説明

サイズ可変ステージ及び液晶基板の検査装置

【課題】フレームを簡単に折り畳んで運ぶことのできるサイズ可変ステージを提供する。
【解決手段】互いに平行に設置され、互いに接近し離間することのできるベースフレームBF11,BF21と、ベースフレームBF11,BF21間を橋渡しする少なくとも1本のスライドフレームSF1とを備えている。連結部材C11,C21は、ベースフレームBF11,BF21の縦長方向に沿ってスライドするスライド機構と、ベースフレームBF11,BF21に対するスライドフレームSF1の角度を変化させることができる回転機構とが設けられている。さらに、連結部材C11,C21には、スライドフレームSF1を、前記ベースフレームBF11,BF21の縦長方向と直角な水平方向に沿ってスライドさせることのできる補助スライド機構が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドフレームの斜め配置によりサイズダウン可能なサイズ可変ステージに関するものである。このサイズ可変ステージは、カラーフィルタの光学特性、液晶基板の膜厚などを測定する液晶基板の移動式検査装置などに好適に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルタ基板、TFT基板、カラーフィルタ基板とTFT基板とを貼り合わせた液晶表示基板(総合して「液晶基板」という)は、近年ますます大型化しており、例えば最新の規格(G10)では、液晶基板のサイズは約3m×3mとなっている。
このような液晶基板の性能試験を行う検査装置は、液晶基板を支持するためフレームで構成したステージと、液晶基板に光を照射してその透過光や反射光を測定する光学検査ヘッドとを含むものである。
【0003】
前記検査装置は、液晶基板の検査地(以下「現地」という)まで搬送する必要があるが、液晶基板の大型化に伴い、検査装置も大型化している。特に、液晶基板を支持するフレームは、車両に搭載できないほどの大きさとなる。
そこで、(1)検査装置を部品単位で現地まで輸送し、現地にて最終組立を行うことが考えられる。この方法では、全体動作確認や性能確認は、現地で初めて行うことになるため、問題があった場合、部品を再度取り寄せしなければならずリスクが大きい。また現地での組立作業工数が増加し、作業効率が悪くなるという問題がある。あわせて、制約の多い現地でユニットを取り扱うため作業安全面にも問題がある。
【0004】
また、(2)いったん全体動作確認や性能確認されたものをユニット単位に分割し、それらを輸送し、現地にて復元することも考えられる。この方法では、復元のための調整作業が必要になり、また、専門性を要する作業にもなる。
したがって好ましい方法は、(3)全体動作確認や性能確認された検査装置をそのまま現地に輸送することであり、大型化する前の小型サイズの液晶基板用の検査装置は、このように最終組立まで行われたものを現地に輸送していた。
【特許文献1】特開2001-130622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、大型化した検査装置になれば、そのまま車両にも搭載できないほどの大きさとなるので、サイズダウン可能なサイズ可変ステージが要望されている。
そこで本発明は、フレームを簡単に折り畳んで運ぶことのできるサイズ可変ステージ及び液晶基板の検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のサイズ可変ステージは、互いに平行に設置され、互いに接近し離間することのできる第一、第二のベースフレームと、前記第一、第二のベースフレーム間を橋渡しする少なくとも1本のスライドフレームと、前記第一のベースフレームと前記スライドフレームの一部とを連結する第一の連結部材と、前記第二のベースフレームと前記スライドフレームの他の一部とを連結する第二の連結部材とを備えている。
【0007】
前記第一の連結部材は、前記第一のベースフレームの縦長方向に沿ってスライドする第一のスライド機構を有し、前記第二の連結部材は、前記第二のベースフレームの縦長方向に沿ってスライドする第二のスライド機構を有する。
前記第一の連結部材には、前記第一のベースフレームに対する前記スライドフレームの角度を変化させることができる第一の回転機構が設けられ、前記第二の連結部材には、前記第二のベースフレームに対する前記スライドフレームの角度を変化させることができる第二の回転機構が設けられている。
【0008】
