説明

ゴルフクラブ収納ケース

【課題】多数本のゴルフクラブを運搬中においても相互に当接しないように該ケース内に各別に固定し、かつ、所定本数のゴルフクラブが該ケース内に収納されているか否かを目視により瞬時に確認することができるようにすると共に、ゴルフクラブを容易に出し入れすることができるようにしたゴルフクラブ収納ケースを提供する。
【解決手段】ケース本体1内には多数本のゴルフクラブ3を支持するゴルフクラブ支持体5を水平方向に回動自在に立設し、該ゴルフクラブ支持体には、それぞれ単一のゴルフクラブにおけるグリップ3aを取り外し自在に保持する多数のグリップ保持部15と、それぞれ単一のゴルフクラブにおけるシャフト3bを取り外し自在に挟持する多数のシャフト挟持部17とを備えさせ、該グリップ保持部とシャフト挟持部とは、ゴルフクラブが相互に当接しないようにゴルフクラブを各別に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブ収納ケースに関するものであり、特に多数本のゴルフクラブを運搬中においても相互に当接しないように該ケース内に各別に固定し、かつ、所定本数のゴルフクラブが該ケース内に収納されているか否かを目視により瞬時に確認することができるようにすると共に、ゴルフクラブを容易に出し入れすることができるようにしたゴルフクラブ収納ケースに係るものである。
【背景技術】
【0002】
実開平7−18754号公報は、ゴルフクラブ収納ケースの開口部を仕切部材により複数個に区画し、各区画内にそれぞれ複数本のゴルフクラブを出し入れ自在に収納するようにしたゴルフクラブ収納ケース(以下「従来のゴルフクラブ収納ケースAという。」を開示している。
【0003】
実用新案登録第3036024号公報は、ゴルフクラブ収納ケース内を上下方向の壁体により多数個に区画し、各区画内にゴルフクラブを1本ずつ出し入れ自在に収納するようにしたゴルフクラブ収納ケース(以下「従来のゴルフクラブ収納ケースBという。」を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−18754号公報
【特許文献2】実用新案登録第3036024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記従来のゴルフクラブ収納ケースAにおいては、各区画内にそれぞれ複数本のゴルフクラブが出し入れ自在に収納されるのであるが、各ゴルフクラブは該区画内において固定されていないため、該ゴルフクラブ収納ケースAの運搬中にゴルフクラブ同士が相互に衝突し、ゴルフクラブが損傷するおそれがある。更に、ゴルフクラブ収納ケースA内に所定本数のゴルフクラブが収納されているか否かを目視により瞬時に確認することは困難である。
【0006】
また、上記ゴルフクラブ収納ケースBにおいては、各区画内にゴルフクラブが1本ずつ出し入れ自在に収納されるのであるが、各ゴルフクラブは該区画内において固定されていないため、該ゴルフクラブ収納ケースBの運搬中にゴルフクラブ同士が相互に衝突し、ゴルフクラブが損傷するおそれがある。
【0007】
本発明は、従来のゴルフクラブ収納ケースA、Bにおける上述の如き問題を解決し、多数本のゴルフクラブを運搬中においても相互に当接しないように該ケース内に各別に固定し、かつ、所定本数のゴルフクラブが該ケース内に収納されているか否かを目視により瞬時に確認することができるようにすると共に、ゴルフクラブを容易に出し入れすることができるようにしたゴルフクラブ収納ケースを提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、下記のゴルフクラブ収納ケースを提供する。
【0009】
(1)ケース本体内には多数本のゴルフクラブを支持するゴルフクラブ支持体を水平方向に回動自在に立設し、
該ゴルフクラブ支持体には、それぞれ単一のゴルフクラブにおけるグリップを取り外し自在に保持する多数のグリップ保持部と、それぞれ単一のゴルフクラブにおけるシャフトを取り外し自在に挟持する多数のシャフト挟持部とを備えさせ、
該グリップ保持部と該シャフト挟持部とは、それぞれ該ゴルフクラブ支持体の回動中心を中心とする円上に配設し、
