ゴルフ靴
【課題】防滑性能に優れたゴルフ靴の提供。
【解決手段】ゴルフ靴の軸足用靴10は、アウトソール22を備えている。このアウトソール22は、多数の突起26を備えている。このアウトソール22は、下記の数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、PiはインサイドゾーンZiにおける接地面の占有率であり、PcはセンターゾーンZcにおける接地面の占有率であり、PoはアウトサイドゾーンZoにおける接地面の占有率である。比(Pi/Pc)は、1.2以上4.0以下である。比(Pc/Po)は、1.0以上3.0以下である。蹴足用靴は、軸足用靴10の形状が反転した形状を有する。
【解決手段】ゴルフ靴の軸足用靴10は、アウトソール22を備えている。このアウトソール22は、多数の突起26を備えている。このアウトソール22は、下記の数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、PiはインサイドゾーンZiにおける接地面の占有率であり、PcはセンターゾーンZcにおける接地面の占有率であり、PoはアウトサイドゾーンZoにおける接地面の占有率である。比(Pi/Pc)は、1.2以上4.0以下である。比(Pc/Po)は、1.0以上3.0以下である。蹴足用靴は、軸足用靴10の形状が反転した形状を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ靴に関する。詳細には、本発明は、ゴルフ靴のアウトソールの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルファーがゴルフボールを打撃するとき、左右の爪先を結ぶ線が打撃方向とほぼ平行となるようにアドレスする。右利きのゴルファーのアドレスでは、左足が打撃方向前側に位置し、右足が打撃方向後側に位置する。アドレスでは、ゴルフクラブのヘッドはゴルフボールの近くに位置する。この状態からゴルファーはテイクバックを開始し、ヘッドを後へ、次いで上方へと振り上げる。最もヘッドが振り上げられた位置がトップ位置である。トップ位置からダウンスイングが開始されてヘッドが振り下ろされ、ヘッドがゴルフボールと衝突する(インパクト)。インパクト後、ゴルファーはゴルフクラブを前方へ、次いで上方へと振り抜き(フォロースルー)、フィニッシュを迎える。
【0003】
トップ位置からフィニッシュにかけて、ゴルファーの両足には大きな力がかかる。この力によって、ゴルフ靴が地面とスリップを起こすことがある。スリップが起こると、スイングフォームが乱れてミスショットが発生する。特に、トップ位置からインパクトにかけて、スリップが生じやすい。
【0004】
底面に金属又はセラミクスからなるスパイクピンを備えたゴルフ靴が存在する。スパイクピンは、スリップを防止する。しかし、このゴルフ靴では、スパイクピンがグリーン上の芝生、クラブハウスの床、ゴルフコース中に設けられた歩行用通路の路面等を傷める。スパイクピンを備えたゴルフ靴の使用を禁止しているゴルフ場が多い。スパイクピンを備えたゴルフ靴では下からの突き上げ感があり、ゴルファーにとって履き心地のよいものではない。スパイクピンを備えたゴルフ靴は、近年ではあまり用いられていない。
【0005】
スパイクピンに代えてゴムや合成樹脂からなる突起が底面に設けられたゴルフ靴が、普及している。このゴルフ靴では、芝生等が傷つけられることが少ない。このゴルフ靴は、履き心地に優れる。しかしこのゴルフ靴では、スパイクピンを有するゴルフ靴に比べ、防滑性能が十分ではない。
【0006】
右利きのゴルファーは、トップ位置からフィニッシュにかけて、左足を軸としてボディターンを行う。同時にゴルファーは、右足で地面を蹴ってその力をゴルフボールに伝える。右利きのゴルファーは、左足を軸足として使い、右足を蹴足として使う。左利きゴルファーの場合は、右足を軸足として使い、左足を蹴足として使う。ゴルフスイングにおける力の方向が考慮されたゴルフシューズが、特開2001−299406公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−299406公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特開2001−299406公報に開示されたゴルフシューズでは、水平方向の力が考慮されて、突起のパターンが決定されている。このシューズでは、鉛直方向の力は考慮されていない。このシューズの防滑性能は、十分ではない。
【0009】
本発明の目的は、防滑性能に優れたゴルフ靴の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るゴルフ靴は、アウトソールを備える。このアウトソールは、ベースと、このベースから突出し接地面を含む多数の突起とを有する。このアウトソールは、下記数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、Piはインサイドゾーンにおける接地面の占有率であり、Pcはセンターゾーンにおける接地面の占有率であり、Poはアウトサイドゾーンにおける接地面の占有率である。本発明では、アウトソールの底面の輪郭に画かれうる最長線の長さは、長さLとされる。この輪郭のインサイド端を通過し上記最長線と平行である直線は、インサイド基準線である。この輪郭のアウトサイド端を通過し上記最長線と平行である直線は、アウトサイド基準線である。インサイド基準線とアウトサイド基準線との距離は、幅Wである。インサイド基準線からの距離が0.20Wであり最長線と平行な直線は、第一区画線である。インサイド基準線からの距離が0.40Wであり最長線と平行な直線は、第二区画線である。インサイド基準線からの距離が0.50Wであり最長線と平行な直線は、第三区画線である。インサイド基準線からの距離が0.70Wであり最長線と平行な直線は、第四区画線である。最長線の爪先側端からの距離が0.10Lである最長線上の点を通過し、この最長線と直交する直線は、第五区画線である。最長線の爪先側端からの距離が0.40Lである最長線上の点を通過し、この上記最長線と直交する直線は、第六区画線である。インサイドゾーンは、インサイド基準線と第二区画線と第五区画線と第六区画線とに囲まれている。センターゾーンは、第一区画線と第四区画線と第五区画線と第六区画線とに囲まれている。アウトサイドゾーンは、第三区画線とアウトサイド基準線と第五区画線と第六区画線とに囲まれている。
【0011】
好ましくは、比(比Pi/Pc)は1.2以上4.0以下である。好ましくは、比(Pc/Po)は1.0以上3.0以下である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るゴルフ靴では、比率Pi、Pc及びPoが適正である。このゴルフ靴は、防滑性能に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、試験のための左足用靴の、トップ位置における状態が示された底面図である。
【図2】図2は、図1の左足用靴の、ダウンスイングにおける状態が示された底面図である。
【図3】図3は、図1の左足用靴の、インパクトにおける状態が示された底面図である。
【図4】図4は、試験のための右足用靴の、トップ位置における状態が示された底面図である。
【図5】図5は、図4の右足用靴の、ダウンスイングにおける状態が示された底面図である。
【図6】図6は、図4の右足用靴の、インパクトにおける状態が示された底面図である。
【図7】図7は、試験結果が示されたグラフである。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係るゴルフシューズの軸足用靴が示された一部切欠断面図である。
【図9】図9は、図8の軸足用靴のアウトソールが示された底面図である。
【図10】図10は、蹴足用靴のアウトソールが示された底面図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態に係るゴルフ靴の左足用靴のアウトソールが示された底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0015】
本発明者は、透明な台の上でゴルファーにスイングさせて、アウトソールを観察した。本発明者は、トップ位置、ダウンスイング及びインパクトのそれぞれにおいて、大きな圧力で接地するゾーンを把握した。さらに本発明者は、アウトソールにかかる力の鉛直方向成分を測定した。この測定には、三次元床反力計が用いられた。接地するゾーンと力とを測定する装置を、本発明者は、特願2009−147700において提案した。
【0016】
図1には、試験のための左足用靴2の底面が示されている。この左足用靴2は、多数の突起4を備えている。これらの突起4は、偏りなく配置されている。図1において黒く塗りつぶされている突起4は、所定値以上の圧力で透明な台と接している突起4である。塗りつぶされていない突起4は、台と接していないか、所定値未満の圧力で台と接している突起4である。
【0017】
試験においてこの左足用靴2は、右利きゴルファーに着用される。換言すれば、この左足用靴2は、軸足に着用される。図1には、トップ位置における左足用靴2の観察の結果が示されている。図1から明らかなように、トップ位置における軸足では、インサイドゾーンに主として力がかかる。
【0018】
図2には、左足用靴2のダウンスイングにおける状態が示されている。図2から明らかなように、ダウンスイングにおける軸足では、インサイドゾーン及びセンターゾーンに主として力がかかる。
【0019】
図3には、左足用靴2のインパクトにおける状態が示されている。図3から明らかなように、インパクトにおける軸足では、センターゾーン及びアウトサイドゾーンに主として力がかかる。
【0020】
図4には、試験のための右足用靴6の底面が示されている。試験においてこの右足用靴6は、右利きゴルファーに着用される。換言すれば、この右足用靴6は、蹴足に着用される。図4には、トップ位置における右足用靴6の観察の結果が示されている。図4から明らかなように、トップ位置における蹴足では、センターゾーン及びアウトサイドゾーンに主として力がかかる。
【0021】
図5には、右足用靴6のダウンスイングにおける状態が示されている。図5から明らかなように、ダウンスイングにおける蹴足では、センターゾーンに主として力がかかる。
【0022】
図6には、右足用靴6のインパクトにおける状態が示されている。図6から明らかなように、インパクトにおける蹴足では、インサイドゾーンに主として力がかかる。
