説明

ゴミの連続処理のためのデバイスおよび手順

【解決手段】ゴミや産物を効率的に殺菌する装置および手順である。装置は円筒形容器の形態のリアクタを含み、リアクタは2つの円筒状チューブすなわちより大きな第1チューブおよびより小さな第2チューブを収容する。第1らせんブレードは第2チューブの内周面から内向きに延び、第2らせんブレードは第2チューブの外周面と第1チューブの内周面とを架橋する。チューブの組が一緒に回転すると、物は第2チューブの中をある向きに流れ、2つのチューブ間の空間内を逆の向きに流れる。このような軸方向にコンパクトなデザインにより、ゴミをノンストップで導入して抽出することが可能となり、また、蒸気ポートを通じてリアクタに注入された蒸気により提供される熱エネルギを効率的に使用することが可能となる。また、デバイスへの物の導入およびデバイスからの物の抽出の両方をリアクタの一端で行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願で説明される手順およびデバイスは、都市廃棄物や畜産廃棄物や農業廃棄物や農作物や食品の連続的な殺菌に関するものである。ゴミまたは産物はリアクタと称される圧力タンクに載置され、所定の高温および高圧に所定の可変時間の間さらされる。この可変時間は、産物が取り出されたときには産物が完全に殺菌されているよう、殺菌対象の物に依存する。このように処理されたゴミは変形され、後に使用されうる。
【背景技術】
【0002】
医療廃棄物や食品や木などを殺菌するためのクローズレシピエント(Closed-recipient)でストリームインジェクション(stream-injection)な殺菌システムは公知である。これらのシステムはいくつかのフェーズを含む。すなわち、昇温および昇圧、殺菌のための温度維持、冷却、および減圧(全ての内部蒸気の除去)である。
【0003】
これらのシステムのうちのいくつかは、都市廃棄物および家庭ゴミを殺菌するために使用されている。含有される有機物はプロセスによって変形され、部分的に乾燥されると、エネルギを生成するためおよび産物を製造するために再利用されうる。
【0004】
一般に、このタイプのプロセスには円筒形の圧力タンクが使用され、そのタンク内のゴミは所定の温度および圧力にさらされる。タンク内の動きは、物の分離および物が含む水の抽出を促進する。このため、既に使用されているプロセスは圧力タンク内におけるいくつかのフェーズを含む。上述の通り、昇温フェーズ殺菌のための温度維持フェーズ冷却フェーズ減圧フェーズ(全ての内部蒸気の除去)である。
【0005】
従来技術の一部として、以下の文献を例示する。米国特許第5427650号、国際公開第03026101号、国際公開第2007/079968号、国際公開第2008/065002号、国際公開第2008/010854号、米国特許第7,303,160号、国際公開第03/025101号、欧州特許第0870433号、米国特許第5,091,158号、英国特許第2,452,289号、英国特許第2,456,074号。
【0006】
特許出願第PCT/EP2006/012556号および第PCT/EP2007/062353号に記載されているような、アンビエンシスエスエル(Ambiensys S.L.)と呼ばれる会社のシステムは、制限された量のゴミを、プロセス中の種々の時刻にバッチで導入することによって、半連続的にゴミを処理する。このシステムはシステムから処理された物を除去するために重力に依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のシステムは、殺菌対象の大量のゴミを圧力タンクへ周期的に導入すること、および/またはゴミの取り扱いにおける効率の悪さに起因する生来的な課題を有する。バッチ処理ではかなりのエネルギが無駄になっている。バッチごとに、タンクを加圧し、蒸気を注入し、殺菌のために必要な期間温度および圧力を維持し、タンクを減圧し、ゴミのバッチを除去しなければならないからである。これらのフェーズのそれぞれは生来的に大きなエネルギ消費を必要とし、加えて各バッチを処理するのに必要な時間を長引かせる。
【0008】
