説明

ゴム成形品

【課題】視認性に優れ、着色されたゴム成形品と一体として用いられる薬剤の入った注射器その他の容器を容易かつ確実に特定することで、医療過誤を有効に防止することができ、さらに、密封性やシール性等ゴム成形品本来の機能を害することなく、かつ着色剤が薬剤中に分散することによって引き起こされる不具合を事前に回避することができる、ゴム成形品を提供する。
【解決手段】ゴム層と、当該ゴム層上に積層されてなる少なくとも1層以上の層とを有するゴム成形品であって、最表層以外の層の少なくとも1層の一部または全部が着色されてなる、ゴム成形品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の層からなるゴム成形品であって、当該複数の層のうち最表層以外の層の少なくとも1層の一部または全部が着色されてなることを特徴とするゴム成形品に関する。特に、医薬もしくは医療用、食品用または化粧品用の容器もしくは器具に用いられるゴム成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬剤が予め充填された、あるいはその使用時等に薬剤を充填して用いる注射器を人体等へ適用するに際し、当該注射器の安全な取扱いに関して、特に、視認性・識別性の観点から、注射器の構成部品を着色したものが知られている。
【0003】
たとえば、注射器の内部注入液の注入方法によって、注射器のシリンダー内部のピストンのゴム部、胴体または頭部を着色し、かかる色分けによって用途を確認し、誤りによる致命的なミスを未然に防ぐことが提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、医療機関における多数の関係者が複数個の薬剤充填済みの注射器を用いる際、混乱を生じることなく、所望の薬剤が充填された注射器を識別することができるようにするために、複数種類の薬剤を複数の色彩と関連づけて、複数個の注射器に充填することが提案されている(特許文献2)。
【0005】
また、注射器外筒が光透過率の低い材質の場合でも、滑栓先端位置の確認が良好となることを目的として、ゴム弾性体上に、薬液との接触部分および注射器外筒内面との摺動部分の全面が着色されたテトラフルオロエチレン(TFE)樹脂フィルム層を積層してなる注射器用滑栓が提案されている(特許文献3)。
【0006】
しかしながら、上記特許文献に記載された発明や考案は、注射器の構成部品の一部または全部が着色されているものの、特許文献1に記載された注射器のシリンダー内部のピストンのゴム部等や、特許文献2に記載された注射器のピストン等は、そもそも単層構成を前提としており、したがって複層構造であるとの開示や示唆はなく、また、当然ながら、上記単層のゴム部やピストンが着色されているので、そもそも複数の層のうち最表層以外の層が着色されてなるという技術思想について観念自体できない。また、特許文献3に記載された注射器用滑栓は、ゴム弾性体上にTFEフィルム層が積層された2層構造ではあるものの、着色されているのは最表層であるTFEフィルム層である。
【0007】
つまり、上記特許文献に記載された発明や考案では、注射器の単一の層または2層からなる構成部品の最表層の一部または全部が着色されているので、この構成部品の最表層に含まれる着色剤が、当該構成部品の最表層に接する薬剤(薬液)にしみ出してしまうという課題を有しており、かかる課題を改善する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3070924号公報
【特許文献2】実開平6−9648号公報
【特許文献3】特公平7−47045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記課題を見出し、この課題を解決するために鋭意検討した結果なされたものであって、複数の層からなるゴム成形品であって、当該複数の層のうち最表層以外の少なくとも一層の一部または全部が着色されていることを特徴とする。
【0010】
本発明のゴム成形品は着色されているので、視認性、識別性に優れている。また、本発明のゴム成形品は、その着色によって、その色と、当該ゴム成形品と一体として用いられる注射器、バイアルその他の容器または器具に予め充填された、あるいは要時充填される薬剤(薬液)の種類との関連づけを行うことにより、使用者が所望の薬剤の入った当該容器を、その良好な視認性等に基づき、色ごとに容易かつ確実に特定することができる。そして、このことにより、誤った薬剤を人体等に適用してしまう等の重大な医療過誤を有効に抑止することができる。
【0011】
さらに、本発明のゴム成形品は、最表層以外の層の少なくとも1層が着色されており、最表層には着色剤(色材)が含まれていない。つまり、当該ゴム成形品が、たとえばバイアル用のゴム栓である場合や、注射器用滑栓(ガスケット)である場合において、当該ゴム栓や滑栓の密封性、シール性その他の本来の機能が着色剤の存在によって害されるおそれがない。
