説明

ゴム弾性を有する紫外線硬化性樹脂

【課題】優れた柔軟性を有するウレタン(メタ)アクリレート変性オリゴマーを提供すること。
【解決手段】(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物、(b)多官能イソシアネート、及び(c)水酸基含有(メタ)アクリレートを、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの存在下で反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであって、ポリイソプレン樹脂、多官能イソシアネート、及び水酸基含有(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートが70〜140重量部である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム弾性を有する紫外線硬化性樹脂に関する。また、本発明は、そのような樹脂を含有する紫外線硬化性樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
LCD等の光学部品とこれらを保持するために用いられるアクリル板やポリカーボネートなどのプラスチック成型材などの光学機能材料とを貼り合わせるために用いられる接着剤として、ウレタン(メタ)アクリレート変性オリゴマーが挙げられる。光学部品と光学機能材料とを貼り合わせる場合、光学部品と光学機能材料等の線膨張の違いや、成型時の歪みが発生するため、これらを貼り合わせるための接着剤であるウレタン(メタ)アクリレート変性オリゴマーには柔軟性が要求される。
【0003】
特許文献1には、末端に1個又は2個の水酸基を有する水素添加ポリジエン樹脂、有機ジイソシアネート、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応させてなる水素添加ポリジエン含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂と、炭素数が6以上の脂肪族アルキル基を持つモノ(メタ)アクリレートとからなる硬化性樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−260898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、末端に水酸基を有する水素添加ポリイソプレン樹脂の末端を、ジイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートで、アクリル当量を1.5〜2.5当量の範囲でウレタンアクリル化を行なうことで得られる、ウレタン(メタ)アクリル変性オリゴマーは、現状では重量平均分子量が約3,000程度であり、このような分子量では、オリゴマーのアクリル当量が大きくなり、柔軟性に欠ける問題が発生していた。また、このようなオリゴマーを含む硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化物の柔軟性を改良するためには、系中に反応性のない可塑剤を添加する必要があり、これらの可塑剤により表面ブリード、凝集力不足、及び接着不良等の問題を引き起こしトラブルが発生していた。また、特許文献1のように、希釈性モノマーの不存在下で水素添加ポリジエン含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を合成すると、硬化性組成物とする際に溶解性が不良で高粘度化及びゲル化を起こしていた。
【0006】
本発明の課題は、優れた柔軟性を有するウレタン(メタ)アクリレート変性オリゴマーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記の課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、優れた柔軟性(ゴム弾性)を有するオリゴマーを得るためには、ウレタン(メタ)アクリレート化において用いられる希釈モノマーの種類、量及び反応コントロールが大きな要因であることがわかった。具体的には、親油性の高い希釈モノマーの存在下で、ポリイソプレン樹脂又はその水素添加物を、多官能イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを用いてウレタン(メタ)アクリレート化することで、優れた柔軟性(ゴム弾性)を有するウレタン(メタ)アクリレート変性オリゴマーが得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物、(b)多官能イソシアネート、及び(c)水酸基含有(メタ)アクリレートを、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの存在下で反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであって、(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物、(b)多官能イソシアネート、及び(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの量が70〜140重量部である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーに関する。
本発明は、(a)成分が、分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物である、前記に記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーに関する。
本発明は、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートが、炭素原子数4〜20の脂肪族モノ(メタ)アクリレート、炭素原子数6〜20の芳香族モノ(メタ)アクリレート、及び炭素原子数3〜20の脂環式モノ(メタ)アクリレートである、前記に記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーに関する。
本発明は、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートが、−80〜200℃のガラス転移温度を有する、前記に記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーに関する。
本発明は、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートが、炭素原子数4〜12の分岐状のアルキル基を含有するモノ(メタ)アクリレートである、前記に記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーに関する。
