説明

サイズプレス用途におけるシェーディングのための水性サイズ剤組成物

本発明は、シェーディング染料、ジアミノスチルベンの誘導体、バインダー、保護ポリマー及び任意に、高品質のインクジェット印刷に適した基体を含む基体の蛍光増白処理に使用できる二価の金属塩を含む、液状のサイズ剤組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光増白剤のジアミノスチルベンの誘導体、シェーディング染料(shading dyes)、バインダー及び任意に、高品質のインクジェット印刷に適した基体を含む基体の蛍光増白処理に使用できる二価の金属塩を含む、水性サイズ剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
高水準の白色度及び輝度は、紙製品のエンドユーザーにとって重要なパラメーターである。製紙産業の最も重要な材料は、セルロース、パルプ及び、自然に青色光を吸収し、それ故黄色がかった色であり、そしてくすんだ外観を紙に与えるリグニンである。
【0003】
白色度と輝度との間の差は当業者には良知られており、例えば国際公開第0218705A1号パンフレット(特許文献1)において議論されている。
【0004】
蛍光増白剤は、最大波長350〜360nmを有するUV光を吸収し、これを目に見える最大波長440nmを有する青色光に変換することによって、青色光の吸収を補償するために、製紙産業において使用されている。
【0005】
蛍光増白剤に加えて、より高水準の白色度を達成し、そして白色紙の色合いを制御するために、ある種のシェーディング染料又は顔料を、紙に添加できることが十分確立されている。
【0006】
しかしながら、国際公開第0218705A1号パンフレット(特許文献1)は、白色度に関して好ましい効果を有する一方で、輝度に関しては消極的な効果を有するシェーディング染料又は顔料の使用を教示している。この問題に対する解法とは、更なる蛍光増白剤を追加することであり、その利点は、国際公開第0218705A1号パンフレット(特許文献1)でクレームされている発明の利点は、直接染料(CI Direct Violet 35)又は顔料の少なくとも一種、及び少なくとも一種の蛍光増白剤を含む混合物の使用によって特徴付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第0218705A1号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0277950A号明細書
【特許文献3】欧州特許出願第0884312号
【特許文献4】欧州特許出願第0899373号
【特許文献5】国際公開第02/055646号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2006/061399号パンフレット
【特許文献7】国際公開第2007/017336号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Handbook for Pulp & Paper Technologists by G. A. Smook, 2nd Edition Angus Wilde Publications, 1992の第283〜第286頁
【非特許文献2】Handbook for Pulp & Paper Technologists by G. A. Smook, 2nd Edition Angus Wilde Publications, 1992の第13章及び第15章
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
驚くべきことに、本発明者等は、製紙業者が、輝度を著しく損なうことなく高水準の白色度に達することを可能にする、蛍光増白剤及びシェーディング染料を含むサイズ剤を発見した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の目標は、ジアミノスチルベン誘導体系の蛍光増白剤、シェーディング染料、バインダー及び任意に、二価の金属塩を含有する水性のサイズ剤であって、サイズプレス時に紙に適用されるシェーディング染料又は顔料の使用によって特徴付けられる、輝度の損失を回避する一方で高い白色水準を与える、該水性のサイズ剤を提供することである。
【0011】
本発明は、少なくとも一種の蛍光増白剤、少なくとも一種のシェーディング染料、少なくとも一種のバインダー及び任意に、少なくとも一種の二価の金属塩を含有する水性のサイズ剤が使用されることを特徴とする、紙基体を蛍光増白し、かつ色付けする方法を更に提供する。
【0012】
したがって、本発明は基体、好ましくは紙を蛍光増白するための次の成分を含む水性のサイズ剤組成物を提供する。
a) 次式(I)で表される少なくとも一種の蛍光増白剤であって、該増白剤上のアニオン電荷が、水素、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属、アンモニウム、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択される一つ又はより多くの、同一又は異なるカチオンからなるカチオン電荷によって平衡化される、蛍光増白剤、
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、
及びR’は、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれが水素、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル、CHCO、CHCHCONH又はCHCHCNであり、