【0023】
トップ位置からインパクトの間、軸足にかかる力の位置は、インサイドゾーンからセンターゾーンを経てアウトサイドゾーンへと移行する。トップ位置からインパクトの間、蹴足にかかる力の位置は、アウトサイドゾーンからセンターゾーンを経てインサイドゾーンへと移行する。
【0024】
三次元床半力計によって測定された鉛直方向の力が、この力がかかる突起4の数で除された結果が、図7のグラフに示されている。軸足では、トップ位置において突起4に大きな力がかかる。換言すれば、軸足では、インサイドゾーンにある突起4に大きな力がかかる。蹴足では、インパクトにおいて突起4に大きな力がかかる。換言すれば、蹴足では、インサイドゾーンにある突起4に大きな力がかかる。軸足及び蹴足において、インサイドゾーンにかかる力は大きい。このような知見に基づき、本発明者は、アウトソールの突起4のパターンについて検討し、本発明を想到した。
【0025】
本発明の一実施形態に係るゴルフシューズは、軸足用靴10及び蹴足用靴12からなる。図8及び9には、軸足用靴10が示されている。この軸足用靴10は、右利きゴルファーに着用される。左利きゴルファーのための軸足用靴は、図9に示された軸足用靴10の形状が反転した形状を有する。
【0026】
軸足用靴10は、アッパー14とソール16とを備えている。ソール16は、インソール18、ミッドソール20及びアウトソール22からなる。図8及び9において、符号Xで示されているのは幅方向であり、符号Yで示されているのは長さ方向であり、符号Zで示されているのは鉛直方向である。
【0027】
アッパー14には、既知の材料が用いられる。天然皮革、合成皮革、人工皮革、織布等が、アッパー14に用いられうる。アッパー14の内面に、内材が貼り付けられてもよい。典型的な内材は、織布である。内材として、透湿防水材料が用いられてもよい。典型的な透湿防水材料は、ゴアテックス(登録商標)からなるブーティである。
【0028】
インソール18は、ミッドソール20と積層されている。インソール18は、織布又は発泡合成樹脂からなる。インソール18は、足と接触する。このインソール18は、軸足用靴10を履く動作において、足の滑りに寄与する。インソール18はさらに、履き心地に寄与する。インソール18が設けられなくてもよい。
【0029】
ミッドソール20は、発泡体からなる。好ましくは、ミッドソール20は、多数の独立気泡を含む。着地時に、ミッドソール20は圧縮変形を起こす。この圧縮変形により、衝撃が吸収される。ミッドソール20における好ましい基材ポリマーは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)である。衝撃吸収性の観点から、ミッドソール20の硬度は70以下が好ましく、65以下が特に好ましい。強度の観点から、硬度は40以上が好ましい。硬度は、「JIS K 6253」の規定に準拠して、タイプAのデュロメーターにて測定される。
【0030】
アウトソール22は、ミッドソール20の下側に位置している。アウトソール22は、ミッドソール20と接合されている。接合は、接着剤によって達成されうる。アウトソール22は、架橋ゴムからなる。好ましい基材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及びウレタンゴムが例示される。アウトソール22に、合成樹脂又はエラストマーが用いられてもよい。アウトソール22は、気泡を含まない。耐摩耗性の観点から、アウトソール22の硬度は70以上が好ましく、75以上が特に好ましい。足の変形への追従性の観点から、硬度は85以下が好ましく、80以下が特に好ましい。硬度は、「JIS K 6253」の規定に準拠して、タイプAのデュロメーターにて測定される。
【0031】
図9には、アウトソール22の底面が示されている。このアウトソール22は、ベース24(図8参照)と多数の突起26とを備えている。それぞれの突起26は、ベース24から突出している。突起26は、接地面(後に詳説)を有している。この突起26は、軸足用靴10の防滑性能に寄与する。防滑性能の観点から、突起26の高さは2mm以上が好ましく、4mm以上が特に好ましい。突起26の剛性の観点から、突起26の高さは15mm以下が好ましく、10mm以下が特に好ましい。防滑性能の観点から、突起26とこれに隣接する他の突起26との間のベース24の幅は、2mm以上が好ましい。
【0032】
図9において符号MLで示されているのは、最長線である。最長線MLは、アウトソール22の底面の輪郭内に画かれうる線分の中で最も長い線分である。最長線MLの長さは、符号Lで示されている。符号Ptで示されているのは最長線MLの爪先側端であり、符号Phで示されているのは最長線MLの踵側端である。最長線MLは、長さ方向Yに沿っている。
【0033】
図9には、インサイド基準線Si及びアウトサイド基準線Soが示されている。インサイド基準線Siは、輪郭のインサイド端Piを通過する。インサイド基準線Siは、最長線MLと平行である。アウトサイド基準線Soは、輪郭のアウトサイド端Poを通過する。アウトサイド基準線Soは、最長線MLと平行である。インサイド基準線Siとアウトサイド基準線Soとの距離は、靴幅Wと称される。
【0034】
図9には、第一区画線S1、第二区画線S2、第三区画線S3及び第四区画線S5が示されている。これらの区画線S1、S2、S3及びS4は、それぞれ、最長線MLと平行である。インサイド基準線Siから第一区画線S1までの距離は、0.20Wである。インサイド基準線Siから第二区画線S2までの距離は、0.40Wである。インサイド基準線Siから第三区画線S3までの距離は、0.50Wである。インサイド基準線Siから第四区画線S4までの距離は、0.70Wである。
【0035】
図9には、第五区画線S5及び第六区画線S6が示されている。第五区画線S5は、点P5において最長線MLと直交している。最長線MLの爪先側端Ptから点P5までの距離は、0.10Lである。第六区画線S6は、点P6において最長線MLと直交している。最長線MLの爪先側端Ptから点P6までの距離は、0.40Lである。
【0036】
図9には、インサイドゾーンZi、センターゾーンZc及びアウトサイドゾーンZoが示されている。インサイドゾーンZiは、インサイド基準線Si、第二区画線S2、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。センターゾーンZcは、第一区画線S1、第四区画線S4、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。アウトサイドゾーンZoは、第三区画線S3、アウトサイド基準線So、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。インサイドゾーンZiとセンターゾーンZcとは、部分的に重複している。センターゾーンZcとアウトサイドゾーンZoとは、部分的に重複している。図9から明らかなように、多数の突起26が、偏って配置されている。インサイドゾーンZiでは、突起26が密に配置されている。
【0037】
本発明において占有率Pは、下記数式(I)によって算出される。
P=(A1/A2)・100 (I)
この数式(I)において、A1は当該ゾーンに含まれる全ての接地面の面積の合計であり、A2は当該ゾーンの面積である。A1及びA2は、図9に示された底面視において測定される。
【0038】
A1は、下記数式によって算出される。
A1=A1(1)+A1(2)+A1(3)+・・・+A1(n) (II)
この数式(II)において、A1(m)は当該ゾーンに含まれるナンバーmの接地面の面積であり、nは当該ゾーンに含まれる接地面の個数である。突起26が部分的に当該ゾーンに含まれる場合、接地面の内で当該ゾーンに含まれる部分の面積が、面積A1に算入される。
【0039】
面積A1の測定では、体重が70kgであるヒトが、軸足用靴10及び蹴足用靴12を着用する。ヒトは、硬質な床の上に直立して静止する。ヒトはさらに、この床の上を歩行する。この床には、未硬化の塗料が塗られている。歩行時の歩幅は80cmであり、速度は60m/minである。歩行距離は5mである。直立及び歩行により、アウトソール22の底面の一部に、塗料が付着する。塗料が付着した部分は、接地面である。
【0040】
このアウトソール22は、下記数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、PiはインサイドゾーンZiにおける接地面の占有率であり、PcはセンターゾーンZcにおける接地面の占有率であり、PoはアウトサイドゾーンZoにおける接地面の占有率である。このアウトソール22では、インサイドゾーンZiにおける占有率Piは、センターゾーンZcにおける占有率Pcよりも大きい。センターゾーンZcにおける占有率Pcは、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poと同じか、又は大きい。
【0041】
図1から明らかなとおり、軸足用靴10では、トップ位置においてインサイドゾーンZiに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は大きい。インサイドゾーンZiにおける占有率Piは大きいが、トップ位置での力が大ききので、それぞれの突起26にかかる圧力は十分大きい。従って、インサイドゾーンZiにある突起26は、トップ位置において地面(すなわち芝生)に十分に突き刺さる。インサイドゾーンZiには多数の突起26が存在しているので、トップ位置で多数の突起26が地面に突き刺さる。この突き刺さりにより、トップ位置での軸足用靴10のスリップが抑制される。この軸足用靴10は、防滑性能に優れる。
【0042】
図2から明らかなとおり、軸足用靴10では、ダウンスイングにおいて、センターゾーンZcに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は小さい。しかし、センターゾーンZcにおける占有率Pcが小さいので、それぞれの突起26にかかる圧力は十分大きい。従って、センターゾーンZcにある突起26は、ダウンスイングにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、ダウンスイングでの軸足用靴10のスリップが抑制される。この軸足用靴10は、防滑性能に優れる。
【0043】
