説明

ゴム強化熱可塑性樹脂組成物

【課題】発色性、耐傷付き性、並びに耐衝撃性と流動性の物性バランスに優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 ゴム状重合体(a)の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A)が分散相を、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)を共重合させた共重合体(B)が連続相を構成するゴム強化熱可塑性樹脂組成物であって、ゴム状重合体(a)は粒子径0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50〜90重量%、粒子径0.2μm以上の粒子が10〜50重量%である重量分率を有し、グラフト共重合体(A)のグラフト率が70〜150%であり、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物100重量部中にゴム状重合体(a)が5〜24重量部含まれることを特徴とするゴム強化熱可塑性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発色性、耐傷付き性、並びに耐衝撃性と流動性の物性バランスに優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、スチレン系樹脂は、良好な成形加工性と機械的特性バランスを有し、電気絶縁性に優れていることから、電気・電子機器分野、OA機器分野などの広範な分野で用いられている。しかしながら、製品化の段階において、樹脂を成形して得られた成形品を、例えば組み立てラインまで輸送する際、細かな擦過傷を防止する目的で柔らかい不織布等で前記成形品を一つずつ梱包する場合があるため、多大な手間とコストが必要とされる。
【0003】
また、樹脂製品に様々な意匠を付与したり、使用時の製品の傷付きを防止する目的で、製品に全塗装又は部分塗装を施す場合がある。しかしながら、塗装処理は塗装不良による生産の歩留まり低下を生じやすいという問題点がある。また、近年のVOC排出抑制の流れから、できるだけ塗装処理を施すことなく、鮮やかな色又は深みのある色に着色したり、金属調又はパール調の外観を持たせること等ができるように、意匠性を付与しやすく、且つ傷の付きにくい樹脂が望まれている。
【0004】
特定の構造を持つスチレン系樹脂にポリエチレンワックス又はシリコーンオイルを適量添加することにより、耐傷付き性を向上させる方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、近年、高品位な外観を必要とする用途には、発色性が悪く適さない。さらに、シリコーンオイルがブリードアウトし、金型汚染性に劣るという問題がある。また、特定の粒子径分布を有するゴム強化スチレン系樹脂に、特定の窒素含有化合物を添加することで、傷付き性を改善できる方法が開示されている(特許文献2)。しかし、耐傷付き性が未だ不十分であるだけでなく、添加剤を必須とするためコストが余計に掛かるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−119477号公報
【0006】
【特許文献2】特開2000−191866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、発色性、耐傷付き性、並びに耐衝撃性と流動性の物性バランスに優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、従来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、グラフト共重合体を構成するゴム状重合体のゴム粒子径とグラフト率を特定範囲に限定することにより、シリコーン系の化合物である添加剤などを用いることなく、上記目的を達成できることを見出し本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、ゴム状重合体(a)の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A)が分散相を、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)を共重合させた共重合体(B)が連続相を構成するゴム強化熱可塑性樹脂組成物であって、ゴム状重合体(a)は粒子径0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50〜90重量%、粒子径0.2μm以上の粒子が10〜50重量%である重量分率を有し、グラフト共重合体(A)のグラフト率が70〜150%であり、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物100重量部中にゴム状重合体(a)が5〜24重量部含まれることを特徴とするゴム強化熱可塑性樹脂組成物に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、発色性、耐傷付き性、並びに耐衝撃性と流動性の物性バランスに優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を得ることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、粒子径0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50〜90重量%、粒子径0.2μm以上の粒子が10〜50重量%であるゴム状重合体(a)の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)をグラフト共重合することで得られ、グラフト率が70〜150%であるグラフト共重合体(A)が分散相を、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)を(共)重合させた(共)重合体(B)が連続相を構成し、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物100重量部中にゴム状重合体(a)が5〜24重量部含まれることを特徴とする。
【0012】
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物の分散相を構成するグラフト共重合体(A)に用いられるゴム状重合体(a)としては、特に制限はないが、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン−(エチレン−ブタジエン)−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルアクリレート−ブタジエン等のジエン系ゴム、アクリル酸ブチルゴム、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、メタクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸ブチルゴム、アクリル酸ステアリル−アクリル酸ブチルゴム、ポリオルガノシロキサン−アクリル酸ブチル複合ゴム等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等のポリオレフィン系ゴム重合体、ポリオルガノシロキサン系ゴム等のシリコン系ゴム重合体が挙げられ、これらは、1種又は2種以上用いることができる。特に、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル酸ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムが好ましい。