及びR’は、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれがC〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル、CHCO、CH(CO)CHCO、CH(CO)CHCHCO、CHCHSO、CHCHCO、CHCH(CH)CO、ベンジルであるか、又は、
及びR及び/又はR’及びR’は、隣接する窒素原子と一緒にモルホリン環を表し、及び
Pは0、1又は2である。)、
b) 次式(II)で表される少なくとも一種の染料、
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、
は、H、メチル又はエチルを表し、
は、パラメトキシフェニル、メチル又はエチルを表し、
Mは、水素、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属、アンモニウム、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択されるカチオンを表す。)
(c) 少なくとも一種のバインダー、
(d) 任意に、一つ又はより多くの二価の金属塩、及び
(e) 水。
【0017】
上記の式(I)のpが1である化合物において、SO基は、フェニル基の4−位にあるのが好ましい。
【0018】
上記の式(I)のpが2である化合物において、SO基は、フェニル基の2,5−位にあるのが好ましい。
【0019】
上記の式(I)の好ましい化合物は、次のような化合物である。
【0020】
上記の増白剤上のアニオン電荷が、水素、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択される一つ又はより多くの、同一又は異なるカチオンからなるカチオン電荷によって平衡化され、
及びR’が、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれが水素、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル、CHCO、CHCHCONH又はCHCHCNであり、
及びR’が、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれがC〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル、CHCO、CH(CO)CHCO、又はCHCHSOであり、及び
Pが0、1又は2である。
【0021】
上記の式(I)のより好ましい化合物は、次のような化合物である。
【0022】
上記の増白剤上のアニオン電荷が、Li、Na、K、Ca2+、Mg2+、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択される一つ又はより多くの、同一又は異なるカチオンからなるカチオン電荷によって平衡化され、
及びR’は、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれが水素、メチル、エチル、プロピル、α−メチルプロピル、β−メチルプロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル、CHCO、CHCHCONH又はCHCHCNであり、
及びR’が、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれがメチル、エチル、プロピル、α−メチルプロピル、β−メチルプロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル、CHCO、CH(CO)CHCO、又はCHCHSOであり、及び
Pが0、1又は2である。
【0023】
上記の式(I)の特に好ましい化合物は、次のような化合物である。
【0024】
上記の増白剤上のアニオン電荷が、Na、K及びトリエタノールアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択される一つ又はより多くの、同一又は異なるカチオンからなるカチオン電荷によって平衡化され、
及びR’は、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれが水素、エチル、プロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル、CHCO、又はCHCHCNであり、
及びR’は、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれがエチル、プロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル、CHCO、CH(CO)CHCO、又はCHCHSOであり、及び
Pは1又は2である。
【0025】
上記のサイズ剤組成物中の式(I)で表される化合物の濃度は、0.2〜30g/l、好ましくは1〜25g/l、特に好ましくは2〜20g/lであることができる。
【0026】
上記の式(II)の好ましい化合物は次のような化合物である。
【0027】
が、H、メチル又はエチルを表し、
が、パラメトキシフェニル、メチル又はエチルを表し、
Mが、水素、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択されるカチオンを表す。
【0028】
上記の式(II)のより好ましい化合物は次のような化合物である。
【0029】
が、メチル又はエチルを表し、
が、メチル又はエチルを表し、
Mが、Li、Na、K、1/2Ca2+、1/2Mg2+、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択されるカチオンを表す。
【0030】