図3から明らかなとおり、軸足用靴10では、インパクトにおいてアウトサイドゾーンZoに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は小さい。しかし、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poが小さいので、それぞれの突起26にかかる圧力は十分大きい。従って、アウトサイドゾーンZoにある突起26は、インパクトにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、インパクトでの軸足用靴10のスリップが抑制される。この軸足用靴10は、防滑性能に優れる。
【0044】
インサイドゾーンZiには大きな力がかかるが、このインサイドゾーンZiの接地面の面積が大きいので、アウトソール22の極端な傾きが阻止される。この軸足用靴10は、スイングの安定に寄与しうる。
【0045】
占有率Piと占有率Pcとの比(Pi/Pc)は、1.2以上4.0以下が好ましい。比(Pi/Pc)が上記範囲内である軸足用靴10は、トップ位置及びダウンスイングでの防滑性能に優れる。防滑性能の観点から、比(Pi/Pc)は1.5以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。防滑性能の観点から、比(Pi/Pc)は3.5以下がより好ましく、3.3以下が特に好ましい。
【0046】
占有率Pcと占有率Poとの比(Pc/Po)は、1.0以上3.0以下が好ましい。比(Pc/Po)が上記範囲内である軸足用靴10は、ダウンスイング及びインパクトでの防滑性能に優れる。防滑性能の観点から、比(Pc/Po)は1.2以上がより好ましく、1.4以上が特に好ましい。防滑性能の観点から、比(Pc/Po)は2.6以下がより好ましく、2.2以下が特に好ましい。
【0047】
トップ位置での防滑性能の観点から、占有率Piは20%以上80%以下が好ましい。ダウンスイングでの防滑性能の観点から、占有率Pcは10%以上70%以下が好ましい。インパクトでの防滑性能の観点から、占有率Poは5%以上60%以下が好ましい。
【0048】
図10には、蹴足用靴12のアウトソール28の底面が示されている。このアウトソール28の材質は、図9に示されたアウトソール22の材質と同等である。図示されていないが、蹴足用靴12はアッパー、インソール及びミッドソールを備えている。アッパー、インソール及びミッドソールの材質は、それぞれ、図8に示された軸足用靴のアッパー14、インソール18及びミッドソール20の材質と同等である。この蹴足用靴12は、右利きゴルファーに着用される。左利きゴルファーのための蹴足用靴は、図10に示された蹴足用靴12の形状が反転した形状を有する。
【0049】
このアウトソール28は、ベースと多数の突起30とを備えている。それぞれの突起30は、ベースから突出している。突起30は、接地面を有している。この突起30は、蹴足用靴12の防滑性能に寄与する。防滑性能の観点から、突起30の高さは2mm以上が好ましく、4mm以上が特に好ましい。突起30の剛性の観点から、突起30の高さは15mm以下が好ましく、10mm以下が特に好ましい。防滑性能の観点から、突起30とこれに隣接する他の突起30との間のベースの幅は、2mm以上が好ましい。
【0050】
図10には、図9と同様に、最長線ML、インサイド基準線Si、アウトサイド基準線So、第一区画線S1、第二区画線S2、第三区画線S3、第四区画線S4,第五区画線S5及び第六区画線S6が示されている。図10にはさらに、インサイドゾーンZi、センターゾーンZc及びアウトサイドゾーンZoが示されている。インサイドゾーンZiは、インサイド基準線Si、第二区画線S2、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。センターゾーンZcは、第一区画線S1、第四区画線S4、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。アウトサイドゾーンZoは、第三区画線S3、アウトサイド基準線So、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。インサイドゾーンZiとセンターゾーンZcとは、部分的に重複している。センターゾーンZcとアウトサイドゾーンZoとは、部分的に重複している。図9から明らかなように、多数の突起30が、偏って配置されている。インサイドゾーンZiでは、突起30が密に配置されている。
【0051】
このアウトソール28は、下記数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、PiはインサイドゾーンZiにおける接地面の占有率であり、PcはセンターゾーンZcにおける接地面の占有率であり、PoはアウトサイドゾーンZoにおける接地面の占有率である。このアウトソール28では、インサイドゾーンZiにおける占有率Piは、センターゾーンZcにおける占有率Pcよりも大きい。センターゾーンZcにおける占有率Pcは、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poと同じか、又は大きい。
【0052】
図4から明らかなとおり、蹴足用靴12では、トップ位置においてアウトサイドゾーンZoに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は小さい。しかし、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poが小さいので、それぞれの突起30にかかる圧力は十分大きい。従って、アウトサイドゾーンZoにある突起30は、トップ位置において地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、トップ位置での蹴足用靴12のスリップが抑制される。この蹴足用靴12は、防滑性能に優れる。
【0053】
図5から明らかなとおり、蹴足用靴12では、ダウンスイングにおいて、センターゾーンZcに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は小さい。しかし、センターゾーンZcにおける占有率Pcが小さいので、それぞれの突起30にかかる圧力は十分大きい。従って、センターゾーンZcにある突起30は、ダウンスイングにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、ダウンスイングでの蹴足用靴12のスリップが抑制される。この蹴足用靴12は、防滑性能に優れる。
【0054】
図6から明らかなとおり、蹴足用靴12では、インパクトにおいてインサイドゾーンZiに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は大きい。インサイドゾーンZiにおける占有率Piは大きいが、インパクトでの力が大ききので、それぞれの突起30にかかる圧力は十分大きい。従って、インサイドゾーンZiにある突起30は、インパクトにおいて地面に十分に突き刺さる。インサイドゾーンZiには多数の突起30が存在しているので、インパクトで多数の突起30が地面に突き刺さる。この突き刺さりにより、インパクトでの蹴足用靴12のスリップが抑制される。この蹴足用靴12は、防滑性能に優れる。
【0055】
インサイドゾーンZiには大きな力がかかるが、このインサイドゾーンZiの接地面の面積が大きいので、アウトソール28の極端な傾きが阻止される。この蹴足用靴12は、スイングの安定に寄与しうる。
【0056】
占有率Piと占有率Pcとの比(Pi/Pc)は、1.2以上4.0以下が好ましい。比(Pi/Pc)が上記範囲内である蹴足用靴12は、ダウンスイング及びインパクトでの防滑性能に優れる。防滑性能の観点から、比(Pi/Pc)は1.5以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。防滑性能の観点から、比(Pi/Pc)は3.5以下がより好ましく、3.3以下が特に好ましい。
【0057】
占有率Pcと占有率Poとの比(Pc/Po)は、1.0以上3.0以下が好ましい。比(Pc/Po)が上記範囲内である蹴足用靴12は、トップ位置及びダウンスイングでの防滑性能に優れる。防滑性能の観点から、比(Pc/Po)は1.2以上がより好ましく、1.4以上が特に好ましい。防滑性能の観点から、比(Pc/Po)は2.6以下がより好ましく、2.2以下が特に好ましい。
【0058】
インパクトでの防滑性能の観点から、占有率Piは20%以上80%以下が好ましい。ダウンスイングでの防滑性能の観点から、占有率Pcは10%以上70%以下が好ましい。トップ位置での防滑性能の観点から、占有率Poは5%以上60%以下が好ましい。
【0059】
図11は、本発明の他の実施形態に係るゴルフ靴の左足用靴32のアウトソール34が示された底面図である。このアウトソール34の材質は、図9に示されたアウトソール22の材質と同等である。図示されていないが、この左足用靴32はアッパー、インソール及びミッドソールを備えている。アッパー、インソール及びミッドソールの材質は、それぞれ、図8に示された軸足用靴のアッパー14、インソール18及びミッドソール20の材質と同等である。
【0060】
このアウトソール34は、ベースと多数の突起36とを備えている。それぞれの突起36は、ベースから突出している。突起36は、接地面を有している。この突起36は、左足用靴32の防滑性能に寄与する。防滑性能の観点から、突起36の高さは2mm以上が好ましく、4mm以上が特に好ましい。突起36の剛性の観点から、突起36の高さは15mm以下が好ましく、10mm以下が特に好ましい。防滑性能の観点から、突起36とこれに隣接する他の突起36の間のベースの幅は、2mm以上が好ましい。
【0061】
図11には、図9と同様に、最長線ML、インサイド基準線Si、アウトサイド基準線So、第一区画線S1、第二区画線S2、第三区画線S3、第四区画線S4,第五区画線S5及び第六区画線S6が示されている。図11にはさらに、インサイドゾーンZi、センターゾーンZc及びアウトサイドゾーンZoが示されている。インサイドゾーンZiは、インサイド基準線Si、第二区画線S2、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。センターゾーンZcは、第一区画線S1、第四区画線S4、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。アウトサイドゾーンZoは、第三区画線S3、アウトサイド基準線So、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。インサイドゾーンZiとセンターゾーンZcとは、部分的に重複している。センターゾーンZcとアウトサイドゾーンZoとは、部分的に重複している。図11から明らかなように、多数の突起36が、偏って配置されている。インサイドゾーンZiでは、突起36が密に配置されている。
