説明

ゴム組成物及び空気入りタイヤ

【課題】低燃費性、ウェットグリップ性能をバランス良く向上できるゴム組成物、及び該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】1,3−ブタジエン、スチレン及び下記式(I)で表される化合物を共重合して得られ、一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端に窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する重量平均分子量が1.0×10〜2.5×10である共重合体を含むゴム成分と、シリカと、軟化点−20〜20℃の液状レジンとを含むゴム組成物に関する。
[化1]


(式中、Rは、炭素数が1〜10の炭化水素基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物及びそれを用いて作製した空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年省資源、省エネルギー、加えて、環境保護の立場から、排出炭酸ガスの低減に対する社会的要求が強まっている。自動車に対しても排出炭酸ガスの低減を目的として、自動車の軽量化、電気エネルギーの利用等の様々な対応策が検討されている。
【0003】
自動車の共通の課題として、タイヤの転がり抵抗改善による低燃費性の向上が必要とされており、更に自動車に対しては、走行時の安全性向上の要求も強まっている。これら自動車の低燃費性及び安全性は使用されるタイヤの性能に負うところが大きく、自動車用のタイヤに対しては、低燃費性、ウェットグリップ性能、操縦安定性、耐久性の改善要求が強まっている。これらのタイヤ特性は、タイヤの構造・使用材料等種々の要素に左右されるが、特に路面に接するトレッド部分に用いるゴム組成物の性能に大きく左右される。このため、タイヤ用ゴム組成物の技術的改良が多く検討・提案され、実用化されている。
【0004】
例えば、タイヤトレッドゴムの性能として、低燃費性向上にはヒステリシスロスが小さいこと、ウェットグリップ性能向上にはウェットスキッド抵抗性が高いことが要求されている。しかしながら、低ヒステリシスロスと高ウェットスキッド抵抗性との関係は相反するものであり、一つだけの性能向上では問題点の解決は難しいのが現状である。タイヤ用ゴム組成物の改良の代表的な手法は、使用する原材料の改良であり、スチレンブタジエンゴムやブタジエンゴムに代表される原料ゴムの構造の改良、カーボンブラック、シリカ等の補強用充填剤、加硫剤、可塑剤等の構造や組成の改良が行われている。
【0005】
低燃費性及びウェットグリップ性能をバランス良く改善する方法として、充填剤としてシリカを用いる方法が挙げられるが、シリカは自己凝集性が強く、分散が困難であるという点で改善の余地がある。また、特許文献1では、窒素原子及びケイ素原子を含む特定の化合物で末端変性されたスチレンブタジエンゴムと脂肪族カルボン酸亜鉛塩などとを配合し、低燃費性及びウェットグリップ性能に優れたゴム組成物を得る方法が記載されているが、他の方法の提供も求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−111754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、ウェットグリップ性能をバランス良く向上できるゴム組成物、及び該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、1,3−ブタジエン、スチレン及び下記式(I)で表される化合物を共重合して得られ、一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端に窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する重量平均分子量が1.0×10〜2.5×10である共重合体を含むゴム成分と、シリカと、軟化点−20〜20℃の液状レジンとを含むゴム組成物に関する。
【化1】

(式中、Rは、炭素数が1〜10の炭化水素基を表す。)
【0009】
上記官能基がアルコキシシリル基であることが好ましく、アルコキシシリル基及びアミノ基であることがより好ましい。
【0010】
上記一方の末端に有するアミノ基が、アルキルアミノ基、又は下記式(II)で表される基であることが好ましい。
【化2】

(式中、R11は、炭素数が2〜50の2価の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【0011】
上記式(II)で表される基が下記式(III)で表される基であることが好ましい。
【化3】

(式中、R12〜R19は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【0012】
上記一方の末端にアミノ基と共に、イソプレン単位を有することが好ましい。
【0013】
上記共重合体中、上記式(I)で表される化合物の含有量が0.05〜35質量%であることが好ましい。
【0014】
上記共重合体は、リチウム原子とアミノ基を有する化合物を重合開始剤として、1,3−ブタジエン、スチレン及び上記式(I)で表される化合物を共重合した後、重合末端を窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する変性剤により変性して得られるものであることが好ましい。
【0015】
上記変性剤が下記式(IV)、下記式(V)、又は下記式(VI)で表される化合物であることが好ましい。
【化4】

(式中、R21、R22及びR23は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R24及びR25は、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
【化5】

(式中、R26、R27及びR28は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R29は、環状エーテル基を表す。p及びqは整数を表す。)
【化6】

(式中、R30〜R33は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。)
【0016】
上記重合開始剤が、アルキルアミノ基、又は下記式(II)で表される基を有することが好ましい。
【化7】

(式中、R11は、炭素数が2〜50の2価の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【0017】
上記式(II)で表される基が下記式(III)で表される基であることが好ましい。
【化8】

(式中、R12〜R19は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【0018】
上記重合開始剤がイソプレン単位を有することが好ましい。
【0019】
上記液状レジンが、液状クマロンインデン樹脂、液状インデン樹脂及び液状α−メチルスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0020】
上記ゴム成分100質量%中、上記共重合体の含有量が5質量%以上であることが好ましい。
【0021】
上記ゴム成分100質量部に対して、シリカを5〜150質量部含むことが好ましい。
【0022】
上記ゴム成分100質量部に対して、液状レジンを3〜40質量部含むことが好ましい。
【0023】
上記ゴム組成物は、タイヤトレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
【0024】
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、1,3−ブタジエン、スチレン及び下記式(I)で表される化合物を共重合して得られ、一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端に窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する重量平均分子量が特定の範囲内である共重合体を含むゴム成分と、シリカと、特定の軟化点を有する液状レジンとを含むゴム組成物であるので、低燃費性、ウェットグリップ性能をバランス良く向上でき、該ゴム組成物をタイヤの各部材(特に、トレッド)に使用することにより、上記性能に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明のゴム組成物は、1,3−ブタジエン、スチレン及び下記式(I)で表される化合物を共重合して得られ、一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端に窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する重量平均分子量が1.0×10〜2.5×10である共重合体を含むゴム成分と、シリカと、軟化点−20〜20℃の液状レジンとを含む。
【化9】