上記の式(II)の特に好ましい化合物は次のような化合物である。
【0031】
が、メチルを表し、
が、メチルを表し、
Mが、Na、K、トリエタノールアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択されるカチオンを表す。
【0032】
上記のサイズ剤組成物中の式(II)で表される化合物の濃度は、0.01〜20mg/l、好ましくは0.05〜10mg/l、特に好ましくは0.1〜5mg/lであることができる。
【0033】
バインダーは、典型的には、酵素的に又は化学的に変性されたでんぷん、例えば、酸化でんぷん、ヒドロキシエチル化でんぷん又はアセチル化でんぷんである。該でんぷんはまた、実施される個々の実施形態に応じて、天然でんぷん、アニオン性でんぷん、カチオン性でんぷん、又は両性でんぷんであることもできる。しかしながら、でんぷん源はいずれであってもよく、そうしたでんぷん源の例には、トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、コメ、タピオカ及びサゴでんぷんが含まれる。一種又はより多くの第二のバインダー、例えば、ポリビニルアルコールを使用することもできる。
【0034】
サイズ剤組成物中のバインダーの濃度は、該サイズ剤組成物の全重量に基づいて1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは、5〜15重量%であることができる。
【0035】
好ましい二価の金属塩は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、ギ酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素カルシウム、亜硫酸水素マグネシウム、亜ジチオン酸カルシウム、亜ジチオン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸マグネシウム、又はそれらの化合物の混合物からなる群から選択される。
【0036】
より好ましい二価の金属塩は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸マグネシウム又はそれらの化合物の混合物からなる群から選択される。
【0037】
特に好ましい二価の金属塩は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム又はそれらの化合物の混合物からなる群から選択される。
【0038】
サイズ剤組成物が二価の金属塩を含む場合、その二価の金属塩のサイズ剤組成物中の濃度は、0.1〜100g/l、好ましくは0.5〜75g/l、特に好ましくは1〜50g/lであることができる。
【0039】
二価の金属塩が、一種又はより多くのカルシウム塩、及び一種又はより多くのマグネシウム塩の混合物である場合、そのカルシウム塩の量は、その二価の金属塩の全重量に基づいて、0.1〜99.9重量%の範囲内であることができる。
【0040】
サイズ剤組成物のpH値は、典型的には、5〜13、好ましくは6〜11の範囲内にある。サイズ剤組成物のpHを調整する必要がある場合、酸又は塩基を使用することができる。使用することのできる酸の例には、それらに限定されることはないが、塩酸、硫酸、ギ酸及び酢酸が含まれる。使用することのできる塩基の例には、それらに限定されることはないが、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩が含まれる。
【0041】
上記の式(I)の一種又はより多くの化合物、上記の式(II)の一種又はより多くの化合物、一種又はより多くのバインダー、任意に、一種又はより多くの二価の金属塩及び水に加えて、サイズ剤組成物は、該式(I)の化合物及び該式(II)の化合物の製造の間に形成される副生成物、並びに、その他の慣用的な紙の添加剤類を含有することができる。そのような添加剤類の例とは、キャリアー、消泡剤、ワックスエマルジョン、染料、無機塩、可溶化助剤、保存料、錯化剤、殺生物剤、表面サイズ剤、架橋剤、顔料又は特殊樹脂等である。
【0042】
任意に、サイズ剤組成物はポリエチレングリコールを含むことができる。サイズ剤組成物がポリエチレングリコールを含む場合、式(I)の化合物又は式(II)の化合物の性能を高めるためのいわゆるキャリアーとして作用するよう、式(I)の化合物の一部に対するそのポリエチレングリコールの比は、部で、0.05/1〜2/1、好ましくは0.1/1〜1.5/1、より好ましくは0.15/1〜1/1であることができる。キャリアーとして使用できるそのポリエチレングリコールは、100〜8,000の範囲内の、好ましくは200〜6,000の範囲内の、より好ましくは300〜4,500の範囲内の平均分子量を有することができる。
【0043】
任意に、サイズ剤組成物は、ポリビニルアルコールを含むことができる。サイズ剤組成物がポリビニルアルコールを含む場合、式(I)の化合物又は式(II)の化合物の性能を高めるためのいわゆるキャリアーとして作用するよう、式(I)の化合物一部に対するそのポリエチレングリコールの比は、部で、0.005/1〜1/1、好ましくは0.025/1〜0.5/1、より好ましくは0.05/1〜0.3/1であることができる。キャリアーとして使用できるポリビニルアルコールは、60%又はそれより大きい加水分解度、及び20℃の4%水溶液について、1〜60mPa・sのブルックフィールド粘度を有する。好ましくは、その加水分解度は、70%〜95%であり、そのブルックフィールド粘度は1〜50mPa・s(20℃における4%水溶液)である。最も好ましくは、その加水分解度は、70%〜90%であり、そのブルックフィールド粘度は1〜40mPa・s(20℃における4%水溶液)である。
【0044】
