1部分は実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率とは実質的に異なっている。センサヘッドがコード上を走査することなどによって、コードの読取りが可能である。したがって、センサヘッドによって形成される信号の信号レベルは、コード要素の導電率に応じて変化する。走査によって、コードが決定する信号に偏差またはエラーが生じる可能性がある。コードから抽出可能な修正因子は、読取時に生じるエラーと相関しており、読取った信号の修正を補助する。
【0049】
本発明の追加の実施形態において、センサヘッドが読取ったコードデータは、制御ユニットに集められる。制御ユニットは、読取ったコードデータ中の実際のコードのスタートパターンおよびエンドパターンを識別する。実際のコードの幾何学的構造および/または電気的特性に基づいて、制御ユニットは実際のコードを表すデータを形成する。
【0050】
複数の追加の実施形態のうちの一形態では、走査のスタートパターンおよび速度またはその変動、もしくは走査方向でさえ正確に判らない場合であっても、コードに対する電極の位置を識別可能である。これによって、手持ち式での容量性コードの読取りが容易になる。また、他の追加の実施形態では、コードの形状に基づいて、センサの位置およびセンサの速度が識別される。さらに、複数の追加の実施形態のうちの一形態では、何らかの決められたコードパターンから、コードの始点および/または終点を識別する。センサヘッドとコードとの相互的な速度の変動による影響は、各コードパターンが公知構造から成るような追加の1実施形態では、減少する。この場合、1パターン域において、おおよそ一定の速度であればよい。
【0051】
複数の追加の実施形態のうちの一形態では、読取装置は、読取装置の走査が開始される位置と関係なく、1コード(すなわち、スタートパターンから始まり、エンドパターンで終了するコード)を識別するように構成される。当該実施形態では、読取装置は、センサヘッドが識別したコード部分のフロー、すなわち制御ユニットに読取られるようなコードのメモリへのフローから全体のコードを形成し、そこからコードのスタートパターンおよびコードの終点を認識するように構成される。追加の実施形態において、コードが読取られる方向とは関係なくコードの識別が可能である。実施形態においては、センサヘッドとコードとの相互的な速度もまた、変化可能である。
【0052】
この読取技術は、電子機器および/またはデータ転送に支障を来たさないように、実行可能である。これによって、同じ構造内に読取装置と他の機能とを設置することが可能になる。
【0053】
複数の追加の実施形態のうちの一形態では、読取装置が手持ち式でコードを読取る手動操作機器である。
【0054】
複数の追加の実施形態に係る解決手段によって、コードの形成に様々な導電性インクを使用することも可能になる。なぜなら、たとえば低周波で導電性に乏しいインクであっても、充分に高い周波においては導電性を有するものがあるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、次のような添付の主要図面を参照して、複数例によって本発明を説明する。
明瞭化のために、図面には本発明の理解に必要な詳細のみを示す。本発明の理解に不要であって、当業者には自明である構造および詳細は、本発明の特徴を強調するために図面から省略している。
【0056】
本発明の追加の実施形態に係る読取装置1および読取技術を、コード2とともに以下に説明する。この例で使用するコード2は、紙上に導電性インクで形成されたバーコード状のコードであり、その大きさは、数センチメートル範囲である。しかしながら、このコードは、たとえば、その形状、大きさ、素地または導電性材料について、例として示されたコードと異なってよい。本発明の複数の追加の実施形態によれば、容量方式のコード読取装置1などの電気的な読取技術で、コード2の識別が可能である。
【0057】
図1は、本発明に係る読取装置1の追加の実施形態を示すとともに、コード要素、すなわちバーおよびスペースなどを含む導電性コード2の一部を示す。この例において、読取装置1はペン状に形成されている。読取装置1は、その先端にセンサヘッド11を有しており、センサヘッド11には、図2で後述する電極12が位置する。この説明した実施形態において、個々の電極12の大きさは約0.1mm×0.1mmであり、2つの電極の間隔は約0.1mmである。電極12の大きさおよび配置は、とりわけ、コード2のどの程度狭い幅のコード要素を装置1が検出するのかに影響する。たとえば、電極12の間隔をコード2のバーの幅よりも小さくすることによって、センサ11とコードとの相互的な位置に関係なく、コード要素の検出が可能である。この解決手段は、コード2に対する電極12の位置付けに左右されることがない。
【0058】
この電極の読取精度は、ガード電極によって影響を受ける可能性がある。たとえば、大きさが100μmの電極が、100μm離れたところから全面を囲まれている場合、読取距離が数十μmであれば、バーの幅が200μm未満であっても相対的に確実に読取ることが可能である。
【0059】
図2は、読取装置1の追加の実施形態を線図で示す。この例に係る読取装置1は、センサヘッド11および制御ユニット14を含む。センサヘッドは、とりわけ電極12および電子計測機器13を含み、電極間の電気容量を計測するように構成される。電子計測機器13は、とりわけ、AC信号を一方の電極に送る信号発生器と、他方の電極から前記AC信号の応答を感知する前置増幅器とを連携させる。次に、制御ユニット14は、コード2を判断するためにセンサヘッド11が生成する信号を処理する手段を含む。
【0060】
電極12を最小化するために、電子計測機器13は可能な限り高感度でなければならない。なぜなら、導電性の表面に対する容量性接続は、電極12の範囲によって決まるからである。充分な感度で読取るために、とりわけ以下の事項が考慮されるべきである。