これ以外にも、圧力タンク内の圧力や温度や回転運動を維持したまま蒸気を注入しかつ液体を抽出するために使用されるプロセスは比較的複雑である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願で説明される手順および装置は、連続的に動作することによってこれらの課題を軽減する。殺菌対象の物が導入または取り除かれるたびにリアクタを続けて加圧し減圧する必要がなくなる。これにより、殺菌プロセスにかかる時間をかなり節約でき、かつ、生産性を高めることができる。また、これによりエネルギを大幅に節約できる。中圧蒸気を生成するための化石燃料の消費を低減できるからである。
【0010】
本願で説明されるデバイスは、都市廃棄物や畜産廃棄物や農業廃棄物や農作物や吸収可能産業廃棄物や食品廃棄物や食品の連続的な殺菌処理に特に適する。
【0011】
本願で開示される方法は、上述のゴミまたは産物をバッチではなく連続的処理プロセスに送ることによって特徴付けられる。すなわち、ゴミは中断なく圧力タンクに導入され、そこでは摂氏170度までの温度と7バールまでの圧力における処理が時間制御されている。
【0012】
本発明の別の側面は、タンク内部が圧力や温度を失うことなく殺菌された産物またはゴミが中断なく除去されるということである。これは、完全な連続サイクルを達成する。産物またはゴミは連続的に入り、処理され、除去されるのであり、これはバッチやロードユニットによるものではない。したがって、本発明は市場において新たなシステムを構成する。
【0013】
本発明の別の特徴は、プロセスの連続性によって、プロセスのエネルギ消費を大きく節約できることである。
【0014】
本発明の別の重要な側面は、プロセスの連続性が生産力をかなり高めることである。プロセスの連続性により、デッドタイムを完全に避けることができるからである。
【0015】
本発明の別の側面は、それが殺菌処理のためのデバイスを導入することである。その殺菌処理のためのデバイスは、そのデバイスを市場に既に存在するデバイスから差別化する特徴を有する。
【0016】
本願で説明される装置はリアクタを備え、また圧力下でゴミを含有可能な外部静止タンクと内部回転タンクすなわちリバースロータとを備える。リバースロータは第1チューブと第2チューブと内側らせんブレードと外側らせんブレードとを含む。第1チューブおよび第2チューブのそれぞれは円筒状であって縦軸を有し、第1チューブおよび第2チューブはそれらの縦軸の周りで同心となっており、第1チューブの直径は第2チューブの直径よりも大きい。内側らせんブレードは第2チューブの内壁に設けられ、2つのチューブがそれらの縦軸の周りで回転するときゴミの第1流路を画定する。外側らせんブレードは第2チューブの外周面と第1チューブの内周面とを架橋し、2つのチューブがそれらの縦軸の周りで回転するときゴミの第2流路を画定する。2つのチューブがその軸の周りで回転方向において回転することによってゴミが軸方向で逆の2つの向きに移動するように、第1流路および第2流路は2つのチューブの縦軸に関して逆向きとなっている。
【0017】
第1チューブおよび第2チューブは一般的にかつ好適には無孔であり、「リバースロータ」を形成する。リバースロータにより、リアクタに導入されたゴミまたは産物は内部回転タンクの中を往復し、そのようなゴミまたは産物を殺菌するために必要な期間、実質的に連続的で中断のない動きで内部に留まる。リバースロータは2つの流路を有するので、従来のシステムと比較して殺菌時間は低減される。このリバースロータを導入することにより、市場に既に存在するプロセスに対して大きな利点が提供される。すなわち、1)リバースロータはリアクタの長さすなわち重量を低減することを可能とし、したがってその回転運動に必要なエネルギを低減することを可能とする。したがって、市場にある他のシステムに対してエネルギをかなり節約できる。2)リアクタのサイズはより小さいので、加圧対象のタンクの体積もより小さくなる。したがって、蒸気の消費量を低減できる。これにより、エネルギをかなり節約できる。3)リバースロータは、ゴミまたは産物の入力領域および抽出領域に要求圧力および要求温度を印加する期間を短くすることを可能とする。したがって、エネルギをかなり節約できる。4)ゴミまたは産物の入力および抽出に対する補償のデポジット(deposits)を通じて余剰蒸気を使用することにより、エネルギをかなり節約できる。5)リバースロータのサイズがより小さいことから、ゴミまたは産物の入口領域および抽出領域において圧力および温度をより速く醸成できる。