説明

ゴルフ用手袋

【課題】ゴルフプレーヤーが、両手にゴルフ用手袋を装着してプレーする際に感じる違和感を抑制し、さらに、ヘッドスピードの増大やヘッドを返せることによる方向性の向上が図られ、また、ゴルフプレーヤーが、両手にゴルフ用手袋を装着して打球する際に、汗や雨等によってプレーヤーの手とゴルフ用手袋との間で滑りやずれ等が生じることが抑制されたゴルフ用手袋を提供する。
【解決手段】ゴルフ用手袋は、装着者の利き手を受け入れ可能な右手用手袋と、装着者の左手を受け入れ可能な左手用手袋1Aとを備え、右手用手袋と前記左手用手袋1Aとが非対称とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ用手袋に関し、特に、ゴルファーが装着するゴルフ用手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフ用手袋は、プレーヤーの利き手と反対側の手にのみ装着され、利き手には装着しないのが一般的である。日焼け止めの目的や年配者の中には両手に手袋をするという場合があるが、例外的なケースであり、このような場合に装着される手袋は、左右対称に作られているのが一般的である。
【0003】
従来のゴルフ用手袋として、たとえば、特許第3667066号公報に記載されたゴルフ用手袋がある。このゴルフ用手袋においては、手の甲側を覆う手甲部と、掌側を覆う掌部とを同質の素材で構成し、手甲部の少なくとも一部を掌部よりも伸び率の高い伸長部とし、あるいは、手甲部の一部を掌部より薄くしてこれを伸長部としたものである。これにより、素材の相違による違和感を生じさせることなく、十分な耐久性及び保形性を確保し、手甲部のツッパリ感の低減が図られている。
【0004】
特開2001−104534号公報に記載されたスポーツ用手袋においては、スイング時に圧力のかかる指袋の手掌側部分の厚みを手甲側部分の厚みより厚くしている。これにより、握る力を大きくすることができ、グリップ性の向上が図られている。
【0005】
特開平11−267263号公報に記載されたゴルフ手袋は、中指、薬指、小指の指袋部の掌側を他の指の指袋部より薄くしている。これにより、グリップ時のフィット感の向上が図られている。
【特許文献1】特許第3667066号公報
【特許文献2】特開2001−104534号公報
【特許文献3】特開平11−267263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記ゴルフ用手袋やスポーツ用手袋においては、いずれも、両手に手袋を装着することを前提としておらず、一方の手にのみに装着することを前提としている。仮に、両手に手袋を装着する場合であっても、左右の手には互いに対称な手袋を装着するのが一般的である。
【0007】
特に、ゴルフにおいては、プレーヤーは、グリップ部を把持した際の感触や打球時における感触を重要視しており、利き手には手袋を装着しないことが一般的である。さらに、上記先行文献のいずれにも、ゴルフ用手袋として、両手に装着することについては、何等記載も示唆もされていない。すなわち、上記従来のゴルフ用手袋やスポーツ手袋は、利き手において、ゴルフクラブのグリップ部に対するフィット感の向上や、グリップ部を握ったときの違和感の軽減を図ったものではない。
【0008】
その一方で、近年ゴルフクラブの長さが長くなってきており、今までに比べてスイング時の遠心力が増え、グリップ部ですべりが発生しやすく、グリップ部を支える握力がより多く必要になってきている。また、ゴルフクラブヘッドの体積も大きくなり、シャフト軸回りの慣性モーメントも大きくなってきているために、インパクト時にヘッドを返しにくくなってきている。
【0009】
これらの問題を解消する為に、右手にも手袋をするという方法が考えられるが、従来片手しか手袋をしていなかったプレーヤーが、両手共に手袋をすると、掌の生地分グリップが太く感じたり、ごわつきの原因になったりしてフィット感が悪くなり違和感、ごわつき感を感じることがほとんどであった。
【0010】
また、ゴルフのグリップは他のスポーツとは異なり、一般的にオーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップと言われるように、グリップ時に利き手(右利きの人の右手)の小指を利き手でない方の手(右利きの人の左手)の人差し指の上に重ねたり、指きりげんまをするように絡めたりするのが一般的であり、ほとんどのゴルファーがどちらかの方法を選択している。
【0011】
その時も同様、重なり合う部分、特に利き手側の小指は通常手袋がないため、両手に手袋をして上記グリップをすると、重なり合う部分に違和感、ごわつき感を感じることが多い。さらに、上記従来のゴルフ用手袋を装着して打球する際において、汗や雨等によって、プレーヤーの手とゴルフ用手袋の内表面との間で滑りやずれが生じるという問題があった。
【0012】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、ゴルフプレーヤーが、両手にゴルフ用手袋を装着してプレーする際に感じる違和感を抑制し、さらに、ヘッドスピードの増大やヘッドを返せることによる方向性の向上が図られたゴルフ用手袋を提供することである。本発明の第2の目的は、ゴルフプレーヤーが、両手にゴルフ用手袋を装着して打球する際に、汗や雨等によってプレーヤーの手とゴルフ用手袋との間で滑りやずれ等が生じることが抑制されたゴルフ用手袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るゴルフ用手袋は、1つの局面では、装着者の利き手を受け入れ可能な第1手袋と、装着者の他方の手を受け入れ可能な第2手袋との双方を備え、第1手袋と第2手袋とが非対称とされる。
【0014】
好ましくは、上記第1手袋は、利き手の掌に当接する第1手掌部と、利き手の甲に当接する第1手甲部とを含み、第2手袋は、他方の手の掌に当接する第2手掌部と、他方の手の甲に当接する第2手甲部とを含む。そして、上記第1手掌部の少なくとも一部は、第2手掌部の対応する部分より薄くされた手掌部薄肉部を有する。
【0015】
好ましくは、上記第1手袋は、利き手の掌に当接する第1手掌部と、利き手の甲に当接する第1手甲部と、第1手掌部および第1手甲部によって規定され、利き手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第1親指部、第1人差指部、第1中指部、第1薬指部および第1小指部を含み、第2手袋は、他方の手の掌に当接する第2手掌部と、他方の手の甲に当接する第2手甲部と、第2手掌部および第2手甲部よって規定され、他方の手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第2親指部、第2人差指部、第2中指部、第2薬指部および第2小指部を含む。そして、上記第1手袋の第1小指部の第1手掌部側に位置し、第1手掌部の他の部分あるいは第2手袋の対応する部分よりも薄肉とされた小指部薄肉部と、第2手袋の第2人差指部の第2手甲部側に位置し、第2手甲部の他の部分あるいは第1手袋の対応する部分よりも薄肉とされた人差指部薄肉部との少なくとも一方を備える。
【0016】
好ましくは、上記第1手袋は、利き手の掌に当接する第1手掌部と、利き手の甲に当接する第1手甲部と、第1手掌部と第1手甲部とによって規定され、利き手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第1親指部、第1人差指部、第1中指部、第1薬指部および第1小指部を備える。そして、上記第1手掌部は、利き手の中手部および手根部に当接する第1主部を含む。さらに、上記第2手袋は、他方の手の掌に当接する第2手掌部と、他方の手の甲に当接する第2手甲部と、第2手掌部と第2手甲部とによって規定され、他方の手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第2親指部、第2人差指部、第2中指部、第2薬指部および第2小指部とを備える。そして、上記第2手掌部は、他方の手の中手部および手根部に当接する第2主部を含む。そして、上記第1小指部の第1手掌部側に位置し、第1手掌部の他の部分あるいは第2手袋の対応する部分よりも薄肉とされた小指部薄肉部と、第2手袋の第2人差指部の第2手甲部側に位置し、第2手甲部の他の部分あるいは第1手袋の対応する部分よりも薄肉とされた人差指部薄肉部との少なくとも一方と、第1主部の少なくとも一部に形成され、第2主部の対応する部分よりも薄肉に形成された主部薄肉部とを備える。