【0012】
くわえて、本発明のゴム成形品は、当該ゴム成形品が、たとえばバイアル用ゴム栓や注射器用滑栓である場合は、薬剤(薬液)に接する最表層に着色剤が含まれていないので、あるいは当該最表層へ内層に存在する着色剤がしみ出ていくことがないような工夫を施すことによって、着色剤が薬剤中にしみ出てしまうことによって引き起こされる種々の不具合を事前に回避することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果なされたものであり、以下の構成からなる。
(1)ゴム層と、当該ゴム層上に積層されてなる少なくとも1層以上の層とを有するゴム成形品であって、最表層以外の層の少なくとも1層の一部または全部が着色されてなる、ゴム成形品。
(2)前記少なくとも1層以上の層が最表層であり、前記最表層以外の層の少なくとも1層がゴム層である、上記(1)に記載のゴム成形品。
(3)前記少なくとも1層以上の層が中間層および最表層であり、前記最表層以外の層の少なくとも1層がゴム層および/または中間層である、上記(1)に記載のゴム成形品。
(4)前記着色が、着色樹脂粒子を用いてなされている、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴム成形品。
(5)前記最表層の一部または全部が、フッ素樹脂を含んでなる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のゴム成形品。
(6)前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体である、上記(5)に記載のゴム成形品。
(7)前記中間層が、ポリオレフィンを含んでなる、上記(3)〜(6)のいずれかに記載のゴム成形品。
(8)前記ポリオレフィンが、超高分子量ポリエチレンである、上記(7)に記載のゴム成形品。
(9)前記ゴムが、熱可塑性エラストマーである、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のゴム成形品。
(10)ゴム層と、当該ゴム層上に中間層および最表層が順に積層されてなるゴム成形品であって、上記中間層が着色されてなり、上記最表層の色が透明から半透明の範囲内にあり、上記ゴム層の色が白色または白色透明である、上記(3)〜(9)のいずれかに記載のゴム成形品。
【発明の効果】
【0014】
本発明のゴム成形品は着色されているので、視認性、識別性に優れている。また、本発明は、本発明のゴム成形品と一体として用いられる所望の薬剤の入った注射器、バイアルその他の容器を、上記優れた視認性等に基づき、容易にかつ確実に特定することができるので、医療過誤を有効に防止することができる。さらに、本発明のゴム成形品は、最表層以外の層の少なくとも1層の一部または全部が着色されているため、密封性、シール性その他の当該ゴム成形品本来の機能が着色剤の存在よって害されるおそれがなく、くわえて着色剤が薬剤(薬液)中にしみ出すことによって引き起こされる種々の不具合を事前に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のゴム成形品の一例である注射器用滑栓をデイスポーザブルタイプの注射器に適用した断面図である。
【図2】図1に示した滑栓の例を示す断面図である。
【図3】本発明のゴム成形品の他の一例であるバイアル用ゴム栓の断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、ゴム層と、当該ゴム層上に積層されてなる少なくとも1層以上の層とを有するゴム成形品であって、最表層以外の層の少なくとも1層の一部または全部が着色されてなる、ゴム成形品である。
ここで、本明細書では、ゴム層と当該ゴム層上に積層されてなる少なくとも1層以上の層とを有する本発明に係る複数層のゴム成形品において、任意の隣接する2層の間の積層の態様は、一方の層の一部に他方の層が積層されてなる場合および一方の層の全部に他方の層が積層されてなる場合の双方を含むものとする。また、上記積層の態様は、本発明のゴム成形品を構成する複数の層各々の用途や機能(効果)、隣接する2層が有する技術的意義や連関性に基づき適宜決定される。
【0017】
本発明は、ゴム成形品を構成する複数の層の中で最表層以外の少なくとも1つの層の一部または全部が着色されているので、視認性、識別性に優れている。
【0018】
また、本発明は、そのゴム成形品の着色された色の種類と、当該着色されたゴム成形品と一体として用いられる注射器、バイアルその他の容器または器具に予め充填された、あるいは要時充填される薬剤(薬液)の種類等とを関連づけて、本発明のゴム成形品および上記容器等の使用をすることにより、その使用をする者が所望の薬剤の入った当該容器等を、その良好な視認性等に基づき、容易にかつ確実に特定することができ、これにより重大な医療過誤を有効に防止することができる。
