説明

ゴムマスターバッチ、ゴム組成物、及びタイヤ、並びにゴムマスターバッチの製造方法

【課題】 ゴムマスターバッチ、ゴム組成物等において、空気不透過性と補強性の性能を向上させる。
【解決手段】 希薄な層状粘土鉱物分散液を生成する工程と、この層状粘土鉱物分散液にゴムラテックスを添加し、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成する工程と、このラテックス−層状粘土鉱物混合液から、ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得る工程と、このラテックス−層状粘土鉱物凝固物中の水分を除去する工程とを含むゴムマスターバッチの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムマスターバッチ、そのゴムマスターバッチを配合したゴム組成物、及びそのゴム組成物を用いたタイヤ、並びにそのゴムマスターバッチの製造方法に関し、特に、水分散させた層状粘土鉱物を含むゴムマスターバッチ、そのゴムマスターバッチを配合したゴム組成物、及びそのゴム組成物を用いたタイヤ、並びにそのゴムマスターバッチの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゴム製品の空気不透過性と常態物性を高めるために、ゴム成分中に層状粘土鉱物を配合したナノクレイコンポジットを、ゴム組成物に使用する技術は知られている。その際、層状粘土鉱物の層間剥離を十分にすることが重要である。
【0003】
例えば、特許文献1では、空気不透過性及び常態特性を向上させたゴムマスターバッチを高い生産性で製造するため、ゴム成分が分散又は溶解したゴム液と、層状粘土鉱物を溶媒に分散させたスラリー溶液とを混合し、機械的なせん断力をかけながら乾燥することを特徴とするゴムマスターバッチの製造方法、並びに該方法で製造されるゴムマスターバッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−307541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献に開示された技術では、例えば10重量部という、多量の層状粘土鉱物を添加したにもかかわらず、空気不透過性が40〜50%向上しただけであり、層状粘土鉱物の層間剥離がまだ十分とは言えない。また、ゴム組成物の強度を補強するために、カーボンブラックを多く使用しており、空気不透過性と補強性の2つを同時に向上させるという観点からは、層状粘土鉱物を使用していない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、層間剥離を十分に行うことで、層状粘土鉱物の低添加量で高いガス不透過性及び補強性を得るゴム/層状粘土鉱物複合体の作成を目的として鋭意検討した結果、層状粘土鉱物に対して十分な水を与えることで十分な層間剥離が達成され、ゴムラテックスを添加して共凝固することにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明に係るゴムマスターバッチの製造方法は、水に層状粘土鉱物を0.025〜3.0%添加し、層状粘土鉱物を層間剥離させ層状粘土鉱物分散液を得る工程と、前記層状粘土鉱物分散液に、ゴムラテックスを、前記層状粘土鉱物が前記ゴムラテックスのゴム成分100重量部に対して、0.25〜10.0重量部となるように添加し混合して、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成する工程と、前記ラテックス−層状粘土鉱物混合液から、ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得る工程と、前記ラテックス−層状粘土鉱物凝固物中に残存する界面活性剤等を除去する洗浄工程と、前記ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を洗浄し水分を除去する工程と、を含むゴムマスターバッチの製造方法である。
【0008】
また、前記層状粘土鉱物を層間剥離させ層状粘土鉱物分散液を得る工程において、少なくとも30時間混合撹拌し、前記層状粘土鉱物分散液を生成することを特徴としてもよい。
これによれば、少量の層状粘土鉱物の添加量にもかかわらず、空気不透過性と常態物性に優れたゴムマスターバッチの製造方法を提供できる。
【0009】
また、前記ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得る工程において、前記ラテックス−層状粘土鉱物混合液を凝固液中に滴下して、または、凝固液を前記ラテックス−層状粘土鉱物混合液に滴下して、前記ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得ることを特徴としてもよい。
これによれば、少量の層状粘土鉱物の添加量にもかかわらず、空気不透過性と常態物性に優れたゴムマスターバッチの製造方法におけるラテックス−層状粘土鉱物凝固物を提供できる。
【0010】
別の観点によれば、上記課題を解決するために、上記いずれかに記載の製造方法により製造されたゴムマスターバッチを提供できる。
これによれば、少量の層状粘土鉱物の添加量にもかかわらず、空気不透過性と常態物性に優れたゴムマスターバッチを提供できる。
【0011】
別の観点によれば、上記課題を解決するために、上記のゴムマスターバッチを配合してなるゴム組成物を提供できる。
これによれば、少量の層状粘土鉱物の添加量にもかかわらず、空気不透過性と常態物性に優れ、軽量化、低比重化が図られたゴム組成物を提供できる。
【0012】
別の観点によれば、上記課題を解決するために、上記のゴム組成物を用いて得られたタイヤを提供できる。
