ゴム栓挿入装置

【課題】ゴム栓に対する電線の挿入作業を迅速に行えること。
【解決手段】ゴム栓35に電線34を挿入するゴム栓挿入装置1である。電線34の端部をゴム栓35に向けた姿勢で保持する電線保持部材30と、ゴム栓収容孔3がゴム栓供給通路21の一端側開口に臨む第1位置と、電線34の端部がゴム栓収容孔3の中心軸延長上となる第2位置との間で移動するように配設され且つゴム栓35を供給可能なゴム栓供給通路21を有する供給部材としてのゴム栓保持部材2と、電線34の端部をゴム栓35の内部孔35aに挿入するように、電線34とゴム栓35の少なくとも一方をそれらの近接方向に相対移動させる電線挿入機構部32と、ゴム栓保持部材2が第2位置にある状態で、ゴム栓収容孔3に保持されたゴム栓35が、電線34の挿入方向に沿って移動するのを規制するゴム栓規制部材20とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゴム栓に電線を挿入する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴム栓に電線を挿入する装置として、特許文献1に開示のものがある。
【0003】
このゴム栓挿入装置は、貫通孔部と貫通孔部の途中から外方向に向けて延びるゴム栓供給孔部とを有するゴム栓供給部材と、貫通孔部の一端側開口でゴム栓を保持するゴム栓保持部材と、貫通孔部内を挿通自在なコアピン本体部を有するピン部材と、可動収容空間の開放によりピン部材を退避可能にするピン支持部材と、電線の端部をコアピン本体部の中心軸延長上に沿って保持する電線保持部材と、電線の端部をゴム栓の内部孔に挿入するように、電線とゴム栓とをそれらの近接方向に相対移動させる電線挿入駆動機構部とを備えている。
【0004】
このゴム栓挿入装置では、エアによりゴム栓を、ゴム栓供給管からゴム栓供給孔部及び貫通孔部の途中部分を経由して貫通孔部の一端側開口に向けて圧送させて、ゴム栓保持部材のゴム栓収容凹部内にゴム栓を保持する。そして、ピン部材を前方(貫通孔部の一端側)に移動させてから、コアピン本体部の先端部を突出させてゴム栓収容凹部内のゴム栓の内部孔に圧入させる。電線挿入駆動機構部の駆動により、ゴム栓供給部材、ゴム栓保持部材、ピン部材及びピン支持部材を一体として電線保持部材に向けて移動させると、電線の端部は、コアピン本体部の先端部と当接してコアピン本体部及びピン部材を退避移動させつつ、ゴム栓の内部孔内に挿入される。ゴム栓に電線を挿入後、ゴム栓保持部材の一対の保持部を開き、電線保持部材が電線を掴んでゴム栓と共に加工終了部品として外部に搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−288966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このゴム栓挿入装置では、ゴム栓に電線を挿入する際、ゴム栓が貫通孔部側に後退移動するのを抑制して電線の挿入位置を安定させるために、ピン部材を貫通孔部の一端側へ移動させてから、前記コアピン本体部の圧入動作が行われる。しかしながら、貫通孔部の前後長が長いため、ピン部材を貫通孔部の一端側へ移動させるのに要する時間が長くなり、その結果、ゴム栓に対する電線の挿入作業を迅速に行うことが難しいという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、ゴム栓に対する電線の挿入作業を迅速に行えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1の態様に係るゴム栓挿入装置は、ゴム栓に電線を挿入するゴム栓挿入装置であって、前記ゴム栓を供給可能なゴム栓供給路を有する供給部材と、前記電線の端部を前記ゴム栓に向けた姿勢で保持する電線保持部材と、前記ゴム栓を保持するためのゴム栓収容孔を有するゴム栓保持部材であって、前記ゴム栓収容孔が前記ゴム栓供給路の一端側開口に臨む第1位置と、前記第1位置の側方であり且つ前記電線の端部が前記ゴム栓収容孔の中心軸延長上となる第2位置との間で移動するように配設されたゴム栓保持部材と、前記電線の端部を前記ゴム栓の内部孔に挿入するように、前記電線と前記ゴム栓の少なくとも一方をそれらの近接方向に相対移動させる電線挿入機構部と、前記ゴム栓保持部材が前記第2位置にある状態で、前記ゴム栓収容孔に保持された前記ゴム栓が、前記電線の挿入方向に沿って移動するのを規制するゴム栓規制部材とを備えている。
