ゴミ処理プラント
本発明は、生物学的に分解可能な部分を有する例えばゴミ内の有機材料の好気性分解のための閉構造のゴミ処理プラント(1)に関する。ゴミ処理プラント(1)は、通風及び排気装置を有するホール(5)を備える。ホール壁(6)の少なくとも1つの外側に、ホール壁開口部(7)を介してホール(5)と結合されるゴミ処理室(16)が配置される。ゴミ処理室(16)は、昇降装置(20)が装備されたカバーシート(30)にして、水密でありまた粒子を通さないが空気及び水蒸気を透過するカバーシート(30)によって形成される。カバーシート(30)は、ホール壁(6)と基部とに対し固定装置(40)によって堅固にかつ気密に配置されるカバーシート縁(32)を備える。昇降装置(20)は、膨張可能なチューブ(23)からなる空圧式支持構造体(22)によって形成することができる。ゴミ処理室(16)への積み込み及びそこからの積み下ろしのそれぞれのために、カバーシート(30)が持ち上げられ、この結果、ホール壁開口部(7)を通して空間(5)の中にまたそこからゴミを移送することができる。好気性処理工程が継続する間、昇降装置(20)は下降され、この結果、カバーシート(30)は、処理すべきゴミの直ぐに位置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的に分解可能な部分を有する例えばゴミ内の有機材料の生物学的な好気性分解に関する。特に、本発明は、水及び粒子を通さないが、空気及び水蒸気を透過するカバーシートを有する閉構造のゴミ処理プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴミ処理の分野では、固形都市ゴミの生物学的成分を乾燥及び好気性分解するための種々の装置及び方法が知られている。好気性ゴミ処理に関して長い間存在する問題は、その際に発生する廃空気であり、この廃空気は、エアロゾル、塵埃、微生物、VOC(揮発性有機化合物)のような有害な放出物を高い割合で含み、また健康上の不都合を引き起こすことがある、地域的放出限界値に従う臭気物質を含む。多くの簡単なゴミ処理用プラントでは、微生物放出制御及び臭気制御について問題があるが、この理由は、発生するガスのすべてが妨げられずに周囲雰囲気に逃れることができるからである。
【0003】
この問題を取り除くために、数年来、好気性ゴミ処理がクローズドシステムで実施され、このことは、容器、腐敗トンネル又はボックスのような構造上閉鎖した建物におけるコンポスト化を含む。このようなクローズドシステムは、廃空気は建物内に留まり、そこから適切に吸引されるので、気密とされる。このクローズドシステムで不都合なことは、このような装置の調達の際の高い投資コスト、同時に、システム内部に発生する廃空気の排出及び浄化のために生じる高いコストである。バイオフィルタ又はバイオ洗浄機による廃空気処理のためのコストは非常に高い。
【0004】
閉鎖プラントの代わりに、数年来、積み上げられたゴミ堆積物を完全に覆う大きな面積の透過性のカバーシートが使用されている。このカバーの透過性は、ゴミ堆積物が積極的に通気されることができ、同時に、微生物放出の防止及び臭気低減も得られることができるように選択される。例えば、独国特許第4231414C2号は、水密でガス透過性の積層された膜を有するコンポスト堆積物用のカバーを記載している。しかし、このようなカバーは、様々な不都合を有する。ゴミ堆積物の載置及び被覆が時間的に連続して生じることは、すなわち、カバーシートを堆積物の上方に引くことがきる前に、堆積物は最初に部分的又は完全に載置されていなければならない。開放されたカバーされていない堆積物の上に空気が自由に流れている限り、このことは望ましくない放出をもたらす。さらに、除去用の装置がゴミ堆積物に自由にアクセスするために、及びカバーに損傷を生じさせないために、堆積物を除去するためにはカバーを堆積物から取り除く必要がある。カバーを除去することによって、再び望ましくない放出が生じる。頻繁に、送られてきたゴミは、分別、粉砕又は混合のような前処理を受けなければならない。この前処理の後、ゴミは敷地を通して開放して運搬されて堆積され、この際に、同様に望ましくない汚染を周囲環境に放出する。
【0005】
他方で、カバーを設置しまた取り除く際に、少なくとも部分的に手動による複雑な取り扱いにより、著しい人件費が生じる。カバーの取り扱いは、堆積物の山の高さが高いと、なお困難になる。さらに、カバーを押さえ付けるための縁部の重し、例えば水を満たした消防ホース及びサンドバッグを除去し、その後に再び配置しなければならない。カバーシートを取り付けまた引き抜くために機械的な巻取り機械を使用する場合には、好適には少なくとも2人の人間が必要である。さらに、カバーを巻き上げ及び広げることにより、カバー材料の損傷が生じ、これにより、特に膜材料の場合、カバーの機能性が大きく低下することがある。また、作業中の安全の観点からも、ゴミ堆積物上のカバーシートに伴う作業は、担当作業者にとって問題なしには済まない。一方で、堆積物を踏み付けまた跨ぐ際に事故の危険がある。他方で、堆積物にカバーがされていない場合、作業者は、カバーすべき材料及び流出する放出物と直接接触し、これにより、作業者の健康が損なわれる危険がある。
【0006】
発展形態では、カバーシートに、膨張可能な支持要素が装備され、この支持要素により、カバーシートを堆積物から取り除く必要なしに、腐敗堆積物を積み重ねまた取り除くためにカバーシートを昇降させることができる。しかし、この場合も、腐敗堆積物の積み上げ及び取り除きの間、堆積物への自由なアクセスが存在しなければならず、またこのときに、有害な放出物が妨げられずに周囲空気に達することができるので、流出する放出物の問題が残る。法的規制ならびに国家及び地域認可官庁から、将来、クローズドシステムが優先される傾向を読み取ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、ゴミ内の有機構成成分の好気性分解のための改良されたより廉価なゴミ処理プラントであり、前記ゴミ処理プラントは同時に周囲環境に対し閉じたシステムである。さらに、本発明の課題は、堆積物の積み上げ及び取り除きの際にも周囲環境への有害な放出を回避する堆積物カバーを用いたゴミ処理プラントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、本発明によれば請求項1の特徴によって解決される。従属請求項により、本発明の有利な実施態様が付与される。
【0009】
上記課題は、少なくとも1つのホール壁とホール屋根とゴミを投入し及び取り出すための入口とを有するホールと、ホールからまたホールに空気を供給及び排出するための通風及び排気装置と、ホール壁の外側に配置された、ゴミ内の有機構成成分の好気性分解のための少なくとも1つのゴミ処理室と、を有するゴミ処理プラントによって解決される。ホールは、ホールからゴミ処理室にゴミを投入するために、また処理したゴミをゴミ処理室からホール内に取り除くために使用されるホール壁開口部を介してゴミ処理室と結合される。ゴミ処理室は、昇降装置が装備されたカバーシートによって形成される。カバーシートは、ホール壁と基部とに対し固定装置によって堅固にかつ気密に配置されるカバーシート縁を備える。
【0010】
本発明によるゴミ処理プラントは、クローズドシステムを形成し、また閉じたホールと堆積物カバーとを結合して統一的なシステムを形成する。このようなプラントにより、特に、有害な放出物と周囲空気との接触が回避されるように、ゴミを供給部から、前処理及び引き続く好気性処理を介して引渡しまで、周囲環境に対し閉じた空間に保持することが可能である。
【0011】
このプラントにより、好気性処理は、ホールから隣接するゴミ処理室に移行される。ホール壁開口部は、閉鎖可能であり、例えば、ドア又はゲートにより、ゴミ処理室はホールの内部から気密に分離される。ゴミ処理室を充填又は空にするためにのみ、ホール壁開口部が開かれ、処理の持続時間全体の間、ホール壁開口部は閉鎖されたままである。これによって、ホールの寸法を相当小さくし、製造できる。ホールは、ゴミを受け入れるために、また例えば粉砕又は混合のような場合によっては必要な処理作業のために、必要とされるに過ぎない。したがって、設備全体の投資コストは低下する。とりわけより小さなホールによって、必要とされる通気及び排気容量が小さくなる。これと関連して、より小さな、したがってより廉価なホール排気システムが提供される。同様に、引き続くバイオフィルタの寸法を小さくすることができる。処理すべき廃空気の量は、従来技術の閉じたプラントの場合よりもはるかに小さいので、本発明によるプラントの投資及び運転コストが低減される。さらに、ホールは集中的な好気性の処理工程のためにもはや使用されないので、ホールは、はるかに長い寿命を有する。
【0012】
一実施態様では、カバーシートは、水密でガス透過性の膜を備える。膜は、内側方向及び外側方向に対する保護障壁として作用する。膜は、内側方向への水の進入を防止し、強い日光入射の際の脱水を防止する。膜は、外側方向への微生物放出を防止し、臭気の流出を防止し、またそのガス透過性に基づき、カバーシートに対する圧力増加が生じることなく、ゴミ処理室内で好気性分解によって発生したC02及び空気が膜を通して逃れることができるようにする。ゴミ処理室からの廃空気は、特に吸引する必要はないが、この理由は、廃空気がガス透過性の膜を通して予め浄化されて、周囲環境に放出されるからである。膜の孔構造により、廃空気からのすべての有害な成分の濾過が行われる。水密でガス透過性の膜は多孔質であることが好ましい。膜の多孔質形態のため、カバーシートは、200Paの圧力差で3〜100m3/m2/hの空気透過度を有する。
【0013】
さらに、膜を有するカバーシートは20m2Pa/W未満の水蒸気透過抵抗を有し、これによって、カバーシートを通り抜ける高い水蒸気透過性を保証する。この小さな水蒸気透過抵抗により、湿った材料の乾燥又は発生するプロセス水の搬出が可能である。ゴミの塊状化及び水分増加、及びこれに関連する誤ったプロセスが防止される。水蒸気透過ならびに空気透過度により、処理すべきゴミが十分に通気され、すなわち、酸素が十分に供給され、反応生成物が増圧なしに逃れることができることが保証される。さらに、膜を有するカバーシートは、10kPaよりも大きな水進入圧力では水を通さない。
【0014】
このことにより、降水による湿潤が防止される。膜は、少なくとも1つの織物層と結合されることが好ましい。織物積層品を使用することが特に有利であるが、この理由は、多孔質膜の水密性が高いことと同時にガス透過性であることとならんで、臭気及び微生物のような放出を同時に抑制するために特に適しているからである。
【0015】
カバーシートの高さを調整するために、ゴミ処理室のカバーシートに昇降装置が装備される。高さ調整は、ホイールローダ又は伸縮可能な送出ベルト、推進フロア又はスクレーパフロア又は同様の技術によって処理室を充填又は空にするために必要である。このことは、ゴミ処理室を充填又は空にするために、機器又は機械がゴミ処理室内を走ることができるように、カバーシートが、ゴミに対し十分に大きな間隔になければならないことを意味する。
【0016】
好気性処理プロセスの間、カバーシートが処理すべきゴミの上に位置することが有利である。これによって、好気性分解プロセスが加速され、カバーシートを通した水蒸気透過に有利である。この理由から、好気性処理中にカバーシートが下降され、ゴミの上に直接位置する。カバーシートの昇降は、カバーシート縁を除き行われる。カバーシートの昇降中に、ゴミ処理室がクローズドシステムのままであるように、カバーシート縁は、ホールと基部とに対し固定装置によって堅固にかつ気密に配置される。固定装置は、ゴミ処理室の前方領域のカバーシート縁をホール壁の外側に固定する。ゴミ処理室の側面領域及び端部領域のカバーシート縁は、固定装置によって基部に又は取付け壁に直接固定される。この関連で、気密とは、廃空気がプラントの内部から固定部を含むホールと処理室との間の結合部を介して、基部に逃れることができないことを意味する。堅固な固定とは、カバーシート縁が、ホール壁及び基部に又は取付け壁に不動に固定されることを意味する。昇降工程中、カバーシートは動くが、カバーシート縁は動かない。
【0017】
一実施態様では、空圧式昇降装置が設けられ、この場合、空圧式昇降装置は多数の膨張可能なチューブを用意する。持ち上げられた装置の状態は、加圧空気が充填されたチューブによって実現される。これによって、カバーシートが持ち上げられ、処理すべきゴミを盛り上げるか又は積み重ねることができる走行可能なホール又は空間を形成する。装置の下降状態では、チューブは本質的に空気を含まず、すなわち、チューブは空であり、カバーシートがゴミの堆積物を覆う。したがって、カバーシートは、通常の堆積物カバーのようにゴミの上に位置する。
【0018】
別の実施態様では、チューブは液体で充填される。
【0019】
固定装置は、例えばボルト、クランプ、釘、リベット又はテンション装置のような固定要素を含み、この場合、ホール壁及び基部又は取付け壁の固定は、平坦にかつ密接して行われる。
【0020】
特に、ゴミ処理室は、周囲環境に対し粒子を通さないように形成される。
【0021】
固定装置は、形状適応性を有する材料を含むことが有利である。この形状適応性を有する材料は、カバーシート縁とホール壁との間に、ならびにカバーシート縁と基部との間に配置される。前記材料は、誤った空気が壁部及び基部の空気ダクト又は空気ブリッジを介して、プラントの内部から周囲環境に侵入しないように、壁部及び基部の凹凸を補正する機能を有する。したがって、プラント全体の誤った空気率が削減される。形状適応性を有する材料として、簡単に変形可能なすべての可撓性材料を使用することができる。例えば、好ましくは水密に被覆されるか又は疎水性が施された発泡材又はゴムのような弾性プラスチック、布地、ニット製品又はフリースのような繊維材料を使用することができる。形状適応性を有する材料は、ストリップ又はバンドとして平坦に使用することができ、可能な通路、溝、割れ目、開口部及び他の湾曲部を気密に充填するために、材料が十分に存在する限り、シール紐も使用することができる。シールすべき開口部の大きさ及び深さに応じて、材料を単層又は複層で導入すべきであろう。
【0022】
一実施態様では、カバーシート縁が気密に挟持される挟持フレームが設けられる。挟持フレームそれ自体は、ホール壁開口部内に気密に挟持されるか、あるいは他の公知のすべての方法により固定され、ならびに基部又は取付け壁に然るべく固定される。
【0023】
本発明の別の利点及び特徴は、図面及び特別な実施態様の次の説明で明らかにされる。
【0024】
定義及び試験方法
通風及び排気装置: 生物学的ゴミ処理プラントの排ガス内の放出に関連する大気汚染の放出を低減するための、特に臭気物質、環境関連のガス、有機物質及び粉塵用の放出制限のための、及び生存及び増殖能力のある微生物を低減するための(排ガス浄化)装置。
【0025】
ゴミ処理プラント: 生物学的に分解可能な部分を有する都市ゴミ又は他のゴミが、生物学的方法により、又は生物学的方法と物理的方法との組み合わせにより処理されるゴミ処理プラント。特に、このプラントには、好気性条件の下のゴミの生物学的処理のための装置が含まれる。
【0026】
放出は、生物学的ゴミ処理プラントに起因する大気汚染である。ゴミ処理プラントの排気流は、例えばドイツに関し2002年7月24日の連邦環境保護法(TA空気)に決定された規定の放出限界値を遵守しなければならない。放出とは、要約すると、粉塵、エアロゾル、臭気、微生物、カビの胞子、種子又は他の同様の放出物の流出と理解される。
【0027】
