説明

ゴルフ用ナビゲーションシステム

【課題】ゴルフプレイヤがホールを攻略するために重要な対象位置までの距離を表示し、プレイヤの端末操作を軽減して、より円滑にゴルフプレイを進行させるゴルフ用ナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に関連付けられた重み付け情報が予め保存される記憶部10と、測位衛星からの電波を受信可能な測位衛星無線受信部12と、外部機器と双方向通信可能な外部接続部15と、を有する端末1を備え、端末1は、受信部12からの信号により現在位置を算出する測位処理と、現在位置から対象位置までの対象距離を演算する対象距離算出処理と、を行なう演算処理部7を有し、さらに、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報と重み付けの高いゴルフコース呼称情報を表示する表示部8を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ用ナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフ用ナビゲーションシステムは、例えば、特許文献1記載のように、ホール内のバンカーや池、グリーンといったホールの攻略に必要な対象位置をゴルフプレイヤが選択し、現在位置から選択された対象位置まで対象距離を表示するものがあった。
【特許文献1】特開2002−214324号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ホール内のバンカーや池、グリーンといったホール内の多数の対象位置から、ゴルフプレイヤがプレイに必要な対象位置を選択するうえに、選択情報をサーバに送信し、その後、現在位置から選択した対象位置までの対象距離を受信する必要があるという問題があった。また、ホールの攻略に重要な対象位置をプレイヤ自らが考察するため、ゴルフプレイの時間が長くなってしまうと言う問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、ゴルフプレイヤがホールを攻略するために重要な対象位置までの距離を表示し、プレイヤの端末操作を軽減して、より円滑にゴルフプレイを進行させるゴルフ用ナビゲーションシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のゴルフ用ナビゲーションシステムは、ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に関連付けられた重み付け情報が予め保存される記憶部と、測位衛星からの電波を受信可能な測位衛星無線受信部と、外部機器と双方向通信可能な外部接続部と、を有する端末を備え、上記端末は、上記受信部からの信号により現在位置を算出する測位処理と、現在位置から対象位置までの対象距離を演算する対象距離算出処理と、を行なう演算処理部を有し、さらに、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報と重み付けの高い上記ゴルフコース呼称情報を表示する表示部を有するものである。
【0006】
また、ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に関連付けられた重み付け情報が予め保存される記憶部と、測位衛星からの電波を受信可能な測位衛星無線受信部と、外部機器と双方向通信可能な外部接続部と、方位を算出するためのセンサ部と、を有する端末を備え、上記端末は、上記受信部からの信号により現在位置を算出する測位処理と、現在位置から対象位置までの対象距離を演算する対象距離算出処理と、を行なう演算処理部を有し、さらに、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報と重み付けの高い上記ゴルフコース呼称情報を表示する表示部と、該表示部の表示切換や上記演算処理部の処理を操作する操作部と、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報を音声で出力する音声出力部と、ゴルフプレイヤの音声を入力して上記記憶部に送信するための音声入力部と、を具備しているものである。
【0007】
また、上記端末は、ゴルフプレイヤの参照傾向によって上記ゴルフコース呼称情報及び上記ゴルフコース位置情報に対しての上記重み付け情報を更新するものである。
また、上記端末は、ゴルフプレイヤの行動傾向によって上記ゴルフコース呼称情報及び上記ゴルフコース位置情報に対しての上記重み付け情報を更新するものである。
【0008】
また、上記端末は、上記ゴルフコース位置情報の上記重み付け情報及び上記ゴルフコース呼称情報の上記重み付け情報に応じて、対象距離情報の表示の強弱又は有無を調節するものである。
【0009】
また、上記端末は、該端末の向いた方向に存在する対象位置までの対象距離情報を強調表示するものである。
【0010】
また、上記端末は、継続的に算出した現在位置からゴルフプレイヤの移動軌跡を算出して記憶し、算出した移動軌跡情報に上記ゴルフコース呼称情報を関連付けて、新たなゴルフコース位置情報を作成するものである。
【0011】
また、複数の上記端末に通信回線網を介して接続されて該各端末の上記重み付け情報を統合するサーバを備えたものである。
また、上記端末は、上記ゴルフコース位置情報と上記重み付け情報との更新情報を、上記外部接続部を介して上記サーバに送信し、別の端末と、上記更新情報を共有するものである。
また、上記端末は、上記更新情報と共に付加情報を、上記外部接続部を介して上記サーバに送信し、上記別の端末と、上記更新情報及び上記付加情報を共有するものである。
【0012】
また、上記端末は、現在位置情報から重み付けに応じた上記ゴルフコース呼称情報の検索を行い、該ゴルフコース呼称情報内から現在位置近傍のゴルフ場の呼称情報を表示するものである。
また、上記端末は、次のホールに移動すると、現在位置情報から移動先のホールを認識し、該移動先のホールの重み付けの高い対象位置までの対象距離情報を表示するものである。
【0013】
また、上記端末は、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報をリアルタイムに表示し、ゴルフプレイヤのショット位置で、ボール位置情報を記憶し、さらに、上記ボール位置情報を記憶した位置から現在位置までの区間距離情報をリアルタイムに表示するものである。
【0014】
また、上記端末は、予め保存されているゴルフコース位置情報以外の別のゴルフコース位置情報を、上記外部接続部を介して取得し保存するものである。
また、上記端末は、現在位置情報に上記ゴルフコース呼称情報を関連付けて上記記憶部に保存し、該呼称情報に関連付けられた現在位置情報を、上記外部接続部を介して送信するものである。
【0015】
また、上記端末は、上記ゴルフコース呼称情報に上記現在位置情報を関連付けると共に、上記音声入力部に入力された音声情報を上記記憶部に保存し、上記ゴルフコース呼称情報に関連付けられた現在位置情報と共に上記音声情報を、上記外部接続部を介して送信するものである。
【0016】
また、上記端末は、上記記憶部に記録保持された情報、及び、上記演算処理部により算出された現在位置情報を、上記外部接続部を介して送信するものである。