【0017】
好ましくは、上記第1手掌部は、第1手袋内に挿入された利き手のうち、人差指、中指、薬指および小指の中手骨の膨出部の付根部に位置する部分から第1人差指部、第1中指部、第1薬指部および第1小指部の先端部に亘って延びる第1薄肉領域と、親指の指節間関節に位置する部分から親指部の先端部に亘って延びる第2薄肉領域とを含む。好ましくは、上記手掌部薄肉部は、第2手掌部の対応する部分より、0.08mm以上薄くされる。好ましくは、上記小指部薄肉部は、第1手掌部の他の部分あるいは第2手掌部の対応する部分より0.08mm以上薄くされる。好ましくは、上記人差指部薄肉部は、第1手甲部の対応する部分あるいは第2手甲部の他の部分より0.08mm以上薄くされる。好ましくは、上記主部薄肉部は、第2主部の対応する部分よりも、0.08mm以上薄くされる。好ましくは、上記第1手袋は、利き手の掌に当接する第1手掌部と、利き手の甲に当接する第1手甲部と、第1手掌部のうち、利き手と当接する内表面に形成された第1滑り止部とを含む。そして、上記第2手袋は、他方の手の掌に当接する第2手掌部と、他方の手の甲に当接する第2手甲部と、第2手掌部のうち、他方の手と当接する内表面に形成された第2滑り止部とを含む。
【0018】
好ましくは、上記第1手袋は、利き手の各指をそれぞれ受け入れ可能な第1指部と、利き手の手首が挿入される第1手首挿入部を含み、上記第2手袋は、他方の手の各指のそれぞれを受け入れ可能な第2指部と、他方の手の手首が挿入される第2手首挿入部を含む。そして、上記第1滑り止部は、第1手掌部の先端部から第1指部の付根部にまで連続的または断続的に延び、第2滑り止部は、第2手掌部の先端部側から第2手首挿入部側にまで連続的または断続的に延びる。好ましくは、上記第1指部は、利き手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第1親指部、第1人差指部、第1中指部、第1薬指部および第1小指部を含み、第2指部は、他方の手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第2親指部、第2人差指部、第2中指部、第2薬指部および第2小指部を含む。そして、上記第1滑り止部は、第1親指部、第1人差指部、第1中指部、第1薬指部に形成され、第2滑り止部は、第2親指部、第2中指部、第2薬指部および第2小指部に形成される。好ましくは、上記第1滑り止部のうち、第1親指部に形成された部分の面積は、第2滑り止部のうち、第2親指部に形成された部分の面積よりも大きくされる。好ましくは、上記第1滑り止部のうち、第1親指部に形成された部分は、第1親指部の利き手と当接する内表面のうち、第1人差指部側の側面に対して反対側に位置する側面より、第1人差指部側の側面に近接する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るゴルフ用手袋によれば、プレーヤーに与える違和感を抑制することができ、さらに、ヘッドスピードの増大やヘッドを返せることによる方向性の向上を図ることができる。また、打球する際において、プレーヤーの手とゴルフ用手袋の内表面との間で滑りやずれが生じることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態1,2に係るゴルフ用手袋について、図1から図22を用いて説明する。
【0021】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。さらに、各実施の形態の構成を適宜組み合わせることは、当初から予定されている。そして、本実施の形態に係るゴルフ用手袋は、右手が利き腕のプレーヤーが装着することを前提としている。なお、左手が利き手のゴルフ用手袋の場合は、右手が利き手用手袋の左右対称とすればよい。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の1つの実施の形態1に係るゴルフ用手袋のうち、左手用手袋1Aを手の甲側から見た状態を示す図であり、図2は、左手用手袋1Aを手掌側から見た状態を示す図である。さらに、図3は、右手用手袋1Bを手の甲側から見た状態を示すであり、図4は、右手用手袋1Bを手掌側から見た図である。
【0023】
この図1から図4に示すように、本実施の形態1に係るゴルフ用手袋は、左手用手袋1Aと右手用手袋1Bとを備えている。
【0024】
そして、左手用手袋1Aおよび右手用手袋1Bのいずれも、装着者の手の甲に当接する手甲部2A,2Bと、装着者の掌に当接する手掌部3A,3Bとを備えている。ここで、「掌」とは手首から先の内側の面(指を含む)を意味し、「手の甲」とは掌の反対側を意味する。ここで、非対称とは、左手用手袋1Aの少なくとも一部が、右手用手袋1Bの対応する部分に対して厚みが異なったり、材質が異なったり、さらには、形状が異なる各場合のいずれも含む。
【0025】
そして、各左手用手袋1Aおよび右手用手袋1Bのいずれにも、装着者の親指、人差指、中指、薬指および小指をそれぞれ受け入れる親指部10A,10B、人差指部20A,20B、中指部30A,30B、薬指部40A,40Bおよび小指部50A,50Bがそれぞれ形成されている。
【0026】
手甲部2A,2Bは、いずれも、合成皮革または天然皮革のいずれであってもよく、好ましくは、天然皮革よりも通気性のよい合成皮革によって形成する。合成皮革とは、一般に織物ベースに各種樹脂層を塗布したものであり、延びやすい性質を有する。
【0027】
手掌部3A,3Bは、いずれも人工皮革から形成されている。人工皮革とは不織布ベースにウレタン樹脂を含浸させたもので、その樹脂がミクロポーラス層をなしているため通気性があるのが特徴である。
【0028】
手甲部2A,2Bおよび手掌部3Aには、一般的に、0.4mm以上0.7mm以下の材料が使用されている。0.4mmより薄く形成すると、磨耗しやすく、磨耗性を確保しがたくなり、耐久性を確保し難くなる。さらに、0.7mmより厚くされると、装着者の手にフィットし難くなり、ごわつくと共に、装着者に違和感を与えることとなるためである。
【0029】
ここで、本実施の形態1においては、右手用手袋1Bの手掌部3Bは、左手用手袋1Aの手掌部3Aの厚みよりも、薄く形成されており、たとえば、0.08mm以上薄く形成されている。
【0030】
【表1】

【0031】
表1は、生地として同じ人工皮革(白)の厚み0.60mm、0.52mm、0.40mmの厚みの差が右手掌で分かるか否かの体感表である。なお、8名のモニター(装着者)は、20歳台〜50歳台の一般男性ゴルファーである。厚みの測定方法としては、ミツトヨ社の厚み測定器やピーコック社の厚み測定器を用いた。
【0032】
なお、表1の最上段において、「0.60&0.52」とは、0.60mmの人工皮革と0.52mmの人工皮革を体感比較した結果である。「0.52&0.40」とは、0.52mmの人工皮革と、0.40mmの人工皮革とを体感比較した場合を示す。同様に、「0.60&0.40」とは、0.60mmの人工皮革と、0.40mmの人工皮革とを体感比較とした場合を意味する。なお、◎は、はっきりと厚みに差があることが分かったことを示し、○は、厚みに差があることが分かったことを示し、さらに、△は、何となく厚みに差があることが分かったことを示す。なお、表1中に記載はないが、厚みに差が分からない場合には、×としてモニタリングした。
【0033】