【0019】
さらに、本発明のゴム成形品は、最表層以外の層の少なくとも1層の一部または全部が着色されている(最表層には着色剤が含まれていない)ため、当該ゴム成形品が、たとえばバイアル用のゴム栓である場合、注射器用滑栓(ガスケット)である場合その他の薬剤に接するゴム成形品である場合において、当該ゴム栓、滑栓その他のゴム成形品の密封性、シール性その他の本来の機能が着色剤の存在よって害されるおそれがなく、くわえて、顔料等の着色剤が薬剤中にしみ出して分散してしまうことによって引き起こされる不具合を事前に回避することができる。
【0020】
本発明の一の好ましい形態(第1実施形態)は、前記少なくとも1層以上の層が最表層である2層構造のゴム成形品であって、前記最表層以外の層、すなわちゴム層の一部または全部が着色されてなるゴム成形品である。
【0021】
また、本発明の他の好ましい一の形態(第2実施形態)は、前記少なくとも1層以上の層が中間層および最表層である3層構造のゴム成形品であって、前記最表層以外の層、すなわちゴム層もしくは中間層またはこれらの双方の一部もしくは全部が着色されてなるゴム成形品である。
ただし、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々変更された実施形態をも含むことができる。
【0022】
本発明のゴム成形品は、医薬もしくは医療用、食品用または化粧品用の容器または器具に用いられることが好ましい。上記医薬もしくは医療用の容器または器具としては、上述した注射器用の滑栓、バイアル製剤容器はもちろんのこと、その他にも注射針取り付け部用キャップ、点滴容器、透析用液体薬剤容器、輸液用栓体の針刺し部分、移注器、採血器具、人工器官、カテーテル、血液パック等が挙げられる。
以下、本発明を上記第1実施形態および第2実施形態に基づき、さらに詳細に説明する。
【0023】
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係るゴム成形品は、ゴム層と、当該ゴム層上に積層されてなる少なくとも1層以上の層(最表層)とを有するゴム成形品であって、最表層以外の層(ゴム層)の一部または全部が着色されてなる、ゴム成形品である。
本実施形態のゴム成形品は、たとえば、医薬または医薬分野において薬液を人体や動物に投与する際に用いられる注射器用の滑栓(ガスケット)やバイアル用のゴム栓であることができる。
以下においては、第1実施形態として注射器用滑栓である場合を例に説明する。
【0024】
本実施形態の注射器用滑栓は、ゴム層(ゴム弾性体)と、当該ゴム弾性体の薬液との接触部分および注射器外筒内面との摺動部分の全面に積層された最表層とからなる。
本実施形態の注射器用滑栓は、ゴム弾性体(滑栓基材)を着色することにより、滑栓先端位置の確認が良好となる。また、注射器外筒の素材がガラスのような透明性の良いもの以外のもの、たとえば光の透過率が低く透明性の悪いポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)その他のプラスチックの場合でも、滑栓の先端の位置が容易に視認できる。
【0025】
ゴム層
ゴム層の材質であるゴム弾性体としては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレン‐イソブチレンゴム類、ニトリルゴム等の合成ゴムや天然ゴムを主原料とし、それに充填剤、架橋剤等を配合したものを用いることができる。
また、熱可塑性エラストマーを好適に用いることもできる。具体的には、ゴムとプラスチックの中間的特性を有するオレフィン系(TPO)、スチレン系(SBC)、塩化ビニル系(TPVC)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、フッ素系(TPF)、ポリブタジエン系(RB)、ポリイソブチレン系、シリコーン系、エチレン−酢酸ビニル系(EVA、EEA)の樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの中でも、その耐熱性や溶出特性から、スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレン共重合体(SIBS)などが好ましい。
また、ゴム弾性体の材料は、そのゴム材料の色が不鮮明になったり、成形品に色むらが生じないように選択・工夫することが好ましい。
【0026】
最表層
