説明

コールド炭酸ガス飽和による飲料の分与装置

【課題】コールド炭酸ガス飽和を使用し、高品質の飲料を効率的かつコスト上有利に製造する飲料分与装置を提供する。
【解決手段】冷源12及びカーボネータタンク13を含む分与装置10において、カーボネータタンク13が多数の結合されたタンクセグメントを備え、該多数の結合されたタンクセグメントの各々が水を収容し、該水が各タンクセグメント内において炭酸ガス飽和され、カーボネータタンクが実質的に冷源内に配置され、結合されたタンクセグメントが直線でない幾何学的形態を形成するように結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、飲料の分与に関するものであり、そして特に、本発明は、コールド炭酸ガス飽和(cold carbonation)による飲料の分与方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
“後混ぜ”飲料の分与においては、飲料シロップはプレーン水(plain water;真水)又は炭酸ガス飽和水(carbonated water)と混合され、飲料に仕上げられる。炭酸ガス飽和した飲料に関して、炭酸ガス飽和を取り巻く問題点は仕上げられた飲料の品質に相当に影響する。
【0003】
例えば、高品質の飲料の場合、周囲温度のようなシステム変動に関係なく炭酸ガス飽和レベルを一貫して作ることが重要である。別の例として、仕上げられた製品を分与する際には、泡立ちを最少にすることが重要である。
【0004】
このような高品質の飲料を効率的かつコスト上有利に製造することは当然望ましい。炭酸ガス飽和すべき水の温度を下げることは炭酸ガス飽和の効率を高め、COの圧力を低下できることがわかった。従って、従来技術においては冷たい水を用いて炭酸ガス飽和効率を高める努力がなされてきた。例えば特許文献1には炭酸ガス飽和前に水を予め冷却することが開示される。別の例として、特許文献2、3、4には冷却カーボネータが開示される。しかし、従来技術の(他の面のうち)効率、コスト及びスペース利用について重要な改良がなされ得る。従って、コールド炭酸ガス飽和を使用する改良した飲料分与装置及び方法の要求が出てきた。
【特許文献1】米国特許第4,754,609号
【特許文献2】米国特許第5,319,947号
【特許文献3】米国特許第5,419,461号
【特許文献4】米国特許第5,524,452号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の教示によれば、従来技術のシステムに伴う問題点を実質的に解決又は低減する、コールド炭酸ガス飽和による飲料の分与方法及び装置が提供される。冷源(コールドプレート又は氷・水槽(ice/water bath)のような)及び実質的に冷源(cold source)内に配置した一つ以上の結合したセグメント(segments;部分)から成るカーボネータ(carbonator;炭酸ガス飽和装置)を備えた分与装置が提供される。結合したセグメントは連続した又は連続しない中空構造体を形成し得る。
【0006】
特殊な実施の形態では、トロイダルタンク、水の入口、二酸化炭素の入口、及びタンク内の水のレベルを測定するセンサーを有するカーボネータが提供される。タンクは連続した又は連続しない構造体を形成し得る。更に、第一側(a first side)を備え、そしてコールドプレートと、少なくとも部分的にコールドプレート内に位置するカーボネータと、カーボネータに結合し、第一側からアクセスできるセンサーとを有する分与装置が提供される。特殊な実施の形態では、第一側は飲料を分与する分与装置の前面側である。
【0007】
また、コールドプレートと、少なくとも部分的にコールドプレート内に位置し、水平面に対して傾斜したカーボネータとを有する、水平面を備えた分与装置が提供される。第一タンク部と、第二タンク部と、第三タンク部とを有するカーボネータが提供される。第一、第三タンク部は第二タンク部に結合され、第三タンク部は上記第二タンク部から外方へのびる。
【0008】
特殊な実施の形態では、分与装置は、ほぼ平坦(flat)なカーボネータタンクと、ほぼ水平なコールドプレートとを有し、カーボネータタンクは実質的にコールドプレート内に位置する。また、分与装置は、カーボネータタンク内への多数の水入口を有し得る。また、分与装置は、カーボネータにほぼ平行なプローブ組立体を有し得る。
【0009】