この表1に示すように、厚みの差が0.08mm以上であれば、殆どのモニターは、厚みに違いがあることを判別することができたことが分かる。さらに、厚みの差が1.2mmであれば、差は顕著となる。また、厚みの差が、0.2mmにもなると、全てのモニターの方が厚みの違いを判別することができたことが分かる。
【0034】
すなわち、左手用手袋1Aの手掌部3Aと右手用手袋1Bの手掌部3Bとの厚みの差を、0.08mm以上、好ましくは、1.0mm程度(さらに、好ましくは、1.2mm)にまでつけることにより、グリップ時にプレーヤーの利き手に違和感を感じさせることを抑制することができることが分かる。ここで、上記のように、厚みの差を、好ましくは、1.0mm〜1.2mm程度としたのは、実際の製造過程において、厚みのばらつきとして、一般的に、基準値に対し±0.04mm程度生じることを考慮したものであり、厚みについて製造上のばらつきが生じたとしても、各手掌部3A,3Bの厚みの差を確保できるようにするためである。
【0035】
このため、利き手が右手のプレーヤーが、右手用手袋1Bを装着して、ゴルフクラブのグリップ部を把持した際に、直接素手でグリップ部を握ったときの感触に近似した感触を得ることができ、右手用手袋1Bを装着することによる違和感を低減することができる。
【0036】
その一方で、利き手である右手にも手袋を装着することで、ゴルフクラブのグリップ部との間に生じる摩擦を高めることができ、ゴルフクラブのグリップ部が手の中で滑り、回転することを抑制することができる。このように、利き手である右手にも手袋を装着することで、長いゴルフクラブに生じる遠心力によっても、グリップ部が滑ることを抑制することができ、さらに、ヘッドの大きいゴルフクラブにおいても、ヘッドスピードの増大を図ることができる。さらに、ヘッドを確実に返すことができ、打球の方向性の向上という効果を得ることができる。
【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
上記表2は、12人のモニター(装着者:20歳台〜50歳台の一般男性ゴルファー)が、左手のみにゴルフ用手袋を装着して打球した場合の初速と、両手にゴルフ用手袋を装着して打球した時のボールの初速とを比較した表である。また、表3は、12人のモニター(装着者:20歳台〜50歳台の一般男性ゴルファー)が、左手のみにゴルフ用手袋を装着して打球した場合と両手にゴルフ用手袋を装着して打球した時のゴルフクラブのヘッドスピードの変化を示した表であり、表4は、12人のモニター(装着者:20歳台〜50歳台の一般男性ゴルファー)が、左手のみにゴルフ用手袋を装着して打球した場合と両手にゴルフ用手袋を装着して打球した時の反発比(ボール初速VB/ヘッドスピードVH)の変化を示した表である。なお、この表2〜表4に用いられたゴルフ用手袋は、右手用手袋および左手用手袋を形成する皮革の厚みは同じものとされている。
【0041】
そして、この表2に示すように、両手にゴルフ用手袋を装着した方が、打球の初速が速くなることが分かる。また、表3に示すように、両手にゴルフ用手袋を装着した方が、ヘッドスピードの向上を図ることができることが分かる。そして、表4に示すように、両手にゴルフ用手袋を装着した方が、反発比が向上することが分かる。
【0042】
ここで、図1および図2に示すように、装着者の左手親指を受け入れる親指部10Aは、手甲部2Aと手掌部3Aとによって規定されている。
【0043】
装着者の左手人差指を受け入れる人差指部20Aは、手甲部2Aおよび手掌部3Aとは別体とされ、手甲部2Aの他の部分よりも薄肉とされた人差指部背面部320Aと、手掌部3Aおよび手甲部2Aとが縫着されることで規定されている。
【0044】
この人差指部背面部320Aは、装着者の左人差指の甲および少なくとも中指側の側面を覆うように設けられており、人差指部20Aの手甲側の付根部から人差指部20Aの先端部にまでに亘って延びている。
【0045】
この人差指部背面部320Aは、合成皮革によって形成されている。そして、人差指部背面部320Aは、右手用手袋1Bのうち、人差指部背面部320Aに対応する人差指部20Bの手甲部2B側の表面よりも0.08mm以上薄く形成されている。なお、人差指部背面部320Aは、手甲部2Aの他の部分よりも、0.08mm以上薄く形成されている。
【0046】
装着者の左手中指を受け入れる中指部30Aは、手甲部2Aと手掌部3Aと、中指部30Aの側面を規定するマチ材4A,5Aとを縫着することによって規定されている。
【0047】
装着者の左手薬指を受け入れる薬指部40Aは、手甲部2Aと手掌部3Aと、薬指部40Aの側面を規定するマチ材5A,6Aとを縫着することで規定されている。
【0048】
装着者の左手小指を受け入れる小指部50Aは、手甲部2Aと手掌部3Aと、小指部50Aの側面を規定するマチ材6Aとを縫着することで規定されている。
【0049】
そして、図3および図4において、装着者の右手親指を受け入れる親指部10Bは、手甲部2Bと手掌部3Bとに縫着することによって規定されている。
【0050】
装着者の右手人差指を受け入れる人差指部20Bは、手甲部2Bと手掌部3Bと、人差指部20Bの側面を規定するマチ材4Bとを縫着することによって規定されている。
【0051】
装着者の右手中指を受け入れる中指部30Bは、手甲部2Bと、手掌部3Bと、中指部30Bの両側面を規定するマチ材4B,5Bとを縫着することによって規定されている。
【0052】
装着者の右手薬指を受け入れる薬指部40Bは、手甲部2Bと、手掌部3Bと、中指部30Bの両側面を規定するマチ材5B,6Bとを縫着することによって規定されている。
【0053】
装着者の右手小指を受け入れる小指部50Bは、小指部当接部250Bと、手甲部2Bとを縫着することによって規定されている。
【0054】
小指部当接部250Bは、たとえば、人工皮革によって構成されている。この小指当接部250Bは、左手用手袋1Aと対応する小指部50Aの手掌部3A側の表面より薄く形成されており、たとえば、0.08mm以上薄く形成されている。この小指部当接部250Bは、小指部50Bの手掌側の付根部から小指部50Bの先端部まで延びており、さらに、小指部50Bの両側面を覆うように設けられている。なお、この小指当接部250Bは、手甲部2Bの厚みよりも厚く形成されている。
【0055】
上記のように構成されたゴルフ用手袋を用いて、右利きのプレーヤーがゴルフクラブのグリップ部を把持して打球する際に、グリップ時に右手の小指を左手の人差指の上に重ねたり、指きりげんまをするように絡めたりしたときに、右手用手袋1Bの小指部当接部250Bおよび左手用手袋1Aの人差指部背面部320Aのいずれもが薄く形成されているので、重なり部分が厚くなることが抑制されている。これにより、プレーヤーが重なり部分に違和感や、ごわつき感を感じることが抑制されている。なお、本実施の形態1においては、小指当接部250Bおよび人差指部背面部320Bのいずれもが設けられているが、少なくとも一方を設けることで、グリップ部を把持した際に、指の小指と人差指との交差部分におけるごわつきを低減することができ、プレーヤーが感じる違和感の低減を図ることができる。
【0056】
さらに、本実施の形態1においては、手掌部3Bの全面を、手掌部3Aの全面よりも薄く形成しているが、手掌部3Bと手掌部3Aの厚みを同じとする一方で、人差指部背面部320Aの厚み薄くするようにしてもよい。このようなゴルフ用手袋においては、少なくとも、プレーヤーがグリップ部を把持する際に、右手小指を左手人差指に絡める際に、小指と人差指との重なり部分に、ごわつき感を感じることを抑制することができる。なお、このようなゴルフ用手袋においては、人差指部背面部320Aの厚みは、手甲部2Aのうち、人差指部背面部320A以外の部分より、0.08mm以上薄く形成する。
【0057】
また、同様に、手掌部3Bと手掌部3Aの厚みを同じとする一方で、小指当接部250Bの厚みを手掌部3Aの対応する部分より薄くしてもよい。このようなゴルフ用手袋においても、同様に、右手小指を左手人差指に絡める際に、小指と人差指との重なり部分に、ごわつき感を感じることを抑制することができる。なお、このようなゴルフ用手袋においては、小指当接部250Bの厚みを、手掌部3Bのうち小指当接部250B以外の部分より、0.08mm以上薄くする。