【0009】
第2の態様は、第1の態様に係るゴム栓挿入装置であって、前記ゴム栓保持部材に、前記ゴム栓保持部材が前記第2位置にある状態及び前記第1位置と前記第2位置との間の移動途中にある状態で、前記ゴム栓の他端部が当接可能な当接部が形成されている。
【0010】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るゴム栓挿入装置であって、前記ゴム栓規制部材に、前記ゴム栓の内部孔に挿入された前記電線の端部が挿入される孔部が形成され、前記電線の端部が前記ゴム栓の内部孔に挿入された状態で、前記ゴム栓の一端部が前記孔部に挿入されている。
【0011】
第4の態様は、第1又は第2の態様に係るゴム栓挿入装置であって、前記ゴム栓規制部材に、前記ゴム栓の内部孔に挿入された前記電線の端部が挿入される孔部が形成され、前記ゴム栓規制部材における前記孔部の周辺領域に、前記電線の端部が前記ゴム栓の内部孔に挿入された状態で、前記ゴム栓の一端部が当接可能な当接部が形成されている。
【0012】
第5の態様は、第1の態様〜第4の態様のいずれか1つに係るゴム栓挿入装置であって、前記電線保持部材と前記ゴム栓保持部材の間に配設され、且つ、前記電線保持部材から延出する前記電線の端部を、前記ゴム栓収容孔の中心軸延長上に沿って案内する電線案内部材を備えている。
【0013】
第6の態様は、第5の態様に係るゴム栓挿入装置であって、前記電線案内部材に、前記ゴム栓保持部材が前記第1位置にある状態及び前記第1位置と前記第2位置との間の移動途中にある状態で、前記ゴム栓収容孔に保持された前記ゴム栓の他端部が当接可能な当接部が形成されている。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様によると、ゴム栓保持部材を第1位置の側方である第2位置に移動させてゴム栓に対する電線の挿入作業を行うことができ、また、ゴム栓に電線を挿入する際にコアピン本体部の進退動作等、ゴム栓が電線の挿入方向に沿って移動するのを抑制するための動作が不要となるため、ゴム栓に対する電線の挿入作業を迅速に行うことができる。
【0015】
第2の態様によると、ゴム栓保持部材が第2位置にある状態で、次の挿入対象となるゴム栓の他端部をゴム栓保持部材の当接部に当接させて待機させることができる。また、次の挿入対象となるゴム栓の他端部をゴム栓保持部材の当接部に当接させた状態で、ゴム栓保持部材を第2位置から第1位置に円滑に移動させることができるため、次の挿入対象となるゴム栓をゴム栓収容孔に迅速に保持することができる。これにより、複数のゴム栓に対する電線の挿入作業を迅速に行うことができる。
【0016】
第3の態様によると、ゴム栓の一端部をゴム栓規制部材の孔部に挿入させた状態でゴム栓に電線が挿入されるため、細長いゴム栓に電線を挿入する場合でも、電線の挿入位置が安定し電線の品質が向上する。
【0017】
第4の態様によると、ゴム栓の一端部をゴム栓規制部材の当接部に当接させた状態でゴム栓に電線が挿入されるため、電線の挿入位置が安定し電線の品質が向上する。
【0018】
第5の態様によると、ゴム栓に対して電線を精度良く挿入することができる。
【0019】
第6の態様によると、ゴム栓収容孔に保持されたゴム栓の他端部を電線案内部材の当接部に当接させて安定した姿勢で、ゴム栓保持部材を第1位置から第2位置に円滑に移動させることができるため、ゴム栓に対する電線の挿入作業を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る切圧設備の一部であるゴム栓挿入装置を示す正面図である。
【図2】同上のゴム栓挿入装置を示す説明図である。
【図3】同上の制御ユニットを示すブロック図である。
【図4】同上のゴム栓挿入装置の動作を示す図である。
【図5】同上のゴム栓挿入装置の動作を示す図である。
【図6】同上のゴム栓挿入装置の動作を示す図である。
【図7】同上のゴム栓挿入装置の動作を示す図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】同上のゴム栓挿入装置の動作を示す図である。
【図10】第2実施形態に係るゴム栓挿入装置の動作を示す図である。
【図11】図10の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るゴム栓挿入装置1について説明する。図1は、切圧設備の一部であるゴム栓挿入装置を示す正面図であり、図2は、ゴム栓挿入装置1を示す説明図である。