最表層は、良好な摺動性を有し、薬液中に混入するおそれのない固体であって、かつそれが剥離しない様に滑栓に密着する物質として、摩擦抵抗が低いフッ素系樹脂が好ましい。フッ素系樹脂としては、耐光性、耐水蒸気透過性にも優れた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(VdF)、トリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリテトラフルオロジオキソールコポリマー、ポリフッ化ビニル等を好適に用いることができ、これらの中でも、防汚性、耐熱性等の観点から、PTFE、PFA、ETFE、FEP、VdFがより好ましく、最も摩擦係数が小さく、軟かくてシール性も良好なPTFEが最も好ましい。
PTFEは、柔軟性およびシール性のバランスの観点から、厚さ10〜100μmのフィルムの態様でゴム弾性体滑栓基材に積層されることが好ましい。
【0027】
本実施形態の注射器用滑栓は、図1に示すように、ゴム弾性体滑栓基材5と、その表面に最表層を積層したラミネート部7からなる滑栓3であって、当該ラミネート部7が薬液8との接触部分および注射器本体外筒1の内面との摺動部全面に設けられている。これにより、充分な摺動性と耐薬品性が確保される。
本実施形態の注射器用滑栓においては、薬液との接触部分および注射器外筒内面との摺動部分の全面に積層された最表層がフッ素樹脂を含む態様を記したが、フッ素樹脂は必要に応じて最表層の一部または全部に適宜含ませることができる。
【0028】
着色
本実施形態の注射器用滑栓は、最表層以外の層、すなわちゴム層の一部または全部が着色されている。
ゴム層を構成する樹脂を着色する手法としては、着色樹脂粒子を好適に用いることができる。
着色樹脂粒子の製造方法としては、着色剤を樹脂材料に配合し、溶融混練後に粉砕して着色樹脂粒子とする溶融混練法や、重合性単量体中に顔料成分を分散配合し、水系媒体中で懸濁重合を行うことにより着色樹脂粒子を製造する懸濁重合法等公知の方法を用いることができる。懸濁重合法は、比較的粒度分布の均一でかつ形状が球状の粒子が得られるため、分散安定性、均一な呈色の観点からより好ましい。また、ゴム層に存在する着色剤が最表層にしみ出てくるおそれを有効に回避する観点から、着色剤を樹脂によって強固に被覆してなる、いわゆるカプセル化着色剤の態様も好ましい。
【0029】
上記樹脂材料としては、本実施形態の注射器用滑栓のゴム層を構成する樹脂と同一の樹脂や、ゴム層の構成樹脂と親和性、相溶性のある樹脂を好ましく用いることができる。上記重合性単量体も同様である。
着色剤としては、人体等に無害で、視認性を付与する限りにおいて、公知の顔料や、分散染料、建染染料その他の公知の不溶性染料を何らの制限なく用いることができる。
【0030】
着色されてなる層以外の層
本実施形態の注射器用滑栓は、最表層以外の層、すなわちゴム層の一部または全部が着色されているところ、上記着色されてなる層以外の層、すなわち最表層が、さらなる視認性の向上の観点から、透明から半透明の範囲内にあるか、または白色透明であることが好ましい。透明から半透明の範囲内の色の層は、当該層を構成する樹脂の種類、屈折率、モノマー組成を考慮して適宜調製することができ、また、市場に流通している透明または半透明の公知の樹脂を使用することもできる。
【0031】
その他
図面を参照して本実施形態の注射器用滑栓を説明する。
図1は、本実施態様を示す断面図であって、注射器本体外筒1とピストンロツド2を有するデイスポーザブルタイプの注射器に、ゴム弾性体からなる滑栓基材5をPTFEフィルム7でラミネートした滑栓3が使用されている例を示す。4は注射針、6はピストンロツド支持窪、8は薬液を表す。
図2は、本実施形態の滑栓の具体例を示し、図1で用いられた滑栓の断面図である。
【0032】
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態に係るゴム成形品は、ゴム層と、当該ゴム層上に積層されてなる少なくとも1層以上の層(中間層および最表層)とを有するゴム成形品であって、最表層以外の層の少なくとも1層(ゴム層もしくは中間層またはこれらの双方)の一部または全部が着色されてなる、ゴム成形品である。
本実施形態のゴム成形品は、医薬または医療用途に用いられる容器または器具のシール用のゴム成形品、たとえばバイアル用のゴム栓や、医薬または医薬分野において薬液を人体や動物に投与する際に用いられる容器または器具、たとえば注射器の滑栓(ガスケット)であることができる。
以下においては、第2実施形態としてバイアル用ゴム栓、注射器用滑栓である場合を例に説明する。
【0033】
〔バイアル用ゴム栓〕
ゴム層
本実施形態のバイアル用ゴム栓のゴム層を構成する材料としては、上記第1実施形態で示したものを同様に用いることができる。また、熱可塑性エラストマーその他のゴム層を構成する材料は、白色または白色透明であることが好ましい。
【0034】
最表層
本実施形態のバイアル用ゴム栓は、上記ゴム層上に中間層を介して最表層が積層されている。