【0061】
・充分高い動作周波数。なぜなら、容量性インピーダンスは動作周波数に反比例するからである。
・導体、すなわち電極12に近い電子計測機器13の小型化。これは、浮遊容量および結合容量を減少させて、前置増幅器の感度を向上させる。
【0062】
動作周波数は、コード2の形成が可能である方法にも影響を与える。たとえば、複数の導電性インクの導電率を高周波で向上させると、高周波読取装置1で最も良好にインクの読取りが可能である。その一方で、電子機器は、低周波の方がより簡単になる場合が多い。これまでの実験的な試験では、500kHz〜10MHzの読取周波数が良いことが証明されている。約1MHzの周波数で充分な実施形態もある。
【0063】
電極12の配置およびこれらの電子計測機器13との接続は、たとえばプリント回路基本とともに実装可能である。この電極は、前置増幅器の導体の長さを30mm以下にして、設置することが可能である。電極と前置増幅器との間の導体は、導体間の結合容量を最小にするように経路を定めてよい。したがって、電極12近くにコードがなくても、電極12間の基礎結合容量は数十フェムトファラッドになり得る。コードによって生じる容量の変化は、通常、約1フェムトファラッドまたはそれよりさらに小さい。数十フェルトファラッドの基礎結合容量に対して、計測容量変化が1フェムトファラッド未満であれば、たとえば1MHzのインパルス動作周波数が使用されている場合は、確かに実質的に成功である。インピーダンスによって、使用されている前置増幅器のノイズ特性および周波数応答だけでなく、周波数(すなわち、実際には電極の浮遊容量および結合容量)を選ぶことには価値がある。また、センサヘッドがコード上を走査する速度は、電子計測機器13の帯域の決定に影響を与える。
【0064】
図1および図2に係る追加の実施形態において、容量直接測定器を使用する。本実施形態において、信号の導電性インクへの接続は、直接測定される。したがって、電極12間の容量の変化は直接測定される。この測定器がほとんど接触している場合、電極12間に静電シールドがなくても、この容量測定器で確実な読取りがされる。
【0065】
いくつかの実施形態において、たとえば、不可視であるなど、コード2が目で充分に探知できないときに手動で走査させることで読取りを行う場合、走査の始点および速度またはその変化もしくは走査方向さえも正確に判らなくても、コード2に対する電極12の位置は認識可能でなければならない。位置および速度の認識は、コード2に基づいて行われる。
【0066】
図3のフローチャートは、原則として読取時の主な特徴を示す。コード2を読取装置1で読取る場合、センサヘッド11は電子計測機器13が測定する容量に比例する生信号を形成する。生信号はフィルタ処理され、この場合、たとえばローパスフィルタ処理によってノイズを減少させ、またはハイパスフィルタ処理によって基礎レベル(電極12に近いコードがない信号レベル)の変動を減少させることが可能である。このフィルタ処理によってエッジの検出がさらに確実になる。
【0067】
エッジは、たとえば固定式または適応式のエッジ検出閾値化によって検出可能である。エッジ検出後、2状態の(バリナリ)信号を受信する。この信号は、コード2の導電性コード要素がセンサヘッドの下にあるかどうかを示す。
【0068】
あるいは、ハイパスフィルチ処理の遮断周波数が高い場合、この信号は分化される。したがって、コードによって生じた信号は、そのDCレベルの両側で変化して、立ち上がりエッジによって正のピークになり、立ち下りエッジによって負のピークになる。信号レベルのエッジは、DCレベルの両面に閾値検出器を設置することによって検出可能である。
【0069】
あるいは、フィルタ処理された信号を、A/D変換器でデジタルの状態に変換してもよい。この場合、エッジの識別は何らかのデジタル信号処理手段によって実行可能である。
【0070】
追加の実施形態では、バーおよびスペースの幅の識別において、信号の振幅の変動および遷移時間も利用する。こうすることは、読取装置1の読取分解能に対してバーの密度が大きい場合、妥当である。
【0071】
信号検出後、読取装置1のメモリには、2レベルの信号が保存され、メモリに保存されたその信号は、検出したエッジにおいてその状態が変化するバリナリの信号であるか、またはA/D変換信号である。この信号は、通常、走査速度の変動によって生じる偏差を含む。
【0072】
図4は、フィルタ処理された信号の追加例である。コードの識別は、ある状態から別の状態への変更をエッジ検出器で識別することによって(または分化信号のピークを識別することによって)、開始される。コード2の導電性コード要素と非導電性のコード要素との間で信号レベルは変化する。信号のDCレベルが実質的に変化しない場合、いくつかの実施形態では、一定の閾値を使って、コード2の導電性コード要素がセンサヘッド11の下にあるかどうかを判別可能である。連続する2つのエッジの一時的な間隔は、導電性コード要素の幅、コード2の非導電性コード要素(バーおよびスペース)および読取装置1の走査速度によって決まる。
【0073】
信号のエッジ検出後、たとえば後述の方法のうちの一方法によって、速度が補償される。速度の補償後、コード2のコード要素の相対的な幅の差異を測定することが可能である。コード2は、決められた符号化に従って(たとえば、何らかの基準に従って)解読される。
【0074】
次に、たとえばコードの位置が大体判っている場合にコード2を解読する方法および準備を複数示す。コード2の始点および終点は、決められたコードパターンから識別可能である。読取装置1の走査速度の変動は、たとえば以下の方法で、補償可能である。
【0075】