本発明は、前記に記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び光開始剤を含む、紫外線硬化性組成物に関する。
本発明は、電子材料を貼り合わせるための接着剤である、前記に記載の紫外線硬化型組成物に関する。
本発明は、前記に記載の紫外線硬化性組成物を用いて貼り合わせた、接着構造体に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、優れた柔軟性を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
本発明のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、「オリゴマー」という)は、(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物、(b)多官能イソシアネート、及び(c)水酸基含有(メタ)アクリレートを、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの存在下で反応させることにより得られ、ここで、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの量は、(a)成分〜(c)成分の合計100重量部に対して、70〜140重量部である。本発明のオリゴマーを得るためには、(d)成分が必須である。(d)成分の存在により、ウレタン(メタ)アクリレート化の前に、オリゴマーの骨格を形成する(a)成分同士が反応し、オリゴマーの骨格部分の分子量を増加させることができ、これにより優れた柔軟性を有するオリゴマーが得られる。
【0011】
オリゴマーの分子量は、好ましくは4,000〜10,000であり、より好ましくは4,000〜8,000である。このような分子量であれば、アクリル当量が大きくなりすぎず、オリゴマーの柔軟性が良好である。分子量が10,000を超えるオリゴマーであっても、柔軟性を保持することが可能であるが、系の液粘度が大幅に上昇し、ゲル化する可能性がある。本発明において分子量は、GPC法で求めた重量平均分子量(ポリスチレン換算値)をいう。このようなGPC法による重量平均分子量の測定は、例えば、東ソー(株)GPC装置(HLC−8120GPC)を用いて行うことができる。オリゴマーの粘度は、好ましくは25℃で、2,000〜600,000mPasであり、より好ましくは2,000〜550,000mPaである。このような粘度であれば、攪拌効率がよく、ゲル化する可能性がない。本発明において、粘度は、E型粘度計で測定した値である。本発明のオリゴマーのガラス転移温度(Tg)は、例えば0〜200℃である。このようなTgであれば、適度なゴム弾性が得られる。
【0012】
(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物
分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物は、ポリイソプレン骨格又はポリイソプレンの水素添加物の骨格を有する本発明のオリゴマーの原料である。分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの主骨格は、下記(1):
−(CH−C(CH)=CH−CH)− (1)
で示されるシス−1,4−ポリイソプレン単位、及び/又は下記(2):
−(CH−C(C(CH)=CH)H)− (2)
で示される3,4−ポリイソプレン単位を含む。
【0013】
分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水酸基は、ポリイソプレンゴムの主骨格、すなわちシス−1,4−ポリイソプレン単位及び/又は3,4−ポリイソプレン単位を含む、ポリイソプレン骨格の両方の末端に結合して存在している。よって、本発明の分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムは、両末端水酸基含有ポリイソプレンゴムと呼ばれる場合がある。
【0014】
分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物としては、上記に記載の分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムに存在する不飽和結合を水素化して飽和させた樹脂をいう。なお、本発明の分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物は、両末端水酸基含有ポリイソプレン水添ゴムと呼ばれる場合がある。
分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物のうち、柔軟性の点から、分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物が特に好ましい。
【0015】
分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物の分子量は、特に限定されず、好ましくは2,000〜2,600であり、より好ましくは2,200〜2,400である。本発明において、分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又はその水素添加物の水酸基当量は、好ましくは40〜65mg/KOHであり、より好ましくは50〜55mg/KOHである。このような分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム及び分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物は、市販品として、入手可能であり、例えば、エポール(出光興産株式会社製)及びクラレイソプレン(クラレ株式会社製)等が挙げられる。
【0016】
(b)多官能イソシアネート
多官能イソシアネートは、1分子中にイソシアナト基を2つ以上有する化合物であれば特に制限されないが、脂環式多官能イソシアネート、芳香族多官能イソシアネート、及び脂肪族多官能イソシアネートが挙げられ、好ましくは1分子中にイソシアナト基を2つ有する2官能イソシアネート及び1分子中にイソシアナト基を3つ有する3官能トリイソシアネートである。
【0017】
脂環式多官能イソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、及び2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
【0018】
芳香族多官能イソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン及び1,5−ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0019】
