説明

ゴルフティー

【課題】
従来技術のゴルフティーに存在する問題点の全てを解決できるゴルフティーを提供することにある。
【解決手段】
ゴルフティーを地面に固定する固定部2と、該固定部2の上部に取り付けられてゴルフボールBを載置するゴルフボール載置部3とを備えたゴルフティー1であって、
前記ゴルフボール載置部3は、下から上方向に向けて凸状に伸びるアーチ型の支柱6が複数本並置され、且つ、該複数本の支柱6の上端部同士が補強部7で連結された構造であって、
前記ゴルフボール載置部3は横方向から作用する力により屈曲し、且つ復元が自在な柔軟性を有する素材により形成されてなることを特徴とするものである。支柱は、3〜5本設けられていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフティーに関し、特に、ゴルフボールを安定して支持できると共に、ゴルフクラブを振り抜く際の抵抗を少なくした上に、耐久性、及び復元性を向上させたゴルフティーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフティーは、木製のものや、硬質樹脂製のものが一般的であった。しかし、この種のゴルフティーには以下の問題点があった。
1.クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際にクラブヘッドがゴルフティーに当たっても変形しにくいために、ゴルフクラブをスイングする際の抵抗になり、ゴルフボールの飛距離が落ちる。
2.クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際にクラブヘッドがゴルフティーに当たっても変形しにくいために、衝撃によってゴルフティーが割れる等して破損し易く、耐久性が劣る。
3.クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際にクラブヘッドがゴルフティーに当たっても変形しにくいために当該打撃を吸収することができずに、ゴルフティーが飛ばされ、紛失し易い。
【0003】
そこで、特許文献1に記載されたブラシ材で形成されたブラシ型のものや、ゴム系素材で形成されたチューブ型のもの、及び支柱型のものが開発された。
【0004】
【特許文献1】特開2006−340905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記ブラシ型をしたゴルフティーは、ブラシ部分の先端でゴルフボールを支える構造のために、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗が少ないという特徴がある。このために、この種のゴルフティーはクラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の衝撃を受けにくいために、遠くへ飛ばされて紛失する虞が少なく、又、抵抗感無くクラブヘッドを振り抜くことができてゴルフボールの飛距離が長くなり、更に、構造上、割れる等の損傷する虞が少ないという利点を有する。しかしながら、ゴルフのプレーにおいて1ホールから18ホールまで使用することで、ブラシ部分が撓む等した癖が付いたり、又は、ゴルフボールを支えるブラシ部分がクラブヘッドで強打されることでブラシ部分が一定方向に撓んだままになって復元性が悪い結果、ゴルフボールを安定感良く支持できなくなり易いという欠点があった。
【0006】
つまり、ブラシ型をしたゴルフティーは、前記問題点1、2、3を解決できるが、
「4.復元性が悪い。」という新たな問題点があった。
【0007】
前記チューブ型のゴルフティーは、耐久性を向上させるために肉厚を厚くした結果、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗が大きく、ゴルフボールの飛距離が落ちる上に、当該抵抗によってゴルフティーが遠くまで飛んで紛失し易いという問題があった。
【0008】
つまり、チューブ型のゴルフティーは前記問題点2は解決できるが、1、3を解決することができないという問題点があった。
【0009】
前記支柱型のものは、図9、図10に示す。図9は支柱型のゴルフティーが直立した状態を示し、図10はゴルフボールを打撃した際に撓んだ状態を示す。
【0010】
当該支柱型のものは、ゴルフボールを安定して支持でき、且つ耐久性、及び復元性を向上させるために、支柱100の柱101が太く形成されている。しかし、このように、支柱100の柱101が太く形成されているために、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の衝撃によって変形しにくいという特徴がある。このために、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗を大きく低下させることができない上に、当該衝撃によってゴルフティーが遠くまで飛んで紛失し易いという問題があった。更に、ゴルフクラブによって側方からの打撃力が加わると、図10に示すように、支柱100が歪んだ形に変形するため、ゴルフボールの弾道を微妙に狂わせてゴルフボールに予期しない方向性を与える虞もあった。
【0011】
つまり、支柱型のゴルフティーは前記問題点の2、4を解決できるが、1、3を大幅に解決することができない上に、次のような新たな問題点があった。
