説明

サイズ及び形状調整可能なブラジャー

【課題】分解でき、かつサイズ調整が可能なブラジャーを例供する。
【解決手段】ブラジャー1は、互いに揺動可能に連繋するとともに、長さ調整可能な第1、第2、第3骨材9,10,11a,11b,11cから構成した弾力性を有する素材で形成した一対の骨組み4と、前記一対の骨組み4を被覆し一対のカップを形成する一対の被覆材5と、前記一対の骨組み4を分離可能に連結する一対のアームからなり、一端を緊締可能に枢支してなるカップ接続部材と、一対の係脱可能な係止部を有する長さ調整可能なブレストバンド7と、前記各骨組み4の各外側端に分離可能に連結するとともに、前記ブレストバンド7の端部を連結するバンド接続部材8とを備える。骨組み4と各被覆材5とブレストバンド7とが分離可能なので、着用者は好みに応じたデザインの被覆材5、あるいは破損した部材を交換することができるうえ、骨組み4のサイズを変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者が好みに応じてデザインを選択し得るよう各部を分解組立可能に構成するブラジャーに係り、特に、サイズ調整あるいは形状変更が可能なブラジャーに関する。
【背景技術】
【0002】
通常のブラジャーは、乳房底辺から背中にかけての胸部周りであるアンダーバストサイズと、このアンダーバストサイズと乳房最高部から背中にかけての胸部周りであるトップバストサイズとの高低差であるカップサイズとを組み合わせた寸法でブラジャーサイズを規定している。前記ブラジャーサイズは、乳房の形状や大きさに対応するよう細分化する必要があるうえ、デザインや素材、色、形状といった着用者の嗜好にも応える必要があるため、多種多様なものが既製品として生産されている。また、サイズ数を減少すべく、着用者が自身の体格に合わせるようサイズを調節するもの(特許文献1参照)が提案されている。このサイズ調節は、ブレストバンドの一方の連結帯に設ける連結用のフックと係合する他方の連結帯に設けるアイを長手方向に複数設け、フックを係合する複数のアイを選択することによって行う。
【特許文献1】特開2002−317309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記通常のブラジャーは、他の衣料とは異なるブラジャー特有の細分化されたサイズと、多種多様な形状の品種が必要とされるので、生産者としては非効率な生産を余儀なくされる一方、販売者にとっては、商品回転率が悪く在庫が多くなるという不都合が生じるうえ、ひいては在庫の大量廃棄処分による環境問題も生じるという問題があった。
【0004】
一方、消費者である着用者は、用途と嗜好別に自身に合ったサイズを選択して購入する必要があり、購入数が極めて多くなるうえ、体重の増減や体型の変化、あるいは月経の度に乳房の大きさが変わることに伴って、異なるサイズのものを購入し直さなければならないこともあって、衣料購入費がかさむという問題があった。
【0005】
また、前記通常のブラジャーは、繊維、鉄などの金属やプラスチック等の部品を組み合わせて分解できないように一体形成されているため、洗濯機による洗濯では前記各部品の変形や破損を招くので手洗いを余儀なくされるという問題があった。
【0006】
また、ブレストバンドの長さを調節する従来のものは、ある程度ブラジャーの購入数を減らすことができるが、十分ではないとともに、前述の洗濯時の問題を解決するものではない。
【0007】
本発明は、上記各問題を解消することを課題とし、該課題を解決したブラジャーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に係る本発明は、乳房に対応するサイズ及び形状に調整可能な一対の骨組みと、前記各骨組みに分離可能に装着して各骨組みを被覆し左右一対のカップを形成する一対の被覆材と、前記一対の骨組みを分離可能に連結するカップ接続部材と、一対の係脱可能な係止部を有するブレストバンドと、前記両骨組みの各外側端に分離可能に連結するとともに、前記ブレストバンド端部を連結するバンド接続部材とを備えたものである。
【0009】