サイズ剤組成物は、20℃〜90℃の温度の、予め形成されたバインダーの水溶液に対して、上記の式(I)の一種又はより多くの化合物、上記の式(II)の一種又はより多くの化合物、一種又はより多くのバインダー、任意に、一種又はより多くの二価の金属塩及び水を添加することによって製造することができる。
【0045】
式(I)の化合物、式(II)の化合物、及び任意に二価の金属塩は、20℃〜90℃の温度における、予め形成されたバインダーの水溶液に対していずれかの順に加えるか、又は同時に加えることができる。
【0046】
式(I)の化合物、式(II)の化合物、及び任意に二価の金属塩は、粉末として、又は予め形成された水溶液として、20℃〜90℃の温度の、予め形成されたバインダーの水溶液に添加することができる。
【0047】
予め形成された水溶液として使用する場合、式(I)の化合物の水中における濃度は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%であり、その重量%は、式(I)の化合物を含む予め形成された水溶液の全重量に基づく。
【0048】
予め形成された水溶液として使用する場合、式(II)の化合物の水中における濃度は、好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%であり、その重量%は、式(II)の化合物を含む予め形成された水溶液の全重量に基づく。
【0049】
予め形成された水溶液として使用する場合、二価の金属塩の水中における濃度は、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは2〜70重量%、特に好ましくは3〜60重量%であり、その重量%は、二価の金属塩を含む予め形成された水溶液の全重量に基づく。
【0050】
それ故、本発明の更なる課題は、上記で定義したサイズ剤組成物の、それらの好ましい実施形態の全てにおいてもまた、好ましくは、セルロース基体、例えば、テキスタイル、不織布又はより好ましくは紙を蛍光増白するための使用である。
【0051】
サイズ剤組成物は、当該技術分野で知られているいずれかの表面処理法によって紙基体の表面に対して塗工することができる。塗工方法の例には、サイズプレス塗布、カレンダーサイズ塗布、タブサイジング(tub sizing)、コーティング塗工及び噴霧塗工が包含される。(例えば、Handbook for Pulp & Paper Technologists by G. A. Smook, 2nd Edition Angus Wilde Publications, 1992の第283〜第286頁(非特許文献1)及び米国特許出願公開第2007/0277950A号明細書(特許文献2)を参照。)好ましい塗工方法は、パドルサイズプレスのようなサイズプレスにおけるものである。予め形成された紙のシートを、サイズ剤組成物を充満させた2ロールニップを通過させる。紙はその組成物のいく分かを吸収し、残りはニップ中で除去される。
【0052】
紙基体は、いずれかの繊維系植物由来であることができるセルロース繊維のウェッブを含む。好ましくは、そのセルロース繊維は、硬材(ハードウッド)及び/又は軟材(ソフトウッド)由来である。その繊維は、バージン繊維又は再生繊維のいずれか、又はバージン繊維と再生繊維とのいずれかの組合せであってよい。
【0053】
紙基体に含まれるセルロース繊維は、例えば、Handbook for Pulp & Paper Technologists by G. A. Smook, 2nd Edition Angus Wilde Publications, 1992の第13章及び第15章(非特許文献2)のそれぞれにおいて説明されているような物理的及び/又は化学的方法によって改質することができる。セルロース繊維の化学的改質の一例は、例えば、欧州特許出願第0884312号(特許文献3)、欧州特許出願第0899373号(特許文献4)、国際公開第02/055646号パンフレット(特許文献5)、国際公開第2006/061399号パンフレット(特許文献6)及び国際公開第2007/017336号パンフレット(特許文献7)に記載されているような蛍光増白剤の添加である。
【0054】
以下の例は、本発明をより詳細に説明する。本発明において、別途指示しない限り“部”は“重量部”を意味し、“%”は“重量%”を意味する。
【実施例】
【0055】
製造例1
次の式(1)の化合物を含む水性のシェーディング液(S1)を、40部の式(1)の化合物を460部の水に、効果的に撹拌しながら室温でゆっくりと添加することによって調製する。得られた液を、1時間撹拌し、そしてろ過して不溶粒子を除去する。得られたシェーディング液(S1)は、6.0〜7.0の範囲内のpHを有し、かつ、最終的なシェーディング水溶液(S1)の全重量に基づく重量%で、8重量%の式(1)の化合物を有する。
【0056】
【化3】

【0057】
塗工例1
水性のサイズ剤組成物を、上記の製造例1に従って調製された、0〜30mg/Lの濃度(乾燥固形物に基づいて0〜2.4mg/Lの式(1)の化合物)の範囲で式(1)の化合物を含む水性のシェーディング液(S1)を、塩化カルシウム(35g/L)、式(2)の化合物(7.5g/L)及びアニオン性でんぷん(50g/L)(Penfold Starch 260)を含む、撹拌された水溶液に60℃で添加することよって調製する。そのサイズ剤溶液を冷却し、その後、実験用のサイズプレスの動いているローラ間に注ぎ、商用の75g/m AKD(アルキルケトン二量体)のサイジングし、漂白した紙ベースシートに塗工する。処理した紙を5分間70℃で平台乾燥機(flat bed drier)中で乾燥させる。乾燥させた紙を整え、その後、目盛りを付けた自動Elrepho分光光度計でCIE白色度及び輝度を測定する。結果は、表1及び表2のそれぞれに示され、そして本発明により、輝度を著しく損なうことなく高水準の白色度がもたらされることを明らかに示している。