【0013】
グラフト共重合体(A)で用いられるゴム状重合体(a)は、粒子径0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50〜90重量%、粒子径0.2μm以上の粒子が10〜50重量%となるような粒子の重量分率を有している必要がある。0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50重量%未満の場合は発色性に劣り、90重量%を超えると耐衝撃性に劣る。0.05μm以上0.2μm未満の粒子は55〜85重量%であることが好ましく、60〜80重量%であることがより好ましい。0.2μm以上の粒子が10重量%未満の場合は耐衝撃性に劣り、50重量%以上の場合は耐傷付き性、発色性に劣る。発色性と耐衝撃性のバランスの観点から0.2μm以上の粒子は15〜45重量%であることが好ましく、20〜40重量%であることがより好ましい。また、粒子径が0.2μm以上の粒子に関して、耐傷付き性の観点から、0.2μm以上0.4μm未満の粒子が10〜50重量%であることが好ましく、15〜45重量%であることがより好ましく、20〜40重量%であることが特に好ましい。
【0014】
ゴム状重合体(a)の粒子の重量分率は、ゴム状重合体を四酸化オスミウム等によって染色し、透過型電子顕微鏡を用いて透過写真を撮影し、ゴム状分散粒子500〜1000個の粒子を測定することで求めることができる。
【0015】
粒子径0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50〜90重量%、粒子径0.2μm以上の粒子が10〜50重量%となるような粒子の重量分率を有しているゴム状重合体(a)は、重合条件などを適宜調節することで得ることが出来るが、異なる粒子の重量分率を有するゴム状重合体を混合することで、目的の粒子の重量分率となるように調整したゴム状重合体であっても良い。
【0016】
グラフト共重合体(A)に用いられる芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン及びジメチルスチレン等を例示でき、1種又は2種以上用いることができる。芳香族ビニル系単量体として、特にスチレンが好ましい。
【0017】
グラフト共重合体(A)に用いられるシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等を例示でき、1種又は2種以上用いることができる。シアン化ビニル系単量体として、特にアクリロニトリルが好ましい。
【0018】
グラフト共重合体(A)に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、モノクロルフェニル(メタ)アクリレート、ジクロルフェニル(メタ)アクリレート、トリクロルフェニル(メタ)アクリレート等を例示でき、1種又は2種以上用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体として、特にメチルメタアクリレートが好ましい。
【0019】
また、グラフト共重合体(A)に用いられるその他の共重合可能な単量体としては、例えば、マレイミド系単量体(例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等)、不飽和カルボン酸またはその無水物(例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸無水物等)、及びアミド系単量体(例えば、アクリルアミド及びメタクリルアミド等)等を使用することができ、それぞれ1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物の分散相を構成するグラフト共重合体(A)はゴム状重合体(a)の存在下で単量体(b)をグラフト共重合することで得られるが、グラフト共重合体(A)のグラフト率は70〜150%であることが必要である。グラフト率が70%未満の場合は発色性、耐傷付き性に劣り、150%を超えると耐衝撃性、流動性に劣る。グラフト共重合体(A)のグラフト率は80〜130%であることが好ましく、90〜110%であることがより好ましい。
【0021】
グラフト共重合体(A)のグラフト率は、グラフト共重合体の赤外吸収スペクトルを測定することで求めることが出来る。具体的にはグラフト共重合体のアセトン可溶分を除去して、グラフト共重合体の不溶分から構成されるフィルムを作成し、赤外分光装置を用いてフィルムの赤外吸収スペクトルを測定することで、グラフト共重合体の構成物質及び構成比率を求めることが出来る。グラフト共重合体の構成比率が得られると、下記式にて計算を行うことでグラフト率を求めることが出来る。
グラフト率(%)=(単量体(b)に関する成分(重量%)/ゴム状重合体(a)に関する成分(重量%))×100
ただし、単量体(b)に関する成分とゴム状重合体(a)に関する成分の合計を100重量%とする。
【0022】
グラフト共重合体のグラフト率の測定に関して、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体のグラフト率を求める場合は、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物のアセトン不溶分がグラフト共重合体(A)に相当するため、アセトン不溶分の赤外吸収スペクトルを測定することで、上記と同様の方法により、ゴム強化熱可塑性樹脂中に存在するグラフト共重合体(A)のグラフト率を求めることが出来る。
【0023】
グラフト共重合体(A)の重合方法については特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合またはこれらの組み合わせにより製造することができるが乳化重合により製造を行う事が好ましい。
【0024】
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物の連続相を構成する(共)重合体(B)は、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体を含む群から選択される1種以上の単量体(b)を重合することで得られる(共)重合体であるが、用いられる単量体はグラフト共重合体(A)で用いられる例として述べられている各単量体と同様のものを用いることが出来る。用いられる単量体の種類や使用比率に関しては、求められる物性に応じて適宜調節をすれば良い。また、(共)重合体(B)はグラフト共重合体(A)のグラフト共重合の際に、ゴム状重合体(a)に共重合しなかった単量体の(共)重合体を含んでいても良い。
【0025】
(共)重合体(B)の重合方法については特に制限はなく、公知の乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合またはこれらの組み合わせにより製造することができる。
【0026】