これにより、市場の他のシステムと比較して、生産能力をかなり高めることができる。6)リアクタは、市場に既に在るものよりも小さい。また、その操作および取り扱いはより簡単で、製造および維持のコストも少ない。7)リバースロータは、リアクタへの入口およびリアクタからの出口が互いに近くなるよう構成されている。これにより、熱膨張による機械的問題を避けることができる。ゴミ入力デバイス、ゴミ抽出デバイスおよびモータは静的状態を維持し、したがって、柔軟な結合部分は、リアクタの一端のみに設けられた膨張のためのジョイントからなるからである。その一端は入口および出口の両方が配置されているところである。
【0018】
本願で説明される装置の他の特徴は、リアクタがただひとつの蒸気入力を有し、その蒸気入力は入力および抽出の領域に配置されていることである。これにより、産物またはゴミの内部回転タンクの中への初期移動をかなり改善でき、他のシステムと比較して処理時間をかなり節約できる。
【0019】
本発明の別の差異は、リアクタ内において、内部回転タンク支持機構が外部静止タンクの内壁上で回転する車輪に載置されていることである。これにより、素早く簡単なメンテナンスが可能となり、またメンテナンス作業を行うために人をリアクタ内に送らなければならないようなことを避けることができる。したがって、メンテナンス作業者とゴミとの接触はなくなる。
【0020】
本願で説明される装置および手順は、4つの補償デバイスと、互いに同期した2つの入力デバイスと、互いに同期した2つの抽出デバイスと、を含む。また、第1入力デバイスおよび第2抽出デバイスは、余剰蒸気を利用するために、互いに同期している。これらのデバイスはリアクタへゴミを入れ、かつ、リアクタからゴミを除去する。それらはリアクタ自身とは独立に機能する。すなわち、リバースロータの動作は入力デバイスや抽出デバイスからの信号に依存しない。これは、他の全ての既存のシステムに対するいくつかの利点を示す。これらの利点は以下を含む。1)入力デバイスおよび抽出デバイスはかなりの容量を有するので、5分に満たない期間ごとに補償デポジットに隣接するバルブを開閉する必要はない。これにより、機械的要素の早すぎる摩耗を避けることができる。2)入力デバイスと抽出デバイスとを互いに同期させることにより、エネルギ消費量を、従来システムで使用される方法のエネルギ消費量の5分の1にまで低減できる。3)本システムの結果得られるかなりの節約により、余剰蒸気を回復することが可能となる。この余剰蒸気を、水処理プロセスのために使用することができ、また、吸収機械を通じて冷気を生成するために使用することができる。4)他のシステムとは異なり、殺菌対象の物を導入および除去するために、リアクタの内部回転タンクと補償デポジットとの間の同期はとられない。したがって、導入される物、特に都市廃棄物が引き起こしうる結合部分の重大な機械的問題を避けることができる。
【0021】
まとめると、本願で説明される装置および手順は、3つの主たる部材すなわちリアクタ、入力デバイスおよび抽出デバイスのパフォーマンスに基づく。これら3つの部材は一緒に動作し、説明される手順を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本願で説明される本発明の例示的な実施の形態であるデバイスを示す、部分断面としての、立面図である。
【0023】
【図2】図1に示されるデバイスの、部分断面としての、端面図である。
【0024】
【図3】図1に示されるデバイスの内部部材の近接端の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1および図2は、近接端11および遠位端13を伴うリアクタ10を示す。リアクタ10は、2つの同軸の円筒状チューブ12および14を収容するまたは含む外部静止タンク15を備える。2つの逆を向いているらせんブレード16および18は、2つのチューブのある回転の向きにおける回転に基づいて、ゴミを、リアクタ10を通じて正逆両方の向きに押す、すなわち往復させる。外側またはより大きな第1チューブ12の内側面は第1らせんブレード16によってより小さな第2チューブ14の外側面と結ばれる。第1らせんブレード16は2つのチューブ12および14の間のスペースを架橋する。第1らせんブレード16はチューブ12の内側面およびチューブ14の外側面に溶接される。