説明

サイクリックAMP応答エレメントアクティベータータンパク質およびそれに関連する使用

本発明は、新たに同定されたサイクリックAMP応答エレメントアクティベータータンパク質(CREAPタンパク質)を記載する。本明細書では、該タンパク質が、CRE−依存性遺伝子発現の異常な活性化またはケモカインの異常な活性化に関連した病理学的状態の予防、処置または改善のための新規治療剤の開発のための適切な薬剤標的であると考えられる。本発明は、該病理学的状態を予防、処置または改善するための方法、およびそのためのCREAPタンパク質活性および/またはCREAP遺伝子発現に阻害性効果を有するモジュレーターを含む医薬組成物に関する。本発明はまたCREAPタンパク質活性および/またはCREAP遺伝子発現を阻害できる化合物を同定することを含む、該病理学的状態の処置に治療的に有用な化合物を同定する方法に関する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CRE−依存性遺伝子発現の異常な活性化またはケモカインの異常な活性化に関連した病理学的状態を予防、処置または改善するための方法であり、必要とする対象に、有効量のCREAPモジュレーターを投与することを含む、方法。
【請求項2】
該病理学的状態が神経変性疾患である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該病理学的状態が自己免疫疾患である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
該病理学的状態が炎症性疾患である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
該病理学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、骨関節症、乾癬、喘息、COPD、リウマチ性関節炎、癌、糖尿病、高血圧および慢性疼痛からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
該CREAPモジュレーターがCREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される任意の1個またはそれ以上のCREAPタンパク質の活性を阻害する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
該CREAPモジュレーターが、CREAPタンパク質に対する1個またはそれ以上の抗体、またはそのフラグメントを含み、ここで、該抗体またはそのフラグメントが該CREAPタンパク質の活性を阻害できるものである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
該モジュレーターが、1個またはそれ以上のCREAPタンパク質に対するペプチド模倣物を含み、ここで、該ペプチド模倣物が該CREAPタンパク質の活性を阻害できるものである、請求項6記載の方法。
【請求項9】
該CREAPモジュレーターがCREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される任意の1個またはそれ以上のCREAPタンパク質の発現を阻害する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
該CREAPモジュレーターが、アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせんDNA、リボザイム、RNAアプタマーおよび二本鎖または一本鎖RNAからなる群から選択される任意の1個またはそれ以上の物質を含み、ここで、該物質がCREAPタンパク質の発現を阻害するように設計されているものである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
CRE−依存性遺伝子発現の異常な活性化またはケモカインの異常な活性化に関連した病理学的状態を予防、処置または改善する方法であり、必要とする対象に、有効量のCREAPモジュレーターを含む医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項12】
該病理学的状態が神経変性疾患である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
該病理学的状態が自己免疫疾患である、請求項11記載の方法。
【請求項14】
該病理学的状態が炎症性疾患である、請求項11記載の方法。
【請求項15】
該病理学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、骨関節症、乾癬、喘息、COPD、リウマチ性関節炎、癌、糖尿病、高血圧および慢性疼痛からなる群から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項16】
該CREAPモジュレーターが、CREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される任意の1個またはそれ以上のCREAPタンパク質の活性を阻害する、請求項11記載の方法。
【請求項17】
該CREAPモジュレーターがCREAPタンパク質に対する1個またはそれ以上の抗体、またはそのフラグメントを含み、ここで、該抗体またはそのフラグメントが該CREAPタンパク質の活性を阻害できるものである、請求項11記載の方法。
【請求項18】
該CREAPモジュレーターが、1個またはそれ以上のCREAPタンパク質に対するペプチド模倣物を含み、ここで、該ペプチド模倣物が該CREAPタンパク質の活性を阻害できるものである、請求項11記載の方法。
【請求項19】
該CREAPモジュレーターが、CREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される任意の1個またはそれ以上のCREAPタンパク質の発現を阻害する、請求項11記載の方法。
【請求項20】
該CREAPモジュレーターが、アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせんDNA、リボザイム、RNAアプタマーおよび二本鎖または一本鎖RNAからなる群から選択される任意の1個またはそれ以上の物質を含み、ここで、該物質がCREAPタンパク質の発現を阻害するように設計されているものである、請求項19記載の方法。