【0058】
【化4】

【0059】
比較塗工例1
水性のサイズ剤組成物を、CI Direct Violet 35の水溶液(そのCI Direct Violet 35水溶液の全重量に基づいて、重量%で乾燥CI Direct Violet 35、約11重量%)を、0〜30mg/Lの濃度(乾燥CI Direct Violet 35化合物に基づいて0〜3.3mg/L)の範囲で、塩化カルシウム(35g/L)、式(2)の化合物(7.5g/L)及びアニオン性でんぷん(50g/L)(Penfold Starch 260)を含む、撹拌された水溶液に60℃で添加することよって調製する。そのサイズ剤溶液を冷却し、その後、実験用のサイズプレスの動いているローラ間に注ぎ、商用の75g/m AKD(アルキルケトン二量体)のサイジングし、漂白した紙ベースシートに塗工する。処理した紙を5分間70℃で平台乾燥機(flat bed drier)中で乾燥させる。
【0060】
乾燥させた紙を整え、その後、目盛りを付けた自動Elrepho分光光度計でCIE白色度及び輝度を測定する。結果は、表1及び表2のそれぞれに示され、そしてCI Direct Violet 35が、本発明のシェーディング染料よりも輝度における非常に望ましくない効果を有する一方で、白色度における効果が低いことを明らかに示している。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
塗工例2
水性のサイズ剤組成物を、予め形成された、式(2)の化合物を含む水溶液(該式(2)の化合物を含む水溶液の全重量に基づいて、重量%で18.2重量%の式(2)の化合物)を、0〜60g/Lの濃度(式(2)の乾燥化合物に基づいて0〜約11g/L)の濃度の範囲で、式(1)の化合物(4.0mg/L)及びアニオン性ジャガイモでんぷん(75g/L)(AVEBE B.A.からのPerfectamyl A4692)を含む撹拌された水溶液に60℃で添加することよって調製する。そのサイズ剤溶液を冷却し、その後、実験用のサイズプレスの動いているローラ間に注ぎ、そして商用の75g/m AKD(アルキルケトン二量体)のサイジングし、漂白した紙ベースシートに塗工する。処理した紙を5分間70℃で平台乾燥機(flat bed drier)中で乾燥させる。
【0064】
乾燥させた紙を整え、その後、目盛りを付けた自動Elrepho分光光度計でCIE白色度及び輝度を測定する。結果は、表3及び表4のそれぞれに示され、そして本発明により、白色度及び輝度両方の優れた増強がもたらされることを明らかに示している。
【0065】
比較塗工例2
水性のサイズ剤組成物を、予め形成された、式(2)の化合物を含む水溶液(該式(2)の化合物を含む水溶液の全重量に基づいて、重量%で18.2重量%の式(2)の化合物)を、0〜60g/Lの濃度(式(2)の乾燥化合物に基づいて0〜約11g/L)の濃度の範囲で、アニオン性ジャガイモでんぷん(75g/L)(AVEBE B.A.からのPerfectamyl A4692)を含む撹拌された水溶液に60℃で添加することよって調製する。そのサイズ剤溶液を冷却し、その後、実験用のサイズプレスの動いているローラ間に注ぎ、そして商用の75g/m AKD(アルキルケトン二量体)のサイジングし、漂白した紙ベースシートに塗工する。処理した紙を5分間70℃で平台乾燥機(flat bed drier)中で乾燥させる。
【0066】
乾燥させた紙を整え、その後、目盛りを付けた自動Elrepho分光光度計でCIE白色度及び輝度を測定する。結果は、表3及び表4のそれぞれに示され、そしてシェーディング染料が存在しないことによって、輝度の増強における効果がなく、白色度の増強においておもわしくない効果を有することを明らかに示している。
【0067】
【表3】

【0068】
【表4】

【0069】
塗工例3
水性のサイズ剤組成物を、予め形成された、次の式(3)の化合物を含む水溶液(該式(3)の化合物を含む水溶液の全重量に基づいて、重量%で14.7重量%の式(3)の化合物)を、0〜60g/Lの濃度(式(3)の乾燥化合物に基づいて0〜約9g/L)の濃度の範囲で、式(1)の化合物(4.0mg/L)及びアニオン性ジャガイモでんぷん(75g/L)(AVEBE B.A.からのPerfectamyl A4692)を含む撹拌された水溶液に60℃で添加することよって調製する。そのサイズ剤溶液を冷却し、その後、実験用のサイズプレスの動いているローラ間に注ぎ、そして商用の75g/m AKD(アルキルケトン二量体)のサイジングし、漂白した紙ベースシートに塗工する。処理した紙を5分間70℃で平台乾燥機(flat bed drier)中で乾燥させる。
【0070】
乾燥させた紙を整え、その後、目盛りを付けた自動Elrepho分光光度計でCIE白色度及び輝度を測定する。結果は、表5及び表6のそれぞれに示され、そして本発明により、白色度及び輝度両方の優れた増強がもたらされることを明らかに示している。
【0071】
【化5】

【0072】
比較塗工例3
水性のサイズ剤組成物を、予め形成された、次の式(3)の化合物を含む水溶液(該式(3)の化合物を含む水溶液の全重量に基づいて、重量%で14.7重量%の式(3)の化合物)を、0〜60g/Lの濃度(式(3)の乾燥化合物に基づいて0〜約9g/L)の濃度の範囲で、アニオン性ジャガイモでんぷん(75g/L)(AVEBE B.A.からのPerfectamyl A4692)を含む撹拌された水溶液に60℃で添加することよって調製する。そのサイズ剤溶液を冷却し、その後、実験用のサイズプレスの動いているローラ間に注ぎ、そして商用の75g/m AKD(アルキルケトン二量体)のサイジングし、漂白した紙ベースシートに塗工する。処理した紙を5分間70℃で平台乾燥機(flat bed drier)中で乾燥させる。