そして本発明のサイズ可変ステージでは、前記連結部材には、前記スライドフレームを、前記第一、第二のベースフレームの縦長方向と交差する方向に沿ってスライドさせることのできる補助スライド機構が設けられている。
前記「交差する方向」とは、前記第一、第二のベースフレームの縦長方向と所定の角度ψをなす方向、例えば直角な方向でもよい。また「前記交差する方向」は前記スライドフレームの縦長方向でもよい。
【0009】
この構成のサイズ可変ステージによれば、前記第一、第二の連結部材のスライド機構、回転機構を利用して、ベースフレーム同士の幅方向を縮めたり広げたりすることができる。したがって、輸送時ベースフレームとスライドフレームとを一切分離せずに折り畳むことができ、現地搬入後は、現地復元作業を容易に行うことができる。これにより、輸送前と同等の装置性能を、現地復元後も保証できる。
【0010】
特に本発明のサイズ可変ステージは、補助スライド機構を備えている。もしこの補助スライド機構がなければ、スライドフレームを動かすときに、前記スライド機構、回転機構だけでは、スライドフレームを動かすときに大きな力が必要となり、前記第一、第二のベースフレーム間の間隔をスムーズに変えられない場合がある。そこで、補助スライド機構があれば、スライドフレーム自体を実質的に伸び縮みさせることができる。これにより、前記スライド機構、回転機構だけではスムーズに動かないときに、前記補助スライド機構を利用して前記第一、第二のベースフレーム間の間隔を容易に変えることができる。特に重いフレームを動かすとき、前記補助スライド機構が役立つ。
【0011】
前記補助スライド機構は、前記スライドフレームをスライドさせる限界範囲が規定されていることが好ましい。この限界範囲がなければ、前記スライドフレームを動かすと、スライドフレームが前記連結部材から抜け落ちてしまうおそれがあるからである。
また、前記補助スライド機構は、前記第一の連結部材及び前記第二の連結部材のうち、少なくともいずれか1つの連結部材に設置されていればよい。
【0012】
前記第一の連結部材には、前記スライドフレームの縦長方向と直角な方向に回転軸を持ち、前記スライドフレームを揺動させることのできる第一の補助回転機構が設けられ、前記第二の連結部材には、前記スライドフレームの縦長方向と直角な方向に回転軸を持ち、前記スライドフレームを揺動させることのできる第二の補助回転機構が設けられていることが好ましい。この第一、第二の補助回転機構がなければ、サイズ可変ステージを折り畳んで移動させるときに、第一、第二のベースフレームが上下動すれば、第一、第二の回転機構に過大な力が加わる。この第一、第二の補助回転機構によって前記スライドフレームを揺動させることにより、第一、第二の回転機構がダメージを受けるのを防止することができる。
【0013】
前記第一、第二の回転機構及び前記第一、第二の補助回転機構は、球面回転機構を用いれば、1つの球面回転機構で両方の回転を実現することができる。
前記スライドフレームに光学検査ヘッドを装着して基板の光学検査をすることができる。
また、本発明の液晶基板の検査装置は、前記サイズ可変ステージを用いて現地での検査を可能にしたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るサイズ可変ステージの全体を示す斜視図である。図2はサイズ可変ステージの平面図、図3は正面図である。
サイズ可変ステージは、金属(例えばアルミニウムや鉄)や合成樹脂などでできた角棒状の部材(フレームという)を組み合わせて四角い枠を形成して垂直に立て、これらの四角い枠同士を水平に設置された中間フレームIFで連結した形状をしている。四角い枠は、本発明の実施形態では合計4つあり、外側フレーム枠2つと、内側フレーム枠2つとからなる。図面左側の外側フレーム枠と左側の内側フレーム枠と左側の中間フレームIF1を総称して一方側支持部1といい、右側の外側フレーム枠と右側の内側フレーム枠と右側の中間フレームIF2を総称して他方側支持部2という。
【0015】
各フレームを組み合わせて四角い枠を形成する場合、直交したフレーム同士を、ボルト等の締結具を用いて連結させてもよく、溶接、蝋付けなどにより直交するフレーム同士の連結を行ってもよい。
中間フレームIFによって枠同士を連結するのも同様に、ボルト等の締結具を用いて行ってもよく、溶接、蝋付けなどの手段によって行ってもよい。
【0016】