5.クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際に支柱101が歪んだ形に変形するため、ゴルフボールに予期しない方向性を与える虞がある。
【0012】
以上説明した従来のゴルフティーの問題点を要約すると、以下の五つがあり、五つの問題点の全てを解決するゴルフティーが望まれていた。
1.クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際にクラブヘッドがゴルフティーに当たっても変形しにくいために、ゴルフクラブをスイングする際の抵抗が大きく、ゴルフボールの飛距離が短いという問題点。
2.クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際にクラブヘッドがゴルフティーに当たっても変形しにくいために、当該衝撃によってゴルフティーが割れる等して破損し易く、耐久性が悪いという問題点。
3.クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際にクラブヘッドがゴルフティーに当たっても変形しにくいために当該打撃を吸収することができずに、ゴルフティーが飛んで、紛失し易いという問題点。
4.復元性が悪いという問題点。
5.クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際にゴルフティーが歪んだ形に変形するため、ゴルフボールに予期しない方向性を与える虞があるという問題点。
【0013】
本発明は前記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、従来技術に存在する上記の五つの問題点の全てを解決できるゴルフティーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、ゴルフティーを地面に固定する固定部と、該固定部の上部に取り付けられてゴルフボールを載置するゴルフボール載置部とを備えたゴルフティーであって、
前記ゴルフボール載置部は、下から上方向に向けて凸状に伸びるアーチ型の支柱が複数本並置され、且つ、該複数本の支柱の上端部同士が補強部で連結された構造であって、
前記ゴルフボール載置部は横方向から作用する力により屈曲し、且つ復元が自在な柔軟性を有する素材により形成されてなることを特徴とするゴルフティーである。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のゴルフティーにおいて、支柱は、3〜5本設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のゴルフティーにおいて、隣り合う支柱の側縁同士は、その高さ方向の中央を上側に越えた位置から下端までの範囲において接合されていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゴルフティーにおいて、固定部は、板体又は脚体であることを特徴とするものである。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のゴルフティーにおいて、支柱の上端部同士を連結する補強部は、上方から観て円形に設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、支柱がアーチ型に形成され、且つ支柱の先端部が補強部によって接合されて、トラス部によって、ゴルフボールを支持することになるために、支柱の太さを細くしても、ゴルフボールにより上方から加えられる荷重に対しては支柱の強度を確保することができる。このため、ゴルフボールを打撃する際において、ゴルフティーは容易に撓むように変形することができて、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗を少なくすることができるために、ゴルフボールの飛距離を長くでき、耐久性及び復元性を向上させ、更には、歪んだ形に撓まないことによって、ゴルフボールの飛方向に予期しない方向性を付与することがなく、ゴルフボールの飛方向に安定した方向性を確保することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、ゴルフティーの支柱が3〜5本であるために、ゴルフティーは、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗になりにくく、又、ゴルフティーの耐久性が悪化しない。即ち、例えば、支柱が2本以下の場合には、ゴルフボールを安定的に支持するために、支柱の太さを太くしなければならないが、太くした場合には、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の衝撃を受けても撓む等の変形をし難くなってクラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗が大きくなるという問題がある。
【0021】