これによれば、少量の層状粘土鉱物の添加量にもかかわらず、空気不透過性と常態物性に優れ、軽量化、低比重化が図られたタイヤを提供できる。
【0013】
別の観点によれば、上記課題を解決するために、前記ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、0.25〜3.0重量部の層状粘土鉱物を配合してなるゴム組成物を提供できる。
これによれば、カーボンブラックなどの補強性充填剤を用いることがないために、軽量化、低比重化が図られたゴム組成物を提供できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、少量の層状粘土鉱物の添加量にもかかわらず、空気不透過性と常態物性に優れたゴム組成物、さらには、カーボンブラックなどの補強性充填剤を多量に用いることがないために、軽量化、低比重化が図られたゴム組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1〜7と比較例1における層状粘土鉱物分散液の濃度とガス(N2)透過係数の関係を示す図。
【図2】実施例1〜7と比較例1における層状粘土鉱物分散液の硬度とガス(N2)透過係数の関係を示す図。
【図3】実施例4、8〜12と比較例1におけるラテックス―層状粘土鉱物混合液中の層状粘土鉱物の重量部とガス(N2)透過係数の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明において使用される層状粘土鉱物は、例えば、パーミキュライト、パイロフィライト、タルク、セピオライト、スメクタイト系のモンモリロナイト、バイデライト,ノントロナイト,サポナイト,ヘクトナイト等、雲母系の白雲母、パラゴナイト等、緑泥石系のドンバサイト、クリノクロア等、カオリン鉱物系のカオリナイト、ハロイサイト等、である。
【0017】
これらの層状粘土鉱物は、天然のものでも、合成されたものでもよい。また、これらは一種を単独で用いても、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、スメクタイト系粘土鉱物のモンモリロナイトである。
【0018】
これらの少量の層状粘土鉱物を、常温の水溶液中(例えば、イオン交換水、蒸留水、水道水)に添加し、水膨潤させるため、好ましくは少なくとも30時間、より好ましくは48時間混合撹拌し、層状粘土鉱物を分散させることにより、ナノクレーを含む層状粘土鉱物分散液を生成する(層状粘土鉱物分散液の生成工程または層状粘土鉱物の水分散処理工程ともいう)。また、さらに好ましくは、撹拌機で、層状粘土鉱物分散液中の層状粘土鉱物が沈降しない程度にゆっくり撹拌する。なお、撹拌機は特に限定されず、プロペラ型、ディスク型、パドル型など、ゆっくり回転させることにより、層状粘土鉱物にせん断力を与えないものであればよい。このようにすることで、層状粘土鉱物は、均一な状態で層状の間に十分な水分子が入り込み、高度な層間剥離が起こる。なお、層状粘土鉱物を水膨潤させるための水の温度は、加温してもよく、加温により層状粘土鉱物を層間剥離させるための分散時間を短縮することもできる。
【0019】
即ち、層状粘土鉱物の膨潤は、粘土層表面の負電荷と層間陽イオンとの結合力が、層間陽イオンと水分子等の相互作用エネルギーより弱いため、層間陽イオンが水分子等を引き寄せる力により層間が押し広げられることにより起こる。この層間陽イオンと水分子等との相互作用によって、層間剥離が生ずる。層間陽イオンと水分子の相互作用が限界に達すると膨潤が終了する。また、層状粘土鉱物の膨潤濃度を低くすることにより、層間の相互作用を最小化することができ、その結果、分散液中又は有機溶剤中の層状粘土鉱物を十分に分散、層間剥離させることができる。
【0020】
この分散液中の層状粘土鉱物の濃度は、低くてよい。層状粘土鉱物の上限の濃度は、4%程度で分散液がチキソトロピー性を発現し、3.5%程度で層状粘土鉱物が再凝集するので、当濃度は3%以下が好適であり、より好ましくは1.0%以下である。また、層状粘土鉱物の下限の濃度は、層間剥離の観点から制限されないが、その後の水分除去工程の生産性の観点から、0.025%であり、好ましくは0.05%であり、より好ましくは0.2%である。
【0021】
本発明に用いる主成分となるゴム成分は、極性基を有するゴムを含むものである。極性基を有するゴムは、より顕著に層状粘土鉱物の極性との相互作用により層状粘土鉱物の層間剥離を起こすので、層状粘土鉱物との親和性が高い。なお、極性基とは、極性のある官能基であり、極性のある官能基とは、例えば、アミノ基(NH2),カルボキシ基(COOH),カルボニル基(C(=O))、ヒドロキシ基(OH)などであり、好ましくは、カルボキシ基である。
【0022】
極性基を有するゴムは、例えば、天然ゴムラテックスに他の化合物を添加し、その化合物を天然ゴム分子にグラフト重合等させた変性天然ゴム、カルボキシ変性したスチレンブタジエンゴム(SBR)、またはニトリルブタジエンゴム(NBR)であってもよい。また、これらは一種を単独で用いても、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、カルボキシ変性したスチレンブタジエンゴムである。
【0023】
上記のようにして生成した層状粘土鉱物分散液に、上記のゴム成分を有するゴムラテックスを、層状粘土鉱物が、ゴムラテックスのゴム成分100重量部に対して、0.25〜10.0重量部となるように添加して、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成する。
【0024】
ゴム成分100重量部に対する層状粘土鉱物の配合割合は、0.25〜10.0重量部、好ましくは0.5〜3.0重量部である。層状粘土鉱物の配合割合が10.0重量部を超えると、層状粘土鉱物を多量には使用しない本発明の趣旨から外れる。また、層状粘土鉱物の配合割合が0.25重量部を下回ると、十分な空気不透過性や補強効果が得られない。
