説明

ゴム部材の搬送装置

【課題】ゴム部材の伸びを抑制可能なゴム部材の搬送装置を提供する。
【解決手段】帯状のゴム部材(ベルト部材7)が巻かれた巻出手段(巻出ロール2)と、巻出手段より巻出されたゴム部材が搬送される搬送路に設けられたフェスツーン部22と、フェスツーン部を経由したゴム部材を搬送する複数のロールを有した運搬ロール部23と、運搬ロール部により送られてきたゴム部材が巻付けられる巻付手段(成型ドラム3)とを備えたゴム部材の搬送装置において、運搬ロール部を構成する複数のロールの1つ以上を回転駆動源62からの回転駆動力を受けて回転する駆動ロール50とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状のゴム部材を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯状のゴム部材が巻かれた巻出手段と、巻出手段より巻出されたゴム部材が搬送される搬送路に設けられたフェスツーン部と、フェスツーン部を経由したゴム部材を搬送するコンベヤと、コンベヤにより送られてきたゴム部材が巻付けられる巻付手段とを備えたゴム部材の搬送装置が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−247490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記コンベヤが複数の従動ロールにより構成されたロールコンベヤにより構成されている場合、従動ロールは、モーター等の回転駆動源により回転する構成ではなく、ゴム部材が接触して回転可能なだけであるので、従動ロールとゴム部材との接触による摩擦が大きくなり、ゴム部材が伸びてしまう可能性がある。
本発明は、ゴム部材の伸びを抑制可能なゴム部材の搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るゴム部材の搬送装置は、帯状のゴム部材が巻かれた巻出手段と、巻出手段より巻出されたゴム部材が搬送される搬送路に設けられたフェスツーン部と、フェスツーン部を経由したゴム部材を搬送する複数のロールを有した運搬ロール部と、運搬ロール部により送られてきたゴム部材が巻付けられる巻付手段とを備えたゴム部材の搬送装置において、運搬ロール部を構成する複数のロールの1つ以上を回転駆動源からの回転駆動力を受けて回転する駆動ロールとしたので、駆動ロールとゴム部材との接触による摩擦が軽減し、ゴム部材の伸びを抑制できる。
駆動ロールは、運搬ロール部を構成する複数のロールのうちフェスツーン部に最も近い位置に設けられたロールであるので、駆動ロールとゴム部材との接触による摩擦が軽減し、フェスツーン部と駆動ロールとの間においてゴム部材に自重によりテンションが加わることを抑制できて、ゴム部材の伸びを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】搬送装置を示す構成図(実施形態1)
【図2】ベルト部材を示す平面図(実施形態1)。
【図3】運搬ロール部を示す斜視図(実施形態1)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
図1に示すように、ゴム部材の搬送装置1は、巻出手段の一例としての巻出ロール2と、巻付手段の一例としての成型ドラム3と、搬送路4と、速度制御機構5とを備える。
【0008】
巻出ロール2は、帯状のゴム部材の一例としてのベルト部材7が巻取軸2aにロール状に巻かれた構成である。
巻取軸2aは、床8に設置された支持部材9に回転可能に支持され、モーター等の回転駆動源10からの回転駆動力を受けてベルト部材7を巻出す方向に回転する。
巻取軸2aに巻かれたベルト部材7は、カレンダー装置と呼ばれる押出圧延装置によってスチールコードや有機繊維コード等のコード11に生ゴムをコーティングして形成されたコード内蔵のゴム部材であって、タイヤの構成部品となるものである。このベルト部材7は、生ゴム状態であるため伸びると塑性変形してしまう可能性がある。従って、ベルト部材7の伸びを抑制する必要性が高い。
ベルト部材7の長手方向に沿った中心線7aと直交する直交線7bとコード11とのなす角度αはコード角と呼ばれ、タイヤの要求性能によって決められる(図2参照)。
【0009】