第2らせんブレード18は第2チューブ14の内側面に溶接され、その内側面から内向きに片持ち的に延びる。第1らせんブレード16は、チューブ12および14が回転するとき第1らせんブレード16が軸方向において軸向き22にリアクタの近接端11に向けてゴミを押すように、方向付けられる。第2らせんブレード18は、チューブの同じ回転運動によってゴミがより小さい第2チューブ14を通じて反対の軸向き20にリアクタ10の遠位端13に向けて移動するように、方向付けられる。したがって、チューブ12および14および逆向きのらせんブレード16および18は、リバースロータ8と称される堅牢なユニットを形成し、そのリバースロータ8はリアクタ10の中でゴミを往復させる。主たる、好適には単一の、モータ17がチューブ12および14の回転を生成するとき、リバースロータ8は回転する。チューブ12および14は同じ回転の向きで動く。チューブ12および14はらせんブレード16によって結ばれており、それによって2つのチューブは一緒に回転する。
【0026】
図3は、リバースロータ8の近接端の拡大斜視図である。ブレード16は、より大きなチューブ12の内側面およびより小さなチューブ14の外側面に(例えば溶接によって)堅牢に接続されている。矢印20は第1流路を示し、矢印22は第2流路を示す。リバースロータ8が図3の矢印9の向きに回転するとき、これらの流路の両方を通じた流れが同時および逆向きに生じる。ブレード18およびブレード16は、この逆向きの流れを生じさせるために、互いに逆回りとなるよう構成される。
【0027】
2つの入力デバイス24および26のそれぞれはらせん部を有し、2つの入力デバイス24および26はリアクタ10の中にゴミを入れるために互いに同期している。第1入力デバイス26は第2入力デバイス24の上方に位置し、柔軟なカプラ27によって第2入力デバイス24と接続されている。入力デバイス24はリアクタの第1端11と接続される。入力デバイス24および26のそれぞれは、そのそれぞれの上流に入力制御バルブ28および25を有する。
【0028】
同様に、2つの協働する抽出デバイス32および31によってリアクタからゴミが抽出される。2つの抽出デバイス32および31は互いに同期し、そのそれぞれは内側にらせん部(auger)を有する。2つの抽出デバイス32および31のそれぞれは、そのそれぞれの下流に抽出制御バルブ29および30を有する。
【0029】
第1入力デバイス26が処理対象のゴミを受け入れるために大気に開放された場合に第2入力デバイス24およびそれに対応する制御バルブ28がリアクタ10内の圧力を維持するように、入力デバイス24および26の対は互いに同期される。同様に、第2抽出デバイス31が処理されたゴミを放出するために大気に開放された場合、第1抽出デバイス32およびそれに対応する制御バルブ29がリアクタ10内の圧力を維持する。
【0030】
第2または最終抽出デバイス31および第1入力デバイス26は蒸気補償チューブ21によって接続される。蒸気補償チューブ21は(不図示のバルブで)集められたまたは導かれた余剰蒸気を、浄水や吸収による冷気生成などの他のプロセスで使用するために、解放する。
【0031】
リアクタ10は、リアクタの上部で近接端11に近いところに設けられた蒸気入力バルブ23を備える。リアクタ10の遠位端13において、らせんブレードのデザインにより、第1流路20から第2流路22へゴミを移送することが可能となっている。リアクタ10の遠位端13の近くにおいて、液体または流体抽出ポート19は、浸出液およびリアクタ10からの浸出液によって運ばれる他の流動体の除去を可能とする。
【0032】
有機ゴミ、紙および段ボールは分解され、たばこで使用される細かく挽いたたばこ葉のような形態に変換される。蒸気の凝縮のため、プロセスにおいて有機物はかなりの量の水を吸収する。
【0033】
PETを除くプラスチックからなるゴミは典型的にはボール状の物体にまで縮められる。他の固形残留物は典型的にはその形状を維持する。処理後、ゴミの体積は約70パーセント低減される。ゴミに含まれていた空気は、プロセス中、リアクタ上部の解放バルブを通じて解放される。
【0034】