【0058】
このように、本実施の形態1に係るゴルフ用手袋によれば、両手に手袋を装着することで、ヘッドスピードの増大や方向性の向上などを図ることができると共に、両手に手袋を装着してプレーする際における違和感を抑制することができる。
【0059】
そして、上記のように、右手用手袋1Bの手掌部3Bの全面を薄くする場合に限られず、特定の部位を薄くすることで、右手用手袋1Bの手掌部3Bの耐久性を持たせつつ、プレーヤーに違和感を与えることを抑制することができる。
【0060】
ここで、図4において、好ましくは、右手用手袋1Bの手掌部3Bのうち、斜線によって示された領域RBが位置する部分の厚みは、左手用手袋1Aの対応する部分よりも薄く形成されており、たとえば、0.08mm以上薄く形成する。なお、手掌部3Bのうち、領域RBが位置する部分は、他の部分よりも薄く形成されており、たとえば、0.08mm以上薄く形成されている。このように、プレーヤーの利き手が挿入される右手用手袋1Bの手掌部3Bの一部に、左手用手袋1Bの対応する部分より薄肉部を形成することで、プレーヤーが右手に違和感を感じることを抑制することができる。
【0061】
そして、領域RBは、境界線RL1から各人差指部20B、中指部30B、薬指部40Bおよび小指部50Bの先端部に亘って延びる薄肉領域RB1と、境界線RL2から親指部10Bの先端に亘って延びる薄肉領域RB2とを備えている。
【0062】
図5は、プレーヤーの右手の骨格を示す骨格図である。この図5において、各人差指、中指、薬指、小指においては、先端部側から末節骨171と、中節骨170と、基節骨169と、中手骨168とが配列している。末節骨171と中節骨170とは互いに第1指関節178を介して接続され、中節骨170と基節骨169とは指節間関節174を介して接続されている。基節骨169と中手骨168とは、中手指節関節175を介して接続されている。中手骨168の端部のうち、基節骨169側の先端部には、膨出部180が形成されている。
【0063】
親指においては、先端部側から末節骨171と、基節骨169と、中手骨168とが順次配列している。親指においては、末節骨171と基節骨169とは、指節間関節174を介して接続されており、基節骨169と中手骨168とは、中手指節関節175を介して接続されている。
【0064】
そして、図4に示す境界線RL1は、図5に示す各人差指と中指と薬指と小指の中手骨168の各膨出部180の付根部を通るように位置している。さらに、境界線RL2は、親指の指節間関節174上またはその近傍に位置してる。
【0065】
図6は、プレーヤーの右手(利き手)の手掌側の正面図である。この図6において、生命線310は、親指301の付根部から手首側に延びる紋線であり、感情線312は、小指305の付根部より手首側に位置する部分から中指303の付根部に向けて延びる紋線である。さらに、頭脳線311は、感情線312と生命線310との間に位置する紋線である。そして、図4に示す境界線RL1は、プレーヤーが右手用手袋1Bを装着した際に、境界線RL1は、感情線312と頭脳線311との間に位置する。さらに、境界線RL2は、親指301の指節間関節174上に位置する紋線上またはその近傍に位置している。
【0066】
そして、薄肉領域RB1は、上記のように位置する境界線RL1から各人差指、中指、薬指、小指の先端部にまで延び、薄肉領域RB2は、境界線RL2から親指の先端部にまで延びている。
【0067】
当該、薄肉領域RB1および薄肉領域RB2は、プレーヤーがゴルフクラブのグリップ部を把持した際に、右手の手掌がグリップ部と当接し、面圧がかかる部分である。このため、薄肉領域RB1および薄肉領域RB2を他の部分よりも薄肉に形成することで、素手でグリップ部を把持したときと同様の感触を得ることができる。これにより、右手に右手用手袋1Bを装着した際においても、違和感を感じることなくゴルフをプレーすることができる。さらに、他の部分を厚肉に形成することで、右手用手袋1Bの手掌部3Bの耐久性を確保することができる。
【0068】
上記のように、右手用手袋1Bにおいて、領域RBが薄い場合について説明したが、これに限られない。図4および図5において、手掌部3Bの主部WB(図4において、二点鎖線によって示された領域)は、プレーヤーの右手のうち、親指、人差指、中指、薬指、小指の中手骨168が位置する中手部および豆状骨160、三角骨161、有鈎骨162、有頭骨163、月状骨164、舟状骨165、大菱形骨166および小菱形骨167が位置する手根部に当接する。すなわち、主部WBは、手掌部3Bのうち、各親指部10B、人差指部20B、中指部30B、薬指部40Bおよび小指部50Bの各付根部から、右手用手袋1Bの手首挿入口に亘って、位置している。そして、同様に、図2に示す手掌部3Aの主部WAも、プレーヤーの左手のうち、親指、人差指、中指、薬指、小指の中手骨が位置する中手部および豆状骨、三角骨、有鈎骨、有頭骨、月状骨、舟状骨、大菱形骨および小菱形骨が位置する手根部に当接する。このため、この主部WAも、同様に、手掌部3Aのうち、各親指部10A、人差指部20A、中指部30A、薬指部40Aおよび小指部50Aの各付根部から、左手用手袋1Aの手首挿入口に亘って、位置している。そして、右手手袋1Bの主部WBの厚みを、左手手袋1Aの主部WAの厚みよりも、0.08mm以上薄くすると共に、上記小指当接部250Bおよび人差指部背面部320Aを設けるようにしてもよい。このように、各左手用手袋1Bおよび右手用手袋1Aを構成することで、右手用手袋1Bを装着することによる違和感の低減を図ることができる。
【0069】
さらに、上述のように、主部WBの全面を主部WAの全面より薄くする場合に限られず、主部WBの一部を対応する主部WAの部分よりも薄くしてもよい。特に、図4に示すように、主部WBのうち、各親指部10B、人差指部20B、中指部30B、薬指部40Bおよび小指部50Bの各付根部から、境界線RL1までに亘って位置する主部薄肉部WCを、手掌部3Aの対応する部分より薄く形成するのが好ましい。この主部薄肉部WCは、ゴルフクラブのグリップ部を把持した際に、グリップ部と当接する部分であり、薄くすることで、プレーヤーが素手で握ったときの感覚に近づけることができる。
【0070】
ここで、本実施の形態1においては、上述のように、小指当接部250Bや人差指部背面部320Aが設けられているが、このような小指当接部250Bや人差指部背面部320Aを設けず、手掌部3Bの少なくとも一部を手掌部3Aの対応する部分よりも、薄くしてもよい。この場合には、手掌部3Bのうち、手掌部3Aよりも薄くした手掌部薄肉部は、手掌部3Bの他の部分より、0.08mm以上薄く形成する。
【0071】
図7は、プレーヤーの左手(利き手と反対側の手)が挿入される左手用手袋1Aの手甲部2Aおよび手掌部3Aの主要部を構成する本体パーツ90Aを示す図である。
【0072】
この図7に示すように、手甲部2Aは、中指の甲側を覆う中指部背面部330Aと、薬指の甲側を覆う薬指部背面部340Aと、小指の甲側を覆う小指部背面部350Aとを備えている。
【0073】
そして、手掌部3Aは、人差指の手掌側を覆う人差指部当接部220Aと、中指の手掌側を覆う中指部当接部230Aと、薬指の手掌側を覆う薬指部当接部240Aと、小指の手掌側を覆う小指部当接部250Aとを備えている。そして、図8は、人差指の手甲側および側面を覆う人差指部背面部320Aの正面図である。この図8に示すように、人差指部背面部320Aは、人差指の手甲側を覆う甲部321Aと、人差指の中指側の側面を覆う側面部322Aとを備えている。
【0074】
この人差指部背面部320Aは、手甲部2Aのうち、中指部背面部330Aと隣り合う部分に縫着されると共に、人差指部当接部220Aにも縫着されることで、人差指部当接部220Aと協働して、左手人差指を受け入れる人差指部20Aを規定する。
【0075】