【0025】
上記のようにして生成したラテックス―層状粘土鉱物混合液から、ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得る。ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得る方法は、特に限定されず、ラテックス−層状粘土鉱物混合液を、塩化カルシウム、硝酸カルシウムなどの凝固液中に滴下して、または、同様の凝固液を、ラテックス−層状粘土鉱物混合液に滴下して、ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得てもよい。上記のようにして得た凝固物は、通常クラム状となるがこれに限定されず、粒状物、板状物であってもよい。また、その大きさも特に限定されない。
【0026】
上記のようにして得たラテックス−層状粘土鉱物凝固物を洗浄し水分を除去する。即ち、前記ラテックス−層状粘土鉱物凝固物中の残存物を水洗し、本凝固物を脱水/乾燥させる。上記残存物は、上記凝固物を得る際に使用した凝固液中に含まれる凝固剤やラテックス中に含まれる界面活性剤等が挙げられる。また、脱水/乾燥の方法は、特に限定されず、本凝固物を遠心脱水し、多軸混練押出機を使用して乾燥してもよいし、自然乾燥してもよい。
【0027】
以上の工程を経ることにより、乾燥した状態のゴムマスターバッチ(ウェットマスターバッチ)を製造することができる。本発明に係るゴムマスターバッチは、少量の層状粘土鉱物の添加量にもかかわらず、後述のように空気不透過性と常態物性に優れたゴムマスターバッチである。
【0028】
さらに、このゴムマスターバッチに、ゴム組成物やタイヤの製造に当たり一般に使用される、酸化亜鉛、ステアリン酸、硫黄、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などを適宜含有させ、バンバリーミキサー等の混練機によって混練することで、ゴム組成物を製造することができる。後述する実施例に使用されたものに限定されない。
【0029】
これによれば、本発明に係るゴムマスターバッチは、少量の層状粘土鉱物の添加量にもかかわらず、空気不透過性と常態物性に優れたゴムマスターバッチであることから、これを用いて製造されたゴム組成物も、少量の層状粘土鉱物の添加量にもかかわらず、空気不透過性と常態物性に優れたゴム組成物である。
【0030】
上述のよう、ゴム成分は、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムが好適であり、これを用いて製造されたゴムマスターバッチを用いて得たゴム組成物は、カーボンブラック及びシリカを補強剤として実質的に含まなくとも、十分な硬度を有する。なお、本発明においては、カーボンブラックなどの補強剤を含まなくとも十分な硬度を有するが、補強剤を加えることにより、より硬度の高いゴム組成物を製造することもでき、補強剤添加を排除するものではない。
【0031】
さらに、このゴム組成物を用いて製造された工業用ゴム製品やタイヤ、特に、空気入りタイヤには、トレッド部、サイドウォール部、ビード部、カーカス部、インナーライナーなどのゴム組成物からなる部分があるが、本発明に係るゴム組成物は、空気不透過性に優れるので、カーカス部やインナーライナー、また空気を封入させるゴムチューブなどに好適に用いられる。本発明に係るゴム組成物を使用したタイヤ、インナーライナー、ゴムチューブは、空気不透過性と常態物性に優れる。
【0032】
また、層間剥離した層状粘土鉱物の補強強化は非常に高く、同量のカーボンブラックの10倍以上あることから、層状粘土鉱物は少ない添加量で効果を得ることができる。また、これにより、比重が低くなり、ゴム成分が多いことにより反発弾性が向上し、層状粘土鉱物という扁平フィラーにより摩擦抵抗が向上し、高性能なトレッド用ゴム組成物にも好適である。
さらには、本発明のゴム組成物は、空気不透過性と常態物性に優れることから、液体用ホースや、エンジンオイルやガソリン用の燃料用ホースにも好適である。
【0033】
なお、本発明に係るタイヤは、タイヤ工業において一般的に行なわれている混練工程等を経ることにより製造される。例えば、混練によって本発明の層状粘土鉱物を含んだゴムマスターバッチを他のゴム成分と混練することができる。ここで、混練は、バンバリー、ニーダー、ラボプラストミル、ロール等の周知の混練装置を用いて行なうことが可能である。
【実施例】
【0034】
<実施例1>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.05%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、999.5グラムのイオン交換水に、0.5グラムの割合でモンモリロナイトを添加し、0.05%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。この分散液を、48時間室温(20℃)で、モンモリロナイトが沈降しない程度にゆっくり撹拌機で撹拌した。例えば、撹拌機を200rpmで攪拌させた。
【0035】
本実施例では、ゴム成分として、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムを使用した。上記のように撹拌した層状粘土鉱物分散液(2000g)に、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムをゴム固形分として50%を含むラテックス(JSR社製、0548)を200グラム、即ち、ゴム固形分を100グラム添加して、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成した。なお、当該ラテックス―層状粘土鉱物混合液は、両者の液量を調整して、クレー分、即ちモンモリロナイトがゴム成分100重量部に対して、1重量部となるようにした。