水進入圧力試験: 水進入圧力試験は、実質的に、水がサンプル材料の一方の側に対し加圧され、サンプル材料の他方の側が水の通過に対し観察されることに基づく静水圧試験である。水圧は、100cm2の面積のサンプル材料に対し20±2℃の蒸留水を圧力を増大しつつ適用する試験方法に従って測定される。水の上昇圧力は、60±3cmH2O/minである。その際の水圧は、水が試料の他の側に現れる圧力である。正確な手順は、1981年のISO規格No.811(1981)に定められている。「水密」とは、材料が、少なくとも10kPaの水進入圧力に耐えることを意味する。
【0028】
「多孔質」とは、材料の内部構造を通して極めて小さな顕微鏡的な細孔を有する材料と理解され、これらの微細孔は、材料の一方の表面から他方の表面まで、互いに結合した連続結合部又は経路を形成する。したがって、微細孔の寸法によれば、材料は空気及び水蒸気に対し透過性であるが、液状水は微細孔を通過できない。微細孔のサイズは、Hialeah, Floridaのコウルターエレクトロニクス社(Coulter Electronics Inc.)製のコウルターポロメータ(Coulter Porometer)(登録商標)により測定できる。コウルターポロメータ(Coulter Porometer)は、ASTM規格E1298−89に記載されている方法に準拠して多孔質媒体の細孔サイズ分布を自動測定する機器である。しかし、細孔サイズは、全ての入手可能な多孔質材料について、コウルターポロメータ(Coulter Porometer)で測定できない。このような場合、細孔サイズは、例えば光学顕微鏡又は電子顕微鏡のような顕微鏡を用いても測定できる。微細孔膜を使用する場合、微細孔膜の平均細孔サイズは、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmである。
【0029】
水蒸気透過抵抗Ret: Ret値は、面形成物又は複合材料の特定の材料特性であり、一定の分圧勾配における所定の表面を通過する潜熱蒸発流を決定する。150(m2×Pa)/W未満の水蒸気透過抵抗Retを有する材料は、「水蒸気透過性」であると定義される。好ましくは、面形成物は、20(m2×Pa)/W未満のRetを有する。水蒸気透過度は、ホーエンシュタイン(Hohenstein)MDM乾燥法によって測定され、この方法は、Bekleidungsphysiologisches Institut e.V.Hohensteinの標準試験規則No.BPI1.4(1987年)に記載されている。
【0030】
空気透過度: 空気透過度は、面形成物1m2当たりm3/hで表され、チューリッヒのTextest Instrumentsの空気透過度試験器(FX3300)を用いて測定される。空気透過度は、ISO9237(1995年)に準拠して測定される。200Paの印加圧力差の際に3〜100m3/m2/hの空気透過度を有する材料が、「空気透過性」とされる。
【0031】
気密: 気密とは、本発明の枠内において、カバーシート縁とホール壁又はカバーシート縁と基部又は取付け壁の結合箇所で、空気が内側から外側に達しないことを意味する。このことは、プラントの運転中に、小さな圧力を印加することによって制御される。気密のプラントは、検査すべき位置で霧及び蒸気ガスを提示しない。人工霧による検査も当然可能である。気密とは、本発明の枠内では粒子不透過を含む。
【0032】
カバーシート縁: カバーシート縁は、カバーシートの縁側の境界であり、カバーシート全体の周りに延びる。
【0033】
粒子不透過: ゴミ処理室は、>0.3μmの微粒子の分離を可能にする限り、粒子不透過とされる。微粒子とは、例えば粉塵、胞子、花粉又はエアロゾルのような固体又は液体形態の風媒微粒子と理解される。
【0034】
次に、図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明によるゴミ処理プラント(1)の正面図を示している。ゴミ処理プラント(1)は、少なくとも1つのホール壁(6)と、ホール屋根(9)と、入口(12)とを有するホール(5)から構成される。側方のホール壁(6)の外側(8)には、それぞれ、多数のゴミ処理室(16)が配置されている。ホール屋根(9)には開口部(11)が配置され、これを通して、空気がホール(5)の内部に達する。入口(12)は、周囲環境とゴミ処理プラント(1)との間の接続部であり、正面側のホール壁(6)に閉鎖可能に配置されることが好ましい。入口(12)を通して、ゴミ(2)がゴミ処理プラント(1)に投入されまた除去される。例えば、入口(12)は、回転ゲート又は自動開閉するドアによって実現される。
【0036】
ホール(5)は、処理すべきゴミ(2)がゴミ処理室(16)において固有の好気性分解プロセスを受ける前に、処理すべきゴミの収容、前処理及び分配のために使用される。必要ならば、ゴミ(2)は、ホール(5)で粉砕され、混合され及び/又は分別される。次に、ゴミ(2)は、少なくとも1つのゴミ処理室(16)でゴミ堆積物に構成される。各々のゴミ処理室(16)で、その中に積み重ねられたゴミ(2)の有機成分の好気性分解が行われる。好気性処理プロセスに続き、処理されたゴミは、再びホール(5)内に運搬され、またホールから入口(12)を通して運搬される。1つのみのゴミ処理室(16)をホール壁(6)に配置することも可能である。一実施態様では、全体で6つのゴミ処理室、それぞれ3つのゴミ処理室が互いに並んで設けられる。ゴミ処理室(16)の数は任意であり、ゴミ処理プラント(1)の規模及び処理量に左右される。
【0037】
ホール(5)とゴミ処理室(16)との間に、ホール(5)の内部とゴミ処理室(16)の内部とを結合する閉鎖可能な開口部(図示せず)の形態のゲートがホール壁(6)に設けられる。このホール壁開口部は、ホール(5)からゴミ処理室(16)にゴミ(2)を投入するために、また分解したゴミをゴミ処理室(16)から取り除いてホール(5)内へ移動するために使用され、またホイールローダ、回転フロア、送出ベルトのような積み込み及び積み下ろし用車両又は機器が開口部を通過できるように、十分に大きくあるべきであろう。ホール壁開口部は、例えば回転ゲートを用いて閉鎖可能であり、実際に、ゴミ処理室(16)の積み込み及び積み下ろしためにのみ開放されるべきである。これによって、ゴミ処理室内の好気性分解プロセスが最適に進行し、有害な放出物は、ゴミ処理室(16)からホール(5)に達することができない。好ましくは、開口部はホール(5)に対し気密に閉鎖可能である。
【0038】
一実施態様では、個々のゴミ処理室(16)の側方を境界付ける取付け壁(18)が設けられる。取付け壁(18)は、基部(50)に設置され、2.50m〜3mの最大高さを有する。好ましくは、取付け壁(18)の高さは2m〜2.50mである。
【0039】
ゴミ処理室(16)は、昇降装置(20)が装備されるカバーシート(30)をそれぞれ備える。一実施態様では、昇降装置(20)は、空圧式支持構造体(22)によって、例えば膨張可能なチューブ(23)から形成される。ゴミ処理室(16)で、好気性処理プロセスが行われる。このため、ゴミ処理室(16b)は下降された状態にあり、すなわち、昇降装置(20)は下降されており、この結果、固定されたカバーシート(30)は、処理すべきゴミのすぐ上に位置する。対向するホール壁(6)において、ゴミ処理室(16a)は設置状態で示され、すなわち、昇降装置(20)及びそれに固定されたカバーシート(30)が持ち上げられている。持ち上げ工程によって、積み込み及び積み下ろし機器又は積み込み及び積み下ろし車両を容易に取り扱うことができる空間が形成される。したがって、ホール壁開口部を通して、ゴミ(2)を空間内に運搬するか又は空間から運搬することができる。
【0040】
カバーシート(30)は、固定装置(40)によって、ホール壁(6)に及びゴミ処理室(16)を画定する取付け壁(18)に堅固にかつ気密に配置されるカバーシート縁(32)を有する。取付け壁が存在しない場合、カバーシート縁(32)は基部(50)に直接に気密固定される。
【0041】
図1Aは、持ち上げた状態の図1のゴミ処理室(16a)の拡大図を示している。ゴミ処理室(16a)は、昇降装置(20)が装備されるカバーシート(30)によって形成される。一実施態様では、昇降装置は、空圧式の高さ調整構造体(22)であり、膨張可能なチューブ(23)によって形成される。チューブには、ファン(24)を介して空気が供給される。カバーシート縁(32)は、固定装置(40)によってホール壁(6)の外側(8)にまた取付け壁(18)に固定される。
【0042】
図1Bは、下降状態の図1のゴミ処理室(16b)の拡大図を示している。空圧式昇降装置(22)のチューブ(23)には空気は入っておらず、この結果、カバーシート(30)はゴミ堆積物のすぐ上に位置する。
【0043】
図2は、図1のゴミ処理プラント(1)の平面図を示している。ホール(5)には、放出物で汚染された空気をホール(5)の内部から吸引するホールファン(4)が接続される。ホール屋根(9)には、空気供給開口部(11)が取り付けられ、これを通して、清潔な空気がホール(5)内に流れることができる。空気供給開口部(11)は、ホールの任意の場所に設けることができる。ホール入口(12)の開放によっても、新鮮空気の供給が行われる。ホール(5)では、恒常的な負圧が発生され、このことは、ホール(5)内の空気圧が大気圧よりも小さいことを意味する。これによって、汚染された空気が制御されずに周囲環境に逃れることが防止される。ホールファン(4)は、排気フィルタ(3)、例えば、吸引されたホール空気を浄化するバイオフィルタと結合される。ホールファン(4)及び排気フィルタ(4)は、排気浄化装置を共に形成する。
【0044】
向かい合う側方のホール壁(6)のそれぞれの外側(8)に、それぞれ複数のゴミ処理室(16)が熊手状又は端子形状に配置される。各々のゴミ処理室(16)は、昇降装置(20)を備える。
【0045】
図3は、向かい合う側壁(6)にホール(5)とそれぞれ3つの連結されたゴミ処理室(16)とを有する、本発明によるゴミ処理プラント(1)の実施態様の斜視図を示している。ホール(5)は、少なくとも1つのホール壁(6)、ホール屋根(9)及びホール入口(12)により構成される。ホールファン(4)は、ホール(5)の前面に配置され、ホールから廃空気を吸い出す。プラント(1)の規模に応じて、複数のファン及びバイオフィルタを設けることができる。ホール屋根(9)では、空気供給開口部(11)は、ホール(5)の新鮮な周囲空気のために使用される。側方のホール壁(6)の外側(8)に、それぞれ3つのゴミ処理室(16)が連結される。各々のゴミ処理室(16)は、カバーシート縁(32)を有するカバーシート(30)によって形成される。さらに、各々のゴミ処理室(16)は、基部側で取付け壁(18)によって境界付けられる。取付け壁(18)は、ゴミ処理室(16)の外側の側方境界として使用され、同時に、ゴミ処理室(16)内又はそれからのゴミの運搬が容易になり、取付け壁(18)の間のゴミ堆積物へのゴミの積み重ねが簡単になる。前方のゴミ処理室(16a)は、持ち上げた状態で示され、残りのゴミ処理室(16b)は下降状態で示されている。
【0046】
図示した実施態様では、カバーシート縁(32)は、固定装置(40)によってホール壁(6)にまた取付け壁(18)に固定される。カバーシート(30)には、膨張可能なチューブ(23)の形態の空圧式昇降装置(22)が装備される。各々のゴミ処理室(16)とホール(5)との間に、それぞれ、ホール(5)の内部とゴミ処理室(16)の内部とを結合するゲート開口部(図示せず)がホール壁(6)に設けられる。ゲート開口部は主に閉じられており、ゴミ(2)又は処理されたゴミがゴミ処理室(16)内に又はそこから運搬されるときにのみ開放されるべきである。
【0047】
各々のゴミ処理室(16)は、カバーシート(30)の昇降装置(20)に基づき2つの状態を取ることができる。好気性処理プロセスのため、ゴミ処理室(16b)は下降状態にあり、このことは、カバーシート(30)がゴミのすぐ上に位置することを意味する。ゴミ処理室(16a)を充填又は空にするためにのみ、ゴミ処理室は、持ち上げられた状態にある。昇降装置(20)が持ち上げられ、これによって、装置に結合されたカバーシート(30)が持ち上げられる。したがって、積み込み及び積み下ろし機器又は車両は、ゴミ処理室(16a)の内部に達することができる。
【0048】
処理室(16a)は、持ち上げられた状態にあり、すなわち、チューブ(23)は膨らまされて、カバーシート(30)を持ち上げている。ゴミは、開口したホール壁開口部を通して、ゴミ処理室(16a)内に又はそこから運搬されることができる。
【0049】
ゴミ処理室(16b)は下降状態にある。チューブ(23)には空気はなく、したがって、カバーシート(30)はゴミ(2)の上に位置し、好気性分解プロセスを行うことができる。ホール壁開口部は閉鎖される。
【0050】
カバーシート縁(32)は、カバーシート(30)の外側の縁側境界である。ゴミ処理室(16)は、カバーシート縁(32)によってホール(5)と、また基部(50)又は取付け壁(18)と結合される。このため、カバーシート縁(32)は、固定装置(40)によって、ホール壁(6)にまた基部又は取付け壁に堅固にかつ気密に配置される。これによって、周囲環境に対し閉じたゴミ処理室(16)が形成される。カバーシート縁(32)の気密の固定により、廃空気の誤った空気流が、例えばカバーシート縁(32)とホール壁(6)との間の空気ブリッジを介してゴミ処理室(16)の内部から周囲環境に達することができないようにされる。堅固な固定は、カバーシート(30)の昇降工程の間も、カバーシート縁(32)がその固定位置に常に確実にかつ不動に留まるという観点で不動の固定であり、この結果、ゴミ処理室(16)は常にクローズドシステムとして存在する。
【0051】
ゴミ処理室(16)は、前部領域と端部領域と、その間に位置する側面領域とを有する。前部領域はホール壁(6)に接して、ホール壁開口部を囲む。前部領域のカバーシート縁(32)は、ホール壁(6)に固定される。側面領域及び端部領域のカバーシート縁(32)は、取付け壁(18)に固定される。別の実施態様では、側面領域及び端部領域のカバーシート縁(32)は、基部(50)に直接に固定される。
【0052】
昇降装置(20)は、空圧式支持構造体(22)又は機械的な高さ調整構造体(26)を含む。空圧式支持構造体(22)は、少なくとも1つの流体で充填可能で、少なくとも部分的に互いに結合された多数の支持要素(23)を備える。支持要素を充填する流体は、ガス、蒸気、液体又はガス及び液体であることが可能である。このことは、支持要素を少なくとも1つのガスで、又は少なくとも1つの液体で、又は少なくとも1つのガス及び少なくとも1つの液体で充填できることを意味する。支持要素は、少なくともガス密に形成される。好ましくは、支持要素は膨張可能なチューブ(23)である。
【0053】
図3の実施態様では、昇降装置(20)は、前部領域と端部領域とを有する半円形のトンネルを形成し、この場合、前部領域はカバーシート縁(32)を介してホール壁(6)に固定される。支持要素の態様に応じて、設置状態の装置は、例えば、立方形、ドーム形、円錐形又はピラミッド形のような任意の形状を取ることができる。
【0054】
空圧式の昇降装置(22)は、任意の多くの支持要素を備えることができる。しかし、カバーシート(30)の十分な固定を可能にするために、また装置全体に必要な安定性を与えるために、2つの支持要素が必要である。図3では、好ましくは、垂直及び水平に配置された支持要素が存在し、これらは互いに交差して配置される。支持要素は、地面に対し規定の角度で斜めにも延びることができる。
【0055】