一方側支持部1と他方側支持部2との間には、固定用フレームFXが着脱可能に設置されている。サイズ可変ステージを折り畳もうとする時には、一方側支持部1と他方側支持部2が矢印A方向に接近することのできるように、この固定用フレームFXは取り外される。そして、一方側支持部1と他方側支持部2の底面には、一方側支持部1と他方側支持部2が矢印A方向に移動することができるように、ローラ(図示せず)が取り付けられ、床面にはこのローラを導くレールが布設されている。したがって、一方側支持部1と他方側支持部2は、互いに平行の状態を保ったまま、互いに接近し離間することができる。
【0017】
一方側支持部1は、四角の枠状に組まれた外側フレーム枠と、四角の枠状に組まれた内側フレーム枠とを有し、他方側支持部2は、四角の枠状に組まれた外側フレーム枠と、四角の枠状に組まれた内側フレーム枠とを有する。外側フレーム枠と内側フレーム枠との間は中間フレームIF1,IF2で連結されている。
一方側支持部1において、外側フレーム枠を形成する四角の枠のうち、上側の水平に渡されたフレームをベースフレームBF11といい、内側フレーム枠を形成する四角の枠のうち、上側の水平に渡されたフレームをベースフレームBF12という。
【0018】
また、他方側支持部2において、外側フレーム枠を形成する四角の枠のうち、上側の水平に渡されたフレームをベースフレームBF21といい、内側フレーム枠を形成する四角の枠のうち、上側の水平に渡されたフレームをベースフレームBF22という。
ベースフレームBF11又はベースフレームBF12は、「第一のベースフレーム」を構成し、ベースフレームBF21又はベースフレームBF22は、「第二のベースフレーム」を構成する。
【0019】
そして、ベースフレームBF11とベースフレームBF21との間を架橋する少なくとも1本の長尺状のスライドフレームSF1と、ベースフレームBF12とベースフレームBF22との間を架橋する少なくとも1本の長尺状のスライドフレームSF2とが備えられている。
スライドフレームSF1がベースフレームBF11と接触する部位には、連結部材C11が介在され、スライドフレームSF1がベースフレームBF21と接触する部位には、連結部材C21が介在されている。また、スライドフレームSF2がベースフレームBF12と接触する部位には、連結部材C11が介在され、スライドフレームSF2がベースフレームBF22と接触する部位には、連結部材C22が介在されている。
【0020】
連結部材C11又は連結部材C12は、「第一の連結部材」を構成し、連結部材C21又は連結部材C22は、「第二の連結部材」を構成する。
図4は、スライドフレームSF1とベースフレームBF11との間に設けられる連結部材の側面図を示し、図5は正面図を示す。図6は分解斜視図である。
連結部材は、本実施の形態では4つ装備されているが、代表して連結部材C11,C21の構造を説明する。他の連結部材については、C12はC11と同一構造であり、C22はC21と同一構造である。
【0021】
連結部材C11は、ベースフレームBF11の縦長方向Bに沿ってスライドするスライド板32と、スライド板32の上に搭載され前記縦長方向Bと所定の角度ψをなし、かつ水平である方向Eに沿ってスライドするとともに、ベースフレームBF11に対するスライドフレームSF1の角度(例えば図7;θ参照)を変化させるための回転ベアリング機構33が取り付けられた補助スライド板34と、回転ベアリング機構33の上に搭載され、垂直軸Vの回りに回転するとともに、スライドフレームを揺動させるためスライドフレームSF1の縦長方向Cと直角な水平方向Dに回転軸を持つ回転ベアリング機構33が取り付けられた回転板35とが設けられている。さらに、回転板35の上には、スライドフレームSF1が補助板38を介して装着されている。
【0022】
さらに詳細に説明すると、ベースフレームBF11の水平な上面には、ベースフレームBF11の縦長方向Bに延びた2本のレール31が敷かれている。スライド板32の下面には、この2本のレール31上を回転可能な車輪(図示せず)が設けられている。この車輪の設置によって連結部材C11は、ベースフレームBF11の上を縦長方向Bに自由に移動することができる。なお、ベースフレームBF11の上面には、連結部材C11がベースフレームBF11の両端から脱落しないように、ストッパが設けられていることが好ましい。ストッパの形状は連結部材C11を止めることさえできれば任意であるが、例えば、図6に示すように、ベースフレームBF11の上面に立設されたピンPのようなものであってもよい。
【0023】