【0036】
上記のようにして得たラテックス―層状粘土鉱物混合液を、凝固剤(濃度10%の塩化カルシウム溶液)中へ滴下し、クラム状の凝固物を得て、回収した。その凝固物を水洗浄後、脱水乾燥し、その凝固物から水分を除去することにより、ゴムマスターバッチを101グラム得た。
【0037】
さらに、ゴム組成物のガス透過性試験用サンプルを得るために、ラボプラストミルにて、上記ゴムマスターバッチを101.0部と加硫活性剤として酸化亜鉛2種(堺化学工業社製)を5部、加硫活性剤としてステアリン酸(日本油脂社製)を1部、130〜140°Cで30分混練した。60°Cまで冷却後、レノグランCBS−80(BAYER AG社製)を1.88部、レノグランS−80(BAYER AG社製)を1.88部添加し、70〜90°Cで5分混練した。そして、この配合物を、ロールで薄く押出しし(厚み1.1〜1.5mm)、1.0mmのスペーサを用いて、熱プレスで170°Cで10分間加硫を行い、ガス透過性試験用のサンプルを得た。
【0038】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は66となった。また、ガス透過係数は1.52となった。なお、これらの評価方法は後述する。
【0039】
<実施例2>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.1%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、999.0グラムのイオン交換水に、1.0グラムのモンモリロナイトを添加し、0.1%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
即ち、ラテックス―層状粘土鉱物混合液の液量を調整して、モンモリロナイトがゴム成分100重量部に対して、1重量部となるよう調整し、実施例1と同じように、凝固剤を用いて、ゴムマスターバッチを作成し、評価サンプルを作成した。
【0040】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は83となった。また、ガス透過係数は1.44となった。
【0041】
<実施例3>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.2%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、998.0グラムのイオン交換水に、2.0グラムのモンモリロナイトを添加し、0.2%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0042】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は84となった。また、ガス透過係数は0.981となった。
【0043】
<実施例4>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.3%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、997.0グラムのイオン交換水に、3.0グラムのモンモリロナイトを添加し、0.3%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0044】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は80となった。また、ガス透過係数は0.81となった。
【0045】
<実施例5>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.5%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、995.0グラムのイオン交換水に、5.0グラムのモンモリロナイトを添加し、0.5%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0046】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は75となった。また、ガス透過係数は1.1となった。
【0047】
<実施例6>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が1.0%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、990.0グラムのイオン交換水に、10.0グラムのモンモリロナイトを添加し、1.0%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0048】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は78となった。また、ガス透過係数は1.14となった。
【0049】
<実施例7>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が3.0%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、970.0グラムのイオン交換水に、30.0グラムのモンモリロナイトを添加し、3.0%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0050】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は72となった。また、ガス透過係数は1.35となった。