(式中、Rは、炭素数が1〜10の炭化水素基を表す。)
【0027】
本発明では、上記共重合体と、シリカと、特定の軟化点を有する液状レジンとを併用することにより、低燃費性、ウェットグリップ性能(特に、低燃費性)を相乗的に向上できる。
【0028】
[ゴム成分]
<共重合体>
本明細書において「共重合体」は、ゴム成分に含まれる概念として記載する。
上記共重合体は、上記式(I)で表される化合物で主鎖が変性されているため、該化合物(特に、該化合物中に含まれる酸素原子)とフィラーとの相互作用が生じ、フィラーの分散性が向上するとともに、共重合体の動きが拘束される。その結果、ヒステリシスロスが低減して低燃費性が改善でき、また、良好なウェットグリップ性能が得られる。さらに、共重合体の一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端に上記官能基を有するため、共重合体の両方の末端部分においてもフィラーとの相互作用が生じ、フィラーの分散性が向上するとともに、共重合体の動きが拘束される。その結果、ヒステリシスロスが低減して低燃費性が改善でき、また、良好なウェットグリップ性能が得られる。そして、上記式(I)で表される化合物に基づく構成単位、一方の末端に有するアミノ基、他方の末端に有する上記官能基を組み合わせた上記共重合体では、低燃費性、ウェットグリップ性能を相乗的に改善できる。
通常、主鎖に官能基を有する重合体(主鎖変性重合体)の末端に、更に官能基を付加した場合(主鎖末端変性重合体とした場合)であっても、上記性能が向上するとは一概には言えない。これは、官能基の種類によりフィラーとの親和性が異なるためであり、性能を好適に向上させるためには官能基の組合せが非常に重要である。本発明では、上記式(I)で表される化合物に基づく構成単位、一方の末端に有するアミノ基、他方の末端に有する上記官能基の組合せが非常に良好であるため、低燃費性、ウェットグリップ性能を相乗的に改善できるものと推測される。
【0029】
上記式(I)において、Rは、炭素数が1〜10の炭化水素基を表す。炭素数が10を超えると、高コストになる傾向がある。また、低燃費性及びウェットグリップ性能を充分に改善できない傾向がある。得られる重合体による低燃費性及びウェットグリップ性能の改善効果が高いという点から、炭素数は、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜3である。
【0030】
で表される炭化水素基としては、例えば、アルキル基などの1価の脂肪族炭化水素基、アリール基などの1価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。得られる重合体による低燃費性及びウェットグリップ性能の改善効果が高いという点から、Rは、アルキル基が好ましく、メチル基、tert−ブチル基がより好ましい。
【0031】
また、得られる共重合体による低燃費性及びウェットグリップ性能の改善効果が高いという点から、式(I)で表される化合物のなかでも、下記式(I−I)で表される化合物が好ましい。
【化10】

(上記式(I−I)中のRは、上記式(I)中のRと同様である。)
【0032】
式(I)で表される化合物としては、例えば、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−(n−プロポキシ)スチレン、p−(tert−ブトキシ)スチレン、m−メトキシスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0033】
上記共重合体における上記式(I)で表される化合物の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは35質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下、最も好ましくは2質量%以下である。0.05質量%未満では低燃費性及びウェットグリップ性能の改善効果が得られにくく、一方、35質量%を超えると高コストになる傾向がある。
【0034】
上記共重合体におけるスチレン含有量は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、特に好ましくは22質量%以下である。2質量%未満ではウェットグリップ性能が悪化する傾向があり、一方、50質量%を超えると低燃費性が悪化する傾向がある。
【0035】
上記共重合体における1,3−ブタジエンの含有量は特に限定されず、他の成分の含有量に合わせて適宜調整すればよいが、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、また、好ましくは97質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。15質量%未満ではウェットグリップ性能が悪化する傾向があり、一方、97質量%を超えると低燃費性が悪化する傾向がある。
【0036】
上記共重合体における式(I)で表される化合物、1,3−ブタジエン及びスチレンの含有量は、後述する実施例の方法で測定できる。
【0037】
一方の末端に有するアミノ基(1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基)は、非環状アミノ基であっても、環状アミノ基であってもよい。
【0038】
非環状アミノ基を構成する非環状アミンとしては、例えば、1,1−ジメチルプロピルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、2,2−ジメチルプロピルアミン、2−エチルブチルアミン、ペンチルアミン、2,2−ジメチルブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソデシルアミンなどのモノアルキルアミンや、ジメチルアミン、メチルイソブチルアミン、メチル(t−ブチル)アミン、メチルペンチルアミン、メチルヘキシルアミン、メチル(2−エチルヘキシル)アミン、メチルオクチルアミン、メチルノニルアミン、メチルイソデシルアミン、ジエチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルイソプロピルアミン、エチルブチルアミン、エチルイソブチルアミン、エチル(t−ブチル)アミン、エチルペンチルアミン、エチルヘキシルアミン、エチル(2−エチルヘキシル)アミン、エチルオクチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、プロピルブチルアミン、プロピルイソブチルアミン、プロピル(t−ブチル)アミン、プロピルペンチルアミン、プロピルヘキシルアミン、プロピル(2−エチルヘキシル)アミン、プロピルオクチルアミン、イソプロピルブチルアミン、イソプロピルイソブチルアミン、イソプロピル(t−ブチル)アミン、イソプロピルペンチルアミン、イソプロピルヘキシルアミン、イソプロピル(2−エチルヘキシル)アミン、イソプロピルオクチルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ブチルペンチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどのジアルキルアミンやラウリルアミンメチルブチルアミンなどが挙げられる。これらの非環状アミンが有する窒素原子に結合している水素原子が脱離することにより非環状アミノ基となる。
【0039】
非環状アミノ基としては、上記式(I)で表される化合物に基づく構成単位、他方の末端に有する上記官能基と組み合わせた場合に、低燃費性、ウェットグリップ性能をより相乗的に改善できるという理由から、アルキルアミノ基(モノアルキルアミン、ジアルキルアミンが有する窒素原子に結合している水素原子が脱離した基)が好ましく、ジアルキルアミノ基(ジアルキルアミンが有する窒素原子に結合している水素原子が脱離した基)がより好ましい。なお、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が有するアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜3がより好ましい。
【0040】
また、環状アミノ基を構成する環状アミンとしては、例えば、アジリジン、2−メチルアジリジン、2−エチルアジリジン、ピロリジン環を有する化合物(ピロリジン、2−メチルピロリジン、2−エチルピロリジン、2−ピロリドン、スクシンイミド)、ピペリジン、2−メチルピペリジン、3,5−ジメチルピペリジン、2−エチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−メチル−4−ピロリジノピペリジン、1−メチルピペラジン、1−メチル−3−エチルピペラジンモルフォリン、2−メチルモルフォリン、3,5−ジメチルモルフォリン、チオモルフォリン、3−ピロリン、2,5−ジメチル−3−ピロリン、2−フェニル−2−ピロリン、ピラゾリン、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ピラゾール、ピラゾールカルボン酸、α−ピリドン、γ−ピリドン、アニリン、3−メチルアニリン、N−メチルアニリン、N−イソプロピルアニリンなどが挙げられる。これらの環状アミンが有する窒素原子に結合している水素原子が脱離することにより環状アミノ基となる。
【0041】
環状アミノ基としては、上記式(I)で表される化合物に基づく構成単位、他方の末端に有する上記官能基と組み合わせた場合に、低燃費性、ウェットグリップ性能をより相乗的に改善できるという理由から、下記式(II)で表される基が好ましい。
【化11】