【0022】
切圧設備(図示省略)においては、複数のゴム栓の姿勢を揃えるパーツフィーダ(図示省略)と、パーツフィーダから供給された複数のゴム栓を1つずつ分離させて供給する切出し装置(図示省略)と、電線に対して切断及び端子圧着を行う切圧機(図示省略)と、ゴム栓に電線を挿入するゴム栓挿入装置1、ゴム栓挿入装置1A及びゴム栓挿入装置1B等が設けられている。尚、ゴム栓挿入装置1、ゴム栓挿入装置1A及びゴム栓挿入装置1Bは、それぞれ異なる種類のゴム栓に電線を挿入する装置であり、ゴム栓挿入装置1については、第1実施形態で説明し、ゴム栓挿入装置1Aについては、第2実施形態で説明する。また、ゴム栓挿入装置1Bについては、ゴム栓挿入装置1又はゴム栓挿入装置1Aと略同様の構造であるため、説明を省略する。
【0023】
ゴム栓挿入装置1について説明する。ゴム栓挿入装置1は、ゴム栓35に電線34を挿入する装置である。ゴム栓挿入装置1は、ゴム栓供給管7と連通するゴム栓供給通路22(ゴム栓供給路)を有するゴム栓規制部材20と、ゴム栓保持部材2と、電線保持部材30と、電線案内部材10と、電線挿入駆動機構部32とを備え、ゴム栓規制部材20及びゴム栓保持部材2は、左右1対の連結部材8及び連結部材9によりゴム栓保持部材2がその幅方向に移動可能に連結されている。尚、ゴム栓規制部材20が供給部材に相当する。また、ゴム栓規制部材20とは別に供給部材を設けて、この供給部材にゴム栓供給路を形成してもよい。
【0024】
図8に示すように、ゴム栓35は、ゴム等の弾性部材により形成された細長い筒状部材であり、その内部に内部孔35aが形成されている。ゴム栓35は、筒状の本体部35bと、本体部35bの一端から突出する筒状の小径部35cとを有する。内部孔35aは、これに電線34を挿入した状態で、内部孔35aの内周面が電線34の外周面に密着可能な程度の径寸法に形成されている。このゴム栓35は、電線34が所定の部品ないし機器に組付けられた状態で、電線34を伝った水の浸入を防止する役割を果す。
【0025】
ゴム栓供給管7は、ゴム栓35を供給するための管状部材である。ゴム栓供給管7は、複数のゴム栓35が一定姿勢を維持しながら通過できるように、ゴム栓35の外径よりも大きな内径であって、ゴム栓35の側方からの投影形状よりも小さな内径となるように形成されている。ゴム栓供給管7内には、切出し装置よりゴム栓35が1つずつ供給されると共に、図示省略のエア供給手段よりエアが供給される。尚、本実施形態においては、ゴム栓挿入装置1の作動中、エア供給手段によりエアは継続的に供給されるが、所定のタイミングで周期的にエアを供給するようにしてもよい。
【0026】
ゴム栓規制部材20は、後述のゴム栓収容孔3に保持されたゴム栓35に電線34を挿入する際に、ゴム栓35が電線34の挿入方向へ沿って移動するのを規制するための部材である。ゴム栓規制部材20には、ゴム栓供給管7と連通するゴム栓供給通路22と、ゴム栓35に電線34を挿入する際に、ゴム栓35の内部孔35aに挿入された電線34の端部が挿入される貫通孔部21(孔部)がそれぞれ前後方向に形成されている。
【0027】
ゴム栓供給通路22は、複数のゴム栓35が一定姿勢を維持しながら通過できるように、ゴム栓35の外径よりも大きな内径であって、ゴム栓35の側方からの投影形状よりも小さな内径となるように形成されている。
【0028】
貫通孔部21は、電線34の端部がゴム栓35の内部孔35aに挿入された状態で、ゴム栓35の小径部35c(一端部)が挿入可能に、ゴム栓35の小径部35cの外径よりも大きな径寸法(本実施形態では僅かに大径)であって、ゴム栓35の本体部35bの外径よりも小さな径寸法で形成されている。このため、ゴム栓35の本体部35bが貫通孔部21内に挿入されないようになっている。また、ゴム栓規制部材20における貫通孔部21の一端側開口の周辺領域には、ゴム栓35の小径部35cが貫通孔部21に挿入された状態で、ゴム栓35の本体部35bの基端側端部が当接可能な当接部20a(図8参照)が形成されている。
【0029】