成型ドラム3は、巻出ロール2より巻出されて搬送路4を経由して搬送されるベルト部材7がカーカス部材15を介して巻付けられる円周面16を有して円周面16の円の中心を回転中心として回転する断面円形状の回転体である。
成型ドラム3の円周面16には最初にタイヤの構成部品であるカーカス部材15が巻付けられ、このカーカス部材15の上にベルト部材7が巻付けられる。
尚、カーカス部材15やベルト部材7が、コード11としてスチールコードのような金属コードを内蔵したものである場合、成型ドラム3の円周面16には、当該円周面16上に巻付けられるカーカス部材やベルト部材7のコード11を吸着してカーカス部材やベルト部材7を円周面16上に張り付かせるための図外の磁石が設けられている。
成型ドラム3の回転中心軸3aは、床8に設置された支持部材17に回転可能に支持され、モーター等の回転駆動源18からの回転駆動力を受けてベルト部材7を巻取る方向に回転する。
成型ドラム3の巻付速度は、例えば、0.5rpmから30rpmの範囲内に設定される。
【0010】
搬送路4は、剥離手段21と、フェスツーン部22と、運搬ロール部23と、ベルト部材切断装置24とを備える。
【0011】
巻出ロール2から巻出されたベルト部材7の巻出端7tが、フェスツーン部22、運搬ロール部23を経由して成型ドラム3の巻付始端取付部3bに取り付けられた後、巻出ロール2の回転駆動源10、成型ドラム3の回転駆動源18、後述する駆動ロールの回転駆動源60;61;62を起動させることによって、ベルト部材7が成型ドラム3の円周面16上に所定回数巻付けられる。
即ち、ベルト部材7は、帯状のベルト部材7の帯の長手方向と搬送方向とが一致するようにフェスツーン部22、運搬ロール部23を経由して巻出ロール2から成型ドラム3に搬送されて成型ドラム3に巻付けられる。
ベルト部材7のコード角αが0°に近いほど、ベルト部材7の巻付工程において、ベルト部材7に長手方向に沿った方向の張力が加わるとベルト部材7が長手方向に伸び易くなる。ベルト部材7が長手方向に伸びると、ベルト部材7のコード角αが初期値よりも大きくなり、ベルト部材7が幅方向に縮んでベルト部材7の幅寸法が初期状態のW1からW2のように小さくなる(図2参照)。
【0012】
剥離手段21は、巻出ロール2の巻取軸2aに巻かれたベルト部材7の帯面同士が互いに貼り付かないようにするためにベルト部材7の一方の帯面7fに剥離可能に貼り付けられた図外のポリエチレンフィルム等の面接触防止部材25を剥がすための手段である。
剥離手段21は、例えば、ベルト部材7の一方の帯面7fより面接触防止部材25を剥がす剥離部26と、ベルト部材7の一方の帯面7fから剥離部26によって一方の帯面7fより剥がされた面接触防止部材25を巻取る面接触防止部材巻取手段27とを備える。面接触防止部材巻取手段27は、帯状の面接触防止部材25の一端が連結されて面接触防止部材25を巻き取る巻取軸27aと巻取軸27aの図外の回転駆動源とを備える。巻取軸27aは、床8に設置された支持部材29に回転可能に支持される。剥離部26は、例えば、支持部材29に連結された図外の支持部材により支持される。
【0013】
フェスツーン部22は、ベルト部材7が搬送される搬送路4に設けられた機構であり、ベルト部材7が巻出ロール2から巻出されて成型ドラム3に巻付けられる際に、巻出ロール1の巻出速度と成型ドラム2の巻取速度とに速度差が生じることによってベルト部材7に過大な引張力や過大な圧縮力が加わらないように、一端(巻取端)が巻出ロール2の巻取軸2aに取付けられて他端(巻付始端7s)が成型ドラム3に取付けられた両端支持のベルト部材7の張力を所定の適正値に調整するための機能と、運搬ロール部23の前段でベルト部材7を待機させておくための機能とを備えた機構である。
フェスツーン部22は、床8に設置された支持部材31aに支持された搬入側駆動ロール31と、床8に設置された支持部材31aに支持された搬出側駆動ロール32とを備える。
搬入側駆動ロール31の回転中心軸31cは、床8に設置された支持部材31aに回転可能に支持され、モーター等の回転駆動源60からの回転駆動力を受けて回転する。
搬出側駆動ロール32の回転中心軸32cは、床8に設置された支持部材32aに回転可能に支持され、モーター等の回転駆動源61からの回転駆動力を受けて回転する。
尚、ベルト部材7が、コード11としてスチールコードのような金属コードを内蔵したものである場合、フェスツーン部22は、磁石路33を備える。磁石路33は、例えば支持部材31aに設けられる入口側磁石路33aと支持部材32aに設けられる出口側磁石路33bとを備える。