最表層はバイアルに充填された薬液と接触する。このため、ゴム栓の表面の少なくとも薬液と直接接触する可能性のある最表層は、不活性で最も安全性が高い材料とする必要があり、このような材料として、フッ素樹脂が好ましい。また、最表層は、透明から半透明の範囲内にあることが好ましい。
【0035】
フッ素樹脂としては、耐光性、耐水蒸気透過性にも優れた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(VdF)、トリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリテトラフルオロジオキソールコポリマー、ポリフッ化ビニル等を好適に用いることができ、これらの中でも、防汚性、耐熱性等の観点から、PTFE、PFA、ETFE、FEP、VdFがより好ましく、ゴム栓への薬剤の吸着および透過を抑制する観点、ゴム材料との良好な層間接着強度の観点から、ETFEが最も好ましい。
【0036】
また、フッ素樹脂フィルム層は、厚さ10〜100μmであることが好ましい。
本実施形態のバイアル用ゴム栓においては、薬液との接触部分に積層された最表層がフッ素樹脂を含む態様を記したが、フッ素樹脂は必要に応じて最表層の一部または全部に適宜含ませることができる。
【0037】
中間層
本実施形態のバイアル用ゴム栓は、上記ゴム層と上記最表層との間に中間層が積層されている。
上記のとおり安定した特性を有するフッ素樹脂をフィルムの態様でバイアル用ゴム栓(シール材)の最表層として使用する場合、当該フッ素樹脂フィルムとゴム層との接着強度は高くなく、また接着強度を向上させるために当該フィルムに表面処理を施しても所望の接着強度を確保するには十分でないという問題がある。
そこで、本実施形態では、かかるフッ素樹脂フィルムとゴム層(ゴム素面)との接着性を改善するために、フッ素樹脂フィルムおよびゴム素面の双方に対して接着性に優れるプラスチック層を中間層として介在させる。
【0038】
フッ素樹脂フィルムとしてETFEを選択する場合は、介在させる中間層としては、ETFEと同様に熱可塑性樹脂であり、加熱や冷却、放射線や電磁線などの照射、加圧や減圧下でも、ETFEフィルムと類似した特性を示し、メルトフローレートもETFEに近いものが望ましい。さらに、フッ素樹脂フィルムともゴム素面とも優れた接着性を示す材料でなければならない。
【0039】
このような条件を満たす中間層の材料としては、ポリオレフィンが好ましく、中でも分子量が100万〜700万程度の超高分子量ポリエチレン、特に分子量が500万を越える超高分子量ポリエチレンが、ゴム素面とフッ素樹脂フィルムとの密着一体化を良好に進行させる上で、より好ましい。
このような、ETFEと超高分子量ポリエチレンの二重フィルム層を、薬液と直接接触するシール用ゴム栓の表面とすることで、薬液に悪影響を及ぼさず、上記フィルム層とゴム素面間の十分な接着力を確保し、フッ素樹脂層のゴム素面からの剥離を防止できる。
また、ポリオレフィンフィルム層は、厚さ10〜100μmであることが好ましく、これと上記フッ素樹脂層両層の全厚さは20〜300μmであることが好ましい。
【0040】
着色
本実施形態のバイアル用ゴム栓は、最表層以外の層の少なくとも1層(ゴム層もしくは中間層またはこれらの双方)の一部または全部が着色されている。本実施形態では、中間層が着色されてなることが好ましい。
ゴム層や中間層を構成する樹脂を着色する手法としては、着色樹脂粒子を好適に用いることができる。
【0041】
着色樹脂粒子の製造方法や、当該着色剤および樹脂材料に関する事項は、上記第1実施形態において説明したとおりである。
【0042】
着色されてなる層以外の層
本実施形態のバイアル用ゴム栓は、最表層以外の層の少なくとも1層、すなわちゴム層もしくは中間層またはこれらの双方、の一部または全部が着色されているところ、上記着色されてなる層以外の層の色が、さらなる視認性の向上の観点から、透明から半透明の範囲内にあるか、または白色もしくは白色透明であることが好ましい。すなわち、たとえば中間層の一部または全部が着色されている場合は、ゴム層および/または最表層が透明から半透明の範囲内の色にあるか、または白色もしくは白色透明であることが好ましい。本実施形態では、上記中間層の一部または全部が着色されており、上記ゴム層が白色もしくは白色透明のゴム材料から構成され、上記最表層が透明から半透明の範囲内の樹脂で構成されていることが好ましい。
【0043】
透明から半透明の範囲内の色の層は、上記第1実施形態で示したのと同様に調製することができる。また、白色の層は、適切な樹脂に酸化チタン等の白色顔料、中空樹脂粒子もしくは白色樹脂粒子またはこれらから選ばれる少なくとも2種以上を含ませて適宜調製することができる。また、白色透明の層は、上記白色の層の調製に用いることができる適切な樹脂と白色顔料等との量を適宜調整して得ることができる。
【0044】