また、請求項2に係る本発明は、乳房の下側周縁から両側周縁に対応して延びるよう形成した長さ調整可能な第1骨材、乳房の上側周縁に対応して延びるよう形成し、前記第1骨材両端にその両端を揺動可能に連繋した長さ調整可能な第2骨材、前記第2骨材の途中部位に一端を連繋し、各他端は乳房の膨らみに対応するよう乳房の高さ方向に彎曲し、かつ互いに異なる方向に延ばし、前記第1骨材の互いに異なる位置の途中部位に揺動可能に連繋した長さ調整可能な複数の第3骨材から構成し、これら骨材を弾力性を有する素材で形成した一対の骨組みと、前記各骨組みを被覆して左右一対のカップを形成する伸縮可能な材質からなる一対の被覆材と、前記一対の骨組みを分離可能に連結する一対のアームからなり、一端を緊締可能に枢支してなるカップ接続部材と、一対の係脱可能な係止部を有し長さ調整可能なブレストバンドと、前記各骨組みの各外側端に分離可能に連結するとともに、ブレストバンドの端部を連結するバンド接続部材とを備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
前記請求項1に係る本発明は、ブラジャーの構成部材である骨組みと各被覆材とブレストバンドとが分離可能なので、着用者は自身の好みに応じたデザインのブラジャーを得ることができ、また、破損した場合でも破損部材のみを交換して着用できるうえ、各被覆材とブレストバンドを洗濯機を使用して洗濯することができるという効果を奏する。
【0011】
また、前記請求項2に係る本発明は、ブラジャーの構成部材である骨組みと各被覆材とブレストバンドとが分離可能なので、着用者は自身の好みに応じたデザインのブラジャーを得ることができ、また、破損した場合でも破損部材のみを交換して着用できるうえ、両被覆材とブレストバンドを洗濯機を使用して洗濯することができ、また、着用者は、骨組みの第1、第2、第3骨材を各別に長さ調節することが可能であるとともに、両カップを形成する骨組みを両乳房に対応位置するように両骨組みのなす角度を調節できるので、サイズあるいは形状を自身の体型あるいは好みに合わせて変更することができ、体重の増減や体型の変化、あるいは月経の度に乳房の大きさが変化することに対応可能であって、購入するブラジャー数を減らすことができて衣料購入費を低減でき、一方、生産者にとっては、サイズの細分化をはじめ多種多様なブラジャーを製造することによる、非効率な生産をそれぞれ改善することができ、また、販売者にとっては、商品回転率が向上して在庫が減り、ひいては在庫処分量も減少して大量廃棄による環境問題も生じないという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面の図1〜図9に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1はブラジャーの斜視図、図2は骨組みの正面図、図3は同じく平面図、図4は一方の被覆材の斜視図、図5はカップ接続部材の斜視図、図6はバンド接続部材とバンド係止部材との連結状態を示す斜視図、図7はバンド係止部材の斜視図、図8は第1、第2骨材の伸縮部の分解斜視図、図9は二方向揺動機構の分解斜視図、図10は一方向揺動機構の分解斜視図、図11は他の実施形態のブレストバンドの斜視図である。
【0013】
図1〜図7に示すように、ブラジャー1は、左右の乳房に当てる左右一対のカップ2,3を有し、この左右一対のカップ2,3は、乳房の形状に対応した形状を有する一対の骨組み4と、この両骨組み4に対して分離可能に被覆する一対の被覆材5とで形成する。また、前記ブラジャー1は、左右一対のカップ2,3を胸元で分離可能に連結するカップ接続部材6と、ブレストバンド7と、前記両骨組み4の各外側端に分離可能に連結するとともに、前記ブレストバンド7を連結するバンド接続部材8とを備える。
【0014】
図2及び図3に示すように、骨組み4は、弾力性を有する素材で形成するもので、乳房の下側周縁から両側周縁に対応して延びる長さ調整可能な第1骨材9と、乳房の上側周縁に対応して延び、前記第1骨材9両端にその両端を揺動可能に連繋した長さ調整可能な第2骨材10と、前記第2骨材10の途中部位にその一端を一体的に連繋し、その他端を乳房の膨らみに対応するよう乳房の高さ方向に彎曲し、かつ互いに異なる方向に延ばし、前記第1骨材9の互いに異なる位置の途中部位に揺動可能に連繋した長さ調整可能な3本の第3骨材11a,11b,11cから構成してなる。