又、例えば、支柱が6本以上の場合には、トラスの個数が増加してトラスの空隙が小さくなるために、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗が大きくなり、従来のチューブ型のゴルフティーとの差異が小さくなるという問題がある。又、支柱が6本以上の場合において、仮に、トラスの空隙を小さくしないとすると抵抗は大きくならないが、支柱が細くなって支柱の耐久性が悪化するという問題がある。つまり、支柱の本数が6本以上の場合には、抵抗を小さくすることと、耐久性を向上させることとは相反することである。しかし、請求項2に記載の発明のように、ゴルフティーの支柱を3〜5本にすることによって、ゴルフティーは、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗を小さくでき、且つ、耐久性を悪化させることがない。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、支柱の下部側が、隣り合う支柱の下部側と接合することで太くなって強固になっているために、該支柱に載置されているゴルフボールをクラブヘッドで打撃する際の打撃力によってゴルフティーが損傷する虞が少ない。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、固定部が板体又は脚体で形成されたゴルフティーに本発明を適用することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、支柱の上端部同士を連結する補強部は、上方から観て円形に設けられているために、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際に、クラブヘッドのフェース面は、補強部の径方向と直交する角度で該補強部の外周に当接することによって該補強部の中心を通る方向の打撃力をゴルフボール及びゴルフティーに加えることになるために、ゴルフティーが予期しない方向へ撓む虞が少なく、従って、ゴルフボールが予期しない方向へ飛ぶ虞が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1乃至図7は第1実施形態を示す。図1はゴルフティーの斜視図を示し、図2はゴルフティーの正面図を示し、図3は図2を矢示Q方向から観た側面図を示し、図4は図2の上面図を示す。図5は図3のA―A断面図を示し、図6は図3のB―B断面図を示す。
【0026】
図1から図3に示すように、ゴルフティー1は、固定部2と、該固定部2の上部に設けられてゴルフボールBを載置するゴルフボール載置部3とを備え、該固定部2とゴルフボール載置部3とは連結部4によって連結された構成である。
【0027】
前記ゴルフボール載置部3は筒状の基部5と、該基部5の軸心Lを囲むように設けられた複数の支柱6と、補強部7とから構成されている。
【0028】
前記各支柱6は、二つの支柱片6A、6Bで構成され、各支柱片6A、6Bの下端部は前記基部5の外側面に接合され、その上端部同士は一体に接合されることで、下側から上方向へ向けて凸状に伸びるアーチ型に湾曲した形態に形成されている。
【0029】
又、隣接する支柱6の上端部同士は、前記補強部7によって接合されている。各支柱6の二つの支柱片6A、6Bと基部5とによって第一トラス部8が構成される。該第一トラス部8は、二つの隅部9,9と一つの頂部10とを有し、頂部10を上側にして設けられている。該隅部9は支柱片6A、6Bと基部5とが接合する部位であり、頂部10は、二つの支柱片6A、6Bの上端部同士が接合する部位である。
【0030】
隣接する支柱6の先端が補強部7によって接合されてもよいが、図1、図2に示すように、上端より僅か下部を補強部7で接合することで、支柱6の先端が補強部7より上方へ突出するように形成することも可能である。
【0031】
図1から図3に示すように、支柱6の上端が補強部7より上方へ突出するように形成した場合には、支柱6の上端によって球座が構成され、当該球座によってゴルフボールBが支持される。又、支柱6の上端が補強部7より上方へ突出しない場合には、補強部7によって球座が構成される。図1から図3に示すように、支柱6の上端によって球座が構成される場合には、該支柱6の上端の内側面を下側から上側へ向けて斜め外側へ傾斜するように拡開するテーパ面11とすることで、該テーパ面11でゴルフボールBを載置し易くすることが可能である。
【0032】
このように、各支柱6の下部は基部5に接合され、且つ、その上部は隣り合う支柱6の上部が補強部7によって連設された形態であるために、支柱6同士は互いに分離しない構成になっている。
【0033】
図2に示すように、前記各支柱6は、下側から上方へ至るにつれて徐々に外方へ反る形態に形成されることができる。このように、各支柱6が外方へ反るように形成されていることで、支柱6同士の先端が互いに離れることになって、前記球座の面積が広がるために、ゴルフボールBを安定的に支持することができる。
【0034】