脂肪族多官能イソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート及びビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート等が挙げられる。これらの多官能イソシアネートは、一種を単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
【0020】
これらの多官能イソシアネートにおいて、耐光性等を考慮すると脂肪族イソシアネート及び脂環式イソシアネートがより好ましい。好ましくは脂環式ジイソシアネートであり、特に好ましくはイソホロンジイソシアネートである。
【0021】
(c)水酸基含有(メタ)アクリレート
水酸基含有(メタ)アクリレートは、1分子中に1以上の水酸基を有する(メタ)アクリレートであれば特に限定されるものではないが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、及びアルキレンオキサイド付加ポリオール(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、本明細書において(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを表す。
【0022】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0023】
ポリオール(メタ)アクリレートとしては、炭素数2〜10程度の2〜4価のポリオール(メタ)アクリレート、具体的には、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0024】
アルキレンオキサイド付加ポリオール(メタ)アクリレートとしては、アルキレンオキサイド付加トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド付加ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びアルキレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの水酸基含有(メタ)アクリレートは、一種を単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
【0025】
これらの水酸基含有(メタ)アクリレートにおいて、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。
【0026】
(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレート
本発明において、水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートは、親油性が高い希釈モノマーである。このような水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートとして、水酸基を有さない脂肪族モノ(メタ)アクリレート、水酸基を有さない芳香族モノ(メタ)アクリレート、及び水酸基を有さない脂環式モノ(メタ)アクリレートが挙げられる。水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートは、分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物、多官能イソシアネート、及び水酸基含有(メタ)アクリレートの反応速度及び反応のタイミングを適度なものとすることができる。1分子中に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する、多官能(ジ、トリ、テトラ、及びヘキサ等)のアクリル酸エステルは、硬化時の架橋成分が含有されており、得られる硬化物のTgが高くなりすぎて、適度なゴム弾性が得られない。
【0027】
水酸基を有さない脂肪族モノ(メタ)アクリレートは、炭素原子数4以上の直鎖又は分岐状アルキル基を有するモノ(メタ)アクリレートであるのが好ましい。このような炭素原子数4以上の直鎖又は分岐状アルキル基を有する脂肪族モノ(メタ)アクリレートとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及びステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。好ましくは炭素原子数4〜20の直鎖又は分岐状アルキル基を有するモノ(メタ)アクリレートであり、より好ましくは炭素原子数4〜12の分岐状アルキル基を有するモノ(メタ)アクリレートであり、特に好ましくはイソオクチル(メタ)アクリレート及びt−ブチル(メタ)アクリレートである。
【0028】
水酸基を有さない芳香族モノ(メタ)アクリレートは、炭素原子数6〜20の芳香族基を有するモノ(メタ)アクリレートである。水酸基を有さない芳香族モノ(メタ)アクリレートとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0029】
水酸基を有さない脂環式モノ(メタ)アクリレートは、炭素原子数3〜20の単環又は多環(好ましくは2環〜4環)の脂環式基を有するモノ(メタ)アクリレートである。水酸基を有さない脂環式(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0030】
本発明において、水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートのTgは、好ましくは−80〜200℃であり、より好ましくは0〜200℃であり、更に好ましくは0〜50℃である。上記した水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートのTgの例は、t−ブチルアクリレート(Tg:41℃)、n−ブチルアクリレート(Tg:−56℃)、i−ブチルアクリレート(Tg:−26℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(Tg:−70℃)、イソオクチルアクリレート(Tg:−58℃)、ラウリルアクリレート(Tg:15℃)、ベンジルアクリレート(Tg:6℃)、シクロヘキシルアクリレート(Tg:15℃)、ラウリルメタクリレート(Tg:−65℃)、2−エチルヘキシルメタクリレート(Tg:−31℃)である。
【0031】
(2)オリゴマーの製造方法
本発明のオリゴマーの製造方法は、(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物、(b)多官能イソシアネート、及び(c)水酸基含有(メタ)アクリレートを、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの存在下で反応させる方法であって、(a)成分〜(c)成分の合計100重量部に対して、(d)成分が70〜140重量部である方法である。また、本発明のオリゴマーの製造方法として、例えば、下記工程(1)〜工程(2):