チューブ12および14およびらせんブレード16および18を備えるリバースロータは、処理対象のゴミまたは産物のタイプに依存して可変となっている速さで動く。都市廃棄物については、リバースロータは典型的には数rpmで動く。これは、一時間当たり8トンの都市廃棄物を処理するのに十分である。他の特別な都市廃棄物でない廃棄物や他の産物については、速さを変えてもよく、同様に圧力および/または温度を変えてもよい。何によって取り扱い対象の物の十分な処理がもたらされるのかを見出すために、殺菌対象のゴミまたは産物の各タイプを調べるべきである。
【0035】
金属およびプラスチックは抽出されリサイクルされうる。有機物は紙および段ボールと混合されてプロセスを離れる。そのような有機物は多くのアプリケーションを有しうる。アプリケーションは例えば、発電やバイオガスやバイオディーゼルや物の生産などである。
【0036】
ここで説明される殺菌プロセスは余剰蒸気を生成する。その蒸気は、浄水や冷気生成などの他のプロセスでの使用に導くことができる熱エネルギである。蒸気補償チューブ21はバルブを通じて余剰蒸気を解放し、他のプロセスでの使用に供することができる。
【0037】
都市ゴミ(MSW)すなわち典型的な人間によるゴミは、詰まりを生じさせるような、および、リアクタ10内の内部機械要素に損傷を与えうるような、繊維製品などの物を含みうる。入来するゴミに2つのより小さな入力デバイス24および26を通過することを強制することによって、そのような物による損傷を最小化できる。2つの入力デバイス24および26は、より大きくより複雑なリアクタ10と比較してよりアクセスが容易であり、修繕もより簡単である。
【0038】
処理されたゴミは入力デバイス26および24を通じてノンストップの連続的プロセスでリアクタに入る。ゴミは抽出デバイスを通じてリアクタを出る。抽出デバイスは処理されたゴミを第2出力デポジット31を通じて抽出するであろう。
【0039】
ここでは図示されていないが、典型的な予備的ステップは、ゴミのサイズを所望の通りに調整できる破砕機器の使用を伴う。そのような予備処理によると、リアクタ10内で生じうる故障を避けることができる。
【0040】
本願で説明されるデバイスおよび手順は、都市廃棄物や畜産廃棄物や農業廃棄物や農作物や吸収可能産業廃棄物や食品廃棄物や食品を処理することができる。本願で説明されるデバイスおよび手順は、一時間当たり8トンに達する連続動作レートによって特徴付けられる。連続的に、かつ、中断無く、かつ、リアクタを減圧する必要なく、殺菌された物をリアクタから除去することができる。
【0041】
上述の手順は、処理対象の物に依存して選択される調整可能な温度、圧力および速さでのリアクタ10からの物の連続的な出入りによって特徴付けられる。
【0042】
上記は、特定の実施の形態または例を参照することによって発明を説明する。これらの実施の形態は説明を目的としており、限定を目的としていない。多くの変形や変更や追加や改善が可能であり、それらは当業者には明らかであろう。したがって、全ての自明なおよびそれほど自明でない代替、変形、追加、および改善は、以下の請求の範囲に含まれることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力下でゴミを含有可能な外部静止タンクと前記外部静止タンク内に設けられたリバースロータとを含むリアクタを備えるゴミ処理装置であって、
前記リバースロータは第1チューブと第2チューブと内側らせんブレードと外側らせんブレードとを含み、
前記第1チューブおよび前記第2チューブのそれぞれは円筒状であって縦軸を有し、前記第1チューブおよび前記第2チューブはそれらの縦軸の周りで同心となっており、前記第1チューブの直径は前記第2チューブの直径よりも大きく、
前記内側らせんブレードは前記第2チューブの内壁に設けられ、前記リバースロータが前記第1チューブおよび前記第2チューブの前記縦軸の周りで回転するときゴミの第1流路を画定し、
前記外側らせんブレードは前記第2チューブの外周面と前記第1チューブの内周面とを架橋し、前記リバースロータが前記第1チューブおよび前記第2チューブの前記縦軸の周りで回転するときゴミの第2流路を画定し、
前記リバースロータがその軸の周りで回転方向において回転することによってゴミが軸方向で逆の2つの向きに移動するように、前記第1流路および前記第2流路は前記第1チューブおよび前記第2チューブの前記縦軸に関して逆向きとなっている、ゴミ処理装置。
【請求項2】
第1入力デバイスは、入口バルブを通じて第2入力デバイスへゴミを導くらせん部を有し、
