説明

ゴルフクラブヘッドのスイング速度を測定する方法及び装置

【課題】
ゴルフクラブヘッドのスイング速度を測定する方法及び装置が提供される。
【解決手段】
筒状のゴルフクラブシャフトには、ファイバーグラスから成る領域が形成され、それを介して内部を視認可能である。シャフト内に固定され、かつスイング速度を示す装置を、ファイバーグラス領域を介して視認することができ、装置によって表示される速度を読み取ることができる。シャフトをスイングすると、表示具がシャフト内を移動し、シャフト又は装置上のスケールに沿って表示具が配置され、クラブのスイング速度から導出される種々のパラメータを読み取ることができる。シャフトは、ファイバーグラスなどの透過性材料の帯片を、シャフトを形成するグラファイトの材料から成る隣接する帯片に、重ねるように挿入することによって形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブヘッドのスイング速度を測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打撃する際、ゴルフクラブヘッドの速度がゴルフボールの飛距離に影響を与えるため、ゴルフクラブヘッドの速度または速さを把握することは有効である。ゴルフの腕を上達させるためには、プレーヤが高速かつ安定した速さでボールをクラブヘッドにより打撃する能力が重要である。例えば、ゴルフクラブにより打撃されたゴルフボールの飛距離は、主に、ゴルフボールとのインパクト点におけるクラブヘッドの速度に依存する。従って、ゴルファーにとって、ゴルフクラブフェースの最高速度を出すことができれば好都合となる。
【0003】
プレーヤがスイングした時のクラブフェースが描く軌跡は、基本的には円弧状である。円弧状の軌跡でスイングして、打撃対象物に対して運動エネルギを伝える用具の特徴としては、対象物とのインパクト点における用具の直線速度すなわち接線速度成分が挙げられる。ゴルフクラブのこの接線速度成分を、以下「スイング速度」と称する。ゴルファーが最高のスイング速度を出せるよう訓練を行う際に、スイング速度に関する何らかの客観的な指標があれば、スイング技法の変更又は改良がスイング速度に与える影響を測定でき、ゴルファーにも容易に分かるため、有用である。
【0004】
ゴルフクラブヘッドの速度を決定するために、レーダーガンなどの遠隔センサを使用することもできるが、高価であると共に、ゴルフクラブヘッドのスイング時に速度を測定する人がゴルファーの他に必要となる。特許文献1に記載され、その図1〜2において示されるように、シャフトの端部であり、ゴルフクラブヘッドの上方に固定される速度測定装置が知られている。しかし、取付式の測定装置は、ゴルフクラブの重さ及びバランスを変化させてしまうと共に、スイング及びそれに起因するクラブヘッド速度に影響を与える。また、クリップ式のアタッチメントは、ゴルフクラブの外観を、望ましくないように変えてしまう。よって、ゴルフクラブヘッドの速度を測定する改良された方法であって、クラブの外側に特定の物品をクリップで取り付ける必要がなく、好ましくは、外観的に好ましいものか、少なくとも非魅力的でない方法が必要とされている。
【0005】
グリップ及びヘッドが視界を妨げなければ、シャフトの一方の端部から、筒状のゴルフクラブのシャフトの内部を見ることができる。従来、シャフト自体の壁を通して、すなわち、シャフトの長手軸線を横断するように、ゴルフクラブシャフトの内部を見る必要はないと考えられてきた。ゴルフクラブのシャフトは、従来、中実木材のシャフトで形成されてきたが、現在は鋼鉄、チタン、ファイバーグラス、グラファイト複合材マトリックスなどの材料をテーパ状に形成して筒状のシャフトを形成している。これらのシャフトは、シャフトの筒状の壁を通してゴルフクラブシャフトの内部にあるものを視認できる程度に透明又は透過性にはされていない。木材及び金属は不透明であり、内部を視認することはできない。これまでのファイバーグラスのシャフトは、着色されて不透明であり、グラファイトマトリックスのシャフトは、マトリックス内に炭素が含まれるため、黒く不透明であった。
【0006】
筒状のシャフトに窓を設けることによりシャフトの内部を視認することができるが、一つには、この窓によりシャフトの構造上の完全性が損なわれ、シャフトの剛性、撓み、その他の物理的特性を変化させるという理由から、これを行うことはなかったと考えられる。また、窓により剛性が左右非対称となるため、ゴルファーのシャフトの握り方によって、シャフト端部のゴルフクラブヘッドで打撃されるゴルフボールに対する窓の方向が変わり、シャフトの性能を変化させるという影響を与えてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4967596号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの問題に鑑み、ゴルフクラブシャフトの壁を介して内部を視認することができるゴルフクラブシャフトを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