(1)(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物及び(b)多官能イソシアネートを、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの存在下で反応させて、反応生成物を得る工程と、
(2)工程(1)で得られる反応生成物と、(c)水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させる工程と
を含み、(a)成分〜(c)成分の合計100重量部に対して、(d)成分の量が、70〜140重量部である方法が挙げられる。
【0032】
本発明において、希釈モノマーである(d)成分の使用量は、(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物、(b)多官能イソシアネート、及び(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、70〜140重量部である。このような範囲とすることで、液粘度が上昇してゲル化することなく、また分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物の重合反応が適度に進むため、適度なアクリル当量を有するオリゴマーが得られる。(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートが70重量部未満であると、オリゴマーの溶解性が不良となり高粘度化及びゲル化を起こし、140重量部を超えると、粘度が低くなりすぎ、水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの性質が強く出てしまい、柔軟性のある硬化物を与えることができない。(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの使用量は、(a)成分〜(c)成分の合計100重量部に対して、100〜120重量部であるのが好ましい。
【0033】
(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物及び(b)多官能イソシアネートの使用量は、(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物の水酸基の1モルに対して、(b)多官能イソシアネートのイソシアナト基のモル数が、好ましくは2〜3モルとなる量であり、より好ましくは2〜2.5モルとなる量である。
【0034】
(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの使用量は、(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物の水酸基1モルに対して、好ましくは1〜3モルとなる量であり、より好ましくは1〜2.5モルとなる量である。
【0035】
本発明において、反応温度は特に限定されず、好ましくは80℃以下であり、より好ましくは60℃〜80℃である。本発明の工程(1)〜工程(2)を含む方法である場合、工程(1)及び工程(2)の反応温度は、独立して、好ましくは60℃〜80℃であり、より好ましくは60℃〜75℃である。このような反応温度であれば、十分な反応速度が得られ、熱による重合反応が生じ、ゲル化物が生じるおそれがない。反応時間は、通常、残存イソシアネート基がなくなり所望のオリゴマーが得られる時間であれば特に制限されないが、例えば1時間〜5時間とすることができる。本発明の工程(1)〜工程(2)を含む方法である場合、反応時間は、工程(1)において、例えば1時間〜5時間とすることができ、工程(2)は、例えば1時間〜5時間とすることができる。残存イソシアネート基の確認は、FT−IR等で分析することができる。
【0036】
本発明の製造方法において、反応性の向上のために、(e)金属触媒の存在下で反応を行なうことができる。触媒としては、金属と有機及び無機酸の塩、例えば、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレート及びトリメチルスズラウレート等のスズ系触媒、オクチル酸鉛等の鉛系触媒等が挙げられる。なかでも、反応性の観点から、スズ系触媒が好ましく、ジブチルスズラウレートが特に好ましい。金属触媒の使用量は、(a)成分〜(c)成分100重量部に対して、0.1〜5重量部であるのが好ましく、0.1〜1重量部であるのがより好ましい。
【0037】
本発明の製造方法において、(f)重合禁止剤を添加することができる。本発明において、重合禁止剤として、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン等が挙げられ、ヒドロキノンモノメチルエーテルが好ましい。重合禁止剤の含有量は、(a)成分〜(c)成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜3重量部であり、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。
【0038】
(3)紫外線硬化性組成物
本発明の紫外線硬化性組成物は、本発明のオリゴマーを硬化成分として含む。また、本発明の紫外線硬化性組成物は、紫外線により硬化を開始させることができる光開始剤を含む。
【0039】
光開始剤としては、一般的な開始剤が使用でき、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、及びビスジエチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系光開始剤;2,2−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン系光開始剤;ベンジル、ベンゾイン、及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン系光開始剤;ベンジルジメチルケタールなどのアルキルフェノン系光開始剤;チオキサントンなどのチオキサントン系光開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1―プロパン−1−オン、及び2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのヒドロキシアルキルフェノン系光開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド系光開始剤;カンファーキノン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン−1等のケトン系光開始剤等が挙げられ、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。これらの光開始剤の1種類または2種類以上を使用できる。光開始剤の量は、本発明の紫外線硬化性組成物中で、0.5〜10重量%であるのが好ましく、1.0〜7.0重量%であるのがより好ましい。
【0040】