各々の空圧式の昇降装置(22)は、少なくとも1つの流体入口(51)及び少なくとも1つの流体出口(53)を備える。一実施態様では、流体入口(51)は同時に流体出口(53)でもある。各々の支持要素は、専用の流体入口(51)及び流体出口(53)を備えることができるか、あるいは、流体がすべての支持要素を流れることができるように、支持要素が互いに結合される場合、すべての支持要素のために1つの流体入口(51)及び1つの流体出口(53)で十分である。流体入口(51)は、支持要素の開口部であり、この開口部内にファン(24)用の接続ピースが溶接される。接続ピースは、例えばPVC管であることができる。流体出口(52)は、例えばイタリア、ミラノのScoprega S.p.A社のバルブである。ファン(24)は、空圧式の昇降装置(23)の外側で流体入口(51)に接続され、少なくとも1つの流体を支持要素に供給する。
【0056】
支持要素(23)は少なくとも部分的に互いに結合され、これには、支持要素(23)がそれらの接触点で互いに直接結合される実施態様、支持要素(23)が個々の接触点でのみ互いに結合される実施態様、個々の支持要素のみが互いに結合される実施態様、あるいは支持要素(23)が、例えば結合ストリップ、結合レール又は結合コードのような補助手段を介して互いに間接的に結合される実施態様の全てが含まれる。支持要素(23)は、例えばカバーシートを介してのみ互いに結合できる。好ましくは、各々の支持要素(23)は、個々の接触点で隣接する支持要素(23)に結合される。支持要素(23)の結合により、設置状態で、安定かつ自立した構成が形成される。一実施態様によれば、支持要素(23)は、それらの交差点又は接触点で互いに重なり合っており、また水平及び垂直支持要素(23)の接触表面が互いに接着、縫合、溶接又は他の方法で互いに結合されるように、支持要素は結合される。
【0057】
他の実施態様では、支持要素(23)は、水平の支持要素の断面が垂直の支持要素の断面の内部に突出するように交差点又は接触点で互いに結合される。これによって、少なくとも1つの流体は、1つの点から支持要素(23)の構造全体を通して流れることができる。これは、1つのファン(24)のみを昇降装置に接続すれば済むので、特に有利である。さらに、この構造は、有利な圧力分布が設定されるので、特に安定している。
【0058】
別の実施態様では、垂直に設置された個々の支持要素のみが設けられ、支持要素は水平の流体管を介して互いに結合される。流体管は、切り妻壁に又は基部近傍に延びて、流体入口(51)を介して流入する流体をすべての支持要素に分配する。流体管は、流体入口(51)に印加される圧力に耐えなければならない硬質プラスチック又は金属管である。しかし、流体管は、可撓性のガス密材料からも加工できる。
【0059】
最終的に、任意の配置により、設置状態で3次元の成形物が形成される限り、あらゆる任意の配置で支持要素(23)を互いに配置することができる。
【0060】
支持要素(23)は、液体又はガスのような少なくとも1つの流体で充填可能であり、ガス又は液体が貫流可能な断面を有していなければならない。支持要素(23)の内部の考えられる補強要素は、貫流性を実質的に妨げてはならない。カバーシート(30)の十分な安定性及び支持面のために、支持要素(23)の断面は、少なくとも10cmの直径を有しなければならない。好ましくは、直径は50cmである。さらに好ましい実施態様では、支持要素の直径は、少なくとも80cm、好ましくは90cm〜110cmである。
【0061】
支持要素は、例えばチューブ又は他の中空体のような任意の3次元構造であることができる。支持要素(23)は、好ましい実施態様ではチューブである。支持要素(23)は、任意のあらゆる断面形状を有することができ、丸い断面が特に好ましい。丸い断面は、形成が簡単であり、支持要素(23)内部の最適な圧力分布を可能にする。支持要素は、例えば卵形断面も有することができる。
【0062】
一実施態様では、支持要素は、ガスで膨張可能なチューブ(23)である。ガスとして、支持要素(23)内で少なくとも200Paのゲージ圧を有する空気を使用することが好ましい。好ましくは、空気は、少なくとも10kPaのゲージ圧を有する。一実施態様では、15〜22kPaのゲージ圧で作用される。空気のほかに、ヘリウム又は他の利用可能なガスを使用することもできる。
【0063】
別の実施態様では、支持要素(23)を例えば水のような液体で満たすことができる。支持要素(22)には、液体及びガスも満たすことができ、この場合、液体を支持要素(23)の下部に導入し、ガスを支持要素(23)の上部に導入することが好ましい。この場合、下部は、例えば壁領域のような支持要素(23)の基部に近い領域を含み、上部は、例えばルーフ領域のような基部から遠い領域を含む。このことは、液体が同時に基部(50)の装置を安定化する利点を有する。
【0064】
支持要素における高すぎる圧力を防止するために、少なくとも1つのリリーフバルブ(55)が設けられる。この少なくとも1つのリリーフバルブ(55)は、例えば25kPaを超える内部圧力で開き、したがって、過剰圧力により支持要素のあり得る破壊を防止する。例えば、米国、フロリダ、セントピーターズバーグの製造業者ホールキーロバーツ(Halkey Roberts)のリリーフバルブを使用できる。
【0065】
支持要素(23)用の材料として、例えばPVCでコーティングされた基材布地のような水密かつ気密の材料が使用される。この材料は、長い寿命を可能にする程度に十分に耐候性及び酷使可能でなければならない。下降状態で支持要素(23)が潰れることができるように、材料は、可撓性であり、したがって、折り畳み可能又はドレープ性であることが好ましい。ドレープ性の特徴は、ゴミ堆積物の表面のカバーシート(30)の正確な配置を達成するため、支持要素(23)を空にする間及びその後に、装置の潰れが制御可能であるために、本発明にとって重要である。
【0066】
ゴミ処理室(16)のカバーシート(30)は、空圧式の昇降装置(20)の支持要素(23)の上側に又は下側に配置される。別の実施態様では、カバーシート(30)は支持要素(23)の間に配置され、すなわち、支持要素(23)によって円周方向に境界付けられた面が、カバーシート(30)によって占められるように配置される。
【0067】
好ましくは、カバーシート(30)は支持要素の下側にある。カバーシート(30)は、公知の固定方法により、支持要素(23)に固定することができ、これらには、押しボタン又は磁気ボタンによる、クレットキャップによる、フック又はジッパによる、結束、縫合、接着、溶接のような固定手段が含まれる。好ましくは、カバーシート(30)は、汚染又は損傷の際のカバーシート(30)の容易かつ迅速な交換を可能にするために、支持要素(23)に解除自在に取付けられる。
【0068】
一実施態様では、カバーシート(30)が支持要素(23)の下側全体を覆う。
【0069】
他の実施態様では、カバーシート(30)は、昇降装置(20)のルーフ領域の下側のみを覆う。この特に廉価な形態は、昇降装置(20)の壁領域に取り付けられる水密の保護層(56)をさらに使用する。この水密の保護層(56)は、通常、カバーシート(30)よりも廉価であり、また例えばPVCでコーティングされた基材布地のような堅固な耐磨耗性材料を有する。これにより、機械及び車両によって持ち上げられた状態における側壁の損傷に対するゴミ処理室(16)の追加保護が達成される。
【0070】
ゴミ内の有機成分の好気性分解プロセスを保証するために、ゴミ処理室内のゴミ堆積物に十分に通気するため、カバーシート(30)は、十分な空気透過性を有しなければならない。好ましくは、カバーシート(30)の空気透過性は、200Paの印加圧力差の場合に3〜100m3/m2/hである。カバーシート(30)は、10kPa超、好ましくは50kPa超の水進入圧力の場合に液密であり、この場合、水進入圧力は1MPaの高さまで上昇できる。
【0071】
カバーシート(30)の水蒸気透過抵抗Retは、15m2Pa/W未満、好ましくは10m2Pa/W未満である。カバーシート(30)は、ガス透過性及び水密性の織物、ガス透過性及び水密性の膜、あるいはガス透過性及び水密性の膜を有する積層品である。織物として、例えば高強度ポリエステル布地のような高密度にプレスした又は高密度に織った織物を使用することができる。カバーシート(30)は、昇降装置(20)の下降状態でゴミ堆積物(12)の表面に配置され、またカバーシート(30)及び支持要素(22)は、過剰な材料がゴミ堆積物(12)の周りに折り畳まれることができるように、可撓性、したがって折り畳み可能かつドレープ性の材料から製造されなければならない。
【0072】
好ましくは、液密でガス透過性のカバーシートとして、1つの膜(34)と少なくとも1つの織物層(36)とを有する積層品(40)が使用される。好ましくは、膜(34)は多孔質であり、膜の細孔は、必要なガス流量を可能にする程度に十分に大きくなければならない。膜(34)では、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン又はフルオロポリマの群からの材料が対象とされる。好ましくは、多孔質膜は、微細孔膜である。膜は、薄く、軽く、可撓性及びドレープ性である。さらに、膜は、水蒸気透過性、空気透過性及び水密である。
【0073】
好ましい微細孔膜は、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフルオロポリマ、例えばポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン及びそれらの組み合わせ、ポリカーボネート、ポリウレタンを含む。好ましくは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)製の膜が使用される。ePTFE製の膜の厚さは、5〜500μm、好ましくは15〜60μmである。
【0074】
この材料は、互いに結合された多数の開放キャビティ、大きなキャビティ容積及び大きな強度を特徴とする。延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)は、柔らかく、可撓性であり、安定した化学的性質、ガスと蒸気に対する高い透過性、及び汚染物に対し優れた排除性を有する表面を有する。低温曲げに対するその高い耐性のため、延伸ポリテトラフルオロエチレンは、すべての気候帯における使用に適切である。
【0075】
さらに、この材料はガス透過性である。気孔率及び細孔サイズは、ガス拡散が妨げられないように選択される。平均細孔サイズは、前記のコウルター(Coulter)試験に従って決定され、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmである。気孔率は、30〜90%、好ましくは50〜80%である。同時に、材料は水密である。延伸PTFEからこのような多孔質膜を製造する方法は、例えば米国特許第3,953,566号及び米国特許第4,187,390号明細書に開示されている。
【0076】
好ましくは、微細孔膜には、膜に追加の保護及び強度を付与する織物基材が設けられる。前記基材は、連続又は不連続の接着層を介して膜の表面の少なくとも一方に積層することができる。基材は、織成、編成又はニットした天然又は合成の繊維材料からなる織物の面形成物であることが有利である。スクリム及びフリースも使用できる。繊維材料として、特にポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ガラス繊維、フルオロポリマ、又はPTFEから織成された繊維が適している。基材は、大気に向かって外側方向に配置されることが意図される。代わりに、別の織物の面形成物を他の膜表面に配置できる。
【0077】
別の実施態様では、膜は疎油性にされる。膜の疎油化は、膜の気孔率が著しく低減されないように行われる。好ましくは、有機物質による湿り及び汚れを永続的に回避できるように、膜のオイルレートは>1、理想的に>5である。疎油化は、例えば独国特許第43083692号に記載されている。本発明に特に好ましいのは、疎油化されたePTFE膜である。疎油性にされた微細孔膜は、少なくとも1層の積層された織物基材層を備えることができる。織物の基材の場合、市販のフルオロカーボンコーティングを使用することによって同等の高さのオイルレートが達成される。通常、液状の疎油剤は、例えば浸漬、含浸、噴霧、コーティング、塗装、圧延によって、疎油化されるべき材料に塗布される。
【0078】
3層積層品の形態の特に好ましいカバーシートが、図4に示されている。2つの織物の基材(36)の間に、水密の水蒸気透過の膜(34)が配置される。膜は、好ましくはePTFEからなる微細孔膜である。膜の細孔サイズは、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmである。このように小さな細孔サイズにより、微生物及びバイオエアロゾルが外部に到達することが防止される。同時に、周囲環境との十分なガス交換が確保される。このような積層品は、例えばWO第01/21394A1号に記載されており、ミュンヘン近郊のPutzbrunn、W.Lゴア&アソシエーツ(W.L.Gore&Associates)有限会社をとおしてGore(登録商標)−Coverの名前で入手可能である。
【0079】
図5は、カバーシート(32)の実施態様を示している。このために、カバーシート(30)の外縁に平坦な補強ストリップが固定される。この補強ストリップは、カバーシート縁(32)を形成し、例えば両側がPVCでコーティングされたポリエステル織物による平坦なストリップによって形成される。補強ストリップは、その頑丈な材料構造のため固定装置に対し非常に抵抗力がある。このストリップは、補強ストリップが昇降工程中に応力によってカバーシート(30)から引き裂かれることを特に阻止するために、カバーシート(30)の外縁に沿って例えば複数の縫い目(33)により固定される。縫い目の代わりに、ストリップを取り付けるための接着又は溶接のような方法も利用することができる。
【0080】
図6は、図3のゴミ処理プラント(1)の切断線VI−VIによる切断面を示している。ゴミ処理室(16a)と(16b)との間に、ホール(5)が位置する。ホール(5)のルーフには、ホールの内部に新鮮空気を供給するための空気開口部(11)がある。ゴミ処理室(16a)と(16b)は、閉鎖可能なホール壁開口部(7)を介してホール(5)とそれぞれ結合される。ホール壁開口部(7)は、例えば回転ゲートの形態のドア(10)によって閉鎖可能である。ゴミ処理室(16a)は、持ち上げられた状態で示されている。カバーシート(30)は、昇降装置(20)によって持ち上げられ、ゴミ堆積物(2)の上方に間隔を空けて存在する。ホール壁開口部(7)は開放され、この結果、ゴミ堆積物の積上げ又は除去のため、例えばホイールローダが乗り入れることができる。ゴミ処理室(16b)は下降状態にあり、したがって、昇降装置(20)は下降され、カバーシート(30)はゴミ堆積物を直接覆う。ホール壁開口部(7)が閉鎖されている。
【0081】
各々の処理室(16a、16b)のそれぞれのカバーシート縁(32)は、固定装置(40)によってホール壁(6)にまた取付け壁(18)に固定される。固定装置(40)は、カバーシート縁(32)をホール壁(6)にまた基部(50)に堅固にかつ気密に配置するために使用される。固定装置(40)は、例えばねじ、釘、ピン、クランプ、リベットのような固定要素を含み、これらの固定要素は、カバーシート縁(32)を通って、ホール壁(6)又は取付け壁(18)あるいは基部(50)に平坦にまた気密に固定される。したがって、カバーシート縁(32)は昇降工程中も、その固定位置に固定されて不動のままであり、したがって、ゴミ処理室(16)全体は周囲環境に対し閉鎖されたままである。さらに、固定装置(40)を用いたカバーシート縁(32)の配置は、気密であり、すなわち、誤った空気、したがって有害な放出物は、ゴミ処理室(16)の内部から逃れることができない。
【0082】