符号化は、たとえば、導電性および非導電性のコード要素の変動、すなわち、導電性バーおよび非導電性スペースの幅の変動などに基づいてよい。したがって、センサヘッド11の絶対速度が判らない場合であっても、コード2は識別可能である。この方法で符号化を成すためには、走査の間中、ほぼ一定の速度を保たなければならない。
【0076】
コード2のバーおよびスペースの幅の意味は、何らかの公知の符号化方法(記号論)によるパターンまたはビットとして解される。通常、バーおよびスペースの決められた数を含む何らかの一定長さのパターンが決められている。バーおよびスペースの幅および位置が決められているコードパターンは、コード化された様々なキャラクタ(あらゆる数字および文字など)のそれぞれに対して、決められている。コードは、所定のパターンを含まずに、バーおよびスペースとして公知の何らかのアルゴリズムでデータをコード化するようなコードにすることも可能である。
【0077】
コードを印刷するときに、導電性のバーの幅を広げてもよい。したがって、バーの幅の代わりに類似のエッジの間隔(たとえば、第1バーの左エッジから次のバーの左エッジまで)を識別する場合、常にコード識別方法の使用が可能である。
【0078】
以下、速度補償方法を複数示す。
複数の追加の実施形態において、特定の期間は読取速度が一定と仮定する。したがって、適切な方法で決められた期間についてデータを調べる。たとえば、導電性コード要素のN量、すなわちバーなどを含むコード期間が調べられる。(このコード期間は1パターンまたは1データバイトなどを示してよい。)この場合、解読速度の重要性排除のために、コードの構造が判らなければならない。追加の実施形態では、Nバー(およびN−1スペース)の長さがパターンに関係なく一定であるコード構造を使用する。このパターンの範囲では速度が一定であると仮定すると、幅の広いコード要素を信号から識別すれば充分である。次に、別の追加の実施形態では、速度決定の方法として、たとえば、コード要素の最短、最長および/または平均の継続時間をコードのコード要素群から求めて、それに基づいて速度を決定することが可能である。たとえば、Code39型バーコードでは、各パターンは5つのバーと4つのスペースからなり、これら9要素のうち、3要素は幅が広く、6要素は狭い。この実施形態では、コード要素の幅の絶対値は重要ではなく、幅の広いコード要素と幅の狭いコード要素との割合が重要である。たとえば、幅の広いコード要素(例中のバーおよび/またはスペース)の幅が、幅の狭いコード要素の幅の2倍になるように定めてもよい。したがって、センサヘッド11とコード2間の速度によってコード2の読取りが決まるのではなく、走査時に形成される信号のエッジ間の時間差からコード要素の幅が決まる。これに基づいて、速度が判らない場合であっても、コード2の1パターン中ほぼ一定の速度が保たれる場合、読取りは確実である。
【0079】
様々な追加の実施形態のうち数形態では、コードに対して局部的に速度修正が決められる。したがって、信号の時間軸は速度の変化を(たとえば線形に)修正する何らかの式で調節される。調節(すなわち時間軸の調節)は複数の違った方法によって実行可能である。たとえば、以下のとおりである。
【0080】
・一実施形態において、調節は、隣接パターンまたはバー/スペース群の速度に基づく。したがって、1つのNコード要素のパターン開始時の読取速度は、前のパターンまたはバー/スペース群の(平均)速度であって、パターン終了時の読取速度は、次のパターンの速度であると仮定する。これらに基づいて、コード要素、すなわち幅の広いバーおよび狭いバーなどを識別する前に、信号の時間軸を線形に調節することができる。
【0081】
・次に、第2実施形態では、パターンの始点および終点で走査速度を確認する。したがって、パターンの第1要素および最終コード要素が所定である、すなわち幅が「狭い」か「広い」かのいずれかであるということが決められている。この速度修正は、これらの継続時間に基づいて計算される。
【0082】
・コードの一定部分のパターンおよび/またはコード要素のうち、他のどれか1つが一定の大きさになるように決定することが可能である。たとえば、最初の3つおよび最後の3つのコード要素のうちの一つの幅が狭くてよい。最も幅の狭いコード要素を識別することによって、速度および必要な調節パラメータの決定が可能である。したがって、どの特定の単一コード要素も狭い幅を有するとは決められないため、コードのデータ密度が高まる。
【0083】
・複数の既知のパターンおよび/またはコード要素に対する速度を決めれば、速度修正にさらに多様な式を使用可能である。たとえば、少なくとも3つの既知のコード要素に基づいて速度を決定することで、二次方程式で速度修正が可能である。
【0084】
・既知のパターンおよび/またはコード要素に代えて、速度を決定する何らかの他の既知の長さ量を使用することが可能である。一定のコード要素群の組合わせた長さがほぼ一定であることが判る場合などには、速度の決定が可能である。
【0085】
走査の全範囲にわたって速度修正をすることも可能である。したがって、上述の方法で走査速度が決められた後、速度の変動を修正するように式は構成されている。多くの使用においては、せいぜい二次方程式を検出すれば充分である。
【0086】
次に、図5は、フィルタ処理された信号の別の追加の実施形態を示す。この場合、走査速度は著しく変化する。読取られるコード2は図4で示した例と同じである。
【0087】
図6は、簡略化された例として速度修正の原理を示す。グラフAは、速度修正前の信号を示す。グラフAから見つけることができるように、読取装置1の走査速度は走査の終点に向かう程、コード2に対して速くなる。この例では、速度変化は時間に関して線形である。グラフBは、速度補償信号を示す。次に、図Cは、速度補償に使用する修正因子を示す。この例では、速度変化は線形であるため、修正因子は線形のグラフである。必然的に、修正因子のグラフCの形状は、読取装置1の走査速度の変動によって決まる。速度を補償された信号Bは、修正因子Cで時間軸を調節することによって、補償されていない信号Aから形成される。この原理として、走査速度が速くなると時間軸は引き伸ばされる。すなわち、より低速の場合と比べて、より大きい因子が使用される。