【0015】
図2及び図3に示すように、第1骨材9は、乳房の下側周縁から両側周縁に対応して延びるものである。この第1骨材9は、図8で理解できるように、一端側がレール状に形成されるとともに、他端側がパイプ状に形成され、前記レール状部分先端に互いに平行に延び、それぞれの内側に係合突起12を対向するように設けた一対の連結板13を設けてなる可撓性を有するパイプ材14と、このパイプ材14の前記各連結板13間に挿し込み可能で、先端近傍の両側に、前記各係合突起12に係合する長手方向に並ぶ係合凹部15(一側のみ図示)を設けた可撓性を有する挿し込み線材16とからなる。そして、着用者は、前記挿し込み線材16の先端を、前記パイプ材14の両連結板13間に挿し込み、選択した係合凹部15と係合突起12とを係合させ、この第1骨材9の長さを調整することができる。
【0016】
図2及び図3に示すように、第2骨材10は、前記第1骨材9両端近傍にその両端を揺動可能に連繋するものである。この第2骨材10は、前記第1骨材9の両端近傍に揺動可能に連繋する一対のパイプ材17,18と、これらパイプ材17,18の間に配置された挿し込み線材19とからなり、前記各パイプ材17,18は、それぞれ一端側がレール状に形成されるとともに、前記第1骨材9との各連繋端である他端側がパイプ状に形成され、前記レール状部分先端に互いに平行に延び、各内側に係合突起(図示せず)を対向するように設けた一対の連結板20を設けてなり、可撓性を有する。前記挿し込み線材19は、前記パイプ材17,18の前記各連結板20間に挿し込み可能で、両先端近傍の両側に、前記各係合突起(図示せず)に係合する長手方向に並ぶ複数の係合凹部(図示せず)を設けたもので、可撓性を有する。そして、着用者は、前記挿し込み線材19の両端を、前記各パイプ材17,18の各連結板20間に挿し込み、選択した係合凹部と係合突起とを係合させ、この第2骨材10の長さを調整することができる。この長さ調整するための前記パイプ材17と前記挿し込み線材19の連結構造は、前述の第1骨材9と同一である。
【0017】
図2、図3及び図9に示すように、前記第2骨材10のパイプ材17一端と前記第1骨材9のパイプ材14一端近傍とは、二方向揺動機構によって、第1骨材9が延びる方向と、この方向とは直角方向との2方向に揺動するように連繋している。図9で理解できるように、この二方向揺動構造は、第1骨材9のパイプ材14端部近傍の固定孔21に挿し込んでナット22で固定する固定軸23aを一端に有し、他端近傍に厚み方向に透設した軸受孔23bを有する支持片23と、前記軸受孔23bに重ねて軸24で回転自在に連結するための軸受孔25aを一端近傍に有し、他端近傍に幅方向に延びる軸受孔25bを有する介在片25と、この介在片25の軸受孔25bに対応位置させ、軸26で回転自在に連結する軸受孔27aをそれぞれ有する一対の連結腕27とから構成する。前記二方向揺動構造は、第2骨材10のパイプ材18端と第1骨材9の挿し込み線材16一端近傍との連繋部分にも設けられている。
【0018】
図2及び図3に示すように、3本の第3骨材11a,11b,11cは、前記第2骨材10の途中部位に各一端を一体的に連繋し、その他端を乳房の膨らみに対応するよう乳房の高さ方向に彎曲し、かつ互いに異なる方向に互いに角度をつけて延ばし、前記第1骨材9の互いに異なる途中部位に揺動可能に連繋するものである。前記第3骨材11a,11b,11cは、それぞれ、可撓性をするパイプ材29と、可撓性を有する挿し込み部材30とからなる。各パイプ材29は、一端側がレール状に形成されるとともに、他端側がパイプ状に形成され、前記レール状部分先端に互いに平行に延び、各内側に係合突起(図示せず)を対向するように設けた一対の連結板28を設けてなる。各挿し込み線材30は、これらパイプ材29の前記各連結板28間に挿し込み可能で、両先端近傍の両側に、前記各係合突起(図示せず)に係合する長手方向に並ぶ複数の係合凹部(図示せず)を設けている。そして、着用者は、前記挿し込み線材30の一端を、前記各パイプ材29の両連結板28間に挿し込み、選択した係合凹部と係合突起とを係合させ、この第3骨材11a,11b,11cの長さを調整することができる。この長さ調整するための前記パイプ材29と前記挿し込み線材30の連結構造は、前述の第1、第2骨材9,10と同一である。