したがって、ゴミ処理室全体は粒子を通さず、このことは、>0.3μmの粒子が、カバーシートを通して、またカバーシートとホール壁又は取付け壁との間の結合部を通してもゴミ処理室を離れることができないことを意味する。ホール壁開口部(7)の開放時にのみ、有害な放出物がホール内部に逃れることができるが、そこで、有害な放出物が吸引され、廃空気処理に供給される。
【0083】
壁部及び基部の表面の凹凸のため、ならびに壁部又は基部に配置する際のカバーシート縁(32)のしわ形成のため、形状適応性を有する材料からなる少なくとも1つのシール層(42)をカバーシート縁(32)と壁部又は基部との間に配置することが必要である可能性がある。シール層は、ゴミ処理室(16)をホールに気密に固定するため、壁部又は基部の凹凸を補正し、除去するために使用される。シール層又は形状適応性を有する材料(42)を用いて、壁部(6、18)とカバーシート縁(32)との間の気密の形状結合を形成するべきである。これによって、カバーシート縁(32)の固定部の内部に空気ブリッジが形成されて誤った空気がゴミ処理室の内部から周囲環境に達することが防止される。一実施態様では、形状適応性を有する材料は、例えばゴム又は発泡材のような弾性及び軟質の材料である。形状適応性を有する材料として、発泡材、ゴム、コーティングされた基材、ポリマストリップ、コーティングされた繊維を含む材料群からの可撓性材料を選択することができる。固定装置(40)の形態が図7〜図9に示されている。
【0084】
別の実施態様では、ホール(5)の基部に多数の第1の基部開口部(52)が設けられる。ホール換気装置(4)に追加して、第1の基部開口部(52)を通してホール(5)から空気を排出することができる。ゴミ処理室(16a、16b)の内部の基部に、多数の第2の基部開口部(54)が設けられる。この基部開口部は、ゴミ堆積物が通気されるように、別個のファン(60)を介してゴミ処理室内に空気を導くために使用される。
【0085】
別の実施態様では、空気は、第1の基部開口部(52)を介してホール(5)から吸引され、基部通路を介して第2の基部開口部(54)に供給される。原則として、個々の各々のゴミ処理室に個々のファン(60)が付設され、これらのファンにより、好気性処理プロセス中に空気が、あるいは必要な場合、ゴミ処理室(16)の内部に廃空気が導かれる。したがって、吸引されたホール空気をゴミの通気のために使用することができる。次に、この空気は、カバーシート(30)のガス透過性の膜(34)を通して再び周囲環境に達する。その時、空気の浄化が膜の孔構造で行われる。
【0086】
図6Aは、持ち上げた状態の図6のゴミ処理室(16a)の拡大図を示している。空圧式の昇降装置(22)は空気で充填され、またホール壁開口部7は、ゴミ処理室(16a)を充填又は空にするために開放される。第2の基部開口部(54)は、通気用空気の供給に使用される。ホール(5)からの汚染された空気は、ホールファン(4)により第1の基部開口部(52)を通ってホール(5)の内部から吸引され、排気フィルタ(3)で浄化した後に周囲環境に放出される。
【0087】
図6Bは、下降状態の図6のゴミ処理室(16b)の拡大図を示している。空圧式の昇降装置(22)のチューブ(23)に空気はなく、このため、カバーシート(30)はゴミ(2)のすぐ上に位置する。ホール壁開口部(7)はドア(10)を用いて閉じられている。ホール(5)の内部から吸引された廃空気は、通気用空気として、第2の基部開口部(54)を経由してゴミ処理室(16b)内に導かれる。
【0088】
図7は、図6の領域Aの固定装置(40)の実施態様の拡大図である。ホール壁(6)とカバーシート縁(32)との間に、形状適応性を有する材料(42)からなるシール層が配置される。この材料は、カバーシート縁(32)とホール壁(6)との間に空気通路が形成されないように、ホール壁(6)の凹凸を補正するために使用される。シール層は、一実施態様では、耐久性を有し変形可能なPVC薄片であり、例えば10cmの幅の平坦なストリップとして存在する。カバーシート縁(32)には、プレート(46)が配置され、このプレートは、カバーシート縁(32)及びシール層(42)に対する平坦な接触圧を保証するために、他の層と共にホール壁(6)にねじ留めされる。このプレート(46)は、固定ボルト(44)用に規則的に配置された開口部を有する金属板であることができる。ねじ(44)は、プレート(46)、カバーシート縁(32)及びシール層(42)を通してホール壁(6)に固定される。ねじを締めることにより、金属プレートは、カバーシート縁(32)とシール層(42)とを平坦に押し、層をホール壁(6)に対し堅固に押圧する。ホール壁(6)とカバーシート縁(32)との間に気密の形状結合が形成される。取付け壁(18)の領域で、カバーシート縁(32)は、同一の上述の固定構造に従って、それぞれの取付け壁に気密にかつ堅固に固定される。同一のことが基部(50)の固定に当てはまる。
【0089】
図8は、図6の領域Aの固定装置(40)の別の実施態様の拡大図を示している。この場合、カバーシート縁(32)は、図5による補強ストリップによって形成される。補強ストリップは十分な強度を有し、この結果、プレート(46)を省略することができる。したがって、ねじ(44)は、補強ストリップ(32)及びシール層(42)をホール壁(6)に気密に固定する。
【0090】
図9は、図6の領域Bの固定装置(40)の別の実施態様の拡大図を示している。配置は、大部分は図7に同じであるが、当然、層は、ホール壁開口部(7)及びホール壁(6)の内側に直角に固定される。
【0091】
図10は、固定装置(40)の別の態様を示している。ホール壁開口部(7)の形状に合致するフレーム(48)に、カバーシート縁(32)が気密に挟持される。フレーム(48)は、ホール壁開口部(7)内に気密に嵌合される。この態様により、ホール壁(6)におけるカバーシート(30)の特に簡単な固定方法が達成される。残りのカバーシート縁は、水平に形成された挟持フレーム(49)によって、基部(50)に又は取付け壁に固定することができる。
【0092】
図11と図12は、機械的な高さ調整構造体(26)の形態の昇降装置(20)を備える処理室(16)を有するゴミ処理プラント(1)を示している。好ましくは、この構造体(26)は金属、特にステンレス鋼から構成される。このため、進入壁(18)に、テレスコープ状に引き離し可能な梁(27)が固定される。梁(27)は、支持棒(28)で、高さ調整可能な架台に結合される。架台の内側又は外側に、ゴミ処理室(16)を形成するカバーシート(30)が固定される。図11では、梁(27)は引き離され、カバーシート(30)は持ち上げられて、ゴミ堆積物の上方に間隔を空けて存在する。カバーシート縁(32)は、ホール壁(6)及び取付け壁(18)の上述の固定装置(40)と堅固にかつ気密に固定される。図12では、梁(27)は押し入れられ、ゴミ処理室(16)は、カバーシート(30)がゴミ堆積物の上に位置して、好気性処理プロセスを加速するように下降状態にある。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明によるゴミ処理プラントの概略図である。
【図1A】図1のゴミ処理室16aの概略拡大図である。
【図1B】図1のゴミ処理室16bの概略拡大図である。
【図2】本発明によるゴミ処理プラントの概略平面図である。
【図3】ゴミ処理プラントの斜視図である。
【図4】ゴミ処理室のカバーシートの断面図である。
【図5】カバーシート縁の実施態様の図面である。
【図6】図1のゴミ処理プラントの概略断面図である。
【図6A】図6のゴミ処理室16aの概略拡大図である。
【図6B】図6のゴミ処理室16bの概略拡大図である。
【図7】図6の領域Aの固定装置の実施態様の拡大図である。
【図8】図6の領域Aの固定装置の別の実施態様の拡大図である。
【図9】図6の領域Bの固定装置の別の実施態様の拡大図である。
【図10】固定装置の別の実施態様の図面である。
【図11】機械的な高さ調整構造体付きの処理室を有するゴミ処理プラントの図面である。
【図12】機械的な高さ調整構造体付きの処理室を有するゴミ処理プラントの図面である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的に分解可能な部分を有する例えばゴミ内の有機材料の生物学的な好気性分解に関する。特に、本発明は、水及び粒子を通さないが、空気及び水蒸気を透過するカバーシートを有する閉構造のゴミ処理プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴミ処理の分野では、固形都市ゴミの生物学的成分を乾燥及び好気性分解するための種々の装置及び方法が知られている。好気性ゴミ処理に関して長い間存在する問題は、その際に発生する廃空気であり、この廃空気は、エアロゾル、塵埃、微生物、VOC(揮発性有機化合物)のような有害な放出物を高い割合で含み、また健康上の不都合を引き起こすことがある、地域的放出限界値に従う臭気物質を含む。多くの簡単なゴミ処理用プラントでは、微生物放出制御及び臭気制御について問題があるが、この理由は、発生するガスのすべてが妨げられずに周囲雰囲気に逃れることができるからである。
【0003】
この問題を取り除くために、数年来、好気性ゴミ処理がクローズドシステムで実施され、このことは、容器、腐敗トンネル又はボックスのような構造上閉鎖した建物におけるコンポスト化を含む。このようなクローズドシステムは、廃空気は建物内に留まり、そこから適切に吸引されるので、気密とされる。このクローズドシステムで不都合なことは、このような装置の調達の際の高い投資コスト、同時に、システム内部に発生する廃空気の排出及び浄化のために生じる高いコストである。バイオフィルタ又はバイオ洗浄機による廃空気処理のためのコストは非常に高い。
【0004】
閉鎖プラントの代わりに、数年来、積み上げられたゴミ堆積物を完全に覆う大きな面積の透過性のカバーシートが使用されている。このカバーの透過性は、ゴミ堆積物が積極的に通気されることができ、同時に、微生物放出の防止及び臭気低減も得られることができるように選択される。例えば、独国特許第4231414C2号は、水密でガス透過性の積層された膜を有するコンポスト堆積物用のカバーを記載している。しかし、このようなカバーは、様々な不都合を有する。ゴミ堆積物の載置及び被覆が時間的に連続して生じることは、すなわち、カバーシートを堆積物の上方に引くことがきる前に、堆積物は最初に部分的又は完全に載置されていなければならない。開放されたカバーされていない堆積物の上に空気が自由に流れている限り、このことは望ましくない放出をもたらす。さらに、除去用の装置がゴミ堆積物に自由にアクセスするために、及びカバーに損傷を生じさせないために、堆積物を除去するためにはカバーを堆積物から取り除く必要がある。カバーを除去することによって、再び望ましくない放出が生じる。頻繁に、送られてきたゴミは、分別、粉砕又は混合のような前処理を受けなければならない。この前処理の後、ゴミは敷地を通して開放して運搬されて堆積され、この際に、同様に望ましくない汚染を周囲環境に放出する。
【0005】
他方で、カバーを設置しまた取り除く際に、少なくとも部分的に手動による複雑な取り扱いにより、著しい人件費が生じる。カバーの取り扱いは、堆積物の山の高さが高いと、なお困難になる。さらに、カバーを押さえ付けるための縁部の重し、例えば水を満たした消防ホース及びサンドバッグを除去し、その後に再び配置しなければならない。カバーシートを取り付けまた引き抜くために機械的な巻取り機械を使用する場合には、好適には少なくとも2人の人間が必要である。さらに、カバーを巻き上げ及び広げることにより、カバー材料の損傷が生じ、これにより、特に膜材料の場合、カバーの機能性が大きく低下することがある。また、作業中の安全の観点からも、ゴミ堆積物上のカバーシートに伴う作業は、担当作業者にとって問題なしには済まない。一方で、堆積物を踏み付けまた跨ぐ際に事故の危険がある。他方で、堆積物にカバーがされていない場合、作業者は、カバーすべき材料及び流出する放出物と直接接触し、これにより、作業者の健康が損なわれる危険がある。
【0006】
発展形態では、カバーシートに、膨張可能な支持要素が装備され、この支持要素により、カバーシートを堆積物から取り除く必要なしに、腐敗堆積物を積み重ねまた取り除くためにカバーシートを昇降させることができる。しかし、この場合も、腐敗堆積物の積み上げ及び取り除きの間、堆積物への自由なアクセスが存在しなければならず、またこのときに、有害な放出物が妨げられずに周囲空気に達することができるので、流出する放出物の問題が残る。法的規制ならびに国家及び地域認可官庁から、将来、クローズドシステムが優先される傾向を読み取ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、ゴミ内の有機構成成分の好気性分解のための改良されたより廉価なゴミ処理プラントであり、前記ゴミ処理プラントは同時に周囲環境に対し閉じたシステムである。さらに、本発明の課題は、堆積物の積み上げ及び取り除きの際にも周囲環境への有害な放出を回避する堆積物カバーを用いたゴミ処理プラントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、本発明によれば請求項1の特徴によって解決される。従属請求項により、本発明の有利な実施態様が付与される。
【0009】
上記課題は、少なくとも1つのホール壁とホール屋根とゴミを投入し及び取り出すための入口とを有するホールと、ホールからまたホールに空気を供給及び排出するための通風及び排気装置と、ホール壁の外側に配置された、ゴミ内の有機構成成分の好気性分解のための少なくとも1つのゴミ処理室と、を有するゴミ処理プラントによって解決される。ホールは、ホールからゴミ処理室にゴミを投入するために、また処理したゴミをゴミ処理室からホール内に取り除くために使用されるホール壁開口部を介してゴミ処理室と結合される。ゴミ処理室は、昇降装置が装備されたカバーシートによって形成される。カバーシートは、ホール壁と基部とに対し固定装置によって堅固にかつ気密に配置されるカバーシート縁を備える。
【0010】
本発明によるゴミ処理プラントは、クローズドシステムを形成し、また閉じたホールと堆積物カバーとを結合して統一的なシステムを形成する。このようなプラントにより、特に、有害な放出物と周囲空気との接触が回避されるように、ゴミを供給部から、前処理及び引き続く好気性処理を介して引渡しまで、周囲環境に対し閉じた空間に保持することが可能である。
【0011】
このプラントにより、好気性処理は、ホールから隣接するゴミ処理室に移行される。ホール壁開口部は、閉鎖可能であり、例えば、ドア又はゲートにより、ゴミ処理室はホールの内部から気密に分離される。ゴミ処理室を充填又は空にするためにのみ、ホール壁開口部が開かれ、処理の持続時間全体の間、ホール壁開口部は閉鎖されたままである。これによって、ホールの寸法を相当小さくし、製造できる。ホールは、ゴミを受け入れるために、また例えば粉砕又は混合のような場合によっては必要な処理作業のために、必要とされるに過ぎない。したがって、設備全体の投資コストは低下する。とりわけより小さなホールによって、必要とされる通気及び排気容量が小さくなる。これと関連して、より小さな、したがってより廉価なホール排気システムが提供される。同様に、引き続くバイオフィルタの寸法を小さくすることができる。処理すべき廃空気の量は、従来技術の閉じたプラントの場合よりもはるかに小さいので、本発明によるプラントの投資及び運転コストが低減される。さらに、ホールは集中的な好気性の処理工程のためにもはや使用されないので、ホールは、はるかに長い寿命を有する。
【0012】