【0088】
別の実施形態では、図7に示すように、実際のコード2に加えて、同期コード2Sを使用する。同期コード2Sは、実際のコード2と接続するか、またはその周辺、たとえば、コードの隣またはその片面もしくは両面に置かれる。したがって、コード2と同期パターン2Sとの両方を読取るセンサヘッドが多数ある場合、複数のセンサヘッド11は連続して設置可能である。別の実施形態では、同期コード2Sのためのセンサヘッド11は1つである。
【0089】
複数の追加の実施形態のうちの一形態において、容量性のセンサヘッド11は、読取装置1の走査方向に対して、連続した少なくとも2つの部分に設置される。したがって、これらのセンサヘッド11が生成する信号に基づいて、読取走査の速度の決定が可能である。これは、実施形態において、両方のセンサヘッド11が読取るコード2が同じ場合、両方のセンサヘッド11が形成する信号も非常に類似するが、これらの間には遅れが出ることに基づいている。この遅れは、連続するセンサヘッド11と走査速度との間隔によって決まる。連続するセンサヘッド11の間隔は一般的に知られており、この場合、走査速度は遅れに基づいて決定されることが可能である。遅れは、たとえば個別のコード要素が作るパルスの時間差によって、またはより長い信号のサンプルを取ることによって、および信号の相関関係が最大になる遅れを探知することによって、分析可能である。
【0090】
図8は、連続する2つのセンサヘッド11aおよび11bがコード要素上を走査する読取を示す。走査は瞬間速度vで行われ、かつ図中、尺度dはセンサヘッド11aと11bとの間隔を表している。したがって、センサヘッド11aおよび11bからの出力信号間の遅れは、d/vである。この方法で決めた速度に基づいて、前述した類似の方法において時間軸の調節が可能である。
【0091】
図9は、走査中に走査速度が著しく速くなる場合に上述のセンサヘッド11aおよび11bが形成する信号を示す。したがって、データの始点におけるセンサヘッド11aおよび11bからの出力信号間の遅れは、データの終点よりも大きい。
【0092】
さらに別の追加の実施形態において、左から右などの読取方向もまた知られている。たとえば±20度の方向のエラーは許容可能となるように、コードおよびその読取りを実施することも可能である。これは、追加の実施形態において、長さに対して充分な高さがあるコード2を印刷することで達成される。
【0093】
本願に係る使用環境において、読取られるコードは、繰り返しの配列として形成される。したがって、本発明の実施形態に係る読取装置1は、読取装置の走査が開始される場所に関係なく、1つのコード(すなわち、開始パターンから開始して終了パターンで終了するコード)を識別するように構成される。当該実施形態の例は、図10にフローチャートで示されている。当該実施形態では、制御ユニット14は、センサヘッド11が識別するコード要素のフローからコード全体を解読するように構成される。このコード要素のフローとは、すなわち制御ユニットがコードのメモリへのフローを読取るようなコードフローであって、ここから開始パターンに基づいてコードの始点を識別するとともに終了パターンに基づいてコードの終点を識別する。この後、これらの間でコードの内容を判断可能である。追加の実施形態において、コード2は、コードが読取られる方向に関係なく識別可能である。すなわち、たとえば終了パターンから開始パターンに向かってコード2を読取ることが可能である。当該実施形態の例は図11にフローチャートで示す。
【0094】
次に、図12は、読取装置1の別の実施形態をチャートで示す。この例に係る読取装置1は、センサヘッド11および制御ユニット14を含む。この操作は上述のとおりである。この実施形態では、この制御ユニット14は、データ処理ユニット15と接続され、とりわけコード2が含む制御データに応じて動作するように構成される。また、この例にはデータ転送ユニット16が示されており、これを介して、読取装置1が他の機器および/またはシステムと接続する。
【0095】
たとえば、読取装置1は、携帯機器、通信機器、電子手帳および/またはパームコンピュータに接続可能である。読取装置1が別個のユニットであって、適切なデータ転送技術によって、携帯機器、通信機器、電子手帳および/またはパームコンピュータなどの別の機器と接続されていることも可能である。追加の実施形態において、コード読取装置1は、タッチスクリーンのペンと同じ構造物に設置される。この場合、同じユニットでコードを読取って、機器を制御することが可能である。データは、たとえばIR(赤外線)またはBluetooth技術によって、読取装置1と他の機器との間で転送されることが可能である。
【0096】
他の何らかのシステムに接続する読取装置1を構成することによって、様々なサービスを提供し、かつ使用することも可能である。たとえば、図13および14は、コード読取装置1、通信機器3およびサーバ4を含む複数のシステム組立品を示す。図11に示す例では、別個のコード読取装置1は通信機器3とデータ転送接続されているが、図14に示すとおり、この機器は一体化も可能である。また、通信機器3はサーバ4と接続するように構成される。
【0097】
上述の本発明の様々な実施形態に関連して、開示される形態および構造を多様な方法で組合わせることによって、本発明の精神と一致する本発明の多様な実施形態の生成が可能である。したがって、上述の例は本発明を限定するものと解されてはならず、本発明の実施形態は、本発明の精神および/または性質の範囲内で自由に変化可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の追加の実施形態に係るコード読取装置を示す。
