説明

コールセンタシステムにおける通話録音システム及び方法

【課題】コールセンタシステムの様々な運用形態に対応可能なコールセンタシステムにおける通話録音システム及び方法を提供する。
【解決手段】本システムにおいて、コンピュータテレフォニーインテグレーション(CTI)サーバ104は、第1の電話機109からの着信呼を音声自動応答(IVR)サーバ115の1つの内線に着信させ、IVRサーバ115から第2の電話機112へ着信呼を転送して、第1の電話機とIVRサーバの1つの内線と第2の電話機とが三者通話トランク(CFT)116へ接続される接続形態をつくるとともに、音声パケットに係る通話情報を作成して通話録音サーバ101へ通知し、通話録音サーバ101はこの通話情報とこれとは別に作成された録音情報との紐付け処理を行い、録音ファイルに係る録音ファイル付加情報を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールセンタシステムにおける通話録音システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通話録音方法は、IP(Internet Protocol)電話機を有するネットワークシステムにおいて、IP電話機の通話がネットワーク上に音声パケットとして流れており、この音声パケットを記録することで通話録音を実現している。
特許文献1には、IP電話を有するネットワークシステムにおける通話録音システムに関する技術が開示されている。このシステムは、従来各電話端末において個別に録音装置を備えていたところを、通話録音サーバが一括して録音する通話録音システムを提供するもので、IPネットワーク上の任意の電話機端末間の通話について録音要求が発生した場合、各電話機端末間の通話相手を通話録音サーバに切替える呼制御手段と、各電話機端末から通話録音サーバに送られた音声パケットを各電話機端末の元の通話相手に転送する手段と、各電話機端末から通話録音サーバに送られた音声パケット/データを記録装置に蓄積する記憶手段とを備え、各電話機端末間の通話を録音するものである。
【0003】
特許文献2では、IP電話機を有するネットワークシステムにおける通話録音システムであって、ネットワーク上を流れる情報の中から音声パケットを抽出する音声パケット抽出手段と、前記IP電話機の通話開始に応じて前記抽出した音声パケットの音声データへの変換処理を開始し、通話終了に応じて前記処理を終了して前記IP電話機の通話に係る録音データを作成する録音手段と、前記通話開始および通話終了に係る情報を通話ログとして記録し、前記録音データを録音ログとして前記通話ログに対応付けて記録する記録手段とを備えた通話録音システムである。前記記録手段は、前記IP電話機に係るIPアドレスと内線番号との対応テーブルを備えることができる。特許文献2は、通話ログ、録音ログ、記録手段によって、交換機の種類に依存しない通話録音が可能な通話システムを提供するものである。
【0004】
また、特許文献3は聴話録音が提案されている。聴話とは2台の電話機間の通話(二者通話)に参加して通話内容の受話のみを行う運用形態であり送話は出来ない。コールセンタにおいては、エンドユーザとオペレータの通話をスーパーバイザ(監督者)が聴話するときに主に使用される。特許文献3では、公衆回線網を介して公衆端末を収容した局線トランク、内線端末を収容した内線トランク、および無線通信内線端末を収容した無線通信内線トランク、並びに要求された聴話対象内線端末からの聴話データを、聴話録音部の要求されたアドレスに送信する聴話制御部を備えた構内交換装置と、前記構内交換装置の各トランクを介して行われる通話状態を監視し、予め設定された通話を検知したとき前記聴話制御部に前記通話内容の聴話を要求する聴話端末、および前記聴話制御部が聴話した聴話内容を録音する通話録音装置を備えた聴話録音部とを備え、前記構内交換装置に接続される端末の種類にかかわらず通話録音を可能にする、聴話録音装置を提供するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−046646号公報
【特許文献2】特開2008−098905号公報
【特許文献3】特開2009−159243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1においては、交換機からの呼制御情報に依存した録音開始・終了制御方式とされているため、交換機の種類を変更した場合には通話録音が出来ないという問題があった。
また、特許文献2は前記記録手段によって通話ログを作成するとき、IPアドレスと内線番号を使用するため、内線番号が連携しないトランクに接続される聴話においては通話録音が出来なくなる問題があった。通話が出来なくなる要因は、エンドユーザとオペレータが通話(二者通話)を行っているところへ、スーパーバイザが参加して聴話を行うと、三者通話の接続形態になるため、エンドユーザ、オペレータ、スーパーバイザが各々三者通話用トランクを介して接続する形態になる。このためエンドユーザの通話は、エンドユーザ電話機と三者通話トランク間の通話になり、オペレータ内線番号が介在しないため、前記録音ログの作成に必要な内線番号が連携しない問題がある。また、オペレータがコールセンタ外に位置し、オペレータ電話機へは局線を経由して接続するとき、前記オペレータ電話機には内線番号が存在しないため、内線番号が連携しない問題がある。
【0007】
さらに、特許文献3においても、聴話を実施するとき、構内交換機に聴話制御部を構成し、通話録音装置に聴話開始・聴話終了を指示するため、構内交換機と通話録音サーバ間にインタフェースが必要になる。構内交換機の種類を変更した場合には通話録音ができなくなる問題があった。
本発明の目的は、前記問題点を解決し、コールセンタシステムの様々な運用形態に対応可能なコールセンタシステムにおける通話録音システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため以下のようなコールセンタシステムにおける通話録音システム及び方法を提供する。
(1)コールセンタシステムにおける通話録音システムであって、
公衆網に接続された第1の電話機と公衆網に接続された第2の電話機との間の音声パケットを流す三者通話トランク(CFT)と、
前記CFTを介して通話可能とされる複数の電話内線を収容する音声自動応答(IVR)サーバと、
前記第1の電話機からの着信呼を前記IVRサーバの1つの内線に着信させ、前記IVRサーバから前記第2の電話機へ前記着信呼を転送して、前記第1の電話機と前記IVRサーバの1つの内線と前記第2の電話機とが前記CFTへ接続される接続形態をつくるコンピュータテレフォニーインテグレーション(CTI)サーバと、
前記音声パケットを抽出して作成された録音ファイルおよび前記録音ファイルに係る録音情報を蓄積する通話録音サーバとを備え、
前記CTIサーバは、前記音声パケットに係る通話情報を作成して前記通話録音サーバへ通知し、前記通話録音サーバは、前記通話情報と前記録音情報との紐付け処理を行い、前記録音ファイルに係る録音ファイル付加情報を生成することを特徴とする、通話録音システム。
(2)前記CFTを介して三者通話または聴話を可能とする第3の電話機を備えたことを特徴とする、上記(1)に記載の通話録音システム。
(3)前記音声パケットのみをフィルタリング機能で抽出するフィルタ(FLT)サーバと、前記抽出された音声パケットに係る前記録音ファイルおよび前記録音情報を作成するロガー(LGR)サーバとを備えたことを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の通話録音システム。
(4)前記第2の電話機が、前記公衆網に代えて、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)又は広域ネットワーク(WAN)を介して接続されることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の通話録音システム。
(5)前記CTIサーバが、発生した呼の呼情報を管理する呼情報処理部と、前記呼情報を記憶する記憶手段と、前記呼情報をもとに生成した通話情報を管理する通話情報管理部と、前記通話録音サーバに前記通話情報を通知するための通話録音サーバ接続処理部とを備えたことを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の通話録音システム。
(6)前記通話録音サーバが、前記CTIサーバから受け取った通話情報を管理する通話情報管理部と、前記通話情報と前記録音情報をもとに録音ファイル付加情報を生成する録音ファイル付加情報生成部とを備えたことを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の通話録音システム。
(7)コンピュータテレフォニーインテグレーション(CTI)サーバと通話録音サーバとを備えたコールセンタシステムにおける通話録音方法であって、
公衆網に接続された第1の電話機と公衆網に接続された第2の電話機との間の音声パケットを三者通話トランク(CFT)を介して流すようにし、