スライド板32の上面には、前記縦長方向Bと所定の交差角度ψをなす方向Eに沿って2本のレール37aが敷かれているとともに、スライド板32の上部には、下面両辺に溝部37bが形成され、これらの溝部37bに前記レール37a上を回転する車輪(図示せず)が装着された補助スライド板34が設置されている。前記交差角度ψは0°<ψ<180°を満足する角度であればよいが、特に45°<ψ<135°であることが好ましい。例えばψは直角(90°)であってもよい。
【0024】
この補助スライド板34の設置によってスライドフレームSF1は、スライド板32の上を方向Eに自由に移動することができる。このように、この車輪とレール37aとにより、「補助スライド機構37」が実現される。なお、スライド板32の上面又は補助スライド板34の下面には、スライドフレームSF1がスライド板32の端から脱落しないように、ストッパが設けられていることが好ましい。ストッパの形状は補助スライド板34を止めることさえできれば任意である。例えば、スライド板32の上面に立設されたピンのようなものであってもよい。
【0025】
また、補助スライド板34の上面には回転ベアリング機構33が設置されている。回転ベアリング機構33は補助スライド板34に取り付けられた外心軸受部33aと、外心軸受部33aに対して自在に回転することのできる内心軸部33bとからなる。回転板35は、内心軸部33bに固定される。この構造により、回転板35は、補助スライド板34に対して、自在に回転でき、その回転中心軸は垂直軸Vである。なお、内心軸部33bを補助スライド板34に取付け、回転板35を外心軸受部33aに取り付けても良い。
【0026】
回転板35の上には、スライドフレームSF1の縦長方向Cと直角な水平方向Dに回転軸を持つ補助回転ベアリング機構39が設置されている。補助回転ベアリング機構39は、スライドフレームSF1を、図5に示すスライドフレームSF1の縦長方向Cと直角な水平方向Dの回りに、回転角φに沿って揺動させるものである。補助回転ベアリング機構39の上には、補助板38が装着され、その上にスライドフレームSF1が装着される。なお、補助回転ベアリング機構39の自由な回転を制限するため、その回転角を一定範囲に規制するストッパ(図示せず)を設けることが望ましい。
【0027】
他の連結部材C12,C21,C22のうち、C11と同じ一方側支持部1に属する連結部材C12は、C11と同じ構造である。
他方側支持部2に属する連結部材C21,C22は、図11に示すように、補助スライド機構が省略されていても良い。すなわち、補助スライド板34とスライド板32とが直接固定されている。この構造では、スライドフレームSF1,SF2は、方向Eに沿って自由に移動することができないが、スライドフレームSF1,SF2の他端が、連結部材C11,C12によって移動可能であるので、サイズ可変ステージを折り畳んだり拡張したりするとき、スライドフレームSF1,SF2をスムーズに動かすことができることに変わりない。なお、連結部材C21,C22においても、補助スライド機構37を設けた構造、すなわちスライドフレームSF1,SF2が方向Eに沿って自由に移動することができる構造としてもよい。
【0028】
このサイズ可変ステージの折り畳み動作を説明すると、作業者は、図2のサイズ可変ステージが拡張された状態で、ボルトを外して、一方側支持部1と他方側支持部2との間に介在している固定用フレームFXを取り除く。そしてスライドフレームSF1,SF2を手で持って斜めに押していくと、前述したスライド板32によるベースフレームBF11の縦長方向Bに沿ってスライドする動作と、回転ベアリング機構33によるθ方向の回転動作との協働により、スライドフレームSF1,SF2は、折り畳まれていく。このとき、特に折り畳み初期の段階では、作業者の力の方向と、一方側支持部1と他方側支持部2とが接近する方向とは直角に近い状態であり、作業者は過大な力を強いられる。
【0029】
そこで、補助スライド機構37が作用する。すなわち、スライド動作と回転動作だけではスライドフレームSF1,SF2がスムーズに動かないときに、補助スライド機構37を利用してスライドフレームSF1,SF2の長さを実質的に変化させることができる。このスライドフレームSF1,SF2が短くなる方向は、一方側支持部1と他方側支持部2とが接近する方向であるので、スライドフレームSF1,SF2を手で持って斜めに押して行ったとき、スライドフレームSF1,SF2をスムーズに動かすことができるようになる。
【0030】