ゴム栓保持部材2は、ゴム栓供給管7からゴム栓供給通路22を経由して圧送されたゴム栓35を保持する部材である。ゴム栓保持部材2には、ゴム栓供給管7からゴム栓供給通路22を経由して圧送されたゴム栓35を収容して保持するためのゴム栓収容孔3が前後方向に形成されている。ゴム栓収容孔3は、ゴム栓35の外周形状に対応する形状に形成されており、ゴム栓保持部材2が後述する第1位置にある状態で、ゴム栓35の内部孔35aの一端側開口は、ゴム栓供給通路22の一端側開口に臨ませた略一定姿勢で保持される。一方、ゴム栓保持部材2が後述する第2位置にある状態では、ゴム栓35の内部孔35aの一端側開口は、ゴム栓規制部材20の貫通孔部21の一端側開口に臨ませた略一定姿勢で保持される。
【0030】
尚、ゴム栓35の小径部35cが、ゴム栓規制部材20の貫通孔部21に挿入できる範囲内であれば、ゴム栓収容孔3はゴム栓35よりも多少大きめの形状に形成され、ゴム栓35がゴム栓収容孔3内で多少動けるものであってもよい。
【0031】
ゴム栓保持部材2にはゴム栓保持駆動機構部4が設けられ、ゴム栓保持駆動機構部4によりゴム栓保持部材2を、ゴム栓収容孔3がゴム栓供給通路22の一端側開口に臨む第1位置と、第1位置の側方であり且つ電線34の端部がゴム栓収容孔3の中心軸延長上となる第2位置との間で移動させる。ここで、第1位置は、ゴム栓供給管7からゴム栓供給通路22を経由して供給されたゴム栓35をゴム栓収容孔3に取り込んで保持する位置である。第2位置は、電線34がゴム栓35の内部孔35aに挿入可能にゴム栓35をゴム栓収容孔3に保持する位置である。ゴム栓保持駆動機構部4は、エアシリンダやリニアモータ等の周知のアクチュエータを含む駆動機構によって構成されている。尚、ロータリー式のゴム栓保持部材を採用して、第1位置と第2位置との間を円形状に移動する構成を採用してもよい。
【0032】
ゴム栓保持部材2の後面には、ゴム栓保持部材2が第2位置にある状態及び第1位置と第2位置との間の移動途中にある状態で、ゴム栓35の本体部35bの先端部(他端部)が当接可能な当接部2a(図6参照)が形成されている。このため、ゴム栓保持部材2が第2位置にあるとき、ゴム栓供給管7からゴム栓供給通路22を経由して供給された次の対象となるゴム栓35を、当接部2aに当接させてゴム栓供給通路22内に待機させることができる。さらに、ゴム栓35に電線34を挿入した後、次の対象となるゴム栓35の本体部35bの先端部を当接部2aに当接させた状態で、ゴム栓保持部材2が第1位置と第2位置との間で円滑に移動できるようになっている。尚、複数のゴム栓35を待機させる場合は、当接部2aに当接しているゴム栓の小径部35cの先端部に、次のゴム栓35の本体部35bの先端部を当接させることで、複数のゴム栓35をゴム栓供給通路22内に待機させることができる。
【0033】
電線案内部材10は、電線保持部材30とゴム栓保持部材2の間に設けられ、ゴム栓保持部材2が第2位置にある状態で、ゴム栓保持部材2の前側からゴム栓収容孔3の中心軸延長上に沿って電線34を案内するための部材である。電線案内部材10は1対の案内部11と電線案内駆動機構部14を有し、電線案内駆動機構部14により1対の案内部11が開閉可能に構成されている。1対の案内部11の間には、電線34を挿通可能な電線挿通孔12が形成されると共に、電線挿通孔12を囲むようにして外方へ向けて順次拡径するテーパガイド面13が形成されている。
【0034】
電線挿通孔12における電線34の径方向の寸法は、1対の案内部11の開閉状態に応じて変化し、初期状態及び電線挿入時には、電線34の径寸法よりも僅かに大きくなるように1対の案内部11を近接させる。電線34及びゴム栓35を加工終了部品として取り出すときは、電線挿通孔12における電線34の径方向の寸法は、ゴム栓35の外径よりも大きくなるように1対の案内部11を開く。
【0035】
ゴム栓保持部材2が第2位置にある状態では、電線挿通孔12はゴム栓収容孔3の延長線上に位置するため、電線34の端部は電線挿通孔12を通ってゴム栓収容孔3内のゴム栓35の内部孔35aに向けて導かれる。この際、電線34が多少曲がっておりその先端部が電線挿通孔12から偏心した位置にあったとしても、電線34の端部がテーパガイド面13に摺接して電線挿通孔12に向けて導かれるようになっている。電線案内駆動機構部14は、エアシリンダやリニアモータ等の周知のアクチュエータを含む駆動機構によって構成されている。
【0036】
電線案内部材10の後面には、ゴム栓保持部材2が第1位置にある状態及び第1位置と第2位置との間の移動途中にある状態で、ゴム栓収容孔3に保持されたゴム栓35の本体部35bの先端部が当接可能な当接部10aが形成されている。これにより、本体部35bの先端部が当接部10aに当接した状態で、ゴム栓保持部材2が第1位置と第2位置との間で円滑に移動できるようになっている。