【0062】
この左足用靴32が右利きゴルファーに着用された場合、この左足用靴32は軸足用靴である。この左足用靴32が左利きゴルファーに着用された場合、この左足用靴32は蹴足用靴である。図示されていないが、右足用靴は、左足用靴32の形状が反転した形状を有する。この右足用靴が右利きゴルファーに着用された場合、この右足用靴は蹴足用靴である。この右足用靴が左利きゴルファーに着用された場合、この右足用靴は軸足用靴である。
【0063】
このアウトソール34は、下記数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、PiはインサイドゾーンZiにおける接地面の占有率であり、PcはセンターゾーンZcにおける接地面の占有率であり、PoはアウトサイドゾーンZoにおける接地面の占有率である。このアウトソール34では、インサイドゾーンZiにおける占有率Piは、センターゾーンZcにおける占有率Pcよりも大きい。センターゾーンZcにおける占有率Pcは、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poと同じか、又は大きい。
【0064】
この左足用靴32が右利きゴルファーに着用されたとき、トップ位置においてインサイドゾーンZiに力がかかる。この力は大きい。インサイドゾーンZiにおける占有率Piは大きいが、トップ位置での力が大ききので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、インサイドゾーンZiにある突起36は、トップ位置において地面に十分に突き刺さる。インサイドゾーンZiには多数の突起36が存在しているので、トップ位置で多数の突起36が地面に突き刺さる。この突き刺さりにより、トップ位置での軸足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0065】
この左足用靴32が左利きゴルファーに着用されたとき、インパクトにおいてインサイドゾーンZiに力がかかる。この力は大きい。インサイドゾーンZiにおける占有率Piは大きいが、インパクトでの力が大ききので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、インサイドゾーンZiにある突起36は、インパクトにおいて地面に十分に突き刺さる。インサイドゾーンZiには多数の突起36が存在しているので、インパクトで多数の突起36が地面に突き刺さる。この突き刺さりにより、インパクトでの蹴足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0066】
この左足用靴32が右利きゴルファーに着用されたとき、ダウンスイングにおいて、センターゾーンZcに力がかかる。この力は小さい。しかし、センターゾーンZcにおける占有率Pcが小さいので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、センターゾーンZcにある突起36は、ダウンスイングにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、ダウンスイングでの軸足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0067】
この左足用靴32が左利きゴルファーに着用されたとき、ダウンスイングにおいて、センターゾーンZcに力がかかる。この力は小さい。しかし、センターゾーンZcにおける占有率Pcが小さいので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、センターゾーンZcにある突起36は、ダウンスイングにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、ダウンスイングでの蹴足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0068】
この左足用靴32が右利きゴルファーに着用されたとき、インパクトにおいてアウトサイドゾーンZoに力がかかる。この力は小さい。しかし、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poが小さいので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、アウトサイドゾーンZoにある突起36は、インパクトにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、インパクトでの軸足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0069】
この左足用靴32が左利きゴルファーに着用されたとき、トップ位置においてアウトサイドゾーンZoに力がかかる。この力は小さい。しかし、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poが小さいので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、アウトサイドゾーンZoにある突起36は、トップ位置において地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、トップ位置での蹴足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0070】
インサイドゾーンZiには大きな力がかかるが、このインサイドゾーンZiの接地面の面積が大きいので、アウトソール34の極端な傾きが阻止される。この軸足用靴は、スイングの安定に寄与しうる。
【0071】
防滑性能の観点から、占有率Piと占有率Pcとの比(Pi/Pc)は、1.2以上4.0以下が好ましい。比(Pi/Pc)は1.5以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。比(Pi/Pc)は3.5以下がより好ましく、3.3以下が特に好ましい。
【0072】
防滑性能の観点から、占有率Pcと占有率Poとの比(Pc/Po)は、1.0以上3.0以下が好ましい。比(Pc/Po)は1.2以上がより好ましく、1.4以上が特に好ましい。比(Pc/Po)は2.6以下がより好ましく、2.2以下が特に好ましい。
【0073】
占有率Piは、20%以上80%以下が好ましい。占有率Pcは、10%以上70%以下が好ましい。占有率Poは、5%以上60%以下が好ましい。
【0074】
前述の通り、右足用靴は、左足用靴32の形状が反転した形状を有する。従って、この右足用靴が右利きゴルファーに着用されたとき、トップ位置、ダウンスイング及びインパクトにおいて、蹴足のスリップが抑制される。この右足用靴が左利きゴルファーに着用されたとき、トップ位置、ダウンスイング及びインパクトにおいて、軸足のスリップが抑制される。
【実施例】
【0075】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0076】
[実施例1]
ポリブタジエンが基材であるゴム組成物をモールドに投入し、加圧しかつ加熱して、アウトソールを得た。このアウトソールに、アッパー、ミッドソール及びインソールをアッセンブリーして、ゴルフシューズを製造した。このゴルフシューズでは、軸足用靴のアウトソールは、蹴足用靴のアウトソールの形状が反転した形状を有する。占有率が、下記の表1に示されている。
【0077】
[実施例2−5及び比較例1]
他のモールドを用い、占有率を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5及び比較例1のゴルフ靴を得た。
【0078】
[評価]
ゴルフ靴をゴルファーに着用させ、ゴルフ場のティグラウンドで、ドライバーにてゴルフボールを打撃させた。10名のゴルファーに、防滑性能及びスイングし易さについて、格付けさせた。この平均値が、下記の表1に示されている。この値が大きいほど好ましい。
【0079】
【表1】
【0080】
表1に示されるように、実施例のゴルフ靴は防滑性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明に係るゴルフ靴は、ゴルフ場でのプレーのときに着用されうる。このゴルフ靴は、ドライビングレンジでの練習のときにも着用されうる。
【符号の説明】
【0082】
10・・・軸足用靴
12・・・蹴足用靴
22、28、34・・・アウトソール
26、30、36・・・突起
32・・・左足用靴
ML・・・最長線
Zi・・・インサイドゾーン
Zc・・・センターゾーン
Zo・・・アウトサイドゾーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ靴に関する。詳細には、本発明は、ゴルフ靴のアウトソールの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルファーがゴルフボールを打撃するとき、左右の爪先を結ぶ線が打撃方向とほぼ平行となるようにアドレスする。右利きのゴルファーのアドレスでは、左足が打撃方向前側に位置し、右足が打撃方向後側に位置する。アドレスでは、ゴルフクラブのヘッドはゴルフボールの近くに位置する。この状態からゴルファーはテイクバックを開始し、ヘッドを後へ、次いで上方へと振り上げる。最もヘッドが振り上げられた位置がトップ位置である。トップ位置からダウンスイングが開始されてヘッドが振り下ろされ、ヘッドがゴルフボールと衝突する(インパクト)。インパクト後、ゴルファーはゴルフクラブを前方へ、次いで上方へと振り抜き(フォロースルー)、フィニッシュを迎える。
【0003】
トップ位置からフィニッシュにかけて、ゴルファーの両足には大きな力がかかる。この力によって、ゴルフ靴が地面とスリップを起こすことがある。スリップが起こると、スイングフォームが乱れてミスショットが発生する。特に、トップ位置からインパクトにかけて、スリップが生じやすい。
【0004】