図4に示すように、前記支柱6は、基部5の軸心Lを囲むように等間隔に4本設けられている。又、支柱6の上端部同士を連結する前記補強部7は、上方から観て円形に設けられている。例えば、支柱が2本以下の場合には、ゴルフボールを安定的に支持するために、支柱の太さを太くしなければならないが、太くした場合には、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の衝撃を受けても撓む等の変形をし難くなってクラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗が大きくなるという問題がある。又、例えば、支柱が6本以上の場合には、トラスの個数が増加してトラスの空隙が小さくなるために、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗が大きくなるという問題がある。又、支柱が6本以上の場合において、仮に、トラスの空隙を小さくしないとすると抵抗は大きくならないが、支柱が細くなって支柱の耐久性が悪化するという問題がある。つまり、支柱の本数が6本以上の場合には、抵抗を小さくすることと、耐久性を向上させることとは相反することである。しかし、ゴルフティー1の支柱を3〜5本にすることによって、ゴルフティー1は、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際の抵抗を小さくでき、且つ、耐久性が悪化しない。
【0035】
図3に示すように、支柱6の互いに隣り合う支柱片6A、6B同士の高さ方向の中央を上方へ越える位置から下端に至る範囲に亘って互いに接合されて接合部6Cになっていることで、隣り合う二つの支柱6、6を側方から観た場合、下部側が太く、上方へ向けて広がるように二股状になっている。隣り合う支柱6の隣り合う二つの支柱片6A、6Bと補強部7とによって第二トラス部12が構成される。該第二トラス部12は二つの隅部13,13と一つの頂部14とを有し、該頂部14を下位にして設けられている。隅部13は、支柱片6A、6Bと補強部7とが接合した部位であり、頂部14は、支柱6の接合部6Cの上端部が該当する。
【0036】
ゴルフボール載置部3は、前述のように形成されることで、周方向へ向けて前記第一トラス部8と第二トラス部12とが交互に組み合わされた構造になっている。このように、ゴルフボール載置部3は、周方向へ向けて第一トラス部8と第二トラス部12とが交互に組み合わされた構造になっているために、各支柱片6A、6Bや補強部7を細く形成してもゴルフボールBの上方からの荷重を安定して支持することができる。
【0037】
前記支柱6は、柔軟性を有する素材により形成される。ここで言う柔軟性を有する素材とは、横方向から作用する力により屈曲し復元が自在な素材であれば特に限定されないが、熱可塑性エラストマー又はゴムを例示できる。より具体的には、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、天然ゴム、ウレタンゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、フッ素ゴムを例示できる。
【0038】
前記固定部2は、該ゴルフティー1を地面に固定できる機能を有するものであって、例えば、下方へ向けて先細状の脚体で構成されて地面に差し込まれる形態にすることができる。
【0039】
前記連結部4は、前記固定部2の上部に設けられた取付台座15と、該取付台座15の中央から上方へ向けて突出した取付突起16とを備え、前記ゴルフボール載置部3の基部5に該取付突起16を嵌合して、いわゆる、はめ殺しによって、ゴルフボール載置部3と固定部2とを連結できる構造にすることができる。
【0040】
次に、作用について説明する。図2に示すように、球座にゴルフボールBを載置する。ゴルフボール載置部3は、図2に示すように第一トラス部8、及び図3に示すように第二トラス部12を備えた構成であるために、ゴルフボールBの荷重は、複数の支柱6の複数の支柱片6A、6Bや補強部7に均等に分散して伝わる。ゴルフボール載置部3は、周方向へ向けて第一トラス部8と第二トラス部12とが交互に組み合わされることで、上方からの荷重に対して強固な構造になっているために、各支柱片6A、6Bや補強部7を細く形成してもゴルフボールBの荷重を安定して支持することができる。
【0041】
又、各支柱6の下端部が基部5に接合され、且つ、各支柱6の上端部が補強部7に接合されることで、ゴルフボールBの荷重が球座に加わっても、各支柱6同士は分離することなくゴルフボール載置部3の形態が保形されるために、ゴルフボールBは安定的に支持されることができる。
【0042】
次に、図1に示すように、ゴルフボールBを載置した状態において、ゴルフクラブによって、ゴルフボールBを側方から打撃する場合、クラブヘッドの下部がゴルフティー1の上部を一緒に打撃することになるが、ゴルフティー1は、第一トラス部8、及び第二トラス部12の組み合わせによって、ゴルフボールBの荷重を支える構造でありながら、支柱片6A、6B自体は細く形成されることができるために、ゴルフティー1がクラブヘッドによって側方から打撃された場合において、支柱片6A、6Bは容易に且つ均等に撓むように変形することができて、ゴルフクラブでゴルフボールBを打撃する際の抵抗が少ない。このため、ゴルファーは少ない抵抗感でゴルフクラブを振り抜くことができる。つまり、従来技術の問題点1を解決することができる。
【0043】
又、ゴルフティー1はクラブヘッドによって側方から打撃を受けた場合に前述のように容易に撓むように変形できるために、ゴルフティー1は打撃によって損傷する虞が少ない上に、当該打撃によって、ゴルフティー1が遠くまで飛ぶことなく、紛失する虞が少ない。つまり、従来技術の問題点2,3を解決することができる。又、ゴルフティー1の支柱6の下部Lが接合部6Cによって太くなり、図7に示すように、ゴルフティー1がクラブヘッドによって側方から打撃を受けた場合に下部が撓みにくい構造であるために、連結部4が損傷を受けにくく、はずれにくい。