一実施態様では、カバーシートは、水密でガス透過性の膜を備える。膜は、内側方向及び外側方向に対する保護障壁として作用する。膜は、内側方向への水の進入を防止し、強い日光入射の際の脱水を防止する。膜は、外側方向への微生物放出を防止し、臭気の流出を防止し、またそのガス透過性に基づき、カバーシートに対する圧力増加が生じることなく、ゴミ処理室内で好気性分解によって発生したC02及び空気が膜を通して逃れることができるようにする。ゴミ処理室からの廃空気は、特に吸引する必要はないが、この理由は、廃空気がガス透過性の膜を通して予め浄化されて、周囲環境に放出されるからである。膜の孔構造により、廃空気からのすべての有害な成分の濾過が行われる。水密でガス透過性の膜は多孔質であることが好ましい。膜の多孔質形態のため、カバーシートは、200Paの圧力差で3〜100m3/m2/hの空気透過度を有する。
【0013】
さらに、膜を有するカバーシートは20m2Pa/W未満の水蒸気透過抵抗を有し、これによって、カバーシートを通り抜ける高い水蒸気透過性を保証する。この小さな水蒸気透過抵抗により、湿った材料の乾燥又は発生するプロセス水の搬出が可能である。ゴミの塊状化及び水分増加、及びこれに関連する誤ったプロセスが防止される。水蒸気透過ならびに空気透過度により、処理すべきゴミが十分に通気され、すなわち、酸素が十分に供給され、反応生成物が増圧なしに逃れることができることが保証される。さらに、膜を有するカバーシートは、10kPaよりも大きな水進入圧力では水を通さない。
【0014】
このことにより、降水による湿潤が防止される。膜は、少なくとも1つの織物層と結合されることが好ましい。織物積層品を使用することが特に有利であるが、この理由は、多孔質膜の水密性が高いことと同時にガス透過性であることとならんで、臭気及び微生物のような放出を同時に抑制するために特に適しているからである。
【0015】
カバーシートの高さを調整するために、ゴミ処理室のカバーシートに昇降装置が装備される。高さ調整は、ホイールローダ又は伸縮可能な送出ベルト、推進フロア又はスクレーパフロア又は同様の技術によって処理室を充填又は空にするために必要である。このことは、ゴミ処理室を充填又は空にするために、機器又は機械がゴミ処理室内を走ることができるように、カバーシートが、ゴミに対し十分に大きな間隔になければならないことを意味する。
【0016】
好気性処理プロセスの間、カバーシートが処理すべきゴミの上に位置することが有利である。これによって、好気性分解プロセスが加速され、カバーシートを通した水蒸気透過に有利である。この理由から、好気性処理中にカバーシートが下降され、ゴミの上に直接位置する。カバーシートの昇降は、カバーシート縁を除き行われる。カバーシートの昇降中に、ゴミ処理室がクローズドシステムのままであるように、カバーシート縁は、ホールと基部とに対し固定装置によって堅固にかつ気密に配置される。固定装置は、ゴミ処理室の前方領域のカバーシート縁をホール壁の外側に固定する。ゴミ処理室の側面領域及び端部領域のカバーシート縁は、固定装置によって基部に又は取付け壁に直接固定される。この関連で、気密とは、廃空気がプラントの内部から固定部を含むホールと処理室との間の結合部を介して、基部に逃れることができないことを意味する。堅固な固定とは、カバーシート縁が、ホール壁及び基部に又は取付け壁に不動に固定されることを意味する。昇降工程中、カバーシートは動くが、カバーシート縁は動かない。
【0017】
一実施態様では、空圧式昇降装置が設けられ、この場合、空圧式昇降装置は多数の膨張可能なチューブを用意する。持ち上げられた装置の状態は、加圧空気が充填されたチューブによって実現される。これによって、カバーシートが持ち上げられ、処理すべきゴミを盛り上げるか又は積み重ねることができる走行可能なホール又は空間を形成する。装置の下降状態では、チューブは本質的に空気を含まず、すなわち、チューブは空であり、カバーシートがゴミの堆積物を覆う。したがって、カバーシートは、通常の堆積物カバーのようにゴミの上に位置する。
【0018】
別の実施態様では、チューブは液体で充填される。
【0019】
固定装置は、例えばボルト、クランプ、釘、リベット又はテンション装置のような固定要素を含み、この場合、ホール壁及び基部又は取付け壁の固定は、平坦にかつ密接して行われる。
【0020】
特に、ゴミ処理室は、周囲環境に対し粒子を通さないように形成される。
【0021】
固定装置は、形状適応性を有する材料を含むことが有利である。この形状適応性を有する材料は、カバーシート縁とホール壁との間に、ならびにカバーシート縁と基部との間に配置される。前記材料は、誤った空気が壁部及び基部の空気ダクト又は空気ブリッジを介して、プラントの内部から周囲環境に侵入しないように、壁部及び基部の凹凸を補正する機能を有する。したがって、プラント全体の誤った空気率が削減される。形状適応性を有する材料として、簡単に変形可能なすべての可撓性材料を使用することができる。例えば、好ましくは水密に被覆されるか又は疎水性が施された発泡材又はゴムのような弾性プラスチック、布地、ニット製品又はフリースのような繊維材料を使用することができる。形状適応性を有する材料は、ストリップ又はバンドとして平坦に使用することができ、可能な通路、溝、割れ目、開口部及び他の湾曲部を気密に充填するために、材料が十分に存在する限り、シール紐も使用することができる。シールすべき開口部の大きさ及び深さに応じて、材料を単層又は複層で導入すべきであろう。
【0022】
一実施態様では、カバーシート縁が気密に挟持される挟持フレームが設けられる。挟持フレームそれ自体は、ホール壁開口部内に気密に挟持されるか、あるいは他の公知のすべての方法により固定され、ならびに基部又は取付け壁に然るべく固定される。
【0023】
本発明の別の利点及び特徴は、図面及び特別な実施態様の次の説明で明らかにされる。
【0024】
定義及び試験方法
通風及び排気装置: 生物学的ゴミ処理プラントの排ガス内の放出に関連する大気汚染の放出を低減するための、特に臭気物質、環境関連のガス、有機物質及び粉塵用の放出制限のための、及び生存及び増殖能力のある微生物を低減するための(排ガス浄化)装置。
【0025】
ゴミ処理プラント: 生物学的に分解可能な部分を有する都市ゴミ又は他のゴミが、生物学的方法により、又は生物学的方法と物理的方法との組み合わせにより処理されるゴミ処理プラント。特に、このプラントには、好気性条件の下のゴミの生物学的処理のための装置が含まれる。
【0026】
放出は、生物学的ゴミ処理プラントに起因する大気汚染である。ゴミ処理プラントの排気流は、例えばドイツに関し2002年7月24日の連邦環境保護法(TA空気)に決定された規定の放出限界値を遵守しなければならない。放出とは、要約すると、粉塵、エアロゾル、臭気、微生物、カビの胞子、種子又は他の同様の放出物の流出と理解される。
【0027】
水進入圧力試験: 水進入圧力試験は、実質的に、水がサンプル材料の一方の側に対し加圧され、サンプル材料の他方の側が水の通過に対し観察されることに基づく静水圧試験である。水圧は、100cm2の面積のサンプル材料に対し20±2℃の蒸留水を圧力を増大しつつ適用する試験方法に従って測定される。水の上昇圧力は、60±3cmH2O/minである。その際の水圧は、水が試料の他の側に現れる圧力である。正確な手順は、1981年のISO規格No.811(1981)に定められている。「水密」とは、材料が、少なくとも10kPaの水進入圧力に耐えることを意味する。
【0028】
「多孔質」とは、材料の内部構造を通して極めて小さな顕微鏡的な細孔を有する材料と理解され、これらの微細孔は、材料の一方の表面から他方の表面まで、互いに結合した連続結合部又は経路を形成する。したがって、微細孔の寸法によれば、材料は空気及び水蒸気に対し透過性であるが、液状水は微細孔を通過できない。微細孔のサイズは、Hialeah, Floridaのコウルターエレクトロニクス社(Coulter Electronics Inc.)製のコウルターポロメータ(Coulter Porometer)(登録商標)により測定できる。コウルターポロメータ(Coulter Porometer)は、ASTM規格E1298−89に記載されている方法に準拠して多孔質媒体の細孔サイズ分布を自動測定する機器である。しかし、細孔サイズは、全ての入手可能な多孔質材料について、コウルターポロメータ(Coulter Porometer)で測定できない。このような場合、細孔サイズは、例えば光学顕微鏡又は電子顕微鏡のような顕微鏡を用いても測定できる。微細孔膜を使用する場合、微細孔膜の平均細孔サイズは、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmである。
【0029】
水蒸気透過抵抗Ret: Ret値は、面形成物又は複合材料の特定の材料特性であり、一定の分圧勾配における所定の表面を通過する潜熱蒸発流を決定する。150(m2×Pa)/W未満の水蒸気透過抵抗Retを有する材料は、「水蒸気透過性」であると定義される。好ましくは、面形成物は、20(m2×Pa)/W未満のRetを有する。水蒸気透過度は、ホーエンシュタイン(Hohenstein)MDM乾燥法によって測定され、この方法は、Bekleidungsphysiologisches Institut e.V.Hohensteinの標準試験規則No.BPI1.4(1987年)に記載されている。
【0030】
空気透過度: 空気透過度は、面形成物1m2当たりm3/hで表され、チューリッヒのTextest Instrumentsの空気透過度試験器(FX3300)を用いて測定される。空気透過度は、ISO9237(1995年)に準拠して測定される。200Paの印加圧力差の際に3〜100m3/m2/hの空気透過度を有する材料が、「空気透過性」とされる。
【0031】
気密: 気密とは、本発明の枠内において、カバーシート縁とホール壁又はカバーシート縁と基部又は取付け壁の結合箇所で、空気が内側から外側に達しないことを意味する。このことは、プラントの運転中に、小さな圧力を印加することによって制御される。気密のプラントは、検査すべき位置で霧及び蒸気ガスを提示しない。人工霧による検査も当然可能である。気密とは、本発明の枠内では粒子不透過を含む。
【0032】
カバーシート縁: カバーシート縁は、カバーシートの縁側の境界であり、カバーシート全体の周りに延びる。
【0033】
粒子不透過: ゴミ処理室は、>0.3μmの微粒子の分離を可能にする限り、粒子不透過とされる。微粒子とは、例えば粉塵、胞子、花粉又はエアロゾルのような固体又は液体形態の風媒微粒子と理解される。
【0034】
次に、図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明によるゴミ処理プラント(1)の正面図を示している。ゴミ処理プラント(1)は、少なくとも1つのホール壁(6)と、ホール屋根(9)と、入口(12)とを有するホール(5)から構成される。側方のホール壁(6)の外側(8)には、それぞれ、多数のゴミ処理室(16)が配置されている。ホール屋根(9)には開口部(11)が配置され、これを通して、空気がホール(5)の内部に達する。入口(12)は、周囲環境とゴミ処理プラント(1)との間の接続部であり、正面側のホール壁(6)に閉鎖可能に配置されることが好ましい。入口(12)を通して、ゴミ(2)がゴミ処理プラント(1)に投入されまた除去される。例えば、入口(12)は、回転ゲート又は自動開閉するドアによって実現される。
【0036】
ホール(5)は、処理すべきゴミ(2)がゴミ処理室(16)において固有の好気性分解プロセスを受ける前に、処理すべきゴミの収容、前処理及び分配のために使用される。必要ならば、ゴミ(2)は、ホール(5)で粉砕され、混合され及び/又は分別される。次に、ゴミ(2)は、少なくとも1つのゴミ処理室(16)でゴミ堆積物に構成される。各々のゴミ処理室(16)で、その中に積み重ねられたゴミ(2)の有機成分の好気性分解が行われる。好気性処理プロセスに続き、処理されたゴミは、再びホール(5)内に運搬され、またホールから入口(12)を通して運搬される。1つのみのゴミ処理室(16)をホール壁(6)に配置することも可能である。一実施態様では、全体で6つのゴミ処理室、それぞれ3つのゴミ処理室が互いに並んで設けられる。ゴミ処理室(16)の数は任意であり、ゴミ処理プラント(1)の規模及び処理量に左右される。
【0037】
ホール(5)とゴミ処理室(16)との間に、ホール(5)の内部とゴミ処理室(16)の内部とを結合する閉鎖可能な開口部(図示せず)の形態のゲートがホール壁(6)に設けられる。このホール壁開口部は、ホール(5)からゴミ処理室(16)にゴミ(2)を投入するために、また分解したゴミをゴミ処理室(16)から取り除いてホール(5)内へ移動するために使用され、またホイールローダ、回転フロア、送出ベルトのような積み込み及び積み下ろし用車両又は機器が開口部を通過できるように、十分に大きくあるべきであろう。ホール壁開口部は、例えば回転ゲートを用いて閉鎖可能であり、実際に、ゴミ処理室(16)の積み込み及び積み下ろしためにのみ開放されるべきである。これによって、ゴミ処理室内の好気性分解プロセスが最適に進行し、有害な放出物は、ゴミ処理室(16)からホール(5)に達することができない。好ましくは、開口部はホール(5)に対し気密に閉鎖可能である。
【0038】
一実施態様では、個々のゴミ処理室(16)の側方を境界付ける取付け壁(18)が設けられる。取付け壁(18)は、基部(50)に設置され、2.50m〜3mの最大高さを有する。好ましくは、取付け壁(18)の高さは2m〜2.50mである。
【0039】
ゴミ処理室(16)は、昇降装置(20)が装備されるカバーシート(30)をそれぞれ備える。一実施態様では、昇降装置(20)は、空圧式支持構造体(22)によって、例えば膨張可能なチューブ(23)から形成される。ゴミ処理室(16)で、好気性処理プロセスが行われる。このため、ゴミ処理室(16b)は下降された状態にあり、すなわち、昇降装置(20)は下降されており、この結果、固定されたカバーシート(30)は、処理すべきゴミのすぐ上に位置する。対向するホール壁(6)において、ゴミ処理室(16a)は設置状態で示され、すなわち、昇降装置(20)及びそれに固定されたカバーシート(30)が持ち上げられている。持ち上げ工程によって、積み込み及び積み下ろし機器又は積み込み及び積み下ろし車両を容易に取り扱うことができる空間が形成される。したがって、ホール壁開口部を通して、ゴミ(2)を空間内に運搬するか又は空間から運搬することができる。
【0040】
カバーシート(30)は、固定装置(40)によって、ホール壁(6)に及びゴミ処理室(16)を画定する取付け壁(18)に堅固にかつ気密に配置されるカバーシート縁(32)を有する。取付け壁が存在しない場合、カバーシート縁(32)は基部(50)に直接に気密固定される。
【0041】
図1Aは、持ち上げた状態の図1のゴミ処理室(16a)の拡大図を示している。ゴミ処理室(16a)は、昇降装置(20)が装備されるカバーシート(30)によって形成される。一実施態様では、昇降装置は、空圧式の高さ調整構造体(22)であり、膨張可能なチューブ(23)によって形成される。チューブには、ファン(24)を介して空気が供給される。カバーシート縁(32)は、固定装置(40)によってホール壁(6)の外側(8)にまた取付け壁(18)に固定される。
【0042】
図1Bは、下降状態の図1のゴミ処理室(16b)の拡大図を示している。空圧式昇降装置(22)のチューブ(23)には空気は入っておらず、この結果、カバーシート(30)はゴミ堆積物のすぐ上に位置する。
【0043】