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は分散相であるグラフト共重合体(A)と連続相である(共)重合体(B)から構成されるが、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物100重量部中にゴム状重合体(a)が5〜24重量部含まれている限り、グラフト共重合体(A)と(共)重合体(B)の使用割合に制限は無い。つまり、グラフト共重合体(A)のグラフト共重合の際に副生成される(共)重合体が連続相となる場合は(共)重合体(B)を用いなくても良い。ゴム状重合体が5重量部未満では耐衝撃性に劣り、24重量部を超えると発色性、耐傷付き性、流動性に劣る。物性バランスの観点から、ゴム状重合体は7〜20重量部含まれていることが好ましく、10〜17重量部含まれていることがより好ましい。
【0027】
また、本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、重量分率の異なる2種以上のゴム状重合体をそれぞれ別々にグラフト重合することで、2種以上のグラフト共重合体を作成し、これらグラフト共重合体と(共)重合体とを溶融混連させることで得られたゴム強化熱可塑性樹脂組成物であってもよい。ただし、その場合は個々のグラフト共重合体のグラフト率が70〜150%である必要がある。
【0028】
ゴム強化熱可塑性樹脂組成物の連続相(アセトン可溶部)の還元粘度(0.4g/100cc、N,Nジメチルホルムアミド溶液として30℃で測定)に特に制限はなく、要求性能によって任意の値のものを使用することができるが、物性バランスの観点から0.2〜2.0dl/gであることが好ましく、0.3〜1.5dl/gであることがより好ましい。
【0029】
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて各種添加剤、例えば公知の酸化防止剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤、難燃剤、艶消し剤、充填剤、ガラス繊維、ポリエチレンワックスやシリコーンオイル等の耐傷付き性改良剤等を適宜添加することができる。
【0030】
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は単独で使用できるが、必要に応じて他の熱可塑性樹脂と混合して使用することもできる。このような他の熱可塑性樹脂として、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂等を使用することができる。
【0031】
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、上述の成分を混合することで得ることができる。混合するために、例えば、押出し機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練装置を用いることができる。
【0032】
さらに、本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、公知の成形方法、例えば押出成型、射出成形、ブロー成形及びプレス成形等により成形することができ、種々の成形品を製造することができる。
【実施例】
【0033】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中にて示す「部」及び「%」は重量に基づくものである。
【0034】
<試験例>
表3に示す組成割合のグラフト共重合体(A)及び共重合体(B)に対して、着色剤としてSumiplast Black HB(住友化学株式会社製)を1.0部混合した。ベント付50mm単軸押出機(オーエヌ機械製)を用い、シリンダー温度210℃にて溶融混合し、ペレット化することによって、黒色に着色されたペレットを得た。なお、表1及び表2で示す各成分は以下の通りである。
【0035】
ゴム状重合体(a)の製造
ゴム状重合体(a−1):耐圧容器に、1,3−ブタジエン93部、スチレン7部、n−ドデシルメルカプタン0.5部、過硫酸カリウム0.24部、ロジン酸ナトリウム1.5部、水酸化ナトリウム0.1部及び脱イオン水150部を仕込み、70℃で15時間反応させた後、冷却して反応を終了させることで、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−1)を得た。得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−1)を、四酸化オスミウム(OsO)で染色し、乾燥後に透過型電子顕微鏡で写真撮影をした。画像解析処理装置(装置名:旭化成(株)製 IP−1000PC)を用いて1000個のゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、スチレン−ブタジエンゴムの重量平均粒子径及び重量分率を算出した。重量平均粒子径及び重量分率を表1に示す。
【0036】
ゴム状重合体(a−2)〜(a−4):上記で得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−1)を用いてゴム粒子の凝集肥大化処理を行った。撹拌槽にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−1)270部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液0.09 部を添加して10分間撹拌した後、5%リン酸水溶液0.8部を10分間に亘り添加した。その後、10%水酸化カリウム水溶液1部を添加することで、重量平均粒子径が0.25μmであるゴム状重合体(a−2)を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの使用量を調節することで、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−3)〜(a−4)を得た。上述の方法で、得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックスの重量平均粒子径と重量分率を測定した。測定結果を表1に示す。
【0037】
ゴム状重合体(a−5)〜(a−9):表1に示す構成比でスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−1)〜(a−4)を混合することにより、ゴム状重合体(a−5)〜(a−9)を得た。
【0038】
グラフト共重合体(A)の製造
グラフト共重合体(A−1):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−5)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、t−ドデシルメルカプタン0.3部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−1)を得た。
【0039】
グラフト共重合体(A−1)の一定量をアセトン中に投入し、振とう機で2時間振とうし、グラフト共重合体を浸漬させた。遠心分離器を用いて、この溶液を15,000rpmで30分間、遠心分離した後に、真空乾燥により常温で一昼夜乾燥し、アセトン不溶分を得た。得られたアセトン不溶分をフィルム化して赤外分光分析装置(装置名:Spectrum One Perkin Elmer社製)を用いて、赤外吸収スペクトルからスチレン−ブタジエンゴム、スチレン、アクリロニトリルの重量比率を同定した。各成分の重量比率からグラフト率を算出した。
また、上記で得られたアセトン可溶分を乾燥後、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、0.4g/100ccの濃度の溶液としたのち、キャノンフェンスケ型粘度管を用い30℃の流下時間を測定することにより還元粘度を求めた。