好ましくはシャフトが筒状で、グラファイトエポキシ複合材又はその他のマトリックスシートから成るゴルフクラブシャフトを形成する。シャフトはテーパ状であることが好ましいが、必ずしもテーパ状である必要はない。シャフトは通常、マンドレルの周りに、帯片又は細いグラファイトエポキシマトリックスのシートを巻き、マトリックスを硬化させた後、マンドレルからシャフトを取り外すことで形成される。帯片又はシートをマンドレルに積層する際に、透明又は透過性のファイバーグラスから成る帯片が視認位置に挿入され、ファイバーグラスの帯片は、シャフトの残りの部分に使用されるグラファイト又はその他のマトリックスから成る帯片と接合される。その結果、シャフトにおけるファイバーグラスの部分が、透明又は透過性の窓を構成する。シャフト内には、その窓の位置に、スイングの速さ又はスイング速度の表示具が配置される。この速度表示具としては、特許文献1に開示される種類のものが好ましい。この窓及びスイング速度表示具は、シャフトのスイングポイントの近傍に配置され、かつその中心がスイングポイントに配置されることが好ましい。一般的に、シャフトのスイングポイントは、シャフトの太い方の端部から14インチ(355.6mm)だけ離間した位置に設定される。これにより、スイング速度表示具を視認できる窓を有するゴルフクラブシャフトが提供され、窓及び速度表示具はゴルフクラブのスイングポイントに配置されることが好ましい。
【0010】
更に詳細には、ゴルフクラブシャフトは長手軸線を有し、当該軸線を取り囲み、筒状のシャフトを形成する連続壁を備える。シャフトはシャフトのグリップ端部から所定の距離、通常は14インチ(355.6mm)だけ離間した位置に設定されるスイングポイントを有する。シャフトの壁は、シャフトの内部を視認できるような透過性材料の部分を有すると共に、長手軸線の方向に沿って配置される。更なる変形例において、シャフトはグリップ端部とクラブ端部とを備え、透過性材料の部分はシャフトのグリップ端部に向かって配置される。透過性材料の部分は、シャフトのスイングポイント部分に延在するよう配置されると好都合であり、シャフトのスイングポイント上に中心を有すると好ましい。シャフトはグラファイト複合材によって形成されていてもよく、透過性材料の部分は、シャフトを製造する際にグラファイト複合材に一体に接合されるファイバーグラスによって形成されていてもよい。
【0011】
シャフトは、シャフト内であって透過性材料の少なくとも一部内に配置され、当該透過性材料を介して視認できる速度表示具を備えることが好ましい。速度表示具は長さ方向に沿って延び、その一部がシャフトのスイングポイントに位置することが好ましい。速度表示具は、シャフト端部のゴルフクラブヘッドの速度と、シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの速度と、シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの予測飛距離とのうちの少なくとも1つを表示するように目盛が定められる。
【0012】
好ましくは、速度表示具は、振動質量体を取り囲む管を備え、振動質量体は管内を摺動自在に配置され、質量体を管の第1端部の側に弾性的に付勢するばねに連結されている。また、管は、振動質量体によって移動可能である速度表示具を取り囲む。速度表示具はシャフトのスイングポイントにその中心を有することが好ましい。速度表示具及びスイングポイントは共に、シャフトのグリップ端部から約14インチ(355.6mm)だけ離間した位置に配置されることが好ましい。シャフトは単独で設けられてもよく、表示具と共に設けられてもよく、クラブヘッドと共に設けられてもよく、またそれらを任意に組み合わせて設けられてもよい。
【0013】
また、長手軸線を取り囲む壁を備えるとともに、長手方向に沿って延びる筒状のシャフトを有するゴルフクラブシャフトを提供する。シャフトは、テーパ状であり、シャフトのグリップ端部から約14インチ(355.6mm)だけ離間した位置にスイングポイントを有する。壁は、スイングポイントに位置する透過性部分の一部を介して内部が視認可能であるような透過性材料の部分を有する。要望に応じて、測定装置は、シャフト内に配置されるとともに、シャフトのスイング速度に応じてその位置が変動する表示具を有する。表示具の少なくとも一部が透過性部分を介して視認できる。
【0014】
更なる変形例において、測定装置は振動質量体を取り囲む管を備え、振動質量体は管内を摺動自在に配置され、質量体を管の第1端部の側に弾性的に付勢するばねに連結され、表示具は振動質量体によって移動可能である。管はまた、表示具をリセットするリセット質量体を有することが好ましい。表示具は、シャフト端部のゴルフクラブヘッドの速度と、シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの速度と、シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの予測飛距離とのうちの少なくとも1つを表示するように目盛が定められている。管は長手軸線に沿ってシャフトから取外し可能である。シャフトはヘッドを備えていてもよく、ヘッドなしで販売されてもよい。スケールはシャフトの外側に配置され、表示具と協働して、シャフト端部のゴルフクラブヘッドの速度と、シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの速度と、シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの予測飛距離とのうちの少なくとも1つを表示することが好ましい。
【0015】
また、筒状のゴルフクラブシャフトを製造する方法が提供される。本方法は、特定の材料の第1帯片、第2帯片、及び第3帯片を、長手軸線を有するマンドレルの周りに配置するステップを含み、第2帯片が第1及び第3帯片の間に配置される。各帯片の縁部は隣接する帯片に重なる。第1帯片及び第3帯片はグラファイトエポキシ材料から成り、第2帯片は透過性材料から成る。第2帯片は第1帯片及び第3帯片のそれぞれの一部に重なる。第2帯片の長手軸線に沿って測定された長さは第1帯片及び第3帯片よりも短い。本方法は、重なった縁部を接合して、単一のシャフトになるよう、特定材料の帯片を硬化させるステップを更に含む。本方法はまた、シャフトをマンドレルから取り外すステップも含む。