(式中、R11は、炭素数が2〜50の2価の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【0042】
11は、炭素数が2〜50(好ましくは2〜10、より好ましくは3〜5)の2価の炭化水素基を表す。
該炭化水素基としては、例えば、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、2〜10のアルキニレン基、炭素数6〜10のアリーレン基などが挙げられる。なかでも、アルキレン基が好ましい。
【0043】
上記式(II)で表される基の中でも、下記式(III)で表される基が好ましい。
【化12】

(式中、R12〜R19は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【0044】
12〜R19の炭素数が1〜5(好ましくは1〜3)の炭化水素基としては、Rで表される炭化水素基と同様の基が挙げられる。なかでも、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
【0045】
12〜R19としては、水素原子が好ましく、R12〜R19の全てが水素原子であることがより好ましい。
【0046】
一方の末端には、上記アミノ基と共に、イソプレン単位(下記式(VII)で表される単位)を有することが好ましい。これにより、上記式(I)で表される化合物に基づく構成単位、他方の末端に有する上記官能基と組み合わせた場合に、低燃費性、ウェットグリップ性能をより相乗的に改善できる。特に、アルキルアミノ基と共に、イソプレン単位を有することがより好ましく、ジアルキルアミノ基と共に、イソプレン単位を有することが更に好ましく、例えば、式(A)で表される基が好適である。
【化13】

(式中、sは、1〜100(好ましくは1〜50、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5)の整数を表す。)
【化14】