【図2】本発明の追加の実施形態に係るコード読取装置をブロック図で示す。
【図3】本発明の追加の実施形態に係るコード読取りをフローチャートで示す。
【図4】コード信号の例を示す。
【図5】コード信号の別の例を示す。
【図6】速度修正の例を示す。
【図7】コードの追加の実施形態を示す。
【図8】センサヘッドを2つ備えた追加の実施形態を示す。
【図9】図8に係る実施形態の信号を示す。
【図10】追加の実施形態に係るコード処理をフローチャートで示す。
【図11】別の追加の実施形態に係るコード処理をフローチャートで示す。
【図12】別の追加の実施形態に係るコード読取装置をフローチャートで示す。
【図13】本発明の実施形態を採用可能なシステムを示す。
【図14】本発明の実施形態を採用可能な別のシステムを示す。
【符号の説明】
【0099】
1 読取装置
2 コード
3 通信機器
4 サーバ
11a,11b センサヘッド
12 電極
13 電子計測機器
14 制御ユニット
15 データ処理ユニット
16 データ転送ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード読取方法であって、コードはコード要素を含み、コード要素の第1部分は実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、読取装置は容量方式でコードに結合し、その場合、読取装置によって形成される信号の信号レベルはコード要素の導電率に応じて変化し、修正因子を信号を修正する少なくとも1つのコード要素から決定することを特徴とするコード読取方法。
【請求項2】
信号は、信号を修正するための修正因子に基づいて調節されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
調節は、信号の時間領域で行われることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
調節は、コードの読取範囲において線形であることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
調節は、コードの読取範囲において変化することを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項6】
コードは信号を修正する複数のコード要素を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
修正は所定のコード要素の比較に基づくことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
所定のコード要素はコードの始点および終点に位置することを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記修正因子は、コードと分離した他のコードから受信されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
他のコードは、実際のコード上および/または実際のコード下に位置することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
読取装置は、実際のコードを読取りながら、同時に他のコードを読取るように構成されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記修正因子は、コードの読取速度の変化によって生じる信号の偏差を修正するように構成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
第2読取装置は、信号間の遅れから修正が行われるように前記コードを2回読取るよう構成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
コード要素の相互の大きさの相違は、信号レベルの継続時間に基づいて識別されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項15】
コード要素の相互の大きさの相違は、信号レベルの振幅に基づいて識別されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項16】
コードに対する読取装置の速度は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて決められることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項17】
コードの解明に使用される速度修正は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて決められることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項18】
コード要素の第1部分は、導電性インクから成ることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
インクは、読取装置によって生成される周波数の電磁場に関して、導電性を有するように構成されることを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
コードは、少なくとも2つのバーを含み、該バーはその導電率が同一であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
コードは、複数のバーを含み、該バーはその導電率値が相互に実質的に異なることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項22】