【0017】
また、複数の上記端末は、各上記外部接続部を介して、相互に情報を送受信可能に構成されているものである。
【0018】
また、上記測位衛星とは、GPS 、Galileo 、GLONASS 、SBAS等の測位衛星を意味しているものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明のゴルフ用ナビゲーションシステムによれば、ホールの攻略に重要である重み付けの高い対象位置までの対象距離を表示できる。重み付けの高い対象位置を検索するため操作の手間や検索時間、プレイヤの迷いを軽減して、ゴルフプレイを円滑に進行させることができる。ゴルフ場の運営をスムーズに進行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1は、本発明のナビゲーションシステムの簡略構成図である。
軽量で小型の複数(多数)の携帯型の端末1と、複数の端末1にインターネット等の通信回線網Tを介して接続されるサーバ3と、を備えている。また、端末1とサーバ3は、携帯型ゲーム機や他のコンピュータ情報機器等の外部機器2を介して情報を相互に送受信可能である。なお、外部機器2のコンピュータ情報機器は、端末1及びサーバ3と送受信する情報を表示可能な液晶画面等の外部機器表示部と、送受信する情報を選択入力可能なキーボードやマウス等の外部機器入力部と、情報を音声で出力可能なスピーカ等の音声発声部と、送受信した情報を記憶可能な外部機器記憶部と、全体の動作を司るCPU等の外部機器処理部と、端末1及びサーバ3と接続可能な外部機器通信部と、を有している。
【0021】
図2は、端末1の外観全体図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は背面図である。
端末1は、乾電池又は蓄電池等の電力源6と、電源スイッチ5と、ゴルフプレイヤ(使用者)にゴルフコースのホールを攻略するための情報を表示する表示部8と、表示部8に表示される情報の切換操作やコメントを入力可能なボタン状の操作部9と、外部機器2と双方向に通信を行う際にケーブル等を接続する有線接続部14と、ゴルプレイヤの音声を入力可能なマイク等の音声入力部16と、ゴルフプレイヤに情報を音声で提供するスピーカ等の音声出力部17と、を有している。
【0022】
端末1のブロック構成図を図3に示す。端末1は、情報の読み書きが繰り返し可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)やフラッシュメモリ等の内部記憶部10Aと、メモリーカード等の記憶用の小型電子媒体18に記憶されている情報を保持すると共にその小型電子媒体18に対して情報の読み書きが可能なリーダライタドライブ等の補助記憶装置である補助記憶部10Bと、を有する記憶部10を有している。
また、方位センサ部11A及び加速度センサ部11Bを有し、端末1の向いている方向(方位)を算出するためのセンサ部11を有している。
さらに、全体の動作を司るCPU等の演算処理部7と、測位衛星からの電波を受信可能な測位衛星無線受信部12(以下、受信部12と言う場合もある)と、無線にて外部機器2と双方向通信可能な無線接続部13と有線接続部14とを有する外部接続部15と、を備えている。端末1の外部接続部15は、外部機器2を介さずともサーバ3と双方向通信可能なものでもある。
なお、測位衛星とは、GPS 、Galileo 、GLONASS 、SBAS等の測位衛星や、測位用の静止衛星等である。
【0023】
記憶部10には、ゴルフコース呼称情報と、ゴルフコース位置情報と、ゴルフコース個別情報と、音声ガイダンス情報と、端末1の識別用番号及び記号等の識別情報(ID)と、が予め(ゴルフ場に行く前に)保存されている。
ゴルフコース呼称情報とは、Aゴルフ場といったゴルフ場(ゴルフコース)の名称と、複数のホールが集まったアウトコースやインコースといったコースの名称と、1H(1番ホール)といったホールの名称と、プレイヤがゴルフコース(ホール)を攻略する上で確認しておきたい(知りたい)対象位置(物や場所)の名称と、である。
【0024】
対象位置の名称とは、ティーグランド、ドッグレッグ(曲がり角)、グリーンの手前(のエッジ)、グリーンの中心、グリーンの奥(のエッジ)、バンカーの手前(のエッジ)、バンカーの中心、バンカーの奥(のエッジ)、川の手前(のエッジ)、川の奥(のエッジ)、池の手前、池の奥、木、丘、OB(の境界)、フェアフェイの縁、フェアウェイとラフの境、中間目標(コース上の狙いや戦力・攻略等で注意すべき位置である攻略ポイント)、その他の障害物、等の意味(言葉)情報である。
なお、ティーグランドの中心又は、使用者(ゴルフプレイヤ)やゴルフ場の運営者が予め設定した位置、から最短距離位置を手前(のエッジ)とし、最長距離位置を奥(のエッジ)としている。また、中心(センター)とは面積の重心位置としている。
【0025】
ゴルフコース位置情報とは、ゴルフコース呼称情報に対して緯度・経度で関連付けた位置情報である。
つまり、ゴルフ場の(緯度・経度による)範囲、コースの(緯度・経度による)範囲、ホールの(緯度・経度による)範囲、ティーグランドの中心の緯度・経度、ティーグランドの中心をその範囲の中心としてティーグランドよりも大きな円形サークルの範囲(以下、ティーグランドの範囲と言う場合もある。)の緯度・経度、対象位置の緯度・経度、といった位置情報である。
【0026】
対象位置の緯度・経度とは、ティーグランド、ドッグレッグ(曲がり角)、グリーンの手前(のエッジ)、グリーンの中心、グリーンの奥(のエッジ)、バンカーの手前(のエッジ)、バンカーの中心、バンカーの奥(のエッジ)、川の手前(のエッジ)、川の奥(のエッジ)、池の手前、池の奥、木、丘、OBの境界、フェアフェイの縁、フェアウェイとラフの境、中間目標(攻略ポイント)、その他の障害物、の各々の位置(緯度・経度)である。
【0027】
ゴルフコース個別情報とは、ゴルフ場(ゴルフコース)のコースの数、ホールの数、グリーンの数、ティーグランドの数、障害物(バンカー、池、川、木、丘等)の数、その他の対象位置の数、また、情報が記憶された登録年月日や時刻、ホールの規定打数(パー数)、ゴルフコース位置情報に関連付けられたホールのレイアウト図、ホール特徴名情報(ショートホールやロングホール等の呼称情報)等の情報である。
【0028】
音声ガイダンス情報とは、音声出力部17から音声を出力するための音声データであって、現在位置から対象位置までの対象距離や操作案内等を音声でゴルフプレイヤ(以下、プレイヤと言う場合もある)に伝えるためのデータである。
【0029】
さらに、記憶部10には、ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に関連付けられた重み付け情報が予め保存されている。
重み付け情報とは、ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に、付与する数値やランク付け(例えば、高、中、低、最低)の情報である。
【0030】