本発明の紫外線硬化性組成物は、さらに、水酸基含有(メタ)アクリレート、水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレート、及び接着性付与剤を含むことができる。
【0041】
水酸基含有(メタ)アクリレートは、好ましいものを含め、上記した(c)水酸基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリレートの量は、本発明の紫外線硬化性組成物中で、1〜30重量%であるのが好ましく、2〜24重量%であるのがより好ましい。
【0042】
水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートは、上記した(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートとして、水酸基を有さない脂環式モノ(メタ)アクリレートが好ましい。水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの量は、本発明の紫外線硬化性組成物中で、2〜40重量%であるのが好ましく、3〜30重量%であるのがより好ましい。
【0043】
接着付与剤として、シランカップリング剤、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル、メチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどを例示できる。これらの接着付与剤の1種類または2種類以上を使用できる。接着付与剤の量は、本発明の紫外線硬化性組成物中で、0.5〜10重量%であるのが好ましく、1〜5重量%であるのがより好ましい。なお、本発明の紫外線硬化性組成物における本発明のオリゴマーの含有量は、100重量%から光開始剤、並びに場合により含まれる、水酸基含有(メタ)アクリレート、水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレート、及び接着性付与剤の含有量を減じた量である。
【0044】
本発明の紫外線硬化性組成物は、本発明のオリゴマー及び光開始剤、並びに場合により含まれる、水酸基含有(メタ)アクリレート、水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレート、及び接着性付与剤を混合することにより得られる。本発明の紫外線硬化性組成物は、紫外線、例えば200〜400nmの光を照射することにより硬化させることができる。本発明のオリゴマーを含む紫外線硬化性組成物を紫外線の照射により硬化させた硬化物は、ゴム弾性(伸び)を有し、高ヤング率を有する。具体的には、破断時伸度100〜300%、破断時強度5〜20MPa、ヤング率10〜60MPaを有する。
【0045】
本発明のオリゴマーは、柔軟性に優れ、接着剤成分として有用である。よって、本発明のオリゴマーを含む組成物は、電子材料又は光学材料を貼り合わせるための接着剤として用いることができる。このような電子材料用及び光学材料用の接着剤の使用例としては、例えば、フォトセンサ(PD等)や撮像素子(CCD、CMOS等)のモールド、ワイヤーボンディングの保護やモールド、電極等の防湿コート、レンズやプリズムとこれらを保持するプラスチック材との貼り合わせ、波長板とこれらを保持するプラスチック材との貼り合わせ、表示体(LCD、電子ペーパー、EL等)とタッチパネルとの貼り合わせ、表示体と保護板(化粧板等)との貼り合わせ、及びタッチパネルと保護板との貼り合わせが挙げられる。
【実施例】
【0046】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0047】
実施例1 オリゴマーの合成
温度計、撹拌器、滴下ロート、乾燥管付き冷却管を備えた四つ口フラスコに、エポール(両末端水酸基含有ポリイソプレン水添ゴム 水酸当量50.5mgKOH/g、重量平均分子量 Mw2222.2、出光興産製)222.2g、イソホロンジイソシアネート(IPDL、ダイセルヒュズ社製)24.4g、ラウリルアクリレート(LA)262g、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン(MEHQ)0.13g、錫触媒としてラウリルスズラウレート0.13gを入れた。60℃に昇温後、60℃で4時間反応を行った。その後、2−ヒドロキシエチルアクリレート14.5gを追加した。70度に昇温後、70℃で4時間反応を行った後、FT−IRにてイソシアネートの吸収波長(2270nm)での吸収がないこと確認し取り出した。粘度4,500mPas(25℃)、外観透明液体の樹脂である。粘度は、E型粘度計(TOKI SANGYO)製RE−85U ローターNo1°34′×R24 CON−PLATE TYPEを用いて測定した。
【0048】
得られたオリゴマーについて、以下のように硬化フィルムを作成し、次いで硬化フィルムの柔軟性及び硬化フィルムの塗膜透明性を評価した。
(1) 硬化フィルムの作成
実施例1で得られたサンプルに対して、光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュアー I−184(登録商標)BASF製))5重量%添加して硬化性組成物とした。20cm×20cm×0.2mmになる様にPETフィルムに塗布し、ウシオ電機製80w/cm高圧水銀ランプを用い、10cm高さ、ラインスピード1m/min、1Pas、照射量1000mJ/cmの条件でUV光を照射して、硬化フィルムを得た。
(2−1) フィルムの柔軟性
得られた硬化フィルムの柔軟性は、以下の基準に基づいて評価した。
○:90°に曲げてクラックが入らない
△:90°に曲げると薄くクラックが入る
×:90°に曲げると明らかにクラックが入る
(2−2) フィルムの塗膜透明性
得られた硬化フィルムの塗膜の透明性は目視により判定し、以下の基準に基づいて評価した。
○:透明である
×:少しでも濁りが存在する
【0049】
実施例2〜7、比較例1〜6
表1及び表2に示す配合で、実施例1と同様にして、オリゴマー及び硬化フィルムを作成した。得られたオリゴマーの重量平均分子量及びオリゴマーの粘度、並びに硬化フィルムの柔軟性及び塗膜透明性を表1及び表2に示す。なお、表における各成分の量は重量部である。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
エポール:分子中に2つの水酸基を有するイソプレン水素添加ゴム(Mw(重量平均分子量)2,222.2)
IPDI:イソホロンジイソシアネート
2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
LA:ラウリルアクリレート(Tg:15℃)
IOA:イソオクチルアクリレート(Tg:−58℃)
TB:t−ブチルアクリレート(Tg:41℃)
1.6HXA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
MEHQ:メチルヒドロキノン