前記第2入力デバイスは、前記リアクタの一端へゴミを導いて前記リバースロータの前記第2チューブへゴミを導入するらせん部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第1抽出デバイスは、第1出口バルブを通じて前記第1チューブの一端から第2抽出デバイスへゴミを移動するらせん部を有し、
前記第2抽出デバイスは、第2出口バルブを通じて前記第2抽出デバイスからゴミを放出するらせん部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
4つの車輪からなるセットが前記外部静止タンクの内壁に取り付けられており、
前記リバースロータは、前記リアクタ内での回転運動のために前記4つの車輪に支持される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記リアクタは蒸気ポートを有し、前記蒸気ポートを通じて高温高圧の蒸気を前記リアクタへ導入可能であり、
前記リアクタは浸出ポートを有し、前記浸出ポートを通じて浸出物を前記リアクタから除去可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
縦軸と近接端と遠位端とを有する加圧可能の円筒状外部静止タンクと、
前記外部静止タンク内に設けられたリバースロータと、を備え、
前記リバースロータはより大きな第1チューブとより小さな第2チューブとを含み、前記第1チューブおよび前記第2チューブは第1らせんブレードによって同軸に結合されており、
第2内側らせんブレードは前記第2チューブの内壁に設けられ、前記リバースロータがその縦軸の周りで回転するときゴミの第1流路を画定し、
前記第1らせんブレードは前記リバースロータがその縦軸の周りで回転するときゴミの第2流路を画定し、
前記リバースロータがその軸の周りで回転することによって、前記リバースロータが回転するときゴミがリアクタの前記近接端から前記第1流路を通じて離れ、かつ、前記第2流路を通じて前記近接端に向かうように、前記第1流路および前記第2流路は前記第1チューブおよび前記第2チューブの前記縦軸に関して逆向きとなっている、ゴミ処理装置。
【請求項7】
前記リアクタはさらに第1入力デバイスおよび第2入力デバイスを含み、前記第1入力デバイスおよび前記第2入力デバイスは互いに同期しており、前記第1入力デバイスおよび前記第2入力デバイスのそれぞれはらせん部を有し、
前記第1入力デバイスは、入口バルブを通じて前記第1入力デバイスへゴミを導くよう構成され、
前記第2入力デバイスは、前記リアクタの前記近接端へおよび前記第1流路へゴミを導くよう構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記リアクタはさらに第1抽出デバイスおよび第2抽出デバイスを含み、前記第1抽出デバイスおよび前記第2抽出デバイスのそれぞれはらせん部を有し、前記第1抽出デバイスは前記リアクタの前記近接端から第2抽出デバイスへゴミを移動させるよう構成され、
前記リアクタはさらに前記外部静止タンクの内壁に取り付けられた4つの車輪からなるセットを含み、前記リバースロータは前記外部静止タンク内での回転運動のためにそれら4つの車輪に載置され、
前記リアクタはさらに蒸気ポートを有し、前記蒸気ポートを通じて高温高圧の蒸気を前記リアクタへ導入可能であり、
前記リアクタは液体抽出開口を有し、前記液体抽出開口を通じて液体を前記リアクタから除去可能である、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
縦軸と近接端と遠位端とを有する加圧可能のリアクタと、
前記リアクタの外部静止タンク内に設けられ、前記外部静止タンクの内壁に設けられた軸受車輪上で回転可能なリバースロータと、を備え、
前記リバースロータはより大きな第1無孔チューブとより小さな第2無孔チューブとを含み、前記第1無孔チューブおよび前記第2無孔チューブは第1らせんブレードによって同軸に結合されており、
第2内側らせんブレードは前記第2チューブの内壁に設けられ、前記リバースロータが回転するときゴミの第1流路を画定し、
前記第1らせんブレードは前記リバースロータがその縦軸の周りで回転するときゴミの第2流路を画定し、