複数の電話内線を収容する音声自動応答(IVR)サーバを前記CFTを介して通話可能になるように設け、
前記CTIサーバは、前記第1の電話機からの着信呼を前記IVRサーバの1つの内線に着信させ、前記IVRサーバから前記第2の電話機へ前記着信呼を転送して、前記第1の電話機と前記IVRサーバの1つの内線と前記第2の電話機とが前記CFTへ接続される接続形態をつくるとともに、前記音声パケットに係る通話情報を作成して前記通話録音サーバへ通知し、
前記通話録音サーバは、前記音声パケットを抽出して作成された録音ファイルおよび前記録音ファイルに係る録音情報を蓄積し、前記通話情報と前記録音情報との紐付け処理を行い、前記録音ファイルに係る録音ファイル付加情報を生成することを特徴とする、通話録音方法。
(8)前記第2の電話機が、前記公衆網に代えて、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)又は広域ネットワーク(WAN)を介して接続されることを特徴とする、上記(7)に記載の通話録音方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コールセンタシステムの様々な運用形態に対応可能なコールセンタシステムにおける通話録音システム及び方法を得ることができる。すなわち本発明では、録音情報に内線番号が含まれない聴話や三者通話の接続形態であってもコールセンタシステムにおける通話録音システムを構築することができる。また、オペレータ電話機(端末)が非CTI連携であっても、さらには一般公衆網接続の電話機(端末)である在宅コールセンタ構成であっても、通話録音を可能とするコールセンタシステムにおける通話録音システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るコールセンタシステムにおける通話録音システムの一実施例を示す図である。
【図2】本発明に係るコールセンタシステムにおける通話録音システムの他の実施例を示す図である。
【図3】本発明における録音ファイルの蓄積方法の一例を示す図である。
【図4】本発明に係るコールセンタシステムにおける通話録音システムの他の実施例を示す図である。
【図5】(a)は、コールセンタシステムにおけるIVRサーバを含めない接続動作における構成例を示す図、(b)は聴話不可の接続動作における構成例を示す図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明に係る通話録音システムにおける音声パケットの流れの一例を示す図である。
【図7】本発明に係る通話録音システムを担うCTIサーバの構成例を示す図である。
【図8】本発明に係る通話録音システムを担う通話録音サーバの構成例を示す図である。
【図9】本発明に係る通話録音システムを担うCTIサーバ又は通話録音サーバの外線接続におけるテーブル構成の一例を示す図である。
【図10】本発明に係る通話録音システムを担うCTIサーバ又は通話録音サーバの内線接続におけるテーブル構成の一例を示す図である。
【図11】OP情報(外線接続)のフォーマットの一例を示す図である。
【図12】OP情報(内線接続)のフォーマットの一例を示す図である。
【図13】SPV情報(内線接続)のフォーマットの一例を示す図である。
【図14】IVR情報のフォーマットの一例を示す図である。
【図15】外線トランク情報(GW/TU)のフォーマットの一例を示す図である。
【図16】CFTトランク情報(TU)のフォーマットの一例を示す図である。
【図17】本発明に係る通話録音システムにおける通話情報作成の一例を示すフローチャートである。
【図18】「内線外線番号1」の設定における処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】「先呼情報」格納における処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】本発明に係る通話録音システムにおける録音情報と録音ファイル付加情報のフォーマットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、コンピュータテレフォニーインテグレーション(Computer Telephony Integration:CTI)サーバから通話録音サーバへ通話情報を提供することにより通話録音システムを構築するコールセンタシステムにおける通話録音システム及びその方法を提供するものである。
【0012】
コールセンタシステムは、公衆網に接続する回線を接続するゲートウェイ(Gateway:GW)もしくは公衆回線接続トランクを収容するテレフォニーユニット(Telephony Unit:TU)と、IP対応の回線交換機能を有するテレフォニーマネージャ(Telephony Manager:TM)装置と、三者通話・聴話用に使用する三者通話トランク(CFT)(TUに収容)と、CTI機能と自動着信呼分配(Automatic Call Distribution:ACD)機能および通話録音サーバ接続機能を有するCTIサーバと、音声自動応答機能を有する音声自動応答(Interactive Voice Response:IVR)サーバと、オペレータやスーパーバイザ(監督者)が使用する電話機(端末)と、オペレータやスーパーバイザが使用する電話機(端末)をPC画面から操作する電話連携機能やコールセンタ業務に使用する業務アプリケーション機能を有するクライアントPCと、業務アプリケーション制御・管理する機能を有するWebサーバを備えることができる。CTIサーバは、コールセンタの通話形態が音声パケットを使用した通話であって、エンドユーザとオペレータ電話機(端末)間の二者通話の他に、三者通話、聴話、CTI連携対象外オペレータ電話機(端末)を使用した通話形態を含めて、コールセンタのあらゆる通話形態を包含した通話情報生成機能を有する。
【0013】
通話録音システムは、通話録音ファイルの蓄積・管理・再生などの通録機能を有する通話録音サーバと、IPネットワーク上の音声パケット抽出機能を有するフィルタ(Filter:FLT)サーバと、FLTサーバ経由で音声パケットを受信して録音ファイルと録音情報を作成する機能を有するロガー(Logger:LGR)サーバを備えることができる。また、通話録音システムは、CTIの呼情報から通話情報を生成する通話情報生成手段と、ネットワークを流れる音声パケットを抽出してから録音ファイルを生成する録音ファイル生成手段と、録音ファイルの通話開始時刻と通話終了時刻とIPアドレスとポート番号およびIPに係る情報を録音情報として生成する録音情報生成手段と、前記録音情報と前記通話情報から録音ファイルの管理・再生に使用する録音ファイル付加情報を生成する録音ファイル付加情報生成手段とを備えることができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るコールセンタシステムにおける通話録音システムの一実施例を示す図である。本例では、在宅コールセンタシステムにおける通話録音方法を示す。本システムは、図示のように、通話録音サーバ101、LGRサーバ102、FLTサーバ103、CTIサーバ104、TM装置105、GW又はTU106、GW107、公衆網108、コールセンタへ発信したエンドユーザ電話機(端末)109、公衆網110、回線終端装置(NCU)111、コールセンタのオペレータ電話機(端末)112、オペレータ用クライアントPC113、クライアントPCの画面に表示するWebアプリケーション画面を制御するWebサーバ114、複数の電話内線を収容するIVRサーバ115、三者通話や聴話用トランクのCFT116、スーパーバイザ(監督者)用電話機(端末)117などを備える。
【0015】
なお、NCU111、端末112、PC113は複数オペレータ人数分機器が存在する。本構成では、電話機112は公衆網に接続する電話機であることから、CTIサーバ104が電話機状態として管理出来ない電話機(CTI連携対象外)となっているコールセンタ構成となる。本構成のなかで、GW又はTU106とは、GWがIP網と接続する場合に使用する装置を示し、TUがISDN公衆網と接続する場合に使用する装置を示す。
【0016】
本例において、エンドユーザ109から電話を掛けると、公衆網108を経由してGW又はTU106へ着信する。この着信がTM装置105へ通知され、TMはTM内部の仮想デバイスキューへ一旦着信呼をキューイングし、CTIサーバ104へ着信呼キューイングイベントをCTI接続情報として通知する。
【0017】
CTIサーバ104は、予めオペレータ電話機112の空き塞がり状態を管理しており、前記の着信呼キューイングイベントが通知されたとき、空オペレータ且つ待ち合わせ優先順が高いオペレータを決定して該当オペレータの電話機112へACD着信(自動呼分配機能による着信)を指示しキューイング呼の転送処理を実施する。ただし、単に電話機へ着信させた場合、電話機112はCTI連携対象外であることから、スーパーバイザ電話機117から聴話が出来なくなり、コールセンタ業務として必要な管理者によるオペレータ管理が出来なくなる。
【0018】