このように、図2に示す人差指部20Aの側面のうち、中指部30Aと反対側の側面には、マチ材がなく、人差指部20Aを右手の小指部50Bに引っ掛ける際に、人差指部20Aと小指部50Bとの間にごわつき等の違和感が生じることを抑制することができる。
【0076】
すなわち、他の指部と同様に、人差指部20Aの両側面にマチ材を縫着して指部を規定した場合には、指部の1つの側面にそれぞれ2箇所の縫着部が位置することになり、小指部50Bに引っ掛けた際に、ごわつき等の違和感が生じやすいが、上記のように人差指部20Aを構成することで、縫着箇所の低減を図ることができ、違和感の低減を図ることができる。なお、人差指部背面部320Aは、人工皮革から形成されているため、延びを確保することができ、人差指を良好に屈曲させることができる。
【0077】
図9は、中指部30Aの側面に縫着されるマチ材4Aの正面図であり、図10は、中指部30Aから薬指部40Aに亘って延びるマチ材5Aの正面図である。さらに、図11は、薬指部40Aから小指部50Aに亘って延びるマチ材6Aの正面図である。
【0078】
ここで、マチ材4Aは、人差指部20A側から図7に示す中指部当接部230Aと中指部背面部330Aとに縫着される。
【0079】
さらに、図10において、一対のマチ材から構成されたマチ材5Aのうち、一方のマチ材が、薬指部40A側から中指部当接部230Aおよび中指部背面部330Aに縫着され、マチ材4A、5A、中指部当接部230Aおよび中指部背面部330Aとによって、中指部30Aが規定される。さらに、薬指部40Aは、マチ材5Aおよびマチ材6Aを薬指部当接部240Aおよび薬指部背面部340Aに縫着することで規定されている。また、小指部50Aは、薬指部40A側からマチ材6Aが小指部当接部250Aと小指部背面部350Aとに縫着され、さらに、他方の側面側においては、小指部当接部250Aと小指部背面部350Aとが縫着されることで、規定されている。
【0080】
なお、図12は、親指部10Aの展開図であり、親指部10Aを手掌部3Aに縫着することで、左手用手袋1Aの大部分が構成される。
【0081】
図13は、プレーヤーの右手(利き手)が挿入される右手用手袋1Bの手甲部2Bおよび手掌部3Bの主要部を構成する本体パーツ90Bを示す図である。
【0082】
この図13に示すように、手甲部2Bは、人差指の甲側を覆う人差指部背面部320Bと、中指の甲側を覆う中指部背面部330Bと、薬指の甲側を覆う薬指部背面部340Bと、小指の甲側を覆う小指部背面部350Bとを備えている。
【0083】
手掌部3Bは、人差指の手掌側を覆う人差指部当接部220Bと、中指の手掌側を覆う中指部当接部230Bと、薬指の手掌側を覆う薬指部当接部240Bとを備えている。
【0084】
そして、図14は、小指を覆う小指部当接部250Bの正面図であり、この小指部当接部250Bは、小指を手掌側から覆う掌部252Bと、小指の薬指側の側面を覆う側面部251Bとを備えている。
【0085】
そして、小指部50Bは、小指部当接部250Bと小指部背面部350Bと縫着することで、小指を受け入れ可能な小指部50Bを規定している。
【0086】
このように、この小指部50Bにおいても、各側面に形成される縫着部を1箇所とすることで、左手用手袋1Aの人差指部20Aに、右手用手袋1Bの小指部50Bを引っ掛ける際に、人差指部20Aと小指部50Bとの間でごわつき等の違和感が生じることを抑制することができる。
【0087】
すなわち、小指部当接部250Bがマチ材としての側面部251Bを備えているため、小指部50Bの側面に形成される縫着部の数を低減することで、違和感の低減が図られている。
【0088】
さらに、図15から図17は、右手用手袋1Bに設けられるマチ材4B,5B,6Bの各正面図であり、図15に示すマチ材143B(4B)と、人差指部当接部220Bと人差指部背面部320Bとが縫着されることで、人差指部20Bが規定される。
【0089】
さらに、図15および図16に示すマチ材142B(4B),154B(5B)と、中指部当接部230Bと中指部背面部330Bとが縫着されることで、中指部30Bが規定されている。そして、図16および図17に示すマチ材153B(5B),6Bと、薬指部当接部240Bと薬指部背面部340Bとが縫着されることで、薬指部40Bが規定されている。
【0090】
このように、小指部50Bの各側面には、縫着部がそれぞれ1箇所とされ、他の人差指部20B、中指部30Bおよび薬指部40Bの各側面には、2箇所の縫着部が形成されており、小指部50Bの側面に形成される縫着部の数は、他の指部よりも少ない。
【0091】
これにより、人差指部20Aと小指部50Bとを引っ掛ける際に、ごわつき等の違和感をプレーヤーが感じることが抑制されている。図18は、右手用手袋1Bの親指部10Bの展開図であり、この親指部10Bを図13に示す手掌部3Bに縫着することで、右手用手袋1Bの大部分が構成される。
【0092】
(実施の形態2)
図19から図22を用いて、本実施の形態2に係るゴルフ用手袋501について説明する。図19は、本実施の形態2に係るゴルフ用手袋501のうち、左手用手袋501Aの手掌部503Aにおける内表面側の展開図であり、図20は、左手用手袋501Aの親指部510Aの内表面側の展開図である。さらに、図21は、右手用手袋501Bの手掌部503Bの内表面側の展開図であり、図22は、右手用手袋501Bの親指部510Bの内表面側の展開図である。
【0093】
これら、図19から図22に示されるように、本実施の形態2に係るゴルフ用手袋501は、左手用手袋501Aのうち、左手と当接する内表面に形成された左手用滑り止部801Aと、右手用手袋501Bのうち、右手と当接する内表面に形成された右手用滑り止部801Aとを備えている。
【0094】
このため、プレーヤーが左手用手袋501Aおよび右手用手袋501Bのいずれも装着して、ゴルフクラブをスイングしたり、打球したりする際に、プレーヤーの各手と、左手用手袋501Aおよび右手用手袋501Bの内表面との間で滑りが生じることを抑制することができる。
【0095】
これにより、単純にゴルフ用手袋を両手にはめるより場合よりも、更にグリップ力を向上させることができ、遠心力に対して滑りにくくすることができ、ヘッドスピード等の向上を図ることができる。さらに、大型ヘッドでも返しやすくなり、また、打点がばらついた時にもグリップ部のズレを防止でき、ロスを防げ、トータルとして飛距離をのばすことができる。
【0096】
ここで、左手用手袋501Aは、手掌部503Aと、手甲部502Aとを備えている。そして、この手掌部503Aおよび手甲部502Aによって、利き手(本実施の形態2においては、右手)と反対側の手(本実施の形態2においては、左手)の各指を受け入れ可能な親指部10Aと、人差指部20Aと、中指部30Aと、薬指部40Aと、小指部50Aと、手首が挿入される手首挿入部900Aとを備えている。なお親指部10Aは、図20に示す親指部510Aを手掌部503Aに縫着することで規定されている。
【0097】
そして、手掌部503Aは、図5において、左手の中手骨が位置する中手部および、豆状骨と三角骨と有鈎骨と有頭骨と月状骨と舟状骨と小菱形骨とが位置する手根部とに当接する主部WAを備えている。
【0098】
さらに、手掌部503Aは、人差指部当接部520Aと、中指部当接部530Aと、薬指部当接部540Aと、小指当接部550Aとを備えており、それぞれ、手甲部502Aに形成された人差指部背面部と、中指部背面部と、薬指部背面部と、小指部背面部と協働して、人差指部20Aと中指部30Aと薬指部40Aと小指部50Aとを規定している。左手の手首が挿入される手首挿入部900Aは、手掌部503Aの挿入部当接部901と、手甲部502Aの挿入部背面部902Aとによって規定されている。
【0099】
そして、手掌部503Aの表面のうち、左手と当接する内表面には、左手用滑り止部801Aが形成されている。
【0100】