【0016】
更なる変形例において、シャフト及びマンドレルは、直径の大きいグリップ端部から直径の小さいクラブヘッド端部に向かってテーパ状である。本方法は、第2帯片を、完成したシャフトのスイングポイントの位置に重なるように配置するステップを更に備えていてもよい。特定の材料の第2帯片はファイバーグラスであることが好ましいが、エポキシで形成されていてもよい。
【0017】
本方法では、測定装置をシャフトに挿入して、少なくとも装置の表示具部分が透過性部分を介して視認できるように装置を配置するステップを含むことが好ましい。測定装置はシャフトのスイング速度に応じて表示具の位置が変動するよう構成される。少なくとも測定装置の一部及び表示具が透過性部分を介して視認できる。
【0018】
本方法では、測定装置がシャフトのグリップ端部から約14インチ(355.6mm)だけ離間した位置に配置されると好都合である。本方法はゴルフクラブヘッドをシャフトのヘッド端部に固定するステップを更に備えていてもよい。表面粗さを減少させるため、シャフトの内側をバフがけすると好都合であり、それにより透過性部分を介した視認性が向上する。更に、シャフトの内側及び外側に、ラッカー、ポリウレタン、その他の液体などのクリア塗料を塗布し硬化させることにより、透明な保護膜を形成すると好都合であり、それにより更に表面を滑らかにして、透過性部分を介した視認性を向上させる。
【0019】
本発明の他の利点は、以下の記載及び図面を参照することにより、より明確になる。類似の参照番号は、全体を通して、類似の部品を示すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ゴルフクラブシャフト及びスイング表示具を内部に有するクラブを示す断面図。
【図2】使用される際の図1のゴルフクラブを示す図。
【図3a】図1のスイング表示具の断面図。
【図3b】図1のスイング表示具の断面図。
【図3c】図1のスイング表示具の断面図。
【図3d】図1のスイング表示具の断面図。
【図4】図1のシャフトの積層を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜2を参照すると、ゴルフクラブシャフト10は、グリップ端部12、及びグリップ端部12に対向するクラブヘッド端部14を備える。グリップ端部12およびクラブヘッド端部14の間には、透過性部分16が配置され、透過性部分16を介して測定装置18及び測定装置18の表示具20が視認可能である。このように、透過性部分16は、それを介して少なくとも表示具20を視認することができる窓を構成する。測定装置18は、端部14に固定されたクラブヘッド24のクラブフェース22の位置におけるスイング速度を測定し、表示具が測定装置18の出力を表示することが好ましい。
【0022】
透過性部分16は完全に透明であることが好ましいが、少なくとも、透過性部分16を介して表示具が視認可能な程度に透明であればよい。よって、本明細書における「透過性」とは、透明な材料だけではなく、通過する光の一部を遮断又は拡散させる材料であって、表示具20を、好ましくは測定装置18の一部又は全体を十分に視認できる材料を含むものである。
【0023】
測定装置18は、特許文献1に記載されるスイング速度表示具であることが好ましく、特許文献1の全内容は本明細書に援用される。図3a〜3dを参照して、この測定装置18を簡単に説明する。測定装置18は、基端31及び先端32を有する中空管30を備えることが好ましい。管30は、管壁を介した視認が可能となるように、プレキシガラスなどの透過性材料によって構成されることが好都合である。スケール34は管30の外面に、又はシャフト10の外面に配置されるが、測定装置18の測定結果を表示するように透過性部分16に配置されることが好ましい。スケール34を形成するために、転写シールが適切である。
【0024】
管30の基端31において、端末キャップ36が末端を構成する。端末キャップ36の内部端は、グリップ端部12(図1)に向けて配置され、基端31には長尺状の停止支柱38が取り付けられる。管30内には振動質量体40が摺動自在に配置される。振動質量体40は概ね筒状であり、対向する第1端部及び第2端部を有する。振動質量体40は、コイルばね42などの弾性部材を用いて端末キャップ36に弾性的に取り付けられる。ばね42の第1端部は端末キャップ36の先端の停止支柱38に固定される。第1端部に対向するばね42の第2端部は、振動質量体40の第1端部に回転自在に接続される。振動質量体40の外径は管30の内径よりわずかに小さく、振動質量体と管の内壁24との間における空気の通過を可能にする。
【0025】
振動質量体40は、ばね42の張力により、長尺状の停止支柱38の先端とは逆方向に適切に引張られる。よって、停止支柱38は、振動質量体40が静止している際に、ばね42の張力状態を一定に維持するスペーサ要素として作用する。これにより、使用していない時の振動質量体40のがたつきが防止される。管30内の振動質量体40のばね42から離間する側には、表示具20が配置される。好適な実施形態による表示具20は、質量を最小限に抑えるために発泡プラスチックなどの軽量かつ半硬質の材料から成る一対の筒状部品と、それらの間に挟まれる細いプラスチック製の中心円盤とを備える。表示具は、管30の基端に対向する第1端部、及び管の先端32に対向する第2端部を有する。表示具20の大きさは、管30の内壁に密接に係合するような大きさであって、管30に沿った表示具20の移動が妨げられない程度に余裕のある大きさに設定される。表示具20の周部と管30の内壁24との間の摩擦嵌合により、力が加えられると、表示具20が管30内を長手方向に沿って移動し、加えられていた力が除去されると、表示具20が管内においてその位置に維持されることが可能となる。