【0037】
電線保持部材30は、電線案内部材10の前方に設けられ、電線案内部材10の電線挿通孔12及びゴム栓収容孔3に保持されたゴム栓35に向けた姿勢で電線34の端部を保持する部材である。電線保持部材30は電線保持駆動機構部31を有し、電線保持駆動機構部31の駆動により、図示省略の1対の把持部間で電線34を挟み込んで保持するように構成されている。電線保持駆動機構部31は、エアシリンダやリニアモータ等の周知のアクチュエータを含む駆動機構によって構成されている。
【0038】
電線挿入駆動機構部32は、ゴム栓35を電線34側に移動させることで、電線34の端部をゴム栓35の内部孔35aに挿入するための駆動機構であり、エアシリンダやリニアモータ等の周知のアクチュエータを含む駆動機構によって構成されている。本実施形態では、ゴム栓保持部材2とゴム栓供給管7と電線案内部材10とゴム栓規制部材20を一体として電線34側に移動させるようにしている。尚、電線34の端部をゴム栓35の内部孔35aに挿入する際の詳細な動作は後述する。
【0039】
尚、ゴム栓35側を移動させる代わりに、電線34をゴム栓35側に移動させるようにしてもよい。つまり、電線挿入駆動機構部32としては、電線34とゴム栓35とを相対的に近接移動させることができる、種々の構成を採用できる。
【0040】
切出し装置は、図示省略の切出し駆動機構部を有し、切出し駆動機構部の駆動により、パーツフィーダから供給された複数のゴム栓35を1つずつ分離させてゴム栓供給管7に供給する。切出し駆動機構部は、エアシリンダやリニアモータ等の周知のアクチュエータを含む駆動機構によって構成されている。ゴム栓保持駆動機構部4、電線案内駆動機構部14、電線保持駆動機構部31、電線挿入駆動機構部32、切出し駆動機構部等は、制御ユニット33の制御の下、下記動作を行う。
【0041】
次に、制御ユニット33について説明する。図3は、制御ユニット33を示すブロック図である。制御ユニット33は、CPU40、ROM41、RAM42、入力部43、表示部44、外部接続インターフェース45〜49等がバスライン50を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。
【0042】
CPU40は、ROM41に格納された制御プログラムに従って演算処理を行うことで、各種駆動機構部を制御する。
【0043】
ROM41には、ゴム栓保持駆動機構部4、電線案内駆動機構部14、電線保持駆動機構部31、電線挿入駆動機構部32、切出し駆動機構部等の各種駆動機構部の制御を行う制御プログラム等が格納されている。
【0044】
RAM42は、CPU40が所定の処理を行う際の作業領域として供される。
【0045】
入力部43は、複数のスイッチ、タッチパネル等により構成されており、制御ユニット33に対する各種指示及び各種設定等を受付け可能に構成されている。
【0046】
表示部44は、液晶表示装置等であり、制御ユニット33の設定画面及び作業画面等の各種情報を表示可能に構成されている。
【0047】
制御プログラムが実行されると、制御ユニット33が制御プログラムに基づいて各種駆動機構部に指令を与えることで下記の動作が行われる。電線保持駆動機構部31の駆動により電線保持部材30の把持部を閉じて電線34を把持すると共に、切出し駆動機構部の駆動により1つのゴム栓35をゴム栓供給管7に供給する。
【0048】
次に、ゴム栓保持駆動機構部4の駆動によりゴム栓保持部材2を第1位置から第2位置へ移動させ、ゴム栓保持部材が第2位置に移動を完了した後、切出し駆動機構部の駆動により1つのゴム栓35をゴム栓供給管7に供給すると共に、電線挿入駆動機構部32の駆動によりゴム栓供給管7とゴム栓規制部材20とゴム栓保持部材2と電線案内部材10とを前方へ移動させて、ゴム栓35に電線34が挿入される。ゴム栓35に対する電線34の挿入を完了した後、電線案内駆動機構部14の駆動により案内部11を開き、電線挿入駆動機構部32の駆動によりゴム栓供給管7とゴム栓規制部材20とゴム栓保持部材2と電線案内部材10とを後方へ移動させて、電線34と共にゴム栓35が取り出される。
【0049】
次に、電線保持駆動機構部31の駆動により、電線保持部材30の把持部を開いて電線34を交換した後、把持部を閉じて次に挿入する電線34を把持する。ゴム栓保持駆動機構部4の駆動により、ゴム栓保持部材2を第2位置から第1位置へ移動させ、且つ、電線案内駆動機構部14の駆動により、電線挿通孔12の内径が電線34の直径よりも僅かに大きくなるまで案内部11を閉じる。そして、上記の処理が繰り返し行われる。