【0051】
<実施例8>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.3%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、997.0グラムのイオン交換水に、3.0グラムのモンモリロナイトを添加し、0.3%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
【0052】
上記の層状粘土鉱物分散液に、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムをゴム固形分として50%を含むラテックス(JSR社製、0548)を1200グラム、即ち、ゴム固形分を600グラム添加し、クレー分が、即ちモンモリロナイトがゴム成分100重量部に対して、0.5重量部となるように、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成した。これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0053】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は85となった。また、ガス透過係数は0.82となった。
【0054】
<実施例9>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.3%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、997.0グラムのイオン交換水に、3.0グラムのモンモリロナイトを添加し、0.3%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
【0055】
上記の層状粘土鉱物分散液に、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムをゴム固形分として50%を含むラテックス(JSR社製、0548)を300グラム、即ち、ゴム固形分を150グラム添加し、クレー分が、即ちモンモリロナイトがゴム成分100重量部に対して、2重量部となるように、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成した。これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0056】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は83となった。また、ガス透過係数は0.89となった。
【0057】
<実施例10>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.3%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、997.0グラムのイオン交換水に、3.0グラムのモンモリロナイトを添加し、0.3%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
【0058】
上記の層状粘土鉱物分散液に、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムをゴム固形分として50%を含むラテックス(JSR社製、0548)を200グラム、即ち、ゴム固形分を100グラム添加し、クレー分が、即ちモンモリロナイトがゴム成分100重量部に対して、3重量部となるように、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成した。これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0059】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は79となった。また、ガス透過係数は1.1となった。
【0060】
<実施例11>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.3%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、997.0グラムのイオン交換水に、3.0グラムのモンモリロナイトを添加し、0.3%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
【0061】
上記の層状粘土鉱物分散液に、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムをゴム固形分として50%を含むラテックス(JSR社製、0548)を120グラム、即ち、ゴム固形分を60グラム添加し、クレー分が、即ちモンモリロナイトがゴム成分100重量部に対して、5重量部となるように、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成した。これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0062】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は53となった。また、ガス透過係数は2.18となった。
【0063】
<実施例12>
本実施例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.3%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、997.0グラムのイオン交換水に、3.0グラムのモンモリロナイトを添加し、0.3%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