【0019】
図2、図3及び図10に示すように、前記第3骨材11a先端と前記第1骨材9の中間部分とは、一方向揺動機構によって、第1骨材9が延びる方向とは直角方向に揺動するように連繋するものである。この一方向揺動機構は、図10で理解できるように、第1骨材10のパイプ材14に設け、各軸受孔31を有する一対の連結板32と、第3骨材11aのパイプ材29先端に設け、軸受孔33を有する連結板34と、軸35とから構成する。この一方向揺動機構は、前記連結板32間に前記連結板34を嵌め、軸35を軸受孔31,33に挿し込んで構成するもので、第3骨材11aは、第1骨材9のパイプ材14に対して該第1骨材9の延びる方向とは直角方向に揺動可能となる。また、第3骨材11b,11cの先端は、第1骨材9の挿しこみ線材16の途中部位に前記第3骨材11aの一方向揺動機構と同一の構成をもつ一方向揺動機構(図示せず)を介して連繋してある。
【0020】
以上のように構成した骨組み4は、第1、第2、第3骨材9,10,11a,11b,11cがそれぞれ各別に長さ調整可能であるとともに、第1骨材9と第2骨材10が互いに二方向に揺動するように連繋され、また第3骨材11a,11b,11cが第1骨材9に対して一方向に揺動するように連繋されているので、ブラジャーサイズや形状を人体に合わせて調整することが可能である。
【0021】
図4に示すように、被覆材5は、化学繊維製綿やウレタンスポンジ等の芯体(図示せず)を、柔軟性を有する不織布、ニット生地、織物の単体材又は複合材で被覆してなるパッドで構成するものであり、乳房の上側縁に対応する部分が閉塞され、底部縁及び両側縁に対応する部分が開放された袋形状となし、前記開放縁内側に複数のスナップ36を設けてなる。この被覆材5は、前記一対の骨組み4をカップ接続部材6(図1参照)で連結するとともに、前記各骨組み4の外側縁部分にバンド接続部材8をそれぞれ連結した後に、前記骨組み4を前後から挟むようにしてこれを被覆し、前記各スナップ36で留めることによって装着するもので、この装着により左右一対のカップ2,3が形成される。
【0022】
図1及び図5に示すように、カップ接続部材6は、前記各骨組み4における第1骨材9の挿し込み線材16の彎曲形状に対応するようにそれぞれ相対的に外側に彎曲した形状をもつほぼ円筒状の一対のアーム37,38の一端を互いに緊締ビスで回動可能かつ位置固定可能に連繋してなる。前記各アーム37,38には、それぞれ外側に前記各挿し込み線材16に接続し得る弾力性をもった接続片40a,40b、接続片41a,41bを一体形成するとともに、この接続片40a,40b,41a,41bの内面と、接続片40a,40bと接続片41a,41bとの間のアーム37,38に複数の滑り止め用溝42を設けてある。このカップ接続部材6は、前記接続片40a,40b,41a,41bを前記各挿し込み線材16に嵌合して両骨組み4に接続するとともに、前記緊締ビス39を緩めることによって、該緊締ビス39を中心に回動して開閉させ、所定の位置で前記緊締ビス39を閉めて位置固定することができる。すなわち、両骨組み4のなす角度を変更することができるのである。また、前記接続片40a,40b,41a,41bは、弾力をもっているので、これらを開くようにして前記各挿し込み線材16に嵌合して接続すると不用意には離脱せず、強く引けば離脱する。さらに、接続片40a,40b,41a,41bの内面と、接続片40a,40bと接続片41a,41bとの間部分に複数の滑り止め用溝42を設けてあるので、カップ接続部材6が挿し込み線材16の接続位置からずれることがない。
【0023】