底面に金属又はセラミクスからなるスパイクピンを備えたゴルフ靴が存在する。スパイクピンは、スリップを防止する。しかし、このゴルフ靴では、スパイクピンがグリーン上の芝生、クラブハウスの床、ゴルフコース中に設けられた歩行用通路の路面等を傷める。スパイクピンを備えたゴルフ靴の使用を禁止しているゴルフ場が多い。スパイクピンを備えたゴルフ靴では下からの突き上げ感があり、ゴルファーにとって履き心地のよいものではない。スパイクピンを備えたゴルフ靴は、近年ではあまり用いられていない。
【0005】
スパイクピンに代えてゴムや合成樹脂からなる突起が底面に設けられたゴルフ靴が、普及している。このゴルフ靴では、芝生等が傷つけられることが少ない。このゴルフ靴は、履き心地に優れる。しかしこのゴルフ靴では、スパイクピンを有するゴルフ靴に比べ、防滑性能が十分ではない。
【0006】
右利きのゴルファーは、トップ位置からフィニッシュにかけて、左足を軸としてボディターンを行う。同時にゴルファーは、右足で地面を蹴ってその力をゴルフボールに伝える。右利きのゴルファーは、左足を軸足として使い、右足を蹴足として使う。左利きゴルファーの場合は、右足を軸足として使い、左足を蹴足として使う。ゴルフスイングにおける力の方向が考慮されたゴルフシューズが、特開2001−299406公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−299406公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特開2001−299406公報に開示されたゴルフシューズでは、水平方向の力が考慮されて、突起のパターンが決定されている。このシューズでは、鉛直方向の力は考慮されていない。このシューズの防滑性能は、十分ではない。
【0009】
本発明の目的は、防滑性能に優れたゴルフ靴の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るゴルフ靴は、アウトソールを備える。このアウトソールは、ベースと、このベースから突出し接地面を含む多数の突起とを有する。このアウトソールは、下記数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、Piはインサイドゾーンにおける接地面の占有率であり、Pcはセンターゾーンにおける接地面の占有率であり、Poはアウトサイドゾーンにおける接地面の占有率である。本発明では、アウトソールの底面の輪郭に画かれうる最長線の長さは、長さLとされる。この輪郭のインサイド端を通過し上記最長線と平行である直線は、インサイド基準線である。この輪郭のアウトサイド端を通過し上記最長線と平行である直線は、アウトサイド基準線である。インサイド基準線とアウトサイド基準線との距離は、幅Wである。インサイド基準線からの距離が0.20Wであり最長線と平行な直線は、第一区画線である。インサイド基準線からの距離が0.40Wであり最長線と平行な直線は、第二区画線である。インサイド基準線からの距離が0.50Wであり最長線と平行な直線は、第三区画線である。インサイド基準線からの距離が0.70Wであり最長線と平行な直線は、第四区画線である。最長線の爪先側端からの距離が0.10Lである最長線上の点を通過し、この最長線と直交する直線は、第五区画線である。最長線の爪先側端からの距離が0.40Lである最長線上の点を通過し、この上記最長線と直交する直線は、第六区画線である。インサイドゾーンは、インサイド基準線と第二区画線と第五区画線と第六区画線とに囲まれている。センターゾーンは、第一区画線と第四区画線と第五区画線と第六区画線とに囲まれている。アウトサイドゾーンは、第三区画線とアウトサイド基準線と第五区画線と第六区画線とに囲まれている。
【0011】
好ましくは、比(比Pi/Pc)は1.2以上4.0以下である。好ましくは、比(Pc/Po)は1.0以上3.0以下である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るゴルフ靴では、比率Pi、Pc及びPoが適正である。このゴルフ靴は、防滑性能に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、試験のための左足用靴の、トップ位置における状態が示された底面図である。
【図2】図2は、図1の左足用靴の、ダウンスイングにおける状態が示された底面図である。
【図3】図3は、図1の左足用靴の、インパクトにおける状態が示された底面図である。
【図4】図4は、試験のための右足用靴の、トップ位置における状態が示された底面図である。
【図5】図5は、図4の右足用靴の、ダウンスイングにおける状態が示された底面図である。
【図6】図6は、図4の右足用靴の、インパクトにおける状態が示された底面図である。
【図7】図7は、試験結果が示されたグラフである。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係るゴルフシューズの軸足用靴が示された一部切欠断面図である。
【図9】図9は、図8の軸足用靴のアウトソールが示された底面図である。
【図10】図10は、蹴足用靴のアウトソールが示された底面図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態に係るゴルフ靴の左足用靴のアウトソールが示された底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0015】
本発明者は、透明な台の上でゴルファーにスイングさせて、アウトソールを観察した。本発明者は、トップ位置、ダウンスイング及びインパクトのそれぞれにおいて、大きな圧力で接地するゾーンを把握した。さらに本発明者は、アウトソールにかかる力の鉛直方向成分を測定した。この測定には、三次元床反力計が用いられた。接地するゾーンと力とを測定する装置を、本発明者は、特願2009−147700において提案した。
【0016】
図1には、試験のための左足用靴2の底面が示されている。この左足用靴2は、多数の突起4を備えている。これらの突起4は、偏りなく配置されている。図1において黒く塗りつぶされている突起4は、所定値以上の圧力で透明な台と接している突起4である。塗りつぶされていない突起4は、台と接していないか、所定値未満の圧力で台と接している突起4である。
【0017】
試験においてこの左足用靴2は、右利きゴルファーに着用される。換言すれば、この左足用靴2は、軸足に着用される。図1には、トップ位置における左足用靴2の観察の結果が示されている。図1から明らかなように、トップ位置における軸足では、インサイドゾーンに主として力がかかる。
【0018】
図2には、左足用靴2のダウンスイングにおける状態が示されている。図2から明らかなように、ダウンスイングにおける軸足では、インサイドゾーン及びセンターゾーンに主として力がかかる。
【0019】
図3には、左足用靴2のインパクトにおける状態が示されている。図3から明らかなように、インパクトにおける軸足では、センターゾーン及びアウトサイドゾーンに主として力がかかる。
【0020】
図4には、試験のための右足用靴6の底面が示されている。試験においてこの右足用靴6は、右利きゴルファーに着用される。換言すれば、この右足用靴6は、蹴足に着用される。図4には、トップ位置における右足用靴6の観察の結果が示されている。図4から明らかなように、トップ位置における蹴足では、センターゾーン及びアウトサイドゾーンに主として力がかかる。
【0021】
図5には、右足用靴6のダウンスイングにおける状態が示されている。図5から明らかなように、ダウンスイングにおける蹴足では、センターゾーンに主として力がかかる。
【0022】
図6には、右足用靴6のインパクトにおける状態が示されている。図6から明らかなように、インパクトにおける蹴足では、インサイドゾーンに主として力がかかる。
【0023】
トップ位置からインパクトの間、軸足にかかる力の位置は、インサイドゾーンからセンターゾーンを経てアウトサイドゾーンへと移行する。トップ位置からインパクトの間、蹴足にかかる力の位置は、アウトサイドゾーンからセンターゾーンを経てインサイドゾーンへと移行する。
【0024】
三次元床半力計によって測定された鉛直方向の力が、この力がかかる突起4の数で除された結果が、図7のグラフに示されている。軸足では、トップ位置において突起4に大きな力がかかる。換言すれば、軸足では、インサイドゾーンにある突起4に大きな力がかかる。蹴足では、インパクトにおいて突起4に大きな力がかかる。換言すれば、蹴足では、インサイドゾーンにある突起4に大きな力がかかる。軸足及び蹴足において、インサイドゾーンにかかる力は大きい。このような知見に基づき、本発明者は、アウトソールの突起4のパターンについて検討し、本発明を想到した。
【0025】
本発明の一実施形態に係るゴルフシューズは、軸足用靴10及び蹴足用靴12からなる。図8及び9には、軸足用靴10が示されている。この軸足用靴10は、右利きゴルファーに着用される。左利きゴルファーのための軸足用靴は、図9に示された軸足用靴10の形状が反転した形状を有する。
【0026】
軸足用靴10は、アッパー14とソール16とを備えている。ソール16は、インソール18、ミッドソール20及びアウトソール22からなる。図8及び9において、符号Xで示されているのは幅方向であり、符号Yで示されているのは長さ方向であり、符号Zで示されているのは鉛直方向である。
【0027】
アッパー14には、既知の材料が用いられる。天然皮革、合成皮革、人工皮革、織布等が、アッパー14に用いられうる。アッパー14の内面に、内材が貼り付けられてもよい。典型的な内材は、織布である。内材として、透湿防水材料が用いられてもよい。典型的な透湿防水材料は、ゴアテックス(登録商標)からなるブーティである。
【0028】
インソール18は、ミッドソール20と積層されている。インソール18は、織布又は発泡合成樹脂からなる。インソール18は、足と接触する。このインソール18は、軸足用靴10を履く動作において、足の滑りに寄与する。インソール18はさらに、履き心地に寄与する。インソール18が設けられなくてもよい。
【0029】
ミッドソール20は、発泡体からなる。好ましくは、ミッドソール20は、多数の独立気泡を含む。着地時に、ミッドソール20は圧縮変形を起こす。この圧縮変形により、衝撃が吸収される。ミッドソール20における好ましい基材ポリマーは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)である。衝撃吸収性の観点から、ミッドソール20の硬度は70以下が好ましく、65以下が特に好ましい。強度の観点から、硬度は40以上が好ましい。硬度は、「JIS K 6253」の規定に準拠して、タイプAのデュロメーターにて測定される。