また、コールドプレート内にカーボネータタンクを設ける工程、タンク内に二酸化炭素を注入する工程、水を冷却する工程、タンク内に冷却した水を注入する工程、及びタンクから受けたソーダを冷却する工程を含む水の炭酸ガス飽和方法が提供される。各実施の形態では、カーボネータには前炭酸ガス飽和冷却回路が結合され得る。同様に、カーボネータには後炭酸ガス飽和冷却回路が結合され得る。
【発明の効果】
【0010】
本発明の重要な技術的利点は、コールドプレートを一体に形成したカーボネータを備えることによって炭酸ガス飽和効率を大幅に改善することにある。本発明の別の重要な技術的利点は、小さな形態で有効な炭酸ガス飽和を行なう構成を達成する炭酸ガス飽和タンクセグメント又はトロイド形状(toroid shape; 円錐曲線回転面形状)を用いることにある。
【0011】
本発明の別の重要な技術的利点は、一体の前炭酸ガス飽和冷却回路及び(又は)後炭酸ガス飽和冷却回路を用いることにある。本発明の別の重要な技術的利点は、コールドカーボネータに多数の水入口を用いることにある。本発明の更に別の重要な技術的利点は、カーボネータにおける水位を測定するセンサーに容易にアクセスできることにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
対応した要素を同じ符号で示す添付図面を参照して説明する。図1には本発明の教示による飲料分与装置10を示す。図1に示す分与装置10はカウンターの上に置くようにされ、飲料と氷の両方を分与する。しかし、本発明はこの特殊な実施の形態に限定されるものではなく、カウンターの下側の領域に置くもの及び氷を分与するかどうかも包含することが理解されるべきである。
【0013】
分与装置10内には、コールドプレート12、コールドプレート12内のカーボネータタンク13及びカーボネータプローブ組立体14が含まれる。カーボネータプローブ組立体14は、カーボネータタンク13内の水位を測定するために用いられ、そして分与装置10の前面から容易にアクセスできる。コールドプレート12及びプローブ組立体14は、分与装置10の後部又は側部からアクセスするように構成され得る。水平アクセスに対するプローブ組立体14の構成は、保守及び修理のために容易にアクセスできるので、従来技術のシステムに勝る本発明の重要な改良である。
【0014】
重要なこととして、本発明の一実施の形態のカーボネータタンク13はコールドプレート12内に配置され、そして一般的に実質的に水平に方向決めされる。これは重要な利点をもたらす。特に、カーボネータプローブ組立体は上述のように、容易にアクセスされ得る。また、炭酸ガス飽和は低い温度で起こり、従って炭酸ガス飽和を高めかつCO圧力を低くできる(及び従って動作が容易となる)。冷却なしの代わりに、コールドプレートで生じる炭酸ガス飽和により、炭酸ガス飽和レベルは、周囲の温度が変化しても実質的に一定であり、従って季節が変わっても炭酸ガス飽和圧力を変える必要がなくなる。また、炭酸ガス飽和が分与装置において行われるため、別個のカーボネータがないので、設置及び製造は容易である。同様に、別個のカーボネータを持ち続けないので、資産の管理が容易となり、資産の損失も低減する。
【0015】
更に、実質的にコールドプレートに配置した、本発明の一実施の形態の相対的に水平に方向決めしたカーボネータは、カーボネータが相対的に水平なコールドプレートに隣接して配置される又はかかるコールドプレートから実質的にのびる従来技術のものと違って、スペースを非常に効率よく使用できる問いう重要な利点をもたらす。
【0016】
適切な炭酸ガス飽和能力を達成し、そしてコールドプレートの他の要素(シロップ及びプレーン水の冷却回路)を提供するために、本発明のカーボネータは、一つ以上の連続した又は連続しないタンクセグメントとして構成される。これらのセグメントは他の冷却回路のスペースでよい。また、セグメントを用いることにより表面面積と容積との比が相対的に高くなるので、非常に有効な炭酸ガス飽和を達成できる。
【0017】
分与装置10はまた、仕上がり製品を分与する複数のノズル16を有する。これらのノズルは、炭酸ガス飽和してない水(プレーンな水)か又は炭酸ガス飽和した水(ソーダ)を複数の弁18からの飲料シロップ及び(又は)シロップフレーバーと混合して仕上がり飲料を供給する。特殊な実施の形態では、多フレーバーノズル16が設けられ、各ノズルは多数のノズル18に結合される。しかし、単一フレーバー配置も本発明の範囲内である。また、氷を分与する氷シュート20が設けられる。ノズルの下方にはドリップトレイ22が配置される。動作において、仕上がり製品は、ノズル16とドロップトレイ22との間に位置したカップ内に分与される。