該グリップ保持部と該シャフト挟持部とは、ゴルフクラブのグリップを該グリップ保持部に保持させると共にゴルフクラブのシャフトを該シャフト挟持部に挟持させたときに、ゴルフクラブが相互に当接しないようにゴルフクラブを各別に固定し、
各シャフト挟持部は、ゴルフクラブのシャフトを該シャフト挟持部に対し前記回動中心に接近する方向に押圧したときに該シャフトを挟持し、該シャフトを該回動中心から離れる方向に引いたときに該シャフトに対する挟持を解除するようにしたことを特徴とするゴルフクラブ収納ケース(請求項1)。
【0010】
(2)前記シャフト挟持部は、前記ゴルフクラブ支持体の上部に備えさせた略円板状体の外周縁に配設する(請求項2)。
【0011】
(3)前記グリップ保持部は、前記ゴルフクラブ支持体の下部に備えさせた略円板状体に保持孔を形成してなる(請求項3)。
【0012】
(4)前記ケース本体は、ゴルフクラブの出し入れを行うと共に前記ゴルフクラブ支持体に支持されているゴルフクラブを該ケース本体の外方から視認するための開閉自在の開口部を備えている(請求項4)。
【発明の効果】
【0013】
[請求項1の発明]
ゴルフクラブ支持体をケース本体内に水平方向に回動自在に立設しているため、ゴルフクラブ収納ケースに対するゴルフクラブの出し入れは極めて容易である。
【0014】
すなわち、ゴルフクラブをゴルフクラブ収納ケース内に収納する際には、ゴルフクラブ支持体を適宜の位置まで回動させた状態で、ゴルフクラブのグリップを該ゴルフクラブ支持体下部のグリップ保持部に保持させると共に、ゴルフクラブのシャフトを該ゴルフクラブ支持体上部のシャフト挟持部に対し前記回動中心に接近する方向に押圧することにより該シャフト挟持部に該シャフトを挟持させればよい。
【0015】
ゴルフクラブをゴルフクラブ収納ケースから取り出す際には、ゴルフクラブ支持体を適宜の位置まで回動させた状態で、ゴルフクラブのシャフトを前記回動中心から離れる方向に引くことにより該ゴルフクラブ支持体上部のシャフト挟持部から離すと共に、ゴルフクラブのグリップを該ゴルフクラブ支持体下部のグリップ保持部から取り外した後、ゴルフクラブを該ゴルフクラブ収納ケースから取り出すのである。
【0016】
ゴルフクラブのグリップを該グリップ保持部に保持させると共にゴルフクラブのシャフトを該シャフト挟持部に挟持させたときには、ゴルフクラブは相互に当接しないようにゴルフクラブ収納ケース内に各別に固定される。したがって、多数本のゴルフクラブを収納したゴルフクラブ収納ケースを運搬する際にも、ゴルフクラブが該ゴルフクラブ収納ケース内で相互に衝突して損傷するおそれはない。
【0017】
ゴルフクラブはグリップ保持部とシャフト挟持部とにより各別に固定されるため、所定本数のゴルフクラブがゴルフクラブ収納ケース内に収納されているか否かを目視により瞬時に確認することができる。
【0018】
すなわち、ゴルフクラブはグリップ保持部とシャフト挟持部とにより各別に固定されるため、ゴルフクラブ収納ケース内に収納されているゴルフクラブが所定の本数に満たないときには、グリップ保持部とシャフト挟持部とに空きがあることにより、この事実が瞬時に判明する。したがって、プレーヤーが使用したゴルフクラブをゴルフクラブ収納ケースに収納することなく、置き忘れてしまうという可能性が排除される。因みに、ゴルフクラブ支持体に備えさせたグリップ保持部の数とシャフト挟持部の数とは等しい。
【0019】
一方、ゴルフクラブはグリップ保持部とシャフト挟持部とにより各別に固定されるため、ゴルフクラブ収納ケース内に所定本数を越すゴルフクラブを収納するおそれがない。したがって、ゴルフクラブの使用可能本数の上限を定めたルールがある場合に、プレーヤーが過失によりこのルールに違反するおそれが排除される。
【0020】
[請求項2の発明]
シャフト挟持部はゴルフクラブ支持体の上部に備えさせた略円板状体の外周縁に配設したため、該シャフト挟持部に対するゴルフクラブのシャフトの着脱は容易に行うことができる。
【0021】
[請求項3の発明]
グリップ保持部はゴルフクラブ支持体の下部に備えさせた略円板状体に保持孔を形成してなるものであるため、ゴルフクラブのグリップを該グリップ保持部に容易に挿脱することができる。
【0022】
[請求項4の発明]