重み付け情報は、ゴルフコースに行くためやホールを攻略するために、参照(確認する)可能性の高いゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に、高い値(点数)や高いランクを付与した情報である。例えば、グリーンや、グリーン手前のバンカー、フェアウェイ中央にある池等、のホール攻略に重要な対象位置は重み付けが高く設定されている。また、重み付け情報は、多くの人が参照するといったデータが存在するゴルフ場やコース及び対象位置の、重み付けを高く設定した情報である。
また、重み付け情報は、確認する虞れの低いゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報には、低い点数や低いランクを付与した情報である。例えば、攻略が容易なティーグランド近くのバンカーや、低い木等は重み付けが低く設定されている。また、プレイする人が少ない等のデータが存在するゴルフ場やコースは、低く設定されている。
また、重み付け情報は、頻繁に位置が変更する虞れが少ない位置情報やゴルフ場の運営者が提供した位置情報等、の信頼性が高いゴルフコース位置情報には、高い点数(値)や高いランクを付与する。
【0031】
言い換えると、重み付け情報は、位置情報及び呼称情報に対する固有の重み付け値(誰もが参照しようとするグリーンの情報を高い重み付けとするような値)、識別情報に対する重み付け値(信頼性や正確性が高い位置情報及び呼称情報を高い重み付けとるする値)、位置情報及び呼称情報を新たに作成する際に設定される初期の重み付け値等、の合計値(ランク)の情報とも言える。
【0032】
演算処理部7は、受信部12からの信号により現在位置を算出する測位処理と、外部接続部15を介して外部機器2やサーバ3と双方向通信を行なうための通信処理と、記憶部10への情報の読み書き指令処理と、算出した現在位置と記憶部10から読み出した対象位置までの対象距離を演算する対象距離算出処理と、ゴルフプレイヤの参照傾向及び行動傾向によってゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に対しての重み付けを更新する重み付け処理と、を行なう。
【0033】
さらに、演算処理部7は、現在位置を継続的に算出し、ゴルフプレイヤの移動軌跡を算出する軌跡演算処理を行なう。また、算出した現在位置情報又は移動軌跡情報に、ゴルフコース呼称情報を関連付けて新たなゴルフコース位置情報を作成するゴルフコース位置情報作成処理を行なう。
【0034】
また、演算処理部7は、ボール位置情報作成処理を行なう。ボールを打つ位置(ショット位置)で、ゴルフプレイヤ(使用者)が操作部9を操作することで、現在位置(緯度・経度)と、その位置での操作部によって入力された打数やOB等のペナルティ数等と、日付けと、時刻と、を関連付け、記憶部10に記憶させる処理である。つまり、所定の操作した位置を記憶部10にボール位置情報として記憶させる。
また、ボール位置情報を作成した位置から、その後に移動した先の現在位置(次のショット位置)まで、の区間距離を演算する区間距離算出処理を行なう。なお、前ショット位置から次ショット位置までの区間距離情報は、ボール飛距離情報とも言える。
【0035】
表示部8は、ゴルフコース呼称情報と、演算処理部7で演算した対象距離情報と、重み付けの高いゴルフコース呼称情報と、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報(ホールを攻略するために重要な距離)と、を表示する。また、ボール飛距離情報(区間距離情報)を表示する。また、移動軌跡情報をゴルフコースのレイアウト図に重ねて表示する。
【0036】
さらに、表示部8は、重み付け情報に応じて、強弱又は有無を調節して情報を表示する。例えば、重み付けの高い対象位置(高ランク)までの対象距離情報は太線等で濃く表示したり、目立つ色で表示する。重み付けの僅かに高い対象位置(中や低ランク)までの対象距離情報は破線や薄い色で表示する。重み付けがかなり低い(最低ランク)の対象位置までの対象距離情報は非表示にする。
また、センサ部11からの信号により端末1の向いた方向に存在する対象位置や重み付けの高い対象位置までの対象距離情報を表示部8の中央に配設し、他の対象距離情報よりも拡大して強調表示する。
【0037】
外部接続部15は、通信回線網Tを介して、ゴルフコース位置情報と、ゴルフコース呼称情報と、重み付け情報と、更新情報(演算処理部7によって作成された新たなゴルフコース位置情報や演算処理部7によって更新された重み付け情報等)、付加情報(音声入力部16に入力された音声情報、操作部9によって入力されたコメント情報等)、識別情報(ID)等、の記憶部10に保持された情報や、演算処理部7により算出された現在位置情報を、サーバ3や外部機器2に送信する。
また、外部接続部15は、別の端末1’が送信した上記情報や予め保存されているゴルフコース位置情報以外の別のゴルフコース位置情報をサーバ3や外部機器2を介して受信可能である。
また、複数の端末1(別の端末1’等)と、各々の外部接続部15を介して、相互に上記情報を送受信する。
【0038】
サーバ3は、端末1と情報を送受信可能なサーバ用接続部を有している。また、端末1からの重み付け情報(演算処理部7によって更新された重み付け情報や操作部9によって入力された重み付け情報)を調整する調整処理と、端末1からのボール位置情報によって中間目標位置を算出する戦略解析処理と、を行なうCPU等のサーバ用処理部を有している。また、新たなゴルフコース位置情報(端末1に予め保存されているゴルフコース位置情報とは別のゴルフコース位置情報)と、新たなゴルフコース位置情報に対応する重み付け情報と、解析された中間目標と、を端末1に送信可能に記憶するサーバ用記憶部を有している。なお、解析や調整は、サーバ3に外部機器2を接続して、サーバ3の管理者が行なえるようにしても良い。
【0039】
また、サーバ3は、端末1のプレイヤの参照傾向及び行動傾向によって更新された重み付け情報や、端末1が作成した新たなゴルフコース位置情報等、の端末1が有する情報を受信し(収集)、統合して、複数の端末1にその統合した情報を送信する。
ここで、「統合」とは、複数の端末1から送信された情報を蓄積(記憶)し、受信した重み付け情報の管理(集計、調整、正誤の確認等の修正、更新の禁止等)を行なうことである。また、複数(特に、スコアの良いゴルフプレイヤ)の端末1から受信したボール位置情報や更新情報に基づいて、戦略解析処理と重み付け調整処理を行い、新たな(最適な)ゴルフコース位置情報を作成し、さらに、そのサーバ3が作成した新たなゴルフコース位置情報に調整した重み付け情報を関連付けることである。また、サーバ3は、統合した情報を端末1や外部機器2に送信(配信)可能にサーバ用記憶部に記憶している。
【0040】
上述した本発明のゴルフ用ナビゲーションシステムの作動について説明する。
ゴルフプレイヤが電源スイッチ5を入れることで、受信部12が測位衛星からの電波を受信する。端末1の演算処理部7は、受信部12からの信号により現在位置を算出する。さらに、現在位置と予め保存されているゴルフコース位置情報から現在位置近傍の(ゴルフコース呼称情報内の)ゴルフ場の呼称情報を検出する。表示部8は検出した重み付けの高いゴルフ場の呼称情報を表示する。図4に示すように、表示部8は、多くの人が利用する等の理由によって重み付け(数値やランク)が高いゴルフ場の呼称情報(例えば、Aゴルフ場)を画面の中央かつ手前に強調して表示する。また、重み付けがそれほど高くないゴルフ場の名称情報(Bゴルフ場やCゴルフ場)を、重み付けが高いゴルフ場の名称情報の背面に重ねて表示する。また、重み付けの低いゴルフ場は表示されない。なお、ゴルフ場が新設されたもので予め記憶部10に記憶されていない場合は、サーバ3と通信することで、(予め保存されているゴルフコース位置情報とは)別のゴルフコース位置情報やその呼称情報を取得し検出(表示)する。