これを回避するため、CTIサーバ104は、オペレータ電話機112へACD着信を実施する前に、一旦前記仮想デバイスキューにキューイング中の着信呼をIVRサーバ115の1つの内線へACD着信させて、IVRサーバ115が応答後、この呼をオペレータ電話機112へ転送発信して、電話機112が応答したところで、三者通話に持ち込む。このときの呼接続は、エンドユーザ電話機109と、IVRサーバ115の1つの内線と、オペレータ電話機112が、CFT116へ接続される、三者通話の接続形態になる。また、この三者通話状態では、音声パケットは、図中の点線矢印で示すように、GW又はTU106とCFT116、IVRサーバ115とCFT116、GW107とCFT116の3つの経路で、各々送話・受話の両方向の音声パケット通信を行う(点線矢印1本は、送話・受話の2つの音声パケット通信を示す)。ただしIVRサーバ115とCFT116間はIVRサーバからCFTへの送話は無音の音声パケットが流れており、実質的には、エンドユーザ電話機109とオペレータ電話機112の二者間の通話となる。これらの音声パケットを、通話録音ファイルに蓄積する方法(図3)は後述する。
【0019】
本実施例のようなオペレータ電話機がCTI連携していないシステム構成においては、CTI連携しているIVRサーバを含めた三者通話の接続形態にすることによって、三者通話の呼はCTI制御が可能になり、三者通話や聴話が可能なコールセンタシステムを構築する事が可能になる。このときの通話録音システムは、GW又はTU106とCFT116間の音声パケットまたはGW107とCFT116間の音声パケットのどちらか一方を必ず含めて(この2つの音声パケットには、エンドユーザとオペレータの二者通話が流れている)、音声パケットを1つまたは3つ(本実施例では)を通話録音するシステム構成にする必要がある。ここで、音声パケットを全て残さない理由は、録音内容が重複しないように限定して、効率良く録音ファイルを保存するためである。録音ファイルはエンドユーザ側(GWまたはTU108の音声パケット側)、またはオペレータ側(GW107の音声パケット側)のどちらか一方を運用に合わせて蓄積するようにする。運用に合わせて蓄積するとは、オペレータ内線側を蓄積する場合はオペレータ内線数分の録音ルート(IPアドレスとポート番号)の設定が必要となり、且つオペレータ通話を主体とした録音ファイルが生成される。また、エンドユーザ側を蓄積する場合は局線数分の録音ルート(IPアドレスとポート番号)の設定が必要となり、且つ局線通話を主体とした録音ファイルが生成される特徴がある。設定数及び主体となる録音ファイルから蓄積位置を決めるものとする。
【0020】
CTIサーバは、前記の三者通話接続形態を全て管理していることから、前記複数の音声パケットにリンクする各々の通話情報を作成して通話録音サーバ101へ通知する事が可能になる。これによって、通話録音システムのみでは生成できない情報、例えばオペレータ番号情報を、通話録音サーバ101は通話情報から補完することが可能になり、通話録音システムが実現可能になる。
【0021】
また、クライアントPC113は、Webサーバ114と連携してWebアプリケーション画面を表示する。本実施例のシステム構成は、オペレータ電話機112がCTI連携対象外であることから、オペレータが電話機112を応答・切断の操作をしたとき、クライアントPC113も同時にオペレータが操作をしてWebサーバ114を通じてCTIサーバ104へオペレータ電話機状態を通知して、CTI連携に代わってオペレータ電話機連携を実現する。
【0022】
例えば、Web画面に着信を表示したとき、オペレータがWeb画面から応答を操作し且つ電話機112を応答する。これを契機にCTIサーバ104は電話機112の状態を通話中に管理し、オペレータ状態も通話中と管理する。オペレータが電話機112を切断し且つWeb画面から切断を操作する。これを契機にCTIサーバ104は電話機112の状態をアイドル中に管理し、オペレータ状態をアフターワーク中と管理する。オペレータは電話機切断に引き続き、着信業務内容をWeb画面へ登録し登録が完了すると、アフターワーク解除をWeb画面から操作する。これを契機にCTIサーバ104は電話機112の状態はアイドル中のままとし、オペレータ状態を着信待ち中と管理する。
前記の通話録音方法により、オペレータ電話機がCTI連携対象外の在宅コールセンタシステムにおいても、CTIサーバがオペレータ電話機状態を管理することができ、さらにCTIサーバが通話情報を生成する事によって、通話録音システムを構築することができる。
【0023】
図2は、本発明に係るコールセンタシステムにおける通話録音システムの他の実施例を示す図である。前記図1の実施例では、エンドユーザ電話機109、オペレータ電話機112、IVRサーバ115がCFT116へ接続する三者通話状態について説明したが、本例では、通話に対してスーパーバイザ電話機117をCFT116へ追加接続をして、聴話を行う実施例について説明をする。
【0024】
ここで聴話とは、エンドユーザ電話機109とオペレータ電話機112が通話している内容を聞く行為であり、話すことはしない電話接続方法をいう。聴話の場合、CFT116からスーパーバイザ電話機117へ音声パケットは流れるが、電話機117からCFT116へは音声パケットは流れない動作となる。
例えば、本図の聴話では、電話機117(または電話機117とCTI連携するPC118)がCTIサーバ104に対して聴話要求をすることによって、CTIサーバがTM105へ聴話の追加接続を指示して、電話機117がCFT116に追加接続することができ、聴話が実現できる。このとき、CFT116、電話機117、GW又はTU106、GW107、IVRサーバ115は、図中の点線矢印で示すように音声パケットの4つの経路を構成する。
【0025】
本図のシステム構成は、スーバーバイザ電話機1台が聴話を実施する例を示したが、複数台の電話機から順次聴話をすることも可能である。このときも同様に、所望の電話機をCFT116に追加接続する事によって、多者聴話を構成することができる。なお、CFTは最大8者の接続が可能である。これを超えて接続するときには、CFTを複数トランク使用して実現する。
【0026】
図3は、本発明における録音ファイルの蓄積方法の一例を示す図である。これは、先の音声パケットを録音ファイルとして通話録音サーバ101に蓄積する方法を示すものである。図3において、図2に示したスーパーバイザ電話機117が聴話をしている接続において、音声パケットは図中の点線矢印で示すように流れている。これらの音声パケットはFLTサーバ103へ入力301されるように、ネットワークを設定する。FLTサーバ103は音声パケットのみをフィルタリング機能で抽出し、フィルタリングした音声パケットを矢印302で示すようにLGRサーバ102へ通知する。LGRサーバ102はFLTサーバ103から送られた音声パケットに係る録音ファイルとその録音ファイルに係る録音情報を作成して、矢印303で示すように通話録音サーバ101へ登録する。通話録音サーバ101は、この録音ファイルと録音情報304(図20)を管理する。
【0027】
図4は、本発明に係るコールセンタシステムにおける通話録音システムの他の実施例を示す図である。本例では、オペレータ電話機が内線電話機として扱われる例を示すものである。図示のように、オペレータ電話機404が、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)又は広域ネットワーク(WAN)402によって、ネットワークが延長した構成で接続されたとき、オペレータ電話機404はTM105配下の内線電話機となり、クライアントPC405もコールセンタのネットワークに接続される構成になる。この構成はオペレータ側が在宅の接続形態のときも可能であり、CTIサーバ104やTM105の装置類がデータセンタに設置され、オペレータ電話機とPCがコールセンタ拠点に設置される構成のときに多く採用される。本図の構成例は、VPN又はWAN402へは、レイヤー3スイッチ(L3SW)401、403を使用して接続する。
【0028】
本構成では、スーパーバイザが聴話をする目的で、IVRサーバを含めた三者通話構成にする必要はないため、音声パケットは点線矢印で示すように、GW又はTU106と、オペレータ電話機404の間で流れるコールセンタシステムの構成となる。本通話録音システムでは、前記音声パケットをFLTサーバ103がフィルタリング機能で抽出し、LGRサーバ102を経由して、通話録音サーバ101において録音ファイルと録音情報を蓄積し管理する。
【0029】
図5(a)は、コールセンタシステムにおけるIVRサーバを含めない接続動作における構成例を示す図、(b)は聴話不可の接続動作における構成例を示す図である。
まず、図5(a)にて接続動作時における説明をする。前記図1・図2において、IVRサーバも含めた三者通話接続を説明したが、本図はIVRサーバを含めないときの接続動作を示している。図示のように、エンドユーザ電話機109とオペレータ電話機112が通話しているとき、音声パケットは点線矢印で示すように、GW又はTU106と、GW107の間で流れる。この音声パケットをFLTサーバ103がフィルタリング機能で抽出し、LGRサーバ102を経由して、通話録音サーバ101において録音ファイルと録音情報が蓄積され管理される。