(式中、sは、1〜100(好ましくは1〜50、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5)の整数を表す。)
【0047】
一方、他方の末端に有する、窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基としては、例えばアミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトリル基、ピリジル基などが挙げられる。
【0048】
他方の末端に有する上記官能基としては、上記式(I)で表される化合物に基づく構成単位、一方の末端に有するアミノ基と組み合わせた場合に、低燃費性、ウェットグリップ性能をより相乗的に改善できるという理由から、アルコキシシリル基、アミノ基、エーテル基が好ましく、アルコキシシリル基、アミノ基を両方有することがより好ましい。
【0049】
アミノ基としては、上述の一方の末端に有するアミノ基と同様の基が挙げられる。なかでも、アルキルアミノ基が好ましく、ジアルキルアミノ基がより好ましい。なお、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が有するアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜3がより好ましい。
【0050】
アルコキシシリル基としては、メトキシシリル基、エトキシシリル基、プロポキシシリル基、ブトキシシリル基などが挙げられる。アルコキシシリル基が有するアルコキシ基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜3がより好ましい。
【0051】
<共重合体の製造方法>
本発明の共重合体は、例えば、リチウム原子とアミノ基を有する化合物を重合開始剤として、1,3−ブタジエン、スチレン及び上記式(I)で表される化合物を共重合した後、重合末端を窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する変性剤により変性することにより製造でき、具体的には、以下の製造方法で製造できる。
【0052】
(重合方法)
スチレン、1,3−ブタジエンおよび上記式(I)で表される化合物などのモノマー成分を共重合する際の重合方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に式(I)で表される化合物の安定性の観点から、溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
【0053】
溶液重合法を用いた場合には、溶液中のモノマー濃度(スチレン、1,3−ブタジエン、式(I)で表される化合物などの合計)は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。溶液中のモノマー濃度が5質量%未満では、得られる共重合体の量が少なく、高コストになる傾向がある。また、溶液中のモノマー濃度は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。溶液中のモノマー濃度が50質量%を超えると、溶液粘度が高くなりすぎて撹拌が困難となり、重合しにくくなる傾向がある。
【0054】
(アニオン重合における重合開始剤)
アニオン重合を行う場合、重合開始剤として、リチウム原子とアミノ基を有する化合物を使用することが好ましい。これにより、重合開始末端にアミノ基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体(リビングポリマー)が得られる。
【0055】
重合開始剤(リチウム原子とアミノ基を有する化合物)が有するアミノ基としては、当該アミノ基が重合開始末端にそのまま残存することとなるため、上述の非環状アミノ基、環状アミノ基と同様の基が好適である。なお、好適な態様も同様である。
【0056】
リチウム原子とアミノ基を有する化合物は、例えば、リチウム化合物とアミノ基を有する化合物とを反応させて得られる(例えば、リチウムアミド化合物)。
【0057】
リチウム化合物としては特に制限はないが、ヒドロカルビルリチウムが好ましく用いられる。ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロへキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられるが、これらの中で、特にn−ブチルリチウムが好適である。
【0058】
アミノ基を有する化合物としては、当該アミノ基が重合開始末端に残存することとなるため、上述の非環状アミノ基を構成する非環状アミン、環状アミノ基を構成する環状アミン(特に、ピロリジン環を有する化合物)と同様の化合物を好適に使用できる。そのため、アミノ基を有する化合物としては、アルキルアミノ基を有する化合物(モノアルキルアミン、ジアルキルアミン)が好ましく、ジアルキルアミノ基を有する化合物(ジアルキルアミン)がより好ましい。なお、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が有するアルキル基の好ましい炭素数は、上述の非環状アミノ基の場合と同様である。
【0059】
また、アミノ基を有する化合物としては、上記式(II)で表される基を有する化合物が好ましく、上記式(III)で表される基を有する化合物がより好ましい。なお、上記式(II)で表される基、上記式(III)で表される基の好適な態様は上述の環状アミノ基の場合と同様である。
【0060】
リチウム化合物とアミノ基を有する化合物とを反応させる条件は、特に限定されないが、例えば、リチウム化合物とアミノ基を有する化合物を炭化水素系溶剤に溶解させ、反応温度0〜80℃で、0.01〜1時間反応させればよい。使用するリチウム化合物とアミノ基を有する化合物のモル比(リチウム化合物/アミノ基を有する化合物)は、特に限定されないが、例えば、0.8〜1.5であればよい。
【0061】
また、反応に使用する炭化水素系溶剤は、特に限定されないが、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0062】
リチウム原子とアミノ基を有する化合物(例えば、リチウムアミド化合物)としては、リチウム化合物とアミノ基を有する化合物とを反応させて得てもよく、また、市販品を使用してもよい。リチウム化合物とアミノ基を有する化合物とを反応させる場合、モノマー成分を投入する前に、事前に反応させておいてもよく、モノマー成分の存在下でリチウム化合物、アミノ基を有する化合物を反応させてもよい。モノマー成分が存在しても、アミノ基を有する化合物の方が反応性が高いため、リチウム化合物とアミノ基を有する化合物の反応が優先的に進行する。
【0063】
リチウムアミド化合物としては、例えば、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピベラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド、下記式で表される化合物などが挙げられる。なかでも、リチウムピロリジド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミドが好ましい。
【0064】
また、リチウム原子とアミノ基を有する化合物として、アミノ基と共に、イソプレン単位(下記式(VII)で表される単位)を有する化合物も好適に使用できる。これにより、上記式(I)で表される化合物に基づく構成単位、他方の末端に有する上記官能基と組み合わせた場合に、低燃費性、ウェットグリップ性能をより相乗的に改善できる。
【化15】

(式中、sは、1〜100(好ましくは1〜50、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5)の整数を表す。)
【0065】
なかでも、特に、アルキルアミノ基と共に、上記イソプレン単位を有することがより好ましく、ジアルキルアミノ基と共に、上記イソプレン単位を有することが更に好ましく、例えば、下記式で表される化合物が好適である。なお、下記式で表される化合物のうちs=2の化合物は、FMCリチウム社により商品名AI−200として販売されている。
【化16】