得られたグラフト共重合体(A−1)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度はそれぞれ91%及び0.40dl/gであった。
【0040】
グラフト共重合体(A−2):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−6)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、t−ドデシルメルカプタン0.3部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−2)を得た。上述の方法により、得られたグラフト共重合体(A−2)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は89%、還元粘度は0.39dl/gであった。
【0041】
グラフト共重合体(A−3):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−5)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−3)を得た。上述の方法により、得られたグラフト共重合体(A−3)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は130%、還元粘度は0.39dl/gであった。
【0042】
グラフト共重合体(A−4):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−5)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン21部、メタクリル酸メチル49部、t−ドデシルメルカプタン0.3部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−4)を得た。上述の方法により、得られたグラフト共重合体(A−4)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は81%、還元粘度は0.37dl/gであった。
【0043】
グラフト共重合体(A−5):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−5)20部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン56部、アクリロニトリル24部、t−ドデシルメルカプタン0.4部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−5)を得た。上述の方法により、得られたグラフト共重合体(A−5)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は75%、還元粘度は0.36dl/gであった。
【0044】
グラフト共重合体(A−6):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−5)48部(固形分)、水140部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン39部、アクリロニトリル13部、t−ドデシルメルカプタン0.6部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−6)を得た。上述の方法により、得られたグラフト共重合体(A−6)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は40%、還元粘度は0.39dl/gであった。
【0045】
グラフト共重合体(A−7):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−5)20部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン56部、アクリロニトリル24部、及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−7)を得た。上述の方法により、得られたグラフト共重合体(A−7)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は170%、還元粘度は0.44dl/gであった。
【0046】
グラフト共重合体(A−8):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−7)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、t−ドデシルメルカプタン0.3部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−8)を得た。上述の方法により、得られたグラフト共重合体(A−8)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は95%、還元粘度は0.41dl/gであった。
【0047】
グラフト共重合体(A−9):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−8)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、t−ドデシルメルカプタン0.3部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−9)を得た。上述の方法により、得られたグラフト共重合体(A−9)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は87%、還元粘度は0.38dl/gであった。
【0048】
グラフト共重合体(A−10):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−9)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、t−ドデシルメルカプタン0.3部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−10)を得た。上述の方法により、得られたグラフト共重合体(A−10)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は98%、還元粘度は0.41dl/gであった。
【0049】
グラフト共重合体(A−11):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−1)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、t−ドデシルメルカプタン0.3部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部を4時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合体(A−11)を得た。得られたグラフト共重合体(A−11)のグラフト率およびアセトン可溶成分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は93%、還元粘度は0.40dl/gであった。
【0050】