【0041】
プレイすべきゴルフ場の範囲内にゴルフプレイヤが入ると、端末1の演算処理部7が、算出した現在位置情報からプレイする可能性の高い(重み付けの高い)ホールを検出する。図5に示すように、端末1の表示部8は、ホールの呼称情報と、ホールの規定打数、時刻、ティーグランドの中心までの距離情報(対象距離情報)を表示する。表示部8には、スタートホールとして使用される可能性が高い1番ホール(重み付けの高い呼称情報)と、プレイを開始する場所として可能性が高いティーグランドの中心までの距離(重み付けの高い対象距離情報)が強調表示される。また、1番ホールよりは可能性が低いが他のホールよりはスタートホールとして使用される可能性が高い10番ホールのゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報が表示される。さらに、スタートホールとして使用される可能性が低いが、現在位置の近傍であるため、重み付けが僅かに他のホールより高い11・13番ホールのゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報が破線や薄い色等で弱く表示される。また、重み付けの低い(スタートホールとして使用される可能性が低い)ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報(例えば、4番ホール)は同コース内に存在していても表示されない。
【0042】
ゴルフプレイヤが、スタートホールのティーグランドの範囲に入ると、処理部7は、ゴルフプレイヤのプレイを開始するスタートホールを認識する。図6に示すように、表示部8は、そのホールで重み付けの高い対象位置までの対象距離情報とその呼称情報を強調表示する。また、音声出力部17から対象距離情報とその呼称情報を音声で出力する。また、ホールの呼称情報、規定打数、時刻、方向を表示する。例えば、ホール内にグリーンが2つ存在し、ピンの存在する頻度が高いというデータによって重み付けが高く設定されている右グリーン手前の呼称情報及び現在位置から対象位置(右グリーン手前の位置)までの対象距離情報が強調表示される。また、ホールを攻略するために障害となる可能性の高いフェアフェイの右に存在する右バンカーは、右グリーンよりは重み付けが低いが、参照される可能性が高いため重み付けが高く表示される。また、右グリーンや右バンカーよりも重み付けが低いが他の対象位置よりも重み付けの高い左グリーンは、破線や薄い色等で弱く表示される。また、ティーグランドのすぐ脇にある池や木は存在するが、攻略が容易なため重み付けが低く情報は表示されない。
【0043】
仮に、ゴルフ場の運営側の都合により、プレイ当日は、重み付け情報が低い左グリーンにピンが設けられていたとすると、操作部9を操作して左グリーン手前の表示を選択する。選択された左グリーン手前までの対象距離情報は強調表示される。この際、演算処理部7は、左グリーン手前までの対象距離情報がゴルフプレイヤに参照されたことを認識し、左グリーンの位置情報及びその呼称情報の重み付けを更新する。記憶部10は更新情報を記憶する。つまり、プレイヤの参照傾向により、端末1は、左グリーン手前の位置情報及びその呼称情報に対しての重み付け情報を高く再設定し更新する。
【0044】
次に、プレイヤがホールを終了して、次のホールのティーグランドに進もうとすると、端末1は、ゴルフプレイヤの現在位置情報や進行方向から移動先である次のホールを認識する。端末1の表示部8は、前のホールに対応した対象位置情報の表示から、移動先の(次の)ホールに対応する重み付けの高い対象位置までの対象距離情報に切り換えて表示する。ホールの呼称情報及び規定打数の表示を切り換える。また、音声でその対象距離情報を出力(発声)する。
【0045】
なお、前ホールで、プレイヤは重み付けの低いと記憶されていた左グリーンを参照していたが、(記憶部10内の重み付け情報を優先する設定であれば、)記憶部10内の重み付け情報に従って次ホールは、予め重み付けが高く記憶(設定)されている次のホールの右グリーン手前までの対象距離情報及びその呼称情報を強調して表示する。
しかし、別の日に、再びこのホールでプレイを開始した場合に、左グリーン手前の更新した重み付け情報が、予め記憶されていた重み付け情報よりも高くなっていれば、端末1は、ゴルフプレイヤがティーグランドの範囲に入ると、左グリーン手前までの対象距離を強調表示する。
【0046】
次に、図7に示すようなホール(4番ホール)の場合に、端末1は、図8(a)に示すように、重み付けの高い中間目標の呼称情報及びその位置までの対象距離情報を強調(中央に拡大)表示する。端末1がグリーン手前の方向(図7の矢印Yの方向)に向くと(プレイヤがグリーン手前を注視する)と、センサ部11によって向いている方向を認識し、向いた方向に存在する対象位置の情報を強調表示する。つまり、図8(b)に示すようにグリーン手前の呼称情報及びその対象距離情報を表示部8の中央に拡大し強調表示する。また、強調表示する情報に「木が邪魔である」や「木の間を狙う」等のコメント情報が関連付けされている場合は、そのコメント情報を表示する。
【0047】
さらに、端末1がグリーン手前の方向に向けられることで、端末1は、ゴルフプレイヤがグリーン手前を参照していることを認識し、その参照傾向によって、そのホールのグリーン手前の呼称情報及びその位置情報に対しての重み付け情報を高くなるように更新して記憶する。長時間又は何度も繰り返し向けられることで、中間目標の情報より高く重み付けされたグリーン手前の情報は太枠で囲まれより強調されて表示される。
【0048】
また、端末1は、対象位置近傍に現在位置(プレイヤ)が近づく又は通り過ぎると、ボールが対象位置を越えた又はゴルフプレイヤが目測可能なため情報が不要と認識し、その先にある次のショットのために重要である重み付けの高い対象位置までの対象距離情報の表示に切り換える。
【0049】
また、端末1は、ゴルフプレイ中に、プレイヤが長時間滞在(長居)した位置と、ゴルフコース位置情報と照合し、その立ち止まった位置が、木やバンカー等の対象位置の近傍であると、プレーの障害となった可能性が高いと判断し、その停まった位置近傍に対応する対象位置及びその呼称情報の重み付けを高く再設定し更新する。つまり、プレイヤのプレイする行動傾向により、重み付け情報を更新する。また、プレイヤの移動軌跡を行動傾向として、その移動軌跡近傍にあるゴルフコース位置情報及びその呼称情報の重み付けを更新する。
【0050】
即ち、端末1は、ゴルフプレイヤの参照傾向や行動傾向によって、ゴルフコース位置情報及びゴルフコース呼称情報に対応する重み付け情報を更新(自動更新)し、その更新情報を記憶部10に記憶する。
【0051】
また、新設改修等の理由により、予め記憶されたゴルフコース位置情報内に、プレイするホールの情報がない場合、端末1は、移動軌跡情報又は現在位置情報にゴルフコース呼称情報を関連付けて、新たなゴルフコース位置情報を作成し、記憶部10に追加登録する。