図2は、図1のゴミ処理プラント(1)の平面図を示している。ホール(5)には、放出物で汚染された空気をホール(5)の内部から吸引するホールファン(4)が接続される。ホール屋根(9)には、空気供給開口部(11)が取り付けられ、これを通して、清潔な空気がホール(5)内に流れることができる。空気供給開口部(11)は、ホールの任意の場所に設けることができる。ホール入口(12)の開放によっても、新鮮空気の供給が行われる。ホール(5)では、恒常的な負圧が発生され、このことは、ホール(5)内の空気圧が大気圧よりも小さいことを意味する。これによって、汚染された空気が制御されずに周囲環境に逃れることが防止される。ホールファン(4)は、排気フィルタ(3)、例えば、吸引されたホール空気を浄化するバイオフィルタと結合される。ホールファン(4)及び排気フィルタ(4)は、排気浄化装置を共に形成する。
【0044】
向かい合う側方のホール壁(6)のそれぞれの外側(8)に、それぞれ複数のゴミ処理室(16)が熊手状又は端子形状に配置される。各々のゴミ処理室(16)は、昇降装置(20)を備える。
【0045】
図3は、向かい合う側壁(6)にホール(5)とそれぞれ3つの連結されたゴミ処理室(16)とを有する、本発明によるゴミ処理プラント(1)の実施態様の斜視図を示している。ホール(5)は、少なくとも1つのホール壁(6)、ホール屋根(9)及びホール入口(12)により構成される。ホールファン(4)は、ホール(5)の前面に配置され、ホールから廃空気を吸い出す。プラント(1)の規模に応じて、複数のファン及びバイオフィルタを設けることができる。ホール屋根(9)では、空気供給開口部(11)は、ホール(5)の新鮮な周囲空気のために使用される。側方のホール壁(6)の外側(8)に、それぞれ3つのゴミ処理室(16)が連結される。各々のゴミ処理室(16)は、カバーシート縁(32)を有するカバーシート(30)によって形成される。さらに、各々のゴミ処理室(16)は、基部側で取付け壁(18)によって境界付けられる。取付け壁(18)は、ゴミ処理室(16)の外側の側方境界として使用され、同時に、ゴミ処理室(16)内又はそれからのゴミの運搬が容易になり、取付け壁(18)の間のゴミ堆積物へのゴミの積み重ねが簡単になる。前方のゴミ処理室(16a)は、持ち上げた状態で示され、残りのゴミ処理室(16b)は下降状態で示されている。
【0046】
図示した実施態様では、カバーシート縁(32)は、固定装置(40)によってホール壁(6)にまた取付け壁(18)に固定される。カバーシート(30)には、膨張可能なチューブ(23)の形態の空圧式昇降装置(22)が装備される。各々のゴミ処理室(16)とホール(5)との間に、それぞれ、ホール(5)の内部とゴミ処理室(16)の内部とを結合するゲート開口部(図示せず)がホール壁(6)に設けられる。ゲート開口部は主に閉じられており、ゴミ(2)又は処理されたゴミがゴミ処理室(16)内に又はそこから運搬されるときにのみ開放されるべきである。
【0047】
各々のゴミ処理室(16)は、カバーシート(30)の昇降装置(20)に基づき2つの状態を取ることができる。好気性処理プロセスのため、ゴミ処理室(16b)は下降状態にあり、このことは、カバーシート(30)がゴミのすぐ上に位置することを意味する。ゴミ処理室(16a)を充填又は空にするためにのみ、ゴミ処理室は、持ち上げられた状態にある。昇降装置(20)が持ち上げられ、これによって、装置に結合されたカバーシート(30)が持ち上げられる。したがって、積み込み及び積み下ろし機器又は車両は、ゴミ処理室(16a)の内部に達することができる。
【0048】
処理室(16a)は、持ち上げられた状態にあり、すなわち、チューブ(23)は膨らまされて、カバーシート(30)を持ち上げている。ゴミは、開口したホール壁開口部を通して、ゴミ処理室(16a)内に又はそこから運搬されることができる。
【0049】
ゴミ処理室(16b)は下降状態にある。チューブ(23)には空気はなく、したがって、カバーシート(30)はゴミ(2)の上に位置し、好気性分解プロセスを行うことができる。ホール壁開口部は閉鎖される。
【0050】
カバーシート縁(32)は、カバーシート(30)の外側の縁側境界である。ゴミ処理室(16)は、カバーシート縁(32)によってホール(5)と、また基部(50)又は取付け壁(18)と結合される。このため、カバーシート縁(32)は、固定装置(40)によって、ホール壁(6)にまた基部又は取付け壁に堅固にかつ気密に配置される。これによって、周囲環境に対し閉じたゴミ処理室(16)が形成される。カバーシート縁(32)の気密の固定により、廃空気の誤った空気流が、例えばカバーシート縁(32)とホール壁(6)との間の空気ブリッジを介してゴミ処理室(16)の内部から周囲環境に達することができないようにされる。堅固な固定は、カバーシート(30)の昇降工程の間も、カバーシート縁(32)がその固定位置に常に確実にかつ不動に留まるという観点で不動の固定であり、この結果、ゴミ処理室(16)は常にクローズドシステムとして存在する。
【0051】
ゴミ処理室(16)は、前部領域と端部領域と、その間に位置する側面領域とを有する。前部領域はホール壁(6)に接して、ホール壁開口部を囲む。前部領域のカバーシート縁(32)は、ホール壁(6)に固定される。側面領域及び端部領域のカバーシート縁(32)は、取付け壁(18)に固定される。別の実施態様では、側面領域及び端部領域のカバーシート縁(32)は、基部(50)に直接に固定される。
【0052】
昇降装置(20)は、空圧式支持構造体(22)又は機械的な高さ調整構造体(26)を含む。空圧式支持構造体(22)は、少なくとも1つの流体で充填可能で、少なくとも部分的に互いに結合された多数の支持要素(23)を備える。支持要素を充填する流体は、ガス、蒸気、液体又はガス及び液体であることが可能である。このことは、支持要素を少なくとも1つのガスで、又は少なくとも1つの液体で、又は少なくとも1つのガス及び少なくとも1つの液体で充填できることを意味する。支持要素は、少なくともガス密に形成される。好ましくは、支持要素は膨張可能なチューブ(23)である。
【0053】
図3の実施態様では、昇降装置(20)は、前部領域と端部領域とを有する半円形のトンネルを形成し、この場合、前部領域はカバーシート縁(32)を介してホール壁(6)に固定される。支持要素の態様に応じて、設置状態の装置は、例えば、立方形、ドーム形、円錐形又はピラミッド形のような任意の形状を取ることができる。
【0054】
空圧式の昇降装置(22)は、任意の多くの支持要素を備えることができる。しかし、カバーシート(30)の十分な固定を可能にするために、また装置全体に必要な安定性を与えるために、2つの支持要素が必要である。図3では、好ましくは、垂直及び水平に配置された支持要素が存在し、これらは互いに交差して配置される。支持要素は、地面に対し規定の角度で斜めにも延びることができる。
【0055】
各々の空圧式の昇降装置(22)は、少なくとも1つの流体入口(51)及び少なくとも1つの流体出口(53)を備える。一実施態様では、流体入口(51)は同時に流体出口(53)でもある。各々の支持要素は、専用の流体入口(51)及び流体出口(53)を備えることができるか、あるいは、流体がすべての支持要素を流れることができるように、支持要素が互いに結合される場合、すべての支持要素のために1つの流体入口(51)及び1つの流体出口(53)で十分である。流体入口(51)は、支持要素の開口部であり、この開口部内にファン(24)用の接続ピースが溶接される。接続ピースは、例えばPVC管であることができる。流体出口(52)は、例えばイタリア、ミラノのScoprega S.p.A社のバルブである。ファン(24)は、空圧式の昇降装置(23)の外側で流体入口(51)に接続され、少なくとも1つの流体を支持要素に供給する。
【0056】
支持要素(23)は少なくとも部分的に互いに結合され、これには、支持要素(23)がそれらの接触点で互いに直接結合される実施態様、支持要素(23)が個々の接触点でのみ互いに結合される実施態様、個々の支持要素のみが互いに結合される実施態様、あるいは支持要素(23)が、例えば結合ストリップ、結合レール又は結合コードのような補助手段を介して互いに間接的に結合される実施態様の全てが含まれる。支持要素(23)は、例えばカバーシートを介してのみ互いに結合できる。好ましくは、各々の支持要素(23)は、個々の接触点で隣接する支持要素(23)に結合される。支持要素(23)の結合により、設置状態で、安定かつ自立した構成が形成される。一実施態様によれば、支持要素(23)は、それらの交差点又は接触点で互いに重なり合っており、また水平及び垂直支持要素(23)の接触表面が互いに接着、縫合、溶接又は他の方法で互いに結合されるように、支持要素は結合される。
【0057】
他の実施態様では、支持要素(23)は、水平の支持要素の断面が垂直の支持要素の断面の内部に突出するように交差点又は接触点で互いに結合される。これによって、少なくとも1つの流体は、1つの点から支持要素(23)の構造全体を通して流れることができる。これは、1つのファン(24)のみを昇降装置に接続すれば済むので、特に有利である。さらに、この構造は、有利な圧力分布が設定されるので、特に安定している。
【0058】
別の実施態様では、垂直に設置された個々の支持要素のみが設けられ、支持要素は水平の流体管を介して互いに結合される。流体管は、切り妻壁に又は基部近傍に延びて、流体入口(51)を介して流入する流体をすべての支持要素に分配する。流体管は、流体入口(51)に印加される圧力に耐えなければならない硬質プラスチック又は金属管である。しかし、流体管は、可撓性のガス密材料からも加工できる。
【0059】
最終的に、任意の配置により、設置状態で3次元の成形物が形成される限り、あらゆる任意の配置で支持要素(23)を互いに配置することができる。
【0060】
支持要素(23)は、液体又はガスのような少なくとも1つの流体で充填可能であり、ガス又は液体が貫流可能な断面を有していなければならない。支持要素(23)の内部の考えられる補強要素は、貫流性を実質的に妨げてはならない。カバーシート(30)の十分な安定性及び支持面のために、支持要素(23)の断面は、少なくとも10cmの直径を有しなければならない。好ましくは、直径は50cmである。さらに好ましい実施態様では、支持要素の直径は、少なくとも80cm、好ましくは90cm〜110cmである。
【0061】
支持要素は、例えばチューブ又は他の中空体のような任意の3次元構造であることができる。支持要素(23)は、好ましい実施態様ではチューブである。支持要素(23)は、任意のあらゆる断面形状を有することができ、丸い断面が特に好ましい。丸い断面は、形成が簡単であり、支持要素(23)内部の最適な圧力分布を可能にする。支持要素は、例えば卵形断面も有することができる。
【0062】
一実施態様では、支持要素は、ガスで膨張可能なチューブ(23)である。ガスとして、支持要素(23)内で少なくとも200Paのゲージ圧を有する空気を使用することが好ましい。好ましくは、空気は、少なくとも10kPaのゲージ圧を有する。一実施態様では、15〜22kPaのゲージ圧で作用される。空気のほかに、ヘリウム又は他の利用可能なガスを使用することもできる。
【0063】
別の実施態様では、支持要素(23)を例えば水のような液体で満たすことができる。支持要素(22)には、液体及びガスも満たすことができ、この場合、液体を支持要素(23)の下部に導入し、ガスを支持要素(23)の上部に導入することが好ましい。この場合、下部は、例えば壁領域のような支持要素(23)の基部に近い領域を含み、上部は、例えばルーフ領域のような基部から遠い領域を含む。このことは、液体が同時に基部(50)の装置を安定化する利点を有する。
【0064】
支持要素における高すぎる圧力を防止するために、少なくとも1つのリリーフバルブ(55)が設けられる。この少なくとも1つのリリーフバルブ(55)は、例えば25kPaを超える内部圧力で開き、したがって、過剰圧力により支持要素のあり得る破壊を防止する。例えば、米国、フロリダ、セントピーターズバーグの製造業者ホールキーロバーツ(Halkey Roberts)のリリーフバルブを使用できる。
【0065】
支持要素(23)用の材料として、例えばPVCでコーティングされた基材布地のような水密かつ気密の材料が使用される。この材料は、長い寿命を可能にする程度に十分に耐候性及び酷使可能でなければならない。下降状態で支持要素(23)が潰れることができるように、材料は、可撓性であり、したがって、折り畳み可能又はドレープ性であることが好ましい。ドレープ性の特徴は、ゴミ堆積物の表面のカバーシート(30)の正確な配置を達成するため、支持要素(23)を空にする間及びその後に、装置の潰れが制御可能であるために、本発明にとって重要である。
【0066】
ゴミ処理室(16)のカバーシート(30)は、空圧式の昇降装置(20)の支持要素(23)の上側に又は下側に配置される。別の実施態様では、カバーシート(30)は支持要素(23)の間に配置され、すなわち、支持要素(23)によって円周方向に境界付けられた面が、カバーシート(30)によって占められるように配置される。
【0067】
好ましくは、カバーシート(30)は支持要素の下側にある。カバーシート(30)は、公知の固定方法により、支持要素(23)に固定することができ、これらには、押しボタン又は磁気ボタンによる、クレットキャップによる、フック又はジッパによる、結束、縫合、接着、溶接のような固定手段が含まれる。好ましくは、カバーシート(30)は、汚染又は損傷の際のカバーシート(30)の容易かつ迅速な交換を可能にするために、支持要素(23)に解除自在に取付けられる。
【0068】
一実施態様では、カバーシート(30)が支持要素(23)の下側全体を覆う。
【0069】
他の実施態様では、カバーシート(30)は、昇降装置(20)のルーフ領域の下側のみを覆う。この特に廉価な形態は、昇降装置(20)の壁領域に取り付けられる水密の保護層(56)をさらに使用する。この水密の保護層(56)は、通常、カバーシート(30)よりも廉価であり、また例えばPVCでコーティングされた基材布地のような堅固な耐磨耗性材料を有する。これにより、機械及び車両によって持ち上げられた状態における側壁の損傷に対するゴミ処理室(16)の追加保護が達成される。
【0070】
ゴミ内の有機成分の好気性分解プロセスを保証するために、ゴミ処理室内のゴミ堆積物に十分に通気するため、カバーシート(30)は、十分な空気透過性を有しなければならない。好ましくは、カバーシート(30)の空気透過性は、200Paの印加圧力差の場合に3〜100m3/m2/hである。カバーシート(30)は、10kPa超、好ましくは50kPa超の水進入圧力の場合に液密であり、この場合、水進入圧力は1MPaの高さまで上昇できる。
【0071】
カバーシート(30)の水蒸気透過抵抗Retは、15m2Pa/W未満、好ましくは10m2Pa/W未満である。カバーシート(30)は、ガス透過性及び水密性の織物、ガス透過性及び水密性の膜、あるいはガス透過性及び水密性の膜を有する積層品である。織物として、例えば高強度ポリエステル布地のような高密度にプレスした又は高密度に織った織物を使用することができる。カバーシート(30)は、昇降装置(20)の下降状態でゴミ堆積物(12)の表面に配置され、またカバーシート(30)及び支持要素(22)は、過剰な材料がゴミ堆積物(12)の周りに折り畳まれることができるように、可撓性、したがって折り畳み可能かつドレープ性の材料から製造されなければならない。
【0072】
好ましくは、液密でガス透過性のカバーシートとして、1つの膜(34)と少なくとも1つの織物層(36)とを有する積層品(40)が使用される。好ましくは、膜(34)は多孔質であり、膜の細孔は、必要なガス流量を可能にする程度に十分に大きくなければならない。膜(34)では、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン又はフルオロポリマの群からの材料が対象とされる。好ましくは、多孔質膜は、微細孔膜である。膜は、薄く、軽く、可撓性及びドレープ性である。さらに、膜は、水蒸気透過性、空気透過性及び水密である。