【0014】
巻出ロール2から巻出されたベルト部材7の巻出端7tが、搬入側駆動ロール31を通過して下方に移動した後に上方に移動して搬出側駆動ロール32を通過し、運搬ロール部23のロール40の上を通って成型ドラム3の巻付始端取付部3bに取付けられることによって、搬入側駆動ロール31と搬出側駆動ロール32との間でベルト部材7が垂れ下がった状態に設定される。
入口側磁石路33aは、搬入側駆動ロール31を通過して下方に垂れ下がるベルト部材7の内部のコード11としての金属コードを吸着してベルト部材7を安定に搬送させるための構成である。
出口側磁石路33bは、入口側磁石路33aと向かい合うように設けられて入口側磁石路33aを通過したベルト部材7の内部の金属コードを吸着してベルト部材7を搬出側駆動ロール32まで安定に搬送させるための構成である。
【0015】
運搬ロール部23は、フェスツーン部22と成型ドラム3との間の搬送路を形成するものである。
運搬ロール部23は、複数の従動ロール40と、駆動ロール50と、一対の支持側板41;41とを備えたロールコンベヤ装置により構成される(図3参照)。
支持側板41は、床8に設置された支持部材42に支持される。
支持側板41は、フェスツーン部22側から成型ドラム3側に向けて上方(天井側)に傾斜する上方傾斜部46を備えるとともに上方傾斜部46の最上位置46tから成型ドラム3側に向けて下方(床側)に傾斜する下方傾斜部47を備える。
従動ロール40及び駆動ロール50は、円筒又は円柱状のロール本体51と、ロール本体51の円形両端面の円の中心より突出する回転中心軸52とを備える。
面同士が平行に対向するように設けられた一対の回転支持側板41;41のそれぞれに従動ロール40及び駆動ロール50の回転中心軸52の両端部が回転可能に支持される。
【0016】
複数の従動ロール40及び駆動ロール50が、一対の支持側板41;41の長手方向に沿って一定間隔毎に配置される。これにより、複数のロール40及び駆動ロール50により構成されるロール搬送路49が、フェスツーン部22側から成型ドラム3側に向けて上方(天井側)に傾斜する上傾斜ロール搬送路49aと、上傾斜ロール搬送路49aの上至点から成型ドラム3側に向けて下方(床側)に傾斜する下傾斜ロール搬送路49bとを備えた構成となる。
従動ロール40は、ベルト部材7の帯面が複数のロール40のロール本体51に外周面に接触しながらベルト部材7が成型ドラム3側に搬送されることによってロール本体51が回転中心軸52を回転中心として回転可能なように、回転中心軸52が支持側板41;41に回転可能に支持される。即ち、従動ロール40は回転中心軸52がモーター等の回転駆動源からの回転駆動力を受けて回転駆動される駆動ロールではなく、ロール本体51の外周面に外力を受けて回転可能に構成された従動ロールである。
【0017】
駆動ロール50は、フェスツーン部22の搬出側駆動ロール32に最も近い位置に設置される。即ち、駆動ロール50は、運搬ロール部23を構成する複数のロールのうちフェスツーン部22に最も近い位置に設けられたロールである。つまり、運搬ロール部23を構成する複数のロールで形成された搬送路において当該搬送路の最も上流側に位置されるロールを駆動ロール50とした。
駆動ロール50の回転中心軸52は、支持側板41;41に回転可能に支持され、カップリングのような連結部材64を介してモーター等の回転駆動源62の回転軸63に連結され、回転駆動源62からの回転駆動力を受けて回転する。
駆動ロール50は、回転駆動源62からの回転駆動力を受けて回転し、ロール本体51の外周面がベルト部材7の帯面に接触してベルト部材7を成型ドラム3側に搬送する。
【0018】
ベルト部材切断装置24は、成型ドラム3の円周面16に巻付けられたカーカス部材15の上にベルト部材7が巻付けられる毎に、巻付けられた分のベルト部材7を搬送路側のベルト部材7より分離するためにベルト部材7を切断する装置である。ベルト部材切断装置24は、床8に設置された図外の支持部材に支持される。
【0019】
速度制御機構5は、巻出ロール2の巻出速度を検出する巻出速度検出器56と、成型ドラム3の巻取速度を検出する巻取速度検出器57と、制御装置58とを備える。
制御装置58は、巻出速度検出器56及び巻取速度検出器57で検出された速度値を入力して巻出ロール2の巻出速度と成型ドラム3の巻取速度とが同じとなるように回転駆動源10;18を制御する。