この左手用滑り止部801Aは、中指部当接部530Aと、薬指部当接部540Aと小指当接部550Aとの内表面上に形成された中節骨用滑り止部731A、741A、751Aと、基骨用滑り止部732A、742A、752Aと、各中指部当接部530A、薬指部当接部540A、小指当接部550Aの各付根部に亘って延びる付根部滑り止部790Aと、主部WAに形成された主部滑り止部791Aと、親指部用滑り止部802Aとを備えている。
【0101】
ここで、図19および図6において、中節骨用滑り止部731A、741A、751Aは、左手の中指、薬指、小指の中節骨170が位置する部分に設けられている。さらに、基骨用滑り止部732A、742A、752Aは、左手の中指、薬指、小指の各基節骨169が位置する部分に設けられている。
【0102】
さらに、付根部滑り止部790Aは、左手の中指、薬指、小指の中手骨168の膨出部180が位置する部分に設けられている。主部滑り止部791Aは、付根部滑り止部790Aより、手首挿入部900A側に位置する部分から、手首挿入部900A側に延びている。具体的には、主部滑り止部791Aは、図5に示す薬指および小指における中手骨168の膨出部180の付根部から、中手骨168の手根部側端部に亘って延びている。
【0103】
すなわち、左手用滑り止部801Aは、手掌部503Aのうち、左手用手袋1A内に挿入された左手の掌の人差し指の付根(図6における中手指節関節175)から手首の幅方向(尺骨172と橈骨173の配列方向)中央部を結ぶ仮想直線より、小指側に位置する部分と、親指部10Aとに形成されている。
【0104】
換言すると、左手用滑り止部801Aは、手掌部503Aのうち、左手の生命線よりも小指側に位置する部分と、親指部10Aのうち、図5に示す指節間関節174より先端部側に位置する部分とに形成されている。
【0105】
そして、主部滑り止部791Aは、付根部滑り止部790側から挿入部当接部901A側に亘って形成されている。
【0106】
このように、左手用滑り止部801Aは、中指部当接部530Aと、薬指部当接部540Aと、小指当接部550Aとの先端部から、挿入部当接部901A側にまで断続的に形成されている。このように、左手用滑り止部801Aが形成された部分は、プレーヤーがゴルフクラブのグリップ部を把持した際に、左手用手袋501Aとグリップ部とが当接する領域であって、当該部分の内表面に左手用滑り止部801Aを設けることで、左手と左手用手袋501Aとの間で滑りが生じることを抑制することができる。
【0107】
ここで、人差指部当接部520Aには、滑り止部が形成されていないため、グリップ部を把持する際には、人差指部当接部520Aと、右手用手袋501Bの小指部50Bとゆびきりげんまをするように絡めたりする際に、小指部50Bとの重なり部分がごわつくことを抑制することができる。図20において、親指部510Aは、親指部当接部511Aと、親指部背面部512Aとを備えており、親指部用滑り止部802Aは、親指部当接部511Aの先端部側に形成されている。
【0108】
図21において、右手用手袋501Bは、手掌部503Bと手甲部502Bとを備え、右手の各指を受け入れ可能な親指部10Bと、人差指部人差指部20Bと、中指部30Bと、薬指部40Bと小指部50Bと、右手の手首が挿入される手首挿入部900Bとを備えている。
【0109】
そして、手掌部503Bは、右手の中手部および主根部とに当接する主部WBを備えている。さらに、手掌部503Bは、主部WBに連設され、人差指部当接部520Bと、中指部当接部530Bと、薬指部当接部540Bと、小指当接部550Bとを備えており、それぞれ、手甲部502Bに形成された人差指部背面部と、中指背面部と、薬指部背面部と、小指部背面部と協働して、人差指部20Bと中指部30Bと薬指部40Bと小指部50Bとを規定する。手首挿入部900Bは、手掌部503Bに設けられた挿入部当接部901Bと、手甲部502Bに形成された挿入部当接部901Bとを備えている。そして、手掌部503Bの内表面には、右手用滑り止部801Bが形成されている。
【0110】
右手用滑り止部801Bは、人差指部当接部520Bと、中指部当接部530Bと、薬指部当接部540Bとに形成された、末節骨用滑り止部720B,730B,740Bと、中節骨用滑り止部721B,731B,741Bと、付根部滑り止部790Bと、親指部用滑り止部802Bとを備えている。
【0111】
末節骨用滑り止部720B,730B,740Bは、右手の人差指と中指と薬指の末節骨が位置する部分に設けられている。さらに、中節骨用滑り止部721B,731B,741Bは、右手の人差指と中指と薬指の中節骨が位置する部分に設けられている。
【0112】
そして、付根部滑り止部790Bは、各人差指と中指と薬指の基節骨が位置する部分および、各人差指と中指と薬指との中手骨の膨出部が位置する部分に亘って形成されている。そして、手掌部503Bのうち、中手骨の膨出部が位置する部分より、手首挿入部900B側に位置する部分には、右手用滑り止部801Bは形成されておらず、手掌部503Aの表面が露出している。
【0113】
このように、右手用滑り止部801Bは、各人差指、中指、薬指の先端部から、各人差指、中指、薬指の中手骨の膨出部にまで亘って断続的に形成されている。この右手用滑り止部801Bが形成された領域は、プレーヤーがグリップ部を把持した際に、大きな面圧がかかる領域であり、このような部分に右手用滑り止部801Bを形成することで、右手と右手用手袋501Bとの間で滑りが生じることを抑制することができる。
【0114】
すなわち、ゴルフクラブのグリップ部を把持した際に、手掌部503Bに大きな面圧が生じる領域は、手掌部503Aに大きな面圧が生じる領域よりも、各中指部人差指部20B、中指部30B等の先端部側に位置する。
【0115】
右手用滑り止部801Bは、中手骨の膨出部が位置する部分から先端部側にのみ形成されており、左手用滑り止部801Aは、中手骨の膨出部が位置する部分から指の先端部側および中手骨の膨出部が位置する部分から挿入部当接部901A側のいずれにも形成されている。
【0116】
このように、右手用滑り止部801Bは、手掌部503Bのうち、大きな面圧が生じる領域に形成されているため、右手と右手用手袋501Bとの間で滑りが生じることを抑制することができる。さらに、中手骨の膨出部から挿入部当接部901B側に位置する部分には形成されておらず、プレーヤーが右手用手袋501Bを装着した際に、右手用滑り止部801Bが形成されていることにより感じる違和感の低減を図ることができる。
【0117】
ここで、右手用滑り止部801Bは、小指当接部550Bの内表面にも形成されていない。この小指当接部550Bは、グリップ部を把持した際に、大きな面圧が生じる領域ではない。このため、当該領域に右手用滑り止部801Bを設けないことにより、左手用手袋501Aの人差指部20Aに、右手用手袋501Bの小指部50Bを絡める際に、プレーヤーが感じる違和感を低減することができる。
【0118】
図22において、親指部510Bは、親指部当接部511Bと、親指部背面部512Bとを備えており、親指部当接部511Bの内表面に、親指部用滑り止部802Bが形成されている。
【0119】
ここで、プレーヤーがゴルフクラブを把持してスイング、打球する際に、親指部当接部511Aに加えられる面圧よりも、親指部当接部511Bに加えられる面圧の方が小さい。これは、一般的に、プレーヤーがグリップ部を把持する際に、右手の親指は、グリップ部と右手の人差指によって挟まれるようになる。その一方で、左手の親指は、グリップ部上に置かれるため、スイング時や打球時に、左手の親指にかかる面圧は、右手の親指よりも大きくなる。
【0120】
このため、親指部用滑り止部802Bの面積よりも、親指部用滑り止部802Aの面積が大きくなっており、左手の親指と、親指部510Aとが滑ることを抑制することができると共に、右手の親指と、親指部用滑り止部802Bとの接触面積を小さくすることで、プレーヤーが感じる違和感を低減することができる。
【0121】
そして、プレーヤーがグリップ部を把持する際に、右手側の親指は、グリップ部と右手の人差指によって挟まれるようになるため、親指部用滑り止部802Bは、親指部10Bの両側面のうち、人差指部20側の側面側に近接した位置に形成されている。