補助回転ベアリング機構39は、一方側支持部1と他方側支持部2とが完全に水平に設置されていない場合に役に立つ。すなわち、サイズ可変ステージを設置する床面が完全に水平でなく、ベースフレームBF11の上面とベースフレームBF21の上面とが同一水平面でない場合、スライドフレームSF1,SF2を折り畳んでいくと、スライドフレームSF1の一端と他端とが相対的に上下動し、スライドフレームSF2の一端と他端とが相対的に上下動することがあるが、この動きを補助回転ベアリング機構39のφ方向の回転動作によって吸収することができる。従って、連結部材C11の可動部分、具体的には回転ベアリング機構33にストレスがかかることを防止することができる。
【0031】
図7はサイズ可変ステージを折り畳んだ状態を示す平面図であり、図8は正面図である。一方側支持部1と他方側支持部2との間には固定用取付治具40が介在され、一方側支持部1と他方側支持部2とは、固定用取付治具40を介してボルトで固定されている。この状態で輸送が可能になっている。
サイズ可変ステージを現地で拡張して組み立てるときは、いままでと逆の作業を行う。すなわち、固定用取付治具40を取り外し、スライドフレームSF1,SF2を拡張していく。このとき、補助スライド機構37があるために、スライド動作と回転動作だけではスライドフレームSF1,SF2がスムーズに動かないときに、補助スライド機構37を利用してスライドフレームSF1,SF2の長さを変化させることができる。このスライドフレームSF1,SF2が長くなる方向は、一方側支持部1と他方側支持部2とが離間していく方向であるので、スライドフレームSF1,SF2をスムーズに動かすことができるようになる。
【0032】
一方側支持部1と他方側支持部2との距離が所定の距離になったら、両部の間に固定用フレームFXを挿入し、ボルトなどで固定する。この状態で、スライドフレームSF1,SF2間に液晶基板を支持して、スライドフレームSF1,SF2に光学検査ヘッドOHを取付け、その液晶基板の光学測定を行う。
図9,図10は本発明の他の実施形態に係る、回転ベアリング機構33と補助回転ベアリング機構39の動作を1つの球面回転機構41で兼用した場合の連結部材C11aの構造を示す側面図と正面図である。
【0033】
連結部材C11aは、ベースフレームBF11の縦長方向Bに沿ってスライドするスライド板32と、スライド板32の上に搭載され、補助スライド機構37を有するとともに、球面回転機構41が取り付けられた補助スライド板34と、球面回転機構41の上に搭載された回転板36aとを備えている。
球面回転機構41は、補助スライド板34の上に設けられた球面体と、その球面体の球面を覆い、球面に沿って任意の回転運動することのできる球面カバーとからなるものである。球面回転機構41は、垂直軸Vの回りに回転することもでき(図9;θ参照)、スライドフレームの縦長方向Cと直角な水平回転軸Dの回りにも回転することもできる(図10;φ参照)。したがって、ベースフレームBF11とスライドフレームSF1とを平面視したときの交差角θを変化させることができるとともに、スライドフレームを揺動させることもできるので、図4〜図6の連結部材C11と同じ作用をすることができる。
【0034】
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施はそれに限定されるものではない。例えば、ベースフレームの数は最低限2本、それらを橋渡しするスライドフレームの数は少なくとも1本あれば本発明の実施は可能である。また、補助スライド機構は、スライド板32と補助スライド板34との間に設けられていたが、他の部位、例えば図12に示すように、補助板38とスライドフレームSF1との間に設けられていても良い。この場合、補助板38にレールを敷き、スライドフレームSF1の底面に、このレール上を転がる車輪を設ける。レールの方向、すなわち補助スライド機構37′のスライド方向は、スライドフレームSF1が補助板38に対して、スライドフレームSF1の縦長方向Cに沿ってスライドが可能となるように決定すればよい。また今までの説明では、サイズ可変ステージを液晶基板の検査装置に適用することを想定した。しかし、本発明のサイズ可変ステージは、液晶基板の検査に限らず、折り畳み可能なことが求められるあらゆる用途に利用することができる。例えば、大型の積み荷を収容するためのフレーム、大型商品陳列用フレーム等に使用すれば、荷物を収容しないとき、折り畳んだ状態で倉庫に設置したり、折り畳んだ状態で輸送したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係るサイズ可変ステージの全体を示す斜視図である。