【0052】
例えば、プレイヤが所定の操作を行なって、ホール内を移動することで、端末1は、移動軌跡を作成する。その移動軌跡に「ホール」という呼称情報が関連付けられると、新たなホールの位置情報(ゴルフコース位置情報)を作成する。
【0053】
さらに、そのホール内のバンカーの周囲を移動した移動軌跡情報と、ゴルフコース呼称情報内の「バンカー」という呼称情報と、を関連付けると新たなホールのバンカーの位置情報(新たな対象位置情報)を作成する。
移動軌跡が閉曲線であれば、その囲まれた範囲の中心やエッジの緯度・経度を新たな対象位置情報として記憶する。
【0054】
そして、グリーン上で、現在位置情報に、「グリーンのセンター」という呼称情報を関連付け、新たなグリーンセンターの位置情報を作成する。
つまり、端末1は現在位置情報又は移動軌跡情報にその呼称情報を関連付ける(位置情報に名前を付ける)ことで、追加用の新たなゴルフコース位置情報を作成し、記憶する。
【0055】
また、プレイするホール内で、閉曲線状の移動軌跡情報又は現在位置情報に「中間目標」という呼称情報を関連付ければ、自らがプレイするホールの攻略ポイントが作成される。端末1は、作成した中間目標位置をホールのレイアウト図上に重ねて表示する。
【0056】
次に、実際のゴルフコース位置情報(ホール内の対象位置情報)と、予め記憶されていたゴルフコース位置情報(対象位置情報)がゴルフ場の改修等によって異なっている場合も、ゴルフプレイヤが所定の操作を行なうことで、端末1は、移動軌跡情報又は現在位置情報にゴルフコース呼称情報を関連付けて、修正用の新たなゴルフコース位置情報を作成し、記憶する。
【0057】
また、修正用の新たなゴルフコース位置情報は、所定の範囲内での重み付け(数値又はランク)が付与される。
例えば、修正用の新たなゴルフコース位置情報の、重み付けの所定の範囲を、31〜70点として、64点(高い点程重要とする)が付与されたとする。修正されるべき予め記憶されていたゴルフコース位置情報の重み付けが、所定の範囲より低い30点であれば、64点である修正用の新たなゴルフコース位置情報を作成後から表示する。修正されるべき予め記憶されていたゴルフコース位置情報の重み付けが、所定の範囲より高い 100点であれば、64点である修正用の新たなゴルフコース位置情報は作成しても表示されない。
ゴルフ場の管理者(運営者)等からの信頼性の高い位置情報は、重み付けは 100点のような高い重み付けとなる。
また、追加用の新たなゴルフコース位置情報は、例えば、64点といった、所定の数値(又はランク)の重み付け情報が付与される。
【0058】
なお、自ら登録した位置情報を重み付けが高くなるように設定し、優先的に表示部8に表示させるようにしても良い。また、操作部9によってゴルフプレイヤが所望の重み付け(数値やランク)を入力しても良い。
【0059】
端末1は、ゴルフコース位置情報及び重み付け情報の更新情報(追加用及び修正用の新たなゴルフコース位置情報と参照傾向及び行動傾向によって更新された重み付け情報)と、更新情報に付与される付加情報と、ボール位置情報と、を識別情報と関連付けて、外部接続部15を介して、外部機器2又はサーバ3に送信する。
【0060】
また、端末1は、別の端末1’が作成しサーバ3に送信した新たなゴルフコース位置情報を、サーバ3から取得する。つまり、予め保存されているゴルフコース位置情報とは別のゴルフコース位置情報(別の端末1’が作成したゴルフコース位置情報やゴルフ場の運営者からの最新情報を基にサーバ3が作成した位置情報)を取得する。
【0061】
サーバ3は、複数(多数)の端末1から送信される重み付け情報(重み演算処理部7によって更新された重み付け情報や操作部9によって入力された重み付け情報)を統合する。つまり、重み付け情報の集計、調整、正誤の訂正、情報の読み書き(修正)の禁止(ロック)、等の重み付け情報の管理を行なう。
サーバ3に送信された新たなゴルフコース位置情報の重み付けの情報は、端末1に保存される更新した重み付け情報よりも低い重み付け情報で扱われる。
【0062】
例えば、ゴルフプレイヤが自ら修正又は追加したバンカー位置情報の重み付け情報を数値で64点とすると、サーバに送信された場合には、重み付け情報の数値は32点に減少(割引)されて記憶される。
サーバ3は、各端末1の識別情報(ID)に関連付けられた信頼性情報を基に所定の割合で重み付けの数値(又はランク)の調整を行い、集計・蓄積する。
【0063】
例えば、ゴルフ場の運営者等の信頼性が高いと判断される識別情報を有する端末1からの新たなゴルフコース位置情報の重み付けの情報と、送信されてくる位置情報が他のゴルフプレイヤの位置情報と相違が毎回大きく信頼性が低いと判断される識別情報を有する端末1からの重み付け情報と、を差別化し、サーバ3内のゴルフコース位置情報を調整して更新する。
【0064】
また、複数(多数)の端末1からの位置情報が集中する位置情報を重み付けを高く設定して更新情報として採用する。例えば、グリーンのセンター等の点に近い位置情報は作成した端末1によって相違する可能性が高いため、位置が集中している場所がより採用されるように重み付けを高くする。
また、精度の良い情報を提供する端末1(ゴルフプレイヤ)からのゴルフコース位置情報の重み付けを高くして更新情報として採用する。
【0065】
即ち、サーバ3は、端末1に予め保存されているゴルフコース位置情報に比べより精度の高い最新(最適)のゴルフコース位置情報を作成する。また、複数の端末1(識別情報)から成るグループやコミュニティを形成し、そのコミュニティ毎に適したゴルフコース位置情報を配信しても良い。
【0066】
また、サーバ3は、作成したゴルフコース位置情報(対象位置の位置情報)及びその呼称情報と、その情報対応する調整した重み付け情報とを記憶し、さらに、通信回線網Tを介して端末1や外部機器2にその情報を表示可能及びその情報が取得されるようにしている。
【0067】
サーバ3は、図9に示すように、外部機器2の外部機器表示部に、ホールのレイアウト図上に重ねて、呼称情報と対象位置情報及びその重み付け情報(ランク)を表示させる。なお、図9では、重み付けランク高を二重丸印、重み付けランク中を丸印、重み付けランク低を三角形印、重み付けランク最低をバツ印として表示させる場合を示している。また、対象位置に対応する「注意」等のコメント情報も表示する。なお、表示させる対象位置が多い場合は、重み付けの低い(バツ印の)ものを非表示にする。
【0068】
また、サーバ3は、多数の端末1からボール位置情報を蓄積して、そのボール位置情報から攻略のポイントとなる中間目標位置を導き出す(抽出する)。特にスコアの良いゴルフプレイヤの識別情報を有する端末1からのボール位置情報を集積し、そのボール位置情報がホール内で集まる近傍を、そのホールの中間目標として抽出する。例えば、スコアの良いゴルフプレイヤの2打目のボール位置情報が中央バンカーより奥に集中しているとすれば、サーバ3は、その集中している範囲を2打目を打つ際の中間目標(良いスコアを出すための戦略対象位置)として認識する。さらに、中間目標の位置情報(解析した戦略情報)を、多数の端末1が、通信回線網Tを介して取得可能に記憶する。
【0069】