【0122】
すなわち、図22において、親指部当接部511Bと親指部背面部512Bとの折り返し部600よりも、親指部当接部511Bの側辺部側に近接している。上記のように構成された左手用滑り止部801Aおよび右手用滑り止部801Bは、ゴム系、シリコン系、ウレタン系、アクリル系樹脂等が用いられている。
【0123】
そして、上記のような左手用滑り止部801A,右手用滑り止部801Bによって、グリップ力が上がり、遠心力に対して滑りにくくなり、ヘッドスピードが上がる。さらに、大型ヘッドでも返しやすくなり、また、打点がばらついた時にもグリップ内でのズレが防止できロスが防げ、トータルとして飛距離が延びる。
【0124】
下記表5は、滑り止めを掌側に付けた両手手袋におけるVB(ボール初速)と滑り止めが形成されていない片手手袋におけるVB(ボール初速)との比較データ(20歳台〜50歳台の一般男性ゴルファー)を示す表である。さらに、下記表6は、滑り止めを掌側に付けた両手手袋におけるVH(ヘッドスピード)と滑り止めが形成されていない片手手袋におけるVH(ヘッドスピード)との比較データ(20歳台〜50歳台の一般男性ゴルファー)を示す表である。
【0125】
また、下記表7は、滑り止めを掌側に付けた両手手袋における反発比と、滑り止めが形成されていない片手手袋における反発比との比較データ(20歳台〜50歳台の一般男性ゴルファー)を示す表である。
【0126】
【表5】

【0127】
【表6】

【0128】
【表7】

【0129】
上記表5から表7に示されるように、滑り止めを掌側に付けた両手手袋を装着して、打球した場合の方が、滑り止めが形成されていない手袋を片手(左手)に装着した場合よりも、ボール初速、ヘッドスピードが速くなり、反発比が向上することが分かる。
【0130】
下記表8は、内表面に滑り止部が形成されたゴルフ用手袋(本実施の形態2に係るゴルフ用手袋)を両手に装着した場合におけるボール初速と、内表面に滑り止部が形成されていないゴルフ用手袋を両手に装着した場合におけるボール初速とを比較したデータである。
【0131】
【表8】

【0132】
この表8に示されるように、左手用滑り止部801Aおよび右手用滑り止部801Bを備えた本実施の形態2に係るゴルフ用手袋をはめて打球した場合の方が、ボール初速が速いことが分かる。そして、下記表9は、内表面に滑り止部が形成されたゴルフ用手袋(本実施の形態2に係るゴルフ用手袋)を両手に装着した場合におけるヘッドスピードと、内表面に滑り止部が形成されていないゴルフ用手袋を両手に装着した場合におけるヘッドスピードを比較したときのデータである。
【0133】
【表9】

【0134】
上記表9に示されるように、本実施の形態に係るゴルフ用手袋を右手および左手に装着した場合の方が、ヘッドスピードが向上することが分かる。すなわち、本実施の形態2に係るゴルフ用手袋のように、左手用手袋501Aおよび右手用手袋501Bの手掌部503A,503B内に左手用滑り止部801Aおよび右手用滑り止部801Bを形成することで、ボール初速およびヘッドスピードの向上を図ることができることが分かる。
【0135】
なお、本実施の形態2においては、各中節骨用滑り止部731A、741A、751A、721B,731B,741Bと、付根部滑り止部790A、790Bと、基骨用滑り止部732A、742A、752Aと、主部WAに形成された付根部滑り止部790Aと、親指部用滑り止部802A、802Bとは、それぞれ一体の樹脂部から構成されているが、これに限られない。
【0136】
たとえば、斑点状、小粒状の樹脂部を間隔をあけつつも、集合状態とすることで、各中節骨用滑り止部731A、741A、751A、721B,731B,741B等を構成するようにしてもよい。このように、斑点状、小粒状の樹脂部を集合させて規定することにより、小粒状の樹脂部間の隙間から汗や雨などの水分が外部に排出され、プレーヤーの手と、ゴルフ用手袋との間で滑りが生じることを抑制することができる。
【0137】
特に、この斑点状、小粒状の樹脂部を平面視した際に、六角形などの多角形形状とすることで、プレーヤーの手が引掛り易くなり、手とゴルフ用手袋との間で滑りが生じることを抑制することができる。なお、本実施の形態2に係るゴルフ用手袋においても、左手用滑り止部801Aおよび右手用滑り止部801Bを薄く形成して、プレーヤーに与える違和感の低減を図るのが好ましい。
【0138】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。さらに、上記数値などは、例示であり、上記数値および範囲にかぎられない。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、ゴルフ用手袋に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施の形態1に係るゴルフ用手袋のうち、左手用手袋を手の甲側から見た状態を示す図である。
【図2】左手用手袋を手掌側から見た状態を示す図である。
【図3】右手用手袋を手の甲側から見た状態を示すである。
【図4】右手用手袋を手掌側から見た図である。
【図5】プレーヤーの右手の骨格を示す骨格図である。
【図6】プレーヤーの右手の手掌側の正面図である。
【図7】左手用手袋の手甲部および手掌部の主要部を構成する本体パーツを示す図である。
【図8】人差指の手甲側および側面を覆う人差指部背面部の正面図である。
【図9】中指部の側面に縫着されるマチ材の正面図である。
【図10】中指部から薬指部に亘って延びるマチ材の正面図である。
【図11】薬指部から小指部に亘って延びるマチ材の正面図である。
【図12】薬指部から小指部に亘って延びるマチ材の正面図である。
【図13】右手用手袋の手甲部および手掌部の主要部を構成する本体パーツを示す図である。
【図14】小指を覆う小指部当接部の正面図である。
【図15】マチ材の正面図である。
【図16】マチ材の正面図である。
【図17】マチ材の正面図である。
【図18】右手用手袋の親指部の展開図である。
【図19】本実施の形態2に係るゴルフ用手袋のうち、左手用手袋の手掌部における内表面側の展開図である。
【図20】左手用手袋の親指部の内表面側の展開図である。
【図21】右手用手袋の手掌部の内表面側の展開図である。
【図22】右手用手袋の親指部の展開図である。
【符号の説明】
【0141】
1B 右手用手袋、1A 左手用手袋、2A,2B 手甲部、3A,3B 手掌部、4B,5B,6B マチ材、10A,10B 親指部、20A,20B 人差指部、30A,30B 中指部、40A,40B 薬指部、50A,50B 小指部、90A、90B 本体パーツ、168 中手骨、169 基節骨、170 中節骨、171 末節骨、174 指節間関節、175 中手指節関節、178 指関節、180 膨出部、220A,220B 人差指部当接部、230A,230B 中指部当接部、240A,240B 薬指部当接部、250A,250B 小指部当接部、310 生命線、311 頭脳線、312 感情線、320A,320B 人差指部背面部、321A 甲部、322A 側面部、330A,330B 中指部背面部、340A,340B 薬指部背面部、350A,350B 小指部背面部,RB1,RB2 薄肉領域、RL1,RL2 境界線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の利き手を受け入れ可能な第1手袋(1B)と、
装着者の他方の手を受け入れ可能な第2手袋(1A)との双方を備え、
前記第1手袋(1B)と前記第2手袋(1A)とが非対称とされた、ゴルフ用手袋。
【請求項2】
前記第1手袋(1B)は、前記利き手の掌に当接する第1手掌部(3B)と、前記利き手の甲に当接する第1手甲部(2B)とを含み、
前記第2手袋(1A)は、前記他方の手の掌に当接する第2手掌部(3A)と、前記他方の手の甲に当接する第2手甲部とを含み、