【0030】
アウトソール22は、ミッドソール20の下側に位置している。アウトソール22は、ミッドソール20と接合されている。接合は、接着剤によって達成されうる。アウトソール22は、架橋ゴムからなる。好ましい基材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及びウレタンゴムが例示される。アウトソール22に、合成樹脂又はエラストマーが用いられてもよい。アウトソール22は、気泡を含まない。耐摩耗性の観点から、アウトソール22の硬度は70以上が好ましく、75以上が特に好ましい。足の変形への追従性の観点から、硬度は85以下が好ましく、80以下が特に好ましい。硬度は、「JIS K 6253」の規定に準拠して、タイプAのデュロメーターにて測定される。
【0031】
図9には、アウトソール22の底面が示されている。このアウトソール22は、ベース24(図8参照)と多数の突起26とを備えている。それぞれの突起26は、ベース24から突出している。突起26は、接地面(後に詳説)を有している。この突起26は、軸足用靴10の防滑性能に寄与する。防滑性能の観点から、突起26の高さは2mm以上が好ましく、4mm以上が特に好ましい。突起26の剛性の観点から、突起26の高さは15mm以下が好ましく、10mm以下が特に好ましい。防滑性能の観点から、突起26とこれに隣接する他の突起26との間のベース24の幅は、2mm以上が好ましい。
【0032】
図9において符号MLで示されているのは、最長線である。最長線MLは、アウトソール22の底面の輪郭内に画かれうる線分の中で最も長い線分である。最長線MLの長さは、符号Lで示されている。符号Ptで示されているのは最長線MLの爪先側端であり、符号Phで示されているのは最長線MLの踵側端である。最長線MLは、長さ方向Yに沿っている。
【0033】
図9には、インサイド基準線Si及びアウトサイド基準線Soが示されている。インサイド基準線Siは、輪郭のインサイド端Piを通過する。インサイド基準線Siは、最長線MLと平行である。アウトサイド基準線Soは、輪郭のアウトサイド端Poを通過する。アウトサイド基準線Soは、最長線MLと平行である。インサイド基準線Siとアウトサイド基準線Soとの距離は、靴幅Wと称される。
【0034】
図9には、第一区画線S1、第二区画線S2、第三区画線S3及び第四区画線S5が示されている。これらの区画線S1、S2、S3及びS4は、それぞれ、最長線MLと平行である。インサイド基準線Siから第一区画線S1までの距離は、0.20Wである。インサイド基準線Siから第二区画線S2までの距離は、0.40Wである。インサイド基準線Siから第三区画線S3までの距離は、0.50Wである。インサイド基準線Siから第四区画線S4までの距離は、0.70Wである。
【0035】
図9には、第五区画線S5及び第六区画線S6が示されている。第五区画線S5は、点P5において最長線MLと直交している。最長線MLの爪先側端Ptから点P5までの距離は、0.10Lである。第六区画線S6は、点P6において最長線MLと直交している。最長線MLの爪先側端Ptから点P6までの距離は、0.40Lである。
【0036】
図9には、インサイドゾーンZi、センターゾーンZc及びアウトサイドゾーンZoが示されている。インサイドゾーンZiは、インサイド基準線Si、第二区画線S2、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。センターゾーンZcは、第一区画線S1、第四区画線S4、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。アウトサイドゾーンZoは、第三区画線S3、アウトサイド基準線So、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。インサイドゾーンZiとセンターゾーンZcとは、部分的に重複している。センターゾーンZcとアウトサイドゾーンZoとは、部分的に重複している。図9から明らかなように、多数の突起26が、偏って配置されている。インサイドゾーンZiでは、突起26が密に配置されている。
【0037】
本発明において占有率Pは、下記数式(I)によって算出される。
P=(A1/A2)・100 (I)
この数式(I)において、A1は当該ゾーンに含まれる全ての接地面の面積の合計であり、A2は当該ゾーンの面積である。A1及びA2は、図9に示された底面視において測定される。
【0038】
A1は、下記数式によって算出される。
A1=A1(1)+A1(2)+A1(3)+・・・+A1(n) (II)
この数式(II)において、A1(m)は当該ゾーンに含まれるナンバーmの接地面の面積であり、nは当該ゾーンに含まれる接地面の個数である。突起26が部分的に当該ゾーンに含まれる場合、接地面の内で当該ゾーンに含まれる部分の面積が、面積A1に算入される。
【0039】
面積A1の測定では、体重が70kgであるヒトが、軸足用靴10及び蹴足用靴12を着用する。ヒトは、硬質な床の上に直立して静止する。ヒトはさらに、この床の上を歩行する。この床には、未硬化の塗料が塗られている。歩行時の歩幅は80cmであり、速度は60m/minである。歩行距離は5mである。直立及び歩行により、アウトソール22の底面の一部に、塗料が付着する。塗料が付着した部分は、接地面である。
【0040】
このアウトソール22は、下記数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、PiはインサイドゾーンZiにおける接地面の占有率であり、PcはセンターゾーンZcにおける接地面の占有率であり、PoはアウトサイドゾーンZoにおける接地面の占有率である。このアウトソール22では、インサイドゾーンZiにおける占有率Piは、センターゾーンZcにおける占有率Pcよりも大きい。センターゾーンZcにおける占有率Pcは、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poと同じか、又は大きい。
【0041】
図1から明らかなとおり、軸足用靴10では、トップ位置においてインサイドゾーンZiに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は大きい。インサイドゾーンZiにおける占有率Piは大きいが、トップ位置での力が大ききので、それぞれの突起26にかかる圧力は十分大きい。従って、インサイドゾーンZiにある突起26は、トップ位置において地面(すなわち芝生)に十分に突き刺さる。インサイドゾーンZiには多数の突起26が存在しているので、トップ位置で多数の突起26が地面に突き刺さる。この突き刺さりにより、トップ位置での軸足用靴10のスリップが抑制される。この軸足用靴10は、防滑性能に優れる。
【0042】
図2から明らかなとおり、軸足用靴10では、ダウンスイングにおいて、センターゾーンZcに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は小さい。しかし、センターゾーンZcにおける占有率Pcが小さいので、それぞれの突起26にかかる圧力は十分大きい。従って、センターゾーンZcにある突起26は、ダウンスイングにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、ダウンスイングでの軸足用靴10のスリップが抑制される。この軸足用靴10は、防滑性能に優れる。
【0043】
図3から明らかなとおり、軸足用靴10では、インパクトにおいてアウトサイドゾーンZoに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は小さい。しかし、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poが小さいので、それぞれの突起26にかかる圧力は十分大きい。従って、アウトサイドゾーンZoにある突起26は、インパクトにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、インパクトでの軸足用靴10のスリップが抑制される。この軸足用靴10は、防滑性能に優れる。
【0044】
インサイドゾーンZiには大きな力がかかるが、このインサイドゾーンZiの接地面の面積が大きいので、アウトソール22の極端な傾きが阻止される。この軸足用靴10は、スイングの安定に寄与しうる。
【0045】
占有率Piと占有率Pcとの比(Pi/Pc)は、1.2以上4.0以下が好ましい。比(Pi/Pc)が上記範囲内である軸足用靴10は、トップ位置及びダウンスイングでの防滑性能に優れる。防滑性能の観点から、比(Pi/Pc)は1.5以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。防滑性能の観点から、比(Pi/Pc)は3.5以下がより好ましく、3.3以下が特に好ましい。
【0046】
占有率Pcと占有率Poとの比(Pc/Po)は、1.0以上3.0以下が好ましい。比(Pc/Po)が上記範囲内である軸足用靴10は、ダウンスイング及びインパクトでの防滑性能に優れる。防滑性能の観点から、比(Pc/Po)は1.2以上がより好ましく、1.4以上が特に好ましい。防滑性能の観点から、比(Pc/Po)は2.6以下がより好ましく、2.2以下が特に好ましい。
【0047】
トップ位置での防滑性能の観点から、占有率Piは20%以上80%以下が好ましい。ダウンスイングでの防滑性能の観点から、占有率Pcは10%以上70%以下が好ましい。インパクトでの防滑性能の観点から、占有率Poは5%以上60%以下が好ましい。
【0048】
図10には、蹴足用靴12のアウトソール28の底面が示されている。このアウトソール28の材質は、図9に示されたアウトソール22の材質と同等である。図示されていないが、蹴足用靴12はアッパー、インソール及びミッドソールを備えている。アッパー、インソール及びミッドソールの材質は、それぞれ、図8に示された軸足用靴のアッパー14、インソール18及びミッドソール20の材質と同等である。この蹴足用靴12は、右利きゴルファーに着用される。左利きゴルファーのための蹴足用靴は、図10に示された蹴足用靴12の形状が反転した形状を有する。
【0049】
このアウトソール28は、ベースと多数の突起30とを備えている。それぞれの突起30は、ベースから突出している。突起30は、接地面を有している。この突起30は、蹴足用靴12の防滑性能に寄与する。防滑性能の観点から、突起30の高さは2mm以上が好ましく、4mm以上が特に好ましい。突起30の剛性の観点から、突起30の高さは15mm以下が好ましく、10mm以下が特に好ましい。防滑性能の観点から、突起30とこれに隣接する他の突起30との間のベースの幅は、2mm以上が好ましい。