グラフト共重合体(A−12):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−2)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、t−ドデシルメルカプタン0.28部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部を4時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合体(A−12)を得た。得られたグラフト共重合体(A−12)のグラフト率およびアセトン可溶成分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は89%、還元粘度は0.39dl/gであった。
【0051】
グラフト共重合体(A−13):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−2)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、t−ドデシルメルカプタン0.3部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部を4時間に亘り連続的に添加し、更に60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥後、グラフト共重合体(A−13)を得た。得られたグラフト共重合体(A−13)のグラフト率およびアセトン可溶成分の還元粘度を測定した結果、グラフト率は93%、還元粘度は0.40dl/gであった。
【0052】
共重合体(B)の製造
共重合体(B−1):公知の塊状重合法により、スチレン70重量部、アクリロニトリル30重量部からなる共重合体(B−1)を得た。上述の方法により、得られた共重合体(B−1)の還元粘度を測定した結果、還元粘度は0.60dl/gであった。
共重合体(B−2):公知の塊状重合法により、スチレン30重量部、メタクリル酸メチル70重量部からなる共重合体(B−2)を得た。上述の方法により、得られた共重合体(B−2)の還元粘度を測定した結果、還元粘度は0.58dl/gであった。
【0053】
(1)発色性
JIS−Z8729に準拠した色相測定により成形品の明度(L*)を測定し発色性の尺度とした。(成形品の明度(L*)が小さい方が成形品の漆黒性が優れているため、結果として同一着色剤を同量添加した際の発色性に優れる)上記成形品としては、各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用い、射出成形機(日本製鋼所製 J−150EP シリンダー温度:200℃ 金型温度:80℃)にて成形された成形品(150mm×120mm×3mm)を用いた。分光光度計は、(株)村上色彩研究所社製 CMS−35SPを用いた。
【0054】
(2)耐傷付き性
往復磨耗試験機(新東科学株式会社製、製品名 トライボギア TYPE:30S)を用い、先端部が直径27mmの圧子にかなきん3号の綿布をセットし、500gの一定荷重下で、成形品表面を20往復(速度600mm/分)摩擦した。上記成形品としては、前記(1)で用いた成形品と同じものを使用した。試験後、目視にて成形品の表面の傷を確認し、下記の判定により耐傷付き性の評価を行った。
傷が全く見られない:◎
傷がほとんど見られない:○
傷がかすかに見られる:△
傷が明確に見られる:×
【0055】
(3)耐衝撃性
各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用いISO試験方法294に準拠して各種試験片を成形し、耐衝撃性を測定した。
耐衝撃性はISO179に準拠し、4mm厚みで、ノッチ付きシャルピー衝撃値を測定した。単位:kJ/m
【0056】
(4)流動性
各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用い、ISO1133に準拠して、220℃、10kg荷重の条件でメルトボリュームフローレイトを測定した。単位;cm/10分
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
表3に示すように、本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、耐傷付き性、発色性に優れるだけでなく、耐衝撃性、流動性の物性バランスに優れることが分かる。特に、ゴム状重合体の重量分率に関して、0.2μm以上0.4μm未満の粒子が10〜50重量%の範囲である場合は耐傷付き性に優れる結果となる。また、実施例9及び10で示すように、2種以上のゴム状重合体を別々にグラフト重合し、2種以上のグラフト共重合体を用いた場合でも、グラフト率や粒子の重量分率の規定を満たしている限り、本願の目的を達成することができる。
【0061】
表3に示すように、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物中のゴム含有量が5重量部よりも少ない比較例1は耐衝撃性に劣った。ゴム含有量が24重量部よりも多い比較例2は発色性、耐傷付き性、流動性に劣った。グラフト率が70%未満であるグラフト共重合体(A−6)を用いた比較例3は発色性、耐傷付き性に劣った。グラフト率が150%を超えたグラフト共重合体(A−7)を用いた比較例4は耐衝撃性と流動性に劣った。0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50重量%未満であり、0.2μm以上の粒子が50重量%以上であるゴム状重合体(a−8)、(a−9)を用いた比較例5及び6は発色性に劣った。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、上記の優れた特性を活かして、電気・電子機器分野、OA機器分野などをはじめとした広範な分野で利用することができる。特に優れた物性バランスと発色性、耐傷付き性を両立させる用途に好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム状重合体(a)の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A)が分散相を、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)を共重合させた共重合体(B)が連続相を構成するゴム強化熱可塑性樹脂組成物であって、ゴム状重合体(a)は粒子径0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50〜90重量%、粒子径0.2μm以上の粒子が10〜50重量%である重量分率を有し、グラフト共重合体(A)のグラフト率が70〜150%であり、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物100重量部中にゴム状重合体(a)が5〜24重量部含まれることを特徴とするゴム強化熱可塑性樹脂組成物。

【公開番号】特開2013−18950(P2013−18950A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168748(P2011−168748)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(399034220)日本エイアンドエル株式会社 (186)
【Fターム(参考)】