【0018】
本発明はまた、カーボネータタンク13に水を汲み上げる一体のポンプ24を備える。以下図2に関して説明するように、分与装置10の内部から氷シュート20へ氷を移送する機構を駆動するのに用いるモーター26が例示される。
【0019】
最終分与装置には、弁18、ポンプ24及びモーター26のような構成要素をユーザーの眼から隠す一つ以上のカバープレートが設けられることが理解されるべきである。しかし、かかるカバープレートは、容易に保守できるように容易に(僅かなネジによるような)
取外される。図示したように、分与装置10の構成要素のほとんどは分与装置の前面に配置され、従って容易にアクセスでき、保守が改善される。
【0020】
ドリップトレイ22を外すことにより、コールドプレート12の前部が露出し、炭酸ガス飽和プローブ組立体14に容易にアクセスできる。またCO逃し弁28コールドプレート入口30及び出口32が例示される。入口30はコールドプレート12に通して冷却すべき水及びシロップ並びにカーボネータタンク13で炭酸ガス飽和されることになる水を受ける。出口32は、冷却したシロップ及び水(プレーンな水及び炭酸ガス飽和した水の両方)を弁18に輸送する。コールドプレート12は、分与装置10の氷容器33内に手で入れることのできる氷で冷却されるか、又は代わりに分与装置10の頂部又は分与装置10に隣接して製氷機を配置し、氷を作り氷容器33内へ供給するようにしてもよい。更に代わりに、遠隔の製氷機を用いて氷を作り流体圧管を介して自動的に氷容器33へ移送することもできる。
【0021】
図2には、図1に示す分与装置10の側面を切り開いて示す。図2に示すように、コールドプレート12は一体のカーボネータタンク13を備える。カーボネータ組立体14の炭酸ガス飽和プローブはコールドプレート12を通りカーボネータタンク13内へのびる。
【0022】
図2に示すように、分与装置10は、分与装置の中央の氷容器33を包囲する絶縁部材31を備える。モーター26は、氷容器から氷分与シュート20へ氷を運ぶのに用いるパドルホィール35を駆動する。図2に概念的に示すパドルホィールは単に例示だけのものであり、他の機構を用いてもよい。上記で説明したように、本発明のコールドプレートは、氷を分与する分与装置に用いられるものでないことが理解されるべきである。
【0023】
動作において、氷は、アルミニウムのような伝導性材料から成るコールドプレート12を冷却する。水及びシロップは、コールドプレート12内のそれぞれの水及びシロップ回路を流れながら冷却される。重要なこととして、カーボネータタンク13及びカーボネータタンク13内の水は同様にして冷却され、高い炭酸ガス飽和効率が得られる。この高い炭酸ガス飽和効率により、低いCO圧力を用いることができ、その結果、一層信頼できかつ安価な分与装置が得られる。
【0024】
図2に示すように、コールドプレート12は分与装置10の水平面に対して傾斜される。幾つかの構成の場合に、ソーダがカーボネータタンク30から放出される際に、カーボネータタンク30及びコールドプレート12が水平に近くなればなる程、水位の変化は小さくなるので、この傾斜により、プローブ組立体14のセンサーは、水位の変化を比較的容易に読み取ることができる。しかし、かかる傾斜は必要でない。この説明において本発明のカーボネータタンク13が実質的に又は相対的に水平であるとする時、ある傾斜をもつ方向決めを含む。また、傾斜はカーボネータがキャストされるコールドプレートを傾斜させるか、又は水平コールドプレート内でカーボネータを傾斜させることによって行なわれ得る。任意の傾斜角を用いることができるが、好ましくは、それぞれの水平面に対して約20°以下の傾斜角が用いられる。
【0025】
図3は、本発明の教示による一体のカーボネータタンク13を備えたコールドプレート12を概略平面図で示す。図3に示すように、カーボネータタンク13は4つの結合したセグメント34、36、38、40を備える。これらセグメントの各々の断面は好ましくは円形であるが、しかし任意の形状を用いてもよい。同様に、四辺形のカーボネータタンク13は単に例示のためだけである。特殊な応用に必要な炭酸ガス飽和能力をもたらす任意の形状を用いることができる。カーボネータの特定の幾何学的形状は、カーボネータ内に水対COヘッドスペースの所望の比率を形成するために及びプレーンな水及びシロップ冷却回路のためコールドプレートに必要な量のスペースを形成するために、所望のように変えることができる。
【0026】