【0044】
又、ゴルフティー1は復元性、及び耐久性を有する素材にてアーチ及びトラス構造を採用して形成されているために、多数回使用されても復元性、及び耐久性を確保することができる。つまり、従来技術の問題点4を解決することができる。
【0045】
更に又、クラブヘッドでゴルフボールを打撃する際に、図4中、一点鎖線、又は二点鎖線で示すように、クラブヘッドがゴルフティー1にいずれの方向から当たっても、クラブヘッドのフェース面Fは、円形の補強部7の径方向Kと直交する角度で該補強部7の外周に当接することになるために、該フェース面Fに直交した方向であって該補強部7の中心を通る方向の打撃力をゴルフボール及びゴルフティー1に加えることになる。このために、クラブヘッドがゴルフティー1にいずれの方向から当たっても、ゴルフティー1が予期しない方向へ撓む虞が少なく、従って、ゴルフボールが予期しない方向へ飛ぶ虞が少ない。つまり、従来技術の問題点5を解決することができる。
【0046】
又、ゴルフボール載置部3及び固定部2は、それぞれ樹脂成形によって一体に形成された後に、ゴルフボール載置部3と固定部2とをはめ殺しによって連結するだけで、ゴルフティー1を容易に製造することができる。
【0047】
又、支柱6の下部は基部5に接合され、その上部は補強部7に接合されることで、ゴルフボール載置部3の形態が保形される構造であるために変形する虞が少なく、初期の形態を維持することができる。
【0048】
図8は第二実施形態を示す。この第二実施形態の特徴は、固定部2が板体で構成されることで地面上に載置される点にある。ゴルフボール載置部3の支柱6が容易に屈曲変形し易いために、ゴルフクラブでゴルフボールBを打撃する際の打撃力をゴルフティー1が吸収できる。このため、ゴルフティー1が地面上に載置される構造の場合であっても、ゴルフティー1は遠くまで飛ぶことがなく、紛失する虞が少ない。
【0049】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で支柱6の配置、湾曲の程度、支柱6相互の連結部位の長さなどを適宜変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1はゴルフティーの斜視図である。(第一実施形態)
【図2】図2はゴルフティーの正面図である。(第一実施形態)
【図3】図3はゴルフティーの側面図である。(第一実施形態)
【図4】図4はゴルフティーの上面図である。(第一実施形態)
【図5】図5は図3のA―A断面図である。(第一実施形態)
【図6】図6は図3のB―B断面図である。(第一実施形態)
【図7】図7はゴルフティーが撓んだ状態を示す図である。(第一実施形態)
【図8】図8は第二実施形態を示す正面図である。
【図9】図9は背景技術のゴルフティーの斜視図である。(背景技術)
【図10】図10は背景技術のゴルフティーが撓んだ状態を示す斜視図である。(背景技術)
【符号の説明】
【0051】
1 ゴルフティー
2 固定部
3 ゴルフボール載置部
4 連結部
5 基部
6 支柱
7 補強部
8 第一トラス部
12 第二トラス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフティーを地面に固定する固定部と、該固定部の上部に取り付けられてゴルフボールを載置するゴルフボール載置部とを備えたゴルフティーであって、
前記ゴルフボール載置部は、下から上方向に向けて凸状に伸びるアーチ型の支柱が複数本並置され、且つ、該複数本の支柱の上端部同士が補強部で連結された構造であって、
前記ゴルフボール載置部は横方向から作用する力により屈曲し、且つ復元が自在な柔軟性を有する素材により形成されてなることを特徴とするゴルフティー。
【請求項2】
前記支柱は、3〜5本設けられていることを特徴とする請求項1に記載のゴルフティー。
【請求項3】
隣り合う支柱の側縁同士は、その高さ方向の中央を上側に越えた位置から下端までの範囲において接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゴルフティー。
【請求項4】
前記固定部は、板体又は脚体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のゴルフティー。
【請求項5】
前記支柱の上端部同士を連結する補強部は、上方から観て円形に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4項のいずれか1項に記載のゴルフティー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−5070(P2010−5070A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167031(P2008−167031)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(303011275)株式会社ジャパーナ (43)