【0030】
次に図5(b)にて聴話不可の接続動作時における説明をする。図示のように、エンドユーザ電話機109とオペレータ電話機112が通話しているとき、音声パケットは点線矢印で示すように、GW又はTU106と、GW107の間で流れる。ただし、この音声パケットはCTI連携していない電話機間で流れているため、スーパーバイザ電話機117は聴話を行う呼をCTIによって指定することが出来ない。このため、通話録音の動作は可能であるが、聴話が実施出来ない。このような理由から本例はコールセンタシステム運用には不適となる。
【0031】
図6(a)〜(c)は、本発明に係る通話録音システムにおける音声パケットの流れの一例を示す図である。前述したように、エンドユーザ接続側のGW又はTU106と、オペレータ接続側のGW107の接続について説明をする。
図6(a)は、エンドユーザがIVRサーバ115と接続し、IVRサーバ115からオペレータ側へ転送発信した時点の接続を示しており、音声パケット601と602が生成接続される。これらがFLTサーバ103の入力603となる。
図6(b)は、オペレータ側が応答後に三者通話になり、エンドユーザとオペレータが通話を開始した時点の接続を示しており、音声パケット610、611と612が生成接続される。これらがFLTサーバ103の入力614となる。
図6(c)は、エンドユーザとオペレータの通話に、スーパーバイザ電話機117が聴話した時点の接続を示しており、音性パケット610、611、612が接続されているところへ、音性パケット613が生成接続される。これらがFLTサーバ103の入力615となる。但し、システム構成やFLTサーバ設置位置によっては、FLTサーバ103へ全ての音声パケットが入力されないときがあり、又、音声パケットの種類が多くなるときがあることから、効率良い録音ファイル採取を考慮すると、最低限、エンドユーザが接続する音声パケット601、610をFLTサーバ103へ入力する通話録音システム構成とするか、又は、オペレータ電話機・スーパーバイザ電話機が接続する音声パケット602、612、613をFLTサーバ103へ入力する通話録音システム構成を実現する必要がある。
【0032】
図7は、本発明に係る通話録音システムを担うCTIサーバの構成例を示す図である。CTIサーバ70は、CTI接続制御部71、ACD制御部72、IVR接続制御部73、クライアント接続制御部74、および通録接続制御部75を備える。以下、CTIサーバ装置70の構成と機能について説明をする。
CTI接続制御部71は、TM装置間のCTIインタフェース通信をする部分で、CTI接続処理部712がTM間とCTIインタフェース通信を実現し、CTI呼情報処理部713がCTIインタフェース通信を使用したオペレータ内線呼制御、及びIVR内線呼制御を実現し、CTIインタフェースの入出力に使用する呼情報716について記憶手段76を駆使し管理する。CTI制御部711は、エンドユーザ電話機(端末)とオペレータ内線・外線電話機(端末)とIVRサーバ内線を接続する。デバイス管理部714は、内線電話機(端末)とIVRサーバ内線を管理する。トランク管理部715は、外線トランクとCFTトランクを管理する。
【0033】
ACD制御部72は、空OP(オペレータ)内線管理部721、空IVR内線管理部722、ACD処理部723によるオペレータ内線、又はオペレータ外線への着信・応答・切断指示、IVR処理部724によるIVR内線の着信・応答・切断指示を実現する。又、ACD制御部72は、内線状態情報725、OP(オペレータ)情報726、SPV(スーパーバイザ)情報727、IVR内線情報728、オペレータ接続の外部トランク情報729、CFTトランク情報730について記憶手段76を駆使し管理する。
【0034】
IVR接続制御部73は、IVRサーバ間のインタフェース通信をする部分で、IVRサーバ接続処理部731によって通信をしている。
クライアント接続制御部74は、クライアントPCがCTI連携していないときは、Webサーバ装置へ接続通信し、クライアントPCがCTI連携しているときは、直接、クライアントPCと通信することでオペレータ接続処理部741を実現している。
通録接続制御部75は、通話録音サーバ間のインタフェース通信をする部分で、通話録音サーバ接続処理部751にて通信することで、通話情報管理部752によってCTIサーバ70が生成した通話情報753について記憶手段76を駆使し管理する。
CTIサーバ70は、CTI制御を駆使しコールセンタシステムの中枢装置として制御・管理を実現するとともに、CTIから得た呼情報を駆使し通話情報753を生成して、これを通話録音サーバへ通知することによって、通話録音システムおよびその方法を実現する。
【0035】
図8は、本発明に係る通話録音システムを担う通話録音サーバの構成例を示す図である。通話録音サーバ装置80は、LGR接続制御部81、CTI接続制御部82、録音ファイル管理部83、および再生制御部84を備える。以下、通話録音サーバ80の構成と機能について説明をする。
LGR接続制御部81は、LGRサーバ間のインタフェース通信を行うLGR接続処理部811、LGRが作成した録音ファイルパスを受信し録音ファイルを受け取る録音ファイル管理部812、録音ファイル一時蓄積814、及び録音ファイルと対でLGRサーバが生成した録音情報815を受け取る録音情報管理部813を備える。
【0036】
CTI接続制御部82は、CTIサーバ装置間のインタフェース通信を行うCTIサーバ接続制御処理部821、CTIサーバから受け取った通話情報823を管理する通話情報管理部822を備える。
録音ファイル管理部83は、複数の録音ファイルを蓄積管理する録音ファイル蓄積管理部831と、CTIサーバから受け取った通話情報823と、LGRサーバから受け取った録音情報815をもとに、録音ファイル付加情報836を生成する。
録音ファイル付加情報生成部832と、これを管理する録音ファイル付加情報管理部833と、録音ファイル蓄積835を定期的に他媒体にバックアップする録音ファイルバックアップ部834を備える。
【0037】
再生制御部84は、クライアントPCからの再生依頼、又は通話録音サーバが管理する録音ファイル再生用Web画面からの依頼によって、録音ファイル再生を録音ファイル再生制御部842にて実施し、クライアントインタフェース接続処理部843と、再生用Web画面処理844と、録音ファイル付加情報検索部841と、録音ファイル再生制御部842とを備えるものである。
【0038】
図9は、本発明に係る通話録音システムを担うCTIサーバ又は通話録音サーバの外線接続におけるテーブル構成の一例を示す図である。図9(a)外線接続において、(1)は通話情報、(2)は接続形態を示す。(1)通話情報(外線接続)は、CTIサーバ(図7)が生成する通話情報を示している。本図のテーブルの情報要素は、接続開始時刻、接続終了時刻、呼ID、IPアドレス1、ポート1、内線外線番号1、IPアドレス2、ポート2、内線外線番号2、発番号、着番号、エージェントIDを有する。
【0039】
本図のテーブルにおいて、610内容とは、GW又はTU106とCFT116間の音声パケットに付加する情報を示し、同様に、611内容はIVRサーバ115とCFT116間、612内容はGW107とCFT116間、613内容はスーパーバイザ電話機117とCFT116間の音声パケットに付加する情報をそれぞれ示す。
【0040】
接続開始時刻、接続終了時刻は、音声パケットが流れ呼が接続したことを、CTIインタフェースから通知されたタイミングでタイムスタンプした情報を示す。呼IDは、CTIサーバが呼を管理するときのID情報であり、610、611、612および613の関連する呼は同一呼IDとして管理された番号を示す。IPアドレス1とポート1は、元呼(転送元の呼でありCFTが接続していない方の呼)が音声パケット通信をしたときのIP情報を示す。内線外線番号1は、元呼の番号情報(内線番号または、オペレータ電話機が外線電話機の場合は外線番号)を示す。IPアドレス2とポート2は、元呼相手が音声パケット通信をしたときのIP情報を示す。内線外線番号2は、元呼相手先の番号情報を示す。発番号は、エンドユーザ電話機901が発信し、公衆網からGW又はTU106に着信したときの、公衆網から通知された発番号(発信者番号)を示す。着番号は、エンドユーザ電話機が公衆網を経由してGW又はTU106に着信をしたときに公衆網から通知された番号を示している。エージェントIDは、オペレータまたはスーパーバイザのIDを示す情報である。
【0041】
本図のテーブルに示した通話情報値は、音声パケット610、611、612と613が接続したときの各々の一例であり、図中で網掛けに示した部分が、CTIサーバが呼制御から求めた情報をもとに、音声パケット610、611、612と613を1つの呼と判断しながら生成した値である。
【0042】
610内容のIPアドレス1、ポート1は、GW又はTU106のIPアドレスとポート番号を、CTIインタフェースから通知されるトランク情報を使用し、図15の外線トランク情報(GW/TU)を参照して、IPアドレスとポート番号を求め設定する。