図1及び図6に示すように、一対のバンド接続部材8は、前記各骨組み4における第1骨材9の挿し込み線材16の彎曲形状に対応するような彎曲形状をもつほぼ円筒状のアーム43に前記挿し込み線材16の端部近傍に接続し得る弾力性をもった接続片44a,44bを一体形成するとともに、この接続片44a,44bとは反対側にブレストバンド7を取り付けるための連繋リング45を有し、接続片44a,44bの内面とこれら接続片44a,44bの間アーム43には、複数の滑り止め用溝46を設けてある。一対のバンド接続部材8は、前記接続片44a,44bを前記各挿し込み線材16にそれぞれ嵌合して両骨組み4に接続する。そして、一方のバンド接続部材8には、ブレストバンド7の被係止部7aを前記連繋リング45に取り付ける。前記被係止部7aは、四つ1組の被係止リング47を3組その長手方向に並べ、一端には前記連繋リング45に取り付けた取り付け片48を設けてある。
【0024】
図1に示すように、他方のバンド接続部材8には、ブレストバンド7の一端を取り付け、その他端には、前記被係止部7aの被係止リング47に離脱可能に係止する四つのフック50を有する係止部7bを設ける。図7に示すように、係止部7bの一端には、2枚のプラスチックからなる取り付け片51を設け、これら取り付け片51の対向面には他方の取り付け片51外面に刺さる多数の微細な突起52を設けてある。この係止部7bをブレストバンド7に取り付けるには、着用者に合うようブレストバンドの自由端側を切断して長さ構成し、この切断端を挟むように2枚の取り付け片51を取り付ける。前記ブレストバンド7は、被係止部7aの被係止リング47の3組のうち着用者に合わせて1組を選び、この組の四つの被係止リング47に前記係止部7bの四つのフック50を係止する。このように、上記ブレストバンド7は、着用者の胸周りに合わせて被係止リング47の組を選ぶことによって、着用時の長さを調整することができる。
【0025】
続いて、図11に基づいてブレストバンドの他の実施形態を説明する。ここにおいて図12はブレストバンドの斜視図である。
【0026】
図11に示すように、ブレストバンド91は、2本の第1、第2バンド91a,91bからなり、これら第1、第2バンド91a,91bはそれぞれバンド接続部材8を介して各一端を骨組み4に取り付け、第1バンド91a他端には、被係止部92aを設け、第2バンド91b他端には、前述の係止部7bと同一構成の係止部92bを設けてなる。前記被係止部92aと係止部92bは、図12に示すように、係止部7bと同様の取り付け片93a,93bを有している。これら2本のバンド91a,91bにそれぞれ被係止部92a,92bを取り付ける前に端部を切断して長さ調整することができる。
【0027】
また、図12(斜視図)に示す他の実施形態のブラジャー101は、カップ2,3に装飾102を施すとともに、肩紐103を取り付けたものである。このカップ2,3は前記実施形態の骨組み4に装飾102を施した被覆材104を被せて形成するものである。装飾は、レースやプリント生地を接着あるいは縫い付けたり、布用塗料で描いたり、スパンコールやラインストーンを接着することで行う。
【0028】
次に、骨組み4を構成する第1〜第3骨材の長さ調整構造の変形例1〜4を添付図面の図13〜図17に基づいて説明する。ここにおいて、図13は変形例1の組立前の状態を示す部分拡大斜視図、図14は変形例2の組立前の状態を示す部分拡大斜視図、図15は変形例3の組立前の状態を示す部分拡大斜視図、図16は変形例4の組立前の状態を示す部分拡大斜視図、図17は変形例4のパイプ材の拡大側面図である。
【0029】
図13に示すように、変形例1の骨材53は、弾力性を有する素材で構成され、先端にそれぞれ内側に山形の傾斜面を形成した係止爪54を有する一対の連結板55を設けたパイプ材56と、前記係止爪54に係止する複数の被係止溝57を設けた挿し込み線材58とからなる。前記各連結板55は、その弾力性によって、力をかけると互いに開くよう外側に、また力を抜くと復帰するよう内側に揺動可能である。この骨材53は、挿し込み線材58の先端を、パイプ材56の前記連結板55間に押し込むと、前記両連結板55が押し開かれ、前記挿し込み線材58がパイプ材56内に所定長挿し込まれる。ここで押し込む力を抜くと、挿し込み線材58の所定の被係止溝57に係止爪54が係止する。前記被係止溝57を別の係止爪54に変更するときはパイプ材56に対して挿し込み線材58を所定以上の力で押すか引けば,被係止溝57と係止爪54の係止状態が解け移動することができ、また、力をかけなければ不用意に前記係止状態が解けることはない。よって、この骨材53は長さ調整が容易にできる。