前記リバースロータがその軸の周りで回転することによって、前記リバースロータが回転するときゴミが前記リアクタの前記近接端から前記第1流路を通じて離れ、かつ、前記第2流路を通じて前記近接端に向かうように、前記第1流路および前記第2流路は前記第1チューブおよび前記第2チューブの前記縦軸に関して逆向きとなっており、
前記リアクタはさらに第1入力デバイスおよび第2入力デバイスを含み、前記第1入力デバイスおよび前記第2入力デバイスは互いに同期しており、前記第1入力デバイスおよび前記第2入力デバイスのそれぞれはらせん部を有し、
前記第1入力デバイスは、入口バルブを通じて前記第2入力デバイスへゴミを導くよう構成され、
前記第2入力デバイスは、前記リアクタの前記近接端へおよび前記第1流路へゴミを導くよう構成され、
前記リアクタはさらに第1抽出デバイスおよび第2抽出デバイスを含み、前記第1抽出デバイスおよび前記第2抽出デバイスは互いに同期しており、前記第1抽出デバイスおよび前記第2抽出デバイスのそれぞれはらせん部を有し、前記第1抽出デバイスは前記リアクタの前記近接端から第2抽出デバイスへゴミを移動させるよう構成され、
前記リアクタはさらに前記リアクタの前記外部静止タンクの前記内壁に取り付けられた4つのローラからなるセットを含み、前記リバースロータは前記外部静止タンク内での運動のために前記4つのローラに回転可能に取り付けられ、
前記リアクタはさらに蒸気ポートを有し、前記蒸気ポートを通じて高温高圧の蒸気を前記外部静止タンクへ導入可能であり、
前記リアクタは液体抽出開口を有し、前記液体抽出開口を通じて液体を前記外部静止タンクから除去可能であり、
前記第1入力デバイスおよび前記第2入力デバイスのうちの少なくともひとつと前記第1抽出デバイスおよび前記第2抽出デバイスのうちの少なくともひとつとは、余剰蒸気を利用するために協働する、ゴミ処理装置。
【請求項10】
都市廃棄物、畜産廃棄物、農業廃棄物、農作物、食品廃棄物および/または食料品などの物を連続的に処理する手順であって、
圧力タンクに処理対象の前記物を置くことと、
実質的に連続的かつ中断されない態様で前記タンクを通じて前記物を移動させることであって、前記タンク内の第1内側流路を通じて第1軸向きに第1らせんブレードを使用して、かつ、第2外側流路を通じて前記第1軸向きとは逆の第2軸向きに第2らせんブレードを使用して、前記物を移動させることと、
前記圧力タンクから前記物を抽出することと、を含み、
前記第1流路および前記第2流路は概ね同軸である、手順。
【請求項11】
前記物を前記第1流路および前記第2流路を通じて移動させるステップは、前記物を殺菌するのに十分な期間、前記物を高温および高圧のうちの少なくともひとつにさらすことを含む、請求項10に記載の手順。
【請求項12】
前記第1流路および前記第2流路を通じたゴミの流れは往復であり、単一のモータを使用したリバースロータの単一の回転の向きにおける回転によって引き起こされることをさらに含む、請求項11に記載の手順。
【請求項13】
前記物を前記圧力タンクに置く前に前記物の大きさを揃えておく予備的ステップをさらに含む、請求項10に記載の手順。
【請求項14】
処理される物のタイプによって作業温度および作業圧力を調整することと、
同期した入力デバイスと抽出デバイスとによって置くステップと抽出ステップとを同期させ、それによって前記圧力タンクへの物の載置および前記圧力タンクからの物の抽出が実質的に連続的かつ中断のないものとなり、前記入力デバイスおよび前記抽出デバイスの動作中前記圧力タンクを大気圧に開放する必要がないことと、をさらに含む、請求項10に記載の手順。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−516302(P2013−516302A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546364(P2012−546364)
【出願日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009336
【国際公開番号】WO2011/079853
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(512171652)エコヒスパニカ イ マス ディー メディオアンビエンタル エス.エル. (1)
【Fターム(参考)】