611内容のIPアドレス1、ポート1は、CTIインタフェースから通知されるIVR内線情報とIVRサーバ装置から通知される内線チャネル情報を使用し、図14のIVR情報を参照して、IPアドレスとポート番号を求め設定する。
612内容のIPアドレス1、ポート1は、GW107のIPアドレスとポート番号を、CTIインタフェースから通知されるトランク情報を使用し、図15の外線トランク情報(GW/TU)を参照して、IPアドレスとポート番号を求め設定する。
【0043】
613内容のIPアドレス1、ポート1は、CTIインタフェースから通知されるスーパーバイザ内線番号を使用し、図13のSPV情報(内線接続)を参照して、IPアドレスとポート番号を求め設定する。
610内容のIPアドレス2、ポート2は、CTIインタフェースから通知される三者通話・聴話の接続形態の情報を使用し、“CFT”を設定する。611内容、612内容と613内容においても同様に、“CFT”を設定する。
尚、CFTのIPアドレスとポート番号は図16のCFTトランク情報(TU)に示す情報となるが、CTIインタフェースからはIP情報が通知されないため“CFT”を設定する。通話録音サーバが図16の情報を管理することによって、録音ファイル付加情報836のCFTトランク部分のIPアドレス2とポート番号2を設定する。
【0044】
発番号、着番号は、610内容、611内容、612内容と613内容の全てに、CTIインタフェースから通知される発番号と着番号を各々求めて設定する。エージェントIDも、610内容、611内容、612内容と613内容の全てに、オペレータ外線電話機902に対応する外線情報から、図11のOP情報(外線接続)を参照して、エージェントIDを求めて設定する。
【0045】
図10は、本発明に係る通話録音システムを担うCTIサーバ又は通話録音サーバの内線接続におけるテーブル構成の一例を示す図である。図10(b)内線接続において、(1)は通話情報、(2)は接続形態1、(3)は接続形態2を示す。(1)通話情報(内線接続)は、CTIサーバ装置(図7)が生成する通話情報を示している。本図のテーブルも図9の通話情報と同じく、情報要素は、接続開始時刻、接続終了時刻、呼ID、IPアドレス1、ポート1、内線外線番号1、IPアドレス2、ポート2、内線外線番号2、発番号、着番号、エージェントIDを有する。
【0046】
本図の通話情報(内線接続)の場合も、図9の通話情報の場合と同様に、CTIインタフェースから通知された情報を使用して設定される。例えば、620内容は、オペレータ内線電話機903が接続されるため、IPアドレス2、ポート2は、CTIインタフェースから通知される内線番号を使用し、図12のOP情報(内線接続)を参照して、設定する。内線外線番号2は、CTIインタフェースから通知される内線番号を参照し、設定する。
【0047】
図17は、本発明に係る通話録音システムにおける通話情報作成の一例を示すフローチャートである。以下、通話情報における作成処理について説明をする。
初めにステップS1701にて、CTIインタフェースから呼情報の接続開始・接続終了が通知されたタイミングで「接続開始時刻」「接続終了時刻」をタイムスタンプして設定する。先のステップS1701にて当該の呼における接続開始時刻と終了時刻が取得され、次にステップS1702にて、当該呼について、CTI呼情報により「呼ID」を取得する。先のステップS1702にて当該呼の呼IDが取得された後に、ステップS1703にて、内線番号でありCTI呼情報より元呼について内線と判定した場合は、内線番号よりOP情報(図12)SPV情報(図13)、IVR情報(図14)を参照し、「IPアドレス1」と「ポート1」を設定するステップS1704へ遷移し、他方、外線番号でありCTI呼情報より元呼について外線と判定した場合は、トランク番号・回路番号により、外線トランク番号を参照して「IPアドレス1」と「ポート1」を設定するステップS1705への遷移を選択する。
【0048】
内線番号でありCTI呼情報より元呼について内線と判定された場合、ステップS1704にて、内線番号よりOP情報(図12)SPV情報(図13)IVR情報(図14)を参照し、「IPアドレス1」と「ポート1」を設定する。他方、外線番号でありCTI呼情報より元呼について外線と判定された場合、ステップS1705にて、トランク番号・回路番号により、外線トランク番号(図15)を参照して「IPアドレス1」と「ポート1」を設定する。
【0049】
先のステップS1704にて内線番号よりOP情報(図12)SPV情報(図13)IVR情報(図14)を参照し、「IPアドレス1」と「ポート1」を設定後、又は先のステップS1705にて外線トランク番号を参照して「IPアドレス1」と「ポート1」を設定後、ステップS1706にて、「内線外線番号1」格納処理のルーチン(図18)をコールして「内線外線番号1」の設定を実施する。
【0050】
先のステップS1706にて「内線外線番号1」格納処理のルーチン実施後において、ステップS1707にて、先呼情報格納処理のルーチン(図19)をコールして「IPアドレス2」と「ポート番号2」と「内線外線番号2」の設定を実施する。先のステップS1707にて先呼情報格納処理のルーチン実施後において、ステップS1708にて、元呼のCTI呼情報により「発番号」を設定する。
先のステップS1708にて元呼のCTI呼情報により「発番号」を設定後において、ステップS1709にて、元呼のCTI呼情報により「着番号」を設定する。
【0051】
先のステップS1709にて元呼のCTI呼情報により「着番号」を設定後において、ステップS1710にて、「エージェントID」を設定する。「エージェントID」は、オペレータとスーパーバイザがCTI連携するときに使用するIDで、OP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)を参照して、オペレータまたはスーパーバイザのエージェントIDを設定する。
【0052】
図18は、「内線外線番号1」の設定における処理の一例を示すフローチャートである。これは図17のフローチャートの「内線外線番号1」を設定するステップ(S1706)からコールされ実行するフローチャートである。「内線外線番号1」とは、「IPアドレス1」、「ポート1」が接続するコールセンタシステムが管理する電話機(端末)の番号であり、オペレータ内線番号やスーパーバイザ内線番号やIVR内線番号、若しくはオペレータ外線番号が設定される。この「内線外線番号1」にはエンドユーザ電話機(端末)の発番号は含まない。
【0053】
初めにステップS1801にて、元呼の接続先として、IVR内線、若しくはそれ以外からの接続であるかを判定する。ステップS1801では、CTI呼情報より元呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してIVR内線と判定した場合は、「内線外線番号1」に呼情報を参照して内線番号を付与して設定するステップS1802へ遷移し、CTI呼情報より元呼について前記判定でIVR内線以外と判定した場合は、OP内線、若しくはそれ以外からの接続であるかを判定するステップS1803への遷移を選択する。
【0054】
先のステップS1801にて、CTI呼情報より元呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してIVR内線と判定した場合、ステップS1802にて、「内線外線番号1」に呼情報を参照してIVR情報(図14)からIVR内線番号を付与して設定するステップ。本処理終了にて「内線外線番号1」処理を完了する。
先のステップS1801にて、CTI呼情報より元呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してIVR内線以外と判定した場合、ステップS1803にて、OP内線、若しくは他からの接続であるかを判定する。ステップS1803では、CTI呼情報より元呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP内線と判定した場合は、「内線外線番号1」にOP情報を参照して内線番号を付与して設定するステップS1804への遷移し、他方、CTI呼情報より元呼について前記判定でOP内線以外と判定した場合は、OP外線、若しくはそれ以外からの接続であるか判定するステップS1805への遷移を選択する。
【0055】
先のステップS1803にてCTI呼情報より元呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP内線と判定した場合、ステップS1804にて、「内線外線番号1」に呼情報よりOP情報(内線接続)(図12)を参照してOP内線番号を付与して設定するステップ。本処理終了にて「内線外線番号1」処理を完了する。
【0056】
先のステップS1803にてCTI呼情報より元呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP内線以外と判定した場合、ステップS1805にて、OP外線、若しくはこれ以外からの接続であるかを判定する。ステップS1805では、CTI呼情報より元呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP外線と判定した場合は、「内線外線番号1」にOP情報を参照して外線番号を付与して設定するステップS1806への遷移し、他方、CTI呼情報より元呼について前記判定でOP外線以外と判定した場合は、「内線外線番号1」に情報を格納せずに「内線外線番号1」処理を完了するステップS1807への遷移を選択する。