ゴルフクラブ収納ケースの使用者は、ケース本体に備えさせた開口部を介して、ゴルフクラブの出し入れを容易に行うと共に、ゴルフクラブ支持体に支持されているゴルフクラブを該ケース本体の外方から容易に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明によるゴルフクラブ収納ケースの一例を示す断面図である。
【図2】図2は、シャフト挟持部の一例を示す平面図である。
【図3】図3は、グリップ保持部の一例を示す平面図である。
【図4】図4は、前記シャフト挟持部を示す別の平面図である。
【図5】図5は、ゴルフクラブ収納ケースの一例を示す正面図である。
【図6】図6は、ゴルフクラブ収納ケースの別の一例を示す正面図である。
【図7】図7は、ゴルフクラブ収納ケースの更に別の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
符号1に示すものはケース本体である。ケース本体1は、ハードケースであっても、ソフトケースであってもよい。
【0025】
ケース本体1内には多数本のゴルフクラブ3、3・・・を支持するゴルフクラブ支持体5を立設する。該ゴルフクラブ支持体5は、水平方向に回動自在である。ゴルフクラブ支持体5は、一例として、14本のゴルフクラブ3、3・・・を、ヘッド3cが上になり、グリップ3aが下になるように立てた状態で、支持する。
【0026】
すなわち、一例として図1に示すように、ケース本体1の基部7上に軸向き軸受としてのころがり軸受等の軸受9を介してゴルフクラブ支持体5を水平方向に回動自在に立設する。符号11に示すものは、ゴルフクラブ支持体5の支軸である。支軸11は軸受9上に立設されている。ゴルフクラブ支持体5は支軸11の中心を回動中心として水平方向に回動自在である。なお、ケース本体1にはキャスター13を備えさせても差し支えない。
【0027】
ゴルフクラブ支持体5には、それぞれ単一のゴルフクラブ3におけるグリップ3aを取り外し自在に保持する多数のグリップ保持部15、15・・・と、それぞれ単一のゴルフクラブ3におけるシャフト3bを取り外し自在に挟持する多数のシャフト挟持部17、17・・・とを備えさせる。グリップ保持部15、15・・・の数と、シャフト挟持部17、17・・・の数は、それぞれ一例として14個とする。
【0028】
グリップ保持部15は、好ましくはゴルフクラブ支持体5の下部に、該ゴルフクラブ支持体5の回動中心(支軸11の中心)を中心とする円上に配設する。図3参照。
【0029】
グリップ保持部15は、一例として、ゴルフクラブ支持体5の下部に備えさせた略円板状体19に保持孔15aを形成してなるものである。略円板状体19は、ゴルフクラブ支持体5の回動中心(支軸11の中心)を中心とする。
【0030】
シャフト挟持部17は、好ましくはゴルフクラブ支持体5の上部に、該ゴルフクラブ支持体5の回動中心(支軸11の中心)を中心とする円上に配設する。 図2参照。
【0031】
シャフト挟持部17は、一例として、ゴルフクラブ支持体5の上部に備えさせた略円板状体21の外周縁に配設する。略円板状体21は、ゴルフクラブ支持体5の回動中心(支軸11の中心)を中心とする。
【0032】
図1、図2、図4に示す事例においては、略円板状体21の外周縁に14個の切欠部23を形成し、各切欠部23上にゴルフクラブ3のシャフト3bを取り外し自在に挟持する挟持具25を配設している。この事例における該挟持具25は、一対の挟持片25a、25aを軸25bを介して相互に開閉自在に連結し、当該一対の挟持片25a、25aをばね25cにより閉じる方向に付勢してなるピンチ状のものである。
【0033】
グリップ保持部15とシャフト挟持部17とは、ゴルフクラブ3のグリップ3aを該グリップ保持部15に保持させると共にゴルフクラブ3のシャフト3bをシャフト挟持部17に挟持させたときに、ゴルフクラブ収納ケースの運搬中においても、該ゴルフクラブ3、3・・・が相互に当接しないようにゴルフクラブ3を各別に固定するようになす。すなわち、一例として、ゴルフクラブ3、3・・・が相互に当接することを防止するための仕切り板(図示せず。)を適宜設ける。
【0034】
各シャフト挟持部17は、ゴルフクラブ3のシャフト3bを該シャフト挟持部17に対し前記回動中心に接近する方向に押圧したときに該シャフト3bを挟持し、該シャフト3bを該回動中心から離れる方向に引いたときに該シャフト3bに対する挟持を解除する。