(式中、sは、1〜100(好ましくは1〜50、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5)の整数を表す。)
【0066】
(アニオン重合の方法)
上記リチウム原子とアミノ基を有する化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、上記リチウム原子とアミノ基を有する化合物を重合開始剤とし、必要に応じてランダマイザーの存在下で、スチレン、1,3−ブタジエン及び式(I)で表される化合物などとをアニオン重合させればよい。なお、アニオン重合後に、必要に応じて、公知の老化防止剤や、重合反応を停止する目的でアルコールなどを加えてもよい。
【0067】
(アニオン重合における炭化水素系溶剤)
上記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0068】
(アニオン重合におけるランダマイザー)
また、上記ランダマイザーとは、共重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造制御(例えば、ブタジエンにおける1,2−結合の増加など)や、共重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御(例えば、ブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン単位、スチレン単位のランダム化など)などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを用いることができる。例えば、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテル類及び第三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−t−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。
【0069】
ランダマイザーの使用量は、重合開始剤1モル当たり、0.01モル当量以上が好ましく、0.05モル当量以上がより好ましい。ランダマイザーの使用量が0.01モル当量未満では、添加効果が小さく、ランダム化しにくい傾向がある。また、ランダマイザーの使用量は、重合開始剤1モル当たり1000モル当量以下が好ましく、500モル当量以下がより好ましい。ランダマイザーの使用量が1000モル当量を超えると、モノマーの反応速度が大きく変化してしまい、逆にランダム化しにくくなる傾向がある。
【0070】
上記変性剤による変性方法としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、アニオン重合で主鎖が変性された共重合体を合成した後、該共重合体と変性剤とを接触させることにより、共重合体末端部のアニオンと変性剤の官能基とが反応し、共重合体末端部が変性される。変性剤を反応させる量は、通常、共重合体100質量部に対して0.01〜10質量部とすればよい。
【0071】
<変性剤>
上記変性剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、1−(4−N,Nジメチルアミノフェニル)−1−フェニルエチレン、1,1−ジメトキシトリメチルアミン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,3,5−トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−グリシジル−4−(2−ピリジル)ピペラジン、1−グリシジル−4−フェニルピペラジン、1−グリシジル−4−メチルピベラジン、1−グリシジル−4−メチルホモピベラジン、1−グリシジルヘキサメチレンイミン、11−アミノウンデシルトリエトキシシラン、11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、1−ベンジル−4−グリシジルピペラジン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(4−モルフォリノジチオ)ベンゾチアゾール、2−(6−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(2−ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)チオプロビルトリメトキシシラン、2,2−ジエトキシ−1,6−ジアザ−2−シラシクロオクタン、2,2−ジメトキシ−1,6−ジアザ−2−シラシクロオクタン、2,3−シクロロ−1,4−ナフトキノン、2,4−ジニトロベンゼンスルホニルクロライド、2,4−トリレンジイソシアナート、2−(4−ピリジルエチル)トリエトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)トリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−トリブチルスタニル−1,3−ブタジエン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−ビニルピリジン、2−(4−ピリジルエチル)トリエトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)トリメトキシシラン、2−ラウリルチオエチルフェニルケトン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1,3−ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(1,3−ジメチルブチリデン)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3,4−ジアミノ安息香酸、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシジエトキシ)シラン、3−アミノプロピルジイソプロピルエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジエトキシ(メチル)シリルプロピル無水コハク酸、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)ジエトキシメチルシラン、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピル無水コハク酸、3−トリエトキシシリルプロピル無水酢酸、3−トリフェノキシシリルプロピル無水コハク酸、3−トリフェノキシシリルプロピル無水酢酸、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−ヘキサメチレンイミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、(3−トリエトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4’−(イミダゾール−1−イル)−アセトフェノン、4−[3−(N,N−ジグリシジルアミノ)プロピル]モルホリン、4−グリシジル−2,2,6,6−テトラメチルピベリジニルオキシ、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−ビニルピリジン、4−モルホリノアセトフェノン、4−モルホリノベンゾフェノン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノブロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)サクシンイミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ピロール、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、N−3−[アミノ(ポリプロピレンオキシ)]アミノプロピルトリメトキシシラン、N−[5−(トリエトキシシリル)−2−アザ−1−オキソペンチル]カプロラクタム、N−[5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソペンチル]カプロラクタム、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリメトキシシラン、N−アリル−アザ−2,2−ジエトキシシラシクロペンタン、N−アリル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジエトキシシラシクロペンタン、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、N,N,N’,N’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチルチオ尿素、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N,N’−エチレン尿素、N,N’−ジエチルアミノベンゾフェノン、N,N’−ジエチルアミノベンゾフェノン、N,N’−ジエチルアミノベンゾフラン、N,N’−ジエチルカルバミン酸メチル、N,N’−ジエチル尿素、(N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、(N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、N,N−ジオクチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、N,N−ジオクチル−N’−トリメトキシシリルプロピルウレア、N,N−ジエチルカルバミン酸メチル、N,N−ジグリシジルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−エチルアミノイソブチルトリエトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメチルジエトキシシラン、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−ビニルベンジルアザシクロヘプタン、N−フェニルピロリドン、N−フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−メチルインドリノン、N−メチルピロリドン、p−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノ)−3−イソブチルジエトキシシラン、(アミノエチルアミノ)−3−イソブチルジメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、アクリル酸、アジピン酸ジエチル、アセタミドプロピルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノベンゾフェノン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、エチレンオキシド、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロリド、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリセロールトリステアレート、クロロトリエトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、クロロポリジメチルシロキサン、クロロメチルジフェノキシシラン、ジアリルジフェニルスズ、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、ジエチル(グリシジル)アミン、ジエチルジチオカルバミン酸2−ベンゾチアゾイルェステル、ジエトキシジクロロシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリメトキシシラン、ジグリシジルポリシロキサン、ジクロロジフェノキシシラン、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジビニルベンゼン、ジフェニルカルボジイミド、ジフェニルシアナミド、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェノキシメチルクロロシラン、ジブチルジクロロスズ、ジメチル(アセトキシ−メチルシロキサン)ポリジメチルシロキサン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、ジメチル(メトキシ−メチルシロキサン)ポリジメチルシロキサン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルエチレン尿素、ジメチルジクロロシラン、ジメチルスルホモイルクロライド、シルセスキオキサン、ソルビタントリオレイン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステル、チタンテトラキス(2−エチルヘキシオキシド)、テトラエトキシシラン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラフェノキシシラン、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメトキシシラン、トリエトキシビニルシラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)シアヌレート、トリフェニルホスフェート、トリフェノキシクロロシラン、トリフェノキシメチルケイ素、トリフェノキシメチルシラン、二酸化炭素、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス[(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシメチル)−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ビス(2−メチルブトキシ)メチルクロロシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)−N−メチルアミン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、ビニルベンジルジエチルアミン、ビニルベンジルジメチルアミン、ビニルベンジルトリブチルスズ、ビニルベンジルピペリジン、ビニルベンジルピロリジン、ピロリジン、フェニルイソシアナート、フェニルイソチオシアナート、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、フタル酸アミド、ヘキサメチレンジイソシアナート、ベンジリデンアニリン、ポリジフェニルメタンジイソシアネート、ポリジメチルシロキサン、メチル−4−ピリジルケトン、メチルカプロラクタム、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、ラウリルチオプロピオン酸メチル、四塩化ケイ素などがあげられる。
【0072】
上記式(I)で表される化合物に基づく構成単位、一方の末端に有するアミノ基と組み合わせた場合に、低燃費性、ウェットグリップ性能をより相乗的に改善できるという理由から、上記変性剤としては、下記式(IV)、下記式(V)、又は下記式(VI)で表される化合物が好ましく、下記式(IV)、下記式(V)で表される化合物がより好ましく、下記式(IV)で表される化合物が更に好ましい。
【化17】

(式中、R21、R22及びR23は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。R24及びR25は、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
【化18】