【図2】サイズ可変ステージの平面図である。
【図3】サイズ可変ステージの正面図である。
【図4】スライドフレームとベースフレームとの間に設けられた連結部材を示す側面図である。
【図5】連結部材の正面図である。
【図6】連結部材の分解斜視図である。
【図7】サイズ可変ステージを折り畳んだ状態を示す平面図である。
【図8】サイズ可変ステージを折り畳んだ状態を示す正面図である。
【図9】回転ベアリング機構と補助回転ベアリング機構の動作を1つの球面回転機構で兼用した場合の連結部材の構造を示す側面図である。
【図10】同連結部材の構造を示す正面図である。
【図11】補助スライド機構が省略された連結部材を示す分解斜視図である。
【図12】補助スライド機構を、補助板38とスライドフレームSF1との間に設けた連結部材を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1 一方側支持部
2 他方側支持部
37 補助スライド機構
BF11,BF12,BF21,BF22 ベースフレーム
C11,C12,C21,C22 連結部材
FX 固定用フレーム
IF1,IF2 中間フレーム
OH 光学検査ヘッド
SF1,SF2 スライドフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に設置され、互いに接近し離間することのできる第一、第二のベースフレームと、
前記第一、第二のベースフレーム間を橋渡しするスライドフレームと、
前記第一のベースフレームと前記スライドフレームの一部とを連結する第一の連結部材と、前記第二のベースフレームと前記スライドフレームの他の一部とを連結する第二の連結部材とを備え、
前記第一の連結部材には、前記第一のベースフレームの縦長方向に沿ってスライドする第一のスライド機構が設けられ、前記第二の連結部材には、前記第二のベースフレームの縦長方向に沿ってスライドする第二のスライド機構が設けられ、
前記第一の連結部材には、前記第一のベースフレームに対する前記スライドフレームの角度を変化させることができる第一の回転機構が設けられ、前記第二の連結部材には、前記第二のベースフレームに対する前記スライドフレームの角度を変化させることができる第二の回転機構が設けられ、
前記連結部材には、前記スライドフレームを、前記第一、第二のベースフレームの縦長方向と交差する方向に沿ってスライドさせることのできる補助スライド機構が設けられていることを特徴とするサイズ可変ステージ。
【請求項2】
前記補助スライド機構の交差する方向は、前記第一、第二のベースフレームの縦長方向と所定の角度ψをなす方向である請求項1記載のサイズ可変ステージ。
【請求項3】
前記補助スライド機構の交差する方向は、前記スライドフレームの縦長方向である請求項1記載のサイズ可変ステージ。
【請求項4】
前記補助スライド機構は、前記スライドフレームをスライドさせる限界範囲が規定されている請求項1記載のサイズ可変ステージ。
【請求項5】
前記補助スライド機構は、前記第一の連結部材及び前記第二の連結部材のうち、少なくともいずれか1つの連結部材に設置されている請求項1記載のサイズ可変ステージ。
【請求項6】
前記第一の連結部材には、前記スライドフレームの縦長方向と直角な方向に回転軸を持ち、前記スライドフレームを揺動させることのできる第一の補助回転機構が設けられ、前記第二の連結部材には、前記スライドフレームの縦長方向と直角な方向に回転軸を持ち、前記スライドフレームを揺動させることのできる第二の補助回転機構が設けられている請求項1記載のサイズ可変ステージ。
【請求項7】
前記第一、第二の回転機構及び前記第一、第二の補助回転機構は、球面回転機構で兼用される請求項6記載のサイズ可変ステージ。
【請求項8】
前記スライドフレームには、光学検査ヘッドが装着可能である請求項1記載のサイズ可変ステージ。
【請求項9】
請求項8記載のサイズ可変ステージを用いた液晶基板の検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−36629(P2009−36629A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201119(P2007−201119)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000206967)大塚電子株式会社 (50)
【Fターム(参考)】