コードを読取るコード読取装置であって、コードがコード要素を含み、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、コード読取装置は、
容量方式でコードに結合し、
コード要素の導電性に応じて信号レベルが変化する信号を形成する
ように構成され、
信号を修正する修正因子を決定するように構成される部材をさらに含むことを特徴とするコード読取装置。
【請求項23】
部材は、少なくとも1つのコード要素から修正因子を決定するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項24】
修正因子に基づいて、部材は、信号を修正する信号を調節するように構成されることを特徴とする請求項23記載のコード読取装置。
【請求項25】
部材は、時間領域において信号を調節するように構成されることを特徴とする請求項24記載のコード読取装置。
【請求項26】
調節は、コードの読取範囲において線形であることを特徴とする請求項24記載のコード読取装置。
【請求項27】
調節は、コードの読取範囲において変化することを特徴とする請求項24記載のコード読取装置。
【請求項28】
部材は、複数のコード要素から修正因子を決定するように構成され、コードは信号を修正する複数のコード要素を含むことを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項29】
修正は、所定のコード要素の比較に基づくことを特徴とする請求項28記載のコード読取装置。
【請求項30】
所定のコード要素は、コードの始点および終点に位置することを特徴とする請求項29記載のコード読取装置。
【請求項31】
部材は、コードと分離した他のコードから前記修正因子を受信するように構成されることを特徴とする請求項23記載のコード読取装置。
【請求項32】
他のコードは、実際のコード上および/または実際のコード下に位置することを特徴とする請求項31記載のコード読取装置。
【請求項33】
読取装置は、実際のコードを読取ると同時に他のコードを読取るように構成されることを特徴とする請求項31記載のコード読取装置。
【請求項34】
前記修正因子は、コードの読取速度の変化によって生じる信号の偏差を修正するように構成されることを特徴とする請求項23記載のコード読取装置。
【請求項35】
第2読取装置は、部材が信号間の遅れから修正を行うように構成されるように、前記コードを2回読取るよう構成されることを特徴とする請求項23記載のコード読取装置。
【請求項36】
コード読取装置は、検出された信号のエッジに応じて、コード要素の相互の大きさの相違を判断するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項37】
コード読取装置は、信号レベルの振幅に応じて、コード要素の相互の大きさの相違を判断するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項38】
コード読取装置は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて、コードに対する読取装置の速度を決定するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項39】
コード読取装置は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて、コードの解明に使用される修正因子を決定するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項40】
センサヘッドは、2以上の電極を含むことを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項41】
2以上の電極は、コードの読取方向に対して連続するようにコード読取装置に設置されることを特徴とする請求項40記載のコード読取装置。
【請求項42】
コード読取装置は、携帯端末、通信装置、電子手帳、パーソナル・デジタル・アシスタントのうち少なくとも1つに接続されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項43】
コード要素の第1部分は、導電性インクから成ることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項44】
インクは、読取装置によって生成される周波数の電磁場に関して、導電性を有するように構成されることを特徴とする請求項43記載のコード読取装置。
【請求項45】
コードは、少なくとも2つのバーを含み、該バーはその導電率が同一であることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項46】
コードは、複数のバーを含み、その導電率値が相互に実質的に異なることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項47】
コードを読取るコード読取装置を含む携帯機器であって、コードがコード要素を含み、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、コード読取装置は、
容量方式でコードに結合し、
コード要素の導電性に応じて信号レベルが変化する信号を形成する
ように構成され、コード読取装置は、センサヘッドに接続される部材をさらに含み、該部材は信号を修正する修正因子を決定するように構成されることを特徴とする携帯機器。
【請求項48】