(式中、R26、R27及びR28は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。R29は、環状エーテル基を表す。p及びqは整数を表す。)
【化19】

(式中、R30〜R33は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。)
【0073】
上記式(IV)で表される化合物において、R21、R22及びR23のアルキル基としては、例えば、メチル基などの炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは炭素数1〜3)などが挙げられる。R21、R22及びR23のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基などの炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)などが挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基も含まれる。R21、R22及びR23のシリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基など)などが挙げられる。
【0074】
上記式(IV)で表される化合物において、R24及びR25のアルキル基としては、例えば、上記アルキル基(R21、R22及びR23のアルキル基)と同様の基を挙げることができる。
【0075】
低燃費性、及びウェットグリップ性能の改善効果が大きいという理由から、R21、R22及びR23としては、アルコキシ基が好ましく、R24及びR25としては、アルキル基が好ましい。
【0076】
n(整数)としては、入手容易性という理由から0〜5が好ましい。更には、nは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。nが6以上であるとコストが増大する。
【0077】
上記式(IV)で表される化合物の具体例としては、上記変性剤として例示した3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。なかでも、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0078】
上記式(V)で表される化合物において、R26、R27及びR28は、上記式(IV)で表される化合物におけるR21、R22及びR23と同様である。R26、R27及びR28としては、低燃費性及びウェットグリップ性能の改善効果が大きいという理由から、アルコキシ基が好ましい。
【0079】
上記式(V)で表される化合物において、R29の環状エーテル基としては、例えば、オキシラン基などのエーテル結合を1つ有する環状エーテル基、ジオキソラン基などのエーテル結合を2つ有する環状エーテル基、トリオキサン基などのエーテル結合を3つ有する環状エーテル基などが挙げられる。なかでも、低燃費性及びウェットグリップ性能の改善効果が大きいという点から、エーテル結合を1つ有する環状エーテル基が好ましく、オキシラン基がより好ましい。環状エーテル基の炭素数は、好ましくは2〜7、より好ましくは2〜4である。また、環状エーテル基は環骨格内に不飽和結合を有していないことが好ましい。
【0080】
p(整数)としては、入手容易性、反応性という理由から0〜5が好ましい。更には、pは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。pが6以上であるとコストが増大する。
【0081】
q(整数)としては、入手容易性、反応性という理由から0〜5が好ましい。更には、qは1〜3がより好ましく、1が最も好ましい。qが6以上であるとコストが増大する。
【0082】
上記式(V)で表される化合物の具体例としては、上記変性剤として例示した3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なかでも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
【0083】
上記式(VI)で表される化合物において、R30〜R33は、上記式(IV)で表される化合物におけるR21、R22及びR23と同様である。R30〜R33としては、低燃費性及びウェットグリップ性能の改善効果が大きいという理由から、アルコキシ基が好ましい。
【0084】
上記式(VI)で表される化合物の具体例としては、上記変性剤として例示したテトラエトキシシラン、テトラメトキシシランなどが挙げられる。なかでも、テトラエトキシシランが好ましい。
【0085】
上記式(IV)、(V)、又は(VI)で表される化合物以外の好適な変性剤として、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、四塩化ケイ素などを挙げることもできる。
【0086】
本発明においては、上記変性剤による変性反応を行った後に、必要に応じて、公知の老化防止剤や、重合反応を停止する目的でアルコールなどを加えてもよい。
【0087】
上記共重合体の重量平均分子量Mwは、1.0×10〜2.5×10である。Mwが1.0×10未満の場合は低燃費性が悪くなる傾向があり、一方、Mwが2.5×10を超えると加工性が悪くなる傾向がある。Mwの下限は、好ましくは2.0×10以上、より好ましくは3.0×10以上であり、上限は、好ましくは1.5×10以下、より好ましくは1.0×10以下である。
なお、Mwは、重合時に使用する重合開始剤の量を変更するなどの方法により適宜調節することができ、後述の実施例の方法で測定できる。
【0088】
ゴム成分100質量%中の共重合体の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である。5質量%未満であると、低燃費性及びウェットグリップ性能の改善効果が得られにくい傾向がある。また、共重合体の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。90質量%を超えると、高コストになり、耐摩耗性が低下する傾向がある。
【0089】
上記共重合体は、他のゴム成分と併用してもよい。他のゴム成分としては、ジエン系ゴムを用いることが好ましい。ジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)、ジエン系合成ゴムを使用でき、ジエン系合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。なかでも、低燃費性及びウェットグリップ性能をバランス良く示すことから、NR、BR、SBRが好ましく、上記共重合体と共にNR、BR、SBRを併用することがより好ましい。これらのゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0090】
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。上記範囲内であれば、低燃費性及びウェットグリップ性能がバランス良く得られる。
【0091】
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。上記範囲内であれば、低燃費性及びウェットグリップ性能がバランス良く得られる。
【0092】
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは75質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。上記範囲内であれば、低燃費性及びウェットグリップ性能がバランス良く得られる。
【0093】
(シリカ)
本発明では、シリカが使用される。上記共重合体、上記特定の軟化点を有する液状レジンとともに、シリカを配合することにより、シリカの分散が促進され、低燃費性、ウェットグリップ性能の向上効果を相乗的に高めることができる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。また、シリカは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0094】
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましく、150m/g以上が特に好ましい。50m/g未満では、破断強度、耐摩耗性、ウェットグリップ性能が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、300m/g以下が好ましく、250m/g以下がより好ましく、200m/g以下が更に好ましい。300m/gを超えると、ゴム組成物中での分散性が悪く、ゴム組成物のヒステリシスロスが増大し、低燃費性が低下する傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
【0095】
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。5質量部未満では、低燃費性、ウェットグリップ性能を充分に改善できないおそれがある。また、シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、低燃費性が低下する傾向がある。
【0096】
シリカとカーボンブラックとの合計100質量%中のシリカの含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、上限は特に限定されない。上記範囲内であれば、低燃費性、ウェットグリップ性能を高次元でバランス良く改善することができる。
【0097】
(シランカップリング剤)
本発明では、シリカとともに、シランカップリング剤を使用することが好ましい。シランカップリング剤としては特に限定されず、従来からタイヤ分野において汎用されているものを使用でき、例えば、スルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系シランカップリング剤などが挙げられる。なかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィドなどのスルフィド系を好適に使用できる。なかでも、ゴム組成物の補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0098】
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。シランカップリング剤の含有量が1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く、加工性が悪くなる傾向がある。また、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対し、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。シランカップリング剤の含有量が20質量部を超えると、その含有量ほどのシランカップリング剤の配合効果が得られず、高コストになる傾向がある。
【0099】
(液状レジン)
本発明のゴム組成物は、特定の軟化点を有する液状レジンを含有する。上記液状レジンを上記共重合体及びシリカと併用することで、低燃費性、ウェットグリップ性能を相乗的に改善できる。
【0100】
上記液状レジンとしては、例えば、液状クマロンインデン樹脂、液状インデン樹脂、液状α−メチルスチレン樹脂、液状ビニルトルエン樹脂、液状ポリイソペンタン樹脂などの液状の石油系又は石炭系樹脂などが挙げられる。なかでも、液状クマロンインデン樹脂、液状インデン樹脂、液状α−メチルスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、液状クマロンインデン樹脂がより好ましい。
【0101】
上記液状レジンの軟化点は、−20℃以上、好ましくは−5℃以上、より好ましくは0℃以上である。−20℃未満であると、液状レジンの粘度が低くなり過ぎて、ゴム成分との混練性が悪化する傾向がある。また、上記液状レジンの軟化点は、20℃以下、好ましくは18℃以下、より好ましくは17℃以下である。20℃を超えると、上記液状レジンの発熱性が上昇し、低燃費性を充分に改善できない傾向がある。また、ウェットグリップ性能も低下する傾向がある。
なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K6220:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
【0102】
上記液状レジンの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは15質量部以上である。3質量部未満では、上記液状レジンを配合した効果が充分に得られないおそれがある。また、上記液状レジンの含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。40質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
【0103】
上記液状レジンはゴム組成物を軟化する作用を有しているため、上記液状レジンを用いることで、ゴム組成物中のオイルの含有量を少なくし、低燃費性をより改善できる。また、オイルの配合によるウェットグリップ性能の低下も抑制できる。このように、低燃費性、ウェットグリップ性能を好適に向上できるという理由から、本発明のゴム組成物において、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは6質量部以下、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0質量部(実質的に含有しない)である。
【0104】
(老化防止剤)
本発明のゴム組成物は、老化防止剤を含むことができる。老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩、ワックスなどを適宜選択して使用することが可能である。
【0105】
(加硫剤)
本発明のゴム組成物は、加硫剤を含むことができる。加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用できる。有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼンなどを使用することができる。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。
【0106】
(加硫促進剤)
本発明のゴム組成物は、加硫促進剤を含むことができる。加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系加硫促進剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0107】
(加硫助剤)
本発明のゴム組成物は、加硫助剤を含むことができる。加硫助剤としては、ステアリン酸、酸化亜鉛(亜鉛華)などを使用することができる。
【0108】
(その他の成分)
本発明のゴム組成物には、その他の補強剤、可塑剤、カップリング剤などのタイヤ用又は一般のゴム組成物用に配合される各種配合剤及び添加剤を配合することができる。また、これらの配合剤、添加剤の含有量も一般的な量とすることができる。
【0109】
<ゴム組成物の製造方法>
本発明のゴム組成物は、従来公知の製造方法により製造することができ、その製造方法が限定されるものではない。例えば、上記各成分をバンバリーミキサーや混練ロールなどの混練機を用いて、通常の方法及び条件で混練することによって製造することができる。
【0110】
このようにして得られた本発明のゴム組成物を用いることで、低燃費性、ウェットグリップ性能がバランス良く改善された空気入りタイヤが得られる。上記ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッド、サイドウォールなどに好適に使用できる。
【0111】
<空気入りタイヤ>
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより空気入りタイヤを得る。
【実施例】
【0112】
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0113】
以下、合成、重合時に用いた各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
n−ヘキサン:関東化学(株)製
スチレン:関東化学(株)製
1,3−ブタジエン:東京化成工業(株)製
p−メトキシスチレン:関東化学(株)製(式(I)で表される化合物)
p−(tert−ブトキシ)スチレン:和光純薬工業(株)製(式(I)で表される化合物)
テトラメチルエチレンジアミン:関東化学(株)製
変性剤A−1:関東化学(株)製ジメチルアミン
変性剤A−2:関東化学(株)製ピロリジン
変性剤A−3:FMCリチウム社製のAI−200(下記式で表される化合物(s=2))
【化20】