【0057】
先のステップS1805にてCTI呼情報より元呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP外線と判定した場合、ステップS1806にて、「内線外線番号1」にOP情報を参照して外線番号を付与して設定するステップ。本処理終了にて「内線外線番号1」の処理を完了する。
先のステップS1805にてCTI呼情報より元呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP外線以外と判定した場合、ステップS1807にて、「内線外線番号1」に情報を設定せずに「内線外線番号1」処理を完了する。
以上により、CTIサーバが管理する呼情報と、OP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)から、「IPアドレス1」「ポート1」が接続するコールセンタシステムの電話機(端末)のオペレータ内線番号やスーパーバイザ内線番号やIVR内線番号、若しくはオペレータ外線番号を求めることによって、良好に「内線外線番号1」が設定できる。
【0058】
図19は、「先呼情報」格納における処理の一例を示すフローチャートである。これは図17のフローチャートの「先呼情報」を設定するステップS1707からコールされ実行するフローチャートである。このフローチャートでは、「IPアドレス2」「ポート2」「内線外線番号2」を設定する。この中の「内線外線番号2」とは、「IPアドレス2」「ポート2」が接続するコールセンタシステムが管理する電話機(端末)若しくはCFTが示す番号であり、電話機(端末)のときには、オペレータ内線番号やスーパーバイザ内線番号やIVR内線番号、若しくはオペレータ外線番号が設定され、CFTのときにはオペレータ内線番号、オペレータ外線番号、若しくはスーパーバイザ内線番号が設定される。
【0059】
初めにステップS1901にて、CTI呼情報より先呼を判定する。ステップS1901では、CTI呼情報により呼の接続形態が三者通話、若しくは聴話と判定した場合は、「IPアドレス2」と「ポート2」にCFTを設定するステップS1902へ遷移し、CTI呼情報により呼の接続形態が三者通話、若しくは聴話以外と判定した場合は、CTI呼情報より先呼を再度判定するステップS1904への遷移を選択する。
【0060】
先のステップS1901にてCTI呼情報により呼の接続形態が三者通話、若しくは聴話と判定した場合、ステップS1902にて、「IPアドレス2」と「ポート2」にCFTを設定する。先のステップS1902にて「IPアドレス2」と「ポート2」にCFTを設定したことに引き続き、ステップS1903にて「内線外線番号2」を設定する。ステップS1903では、「内線外線番号2」は、CTI呼情報が管理する呼が三者通話若しくは聴話に接続する以前に、最初にACD着信してエンドユーザと二者通話をした、オペレータ若しくはスーパーバイザの電話番号を、OP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)の外線番号若しくは内線番号を参照して設定する。本処理終了にて「先呼情報」の処理を完了する。
【0061】
先のステップS1901にてCTI呼情報により呼の接続形態が三者通話、若しくは聴話以外と判定した場合、ステップS1904にて、CTI呼情報より先呼がOP内線若しくはそれ以外の接続であるかを判定する。ステップS1904では、CTI呼情報より先呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP内線と判定した場合は、「IPアドレス2」と「ポート2」にOP情報(内線)に係るIP情報を設定するステップS1905へ遷移し、CTI呼情報より先呼について前記判定でOP内線以外と判定した場合は、OP外線若しくはこれ以外の接続であるか判定するステップS1907への遷移を選択する。
尚、OP内線とは、ACD着信呼が最初に着信した電話機(端末)を示しており、通常はオペレータ内線が該当するが、スーパーバイザがACD着信の対象としてログインしていたときには、スーパーバイザ内線も含まれる。前記判定に用いたOP内線とは、OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)から該当するのか判定することを示す。
【0062】
先のステップS1904にてCTI呼情報より先呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP内線と判定した場合、ステップS1905にて、「IPアドレス2」と「ポート2」にOP情報(内線)に係るIPアドレスとポート番号を設定する。こちらも前記ステップS1904の判定に用いたOP内線と同じく、OP内線にはSPV内線も含まれることがあり、該当するOP内線若しくはSPV内線のIPアドレスとポート番号を設定するものとする。
【0063】
先のステップS1905にて「IPアドレス2」と「ポート2」にOP情報(内線)に係るIPアドレスとポート番号を設定したことに引き続き、ステップS1906にて、「内線外線番号2」に、前記ステップS1904で判定した、OP内線若しくはSPV内線の番号情報を設定する。本処理終了にて「先呼情報」の処理を完了する。
先のステップS1904にてCTI呼情報より先呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP内線以外と判定した場合、ステップS1907にて、CTI呼情報より先呼がOP外線若しくはそれ以外の接続であるかを判定する。ステップS1907では、CTI呼情報より先呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP外線と判定した場合は、「IPアドレス2」と「ポート2」にOP情報(外線)に係るIP情報を設定するステップS1908へ遷移し、CTI呼情報より先呼について前記判定でOP外線以外と判定した場合は、IVR内線若しくはこれ以外の接続であるかを判定するステップS1910への遷移を選択する。
【0064】
先のステップS1907にてCTI呼情報より先呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP外線と判定した場合、ステップS1908にて、「IPアドレス2」と「ポート2」にOP情報(外線)に係るIPアドレスとポート番号を設定する。先のステップS1908にて「IPアドレス2」と「ポート2」にOP情報(外線)に係るIPアドレスとポート番号を設定したことに引き続き、ステップS1909では、「内線外線番号2」に、前記ステップS1907で判定したOP外線の番号情報を設定する。本処理終了にて「先呼情報」の処理を完了する。
【0065】
先のステップS1907にてCTI呼情報より先呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してOP外線以外と判定した場合、ステップS1910にて、CTI呼情報より先呼がIVR内線若しくはそれ以外を判定する。ステップS1910では、CTI呼情報より先呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してIVR内線と判定した場合は、「IPアドレス2」と「ポート2」にIVR情報に係るIP情報を設定するステップS1911へ遷移し、CTI呼情報より先呼について前記判定でIVR内線以外と判定した場合は、「先呼情報」を設定せずに処理の完了を選択する。
【0066】
先のステップS1910にてCTI呼情報より先呼についてOP情報(外線接続)(図11)OP情報(内線接続)(図12)SPV情報(内線接続)(図13)IVR情報(図14)を参照してIVR内線と判定した場合、ステップS1911にて、「IPアドレス2」と「ポート2」にIVR情報に係るIPアドレスとポート番号を設定する。尚、IVR内線(SIP内線)には、1つのIPアドレスに複数の内線番号が割当てられ使用されることから、CTIサーバはIVRサーバ間のインタフェースによって予め通知されたチャネル番号情報からポート番号(チャネル番号の若番順)を算出して求める。
先のステップS1911にて、「IPアドレス2」と「ポート2」にIVR情報に係るIPアドレスとポート番号を設定したことに引き続き、ステップS1912にて、「内線外線番号2」に、前記ステップ(S1910)で判定したIVR情報より内線番号を設定する。本処理終了にて「先呼情報」の処理を完了する。
【0067】
図20は、本発明に係る通話録音システムにおける録音情報と録音ファイル付加情報のフォーマットの一例を示す図である。録音情報と録音ファイル付加情報は、通話録音サーバが管理する情報である。本例では、録音情報と録音ファイル付加情報として、エンドユーザ側の情報、すなわち図9では、音声パケット610、620、621に対応する情報のケースについて説明する。