【0050】
図10には、図9と同様に、最長線ML、インサイド基準線Si、アウトサイド基準線So、第一区画線S1、第二区画線S2、第三区画線S3、第四区画線S4,第五区画線S5及び第六区画線S6が示されている。図10にはさらに、インサイドゾーンZi、センターゾーンZc及びアウトサイドゾーンZoが示されている。インサイドゾーンZiは、インサイド基準線Si、第二区画線S2、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。センターゾーンZcは、第一区画線S1、第四区画線S4、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。アウトサイドゾーンZoは、第三区画線S3、アウトサイド基準線So、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。インサイドゾーンZiとセンターゾーンZcとは、部分的に重複している。センターゾーンZcとアウトサイドゾーンZoとは、部分的に重複している。図9から明らかなように、多数の突起30が、偏って配置されている。インサイドゾーンZiでは、突起30が密に配置されている。
【0051】
このアウトソール28は、下記数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、PiはインサイドゾーンZiにおける接地面の占有率であり、PcはセンターゾーンZcにおける接地面の占有率であり、PoはアウトサイドゾーンZoにおける接地面の占有率である。このアウトソール28では、インサイドゾーンZiにおける占有率Piは、センターゾーンZcにおける占有率Pcよりも大きい。センターゾーンZcにおける占有率Pcは、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poと同じか、又は大きい。
【0052】
図4から明らかなとおり、蹴足用靴12では、トップ位置においてアウトサイドゾーンZoに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は小さい。しかし、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poが小さいので、それぞれの突起30にかかる圧力は十分大きい。従って、アウトサイドゾーンZoにある突起30は、トップ位置において地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、トップ位置での蹴足用靴12のスリップが抑制される。この蹴足用靴12は、防滑性能に優れる。
【0053】
図5から明らかなとおり、蹴足用靴12では、ダウンスイングにおいて、センターゾーンZcに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は小さい。しかし、センターゾーンZcにおける占有率Pcが小さいので、それぞれの突起30にかかる圧力は十分大きい。従って、センターゾーンZcにある突起30は、ダウンスイングにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、ダウンスイングでの蹴足用靴12のスリップが抑制される。この蹴足用靴12は、防滑性能に優れる。
【0054】
図6から明らかなとおり、蹴足用靴12では、インパクトにおいてインサイドゾーンZiに力がかかる。図7から明らかなとおり、この力は大きい。インサイドゾーンZiにおける占有率Piは大きいが、インパクトでの力が大ききので、それぞれの突起30にかかる圧力は十分大きい。従って、インサイドゾーンZiにある突起30は、インパクトにおいて地面に十分に突き刺さる。インサイドゾーンZiには多数の突起30が存在しているので、インパクトで多数の突起30が地面に突き刺さる。この突き刺さりにより、インパクトでの蹴足用靴12のスリップが抑制される。この蹴足用靴12は、防滑性能に優れる。
【0055】
インサイドゾーンZiには大きな力がかかるが、このインサイドゾーンZiの接地面の面積が大きいので、アウトソール28の極端な傾きが阻止される。この蹴足用靴12は、スイングの安定に寄与しうる。
【0056】
占有率Piと占有率Pcとの比(Pi/Pc)は、1.2以上4.0以下が好ましい。比(Pi/Pc)が上記範囲内である蹴足用靴12は、ダウンスイング及びインパクトでの防滑性能に優れる。防滑性能の観点から、比(Pi/Pc)は1.5以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。防滑性能の観点から、比(Pi/Pc)は3.5以下がより好ましく、3.3以下が特に好ましい。
【0057】
占有率Pcと占有率Poとの比(Pc/Po)は、1.0以上3.0以下が好ましい。比(Pc/Po)が上記範囲内である蹴足用靴12は、トップ位置及びダウンスイングでの防滑性能に優れる。防滑性能の観点から、比(Pc/Po)は1.2以上がより好ましく、1.4以上が特に好ましい。防滑性能の観点から、比(Pc/Po)は2.6以下がより好ましく、2.2以下が特に好ましい。
【0058】
インパクトでの防滑性能の観点から、占有率Piは20%以上80%以下が好ましい。ダウンスイングでの防滑性能の観点から、占有率Pcは10%以上70%以下が好ましい。トップ位置での防滑性能の観点から、占有率Poは5%以上60%以下が好ましい。
【0059】
図11は、本発明の他の実施形態に係るゴルフ靴の左足用靴32のアウトソール34が示された底面図である。このアウトソール34の材質は、図9に示されたアウトソール22の材質と同等である。図示されていないが、この左足用靴32はアッパー、インソール及びミッドソールを備えている。アッパー、インソール及びミッドソールの材質は、それぞれ、図8に示された軸足用靴のアッパー14、インソール18及びミッドソール20の材質と同等である。
【0060】
このアウトソール34は、ベースと多数の突起36とを備えている。それぞれの突起36は、ベースから突出している。突起36は、接地面を有している。この突起36は、左足用靴32の防滑性能に寄与する。防滑性能の観点から、突起36の高さは2mm以上が好ましく、4mm以上が特に好ましい。突起36の剛性の観点から、突起36の高さは15mm以下が好ましく、10mm以下が特に好ましい。防滑性能の観点から、突起36とこれに隣接する他の突起36の間のベースの幅は、2mm以上が好ましい。
【0061】
図11には、図9と同様に、最長線ML、インサイド基準線Si、アウトサイド基準線So、第一区画線S1、第二区画線S2、第三区画線S3、第四区画線S4,第五区画線S5及び第六区画線S6が示されている。図11にはさらに、インサイドゾーンZi、センターゾーンZc及びアウトサイドゾーンZoが示されている。インサイドゾーンZiは、インサイド基準線Si、第二区画線S2、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。センターゾーンZcは、第一区画線S1、第四区画線S4、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。アウトサイドゾーンZoは、第三区画線S3、アウトサイド基準線So、第五区画線S5及び第六区画線S6に囲まれている。インサイドゾーンZiとセンターゾーンZcとは、部分的に重複している。センターゾーンZcとアウトサイドゾーンZoとは、部分的に重複している。図11から明らかなように、多数の突起36が、偏って配置されている。インサイドゾーンZiでは、突起36が密に配置されている。
【0062】
この左足用靴32が右利きゴルファーに着用された場合、この左足用靴32は軸足用靴である。この左足用靴32が左利きゴルファーに着用された場合、この左足用靴32は蹴足用靴である。図示されていないが、右足用靴は、左足用靴32の形状が反転した形状を有する。この右足用靴が右利きゴルファーに着用された場合、この右足用靴は蹴足用靴である。この右足用靴が左利きゴルファーに着用された場合、この右足用靴は軸足用靴である。
【0063】
このアウトソール34は、下記数式を満たす。
Pi > Pc ≧ Po
この数式において、PiはインサイドゾーンZiにおける接地面の占有率であり、PcはセンターゾーンZcにおける接地面の占有率であり、PoはアウトサイドゾーンZoにおける接地面の占有率である。このアウトソール34では、インサイドゾーンZiにおける占有率Piは、センターゾーンZcにおける占有率Pcよりも大きい。センターゾーンZcにおける占有率Pcは、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poと同じか、又は大きい。
【0064】
この左足用靴32が右利きゴルファーに着用されたとき、トップ位置においてインサイドゾーンZiに力がかかる。この力は大きい。インサイドゾーンZiにおける占有率Piは大きいが、トップ位置での力が大ききので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、インサイドゾーンZiにある突起36は、トップ位置において地面に十分に突き刺さる。インサイドゾーンZiには多数の突起36が存在しているので、トップ位置で多数の突起36が地面に突き刺さる。この突き刺さりにより、トップ位置での軸足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0065】
この左足用靴32が左利きゴルファーに着用されたとき、インパクトにおいてインサイドゾーンZiに力がかかる。この力は大きい。インサイドゾーンZiにおける占有率Piは大きいが、インパクトでの力が大ききので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、インサイドゾーンZiにある突起36は、インパクトにおいて地面に十分に突き刺さる。インサイドゾーンZiには多数の突起36が存在しているので、インパクトで多数の突起36が地面に突き刺さる。この突き刺さりにより、インパクトでの蹴足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0066】