【0030】
図14に示すように、変形例2の骨材59は、弾力性を有する素材で構成され、内側に山形の傾斜面を形成した一対の係止爪60設けたパイプ材61と、前記係止爪61に係止する複数の被係止溝62を設けた挿し込み線材63とからなる。前記パイプ材61は、その弾力性によって、係止爪60に力をかけると前記係止爪60は互いに離反方向に変位して、対応する部分の径が大きくなり、また力を抜くと前記係止爪60は復帰する。この骨材59は、挿し込み線材63の先端を、パイプ材61に押し込むと、前記係止爪60に対応する部分の径が大きくなりながら、前記挿し込み線材63がパイプ材61内に所定長挿し込まれる。ここで押し込む力を抜くと、係止爪60の変形が戻り、挿し込み線材63の所定の被係止溝62に係止爪60が係止する。前記被係止溝62を別の被係止溝62に変更するときはパイプ材61に対して挿し込み線材63を所定以上の力で押すか引けば,被係止溝62と係止爪60の係止状態が解かれ移動することができ、また、力をかけなければ不用意に前記係止状態が解けることはない。よって、この骨材59は長さ調整が容易にできる。
【0031】
図15に示すように、変形例3の骨材64は、その先端から所定長の部分を反割りした一方を開閉可能な開閉半筒65となし、この開閉半筒65及び反割した他方の半筒66の各内面にゴムなどの摩擦帯67a,67bを設けたパイプ材68と、このパイプ材68に挿し込み可能な挿し込み線材69とからなる。前記開閉半筒65は半筒66に対して開閉するとともに、閉じた状態を維持する係止爪70及び被係止片71を開閉半筒65と半筒66に設けてある。この骨材64は、開閉半筒65を開いた状態で、挿し込み線材69をパイプ材68に所定位置まで挿し込み、開閉半筒65を閉じ、係止爪70と被係止片71を係止することによって、摩擦帯67a,67bによって前記挿し込み線材69が移動しないように押えられるというものである。よって、この骨材64は長さ調整が容易にできる。
【0032】
図16及び図17に示すように、変形例4の骨材72は、その先端に挟持部材73を設けた断面四角のパイプ材74と、このパイプ材74に挿し込み可能な挿し込み線材75とからなる。前記挟持部材73は、前記挿し込み線材75を挿通する挿入孔76を有する枠体77と、バネ78によって一方に付勢され、前記挿入孔76と対応位置する挿入孔79を有するとともに、前記バネ78とは反対側に突出したボタン80を設ける挟持体81とからなる。この骨材72は、前記挟持部材73の前記挟持体81のボタン80をバネ78の付勢力に抗して押し、前記枠体77の挿入孔76と前記挟持体81の挿入孔79を合致させ、前記挿し込み線材75を両孔76,79に挿通するよう挿し込み、所定長挿し込んだところで前記ボタン80を離すことによって、バネ78の力で前記枠体77の挿入孔76上縁と挟持体81の挿入孔79で挿し込み線材75を移動しないように挟持するというものである。よって、この骨材74は長さ調整が容易にできる。なお、前記枠体77をパイプ材74の長手方向に延長するよう長く形成すると、前記挿し込み線材75を安定した状態で挟持することができる。
【0033】
なお、本発明は、上記実施形態や変形例になんら限定されるものではなく、例えば、上記実施形態では、一対の骨組み4をカップ接続部材6で接続するとともに、各骨組み4にバンド接続部材8を接続してから、被覆材5を取り付けているが、各骨組み4に被覆材5を取り付け、この被覆材5の上から、一対の骨組み4をカップ接続部材6で接続するとともに、バンド接続部材8を接続してもよい。また、被覆材5の骨組み4に分離可能に被覆する構成は他のものに変えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態のブラジャーを示す斜視図。
【図2】同じく一方の骨組みの正面図。
【図3】同じく一方の骨組みの平面図。
【図4】同じく一方の被覆材の斜視図。
【図5】同じくカップ接続部材の斜視図。
【図6】同じくバンド接続部材とバンド係止部材との連結状態を示す斜視図。
【図7】同じくバンド係止部材の斜視図。