コードを決定する導電性インクであって、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、読取装置においてコード要素の導電率に応じて信号の信号レベルを変化させるために、インクによって決められるコードが容量方式で読取装置に結合するように構成され、信号を修正する修正因子は、インクで作成されたコード要素から決定可能であることを特徴とする導電性インク。
【請求項1】
コード読取方法であって、コードはコード要素を含み、コード要素の第1部分は実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、読取装置は容量方式でコードに結合し、その場合、読取装置によって形成される信号の信号レベルはコード要素の導電率に応じて変化し、修正因子を信号を修正する少なくとも1つのコード要素から決定することを特徴とするコード読取方法。
【請求項2】
信号は、信号を修正するための修正因子に基づいて調節されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
調節は、信号の時間領域で行われることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
調節は、コードの読取範囲において線形であることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
調節は、コードの読取範囲において変化することを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項6】
コードは信号を修正する複数のコード要素を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
修正は所定のコード要素の比較に基づくことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
所定のコード要素はコードの始点および終点に位置することを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記修正因子は、コードと分離した他のコードから受信されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
他のコードは、実際のコード上および/または実際のコード下に位置することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
読取装置は、実際のコードを読取りながら、同時に他のコードを読取るように構成されることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記修正因子は、コードの読取速度の変化によって生じる信号の偏差を修正するように構成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
第2読取装置は、信号間の遅れから修正が行われるように前記コードを2回読取るよう構成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
コード要素の相互の大きさの相違は、信号レベルの継続時間に基づいて識別されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項15】
コード要素の相互の大きさの相違は、信号レベルの振幅に基づいて識別されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項16】
コードに対する読取装置の速度は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて決められることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項17】
コードの解明に使用される速度修正は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて決められることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項18】
コード要素の第1部分は、導電性インクから成ることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
インクは、読取装置によって生成される周波数の電磁場に関して、導電性を有するように構成されることを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
コードは、少なくとも2つのバーを含み、該バーはその導電率が同一であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
コードは、複数のバーを含み、該バーはその導電率値が相互に実質的に異なることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項22】
コードを読取るコード読取装置であって、コードがコード要素を含み、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、コード読取装置は、
容量方式でコードに結合し、
コード要素の導電性に応じて信号レベルが変化する信号を形成する
ように構成され、
信号を修正する修正因子を決定するように構成される部材をさらに含むことを特徴とするコード読取装置。
【請求項23】
部材は、少なくとも1つのコード要素から修正因子を決定するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項24】
修正因子に基づいて、部材は、信号を修正する信号を調節するように構成されることを特徴とする請求項23記載のコード読取装置。
【請求項25】
部材は、時間領域において信号を調節するように構成されることを特徴とする請求項24記載のコード読取装置。
【請求項26】