本実施形態のバイアル用ゴム栓や後述する注射器用滑栓その他の本願発明に係るゴム成形品においては、色彩の観点からは、最上層が透明で、中間層が透明でかつ着色されてなり、ゴム層が白色もしくは白色透明であることが好ましい。色彩として上記特徴を有し、およびゴム成形品としてゴム層、中間層および最表層の3層構造をとり、各層の材料その他の特徴が先に説明した内容であることにより、本発明のゴム成形品は、視認性に優れ、中間層が着色された当該ゴム成形品と一体として用いられる薬剤の入った注射器その他の容器を容易かつ確実に特定することで、医療過誤を有効に防止することができ、さらに、密封性やシール性等ゴム成形品本来の機能を害することなく、かつ着色剤が薬剤中に分散することによって引き起こされる不具合を事前に回避することができ、くわえて見た目の高級感を有するゴム成形品を提供することができる。
【0045】
また、上述した内容を前提としつつ、本実施形態のバイアル用ゴム栓や後述する注射器用滑栓その他の本願発明に係るゴム成形品は、さらに、着色されてなる中間層において、当該着色による色ムラが発生しないことが好ましい。色ムラの発生を有効に防止するためには、顔料等着色剤自体の分散安定性が優れているものを選択することは格別、着色樹脂粒子を用いる場合においては、溶融混練法で用いられる樹脂材料または懸濁重合法で用いられる重合性モノマーと、顔料等との間に、分散に適した良好な電気的バランスを成立されることにより、当該着色樹脂粒子における顔料等の分散を安定かつ均一に制御すること、さらに、上記着色樹脂粒子と、中間層を形成する超高分子量ポリエチレン等のポリオレフィンとの間にも、分散に適した良好な電気的バランスを成立させることにより、当該中間層における着色樹脂粒子の分散を安定かつ均一に制御することが必要である。
【0046】
着色
本実施形態の注射器用滑栓は、最表層以外の層、すなわちゴム層の一部または全部が着色されている。
ゴム層を構成する樹脂を着色する手法としては、着色樹脂粒子を好適に用いることができる。
着色樹脂粒子の製造方法としては、着色剤を樹脂材料に配合し、溶融混練後に粉砕して着色樹脂粒子とする溶融混練法や、重合性単量体中に顔料成分を分散配合し、水系媒体中で懸濁重合を行うことにより着色樹脂粒子を製造する懸濁重合法等公知の方法を用いることができる。懸濁重合法は、比較的粒度分布の均一でかつ形状が球状の粒子が得られるため、分散安定性、均一な呈色の観点からより好ましい。また、ゴム層に存在する着色剤が最表層にしみ出てくるおそれを有効に回避する観点から、着色剤を樹脂によって強固に被覆してなる、いわゆるカプセル化着色剤の態様も好ましい。
【0047】
上記樹脂材料としては、本実施形態の注射器用滑栓のゴム層を構成する樹脂と同一の樹脂や、ゴム層の構成樹脂と親和性、相溶性のある樹脂を好ましく用いることができる。上記重合性単量体も同様である。
【0048】
その他
本実施形態のバイアル用ゴム栓は、ゴム層とフッ素樹脂層との接着強度を増加させ、当該フッ素樹脂層がゴム層より剥離することがないように、フッ素樹脂種自体を選択するとともに、フッ素樹脂層およびゴム層の双方に対して接着性に優れるプラスチック層を中間層として介在させている。
フッ素樹脂との接着性に課題があるゴム材料の剥離強度を増加させる方法として、フッ素樹脂フィルムとゴム素面との間に、双方に優れた密着性を示すフィルムを介在させ、真空下で加熱し、架橋反応等で発生するガスを抜きながら型締め成形することにより、フッ素樹脂フィルムと介在フィルム、介在フィルムとゴム素面とが密着一体化した二重積層構造のゴム成形品とすることができ、これらの層間における界面剥離を生じず、表面がフッ素樹脂フィルムで積層されたゴム成形品を得ることができる。
【0049】
本実施形態のゴム栓は、たとえば最表層のフッ素樹脂フィルムと中間層のポリオレフィンフィルムを下金型上に重ねて載置し、その上にシート状のゴム素材を重ね、上金型を下降し、キャビティー内の空気を吸引しつつ型締し、上下金型温度を該シート状ゴム素材の成形温度以上、型締め圧を50〜200Kg/cm2程度の熱圧を加えて成形することができる。
本実施形態のバイアル用ゴム栓は、ゴム素面とポリオレフィンフィルム層間、ポリオレフィンフィルム層とフッ素樹脂フィルム層間の密着性に優れ、界面剥離がなく、薬剤を収納するバイアルのシール材として非常に有用である。
【0050】
また、本実施形態のバイアル用ゴム栓のフッ素樹脂フィルムのポリオレフィンフィルムとの接着性をさらに向上させるために、表面処理を施しても良い。表面処理方法としては化学的処理方法、コロナ放電、スパッタエッチング等公知の方法を用いることができる。被処理面の変色回避、設備の単純化、製品管理の観点から、スッパタリングによるエッチング法が好ましい。
【0051】