【0068】
図中の(1)録音情報は、通話録音サーバがLGRサーバから通知された情報である。情報要素は、録音ファイル名、開始時刻、終了時刻、IPアドレス1、ポート1、IPアドレス2、ポート2を有する。この情報要素は、LGRサーバが音声パケットを抽出した通話単位に生成する情報となる。
LGRサーバは、ネットワーク上から音声パケットを抽出するとき、1つの通話(送話・受話用の各々のIPアドレスとポートが確定した通話)に対して、連続して流れる音声パケットの通話開始・終了を判定して、開始時刻、終了時刻を生成する、またこのとき該当通話の送話側・受話側の2つのIPアドレスとポート番号の情報を抽出し、IPアドレス1、ポート1、IPアドレス2、ポート2を生成する。LGRサーバは、1つの通話に対して、前記の1つの録音情報を生成すると同時に、1つの録音ファイル(通話内容を記録した音声ファイル)も生成し、通話録音サーバへ情報を通知することによって管理を依頼する。
【0069】
図中の(2)録音ファイル付加情報は、CTIサーバが生成した通話情報(図9)をCTIサーバから通話録音サーバへ通知することによって、通話録音サーバが(1)録音情報との紐付け処理を行い、録音ファイル付加情報を生成する情報となる。情報要素は、録音ファイル名、開始時刻、終了時刻、呼ID、IPアドレス1、ポート1、内線外線番号1、IPアドレス2、ポート2、内線外線番号2、発番号、着番号、エージェントID、リンク情報を有する。この情報要素は、録音ファイル単位すなわち録音情報単位に生成する。
【0070】
通話録音サーバは、録音ファイル付加情報を生成するとき、通話情報と録音情報の紐付け処理を実施する。紐付けは、IPアドレスとポート番号の一致、及び開始時刻と終了時刻の判断によって、通話情報と録音情報がリンクすると判断する。前記IPアドレスとポート番号の一致は、通話情報のIPアドレス1、ポート1、IPアドレス2、ポート2と、録音情報のIPアドレス1、ポート1、IPアドレス2、ポート2を、比較することで判定する。判定条件は、通話情報のIPアドレス1とポート1が、録音情報のIPアドレス1とポート1、若しくは録音情報のIPアドレス2とポート2のどちらか一方に一致すること。更に、通話情報のIPアドレス2とポート2が、前記比較で一致しなかった録音情報の残りのIPアドレス1とポート1、又は残りのIPアドレス2とポート2に一致することとする。
【0071】
但し、通話情報のIPアドレス1とポート1、又はIPアドレス2とポート2のどちらか一方にCFTの情報が設定されていた場合は、このCFTの一致条件を、CTIトランク情報(図16)に設定されているIPアドレスとポート番号の情報の範囲に、録音情報のIPアドレスとポート番号が入っていることをもって一致とみなすものとする。
前記開始時刻と終了時刻の判断は、通話情報の接続開始時刻・接続終了時刻と、録音情報の開始時刻・終了時刻を判定して、録音情報が通話情報の時刻に含まれることを条件に、一致することとする。但し、時刻を抽出する部分がLGRサーバとCTIサーバと異なること、及び抽出するリソースが音声パケットとCTI呼情報と異なること、またLGRサーバとCTIサーバが各々内蔵するタイマー誤差を考慮して、時刻比較は誤差を補正して行えるようにする。この補正値は、通話録音サーバへのテーブル設定により調整するものとして、初期値は5秒とする。誤差補正方法は、録音情報の開始時刻が通話情報の開始時刻の補正値以内であれば一致とみなす方法となる。終了時刻についても同様に補正を行う方法とする。
【0072】
図20の録音ファイル付加情報の通話1は、図9の610内容に該当する例を示し、通話2は図10の620内容に該当、通話nは図10の621内容に該当する例を示している。一例目として、図20録音情報の通話1の開始時刻「12:34:56.101」と、図9の610内容の接続開始時刻「12:34:56.123」は、時刻は完全一致ではないが誤差補正の範囲内と判断し一致とみなす。同様に図20録音情報の通話1の終了時刻「12:50:01.678」と、図9の610内容の接続終了時刻「12:50:01.789」も一致とみなせるため、録音情報の通話1は、通話情報の610内容と時刻が一致していると判断する。
【0073】
二例目として、図20録音情報の通話nの開始時刻「17:21:20.345」と、図9の621内容の接続開始時刻「17:20:40.555」は、誤差補正の範囲外で不一致となる。図20録音情報の通話nの終了時刻「17:24:10.512」と、図9の621内容の接続終了時刻「17:24:10.666」は誤差補正の範囲内で一致とみなせる。ここで、録音情報は通話情報に含まれるかを比較すると、「通話情報≧録音情報」の関係が成立することから、録音情報の通話nは、通話情報の621内容と時刻が一致していると判断する。
通話録音サーバは、前記IPアドレスとポート番号の一致、及び開始時刻と終了時刻の判断によって、通話情報と録音情報がリンクしたと判断したとき、録音ファイル付加情報を生成する。録音ファイル付加情報には、録音情報の、録音ファイル名、開始時刻、終了時刻、IPアドレス1、ポート1、IPアドレス2、ポート2の各情報を登録し、通話情報からは、呼ID、内線外線番号1、内線外線番号2、発番号、着番号、エージェントIDを登録し、リンク情報には、通話情報の管理番号を登録するものとする。
【0074】
以上の実施例に示した方法によって、通話接続形態が聴話や三者通話であっても通話録音システムを構築することが可能になる。また、オペレータ電話機(端末)が非CTI連携であっても、更には一般公衆網接続の電話機(端末)を使用した在宅コールセンタ構成であっても、IVRサーバを加えた三者通話の接続形態によって通話録音を可能とする通話録音システムを構築することが可能になる。また、エンドユーザ側トランクの音声パケットを最低限抽出することで、効率良く録音ファイルを蓄積できる通話録音システムを構築することが可能になる。本発明によって、コールセンタシステムを全般的に網羅した通話録音システムの構築方法を、CTIサーバと通話録音サーバが連携することによって、提供することが可能になる。
【0075】
以下、その他の実施の形態の例を示す。
(1)CTIサーバと通話録音サーバを利用したコールセンタシステムにおける通話録音システムは、CTIサーバがエンドユーザ電話機(端末)とオペレータ内線・外線電話機(端末)とIVRサーバ内線を接続するCTI制御手段と、内線電話機(端末)とIVRサーバ内線を管理するデバイス管理手段と、外線トランクとCFTトランクを管理するトランク管理手段と、内線電話機(端末)と外線トランクとIVRサーバ内線の呼が発生したときの呼を管理する呼管理手段と、これらの通信で取り扱われる呼情報や内線状態を記憶する記憶手段と、CTIサーバと通話録音サーバとの通信接続を制御する通信制御手段とを備える。
(2)CTIサーバと通話録音サーバを利用したコールセンタシステムにおける通話録音システムは、CTIサーバがエンドユーザ電話機(端末)とオペレータ内線・外線電話機(端末)とIVRサーバ内線を接続するCTI制御手段と、CTI呼制御から通話情報を生成する通話情報生成手段と、ネットワークを流れる音声パケットを抽出して録音ファイル及び録音情報を生成する録音情報生成手段と、CTIサーバと通話録音サーバとの通信接続を制御する通信制御手段と、録音情報と通話情報から録音ファイル付加情報を生成する録音ファイル付加情報生成手段とを備える。
(3)前記録音ファイル付加情報生成手段は、三者通話や聴話の通話形態であっても録音ファイル付加情報を生成する機能を備える。
(4)前記録音ファイル付加情報生成手段は、オペレータ電話機が非CTI連携の内線電話機(端末)や一般公衆網接続による外線電話機(端末)の接続形態であっても録音ファイル付加情報を生成する機能を備える。
(5)前記録音情報生成手段は、エンドユーザが接続する外線トランクに流れる音声パケットのみを抽出して録音ファイル及び録音情報を生成することで、通話録音システムが構築される。
(6)CTIサーバを利用したコールセンタシステムは、CTIサーバがエンドユーザ電話機(端末)とオペレータ外線電話機(端末)とIVRサーバ内線とスーパーバイザ内線電話機(端末)と接続するCTI制御手段と、CTIサーバが、エンドユーザからの着信をオペレータ外線電話機(端末)へACD着信機能によって転送するとき、IVR内線を使用して三者通話形態によって接続するACD着信制御手段と、オペレータがクライアントPCからCTIサーバへ電話機操作を通知することによってCTIサーバがオペレータ電話機(端末)状態を管理する電話状態管理手段と、スーパーバイザがクライアントPCから聴話要求によって、CTIサーバが聴話をCTI制御によって実現するCTI制御聴話手段とを備える。
(7)前記通話情報生成手段は、CTIサーバが呼情報から呼が生成されたときの接続・切断した情報を契機に接続開始時間、接続終了時間を生成するように機能し、呼がエンドユーザ電話機(端末)、オペレータ電話機(端末)、CFTトランク、外線トランク、IVR内線の二者間以上で生成されたとき、同一呼IDを付加するように機能し、呼が生成されたときの送話側・受話側の両側のIPアドレスとポート番号を生成するように機能し、呼がオペレータに接続したときのオペレータを管理するエージェントIDを付加するように機能する。