【請求項21】
CRE−依存性遺伝子発現の異常な活性化またはケモカインの異常な活性化に関連した病理学的状態の予防、処置または改善に有用なモジュレーターを同定する方法であり、候補モジュレーターのCREAPタンパク質の活性を阻害する能力をアッセイすることを含む、方法。
【請求項22】
該CREAPタンパク質が、CREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される、請求項21記載の方法。
【請求項23】
該方法が、さらに、同定したCREAP阻害性モジュレーターが、該病理学的状態のインビトロ、エキソビボまたはインビボモデルおよび/または該病理学的状態の対象での臨床試験で観察される病理学的影響を回復させる能力をアッセイすることを含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
該病理学的状態が神経変性疾患である、請求項21記載の方法。
【請求項25】
該病理学的状態が自己免疫疾患である、請求項21記載の方法。
【請求項26】
該病理学的状態が炎症性疾患である、請求項21記載の方法。
【請求項27】
該病理学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、骨関節症、乾癬、喘息、COPD、リウマチ性関節炎、癌、糖尿病、高血圧および慢性疼痛からなる群から選択される、請求項21記載の方法。
【請求項28】
CRE−依存性遺伝子発現の異常な活性化またはケモカインの異常な活性化に関連した病理学的状態の予防、処置または改善に有用なモジュレーターを同定する方法であり、候補モジュレーターがCREAPタンパク質の発現を阻害する能力をアッセイすることを含む、方法。
【請求項29】
該CREAPタンパク質が、CREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される、請求項28記載の方法。
【請求項30】
該方法が、さらに、同定したCREAP阻害性モジュレーターが、該病理学的状態のインビトロ、エキソビボまたはインビボモデルおよび/または該病理学的状態の対象での臨床試験で観察される病理学的影響を回復させる能力をアッセイすることを含む、請求項28記載の方法。
【請求項31】
該病理学的状態が神経変性疾患である、請求項28記載の方法。
【請求項32】
該病理学的状態が自己免疫疾患である、請求項28記載の方法。
【請求項33】
該病理学的状態が炎症性疾患である、請求項28記載の方法。
【請求項34】
該病理学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、骨関節症、乾癬、喘息、COPD、リウマチ性関節炎、癌、糖尿病、高血圧および慢性疼痛からなる群から選択される、請求項28記載の方法。
【請求項35】
1個またはそれ以上のCREAPモジュレーターを、CRE−依存性遺伝子発現の異常な活性化またはケモカインの異常な活性化に関連した病理学的状態を、必要とする対象において予防、処置または改善するのに有効な量で含む、医薬組成物。
【請求項36】
該病理学的状態が神経変性疾患である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項37】
該病理学的状態が自己免疫疾患である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項38】
該病理学的状態が炎症性疾患である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項39】
該病理学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、骨関節症、乾癬、喘息、COPD、リウマチ性関節炎、癌、糖尿病、高血圧および慢性疼痛からなる群から選択される、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項40】
該CREAPモジュレーターが、CREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される任意の1個またはそれ以上のCREAPタンパク質の活性を阻害する、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項41】
該CREAPモジュレーターCREAPタンパク質に対する1個またはそれ以上の抗体、またはそのフラグメントを含み、ここで、該抗体またはそのフラグメントが該CREAPタンパク質の活性を阻害できるものである、請求項40記載の医薬組成物。
【請求項42】
該モジュレーターが、1個またはそれ以上のCREAPタンパク質に対するペプチド模倣物を含み、ここで、該ペプチド模倣物が該CREAPタンパク質の活性を阻害できるものである、請求項40記載の医薬組成物。
【請求項43】
該CREAPモジュレーターが、CREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される任意の1個またはそれ以上のCREAPタンパク質の発現を阻害できるものである、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項44】
該CREAPモジュレーターが、アンチセンスオリゴヌクレオチド、三重らせんDNA、リボザイム、RNAアプタマーおよび二本鎖または一本鎖RNAからなる群から選択される任意の1個またはそれ以上の物質を含み、ここで、該物質がCREAPタンパク質の発現を阻害するように設計されているものである、請求項43記載の医薬組成物。
【請求項45】
CRE−依存性遺伝子発現の異常な活性化またはケモカインの異常な活性化に関連した病理学的状態を有し、CREAPモジュレーターでの処置に適した候補者である可能性がある対象を診断する方法であり、該対象由来の生物学的サンプルにおけるCREAPタンパク質のmRNAレベルをアッセイし、ここで、コントロールと比較して上昇したmRNAレベルを有する対象を、CREAPモジュレーター処置に適した候補者であるとする、方法。
【請求項46】