さらに、サーバ3は、更新情報やボール位置情報に関連付けられて送信されてきた識別情報や、音声情報及びコメント情報(各プレイヤが操作部9を操作して入力した情報や外部機器2の外部機器入力部を用いて入力した情報)を、作成したゴルフコース位置情報に関連付けて記憶する。また、識別情報ごとや、重み付けの高い情報ごと等、情報の提供元や種類ごとに、端末1が通信回線網Tを介して取得可能に記憶している。また、精度の良い情報を提供する端末1(ゴルフプレイヤ)の重み付けを高くして採用(記憶)し配信することで、各プレイヤが正確な情報を提供しようとする向上心を煽る。
【0070】
端末1は、予め記憶されているゴルフコース位置情報とは別のゴルフコース位置情報や重み付け情報や付加情報等のサーバ3の統合結果(収集し解析した結果)を、取得する。 そして、その得た情報が、ゴルフ場に行く前に予め記憶された情報となって、より精度と信頼性の高い情報で、ゴルフプレイヤをナビゲーション(支援)する。
【0071】
また、端末1は、現在位置情報を周期的又は継続的に外部機器2又は別の端末1’に送信する。また、記憶部10に保存されている情報を外部機器2又は別の端末1’に送信する。
端末1の現在位置情報をゴルフコースのレイアウト図に重ねて所在がわかるように、別の端末1’や携帯ゲーム機及びゴルフカートに付設される情報機器等の外部機器2に、表示させ、さらに、コメント情報を表示し、音声情報を出力させることで、複数(多数)の端末1同士がお互いに保持している情報を共有し、付加情報でコミュニケーションを取る。
【0072】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、ターゲットの緯度・経度として、ゴルフ場の管理者側から提供されたプレイ当日のピン(カップ)の位置(緯度・経度)や、プレイヤが操作部9の操作や、外部機器2と接続して自ら選択又は設定したコース上の狙い(戦力、攻略)位置や注意すべき位置等の緯度・経度を記憶部10に記憶させ、表示部8に表示させても良い。
【0073】
また、サーバ3は、端末1からプレイヤの参照傾向及び行動傾向の情報を受信し、一つの端末1では回数や時間が少なく重み付け情報に反映されなかったが、多数のゴルフプレイヤが確認した参照傾向やその対象位置近傍を移動した行動傾向を、多くのゴルフプレイヤにとって重要と判断して、サーバ3が作成するゴルフコース位置情報の重み付けに反映させるようにするも望ましい。
【0074】
以上のように、本発明は、ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に関連付けられた重み付け情報が予め保存される記憶部10と、測位衛星からの電波を受信可能な測位衛星無線受信部12と、外部機器2と双方向通信可能な外部接続部15と、を有する端末1を備え、端末1は、受信部12からの信号により現在位置を算出する測位処理と、現在位置から対象位置までの対象距離を演算する対象距離算出処理と、を行なう演算処理部7を有し、さらに、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報と重み付けの高いゴルフコース呼称情報を表示する表示部8を有するので、ゴルフプレイヤがホールを攻略する上で重要な対象位置距離を即座に知ることができる。プレイヤがプレイ直前(当日)に対象位置情報をわざわざ入力や検索する手間を軽減できる。プレイヤをプレイに集中させることができる。ゴルフプレイ全体の時間を短縮してゴルフ場(ゴルフコース)の運営をスムーズに進行させることができる。なお、対象距離情報をグリーンのエッジやセンターとした場合は、移動の多いピン(カップ)に比べ、情報の更新や再入力手間が大幅に削減できる。
【0075】
また、ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に関連付けられた重み付け情報が予め保存される記憶部10と、測位衛星からの電波を受信可能な測位衛星無線受信部12と、外部機器2と双方向通信可能な外部接続部15と、方位を算出するためのセンサ部11と、を有する端末1を備え、端末1は、受信部12からの信号により現在位置を算出する測位処理と、現在位置から対象位置までの対象距離を演算する対象距離算出処理と、を行なう演算処理部7を有し、さらに、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報と重み付けの高いゴルフコース呼称情報を表示する表示部8と、表示部8の表示切換や演算処理部7の処理を操作する操作部9と、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報を音声で出力する音声出力部17と、ゴルフプレイヤの音声を入力して記憶部10に送信するための音声入力部16と、を具備しているので、ゴルフプレイヤがホールを攻略する上で重要な対象位置距離を即座に知ることができる。また、音声で知ることができる。プレイヤがプレイ直前(当日)に対象位置情報をわざわざ入力や検索する手間を軽減できる。プレイヤをプレイに集中させることができる。ゴルフプレイ全体の時間を短縮してゴルフ場(ゴルフコース)の運営をスムーズに進行させることができる。なお、対象距離情報をグリーンのエッジやセンターとした場合は、移動の多いピン(カップ)に比べ、情報の更新や再入力手間が大幅に削減できる。
【0076】
また、端末1は、ゴルフプレイヤの参照傾向によってゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に対しての重み付け情報を更新するので、ゴルフプレイヤ(個人)のプレイスタイルにあった情報を提供できる。ゴルフプレイをする上でより適合する(最適な)情報で支援できる。
【0077】
また、端末1は、ゴルフプレイヤの行動傾向によってゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に対しての重み付け情報を更新するので、ゴルフプレイヤ(個人)のプレイスタイルにあった情報を提供できる。ゴルフプレイをする上でより適合する(最適な)情報で支援できる。
【0078】
また、端末1は、ゴルフコース位置情報の重み付け情報及びゴルフコース呼称情報の重み付け情報に応じて、対象距離情報の表示の強弱又は有無を調節するので、ゴルフプレイヤの操作の手間や負担を軽減する。ゴルフプレイヤに、即座に(一目で)コースを攻略する上で重要な対象距離情報を認識させる。
【0079】
また、端末1は、端末1の向いた方向に存在する対象位置までの対象距離情報を強調表示するので、ゴルフプレイヤの操作の手間や負担を軽減し、直感的にショットする方向を決定させる。
【0080】
また、端末1は、継続的に算出した現在位置からゴルフプレイヤの移動軌跡を算出して記憶し、算出した移動軌跡情報にゴルフコース呼称情報を関連付けて、新たなゴルフコース位置情報を作成するので、改修や新設のゴルフコース(ゴルフ場)であっても端末1はゴルフプレイヤを支援(ナビゲーション)できる。新しく現状に対応した情報を元にゴルフプレイヤを支援できる。移動軌跡によって移動池やホールといった大きな対象位置であっても新たな位置情報を作成できる。新設や改修した情報をゴルフ場運営者側が用意(提供)せずとも、現状に対応するゴルフコース位置情報を得ることができる。
【0081】