また、図3に本実施形態のシリンジ用ゴム栓の一例を示す。図3において、300がゴム栓状に成形されたゴム素材、100が該ゴム栓の少なくとも薬品に接触する面(本例ではゴム栓の表面全面)を覆うフッ素樹脂フィルム層、200が該ゴム素材300とフッ素樹脂フィルム層100との間に介在させたポリオレフィンフィルム層である。
【0052】
〔注射器用滑栓〕
本実施形態の注射器用滑栓は、ゴム層(ゴム弾性体)と、当該ゴム弾性体の薬液との接触部分および注射器外筒内面との摺動部分の全面に積層された最表層と、上記ゴム層と最表層との間に設けられた中間層とからなる。
本実施形態の注射器用滑栓は、好ましくは、ゴム弾性体(滑栓基材)と最表層との間に設けられた中間層を着色することにより、滑栓先端位置の確認が良好となる。また、注射器外筒の素材がガラスのような透明性の良いもの以外のもの、たとえば光の透過率が低く透明性の悪いポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)その他のプラスチックの場合でも、滑栓の先端の位置が容易に視認できる。
【0053】
ゴム層
本実施形態の注射器用滑栓のゴム層を構成する材料としては、上記第1実施形態に係る注射器用滑栓で用いることができる材料と同様のものを用いることができる。また、熱可塑性エラストマーその他のゴム層を構成する材料は、白色または白色透明であることが好ましい。
【0054】
最表層
本実施形態の注射器用滑栓は、上記ゴム層上に中間層を介して上記最表層が積層されている。
最表層は注射器に充填された薬液と接触する。このため、滑詮の表面の少なくとも薬液と直接接触する可能性のある最表層は、不活性で最も安全性が高い材料とすることが好ましい。また、最表層は、良好な摺動性を有し、薬液中に混入するおそれのない固体であって、かつそれが剥離しない様に滑栓に密着し、摩擦抵抗が低い材料であることが好ましい。
このような材料として、フッ素樹脂が好適である。また、最表層は、透明から半透明の範囲内にあることが好ましい。
【0055】
フッ素系樹脂としては、上記第1実施形態において記載されたものと同様のものを用いることができ、これらの中で最も摩擦係数が小さく、軟かくてシール性も良好なPTFEが最も好ましい。
PTFEは、すべての薬品に対して、溶解や膨張が見られない極めて優れた化学的安定性を持っており、機械的には摩擦係数が小さく優れた摺動性を持っている。また、融点が327℃であり熱可塑性プラスチックとしては極めて高く、メルトフローレート(MFR)はほぼ0であり、融点以上に加熱しても均一な分散状態を保持し、常温に戻しても形状は変わらず、フィルムに成形しても物性劣化が認められないなどの優れた特性を持っている。
また、PTFEは、柔軟性およびシール性のバランスの観点から、厚さ10〜100μmのフィルムの態様でゴム弾性体滑栓基材に積層されることが好ましい。
【0056】
本実施形態の注射器用滑栓は、図示はしないが、たとえばゴム弾性体滑栓基材と、その表面に中間層を介して、最表層を積層した滑栓3であって、当該最表層が薬液との接触部分および注射器本体外筒の内面との摺動部全面に設けられている。これにより、充分な摺動性と耐薬品性が確保される。
本実施形態の注射器用滑栓においては、薬液との接触部分および注射器外筒内面との摺動部分の全面に積層された最表層がフッ素樹脂を含む態様を記したが、フッ素樹脂は必要に応じて最表層の一部または全部に適宜含ませることができる。
【0057】
中間層
本実施形態の注射器用滑栓は、上記ゴム層と上記最表層との間に中間層が積層されている。
本実施形態の注射器用滑栓の中間層は、上記第2実施形態のシリンジ用ゴム栓の中間層の説明が当てはまる。また、当該説明中「ETFE」は「PTFE」と読み替えるものとする。
【0058】
着色
本実施形態の注射器用滑栓は、最表層以外の層の少なくとも1層(ゴム層もしくは中間層またはこれらの双方)の一部または全部が着色されている。本実施形態では、中間層が着色されてなることが好ましい。
本実施形態の注射器用滑栓の着色に関する事項は、上記第1実施形態1や上記第2実施形態のシリンジ用ゴム栓の対応箇所において説明した事項と同様である。
【0059】
着色されてなる層以外の層
本実施形態の注射器用滑栓の着色されてなる層以外の層に関する事項は、上記第2実施形態のシリンジ用ゴム栓で説明した事項と同様である。
【0060】
その他
本実施形態の注射器用滑栓は、ゴム層とフッ素樹脂層との接着強度を中間層を介すことでより増加させ、当該フッ素樹脂層がゴム層より剥離することのないフッ素樹脂層を表面に積層したものである。
本実施形態の注射器用滑栓は、ゴム素面とポリオレフィンフィルム層間、ポリオレフィンフィルム層とフッ素樹脂フィルム層間の密着性に優れ、界面剥離がなく、薬剤を収納する注射器の優れた摺動性や耐薬品性を実現させるため非常に有用である。
本実施形態の注射器用滑栓のその他の事項は、上記したシリンジ用ゴム栓のその他の欄で説明した事項が適宜当てはまる。