n−ブチルリチウム:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
変性剤B−1:関東化学(株)製のテトラエトキシシラン
変性剤B−2:アヅマックス社製の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
変性剤B−3:アヅマックス社製の3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン
2,6−tert−ブチル−p−クレゾール:大内新興化学工業(株)製のノクラック200
【0114】
<共重合体の分析>
下記により得られた共重合体の分析は以下の方法で行った。
【0115】
(重量平均分子量Mwの測定)
共重合体の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
【0116】
(共重合体の構造同定)
共重合体の構造同定は、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズの装置を用いて行った。測定結果から、共重合体中の1,3−ブタジエン、式(I)で表される化合物(p−メトキシスチレン、p−(tert−ブトキシ)スチレン)、及びスチレンの含有量を算出した。
【0117】
<共重合体の合成>
(共重合体(1))
十分に窒素置換した耐熱容器にn−ヘキサン1500ml、スチレン100mmol、1,3−ブタジエン800mmol、p−メトキシスチレン5mmol、テトラメチルエチレンジアミン0.2mmol、変性剤A−1 0.12mmol、n−ブチルリチウム0.12mmolを加えて、0℃で48時間攪拌した。その後、変性剤B−1 0.15mmolを加えて0℃で15分間撹拌した。その後、アルコールを加えて反応を止め、反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、再沈殿精製により共重合体(1)を得た。得られた共重合体(1)の重量平均分子量は500,000、上記式(I)で表される化合物の含有量(アルコキシスチレン成分含有率)は1.1質量%、スチレン含有量(スチレン成分含有率)は19質量%であった。
【0118】
(共重合体(2)〜(12))
表1のレシピにて共重合体(1)と同様の方法で合成した。得られたポリマーの特性を表1に示す。
【0119】
【表1】