【0026】
管30内において、表示具20の振動質量体40から離間する側には、好ましくは鉄又はその他の適切な金属材料から成るリセット質量体44が摺動自在に配置されている。リセット質量体44は概ね筒状であり、管30内を自由に摺動できるように管30の内径よりわずかに小さい外径を有する。通常、リセット質量体44は、管の先端の末端を成すマグネット46により、管30の先端32に保持されている。
【0027】
ここで図3a〜3dを参照して、測定装置18の作用を説明する。図3aに示す「準備完了」の構成において、振動質量体40は、ばね42の張力によって、停止支柱38の先端66に対して引張られる。表示具20は振動質量体40の第2端部に接触して静止する。管30の先端32において、リセット質量体44はマグネット46により所定の位置に保持される。
【0028】
図3bは、シャフト10のスイング中の測定装置18の作用を示している。シャフト10をスイングすると、振動質量体40は、遠心力により、管30の孔内を、ばね42の張力に抗して、図3bにおいて矢印で示す方向へ移動させられる。振動質量体40が管30内を移動すると、振動質量体40の前方の表示具20が押圧される。スイングが終了すると、振動質量体40はばね42により引張られ、図3cに示すように、停止支柱38に接触する静止位置に戻る。表示具20と管30の内壁との間において摺動する締り嵌めによって、表示具20が移動した上端の位置において、表示具20が保持される。表示具20の位置は、スイング速度などを示すスケール34の目盛によって、スケール34と比較することができる。
【0029】
図3dに示すように、表示具20のスケール34上での値が読み取られた後、管30の端部においてマグネット46の吸着力からリセット質量体44を解放するために十分な力で、シャフト10のクラブ端部14を、地面又はユーザの手に対して軽く打ち付けることにより、表示具20がリセットされる。リセット質量体44は、図3dにおいて矢印で示す方向に管30を摺動し、リセット質量体44の前方の表示具20は、表示具が振動質量体40の第2端部に接触して静止するまで押圧される。リセット質量体44と管30の内壁との間の嵌合は、その間における空気の通過を可能にし、それによりリセット質量体は、空気制動の抵抗を受けずに管30内を自在に摺動することが可能である。代替的には、リセット質量体44は、空気の影響を低減するために、1つ又は複数の開口を有していてもよい。その後、シャフト10を、グリップが下側に位置する配向から反転され、リセット質量体44は管30内をマグネット46に向かって戻るように摺動し、リセット質量体44は再度解放されるまでマグネットにより所定の位置に保持される。表示具20の周部と管30の内壁との間の締り嵌めにより、表示具が振動質量体40に接触して保持される。リセット後、測定装置18は再び図3aに示す構成を呈し、再び使用されることに備えて準備完了状態となる。
【0030】
図1及び図3を参照すると、シャフト10のスイングによる遠心力によって、振動質量体40が、ばね42の張力から解放されて管30内を移動し、振動質量体40の前方の表示具20が押圧される。スイングが終了すると、振動質量体40は、ばね42の張力により、停止スリーブ64の基端に接触する初期位置に引き戻されるが、表示具20は、管30内の孔において移動方向の最も前方の位置に留まる。表示具20の位置をスケール34により読み取ることで、測定装置18により取得される測定値が提供される。その後、シャフト10の太い方の端部12を地面に対して打ち付けることにより、リセット質量体44をマグネット46の吸着力から解放させ、リセット質量体が管30を摺動することにより、表示具20を、振動質量体40に接触する初期位置に強制的に戻す。その後、シャフト10を逆にして、クラブヘッドが下側に位置するように配向することにより、リセット質量体44を管30の先端32へと摺動させ、再度マグネット46に吸着させる。
【0031】
振動質量体40の重さ及びばね42のばね定数は、スイング中の振動質量体の外側への移動範囲を制御するよう選択される。ばね及び質量体が受ける最大の力は、用具をスイングする際に加わる最大遠心力に直接依存する。表示具と管30の壁との間に発生する摩擦力を配慮して、表示具20の移動を読み取るスケール34を調整してもよい。ばね及び質量体システムの固有振動数、すなわち自然振動数は、スイングの固有振動数より著しく大きい必要があり、それにより、スイングの持続時間より著しく短い時間間隔で、振動質量体が軸線方向に沿った適切な位置に移動することが可能になる。また、振動質量体40が適正な値を超えて外側へ移動することがないよう、制動が行われる必要がある。閉じた管30で、振動質量体40の周部が管30の壁に密接に嵌合している場合、移動する振動質量体40の上部の空気が圧縮され、振動質量体の移動を大きく制動する。逆に、振動質量体の移動による管内の空気の圧縮が全くない場合、すなわち、質量体の制動が行われなかった場合、振動質量体40は、適正な値を超えて外側へ移動する。理想的な制動、すなわち「臨界制動」は、跳ね上がった振動質量体40が適正な値を超えずに、可能な限り速く移動する場合に実現される。振動質量体40の側面と管30の壁との間を通過する空気の流れを、臨界制動が実現されるように調整することにより、振動質量体が適正な値を超えることなく、また、適正な値に到達することも妨げられない。所望のレベルの制動を実現するために、様々な構造の空気の通路を採用することができ、例えば、振動質量体の中央に縦方向の孔を設けてもよい。
【0032】