【0050】
このように構成されたゴム栓挿入装置1の動作について説明する。図4〜図7及び図9はゴム栓挿入装置1の動作を示す図であり、図8は、図7の要部拡大図である。
【0051】
先ず、初期状態では、図4に示すように、ゴム栓保持部材2は第1位置にある。この状態で、切出し駆動機構部の駆動により1つのゴム栓35がゴム栓供給管7から圧送されてゴム栓供給通路22を経由してゴム栓保持部材2のゴム栓収容孔3内に保持される。このとき、ゴム栓35の本体部35bの先端部は電線案内部材の当接部10aに当接した状態である。また、図示省略の電線供給機構部より供給された電線34が電線保持部材30で保持される。
【0052】
次に、図5に示すように、ゴム栓保持駆動機構部4の駆動により、ゴム栓35の本体部35bの先端部が電線案内部材の当接部10aに当接した状態で、ゴム栓保持部材2を第2位置に移動させる。これにより、電線挿通孔12とゴム栓収容孔3と貫通孔部21が連通した状態となり、ゴム栓35がセットされる。このとき、図6に示すように、切出し駆動機構部の駆動により次の挿入対象となるゴム栓35がゴム栓供給管7から圧送されると、ゴム栓35の本体部35bの先端部がゴム栓保持部材2の当接部2aに当接し、ゴム栓供給通路22内の一端側開口の近傍でゴム栓35を待機させる。
【0053】
電線挿入駆動機構部32の駆動により、ゴム栓供給管7とゴム栓規制部材20とゴム栓保持部材2と電線案内部材10を一体として電線保持部材30に向けて移動させる。すると、図7及び図8に示すように、電線34の端部は、電線挿通孔12とゴム栓収容孔3を介してゴム栓35の内部孔35aに挿入される。ゴム栓35に電線34を挿入する際、電線34の端部によりゴム栓35が後方に押されて、ゴム栓35の小径部35cが貫通孔部21に挿入されると共に、ゴム栓35の本体部35bの基端側端部がゴム栓規制部材20の当接部20aと当接する。これにより、ゴム栓35の後方への移動が規制され、電線34はゴム栓35の内部孔35aを突き抜けるまで十分に挿入される。
【0054】
ここで、細長いゴム栓35に電線34を挿入する際に、ゴム栓収容孔3がゴム栓35よりも多少大きめの形状に形成され、ゴム栓35がゴム栓収容孔3内で多少動ける大きさに形成されている場合でも、ゴム栓35の小径部35cが貫通孔部21に挿入されるため、ゴム栓35の内部孔35aの中心軸が、ゴム栓収容孔3の中心軸線上からずれない。
【0055】
このようにゴム栓35に電線34が挿入された後、図9に示すように、電線案内部材10の1対の案内部11を離間させるように開いた状態で、電線保持部材30が電線34を掴んでゴム栓35と共に加工終了部品として外部に搬送する。この後、図4に示すように、電線案内部材10の1対の案内部11を近接させると共に、ゴム栓保持駆動機構部4の駆動によりゴム栓保持部材2を第1位置に移動させると、ゴム栓供給通路22内に待機させていた次の挿入対象となるゴム栓35がゴム栓収容孔3に保持される。
【0056】
以上のように構成されたゴム栓挿入装置1によると、ゴム栓保持部材2を第1位置の側方である第2位置に移動させて、ゴム栓35に対する電線34の挿入作業を行うことができ、また、ゴム栓35に電線34を挿入する際にコアピン本体部の進退動作等、ゴム栓35が電線34の挿入方向に沿って移動するのを抑制するための動作が不要となるため、ゴム栓35に対する電線34の挿入作業を迅速に行うことができる。
【0057】
ゴム栓保持部材2が第2位置にある状態で、次の挿入対象となるゴム栓35の本体部35bの先端部をゴム栓保持部材2の当接部2aに当接させて待機させることができる。また、次の挿入対象となるゴム栓35の本体部35bの先端部をゴム栓保持部材2の当接部2aに当接させた状態で、ゴム栓保持部材2を第2位置から第1位置に円滑に移動させることができるため、次の挿入対象となるゴム栓35をゴム栓収容孔3に迅速に保持することができる。これにより、複数のゴム栓35に対する電線34の挿入作業を迅速に行うことができる。
【0058】