調節は、コードの読取範囲において線形であることを特徴とする請求項24記載のコード読取装置。
【請求項27】
調節は、コードの読取範囲において変化することを特徴とする請求項24記載のコード読取装置。
【請求項28】
部材は、複数のコード要素から修正因子を決定するように構成され、コードは信号を修正する複数のコード要素を含むことを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項29】
修正は、所定のコード要素の比較に基づくことを特徴とする請求項28記載のコード読取装置。
【請求項30】
所定のコード要素は、コードの始点および終点に位置することを特徴とする請求項29記載のコード読取装置。
【請求項31】
部材は、コードと分離した他のコードから前記修正因子を受信するように構成されることを特徴とする請求項23記載のコード読取装置。
【請求項32】
他のコードは、実際のコード上および/または実際のコード下に位置することを特徴とする請求項31記載のコード読取装置。
【請求項33】
読取装置は、実際のコードを読取ると同時に他のコードを読取るように構成されることを特徴とする請求項31記載のコード読取装置。
【請求項34】
前記修正因子は、コードの読取速度の変化によって生じる信号の偏差を修正するように構成されることを特徴とする請求項23記載のコード読取装置。
【請求項35】
第2読取装置は、部材が信号間の遅れから修正を行うように構成されるように、前記コードを2回読取るよう構成されることを特徴とする請求項23記載のコード読取装置。
【請求項36】
コード読取装置は、検出された信号のエッジに応じて、コード要素の相互の大きさの相違を判断するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項37】
コード読取装置は、信号レベルの振幅に応じて、コード要素の相互の大きさの相違を判断するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項38】
コード読取装置は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて、コードに対する読取装置の速度を決定するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項39】
コード読取装置は、コード要素の相互の大きさの相違に基づいて、コードの解明に使用される修正因子を決定するように構成されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項40】
センサヘッドは、2以上の電極を含むことを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項41】
2以上の電極は、コードの読取方向に対して連続するようにコード読取装置に設置されることを特徴とする請求項40記載のコード読取装置。
【請求項42】
コード読取装置は、携帯端末、通信装置、電子手帳、パーソナル・デジタル・アシスタントのうち少なくとも1つに接続されることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項43】
コード要素の第1部分は、導電性インクから成ることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項44】
インクは、読取装置によって生成される周波数の電磁場に関して、導電性を有するように構成されることを特徴とする請求項43記載のコード読取装置。
【請求項45】
コードは、少なくとも2つのバーを含み、該バーはその導電率が同一であることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項46】
コードは、複数のバーを含み、その導電率値が相互に実質的に異なることを特徴とする請求項22記載のコード読取装置。
【請求項47】
コードを読取るコード読取装置を含む携帯機器であって、コードがコード要素を含み、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、コード読取装置は、
容量方式でコードに結合し、
コード要素の導電性に応じて信号レベルが変化する信号を形成する
ように構成され、コード読取装置は、センサヘッドに接続される部材をさらに含み、該部材は信号を修正する修正因子を決定するように構成されることを特徴とする携帯機器。
【請求項48】
コードを決定する導電性インクであって、コード要素の第1部分が実質的に導電性を有し、第2部分の導電率は第1部分の導電率と実質的に異なり、読取装置においてコード要素の導電率に応じて信号の信号レベルを変化させるために、インクによって決められるコードが容量方式で読取装置に結合するように構成され、信号を修正する修正因子は、インクで作成されたコード要素から決定可能であることを特徴とする導電性インク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−190246(P2006−190246A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267560(P2005−267560)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(505236562)
【氏名又は名称原語表記】Avantone Oy
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(505236562)
【氏名又は名称原語表記】Avantone Oy
【Fターム(参考)】
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