スケール34がスイング速度の客観的指標を示す方法としては、様々な方法が挙げられる。第1に、表示具20の移動が、クラブヘッドの速度を示すように、例えばマイル/時、キロメートル/時、フィート/秒、又はメートル/秒などの単位で、スケール34の目盛が定められてもよい。第2に、表示具の移動が、対応するスイング速度で進むクラブヘッド24によって打撃された際のゴルフボールの飛距離を示すように、スケール34の目盛が定められてもよい。しかし、飛距離に影響を与える要因は、クラブヘッド速度以外にもあり、クラブヘッド24のロフトなどが挙げられる。測定装置18が単独のシャフト10内に配置されるため、シャフトの長さ、ロフト、ゴルファーの腕の長さ、及び背の高さを考慮して、装置18の目盛が定められる。第3に、単純に「10段階」のスケール、又は不可、可、及び良のスケール、又はスイングを質的に比較する相対的な基準を提供するその他の指標により、スケール34の目盛が定められてもよい。
【0033】
ゴルフクラブに関して、クラブヘッド24の回転軸線までの長さには、シャフト10の長さだけでなく、プレーヤの腕の長さも含まれる。この長さはプレーヤ毎に異なるため、腕が平均より短かったり長かったりするプレーヤにとっては、スケール34は完全に正確ではない。更に、ゴルフクラブの長さが異なることはよく知られており、ロフトが大きいアイアンはシャフトが短く、またロフトが小さいクラブはシャフトが長いため、クラブの長さ及びロフトの両方がボールの飛距離に影響を与える。また、測定装置18の位置はクラブフェース22からずれており、このずれも考慮しなければならない。これらのクラブシャフトの長さ、クラブフェース22のロフト角、ゴルファーの腕の長さ、ピボット点及びゴルフクラブフェース22に対する測定装置18の位置などの潜在的な変動値により、潜在的な変数が導入され、たとえ厳密にはそれが主原因でないとしても、それにより多少の不正確さが発生する。好適な実施形態では、装置18がシャフト10に固定される前に、これらの変数を考慮して、シャフト10毎にスケール34又は測定装置18を調整する。よって、装置18をシャフト10に挿入する前に、1つ又は複数の変数を配慮して、各測定装置18の目盛がそれぞれ定められてもよく、又は、スケール34がシャフト10又は管30に配置される前に、1つ又は複数の変数に対応するようスケール34が調整されてもよい。
【0034】
測定装置18はシャフトの開放したグリップ端部12を通って挿入されることが好ましい。装置18は、通常はグリップ端部12のシャフト端部から14インチ(355.6mm)だけ離間した位置に限定されるシャフトのスイングポイントにその中心を有するように配置されることが好ましい。これにより、管30の長手軸線が測定装置18の長手軸線と概ね一致するように、測定装置18がシャフト10の長手軸線に沿って配置される。これにより、シャフト10の使用の際における装置18の影響が最小限に抑えられる。装置18はスイングポイント以外の位置にも配置され得るが、スイングポイントに配置されてもよいが、シャフト10の質量分布、ひいてはゴルフクラブの質量分布への影響が最小限に抑えられる。
【0035】
この装置18をシャフト10の内側に配置するために、シャフトには、内部リッジ、突起又はリッジ又はその他の内部の隆起などの内部位置停止部50が設けられてもよく、内部位置停止部50は、管30の先端の端部に当接して、測定装置18をシャフトの長手軸線に沿って位置決めする。内部リッジ又はフランジ50は、シャフト10を形成するために使用されるマンドレルに嵌合する型を配置することにより、容易に形成される。代替的には、管30の外径又は管30の端部の大きさを、筒状のシャフト10のテーパ状の内径を基準として設定し、締り嵌め状態にすることにより、測定装置18を所望の位置に固定してもよい。
【0036】
管30、特にシャフト10又は停止部50に当接する先端において、シャフト10内の測定装置を永続的に固定するように接着剤を使用してもよい。所望の位置において、管30が筒状シャフト10の内壁と当接しない場合は、環状スペーサ又は円盤状スペーサなどの位置決め装置52を、管30の1方又は両方の端部に固定してもよく、装置52の直径又は形状は、シャフト10の内側と当接するような大きさにしてもよく、又は、シャフト10の内壁に十分接近するような大きさにして、接着剤により所定位置に固定するようにしてもよい。代替的には、測定装置が挿入された後に、スナップリング、リング、スペーサ、又はその他の固定装置をシャフト10の内側に配置し、(例えば、ねじ、バヨネットロック、スナップロックによって)シャフトの内壁に着脱自在に固定してもよく、又は使用中に測定装置18がグリップ端部12に向かって移動しないように、接着剤で固定してもよい。当業者にとってシャフト10の内側の測定装置を、その他の数々の方法によって、着脱自在に、又は永続的に固定することができる。
【0037】
特定の場合において、管がシャフトに固定される前に、管30自体が、シャフト10内の空気の流れを遮らないことが好ましい。よって、必要であれば、シャフト10の内側の形状を管30の嵌合部分の形状と異なるように形成してもよく、又は、管30をシャフト10の内側に嵌合しない形状に形成してもよい。例えば、米国特許第7862447号明細書に記載されるように、シャフト10の内側が複数の平らな部分を有し、筒状の管30に対して空気の通路を形成してもよく、又は、管30が平らな部分又はトンネル部分を有し、管30がシャフト内の位置に挿入された際に、管30の外周と、それに当接する筒状シャフト10の円形の内側の壁との間に空気の通路を形成してもよい。
【0038】
透過性部分16は、シャフト10の長手方向において任意の所望位置に配置することができる。シャフト10を形成する壁を介して表示具の位置が視認できるように、透過性部分16を、シャフト10の表示具20を視認できる位置に配置すると好都合である。スケール34は、シャフト10を形成する壁の内側に配置されても、外側に配置されてもよいが、表示具20の位置をスケールと比較して視認することができる程度に近接して配置する必要がある。