制御装置58は、巻出ロール2の巻出速度が成型ドラム3の巻取速度よりも速い場合には、搬入側駆動ロール31と搬出側駆動ロール32との間のベルト部材7の下端位置7eが下方に移動するように、搬入側駆動ロール31及び搬出側駆動ロール32の回転駆動源60;61を制御する。
制御装置58は、巻出ロール2の巻出速度が成型ドラム3の巻取速度よりも遅い場合には、搬入側駆動ロール31と搬出側駆動ロール32との間のベルト部材7の下端位置7eが上方に移動するように、搬入側駆動ロール31及び搬出側駆動ロール32の回転駆動源60;61を制御する。
以上により、ベルト部材7は、フェスツーン部22と成型ドラム3とに跨って位置されて一端がフェスツーン部22により支持され他端が成型ドラム3により支持された状態となる。そして、フェスツーン部22によって、ベルト部材7の長手方向に加わる張力が一定かつ小さくなるように調整されることになる。
さらに、制御装置58は、駆動ロール50の周速度を、成型ドラム3の巻取速度と同じか、あるいは、成型ドラム3の巻取速度以下となるように、巻取速度検出器57で検出された速度値に基づいて駆動ロール50の回転駆動源62を制御する。即ち、駆動ロール50には、ベルト部材7の運搬をアシストする役目を持たせる。
このように、駆動ロール50の周速度と成型ドラム3の巻取速度とを制御することで、駆動ロール50と成型ドラム3との間でベルト部材7が弛んでしまうことを防止できる。
【0020】
即ち、搬送装置1においては、巻出ロール2から巻出したベルト部材7の巻出端7tを、フェスツーン部22、運搬ロール部23経由で成型ドラム3の巻付始端取付部3bに取り付けた後、制御装置58が、巻出ロール2及び成型ドラム3の回転駆動源10;18、搬入側駆動ロール31及び搬出側駆動ロール32の回転駆動源60;61、駆動ロール50の回転駆動源62を制御する。
【0021】
実施形態1によれば、運搬ロール部23の駆動ロール50をフェスツーン部22に最も近い位置に設けたので、回転駆動源62により回転する駆動ロール50とベルト部材7との接触による摩擦が軽減し、フェスツーン部22の搬出側駆動ロール32と駆動ロール50との間においてベルト部材7に自重によりテンションが加わることを抑制できるので、ベルト部材7の伸びを抑制できる。
【0022】
実施形態1においては、搬送路4にフェスツーン部22を備えたことにより、ベルト部材7が成型ドラム3に巻付けられる際に、フェスツーン部22及び成型ドラム3によって運搬ロール部23上に位置されるベルト部材7の両端部が支持された状態となって、運搬ロール部23上に位置されるベルト部材7の他端側には成型ドラム3の回転力による牽引力が加わることにより、運搬ロール部23上に位置されるベルト部材7の一端側にはフェスツーン部22による引張力が加わり、ベルト部材7にベルト部材7の長手方向に沿った方向の張力が加わりやすい条件を備えた搬送装置1となる。
このような搬送装置1において、運搬ロール部23におけるフェスツーン部22に最も近い位置に位置するロールを駆動ロール50としたので、フェスツーン部22の搬出側駆動ロール32と駆動ロール50との間においてベルト部材7に自重によりテンションが加わることを抑制でき、ベルト部材7の伸びを抑制できる。
よって、ベルト部材7の伸びのばらつきが少なくなり、ベルト部材7の幅寸法のばらつきを少なくできるので、タイヤ1本内でのベルト部材7の幅寸法のばらつきが少なくなり、高品質のタイヤを製造できるようになる。
【0023】
実施形態1の搬送装置1によれば、運搬ロール部23の従動ロール40及び駆動ロール50により形成されるロール搬送路49は、フェスツーン部22側から成型ドラム3側に向けて上方に傾斜した後に成型ドラム3側に向けて下方に傾斜する構成、即ち、上傾斜ロール搬送路49aと下傾斜ロール搬送路49bとを備えた構成であるため、ベルト部材7にベルト部材7の長手方向に沿った方向の張力がより加わりやすくなるという条件を備えた搬送装置1となり、当該搬送装置1において、駆動ロール50をフェスツーン部22に最も近い位置に設けたので、フェスツーン部22の搬出側駆動ロール32と駆動ロール50との間においてベルト部材7に自重によりテンションが加わることを抑制でき、ベルト部材の伸びを抑制できる。
【0024】