図3に示す特殊なカーボネータタンク13は、連続して接続される複数のセグメントを備えるが、このような連続した形状は必要ではなく、他の実施の形態に関して以下に説明するように、一つ以上の連続した又は連続しないセグメントを用いることができる。
【0027】
図3にはまた前冷却回路42を示す。前冷却回路42は、プレーン水を、カーボネータタンク13に入る前に冷却できる。好ましい実施の形態では、前冷却水は多数のオリフィスブロックを介してカーボネータタンク13内に注入される。しかし、一つだけの注入部位を用いてもよい。ソーダはカーボネータタンク13から一つ以上のポートを通って後炭酸ガス飽和冷却回路44へ運ばれる。この後炭酸ガス飽和冷却回路44は、前冷却回路42と同様に、好ましくはコールドプレート12内に一体的に形成される。後冷却ソーダは弁18へ運ぶためのマニホルド46へ運ばれる。
【0028】
好ましい実施の形態では、前冷却回路42はプレーン水をほぼ40°Fに冷却する。後冷却回路44はソーダを好ましくは34−40°Fの範囲の温度に冷却する。ソーダの冷却に加えて、後冷却回路44は、カーボネータタンク13から僅かな乱流に流れを安定化する。従って、この比較的多くの層流のため比較的多くのCOが流れに留まり、その結果、分与時の泡立ちは少なくなり、高い炭酸ガス飽和(及び従って仕上がり飲料製品の高品質)が得られる。しかし、冷却装置42、44のいずれか又は両方を本発明の一部として含んでも含まなくてもよいことは理解されるべきである。
【0029】
図4には、図3に関して説明した特殊な実施の形態における炭酸ガス飽和タンク13の細部を例示する。図4に示すように、COは取付部品50を介してカーボネータに供給される。取付部品50には、安全逃し弁28が接続される。COは接続部52でカーボネータタンク13内に注入される。ただ一つの接続部52が示されているが、多数の注入部位を用いてもよい。ソーダはカーボネータタンク13から出口取付部品54を介して運ばれ、出口取付部品54はソーダを図3に示す後冷却回路44に移送する。
【0030】
図5には、前及び後冷却回路(pre-and post-chill circuits)42、44の例を備えた図3及び図4に示す実施の形態を例示する。図5に示すように、特殊の実施の形態において、二つの後冷却回路44は出口接続部位54に始まり、ソーダをソーダマニホルド46へ運ぶ。図示した特殊な実施の形態においては、二つの別個の回路44が示され、一つは各接続部位54から始まる。しかし、本発明の範囲から逸脱せずにただ一つの又は二つ以上の回路を用いてもよいことは理解されるべきである。図5に示すように二つの前炭酸ガス飽和冷却回路42が設けられる。これらの前炭酸ガス飽和冷却回路42はT接続部56で始まり、このT接続部56はプレーン水の単一流を二つの別個の冷却回路42に対する二つの流れに分割する。しかし、本発明の範囲から逸脱せずにただ一つの又は二つ以上の回路を用いてもよいことは理解されるべきである。
【0031】
前に説明したように、前炭酸ガス飽和冷却回路42は、プレーン水をカーボネータタンク13へ注入する前に冷却する。前冷却したプレーン水はオリフィスブロック58においてカーボネータタンク13に注入される。図示した特殊な実施の形態では、カーボネータタンク13への水の二つの流れを発生するために二つのオリフィスブロック58が用いられる。二つの流れを用いることにより、カーボネータタンク内に一層乱流を生じさせることができ、単一流れを使用した場合より効率が改善される。しかし、本発明の範囲から逸脱せずにただ一つの流れ又は二つ以上の流れを用いてもよいことは理解されるべきである。
【0032】
図6及び図7には、図3〜図5に関して説明したカーボネータタンク13を側面図で示す。図6及び図7に示すように、プレーン水の流れはカーボネータタンク13のセグメント38に平行なオリフィスブロック58に入る。しかし、本発明の範囲から逸脱せずに他の流入角を用いてもよいことは理解されるべきである。図6及び図7に見られるように、カーボネータプローブ組立体14は、二つの特殊なプローブ60、62を備える組立体である。これらのプローブはカーボネータタンク13内の水位を測定し、前冷却回路42及びカーボネータタンク13へ水を汲み上げるポンプ24を制御するのに用いられる。
【0033】