この左足用靴32が右利きゴルファーに着用されたとき、ダウンスイングにおいて、センターゾーンZcに力がかかる。この力は小さい。しかし、センターゾーンZcにおける占有率Pcが小さいので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、センターゾーンZcにある突起36は、ダウンスイングにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、ダウンスイングでの軸足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0067】
この左足用靴32が左利きゴルファーに着用されたとき、ダウンスイングにおいて、センターゾーンZcに力がかかる。この力は小さい。しかし、センターゾーンZcにおける占有率Pcが小さいので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、センターゾーンZcにある突起36は、ダウンスイングにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、ダウンスイングでの蹴足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0068】
この左足用靴32が右利きゴルファーに着用されたとき、インパクトにおいてアウトサイドゾーンZoに力がかかる。この力は小さい。しかし、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poが小さいので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、アウトサイドゾーンZoにある突起36は、インパクトにおいて地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、インパクトでの軸足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0069】
この左足用靴32が左利きゴルファーに着用されたとき、トップ位置においてアウトサイドゾーンZoに力がかかる。この力は小さい。しかし、アウトサイドゾーンZoにおける占有率Poが小さいので、それぞれの突起36にかかる圧力は十分大きい。従って、アウトサイドゾーンZoにある突起36は、トップ位置において地面に十分に突き刺さる。この突き刺さりにより、トップ位置での蹴足のスリップが抑制される。この左足用靴32は、防滑性能に優れる。
【0070】
インサイドゾーンZiには大きな力がかかるが、このインサイドゾーンZiの接地面の面積が大きいので、アウトソール34の極端な傾きが阻止される。この軸足用靴は、スイングの安定に寄与しうる。
【0071】
防滑性能の観点から、占有率Piと占有率Pcとの比(Pi/Pc)は、1.2以上4.0以下が好ましい。比(Pi/Pc)は1.5以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。比(Pi/Pc)は3.5以下がより好ましく、3.3以下が特に好ましい。
【0072】
防滑性能の観点から、占有率Pcと占有率Poとの比(Pc/Po)は、1.0以上3.0以下が好ましい。比(Pc/Po)は1.2以上がより好ましく、1.4以上が特に好ましい。比(Pc/Po)は2.6以下がより好ましく、2.2以下が特に好ましい。
【0073】
占有率Piは、20%以上80%以下が好ましい。占有率Pcは、10%以上70%以下が好ましい。占有率Poは、5%以上60%以下が好ましい。
【0074】
前述の通り、右足用靴は、左足用靴32の形状が反転した形状を有する。従って、この右足用靴が右利きゴルファーに着用されたとき、トップ位置、ダウンスイング及びインパクトにおいて、蹴足のスリップが抑制される。この右足用靴が左利きゴルファーに着用されたとき、トップ位置、ダウンスイング及びインパクトにおいて、軸足のスリップが抑制される。
【実施例】
【0075】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0076】
[実施例1]
ポリブタジエンが基材であるゴム組成物をモールドに投入し、加圧しかつ加熱して、アウトソールを得た。このアウトソールに、アッパー、ミッドソール及びインソールをアッセンブリーして、ゴルフシューズを製造した。このゴルフシューズでは、軸足用靴のアウトソールは、蹴足用靴のアウトソールの形状が反転した形状を有する。占有率が、下記の表1に示されている。
【0077】
[実施例2−5及び比較例1]
他のモールドを用い、占有率を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5及び比較例1のゴルフ靴を得た。
【0078】
[評価]
ゴルフ靴をゴルファーに着用させ、ゴルフ場のティグラウンドで、ドライバーにてゴルフボールを打撃させた。10名のゴルファーに、防滑性能及びスイングし易さについて、格付けさせた。この平均値が、下記の表1に示されている。この値が大きいほど好ましい。
【0079】
【表1】
【0080】
表1に示されるように、実施例のゴルフ靴は防滑性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明に係るゴルフ靴は、ゴルフ場でのプレーのときに着用されうる。このゴルフ靴は、ドライビングレンジでの練習のときにも着用されうる。
【符号の説明】
【0082】
10・・・軸足用靴
12・・・蹴足用靴
22、28、34・・・アウトソール
26、30、36・・・突起
32・・・左足用靴
ML・・・最長線
Zi・・・インサイドゾーン
Zc・・・センターゾーン
Zo・・・アウトサイドゾーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記数式を満たすアウトソールを備えており、
このアウトソールが、ベースと、このベースから突出し接地面を含む多数の突起とを有するゴルフ靴。
Pi > Pc ≧ Po
(この数式において、Piはインサイドゾーンにおける接地面の占有率であり、Pcはセンターゾーンにおける接地面の占有率であり、Poはアウトサイドゾーンにおける接地面の占有率である。上記アウトソールの底面の輪郭に画かれうる最長線の長さが長さLとされ、上記輪郭のインサイド端を通過し上記最長線と平行である直線がインサイド基準線とされ、上記輪郭のアウトサイド端を通過し上記最長線と平行である直線がアウトサイド基準線とされ、上記インサイド基準線とアウトサイド基準線との距離が幅Wとされ、上記インサイド基準線からの距離が0.20Wであり最長線と平行な直線が第一区画線とされ、上記インサイド基準線からの距離が0.40Wであり最長線と平行な直線が第二区画線とされ、上記インサイド基準線からの距離が0.50Wであり最長線と平行な直線が第三区画線とされ、上記インサイド基準線からの距離が0.70Wであり最長線と平行な直線が第四区画線とされ、上記最長線の爪先側端からの距離が0.10Lである最長線上の点を通過し上記最長線と直交する直線が第五区画線とされ、上記最長線の爪先側端からの距離が0.40Lである最長線上の点を通過し上記最長線と直交する直線が第六区画線とされたとき、インサイド基準線と第二区画線と第五区画線と第六区画線とに囲まれているのがインサイドゾーンであり、第一区画線と第四区画線と第五区画線と第六区画線とに囲まれているのがセンターゾーンであり、第三区画線とアウトサイド基準線と第五区画線と第六区画線とに囲まれているのがアウトサイドゾーンである。)
【請求項2】
比(Pi/Pc)が1.2以上4.0以下である請求項1に記載のゴルフ靴。
【請求項3】
比(Pc/Po)が1.0以上3.0以下である請求項1又は2に記載のゴルフ靴。
【請求項1】
下記数式を満たすアウトソールを備えており、
このアウトソールが、ベースと、このベースから突出し接地面を含む多数の突起とを有するゴルフ靴。
Pi > Pc ≧ Po
(この数式において、Piはインサイドゾーンにおける接地面の占有率であり、Pcはセンターゾーンにおける接地面の占有率であり、Poはアウトサイドゾーンにおける接地面の占有率である。上記アウトソールの底面の輪郭に画かれうる最長線の長さが長さLとされ、上記輪郭のインサイド端を通過し上記最長線と平行である直線がインサイド基準線とされ、上記輪郭のアウトサイド端を通過し上記最長線と平行である直線がアウトサイド基準線とされ、上記インサイド基準線とアウトサイド基準線との距離が幅Wとされ、上記インサイド基準線からの距離が0.20Wであり最長線と平行な直線が第一区画線とされ、上記インサイド基準線からの距離が0.40Wであり最長線と平行な直線が第二区画線とされ、上記インサイド基準線からの距離が0.50Wであり最長線と平行な直線が第三区画線とされ、上記インサイド基準線からの距離が0.70Wであり最長線と平行な直線が第四区画線とされ、上記最長線の爪先側端からの距離が0.10Lである最長線上の点を通過し上記最長線と直交する直線が第五区画線とされ、上記最長線の爪先側端からの距離が0.40Lである最長線上の点を通過し上記最長線と直交する直線が第六区画線とされたとき、インサイド基準線と第二区画線と第五区画線と第六区画線とに囲まれているのがインサイドゾーンであり、第一区画線と第四区画線と第五区画線と第六区画線とに囲まれているのがセンターゾーンであり、第三区画線とアウトサイド基準線と第五区画線と第六区画線とに囲まれているのがアウトサイドゾーンである。)
【請求項2】
比(Pi/Pc)が1.2以上4.0以下である請求項1に記載のゴルフ靴。
【請求項3】
比(Pc/Po)が1.0以上3.0以下である請求項1又は2に記載のゴルフ靴。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−67370(P2011−67370A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220646(P2009−220646)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(504017809)SRIスポーツ株式会社 (701)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(504017809)SRIスポーツ株式会社 (701)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】
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