ゴム栓35の小径部35cをゴム栓規制部材20の貫通孔部21に挿入させた状態でゴム栓35に電線34が挿入されるため、細長いゴム栓35に電線34を挿入する場合でも、電線34の挿入位置が安定し電線34の品質が向上する。電線保持部材30とゴム栓保持部材2の間に配設され、且つ、電線保持部材30から延出する電線34の端部を、ゴム栓収容孔3の中心軸延長上に沿って案内する電線案内部材10を備えているため、ゴム栓35に対して電線34を精度良く挿入することができる。
【0059】
電線案内部材10に、ゴム栓保持部材2が第1位置にある状態及び第1位置と第2位置との間の移動途中にある状態で、ゴム栓収容孔3に保持されたゴム栓35の本体部35bの先端部が当接可能な当接部10aが形成されているため、ゴム栓収容孔3に保持されたゴム栓35の本体部35bの先端部を電線案内部材10の当接部10aに当接させて安定した姿勢で、ゴム栓保持部材2を第1位置から第2位置に円滑に移動させることができ、ゴム栓35に対する電線34の挿入作業を迅速に行うことができる。
【0060】
{第2実施形態}
第2実施形態に係るゴム栓挿入装置1Aについて説明する。図10は、第2実施形態に係るゴム栓挿入装置1Aの動作を示す図であり、図11は、図10の要部拡大図である。なお、本実施形態の説明において、第1実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
ゴム栓挿入装置1Aは、ゴム栓35Aに電線34を挿入する装置である。ゴム栓35Aは、ゴム等の弾性部材により形成され且つ第1実施形態のゴム栓35よりも大径の筒状部材であり、その内部に内部孔35aが形成されている。ゴム栓35Aは、筒状の本体部35dと、本体部35dの一端から突出する筒状の小径部35eとを有する。
【0062】
ゴム栓挿入装置1Aは、ゴム栓供給管7Aと、ゴム栓規制部材20Aと、ゴム栓保持部材2Aと、電線保持部材30と、電線案内部材10と、電線挿入駆動機構部32とを備えている。
【0063】
ゴム栓供給管7Aは、複数のゴム栓35Aが一定姿勢を維持しながら通過できるように、ゴム栓35Aの外径よりも大きな内径であって、ゴム栓35Aの側方からの投影形状よりも小さな内径となるように形成されている。
【0064】
ゴム栓規制部材20Aには、ゴム栓供給管7Aと連通するゴム栓供給通路22Aと、貫通孔部21がそれぞれ前後方向に形成されている。ゴム栓規制部材20Aにおける貫通孔部21の一端側開口の周辺領域には、電線34の端部がゴム栓35Aの内部孔35aに挿入された状態で、ゴム栓35Aの小径部35eの先端部(一端部)が当接可能な当接部20bが形成されている。ゴム栓供給通路22Aは、複数のゴム栓35Aが一定姿勢を維持しながら通過できるように、ゴム栓35Aの外径よりも大きな内径であって、ゴム栓35Aの側方からの投影形状よりも小さな内径となるように形成されている。貫通孔部21は、ゴム栓35Aの小径部35eの外径よりも小さな径寸法で形成されている。このため、ゴム栓35Aの小径部35eが貫通孔部21内に挿入されることなく、ゴム栓35Aの小径部35eの先端部が当接部20bに当接するようになっている。
【0065】
ゴム栓保持部材2Aにはゴム栓収容孔3Aが形成され、ゴム栓収容孔3Aは、ゴム栓35Aの外周形状に対応する形状に形成されている。尚、ゴム栓35Aの小径部35eの先端部が、当接部20bに当接できる範囲内であれば、ゴム栓収容孔3Aはゴム栓35Aよりも多少大きめの形状に形成され、ゴム栓35Aがゴム栓収容孔3A内で多少動けるものであってもよい。
【0066】
次に、ゴム栓挿入装置1Aの動作について説明するが、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。ゴム栓供給管7Aからゴム栓供給通路22Aを経由して圧送されたゴム栓35Aをゴム栓収容孔3Aに保持し、ゴム栓35Aの本体部35dの先端部を当接部10aに当接させた状態で、ゴム栓保持駆動機構部4の駆動によりゴム栓保持部材2Aを第1位置から第2位置へ移動させる。次に、電線挿入駆動機構部32の駆動により、ゴム栓供給管7Aとゴム栓規制部材20Aとゴム栓保持部材2Aと電線案内部材10を一体として電線保持部材30に向けて移動させる。すると、電線34の端部は、電線挿通孔12とゴム栓収容孔3Aを介してゴム栓35Aの内部孔35aに挿入される。ゴム栓35Aに電線34を挿入する際、ゴム栓35Aの小径部35eの先端部がゴム栓規制部材20の当接部20bと当接する。これにより、ゴム栓35Aの後方への移動が規制され、電線34はゴム栓35Aの内部孔35aを突き抜けるまで十分に挿入される。
【0067】