また、複数の端末1に通信回線網Tを介して接続されて各端末1の重み付け情報を統合するサーバ3を備えたので、複数の端末1からの重み付け情報によって、信頼性の高い重み付け情報を作成できる。様々な場所のゴルフコースの重み付け情報を容易に収集できる。
【0082】
また、端末1は、ゴルフコース位置情報と重み付け情報との更新情報を、外部接続部15を介してサーバ3に送信し、別の端末1’と、更新情報を共有するので、サーバ3の管理者やゴルフ場の運営者が新たな情報を提供しなくても、端末1(ゴルフプレイヤ)同士の情報交換(共有)によって新たな情報を得ることができる。プレイヤの視点にあった情報を得ることができる。ゴルフ場の運営側等が情報を高頻度で作成・発信(提供)する負担や手間を軽減できる。
【0083】
また、端末1は、更新情報と共に付加情報を、外部接続部15を介してサーバ3に送信し、別の端末1’と、更新情報及び付加情報を共有するので、コースの内容をより詳しくコメント等の付加情報で知ることができる。実際にプレイした人の情報を参考にできる。プレイヤ側の視点に立った情報を得ることができる。
【0084】
また、端末1は、現在位置情報から重み付けに応じたゴルフコース呼称情報の検索を行い、ゴルフコース呼称情報内から現在位置近傍のゴルフ場の呼称情報を表示するので、プレイヤがプレイする可能性の高い(重み付けに基づいて)ゴルフ場を表示できる。プレイするゴルフ場の検索の手間や時間を軽減しプレイヤ(使用者)の負担を軽減できる。
【0085】
また、端末1は、次のホールに移動すると、現在位置情報から移動先のホールを認識し、移動先のホールの重み付けの高い対象位置までの対象距離情報を表示するので、ゴルフプレイヤがホールの検索や表示切換操作等の手間を軽減して、ゴルフのプレイに集中できる。次ホールに到着してすぐにプレイできる。ゴルフプレイを円滑に進行させる。プレイに専念させることができる。プレイ時間を短縮できる。
【0086】
また、端末1は、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報をリアルタイムに表示し、ゴルフプレイヤのショット位置で、ボール位置情報を記憶し、さらに、ボール位置情報を記憶した位置から現在位置までの区間距離情報をリアルタイムに表示するので、ショット位置からショット位置を移動するだけでボールの飛距離を容易に知ることができる。ショット位置から今いる現在位置までを知ることができ、次回にそのホールをプレイする際の攻略の参考にできる。
【0087】
また、端末1は、予め保存されているゴルフコース位置情報以外の別のゴルフコース位置情報を、外部接続部15を介して取得し保存するので、より新しく信頼性の高いゴルフコース位置情報を取得できる。新しくできたゴルフコースや、コースの増設、ホールのレイアウト変更・改修、に迅速に対応できる。
【0088】
また、端末1は、現在位置情報にゴルフコース呼称情報を関連付けて記憶部10に保存し、呼称情報に関連付けられた現在位置情報を、外部接続部15を介して送信するので、ボールの飛んだ位置や場所をスコアブック等に記入せずとも容易に記録を残すことができる。さらに、その記録を外部機器2等で保存や出力させることができる。コメントを入力したりメモを取る手間や時間といったゴルフプレイヤの負担を大幅に軽減できる。ゴルフプレイを円滑に進行させる。
【0089】
また、端末1は、ゴルフコース呼称情報に現在位置情報を関連付けると共に、音声入力部16に入力された音声情報を記憶部10に保存し、ゴルフコース呼称情報に関連付けられた現在位置情報と共に音声情報を、外部接続部15を介して送信するので、プレイした時の状況、風向きやショット時の姿勢等を音声で記録できる。さらに、その記録を外部機器2等で保存や出力させることができる。コメントを入力したりメモを取る手間や時間といったゴルフプレイヤの負担を大幅に軽減できる。より詳しく臨場感のある記録を残すことができる。音声データと数値データの両方でスコア管理やプレイ状況を記録できる。
【0090】
また、端末1は、記憶部10に記録保持された情報、及び、演算処理部7により算出された現在位置情報を、外部接続部15を介して送信するので、コースやホール内にいる仲間に居場所や攻略情報を伝えることができる。プレイ後のスコア管理を容易にできる。
【0091】
また、複数の端末1は、各外部接続部15を介して、相互に情報を送受信可能に構成されているので、居場所や攻略情報を送受信してコミュニケーションが取れる。先にホールプレイしたゴルフプレイヤから即座に最新のゴルフコース位置情報を取得できる。通信回線網等の接続可能な設備(環境)がなくとも即座に情報を交換できる。
【0092】
また、測位衛星とは、GPS 、Galileo 、GLONASS 、SBAS等の測位衛星を意味しているので、より強い電波を受信できる。より正確な現在位置を算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明のゴルフ用ナビゲーションシステムの簡略構成図である。
【図2】端末1の外観全体図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は背面図である。
【図3】端末のブロック構成図である。
【図4】作用説明図である。
【図5】作用説明図である。
【図6】作用説明図である。
【図7】作用を説明するためのホールの簡略レイアウト図である。
【図8】作用説明図である。
【図9】作用説明図である。
【符号の説明】
【0094】
1 端末
1’ 別の端末
2 外部機器
3 サーバ
7 演算処理部
8 表示部
9 操作部
10 記憶部
11 センサ部
12 (測位衛星無線)受信部
15 外部接続部
16 音声入力部
17 音声出力部 T 通信回線網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に関連付けられた重み付け情報が予め保存される記憶部(10)と、測位衛星からの電波を受信可能な測位衛星無線受信部(12)と、外部機器(2)と双方向通信可能な外部接続部(15)と、を有する端末(1)を備え、
上記端末(1)は、上記受信部(12)からの信号により現在位置を算出する測位処理と、現在位置から対象位置までの対象距離を演算する対象距離算出処理と、を行なう演算処理部(7)を有し、さらに、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報と重み付けの高い上記ゴルフコース呼称情報を表示する表示部(8)を有することを特徴とするゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項2】
ゴルフコース呼称情報及びゴルフコース位置情報に関連付けられた重み付け情報が予め保存される記憶部(10)と、測位衛星からの電波を受信可能な測位衛星無線受信部(12)と、外部機器(2)と双方向通信可能な外部接続部(15)と、方位を算出するためのセンサ部(11)と、を有する端末(1)を備え、