特に、両プローブ60、62が水面の下方(図6及び図7に高水位マークで表されるように)にあるときには、プローブからの信号はポンプ24を遮断するのに用いられる。同様に、プローブ60、62の両方が低水位で示すように水面の上方にあるときには、多くのプレーン水を注入する。プローブ60、62を備えたプローブ組立体14が例示されるが、カーボネータタンクの外側に位置し、水位を間接に(限定することなしに超音波に基づくセンサーのような)測定するものを限定することなく含む、水位を測定する任意種類のセンサーを用いてもよい。
【0034】
図8、図9及び図10の以下の説明には、本発明が任意の特殊な幾何学的形態又は構成に限定されないことを例示する。特に、トロイドのような連続した幾何学的形状又は結合したセグメントで形成したものを用いてもよい。同様に、連続しない個々の又は結合したセグメントを用いてもよい。また、垂直に配置したセグメント又は部分を備えた実施の形態を用いてもよい。
【0035】
ここで説明した特殊なカーボネータの実施の形態は実質的に平坦な実施の形態である。しかし、本発明は、(分与装置に対して)垂直に配置されるセグメントを有するカーボネータ構成で用いてもよい。従って、図8に見られるように、セグメント72、74及び76を備える特殊なカーボネータ70が例示される。水位は、セグメント74に平行、垂直か又はある角度を成すカーボネータプローブによってセグメント74(セグメント72、76においても同様に)において測定できる。プレーン水は好ましくは、カーボネータ70のセグメント72又は74に注入されるが、セグメント76にも注入され得る。ソーダはセグメント76から受け、そして前述の図面に関して説明したように一つ以上の後冷却回路に送られる。同様に、カーボネータ70に注入した水は、上記の実施の形態に関して説明した一つ以上の前冷却回路を介して送られ得る。また、図8に示すカーボネータは好ましくはコールドプレート内にキャストされる。
【0036】
図9には、コールドプレート82内にキャストされたトロイドの形式のカーボネータタンク80を例示する。他の実施の形態に関して上述のように、プレーン水は、前冷却回路84を介して冷却した後、一つ以上の入口ポートを介してカーボネータタンク80内に注入される。同様に、ソーダは後炭酸ガス飽和冷却回路86を介してカーボネータタンク80から取り出される。図9にはトロイド形状を示すが、限定なしに、不規則形状の(例えば蛇のような)単一セグメント、半径の変化する(例えばスパイラル又は卵形の)単一セグメントのような他の形状を用いてもよく、そして連続した中空構造体(例えばC字形状又はスパイラル形状)を形成する必要はない。便宜上、このような単一セグメント形状の全てを本明細書ではトロイドと記載する。
【0037】
図10には、本発明の教示による連続しないカーボネータタンク90を示す。図10に示すように、カーボネータタンク90は多数のセグメントを有し、これらのセグメントの幾つかは結合されるが連続して他のセグメントに結合する。例えば、セグメント92、94はそれらの端部で互いに接合せずに、スタブである。プレーン水は、前冷却回路96を通って冷却した後、入口ポートを介してカーボネータタンク90に注入される。また、ソーダは、後冷却回路98を介してカーボネータタンク90から取り出される。カーボネータタンク90、前冷却回路96及び後冷却回路98は好ましくはコールドプレート100内に一体的に形成される。
【0038】
図11には、本発明の別の実施の形態による分与装置110を示す。一般的に言えば、氷及びコールドプレートによる冷却ではなく、分与装置110を蒸気圧縮冷凍ユニット112のような機械的冷却ユニットで冷却する点を除いて、上記の教示を分与装置110に適用する。冷凍ユニット112は、カーボネータタンク組立体120を冷却する氷・水浴を形成する。特殊な図示実施の形態では、カーボネータタンク組立体120は図5に関して上記に示したものと同じであり、カーボネータタンク130を備える。また、図11には回路132、134、136を示す。これらの回路は、非炭酸ガス飽和飲料用のプレーン水又はシロップを冷却するのに用いられる。これらの回路は冷凍ユニット112で形成された冷却した水槽内にある。上記の実施の形態に関して例示していないが、かかるシロップ及びプレーン水回路が用いられ、コールドプレート実施の形態に関して上記したコールドプレートにキャストされる。
【0039】
図示しないが、本明細書で説明した種々の実施の形態の分与装置の動作を制御するため電子制御システムが設けられる。制御システムは、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ、及び制御を行なう種々の入力/出力ポートを備える。制御システムは、カーボネータの水位に基いて、カーボネータに供給する水ポンプを作動する又は遮断する時を決めるため、カーボネータプローブ組立体とインターフェースする。また、制御システムは、所望の飲料を作るために弁を作動するため及び含まれる場合には氷を分与するため、顧客のインターフェースとインターフェースする。