該CREAPタンパク質が、CREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される、請求項45記載の方法。
【請求項47】
CRE−依存性遺伝子発現の異常な活性化またはケモカインの異常な活性化に関連した病理学的状態を有し、CREAPモジュレーターでの処置に適した候補者である可能性がある対象を診断する方法であり、該対象由来の生物学的サンプルにおけるCREAPタンパク質のレベルをアッセイし、ここで、コントロールと比較して上昇したレベルを有する対象を、CREAPモジュレーター処置に適した候補者であるとする、方法。
【請求項48】
該CREAPタンパク質が、CREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される、請求項47記載の方法。
【請求項49】
CRE−依存性遺伝子発現の異常な活性化またはケモカインの異常な活性化に関連した病理学的状態を予防、処置または改善する方法であり:
(a)対象におけるCREAP mRNAおよび/またはタンパク質レベルをアッセイし;そして、
(b)コントロールと比較してCREAP mRNAおよび/またはタンパク質レベルが上昇した対象に、該病理学的状態を予防、処置または改善するのに十分な量のCREAPモジュレーターを投与する
ことを含む、方法。
【請求項50】
該病理学的状態が神経変性疾患である、請求項49記載の方法。
【請求項51】
該病理学的状態が自己免疫疾患である、請求項49記載の方法。
【請求項52】
該病理学的状態が炎症性疾患である、請求項49記載の方法。
【請求項53】
該病理学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、骨関節症、乾癬、喘息、COPD、リウマチ性関節炎、癌、糖尿病、高血圧および慢性疼痛からなる群から選択される、請求項49記載の方法。
【請求項54】
生物学的サンプル中のCREAPタンパク質のmRNAレベルおよび/またはタンパク質レベルを検出するための診断用キットであり:
(a)CREAPのポリヌクレオチドまたはそのフラグメント;
(b)(a)に相補的なヌクレオチド配列;
(c)CREAPポリペプチド、またはそのフラグメント;
(d)CREAPポリペプチドに対する抗体;または
(e)CREAPタンパク質に対するペプチド模倣物
を含み、ここで、成分(a)、(b)、(c)、(d)または(e)が、実質的構成要素を構成し得る、キット。
【請求項55】
該CREAPタンパク質が、CREAP1、CREAP2またはCREAP3からなる群から選択される、請求項54記載の方法。
【請求項56】
配列番号2、16および25からなる群から選択されるCREAPアミノ酸配列を含む、単離ポリペプチド。
【請求項57】
請求項56記載のポリペプチドをコードする核酸配列を含む、単離核酸配列。
【請求項58】
配列番号2、16および25からなる群から選択されるCREAPアミノ酸配列から成る、単離ポリペプチド。
【請求項59】
請求項58記載のポリペプチドをコードする核酸配列を含む、単離核酸配列。
【請求項60】
生物のCREAP遺伝子によりコードされる、単離CREAPポリペプチド。
【請求項61】
請求項60記載のCREAPポリペプチドをコードする核酸配列を含む、単離DNA。
【請求項62】
請求項57記載の単離核酸のフラグメントを含む、ベクター分子。
【請求項63】
1個またはそれ以上の転写制御配列を含む、請求項62記載のベクター分子。
【請求項64】
請求項63記載のベクター分子を含む、宿主。
【請求項65】
請求項56記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドまたは該ポリペプチドのフラグメントに特異的に結合する、抗体またはそのフラグメント。
【請求項66】
FabまたはF(ab')フラグメントである、請求項65記載の抗体フラグメント。
【請求項67】
ポリクローナル抗体である、請求項65記載の抗体。
【請求項68】
モノクローナル抗体である、請求項65記載の抗体。
【請求項69】
請求項56記載のポリペプチドを産生する方法であり、配列番号2、16および25からなる群から選択されるアミノ酸を含むポリペプチドをコードする外来ポリヌクレオチドを含む発現ベクターをその中に組み込まれて有する宿主細胞を、該宿主細胞中のポリペプチドの発現に十分な条件下で培養し、それにより、発現されたポリペプチドの産生をもたらすことを含む、方法。
【請求項70】
該方法がさらに該細胞により産生されたポリペプチドを回収することを含む、請求項69記載の方法。
【請求項71】
該外来ポリヌクレオチドが、配列番号1、15および24からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項69記載の方法。
【請求項72】
請求項56記載のポリペプチドを産生する方法であり、配列番号2、16および25からなる群から選択されるアミノ酸から成るポリペプチドをコードする外来ポリヌクレオチドを含む発現ベクターをその中に組み込まれて有する宿主細胞を、該宿主細胞中のポリペプチドの発現に十分な条件下で培養し、それにより、発現されたポリペプチドの産生をもたらすことを含む、方法。
【請求項73】
該方法がさらに該細胞により産生されたポリペプチドを回収することを含む、請求項72記載の方法。
【請求項74】
該外来ポリヌクレオチドが、配列番号1、15および24からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項72記載の方法。
【請求項75】
ヒトCREAPタンパク質のアミノ酸領域1−267、289−538、356−580および575−650のフラグメントをコードする核酸配列からなる群から選択される核酸配列を含む、ベクター分子。


【公表番号】特表2007−523608(P2007−523608A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504865(P2006−504865)
【出願日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003182
【国際公開番号】WO2004/085646
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】