【図8】同じく第1、第2骨材の伸縮部の分解斜視図。
【図9】同じく二方向揺動機構の分解斜視図。
【図10】同じく一方向揺動機構の分解斜視図。
【図11】他の実施形態のブレストバンドの斜視図。
【図12】他の実施形態のブラジャーの斜視図。
【図13】変形例1の骨材の組立前の状態を示す部分拡大斜視図。
【図14】変形例2の骨材の組立前の状態を示す部分拡大斜視図。
【図15】変形例3の骨材の組立前の状態を示す部分拡大斜視図。
【図16】変形例4の骨材の組立前の状態を示す部分拡大斜視図。
【図17】同じくパイプ材の拡大側面図
【符号の説明】
【0035】
1 ブラジャー
2 装飾
3 肩紐
4 骨組み
5 被覆材
6 カップ接続部材
7 ブレストバンド
7a 被係止部
7b 係止部
8 バンド接続部材
9 第1骨材
10 第2骨材
11a,11b,11c 第3骨材
12 係合突起
13 連結板
14 パイプ材
15 係合凹部
16 挿し込み線材
17 パイプ材
18 パイプ材
19 挿し込み線材
20 連結板
21 固定孔
22 ナット
23 支持片
23a 固定軸
23b 軸受孔
24 軸
25 介在片
25a 軸受孔
25b 軸受孔
26 軸
27 連結腕
27a 軸受孔
28 連結板
29 パイプ材
30 挿し込み線材
31 軸受孔
32 連結板
33 軸受孔
34 連結板
35 軸
36 スナップ
37 アーム
38 アーム
39 緊締ビス
40a,40b 嵌合片
41a,41b 嵌合片
42 滑り止め用溝
43 アーム
44a,44b 接続片
45 連繋リング
46 滑り止め用溝
47 係止リング
48 取り付け片
49 突起
50 フック
51 取り付け片
52 突起
53 骨材
54 係止爪
55 連結板
56 パイプ材
57 被係止溝
58 挿し込み線材
59 骨材
60 係止爪
61 パイプ材
62 被係止溝
63 挿し込み線材
64 骨材
65 開閉半筒
66 半筒
67a,67b 摩擦帯
68 パイプ材
69 挿し込み線材
70 係止爪
71 被係止片
72 骨材
73 挟持部材
74 パイプ材
75 挿し込み線材
76 挿入孔
77 枠体
78 バネ
79 挿入孔
80 ボタン
81 挟持体
91 ブラジャー
92a 被係止部
92b 係止部
93a 取り付け片
93b 取り付け片
101 ブラジャー
102 装飾
103 肩紐
104 被覆材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳房に対応するサイズ及び形状に調整可能な一対の骨組みと、前記各骨組みに分離可能に装着して各骨組みを被覆し左右一対のカップを形成する一対の被覆材と、前記一対の骨組みを分離可能に連結するカップ接続部材と、一対の係脱可能な係止部を有するブレストバンドと、前記両骨組みの各外側端に分離可能に連結するとともに、前記ブレストバンド端部を連結するバンド接続部材とを備えたサイズ及び形状調整可能なブラジャー。
【請求項2】
乳房の下側周縁から両側周縁に対応して延びるよう形成した長さ調整可能な第1骨材、乳房の上側周縁に対応して延びるよう形成し、前記第1骨材両端にその両端を揺動可能に連繋した長さ調整可能な第2骨材、前記第2骨材の途中部位に一端を連繋し、各他端は乳房の膨らみに対応するよう乳房の高さ方向に彎曲し、かつ互いに異なる方向に延ばし、前記第1骨材の互いに異なる位置の途中部位に揺動可能に連繋した長さ調整可能な複数の第3骨材から構成し、これら骨材を弾力性を有する素材で形成した一対の骨組みと、前記各骨組みを被覆して左右一対のカップを形成する伸縮可能な材質からなる一対の被覆材と、前記一対の骨組みを分離可能に連結する一対のアームからなり、一端を緊締可能に枢支してなるカップ接続部材と、一対の係脱可能な係止部を有し長さ調整可能なブレストバンドと、前記各骨組みの各外側端に分離可能に連結するとともに、ブレストバンドの端部を連結するバンド接続部材とを備えたサイズ及び形状調整可能なブラジャー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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