ここで、ゴム栓35Aの小径部35eは第1実施形態の小径部35cよりも大径に形成されているため、当接部20bはゴム栓35Aの小径部35eを広い面積で受け止めることができる。このため、第1実施形態のように、貫通孔部21に小径部35eを挿入させる構造を採用しなくても、ゴム栓35Aの内部孔35aの中心軸が、ゴム栓収容孔3Aの中心軸線上からずれない。
【0068】
以上のように構成されたゴム栓挿入装置1Aによると、ゴム栓規制部材20Aにおける貫通孔部21Aの周辺領域に、電線34の端部がゴム栓35Aの内部孔35aに挿入された状態で、ゴム栓35Aの小径部35eの先端部が当接可能な当接部20bが形成されているため、ゴム栓35Aの小径部35eの先端部をゴム栓規制部材20Aの当接部20bに当接させた状態でゴム栓35Aに電線34が挿入されるため、電線34の挿入位置が安定し電線の品質が向上する。
【0069】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0070】
1,1A ゴム栓挿入装置
2,2A ゴム栓保持部材
2a 当接部
3,3A ゴム栓収容孔
7,7A ゴム栓供給管
10 電線案内部材
10a 当接部
20,20A ゴム栓規制部材
20b 当接部
21,21A 貫通孔部
22,22A ゴム栓供給通路
32 電線挿入駆動機構部
34 電線
35,35A ゴム栓
35a 内部孔
35c,35e 小径部
35b,35d 本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム栓に電線を挿入するゴム栓挿入装置であって、
前記ゴム栓を供給可能なゴム栓供給路を有する供給部材と、
前記電線の端部を前記ゴム栓に向けた姿勢で保持する電線保持部材と、
前記ゴム栓を保持するためのゴム栓収容孔を有するゴム栓保持部材であって、前記ゴム栓収容孔が前記ゴム栓供給路の一端側開口に臨む第1位置と、前記第1位置の側方であり且つ前記電線の端部が前記ゴム栓収容孔の中心軸延長上となる第2位置との間で移動するように配設されたゴム栓保持部材と、
前記電線の端部を前記ゴム栓の内部孔に挿入するように、前記電線と前記ゴム栓の少なくとも一方をそれらの近接方向に相対移動させる電線挿入機構部と、
前記ゴム栓保持部材が前記第2位置にある状態で、前記ゴム栓収容孔に保持された前記ゴム栓が、前記電線の挿入方向に沿って移動するのを規制するゴム栓規制部材とを備えている、ゴム栓挿入装置。
【請求項2】
請求項1記載のゴム栓挿入装置であって、
前記ゴム栓保持部材に、前記ゴム栓保持部材が前記第2位置にある状態及び前記第1位置と前記第2位置との間の移動途中にある状態で、前記ゴム栓の他端部が当接可能な当接部が形成されている、ゴム栓挿入装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のゴム栓挿入装置であって、
前記ゴム栓規制部材に、前記ゴム栓の内部孔に挿入された前記電線の端部が挿入される孔部が形成され、
前記電線の端部が前記ゴム栓の内部孔に挿入された状態で、前記ゴム栓の一端部が前記孔部に挿入されている、ゴム栓挿入装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載のゴム栓挿入装置であって、
前記ゴム栓規制部材に、前記ゴム栓の内部孔に挿入された前記電線の端部が挿入される孔部が形成され、
前記ゴム栓規制部材における前記孔部の周辺領域に、前記電線の端部が前記ゴム栓の内部孔に挿入された状態で、前記ゴム栓の一端部が当接可能な当接部が形成されている、ゴム栓挿入装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のゴム栓挿入装置であって、
前記電線保持部材と前記ゴム栓保持部材の間に配設され、且つ、前記電線保持部材から延出する前記電線の端部を、前記ゴム栓収容孔の中心軸延長上に沿って案内する電線案内部材を備えている、ゴム栓挿入装置。
【請求項6】
請求項5記載のゴム栓挿入装置であって、
前記電線案内部材に、前記ゴム栓保持部材が前記第1位置にある状態及び前記第1位置と前記第2位置との間の移動途中にある状態で、前記ゴム栓収容孔に保持された前記ゴム栓の他端部が当接可能な当接部が形成されている、ゴム栓挿入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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