上記端末(1)は、上記受信部(12)からの信号により現在位置を算出する測位処理と、現在位置から対象位置までの対象距離を演算する対象距離算出処理と、を行なう演算処理部(7)を有し、さらに、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報と重み付けの高い上記ゴルフコース呼称情報を表示する表示部(8)と、該表示部(8)の表示切換や上記演算処理部(7)の処理を操作する操作部(9)と、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報を音声で出力する音声出力部(17)と、ゴルフプレイヤの音声を入力して上記記憶部(10)に送信するための音声入力部(16)と、を具備していることを特徴とするゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項3】
上記端末(1)は、ゴルフプレイヤの参照傾向によって上記ゴルフコース呼称情報及び上記ゴルフコース位置情報に対しての上記重み付け情報を更新する請求項1又は2記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項4】
上記端末(1)は、ゴルフプレイヤの行動傾向によって上記ゴルフコース呼称情報及び上記ゴルフコース位置情報に対しての上記重み付け情報を更新する請求項1,2又は3記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項5】
上記端末(1)は、上記ゴルフコース位置情報の上記重み付け情報及び上記ゴルフコース呼称情報の上記重み付け情報に応じて、対象距離情報の表示の強弱又は有無を調節する請求項1,2,3又は4記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項6】
上記端末(1)は、該端末(1)の向いた方向に存在する対象位置までの対象距離情報を強調表示する請求項2,3,4又は5記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項7】
上記端末(1)は、継続的に算出した現在位置からゴルフプレイヤの移動軌跡を算出して記憶し、算出した移動軌跡情報に上記ゴルフコース呼称情報を関連付けて、新たなゴルフコース位置情報を作成する請求項1,2,3,4,5又は6記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項8】
複数の上記端末(1)に通信回線網(T)を介して接続されて該各端末(1)の上記重み付け情報を統合するサーバ(3)を備えた請求項1,2,3,4,5,6又は7記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項9】
上記端末(1)は、上記ゴルフコース位置情報と上記重み付け情報との更新情報を、上記外部接続部(15)を介して上記サーバ(3)に送信し、別の端末(1’)と、上記更新情報を共有する請求項8記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項10】
上記端末(1)は、上記更新情報と共に付加情報を、上記外部接続部(15)を介して上記サーバ(3)に送信し、上記別の端末(1’)と、上記更新情報及び上記付加情報を共有する請求項9記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項11】
上記端末(1)は、現在位置情報から重み付けに応じた上記ゴルフコース呼称情報の検索を行い、該ゴルフコース呼称情報内から現在位置近傍のゴルフ場の呼称情報を表示する請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項12】
上記端末(1)は、次のホールに移動すると、現在位置情報から移動先のホールを認識し、該移動先のホールの重み付けの高い対象位置までの対象距離情報を表示する請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項13】
上記端末(1)は、重み付けの高い対象位置までの対象距離情報をリアルタイムに表示し、ゴルフプレイヤのショット位置で、ボール位置情報を記憶し、さらに、上記ボール位置情報を記憶した位置から現在位置までの区間距離情報をリアルタイムに表示する請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項14】
上記端末(1)は、予め保存されているゴルフコース位置情報以外の別のゴルフコース位置情報を、上記外部接続部(15)を介して取得し保存する請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12又は13記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項15】
上記端末(1)は、現在位置情報に上記ゴルフコース呼称情報を関連付けて上記記憶部(10)に保存し、該呼称情報に関連付けられた現在位置情報を、上記外部接続部(15)を介して送信する請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13又は14記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項16】
上記端末(1)は、上記ゴルフコース呼称情報に上記現在位置情報を関連付けると共に、上記音声入力部(16)に入力された音声情報を上記記憶部(10)に保存し、上記ゴルフコース呼称情報に関連付けられた現在位置情報と共に上記音声情報を、上記外部接続部(15)を介して送信する請求項2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14又は15記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項17】
上記端末(1)は、上記記憶部(10)に記録保持された情報、及び、上記演算処理部(7)により算出された現在位置情報を、上記外部接続部(15)を介して送信する請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15又は16記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項18】
複数の上記端末(1)は、各上記外部接続部(15)を介して、相互に情報を送受信可能に構成されている請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16又は17記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。
【請求項19】
上記測位衛星とは、GPS 、Galileo 、GLONASS 、SBAS等の測位衛星を意味している請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17又は18記載のゴルフ用ナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−35796(P2010−35796A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201739(P2008−201739)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(501141253)マゼランシステムズジャパン株式会社 (15)
【Fターム(参考)】