【0039】
透過性部分16は、透明なファイバーグラスで形成されると好都合であり、シャフト10の形成時に、シャフト10を形成する材料から成る近接部分に接合されるが、この近接部分は、グラファイトエポキシ複合材で形成されることが好ましい。しかし、透過性部分16は、エポキシのみ、又はスクリムクロス及びエポキシを使用して形成することが適切であり、この場合、エポキシのみ、又はエポキシ及びスクリムは、透過性ファイバーグラス部分、又は同じ厚さのグラファイト複合材ほど強くないため、透過性部分16の長さは、実用可能な範囲で短くすることが好ましい。
【0040】
図4を参照して、シャフト10及び透過性部分16の製造法について述べる。平らに広げると、典型的な複合材の積層物は、より広い基部60及びより狭い上部62から成る平行な端部と、基部から上部にかけてテーパ状に傾斜した2つの側部64、66とを備え、左右対称の四角形である。シャフト10の直径は、グリップ端部12において大きく、かつクラブヘッド端部14において小さくなるようなテーパ形状を有している。平らな積層物は、円錐台の断面形状に類似した形状を有する。通常の積層物に変更を加え、積層物は、一枚の複合材料のシートによって形成される代わりに、選択された複合材シートから成る3つの積層部分を使用して形成される。3つの積層部分には、第1グリップ積層部分68、第2透過性部分70、第3クラブ端部積層部分72が含まれる。第1グリップ積層部分68及び第3クラブ端部積層部分72は、グラファイト複合材で形成されることが好ましく、形成されるシャフト10のグリップ端部12及びクラブヘッド端部14に対応する。
【0041】
第2部分70は、透明なファイバーグラスによって形成されることが好ましい。ファイバーグラス部分70は、織られたものでも、粗く織られたものでもよい。代替的には、第2部分70には、透明なエポキシ、スクリム及び透明なエポキシ、又はその他の透過性材料も適切である。また、アルミニウム、チタン、又は鋼鉄などの、目の粗い金属製メッシュの使用も適切である。第2部分70は、商業的用途で販売される完成したシャフト10の透過性部分16の所望の位置に対応するように配置される。完成したシャフト10において、完成したシャフトの端部から約14インチ(355.6mm)だけ離間した位置に第2部分の中心が位置することが好ましいが、シャフトは切断されるため、積層物の長手方向における実際の位置は、14インチ(355.6mm)より長い距離だけ離間してもよい。適切な場合、製造者又はゴルフショップにより、グリップ端部12は製造された長さよりも最長で約10インチ(254mm)だけ短く切断され、又は、ヘッド端部14は製造された長さよりも最長で5インチ(127mm)だけ短く切断される。調整する正確な長さは異なる。第2部分70を形成する材料は、隣接する第1及び第3部分68、72の間に、好ましくは重なるようにして配置される。重なる幅は約70mmであることが適切であるが、これは個別のデザイン及び使用される材料によって異なる。第2部分70の長手軸線に沿って測定される長さは、約240〜460mmが適切である。しかし、この長さ及び位置は変更可能である。第1部分68及び第3部分72が、テーパ状のマンドレルの周りに配置されると、第2部分70と重なる。
【0042】
シャフトは、直径の小さいクラブヘッド端部14に向かってテーパ状となっているため弱く、通常、材料の層を更に重ねて、形成されたシャフト10を強化する必要がある。このため、第4の複合材料の層74を、第3部分72の外側に巻き、第5の複合材料の層76を第4部分の外側に巻く。第6の複合材料の層78を、グリップ端部の第1部分68の外側に巻くことにより、中空の端部を強化するようにしてもよい。第6部分78は、好ましくは、第2部分70と重ならない。これらの様々な層及び部分に対して、エポキシを塗布するが、第2部分70に塗布されるエポキシは、透過性部分16を実現するため、乾燥すると十分、透明になるものが選択されることが好ましい。多くの周知の透明な乾燥エポキシが適切である。
【0043】
その後、マンドレル及びシャフトを、オーブン又はオートクレーブに入れて、材料が加熱され、マンドレルに対して押し付けられる。加熱及び加圧により材料が硬化した後、マンドレルを取り外すことで、テーパ状で筒状のシャフトが形成される。シャフトの内側はクリア塗料によりコーティングされる。製造順序におけるこの時点において、透過性部分16が十分に透明であり、ゴルファーが透過性部分を介してシャフトの内側に配置された表示具20の位置を読み取れることが好ましい。しかし、シャフトの内側、又は少なくとも透過性部分16の内側がバフがけ(研磨)されることが好ましい。グリッド数1,000もしくはより細かい研磨剤を用いた回転ファブリック研磨装置が適切である。このバフがけすることにより表面粗さが減少し、透過性部分16を介する視認性が向上する。シャフト10の内部、又は少なくとも透過性部分16の内部に、艶出しラッカー、ポリウレタン、又はその他のシーラントを薄くコーティングして、クリア塗料を塗布することが、任意であるが好ましい。クリア塗料は、厚さ約0.001インチ(0.0254mm)以下のものが適切である。クリア塗料は、視認性を向上させるため、光沢のあるものとする。要望に応じて、光沢のあるクリア塗料を更に使用してもよい。このクリア塗料により、透過性部分16の粗さが更に減少され、透過性部分16を介した視認性が向上する。要望に応じて、シャフト10及び透過性部分の外側に、1つ又は複数のクリア塗料が塗布されていてもよい。
【0044】