【0064】
上記の層状粘土鉱物分散液に、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムをゴム固形分として50%を含むラテックス(JSR社製、0548)を60グラム、即ち、ゴム固形分を30グラム添加し、クレー分が、即ちモンモリロナイトがゴム成分100重量部に対して、10重量部となるように、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成した。
これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0065】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は62となった。また、ガス透過係数は2.21となった。
【0066】
<比較例1>
本比較例は、層状粘土鉱物分散液をラテックス水溶液と混合せず、層状粘土鉱物を含まず、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0%の例である。即ち、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムをゴム固形分として50%を含むラテックス(JSR社製、0548)を100グラム、即ち、ゴム固形分を50グラムのラテックス水溶液を、凝固剤(濃度10%の塩化カルシウム溶液)中へ、滴下し、クラム状の凝固物を得て、回収した。
これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0067】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は48となった。また、ガス透過係数は3.71となった。
【0068】
<比較例2>
本比較例では、層状粘土鉱物として、モンモリロナイト(クニミネ工業社製 クニピアF)を用いて、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が6.0%の層状粘土鉱物分散液を生成した。具体的には、940.0グラムのイオン交換水に、60.0グラムのモンモリロナイトを添加し、6.0%濃度の層状粘土鉱物分散液を1リットル生成した。
これ以外の配合等は、実施例1と同じである。
【0069】
モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が6.0%と濃度が高かったために、層状粘土鉱物分散液の粘度が上昇し、チキソトロピー性を発現しており、上記のようなゴム組成物を作製することができなかった。従って、硬度やガス透過係数は測定できなかった。
【0070】
<比較例3>
本比較例では、実施例1と同様、最終的にはモンモリロナイトがゴム成分100重量部に対して1重量部となるように配合されている。しかし、実施例1と大きく異なる点は、予め、モンモリロナイトを水に分散させて、層状粘土鉱物分散液を生成するという工程を経ないことにある。即ち、ゴムラテックスを凝固剤中へ滴下して、実施例1のようにクラム状の凝固物を得て、水分を除去してモンモリロナイトを含まない固形ゴムを得る。さらに、ガス透過試験用サンプルを得るために、ラボプラストミルにて、モンモリロナイトを配合して、ロール練りをした後、実施例1と同配合の加硫活性剤等を添加し、混練した。このように、モンモリロナイトをゴム成分に添加して、ロールにて分散させたものである。
【0071】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は51となった。また、ガス透過係数は2.12となった。
【0072】
<比較例4>
本比較例では、ゴム材料としてブチルゴムIIR 268(JSR(株)製)を用いた。すなわち、実施例1のゴム固形分(ゴムマスターバッチ)の代わりとしてブチルゴムを使用し、これ以外の加硫活性剤等を実施例1と同じように配合し、混練等をして、評価サンプルを得た。
【0073】
上記のようにして作製されたゴム組成物において、評価結果を表1に示す。本実施例の常態物性において、硬度(HS)は55となった。また、ガス透過係数は2.0となった。
【0074】
<層状粘土鉱物分散液の濃度(水膨潤濃度)>
表1及び図1と図2に基づいて、層状粘土鉱物分散液(モンモリロナイト)の濃度(水膨潤濃度)の臨界的意義について述べる。
【0075】
モンモリロナイトの濃度は、4%程度で水溶液がチキソトロピー性を発現し、3.5%程度でモンモリロナイトが再凝集していることから、当濃度は3%以下が好適である。
【0076】
また、層状粘土鉱物分散液のモンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)の下限は、モンモリロナイトを含まない比較例1(表1で、濃度が0%と表記、図1の「クレー無」の一点鎖線)ではその効果がなく、硬度が48で補強効果が現れておらず、ガス透過係数も3.71と悪い数値を示している。
一方、実施例1〜7においては、層状粘土鉱物分散液の水膨潤濃度、すなわち、モンモリロナイトを水分散(水膨潤)させるときの濃度が硬度とガス透過係数に影響し、層状粘土鉱物の水膨潤濃度が薄いほど、補強性を示す硬度とガス透過係数に優れる。
【0077】
実施例1のように層状粘土鉱物分散液の水膨潤濃度がわずか0.05%のモンモリロナイトを含むだけで、硬度が66、ガス透過係数が1.52と、硬度で約1.4倍向上し、ガス透過係数で約60%改善している。また、比較例4が示すように、一般に空気不透過性のゴム材料として使用されているブチルゴムであっても、ガス透過係数が約2.0であり、それに比べても、実施例1〜7のガス透過係数の方が最大2倍以上良い。
【0078】