【0040】
本明細書においては、ある一定の幾何学的形状について詳細に説明してきた。しかし、これらは例示のためのものであり、他の形式を用いることができることは理解されるべきである。また、特殊な実施の形態に関して説明した特徴は他の例における特徴と交換できる。本発明を詳細に説明したが、特許請求の範囲に定義したように、本発明の範囲から逸脱することなく、変化、変更、置換、付加及び修正を行なうことができることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の教示によるコールド炭酸ガス飽和を備えた分与装置を示す斜視図。
【図2】図1に示す分与装置の側面図。
【図3】本発明の教示による一体のカーボネータを備えたコールドプレートの一実施の形態の概略概念図。
【図4】本発明の教示によるカーボネータの一実施の形態を示す斜視図。
【図5】本発明の教示によるカーボネータ、及び前及び後炭酸ガス飽和冷却回路の一実施の形態を示す平面図。
【図6】本発明の教示によるカーボネータ及びカーボネータプローブの一実施の形態を示す図。
【図7】図6に示す実施の形態の細部を示す図。
【図8】本発明の教示によるカーボネータの別の実施の形態を示す斜視図。
【図9】本発明の教示によるカーボネータの更に別の実施の形態を示す図。
【図10】本発明の教示によるカーボネータの更に別の実施の形態を示す図。
【図11】本発明の教示による機械的に冷却した分与装置におけるコールド炭酸ガス飽和の実施の形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分与装置(10)であって、
冷源(12、33)及びカーボネータタンク(13、80、90、130)を含み、
前記カーボネータタンクが多数の結合されたタンクセグメント(34−40、92−94)を備え、前記結合されたタンクセグメントの各々が水を収容し、該水が各タンクセグメント内において炭酸ガス飽和され、
前記カーボネータタンク(13、80、90)が実質的に冷源内に配置され、
前記結合されたタンクセグメントが直線でない幾何学的形態を形成するように結合される分与装置。
【請求項2】
更に、前記結合されたタンクセグメントの少なくとも一つ(38)に結合したプローブ組立体(14)を有する請求項1に記載の分与装置。
【請求項3】
前記結合された各タンクセグメントが2つの端部を有し、各タンクセグメントの各端部が他のタンクセグメントに結合される請求項1に記載の分与装置。
【請求項4】
前記結合された各タンクセグメントが2つの端部を有し、1つのタンクセグメント(92、94)の少なくとも1つの端部が他のタンクセグメントに結合されない請求項1に記載の分与装置。
【請求項5】
前記冷源がコールドプレート(12)から成る請求項1に記載の分与装置。
【請求項6】
前記冷源が氷・水槽(33)から成る請求項1に記載の分与装置。
【請求項7】
更に、前記カーボネータタンク(13、80、90)に結合した前冷却回路(42、84、96)を有する請求項1に記載の分与装置。
【請求項8】
更に、カーボネータタンク(13、80)に結合した後冷却回路(44、86)を有し、該後冷却回路が炭酸ガス飽和水を冷却する請求項1に記載の分与装置。
【請求項9】
更に、カーボネータタンク(13、80、90)に結合した前冷却回路(42、84、96)及びカーボネータタンク(13、80、90)に結合した後冷却回路(44、86)を有し、前記後冷却回路(44、86)が炭酸ガス飽和水を冷却する請求項1に記載の分与装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−192985(P2012−192985A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159668(P2012−159668)
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【分割の表示】特願2007−318325(P2007−318325)の分割
【原出願日】平成14年9月23日(2002.9.23)
【出願人】(501011048)ランサー・パートナーシップ・リミテッド (25)
【Fターム(参考)】