【実施例】
【0061】
〔実施例1〕
オープン・ロールを用いてSIBS系エラストマー(株式会社カネカ製シブスター)100重量部に架橋剤(ヒドロシリル基含有ポリシロキサン)2重量部を加えたものを混練りし、24時間熟成後、加熱して厚さ10mmのシート状ゴム素材を得た。
このシート状ゴム素材を原材料として、所定の金型を用い、この金型の下金型上に厚さ50μmのETFEフィルムと、C.I.ピグメントレッド122、スチレン−アクリル共重合体および水を用いて懸濁重合法により調製した着色樹脂粒子を含む、厚さ50μmで分子量550万の超高分子量ポリエチレンフィルムとを重ね合わせ、その上に上記シート状ゴム素材を重ね、さらに上記超高分子量ポリエチレンフィルムと上記ETFEフィルムを重ねて、上金型を下降させた。
上・下金型を150〜180℃に加熱し、真空吸引口よりキャビティ内を吸引し、型締め圧力を100Kg/cm2とし、10分間加熱加圧成形した後、キャビティに沿ってカットし、バイアル用ゴム栓を得た。
【0062】
〔実施例2〕
オープン・ロールを用いてSIBS系エラストマー(株式会社カネカ製シブスター)100重量部に架橋剤(ヒドロシリル基含有ポリシロキサン)2重量部を加えたものを混練りし、24時間熟成後、加熱して厚さ10mmのシート状ゴム素材を得た。
得られたシート状ゴム素材に、C.I.ピグメントブルー15:3、スチレン−アクリル共重合体および水を用いて懸濁重合法により調製した着色樹脂粒子を含む、厚さ50μmで分子量550万の超高分子量ポリエチレンフィルムと、PTFEフイルム(ネオフロン;75μm厚片面スパツタエツチング処理品(ダイキン工業製))とを重ね、注射器用滑栓の形状を有する下金型(窪み有り)にPTFEラミネート面が接するよう配置し、上金型(突起部有り)にて、型締め圧力を100kg/cm2とし、180℃で7分間加圧・加熱して圧縮成形を行つた。バリ部を打抜き、洗浄して、6ml用注射器用滑栓を得た。
これは薬液接触部分と外筒内面摺動部分の全面をラミネートしたものである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、優れた視認性等により容易かつ確実に特定することができ、その結果医療過誤を有効に防止することができる、薬剤が充填された注射器、バイアルその他の容器と一体として用いられるゴム成形品の技術分野において有用に適用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム層と、当該ゴム層上に積層されてなる少なくとも1層以上の層とを有するゴム成形品であって、最表層以外の層の少なくとも1層の一部または全部が着色されてなる、ゴム成形品。
【請求項2】
前記少なくとも1層以上の層が最表層であり、前記最表層以外の層の少なくとも1層がゴム層である、請求項1に記載のゴム成形品。
【請求項3】
前記少なくとも1層以上の層が中間層および最表層であり、前記最表層以外の層の少なくとも1層がゴム層および/または中間層である、請求項1に記載のゴム成形品。
【請求項4】
前記着色が、着色樹脂粒子を用いてなされている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム成形品。
【請求項5】
前記最表層の一部または全部が、フッ素樹脂を含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム成形品。
【請求項6】
前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体である、請求項5に記載のゴム成形品。
【請求項7】
前記中間層が、ポリオレフィンを含んでなる、請求項3〜6のいずれか一項に記載のゴム成形品。
【請求項8】
前記ポリオレフィンが、超高分子量ポリエチレンである、請求項7に記載のゴム成形品。
【請求項9】
前記ゴムが、熱可塑性エラストマーである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴム成形品。
【請求項10】
ゴム層と、当該ゴム層上に順に中間層および最表層とが積層されてなるゴム成形品であって、上記中間層が着色されてなり、上記最表層の色が透明から半透明の範囲内にあり、上記ゴム層の色が白色または白色透明である、請求項3〜9のいずれか一項に記載のゴム成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−1002(P2013−1002A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135110(P2011−135110)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000149000)株式会社大協精工 (31)
【Fターム(参考)】