【0073】
乾燥させた紙を整え、その後、目盛りを付けた自動Elrepho分光光度計でCIE白色度及び輝度を測定する。結果は、表5及び表6のそれぞれに示され、そしてシェーディング染料が存在しないことによって、輝度の増強における効果がなく、白色度の増強においておもわしくない効果を有することを明らかに示している。
【0074】
【表5】

【0075】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体、好ましくは紙の蛍光増白のための水性サイズ剤組成物であって、
a) 次式(I)で表される少なくとも一種の蛍光増白剤であって、該増白剤上のアニオン電荷は、水素、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属、アンモニウム、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択される一つ又はより多くの、同一又は異なるカチオンからなるカチオン電荷によって平衡化される、蛍光増白剤、
【化1】

(式中、
及びR’は、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれが水素、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル、CHCO、CHCHCONH又はCHCHCNであり、
及びR’は、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれがC〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル、CHCO、CH(CO)CHCO、CH(CO)CHCHCO、CHCHSO、CHCHCO、CHCH(CH)CO、ベンジルであるか、又は、
及びR及び/又はR’及びR’は、隣接する窒素原子と一緒にモルホリン環を表し、及び
Pは0、1又は2である。)、
b) 次式(II)で表される少なくとも一種の染料、
【化2】

(式中、
は、H、メチル又はエチルを表し、
は、パラメトキシフェニル、メチル又はエチルを表し、
Mは、水素、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属、アンモニウム、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択されるカチオンを表す。)
(c) 少なくとも一種のバインダー、
(d) 任意に、一つ又はより多くの二価の金属塩、及び
(e) 水
を含んでなる、上記の組成物。
【請求項2】
上記の式(I)において、該増白剤上のアニオン電荷が、水素、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択される一つ又はより多くの、同一又は異なるカチオンからなるカチオン電荷によって平衡化され、
及びR’は、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれが水素、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル、CHCO、CHCHCONH又はCHCHCNであり、
及びR’は、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれがC〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキル、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル、CHCO、CH(CO)CHCO、又はCHCHSOであり、及び
Pは0、1又は2である、請求項1に記載のサイズ剤組成物。
【請求項3】
上記の式(I)において、該増白剤上のアニオン電荷が、Li、Na、K、Ca2+、Mg2+、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択される一つ又はより多くの、同一又は異なるカチオンからなるカチオン電荷によって平衡化され、
及びR’が、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれが水素、メチル、エチル、プロピル、α−メチルプロピル、β−メチルプロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル、CHCO、CHCHCONH又はCHCHCNであり、
及びR’が、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれがメチル、エチル、プロピル、α−メチルプロピル、β−メチルプロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル、CHCO、CH(CO)CHCO、又はCHCHSOであり、及び
Pが0、1又は2である、請求項1に記載のサイズ剤組成物。
【請求項4】
上記の式(I)において、該増白剤上のアニオン電荷が、Na、K及びトリエタノールアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択される一つ又はより多くの、同一又は異なるカチオンからなるカチオン電荷によって平衡化され、
及びR’が、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれが水素、エチル、プロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル、CHCO、又はCHCHCNであり、