また、ベルト部材7が金属性のコード11を内蔵している場合、磁石路33を備えるために、ベルト部材7に張力が加わりやすくなるが、この場合でも、ロール本体51とベルト部材7との接触による摩擦を軽減できることにより、ベルト部材7の伸びを抑制できるようになる。
また、ベルト部材7のコード角αが0°に近いほど、ベルト部材7に張力が加わりやすくなるが、この場合でも、ロール本体51とベルト部材7との接触による摩擦を軽減でき、ベルト部材7の伸びを抑制できる。
【0025】
また、巻出ロール2の巻出速度と成型ドラム3の巻取速度とが同じとなるように制御する制御装置58と、ベルト部材7の長手方向に加わる張力が一定になるように調整するフェスツーン部22とを備えるので、ベルト部材7の長手方向に加わる張力を小さくかつ一定にでき、ベルト部材7の伸びを抑制できる。
【0026】
実施例
以下の条件を満たした搬送装置1においてベルト部材7の伸びを観測した。
(1)ベルト部材7;幅寸法390mm、運搬ロール部23上での搬送角度β(図1参照)=38°。
(2)成型ドラム3;円周面の周長2500mm、巻付速度16.6rpm、加速度5000msec、減速度3000msec。
(3)駆動ロール50;周速度16.6rpm。駆動ロール設置位置;成型ドラム3から1500mmの位置。
上記条件の条件を満たした搬送装置1によれば、駆動ロール50を備えない構成の搬送装置に比べてベルト部材7の伸びを抑制できたことを確認した。
【0027】
実施形態2
運搬ロール部23の駆動ロール50を複数設けるようにしてもよい。例えば、運搬ロール部23を形成するロールのうち、フェスツーン部22に近い側に位置する複数のロールを駆動ロール50とする。この場合、フェスツーン部22に近い側に位置する駆動ロールの回転速度を、成型ドラム3に近い側に位置する駆動ロールの回転速度と同じか、成型ドラム3に近い側に位置する駆動ロールの回転速度よりも遅くすることで、ベルト部材7が弛んでしまうことを防止できる。
【0028】
実施形態3
運搬ロール部23を形成するロールをすべて駆動ロール50としてもよい。この場合、フェスツーン部22に近い側に位置する駆動ロールの回転速度を、成型ドラム3に近い側に位置する駆動ロールの回転速度と同じか、成型ドラム3に近い側に位置する駆動ロールの回転速度よりも遅くすることで、ベルト部材7が弛んでしまうことを防止できる。
【0029】
本発明においては、水平な運搬ロール部を備えた搬送装置に適用しても効果が得られる。
【0030】
本発明は、フェスツーン部22を備えていない構成の搬送装置における運搬ロール部23に適用してもよい。
【0031】
本発明の搬送装置による搬送対象は、帯状のゴム部材であればよい。例えば、タイヤを構成するカーカス部材やトレッド部材、その他の帯状のゴム部材でもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 搬送装置、2 巻出ロール(巻出手段)、3 成型ドラム(巻付手段)、
4 搬送路、7 ベルト部材(ゴム部材)、7f 帯面、22 フェスツーン部、
23 運搬ロール部、49a 上傾斜ロール搬送路、49b 下傾斜ロール搬送路、
50 駆動ロール、62 回転駆動源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のゴム部材が巻かれた巻出手段と、巻出手段より巻出されたゴム部材が搬送される搬送路に設けられたフェスツーン部と、フェスツーン部を経由したゴム部材を搬送する複数のロールを有した運搬ロール部と、運搬ロール部により送られてきたゴム部材が巻付けられる巻付手段とを備えたゴム部材の搬送装置において、
運搬ロール部を構成する複数のロールの1つ以上を回転駆動源からの回転駆動力を受けて回転する駆動ロールとしたことを特徴とするゴム部材の搬送装置。
【請求項2】
駆動ロールは、運搬ロール部を構成する複数のロールのうちフェスツーン部に最も近い位置に設けられたロールであることを特徴とする請求項1に記載のゴム部材の搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−188277(P2012−188277A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55044(P2011−55044)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】