従って、モンモリロナイトの濃度は、0と0.05%の中間の値である0.025%あれば、効果が得られると考えられ、実施例1の値0.05%であれば、明らかに効果がある。また、ガス透過係数が1前後となるのは、実施例3〜6における濃度が0.2〜1.0%の範囲であり、この範囲がより好適と言える。
【0079】
<ラテックス―層状粘土鉱物混合液における層状粘土鉱物の重量部>
表1及び図3に基づいて、ラテックス―層状粘土鉱物混合液における、層状粘土鉱物分散液(モンモリロナイト)の重量部の臨界的意義について述べる。
【0080】
ゴム成分100重量部に対する層状粘土鉱物の配合は、同じ濃度を有する実施例4と実施例8〜12において、0.5〜10重量部である。比較例1が0重量部であるから、比較例1の0重量部と実施例8の0.5重量部の中間値である0.25重量部以上であれば、空気不透過性や補強効果が得られると考えられる。
【0081】
また、実施例11と12における硬度とガス透過係数は、他の実施例に比べ劣り、他の実施例である実施例4と実施例8〜10におけるガス透過係数は1前後であるので、好適には、ゴム成分100重量部に対する層状粘土鉱物の配合割合は、0.5〜3.0重量部という少量で十分にガス不透過性能を発揮する。なお、実施例11と12のように5、10重量部添加した場合であっても、モンモリロナイトを添加しない比較例1と比べると、ガス不透過性能に優れているといえる。
【0082】
<層状粘土鉱物分散液を生成する工程における撹拌時間>
比較例3と、実施例1を始めとする他の実施例と比べると、他の実施例では、モンモリロナイトの濃度(水膨潤濃度)が0.05%の層状粘土鉱物分散液を生成するにあたり、48時間室温で、モンモリロナイトが沈降しない程度にゆっくり撹拌機で撹拌しているが、比較例3では、モンモリロナイトの粉体をゴム成分に添加して、ロールにて分散させている。
【0083】
そうすると比較例3は、表1が示す通り、十分な硬度とガス透過係数を得られなかった。従って、本発明においては、層状粘土鉱物を、水溶液中に添加し、水膨潤させるため、好ましくは少なくとも30時間、より好ましくは48時間混合撹拌し、層状粘土鉱物を分散させることにより、ナノクレーを含む層状粘土鉱物分散液を生成することが好ましい。
【0084】
一般的なゴムの配合においては、カーボンを50〜100部程度配合するため、ゴムの比重が1.10〜1.30程度である。これに対し、実施例1から実施例12の比重は、1.00〜1.09と低い値となっており、軽量化、低比重化が図られていることがわかる。
【0085】
なお、上述した評価の評価方法について以下に述べる。
<常態物性評価>
JIS K6253(硬さ試験)、JIS K6251(引張試験)、JIS K6220(比重)、に従い、170°Cで10分加硫を行ったテストピースを用いて、硬度、引張強さ(TB)及び破断伸び(EB)、および比重を評価した。
【0086】
<空気不透過性(空気透過係数)の評価>
テストピースに対し、東洋精機製ガス透過試験機により、窒素ガスを透過ガスとして用い、JIS K7126に準拠して、23°Cにて圧力差1気圧(1.013×105Pa)の差圧法によりガス透過測定を行った。
【0087】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
【0088】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に層状粘土鉱物を0.025〜3.0%添加し、層状粘土鉱物を層間剥離させ層状粘土鉱物分散液を得る工程と、
前記層状粘土鉱物分散液に、ゴムラテックスを、前記層状粘土鉱物が前記ゴムラテックスのゴム成分100重量部に対して、0.25〜10.0重量部となるように添加し混合して、ラテックス―層状粘土鉱物混合液を生成する工程と、
前記ラテックス−層状粘土鉱物混合液から、ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得る工程と、
前記ラテックス−層状粘土鉱物凝固物中に残存する界面活性剤等を除去する洗浄工程と、前記ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を洗浄し水分を除去する工程と、
を含むゴムマスターバッチの製造方法。
【請求項2】
前記層状粘土鉱物を層間剥離させ層状粘土鉱物分散液を得る工程において、少なくとも30時間混合撹拌し、前記層状粘土鉱物分散液を生成することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得る工程において、前記ラテックス−層状粘土鉱物混合液を凝固液中に滴下して、または、凝固液を前記ラテックス−層状粘土鉱物混合液に滴下して、前記ラテックス−層状粘土鉱物凝固物を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により製造されたゴムマスターバッチ。
【請求項5】
請求項4に記載のゴムマスターバッチを配合してなるゴム組成物。
【請求項6】
請求項5に記載のゴム組成物を用いて得られたタイヤ。
【請求項7】
前記ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して、0.25〜3.0重量部の層状粘土鉱物を配合してなるゴム組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−18914(P2013−18914A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155108(P2011−155108)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000127307)株式会社イノアック技術研究所 (73)
【Fターム(参考)】