好ましくはグラファイトエポキシ複合材から成るシャフトについて上記に開示した。シャフト10の積層数、グラファイトファイバ、グラファイト層、ファイバーグラス層の配向、及び使用される特定のエポキシについては、製造者に応じて、またシャフト10に求める特性に応じて変更される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸線を有するゴルフクラブシャフトであって、
前記ゴルフクラブシャフトは、前記長手軸線を取り囲み、かつ筒状のシャフトを形成する連続した壁を備え、前記シャフトは、前記シャフトのグリップ端部から所定の距離だけ離間した位置に配置されたスイングポイントを有し、前記壁は、前記長手軸線の方向に沿って配置され、かつ内部を視認可能であるような透過性材料の部分を有するゴルフクラブシャフト。
【請求項2】
請求項1に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記シャフトは、グリップ端部およびクラブ端部を備え、前記透過性材料の部分は前記シャフトのグリップ端部の側に配置されるゴルフクラブシャフト。
【請求項3】
請求項1に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記透過性材料の部分は、前記シャフトのスイングポイントの部分に亘って延びるように配置されるゴルフクラブシャフト。
【請求項4】
請求項1に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記透過性材料の部分は、前記シャフトのスイングポイントに中心を有するゴルフクラブシャフト。
【請求項5】
請求項1に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記シャフトはグラファイト複合材から製造され、前記透過性材料の部分は、前記シャフトを形成する際に、前記グラファイト複合材に一体に接合されるファイバーグラスであるゴルフクラブシャフト。
【請求項6】
請求項1に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記透過性材料の少なくとも一部内に配置され、前記透過性材料を介して視認可能なスイングの速度表示具をさらに備えるゴルフクラブシャフト。
【請求項7】
請求項6に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記速度表示具は長さ方向に沿って延び、前記速度表示具の一部が前記シャフトのスイングポイントに配置されるゴルフクラブシャフト。
【請求項8】
請求項6に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記速度表示具は、前記シャフトの端部におけるゴルフクラブヘッドの速度、前記シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの速度、および前記シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの予測飛距離のうちの少なくとも1つを表示するように目盛が定められるゴルフクラブシャフト。
【請求項9】
請求項6に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記速度表示具は、振動質量体を取り囲む管を備え、前記振動質量体は前記管内に摺動自在に配置され、前記振動質量体は、前記管の第1端部の側に該振動質量体を弾性的に付勢するばねに連結され、前記速度表示具は、前記振動質量体によって移動可能であるゴルフクラブシャフト。
【請求項10】
請求項9に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記速度表示具は前記シャフトのスイングポイントに配置されるゴルフクラブシャフト。
【請求項11】
請求項9に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記速度表示具およびスイングポイントは、前記シャフトのグリップ端部から約14インチ(355.6mm)だけ離間した位置に配置されるゴルフクラブシャフト。
【請求項12】
請求項1に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記シャフトのヘッド端部に、ゴルフクラブヘッドをさらに備えるゴルフクラブシャフト。
【請求項13】
請求項6に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記シャフトのヘッド端部にゴルフクラブヘッドをさらに備えるゴルフクラブシャフト。
【請求項14】
長手軸線を有するゴルフクラブシャフトであって、
前記長手軸線を取り囲む壁を有する筒状のシャフトであって、該シャフトは、前記壁によってテーパ状に形成され、前記シャフトは前記シャフトのグリップ端部から約14インチ(355.6mm)だけ離間した位置に配置されるスイングポイントを有し、前記壁は前記スイングポイントに位置する透過性部分の一部を介して内部を視認可能であるような透過性を有する透過性材料の部分を備える前記筒状のシャフトと、
前記シャフト内に配置され、かつ表示具を有する測定装置であって、前記表示具の位置は、前記シャフトがスイングされる速度に応じて変動し、前記表示具の少なくとも一部は、前記透過性部分を介して視認可能である前記測定装置とを備えるゴルフクラブシャフト。
【請求項15】
請求項14に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記測定装置は、振動質量体を取り囲む管を備え、前記振動質量体は前記管内に摺動自在に配置され、前記振動質量体は前記管の第1端部の側に前記振動質量体を弾性的に付勢するばねに連結され、前記表示具は、前記振動質量体によって移動可能であるゴルフクラブシャフト。