前記第1手掌部(3B)の少なくとも一部は、前記第2手掌部(3A)の対応する部分より薄くされた手掌部薄肉部を有する、請求項1に記載のゴルフ用手袋。
【請求項3】
前記第1手袋(1B)は、前記利き手の掌に当接する第1手掌部(3B)と、前記利き手の甲に当接する第1手甲部(2B)と、第1手掌部(3B)および第1手甲部(2B)によって規定され、前記利き手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第1親指部(10B)、第1人差指部(20B)、第1中指部(30B)、第1薬指部(40B)および第1小指部(50B)を含み、
前記第2手袋(1A)は、前記他方の手の掌に当接する第2手掌部(3A)と、前記他方の手の甲に当接する第2手甲部(2A)と、前記第2手掌部(3A)および第2手甲部(2A)によって規定され、前記他方の手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第2親指部(10A)、第2人差指部(20A)、第2中指部(30A)、第2薬指部(40A)および第2小指部(50A)を含み、
前記第1手袋(1B)の前記第1小指部(50B)の第1手掌部側に位置し、前記第1手掌部(3B)の他の部分あるいは前記第2手袋(1A)の対応する部分よりも薄肉とされた小指部薄肉部と、前記第2手袋(1A)の前記第2人差指部(20A)の第2手甲部側に位置し、前記第2手甲部(2A)の他の部分あるいは前記第1手袋(1B)の対応する部分よりも薄肉とされた人差指部薄肉部との少なくとも一方を備えた、請求項1または請求項2に記載のゴルフ用手袋。
【請求項4】
前記第1手袋(1B)は、前記利き手の掌に当接する第1手掌部(3B)と、前記利き手の甲に当接する第1手甲部(2B)と、前記第1手掌部(3B)と前記第1手甲部(2B)とによって規定され、前記利き手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第1親指部(10B)、第1人差指部(20B)、第1中指部(30B)、第1薬指部(40B)および第1小指部(50B)を備え、前記第1手掌部(3B)は、前記利き手の中手部および手根部に当接する第1主部(WB)を含み、
前記第2手袋(1A)は、前記他方の手の掌に当接する第2手掌部(3A)と、前記他方の手の甲に当接する第2手甲部と、前記第2手掌部(3A)と前記第2手甲部とによって規定され、前記他方の手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第2親指部(10A)、第2人差指部(20A)、第2中指部(30A)、第2薬指部(40A)および第2小指部(50A)とを備え、前記第2手掌部(3A)は、前記他方の手の中手部および手根部に当接する第2主部(WA)を含み、
前記第1小指部(50B)の前記第1手掌部(3B)側に位置し、前記第1手掌部(3B)の他の部分あるいは前記第2手袋(1A)の対応する部分よりも薄肉とされた小指部薄肉部と、前記第2手袋(1A)の前記第2人差指部(20A)の第2手甲部側に位置し前記第2手甲部(2A)の他の部分あるいは前記第1手袋(1B)の対応する部分よりも薄肉とされた人差指部薄肉部との少なくとも一方と、
前記第1主部(WB)の少なくとも一部に形成され、前記第2主部(WA)の対応する部分よりも薄肉に形成された主部薄肉部とを備えた、請求項1から請求項3のいずれかに記載のゴルフ用手袋。
【請求項5】
前記第1手掌部(3B)は、前記第1手袋(1B)内に挿入された前記利き手のうち、人差指、中指、薬指および小指の中手骨の膨出部の付根部に位置する部分から前記第1人差指部(20B)、第1中指部(30B)、第1薬指部(40B)および第1小指部(50B)の先端部に亘って延びる第1薄肉領域(RB1)と、
親指の指節間関節に位置する部分から前記親指部の先端部に亘って延びる第2薄肉領域(RB2)とを含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載のゴルフ用手袋。
【請求項6】
前記手掌部薄肉部は、前記第2手掌部(3A)の対応する部分より、0.08mm以上薄くされた、請求項2に記載のゴルフ用手袋。
【請求項7】
前記小指部薄肉部は、前記第1手掌部(3B)の他の部分あるいは前記第2手掌部(3A)の対応する部分より0.08mm以上薄くされた、請求項3または請求項4に記載のゴルフ用手袋。
【請求項8】
前記人差指部薄肉部は、前記第1手甲部(2B)の対応する部分あるいは前記第2手甲部の他の部分より0.08mm以上薄くされた、請求項3または請求項4に記載のゴルフ用手袋。
【請求項9】
前記主部薄肉部は、前記第2主部(WA)の対応する部分よりも、0.08mm以上薄くされた、請求項4に記載のゴルフ用手甲袋。
【請求項10】
前記第1手袋(1B)は、前記利き手の掌に当接する第1手掌部(3B)と、前記利き手の甲に当接する第1手甲部(2B)と、前記第1手掌部(3B)のうち、前記利き手と当接する内表面に形成された第1滑り止部(801B)とを含み、
前記第2手袋(1A)は、前記他方の手の掌に当接する第2手掌部(3A)と、前記他方の手の甲に当接する第2手甲部と、前記第2手掌部(3A)のうち、前記他方の手と当接する内表面に形成された第2滑り止部(801A)とを含む、請求項1から請求項9のいずれかに記載のゴルフ用手袋。
【請求項11】
前記第1手袋(1B)は、前記利き手の各指をそれぞれ受け入れ可能な第1指部と、前記利き手の手首が挿入される第1手首挿入部(900B)を含み、
前記第2手袋(1A)は、前記他方の手の各指のそれぞれを受け入れ可能な第2指部と、前記他方の手の手首が挿入される第2手首挿入部(900A)を含み、
前記第1滑り止部(801B)は、前記第1手掌部の先端部から前記第1指部の付根部にまで連続的または断続的に延び、前記第2滑り止部(801A)は、前記第2手掌部の先端部側から前記第2手首挿入部(900A)側にまで連続的または断続的に延びる、請求項10に記載のゴルフ用手袋。
【請求項12】
前記第1指部は、前記利き手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第1親指部(10B)、第1人差指部(20B)、第1中指部(30B)、第1薬指部(40B)および第1小指部(50B)を含み、
前記第2指部は、前記他方の手の親指、人差指、中指、薬指および小指の各指をそれぞれ受け入れる第2親指部(10A)、第2人差指部(20A)、第2中指部(30A)、第2薬指部(40A)および第2小指部(50A)を含み、
前記第1滑り止部(801B)は、前記第1親指部(10B)、前記第1人差指部(20B)、前記第1中指部(30B)、前記第1薬指部(40B)に形成され、
前記第2滑り止部(801A)は、前記第2親指部(10A)、前記第2中指部(30A)、前記第2薬指部(40A)および前記第2小指部(50A)に形成された、請求項11に記載のゴルフ用手袋。
【請求項13】
前記第1滑り止部(801B)のうち、前記第1親指部(10B)に形成された部分の面積は、前記第2滑り止部(801A)のうち、前記第2親指部(10A)に形成された部分の面積よりも大きい、請求項12に記載のゴルフ用手袋。
【請求項14】
前記第1滑り止部(801B)のうち、前記第1親指部(10B)に形成された部分は、前記第1親指部(10B)の前記利き手と当接する内表面のうち、前記第1人差指部(20B)側の側面に対して反対側に位置する側面より、前記第1人差指部(20B)側の側面に近接する、請求項12または請求項13に記載のゴルフ用手袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−22389(P2009−22389A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−186233(P2007−186233)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000005935)美津濃株式会社 (239)