及びR’が、同じか又は異なっていてもよく、そしてそれぞれがエチル、プロピル、β−ヒドロキシエチル、β−ヒドロキシプロピル、CHCO、CH(CO)CHCO、又はCHCHSOであり、及び
Pが1又は2である、請求項1に記載のサイズ剤組成物。
【請求項5】
前記サイズ剤組成物中の式(I)で表される化合物の濃度が、0.2〜30g/l、好ましくは1〜25g/l、特に好ましくは2〜20g/lである、請求項1〜4のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項6】
前記式(II)において、
が、H、メチル又はエチルを表し、
が、パラメトキシフェニル、メチル又はエチルを表し、
Mが、水素、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択されるカチオンを表す、
請求項1〜5のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項7】
が、メチル又はエチルを表し、
が、メチル又はエチルを表し、
Mが、Li、Na、K、1/2Ca2+、1/2Mg2+、C〜Cの直鎖状又は分岐状のヒドロキシアルキル基でモノ−置換、ジ−置換、トリ−置換又はテトラ−置換されたアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択されるカチオンを表す、
請求項1〜6のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項8】
が、メチルを表し、
が、メチルを表し、
Mが、Na、K、トリエタノールアンモニウム、又はそれら化合物の混合物からなる群から選択されるカチオンを表す、
請求項1〜7のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項9】
前記サイズ剤組成物中の式(II)で表される化合物の濃度が、0.01〜2mg/l、好ましくは0.05〜10mg/l、特に好ましくは0.1〜5mg/lである、請求項1〜8のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項10】
前記バインダーが、酵素的に又は化学的に変性されたでんぷん、ヒドロキシエチル化でんぷん、又はアセチル化でんぷんである、請求項1〜9のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項11】
前記サイズ剤組成物中のバインダーの濃度が、該サイズ剤組成物の全重量に基づいて1〜30重量%である、請求項1〜10のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項12】
前記二価の金属塩が、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、ギ酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素カルシウム、亜硫酸水素マグネシウム、亜ジチオン酸カルシウム、亜ジチオン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸マグネシウム、又はそれらの化合物の混合物からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項13】
前記二価の金属塩が、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、又はそれらの化合物の混合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項14】
前記サイズ剤組成物中の二価の金属塩の濃度が、0.1〜100g/l、好ましくは0.5〜75g/l、特に好ましくは1〜50g/lである、請求項1〜13のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項15】
前記サイズ剤組成物のpHの値が、5〜13、好ましくは6〜11の範囲内である、請求項1〜14のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項16】
前記サイズ剤組成物が、キャリアー、消泡剤、ワックスエマルジョン、染料、無機塩、可溶化助剤、保存料、錯化剤、殺生物剤、表面サイズ剤、架橋剤、顔料又は特殊樹脂のような更なる添加剤を含む、請求項1〜15のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項17】
前記サイズ剤組成物が、ポリエチレングリコール又はポリビニルアルコールを更に含む、請求項1〜16のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物。
【請求項18】
セルロース基体、例えば、織物、不織布又はより好ましくは紙の蛍光増白処理のための、請求項1〜17のいずれか一つに記載のサイズ剤組成物の使用。

【公表番号】特表2013−519742(P2013−519742A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552301(P2012−552301)
【出願日】平成23年2月5日(2011.2.5)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000546
【国際公開番号】WO2011/098237
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(398056207)クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド (182)
【Fターム(参考)】