【0073】
好ましい微細孔膜は、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフルオロポリマ、例えばポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン及びそれらの組み合わせ、ポリカーボネート、ポリウレタンを含む。好ましくは、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)製の膜が使用される。ePTFE製の膜の厚さは、5〜500μm、好ましくは15〜60μmである。
【0074】
この材料は、互いに結合された多数の開放キャビティ、大きなキャビティ容積及び大きな強度を特徴とする。延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)は、柔らかく、可撓性であり、安定した化学的性質、ガスと蒸気に対する高い透過性、及び汚染物に対し優れた排除性を有する表面を有する。低温曲げに対するその高い耐性のため、延伸ポリテトラフルオロエチレンは、すべての気候帯における使用に適切である。
【0075】
さらに、この材料はガス透過性である。気孔率及び細孔サイズは、ガス拡散が妨げられないように選択される。平均細孔サイズは、前記のコウルター(Coulter)試験に従って決定され、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmである。気孔率は、30〜90%、好ましくは50〜80%である。同時に、材料は水密である。延伸PTFEからこのような多孔質膜を製造する方法は、例えば米国特許第3,953,566号及び米国特許第4,187,390号明細書に開示されている。
【0076】
好ましくは、微細孔膜には、膜に追加の保護及び強度を付与する織物基材が設けられる。前記基材は、連続又は不連続の接着層を介して膜の表面の少なくとも一方に積層することができる。基材は、織成、編成又はニットした天然又は合成の繊維材料からなる織物の面形成物であることが有利である。スクリム及びフリースも使用できる。繊維材料として、特にポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ガラス繊維、フルオロポリマ、又はPTFEから織成された繊維が適している。基材は、大気に向かって外側方向に配置されることが意図される。代わりに、別の織物の面形成物を他の膜表面に配置できる。
【0077】
別の実施態様では、膜は疎油性にされる。膜の疎油化は、膜の気孔率が著しく低減されないように行われる。好ましくは、有機物質による湿り及び汚れを永続的に回避できるように、膜のオイルレートは>1、理想的に>5である。疎油化は、例えば独国特許第43083692号に記載されている。本発明に特に好ましいのは、疎油化されたePTFE膜である。疎油性にされた微細孔膜は、少なくとも1層の積層された織物基材層を備えることができる。織物の基材の場合、市販のフルオロカーボンコーティングを使用することによって同等の高さのオイルレートが達成される。通常、液状の疎油剤は、例えば浸漬、含浸、噴霧、コーティング、塗装、圧延によって、疎油化されるべき材料に塗布される。
【0078】
3層積層品の形態の特に好ましいカバーシートが、図4に示されている。2つの織物の基材(36)の間に、水密の水蒸気透過の膜(34)が配置される。膜は、好ましくはePTFEからなる微細孔膜である。膜の細孔サイズは、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜10μmである。このように小さな細孔サイズにより、微生物及びバイオエアロゾルが外部に到達することが防止される。同時に、周囲環境との十分なガス交換が確保される。このような積層品は、例えばWO第01/21394A1号に記載されており、ミュンヘン近郊のPutzbrunn、W.Lゴア&アソシエーツ(W.L.Gore&Associates)有限会社をとおしてGore(登録商標)−Coverの名前で入手可能である。
【0079】
図5は、カバーシート(32)の実施態様を示している。このために、カバーシート(30)の外縁に平坦な補強ストリップが固定される。この補強ストリップは、カバーシート縁(32)を形成し、例えば両側がPVCでコーティングされたポリエステル織物による平坦なストリップによって形成される。補強ストリップは、その頑丈な材料構造のため固定装置に対し非常に抵抗力がある。このストリップは、補強ストリップが昇降工程中に応力によってカバーシート(30)から引き裂かれることを特に阻止するために、カバーシート(30)の外縁に沿って例えば複数の縫い目(33)により固定される。縫い目の代わりに、ストリップを取り付けるための接着又は溶接のような方法も利用することができる。
【0080】
図6は、図3のゴミ処理プラント(1)の切断線VI−VIによる切断面を示している。ゴミ処理室(16a)と(16b)との間に、ホール(5)が位置する。ホール(5)のルーフには、ホールの内部に新鮮空気を供給するための空気開口部(11)がある。ゴミ処理室(16a)と(16b)は、閉鎖可能なホール壁開口部(7)を介してホール(5)とそれぞれ結合される。ホール壁開口部(7)は、例えば回転ゲートの形態のドア(10)によって閉鎖可能である。ゴミ処理室(16a)は、持ち上げられた状態で示されている。カバーシート(30)は、昇降装置(20)によって持ち上げられ、ゴミ堆積物(2)の上方に間隔を空けて存在する。ホール壁開口部(7)は開放され、この結果、ゴミ堆積物の積上げ又は除去のため、例えばホイールローダが乗り入れることができる。ゴミ処理室(16b)は下降状態にあり、したがって、昇降装置(20)は下降され、カバーシート(30)はゴミ堆積物を直接覆う。ホール壁開口部(7)が閉鎖されている。
【0081】
各々の処理室(16a、16b)のそれぞれのカバーシート縁(32)は、固定装置(40)によってホール壁(6)にまた取付け壁(18)に固定される。固定装置(40)は、カバーシート縁(32)をホール壁(6)にまた基部(50)に堅固にかつ気密に配置するために使用される。固定装置(40)は、例えばねじ、釘、ピン、クランプ、リベットのような固定要素を含み、これらの固定要素は、カバーシート縁(32)を通って、ホール壁(6)又は取付け壁(18)あるいは基部(50)に平坦にまた気密に固定される。したがって、カバーシート縁(32)は昇降工程中も、その固定位置に固定されて不動のままであり、したがって、ゴミ処理室(16)全体は周囲環境に対し閉鎖されたままである。さらに、固定装置(40)を用いたカバーシート縁(32)の配置は、気密であり、すなわち、誤った空気、したがって有害な放出物は、ゴミ処理室(16)の内部から逃れることができない。
【0082】
したがって、ゴミ処理室全体は粒子を通さず、このことは、>0.3μmの粒子が、カバーシートを通して、またカバーシートとホール壁又は取付け壁との間の結合部を通してもゴミ処理室を離れることができないことを意味する。ホール壁開口部(7)の開放時にのみ、有害な放出物がホール内部に逃れることができるが、そこで、有害な放出物が吸引され、廃空気処理に供給される。
【0083】
壁部及び基部の表面の凹凸のため、ならびに壁部又は基部に配置する際のカバーシート縁(32)のしわ形成のため、形状適応性を有する材料からなる少なくとも1つのシール層(42)をカバーシート縁(32)と壁部又は基部との間に配置することが必要である可能性がある。シール層は、ゴミ処理室(16)をホールに気密に固定するため、壁部又は基部の凹凸を補正し、除去するために使用される。シール層又は形状適応性を有する材料(42)を用いて、壁部(6、18)とカバーシート縁(32)との間の気密の形状結合を形成するべきである。これによって、カバーシート縁(32)の固定部の内部に空気ブリッジが形成されて誤った空気がゴミ処理室の内部から周囲環境に達することが防止される。一実施態様では、形状適応性を有する材料は、例えばゴム又は発泡材のような弾性及び軟質の材料である。形状適応性を有する材料として、発泡材、ゴム、コーティングされた基材、ポリマストリップ、コーティングされた繊維を含む材料群からの可撓性材料を選択することができる。固定装置(40)の形態が図7〜図9に示されている。
【0084】
別の実施態様では、ホール(5)の基部に多数の第1の基部開口部(52)が設けられる。ホール換気装置(4)に追加して、第1の基部開口部(52)を通してホール(5)から空気を排出することができる。ゴミ処理室(16a、16b)の内部の基部に、多数の第2の基部開口部(54)が設けられる。この基部開口部は、ゴミ堆積物が通気されるように、別個のファン(60)を介してゴミ処理室内に空気を導くために使用される。
【0085】
別の実施態様では、空気は、第1の基部開口部(52)を介してホール(5)から吸引され、基部通路を介して第2の基部開口部(54)に供給される。原則として、個々の各々のゴミ処理室に個々のファン(60)が付設され、これらのファンにより、好気性処理プロセス中に空気が、あるいは必要な場合、ゴミ処理室(16)の内部に廃空気が導かれる。したがって、吸引されたホール空気をゴミの通気のために使用することができる。次に、この空気は、カバーシート(30)のガス透過性の膜(34)を通して再び周囲環境に達する。その時、空気の浄化が膜の孔構造で行われる。
【0086】
図6Aは、持ち上げた状態の図6のゴミ処理室(16a)の拡大図を示している。空圧式の昇降装置(22)は空気で充填され、またホール壁開口部7は、ゴミ処理室(16a)を充填又は空にするために開放される。第2の基部開口部(54)は、通気用空気の供給に使用される。ホール(5)からの汚染された空気は、ホールファン(4)により第1の基部開口部(52)を通ってホール(5)の内部から吸引され、排気フィルタ(3)で浄化した後に周囲環境に放出される。
【0087】
図6Bは、下降状態の図6のゴミ処理室(16b)の拡大図を示している。空圧式の昇降装置(22)のチューブ(23)に空気はなく、このため、カバーシート(30)はゴミ(2)のすぐ上に位置する。ホール壁開口部(7)はドア(10)を用いて閉じられている。ホール(5)の内部から吸引された廃空気は、通気用空気として、第2の基部開口部(54)を経由してゴミ処理室(16b)内に導かれる。
【0088】
図7は、図6の領域Aの固定装置(40)の実施態様の拡大図である。ホール壁(6)とカバーシート縁(32)との間に、形状適応性を有する材料(42)からなるシール層が配置される。この材料は、カバーシート縁(32)とホール壁(6)との間に空気通路が形成されないように、ホール壁(6)の凹凸を補正するために使用される。シール層は、一実施態様では、耐久性を有し変形可能なPVC薄片であり、例えば10cmの幅の平坦なストリップとして存在する。カバーシート縁(32)には、プレート(46)が配置され、このプレートは、カバーシート縁(32)及びシール層(42)に対する平坦な接触圧を保証するために、他の層と共にホール壁(6)にねじ留めされる。このプレート(46)は、固定ボルト(44)用に規則的に配置された開口部を有する金属板であることができる。ねじ(44)は、プレート(46)、カバーシート縁(32)及びシール層(42)を通してホール壁(6)に固定される。ねじを締めることにより、金属プレートは、カバーシート縁(32)とシール層(42)とを平坦に押し、層をホール壁(6)に対し堅固に押圧する。ホール壁(6)とカバーシート縁(32)との間に気密の形状結合が形成される。取付け壁(18)の領域で、カバーシート縁(32)は、同一の上述の固定構造に従って、それぞれの取付け壁に気密にかつ堅固に固定される。同一のことが基部(50)の固定に当てはまる。
【0089】
図8は、図6の領域Aの固定装置(40)の別の実施態様の拡大図を示している。この場合、カバーシート縁(32)は、図5による補強ストリップによって形成される。補強ストリップは十分な強度を有し、この結果、プレート(46)を省略することができる。したがって、ねじ(44)は、補強ストリップ(32)及びシール層(42)をホール壁(6)に気密に固定する。
【0090】
図9は、図6の領域Bの固定装置(40)の別の実施態様の拡大図を示している。配置は、大部分は図7に同じであるが、当然、層は、ホール壁開口部(7)及びホール壁(6)の内側に直角に固定される。
【0091】
図10は、固定装置(40)の別の態様を示している。ホール壁開口部(7)の形状に合致するフレーム(48)に、カバーシート縁(32)が気密に挟持される。フレーム(48)は、ホール壁開口部(7)内に気密に嵌合される。この態様により、ホール壁(6)におけるカバーシート(30)の特に簡単な固定方法が達成される。残りのカバーシート縁は、水平に形成された挟持フレーム(49)によって、基部(50)に又は取付け壁に固定することができる。
【0092】
図11と図12は、機械的な高さ調整構造体(26)の形態の昇降装置(20)を備える処理室(16)を有するゴミ処理プラント(1)を示している。好ましくは、この構造体(26)は金属、特にステンレス鋼から構成される。このため、進入壁(18)に、テレスコープ状に引き離し可能な梁(27)が固定される。梁(27)は、支持棒(28)で、高さ調整可能な架台に結合される。架台の内側又は外側に、ゴミ処理室(16)を形成するカバーシート(30)が固定される。図11では、梁(27)は引き離され、カバーシート(30)は持ち上げられて、ゴミ堆積物の上方に間隔を空けて存在する。カバーシート縁(32)は、ホール壁(6)及び取付け壁(18)の上述の固定装置(40)と堅固にかつ気密に固定される。図12では、梁(27)は押し入れられ、ゴミ処理室(16)は、カバーシート(30)がゴミ堆積物の上に位置して、好気性処理プロセスを加速するように下降状態にある。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明によるゴミ処理プラントの概略図である。
【図1A】図1のゴミ処理室16aの概略拡大図である。
【図1B】図1のゴミ処理室16bの概略拡大図である。
【図2】本発明によるゴミ処理プラントの概略平面図である。
【図3】ゴミ処理プラントの斜視図である。
【図4】ゴミ処理室のカバーシートの断面図である。
【図5】カバーシート縁の実施態様の図面である。
【図6】図1のゴミ処理プラントの概略断面図である。
【図6A】図6のゴミ処理室16aの概略拡大図である。
【図6B】図6のゴミ処理室16bの概略拡大図である。
【図7】図6の領域Aの固定装置の実施態様の拡大図である。
【図8】図6の領域Aの固定装置の別の実施態様の拡大図である。
【図9】図6の領域Bの固定装置の別の実施態様の拡大図である。
【図10】固定装置の別の実施態様の図面である。
【図11】機械的な高さ調整構造体付きの処理室を有するゴミ処理プラントの図面である。
【図12】機械的な高さ調整構造体付きの処理室を有するゴミ処理プラントの図面である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミ処理プラント(1)であって、
a)少なくとも1つのホール壁(6)と、ホール屋根(9)と、ゴミ(2)を投入し及び取り出すための入口(12)とを有するホール(5)と、
b)前記ホール(5)に空気を供給及び前記ホール(5)から空気を排出するための通風及び排気装置(14)と、
c)前記ホール壁(6)の外側に配置された少なくとも1つのゴミ処理室(16)と、
d)前記ホール(5)から前記ゴミ処理室(16)に前記ゴミ(2)を投入するために、また前記処理したゴミを前記ゴミ処理室(16)から前記ホール(5)内に取り除くために、前記ホール(5)と前記ゴミ処理室(16)とを結合するホール壁開口部(7)と、を有し、