【0120】
<実施例及び比較例>
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:RSS#3
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B
SBR:JSR(株)製のSL574
共重合体(1)〜(12):上記方法で合成
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
レジン(1):Rutgers Chemicals社製のNOVARES C10(液状クマロンインデン樹脂、軟化点:5〜15℃)
レジン(2):Rutgers Chemicals社製のNOVARES TL10(α−メチルスチレン及びインデンを主成分とする液状レジン、軟化点:5〜15℃)
レジン(3):Rutgers Chemicals社製のNOVARES C90(固体クマロンインデン樹脂、軟化点:90℃)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
【0121】
表2に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で15分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成した後、170℃で10分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物及び試験用タイヤについて以下に示す試験方法により性能を評価した。
【0122】
<評価項目及び試験方法>
(低燃費性)
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度50℃で、得られた加硫ゴム組成物のtanδを測定した。そして、下記計算式により測定結果を指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
【0123】
(ウェットグリップ性能(1))
(株)上島製作所製フラットベルト式摩擦試験機(FR5010型)を用いてウェットグリップ性能を評価した。上記加硫ゴム組成物からなる幅20mm、直径100mmの円筒形のゴム試験片をサンプルとして用い、速度20km/時間、荷重4kgf、路面温度20℃の条件で、路面に対するサンプルのスリップ率を0〜70%まで変化させ、その際に検出される摩擦係数の最大値を読みとった。そして、下記計算式により測定結果を指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能(1)指数)=(各配合の摩擦係数の最大値)/(比較例1の摩擦係数の最大値)×100
【0124】
(ウェットグリップ性能(2))
水を撒いて湿潤路面としたテストコースにて、上記試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、速度70km/hで制動し、タイヤに制動をかけてから停車するまでの走行距離(制動距離)を測定した。そして、下記計算式により測定結果を指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能(2)指数)=(比較例1の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
【0125】
【表2】

【0126】
表2に示すように、1,3−ブタジエン、スチレン及び上記式(I)で表される化合物を共重合して得られ、一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端に窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する重量平均分子量が特定の範囲内である共重合体を含むゴム成分と、シリカと、特定の軟化点を有する液状レジンとを含む実施例は、低燃費性、ウェットグリップ性能をバランス良く向上できた。
【0127】
比較例1、4、5、実施例12の比較により、上記共重合体と、シリカと、特定の軟化点を有する液状レジンとを併用することにより、低燃費性を相乗的に向上できることが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,3−ブタジエン、スチレン及び下記式(I)で表される化合物を共重合して得られ、一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端に窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する重量平均分子量が1.0×10〜2.5×10である共重合体を含むゴム成分と、シリカと、軟化点−20〜20℃の液状レジンとを含むゴム組成物。
【化1】

(式中、Rは、炭素数が1〜10の炭化水素基を表す。)
【請求項2】
前記官能基がアルコキシシリル基である請求項1記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記官能基がアルコキシシリル基及びアミノ基である請求項1記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記一方の末端に有するアミノ基が、アルキルアミノ基、又は下記式(II)で表される基である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
【化2】

(式中、R11は、炭素数が2〜50の2価の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【請求項5】
前記式(II)で表される基が下記式(III)で表される基である請求項4記載のゴム組成物。
【化3】

(式中、R12〜R19は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【請求項6】
前記一方の末端にアミノ基と共に、イソプレン単位を有する請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項7】
前記共重合体中、前記式(I)で表される化合物の含有量が0.05〜35質量%である請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項8】
前記共重合体は、リチウム原子とアミノ基を有する化合物を重合開始剤として、1,3−ブタジエン、スチレン及び前記式(I)で表される化合物を共重合した後、重合末端を窒素、酸素及びケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の原子を含む官能基を有する変性剤により変性して得られるものである請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項9】
前記変性剤が下記式(IV)、下記式(V)、又は下記式(VI)で表される化合物である請求項8記載のゴム組成物。
【化4】

(式中、R21、R22及びR23は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R24及びR25は、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
【化5】

(式中、R26、R27及びR28は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R29は、環状エーテル基を表す。p及びqは整数を表す。)
【化6】

(式中、R30〜R33は、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。)
【請求項10】
前記重合開始剤が、アルキルアミノ基、又は下記式(II)で表される基を有する請求項8又は9記載のゴム組成物。
【化7】

(式中、R11は、炭素数が2〜50の2価の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【請求項11】
前記式(II)で表される基が下記式(III)で表される基である請求項10記載のゴム組成物。
【化8】

(式中、R12〜R19は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、窒素原子、酸素原子を有してもよい。)
【請求項12】
前記重合開始剤がイソプレン単位を有する請求項8〜11のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項13】
前記液状レジンが、液状クマロンインデン樹脂、液状インデン樹脂及び液状α−メチルスチレン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜12のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項14】
前記ゴム成分100質量%中、前記共重合体の含有量が5質量%以上である請求項1〜13のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項15】
前記ゴム成分100質量部に対して、シリカを5〜150質量部含む請求項1〜14のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項16】
前記ゴム成分100質量部に対して、液状レジンを3〜40質量部含む請求項1〜15のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項17】
タイヤトレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜16のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2013−10817(P2013−10817A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142841(P2011−142841)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】