(8)前記録音情報生成手段は、LGRサーバがネットワークから音声ファイルを抽出し録音ファイルを生成するとき、録音ファイルの属性を示す録音情報を生成する手段であって、録音ファイル名を付加するように機能し、通話の開始・終了を送話側と受話側の両側のIPアドレスとポート番号が変わらずに、連続して音声パケットが発生していることを判断し、録音ファイルの開始時刻と終了時刻を生成するように機能し、送話側と受話側の両側のIPアドレスとポート番号を付加するように機能する。
(9)前記録音ファイル付加情報生成手段は、前記通話情報生成手段によって生成された通話情報と、前記録音情報生成手段によって生成された録音情報を使用し、通話情報のIPアドレスとポート番号が、録音情報のIPアドレスとポート番号と同じ送話先・受話先であることをアドレス及びポートから判断するように機能し、録音情報の開始時刻と終了時刻が、通話情報の接続開始時刻と接続終了時刻に含まれることによって同じ時間帯に通話されたことを判断するように機能し、前記IPアドレスとポート番号の判断機能と、前記開始時刻と終了時刻の判断機能により、通話情報と録音情報が紐付くことを判断するように機能する。
(10)前記録音ファイル付加情報生成手段は、通話情報と録音情報が紐付くことを判断し、録音ファイル付加情報を生成するとき、録音情報が管理する録音ファイル名を付加するように機能し、録音情報が管理する録音の開始時刻、終了時刻を付加するように機能し、通話情報が管理する呼IDを付加するように機能し、録音情報が管理する送話側と受話側の両側のIPアドレスとポート番号を付加するように機能し、通話情報が管理するオペレータ又はIVR又はスーパーバイザの内線番号又は外線番号を示すに内線外線番号を付加するように機能し、通話情報が管理する発番号、着番号、エージェントIDを付加するように機能し、リンク情報として通話情報名を付加するように機能する。
【符号の説明】
【0076】
101:通話録音サーバ、102:LGRサーバ、103:FLTサーバ、104:CTIサーバ、105:TM(Telephony Manager)、106:GW/TU(Gateway/Telephony Unit)、107:GW(Gateway)、108,110:網、109,112,117:電話機(端末)、111:回線終線装置(NCU)、113,118:PC、114:Webサーバ、115:IVRサーバ(Interactive Voice Response)、116:CFT(Conference trunk)、304:録音ファイル・録音情報、401,403:L3SW(Layer3 Switch)、402:VPN/WAN、404:電話機(端末)、405:PC、601,602,610,611,612:音声パケット(音声パケットデータライン)、603,614:音声パケット抽出データライン、70:CTIサーバ装置、71:CTI接続制御部(711:CTI接続処理部、712:CTI呼情報処理部、713:呼情報)、72:ACD制御部(721:空きOP内線管理部、722:空きIVR内線管理部、723:ACD処理部、724:IVR処理部、725:内線状態情報、726:OP情報、727:SPV情報、728:IVR内線情報、729:外線トランク情報、730:CFTトランク情報)、73:IVR接続制御部(731:IVRサーバ接続処理部)、74:クライアント接続制御部(741:オペレータ接続処理部)、75:通録接続制御部(751:通話録音サーバ接続処理部、752:通話情報管理部、753:通話情報)、80:通話録音サーバ装置、81:LGR接続制御部(811:LGR接続処理部、812:録音ファイル管理部、813:録音情報管理部、814:録音ファイル一時蓄積、815:録音情報)、82:CTI接続制御部(821:CTIサーバ接続処理部、822:通話情報管理部、823:通話情報)、83:録音ファイル管理部(831:録音ファイル蓄積管理部、832:録音ファイル付加情報生成部、833:録音ファイル付加管理部、
834:録音ファイルバックアップ、835:録音ファイル蓄積、836:録音ファイル付加情報)、84:再生制御部(841:録音ファイル付加情報検索部、842:録音ファイル再生制御部、843:クライアントIF接続処理部、844:再生用Web画面処理部)、901:エンドユーザ電話機(端末)、902;OP外線電話機(端末)、903:OP外線電話機(端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コールセンタシステムにおける通話録音システムであって、
公衆網に接続された第1の電話機と公衆網に接続された第2の電話機との間の音声パケットを流す三者通話トランク(CFT)と、
前記CFTを介して通話可能とされる複数の電話内線を収容する音声自動応答(IVR)サーバと、
前記第1の電話機からの着信呼を前記IVRサーバの1つの内線に着信させ、前記IVRサーバから前記第2の電話機へ前記着信呼を転送して、前記第1の電話機と前記IVRサーバの1つの内線と前記第2の電話機とが前記CFTへ接続される接続形態をつくるコンピュータテレフォニーインテグレーション(CTI)サーバと、
前記音声パケットを抽出して作成された録音ファイルおよび前記録音ファイルに係る録音情報を蓄積する通話録音サーバとを備え、
前記CTIサーバは、前記音声パケットに係る通話情報を作成して前記通話録音サーバへ通知し、前記通話録音サーバは、前記通話情報と前記録音情報との紐付け処理を行い、前記録音ファイルに係る録音ファイル付加情報を生成することを特徴とする、通話録音システム。
【請求項2】
前記CFTを介して三者通話または聴話を可能とする第3の電話機を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の通話録音システム。
【請求項3】
前記音声パケットのみをフィルタリング機能で抽出するフィルタ(FLT)サーバと、前記抽出された音声パケットに係る前記録音ファイルおよび前記録音情報を作成するロガー(LGR)サーバとを備えたことを特徴とする、請求項1または2に記載の通話録音システム。
【請求項4】
前記第2の電話機が、前記公衆網に代えて、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)又は広域ネットワーク(WAN)を介して接続されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の通話録音システム。
【請求項5】
前記CTIサーバが、発生した呼の呼情報を管理する呼情報処理部と、前記呼情報を記憶する記憶手段と、前記呼情報をもとに生成した通話情報を管理する通話情報管理部と、前記通話録音サーバに前記通話情報を通知するための通話録音サーバ接続処理部とを備えたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の通話録音システム。
【請求項6】
前記通話録音サーバが、前記CTIサーバから受け取った通話情報を管理する通話情報管理部と、前記通話情報と前記録音情報をもとに録音ファイル付加情報を生成する録音ファイル付加情報生成部とを備えたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の通話録音システム。
【請求項7】
コンピュータテレフォニーインテグレーション(CTI)サーバと通話録音サーバとを備えたコールセンタシステムにおける通話録音方法であって、
公衆網に接続された第1の電話機と公衆網に接続された第2の電話機との間の音声パケットを三者通話トランク(CFT)を介して流すようにし、
複数の電話内線を収容する音声自動応答(IVR)サーバを前記CFTを介して通話可能になるように設け、
前記CTIサーバは、前記第1の電話機からの着信呼を前記IVRサーバの1つの内線に着信させ、前記IVRサーバから前記第2の電話機へ前記着信呼を転送して、前記第1の電話機と前記IVRサーバの1つの内線と前記第2の電話機とが前記CFTへ接続される接続形態をつくるとともに、前記音声パケットに係る通話情報を作成して前記通話録音サーバへ通知し、
前記通話録音サーバは、前記音声パケットを抽出して作成された録音ファイルおよび前記録音ファイルに係る録音情報を蓄積し、前記通話情報と前記録音情報との紐付け処理を行い、前記録音ファイルに係る録音ファイル付加情報を生成することを特徴とする、通話録音方法。
【請求項8】
前記第2の電話機が、前記公衆網に代えて、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)又は広域ネットワーク(WAN)を介して接続されることを特徴とする、請求項7に記載の通話録音方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−46116(P2013−46116A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180968(P2011−180968)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】