e)前記ゴミ処理室(16)が、昇降装置(20)が装備されたカバーシート(30)にして、カバーシート縁(32)を有するカバーシート(30)によって形成され、前記カバーシート縁(32)が、前記ホール壁(6)と基部とに対し固定装置(40)によって堅固にかつ気密に配置される、ゴミ処理プラント(1)。
【請求項2】
前記ゴミ処理室(16)が、基部側で前記ゴミ処理室(16)を境界付ける取付け壁(18)を備え、前記カバーシート縁(32)が、前記ホール壁(6)と前記取付け壁(18)とに対し堅固にかつ気密に配置される、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項3】
前記固定装置(40)が、少なくとも1つの形状適応性を有する材料(42)を含む、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項4】
前記材料(42)が、発泡材、ゴム、被覆された基材及びポリマストリップのような可撓性材料を含む材料群から選択される、請求項3に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項5】
前記材料(42)が、被覆された織物を含む、請求項3に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項6】
前記材料(42)が、前記カバーシート縁(32)と前記ホール壁(6)との間に、ならびに前記カバーシート縁(32)と前記基部(50)との間にそれぞれ配置される、請求項3に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項7】
前記材料(42)が、前記カバーシート縁(32)と前記ホール壁(6)との間に、ならびに前記カバーシート縁(32)と前記取付け壁(18)との間にそれぞれ配置される、請求項2又は3に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項8】
前記固定装置(40)が、前記カバーシート縁(32)が挟持される少なくとも1つの挟持フレーム(48)備える、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項9】
前記固定装置(40)が、ボルト、釘、クランプ、リベットのような固定要素を含む、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項10】
前記ゴミ処理室(16)が、周囲環境に対し粒子を通さない、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項11】
前記カバーシート(30)が、水密でガス透過性の膜(34)を備える、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項12】
前記膜(34)が多孔質である、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項13】
前記膜(34)が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン又はフルオロポリマの群から選択される、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項14】
前記膜(34)が、延伸ポリテトラフルオルエチレン(ePTFE)を含む、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項15】
前記膜(34)が、少なくとも1つの織物層(36)と結合される、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項16】
前記織物層(36)が、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ガラスファイバ又はフルオロポリマを含む、請求項15に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項17】
前記カバーシート(30)が、200Paの圧力差で3〜100m3/m2/hの空気透過度を有する、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項18】
前記昇降装置(20)が、空圧式支持構造体(22)又は機械的な高さ調整構造体(26)を含む、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項19】
前記空圧式支持構造体(22)が、多数の膨張可能なチューブ(23)を用意する、請求項18に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項20】
前記チューブ(23)が、少なくとも10kPaの圧力に耐える、請求項19に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項21】
前記空圧式支持構造体(22)が、液体で充填可能な多数のチューブを用意する、請求項18に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項22】
前記機械的な高さ調整構造体(26)が、高さ調整可能な梁(27)を備える、請求項18に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項23】
前記梁(27)が、テレスコープ状に引き離し可能である、請求項22に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項24】
前記ホール(5)の基部に、多数の第1の基部開口部(52)が設けられ、前記通風及び排気装置(14)が、前記基部開口部(52)を介して、前記ホール(5)の内部から空気を誘導する、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項25】
前記ゴミ処理室(16)の内部の基部に、多数の第2の基部開口部(54)が設けられ、前記通風及び排気装置(14)が、前記第2の基部開口部(54)を介して前記ホール(5)から排出された空気を前記ゴミ処理室(16)の内部に供給する、請求項1又は24に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項26】
前記ホール壁開口部(7)が閉鎖可能である、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項27】
前記通風及び排気装置(14)が少なくとも1つの排気フィルタ(3)備える、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項1】
ゴミ処理プラント(1)であって、
a)少なくとも1つのホール壁(6)と、ホール屋根(9)と、ゴミ(2)を投入し及び取り出すための入口(12)とを有するホール(5)と、
b)前記ホール(5)に空気を供給及び前記ホール(5)から空気を排出するための通風及び排気装置(14)と、
c)前記ホール壁(6)の外側に配置された少なくとも1つのゴミ処理室(16)と、
d)前記ホール(5)から前記ゴミ処理室(16)に前記ゴミ(2)を投入するために、また前記処理したゴミを前記ゴミ処理室(16)から前記ホール(5)内に取り除くために、前記ホール(5)と前記ゴミ処理室(16)とを結合するホール壁開口部(7)と、を有し、
e)前記ゴミ処理室(16)が、昇降装置(20)が装備されたカバーシート(30)にして、カバーシート縁(32)を有するカバーシート(30)によって形成され、前記カバーシート縁(32)が、前記ホール壁(6)と基部とに対し固定装置(40)によって堅固にかつ気密に配置される、ゴミ処理プラント(1)。
【請求項2】
前記ゴミ処理室(16)が、基部側で前記ゴミ処理室(16)を境界付ける取付け壁(18)を備え、前記カバーシート縁(32)が、前記ホール壁(6)と前記取付け壁(18)とに対し堅固にかつ気密に配置される、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項3】
前記固定装置(40)が、少なくとも1つの形状適応性を有する材料(42)を含む、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項4】
前記材料(42)が、発泡材、ゴム、被覆された基材及びポリマストリップのような可撓性材料を含む材料群から選択される、請求項3に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項5】
前記材料(42)が、被覆された織物を含む、請求項3に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項6】
前記材料(42)が、前記カバーシート縁(32)と前記ホール壁(6)との間に、ならびに前記カバーシート縁(32)と前記基部(50)との間にそれぞれ配置される、請求項3に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項7】
前記材料(42)が、前記カバーシート縁(32)と前記ホール壁(6)との間に、ならびに前記カバーシート縁(32)と前記取付け壁(18)との間にそれぞれ配置される、請求項2又は3に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項8】
前記固定装置(40)が、前記カバーシート縁(32)が挟持される少なくとも1つの挟持フレーム(48)備える、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項9】
前記固定装置(40)が、ボルト、釘、クランプ、リベットのような固定要素を含む、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項10】
前記ゴミ処理室(16)が、周囲環境に対し粒子を通さない、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項11】
前記カバーシート(30)が、水密でガス透過性の膜(34)を備える、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項12】
前記膜(34)が多孔質である、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項13】
前記膜(34)が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン又はフルオロポリマの群から選択される、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項14】
前記膜(34)が、延伸ポリテトラフルオルエチレン(ePTFE)を含む、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項15】
前記膜(34)が、少なくとも1つの織物層(36)と結合される、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項16】
前記織物層(36)が、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ガラスファイバ又はフルオロポリマを含む、請求項15に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項17】
前記カバーシート(30)が、200Paの圧力差で3〜100m3/m2/hの空気透過度を有する、請求項11に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項18】
前記昇降装置(20)が、空圧式支持構造体(22)又は機械的な高さ調整構造体(26)を含む、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項19】
前記空圧式支持構造体(22)が、多数の膨張可能なチューブ(23)を用意する、請求項18に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項20】
前記チューブ(23)が、少なくとも10kPaの圧力に耐える、請求項19に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項21】
前記空圧式支持構造体(22)が、液体で充填可能な多数のチューブを用意する、請求項18に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項22】
前記機械的な高さ調整構造体(26)が、高さ調整可能な梁(27)を備える、請求項18に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項23】
前記梁(27)が、テレスコープ状に引き離し可能である、請求項22に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項24】
前記ホール(5)の基部に、多数の第1の基部開口部(52)が設けられ、前記通風及び排気装置(14)が、前記基部開口部(52)を介して、前記ホール(5)の内部から空気を誘導する、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項25】
前記ゴミ処理室(16)の内部の基部に、多数の第2の基部開口部(54)が設けられ、前記通風及び排気装置(14)が、前記第2の基部開口部(54)を介して前記ホール(5)から排出された空気を前記ゴミ処理室(16)の内部に供給する、請求項1又は24に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項26】
前記ホール壁開口部(7)が閉鎖可能である、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【請求項27】
前記通風及び排気装置(14)が少なくとも1つの排気フィルタ(3)備える、請求項1に記載のゴミ処理プラント(1)。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2008−500161(P2008−500161A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513801(P2007−513801)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005648
【国際公開番号】WO2005/115646
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(391018178)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (40)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005648
【国際公開番号】WO2005/115646
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(391018178)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (40)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】
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