【請求項16】
請求項15に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記測定装置に、前記表示具をリセットするリセット質量体をさらに備えるゴルフクラブシャフト。
【請求項17】
請求項14に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記表示具は、前記シャフトの端部におけるゴルフクラブヘッドの速度、前記シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの速度、及び前記シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの予測飛距離のうちの少なくとも1つを表示するように目盛が定められるゴルフクラブシャフト。
【請求項18】
請求項15に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記シャフト端部に、ゴルフクラブヘッドをさらに備えるゴルフクラブシャフト。
【請求項19】
請求項14に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記管は、前記長手軸線に沿って、前記シャフトから取り外し可能であるゴルフクラブシャフト。
【請求項20】
請求項14に記載のゴルフクラブシャフトであって、
前記シャフトの外側に、前記表示具と協働して、前記シャフト端部におけるゴルフクラブヘッドの速度、前記シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの速度、および前記シャフト端部のゴルフクラブヘッドによって打撃されたボールの予測飛距離のうちの少なくとも1つを表示するスケールをさらに備えるゴルフクラブシャフト。
【請求項21】
筒状のゴルフクラブシャフトを製造する方法であって、
所定の材料の第1帯片、第2帯片、及び第3帯片を、長手軸線を有するマンドレルの周りに配置するステップであって、前記第2帯片は前記第1帯片および第3帯片の間に配置され、前記第1帯片、第2帯片、及び第3帯片の各々は、隣接する前記帯片に重なる縁部を有し、前記第1帯片および第3帯片は、グラファイトエポキシ材料からなり、前記第2帯片は透過性材料からなり、前記第2帯片は前記第1帯片および第3帯片の各々の一部に重なり、前記第2帯片の前記長手軸線に沿って測定された長さは、前記第1帯片および前記第2帯片よりも短い前記帯片を配置するステップと、
前記材料の帯片を接合して、単一のシャフトを形成するように、前記重なった縁部を硬化させるステップと、
前記シャフトを前記マンドレルから取り外すステップとを備える方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記シャフトおよび前記マンドレルは、大きな直径を有するグリップ端部から小さな直径を有するクラブヘッドへ向けてテーパ状に傾斜している方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、
完成した前記シャフトのスイングポイントの位置に重なるように前記第2帯片を配置するステップをさらに備える方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法であって、
前記材料の第2帯片は、ファイバーグラスである方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法であって、
前記材料の第2帯片は、エポキシにより形成される方法。
【請求項26】
請求項21に記載の方法であって、
測定装置を前記シャフトに挿入して、前記装置の表示具の少なくとも一部が透過性部分を介して視認できるように前記測定装置を配置するステップであって、前記測定装置は前記シャフトのスイング速度に応じて前記表示具の位置が変動するよう構成され、少なくとも前記測定装置の一部及び前記表示具が前記透過性部分を介して視認できるように前記測定装置を配置するステップを更に含む方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法であって、
測定装置の一部を、前記シャフトのグリップ端部から約14インチ(355.6mm)だけ離間した位置に配置する方法。
【請求項28】
請求項21に記載の方法であって、
ゴルフクラブヘッドを前記シャフトのヘッド端部に固定するステップをさらに備える方法。
【請求項29】
請求項26に記載の方法であって、
ゴルフクラブヘッドを前記シャフトのヘッド端部に固定するステップをさらに備える方法。
【請求項30】
請求項26に記載の方法であって、
前記材料の第2帯片の位置において、前記シャフトの内側のバフがけを実施して、透過性部分を介した視認性を向上させるステップをさらに備える方法。
【請求項31】
請求項26に記載の方法であって、
前記第2帯片の部分に亘る前記シャフトの内側および、前記第2帯片の部分の外側に亘ってクリア塗料を塗布するステップをさらに備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−94679(P2013−94679A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−242382(P2012−242382)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【出願人】(512284974)
【氏名又は名称原語表記】Daniel You
【Fターム(参考)】