【0035】
前記ケース本体1は、ゴルフクラブ3、3・・・の出し入れを行うと共に前記ゴルフクラブ支持体5に支持されているゴルフクラブ3、3・・・を該ケース本体1の外方から視認するための開口部31を備えている。
【0036】
図5に示すケース本体1は、ハードケースであり、該ケース本体1における本体部1aの上部に開閉自在の蓋部1bを備えており、該蓋部1bを開くことにより、開口部31があらわれる。
【0037】
図6に示すケース本体1は、ハードケースであり、側面に開閉自在の蓋部1cをそなえており、該蓋部1cを開いたときに、開口部31があらわれる。
【0038】
図7に示すケース本体1は、ソフトケースであり、側面にスライドファスナー33を備えており、該スライドファスナー33を開けたときに、開口部31があらわれる。
【0039】
なお、開口部31には該開口部31を閉じた状態にロックするためのロック手段(図示せず。)を備えさせてもよい。また、ゴルフクラブ収納ケース内に収納されているゴルフクラブ3、3・・・が所定の本数に満たないときに該ロック手段により開口部31が閉じた状態にロックされた場合に、ブザー、音声、光等の警報を発するようにした警報手段(図示せず。)をゴルフクラブ収納ケースに備えさせてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 ケース本体
1a 本体部
1b 蓋部
1c 蓋部
3 ゴルフクラブ
3a グリップ
3b シャフト
3c ヘッド
5 ゴルフクラブ支持体
7 基部
9 軸受
11 支軸
13 キャスター
15 グリップ保持部
17 シャフト挟持部
19 略円板状体
21 略円板状体
23 切欠部
25 挟持具
25a 挟持片
25b 軸
25c ばね
31 開口部
33 スライドファスナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体内には多数本のゴルフクラブを支持するゴルフクラブ支持体を水平方向に回動自在に立設し、
該ゴルフクラブ支持体には、それぞれ単一のゴルフクラブにおけるグリップを取り外し自在に保持する多数のグリップ保持部と、それぞれ単一のゴルフクラブにおけるシャフトを取り外し自在に挟持する多数のシャフト挟持部とを備えさせ、
該グリップ保持部と該シャフト挟持部とは、それぞれ該ゴルフクラブ支持体の回動中心を中心とする円上に配設し、
該グリップ保持部と該シャフト挟持部とは、ゴルフクラブのグリップを該グリップ保持部に保持させると共にゴルフクラブのシャフトを該シャフト挟持部に挟持させたときに、ゴルフクラブが相互に当接しないようにゴルフクラブを各別に固定し、
各シャフト挟持部は、ゴルフクラブのシャフトを該シャフト挟持部に対し前記回動中心に接近する方向に押圧したときに該シャフトを挟持し、該シャフトを該回動中心から離れる方向に引いたときに該シャフトに対する挟持を解除するようにしたことを特徴とするゴルフクラブ収納ケース。
【請求項2】
前記シャフト挟持部は、前記ゴルフクラブ支持体の上部に備えさせた略円板状体の外周縁に配設したことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ収納ケース。
【請求項3】
前記グリップ保持部は、前記ゴルフクラブ支持体の下部に備えさせた略円板状体に保持孔を形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブ収納ケース。
【請求項4】
前記ケース本体は、ゴルフクラブの出し入れを行うと共に前記ゴルフクラブ支持体に支持されているゴルフクラブを該ケース本体の外方から視認するための開閉自在の開口部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフクラブ収納ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−40298(P2012−40298A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186122(P2010−186122)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(310017932)