Sn触媒:ラウリルスズラウレート
【0053】
表1及び表2の結果より、(a)成分〜(c)成分100重量部に対して、希釈モノマーである(d)成分が140重量部を超えると、モノマーの性能がより強く出てしまい、オリゴマーの性能、つまり柔軟性を引き出すことができないことが示される。また、2官能の希釈モノマーを用いた比較例5及び6では本発明の(d)成分と同じ量を使用しているにもかかわらず、柔軟性が劣っているかゲル化してしまった。
【0054】
実施例8
実施例4で得られたオリゴマー50質量部、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(ライトエステルHOB(登録商標)共栄社化学製)15質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(QM−657(登録商標)ロームアンドハース製)20質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュアー I−184(登録商標)BASF)3質量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403(登録商標)信越化学製)1質量部、及びビニルトリエトキシシラン(KBE−1003(登録商標)信越化学製)1質量部からなる硬化性樹脂組成物を、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製M03−L31)の照射装置を用い、ORK照度計を用いて波長365nmの紫外光を3000mJ/cmの硬化条件で硬化させ、厚さ1.0mm×幅5.0mm×長さ30.0mmの硬化物を成形した。
【0055】
実施例9及び比較例7
表3に示す組成で、実施例7及び比較例1で得られたオリゴマーを用いて、実施例8と同様にして硬化物を作成した。
【0056】
得られた硬化物について、以下に示す方法で弾性率及び破断時伸び率を測定した。
(1)弾性率及び破断時伸び率の測定方法
得られた厚さ1.0mm×幅5.0mm×長さ30.0mmの硬化物成形物について、ミネベア社製テクノグラフTG−2kNを用いて、引っ張り速度10mm/分、チャック間距離30.0mm、25℃の条件で測定した。
結果を表3に示す。
【0057】
【表3】

【0058】
HOB:2−ヒドロキシブチルメタクリレート
QM−657:ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート
I−184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
KBE−1003:ビニルトリエトキシシラン
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のオリゴマーは優れたゴム弾性を有する。また、本発明のオリゴマーは、接着性、電気特性、耐熱性、耐候性、親油性、耐水性、及び耐薬品性、特に、親油性、耐水性、及び耐薬品性が、ポリエーテル、又はポリエステル系ウレタンアクリルオリゴマーより優れている。本発明のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは親油性に優れていることから、芳香族系溶媒(トルエン、キシレン、及びベンゼン等)によく溶解するが、ケトン系(例えばアセトン、及びメチルエチルケトン)、及びエステル系溶媒(例えば酢酸エチル等)には不溶である。また、本発明のオリゴマーを含む紫外線硬化性樹脂組成物は、例えば電子材料及び光学材料を貼り合わせるための接着剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物、(b)多官能イソシアネート、及び(c)水酸基含有(メタ)アクリレートを、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの存在下で反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーであって、(a)分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴム又は分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物、(b)多官能イソシアネート、及び(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの合計100重量部に対して、(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートの量が70〜140重量部である、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー。
【請求項2】
(a)成分が、分子中に2つの水酸基を有するポリイソプレンゴムの水素添加物である、請求項1記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー。
【請求項3】
(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートが、炭素原子数4〜20の脂肪族(メタ)アクリレート、炭素原子数6〜20の芳香族(メタ)アクリレート、及び炭素原子数3〜20の脂環式(メタ)アクリレートである、請求項1又は2記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー。
【請求項4】
(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートが、−80〜200℃のガラス転移温度を有する、請求項1〜3いずれか1項記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー。
【請求項5】
(d)水酸基を有さないモノ(メタ)アクリレートが、炭素原子数4〜12の分岐状のアルキル基を含有するモノ(メタ)アクリレートである、請求項1〜4いずれか1項記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか1項記載のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び光開始剤を含む、紫外線硬化性組成物。
【請求項7】
電子材料又は光学材料を貼り合わせるための接着剤である、請求項6記載の紫外線硬化型組成物。
【請求項8】
請求項6記載の紫外線硬化性組成物を用いて貼り合わせた、接着構造体。

【公開番号】特開2013−56973(P2013−56973A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195131(P2011−195131)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000162434)協立化学産業株式会社 (73)
【出願人】(509140700)ケーエスエム株式会社 (5)
【Fターム(参考)】