説明

サイトカインの調節物質及び関連する使用方法

炎症性又は免疫調節性応答を調節するサイトカインを調節する組成物。前記組成物は、バラの実、ブルーベリー、エルダーベリー(ニワトコの実)、クランベリー、丁子、ナツシロギク、イラクサの根、アーチチョーク、マンネンタケ、オリーブ抽出物、緑茶抽出物、ブドウの種の抽出物、レスベラトロール、ヴィニフェリン、アフラモマム・メレグエタ(Aframomum melegueta)、ボスウェリア・セラータ(boswellia serrata)抽出物、ボスウェリア・フォルテ(boswellia forte)、イプリフラボン、トコトリエノール、マツヨイグサ油、INM-176、ルリチシャ油、オキアミ油、キサントフィルの少なくとも1つのタイプ(例えばアスタキサンチン)、緑色コーヒー豆抽出物、及びフェルラ酸の少なくとも1つを含むことができる。特に、本発明の組成物は以下を含むことができる:バラの実、並びにブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及び場合によってオキアミ油の少なくとも1つ;又はバラの実、レスベラトロール、並びにアフラモマム・メレグエタ及びアスタキサンチンの少なくとも1つ。前記組成物のサイトカイン調節及びサイトカイン応答阻害に基づき、前記組成物を用いて、免疫調節性及び/又は炎症性応答を調節し、さらに続いて炎症性応答に付随する疾患及び/又は異常な状態、例えば心脈管系症状、関節炎、骨粗しょう症及びアルツハイマーを治療することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は米国特許出願第11/200,412号(出願日:2005年8月8日)の一部継続出願であり、その出願は米国特許出願第10/938,093号(出願日:2004年9月10日)及びPCT出願第PCT/IB2004/051742号(出願日:2004年9月10日)の一部継続出願である。本願は、米国仮出願第60/502,755号(出願日:2003年9月12日)及び米国仮出願第60/710,730号(出願日:2005年8月23日)の利益を主張する。上記出願の開示は参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景技術
本発明は体内の炎症に関し、より具体的には炎症を調節して炎症関連症状及び疾患を治療することに関する。
【0003】
炎症は、身体に影響を及ぼす多様な症状及び疾患と関係がある。例えば、関節内の炎症は、骨及び関節の破壊性疾患(例えば骨粗しょう症)と同様に、関節炎及び類リウマチ性疾患(例えば滑液嚢炎、腱炎、筋炎及び変形性関節症)の症状並びに前記によって引き起こされる構造的変形を悪化させることが知られている。
炎症はまた、多様な心脈管系及び代謝性疾患過程(例えばアテローム性硬化症、血栓症、及び肥満を伴うインスリン耐性)の一因であることが知られている。アテローム性硬化症は、卒中及び心筋梗塞の発生を増加させ、インスリン耐性は糖尿病に至る可能性がある。
炎症はまた、神経学的異常(例えばアルツハイマー病)の発生の一因であると考えられる。
実際のところ、研究の大きな部分が、今や炎症を極めて多様な慢性変性疾患と関連付けている。この研究は、前炎症性化学物質(サイトカイン)を産生するある種の細胞(マクロファージ)を同定した。サイトカインは、炎症性応答を提供するシグナリング連鎖を誘発する。これらのサイトカインは、外来性及び感染性因子、外傷性又は慢性損傷、並びに異常な化学的又は物理的ストレスに応答する炎症性反応において役割を果たす。
したがって、炎症性サイトカインの放出、又は炎症性サイトカイン、特にマクロファージ由来のインターロイキン-1(IL-1)サイトカインのシグナリングを調節する処置が開発されてきた。例えば、米国特許5,635,478号(Vignery)は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を使用して、IL-1放出を調節し、それによって慢性関節リウマチを治療することを開示している。高度に特異的なCGPRはIL-1の調節に有効であるが、その使用は桁外れに費用が高く、さらに現時点ではこの化合物が長期使用で有害な作用を有するか否かにに関しては決定されていない。
【0004】
発明の要旨
前述の問題は、インターロイキンサイトカインを調節し、及び/又はインターロイキンサイトカインによって引き起こされる生理学的応答を調節する組成物を提供する本発明において克服される。この調節は、免疫応答及び/又は炎症性症状の制御で有効である。ある特徴では、前記組成物はバラの実(rosehip)、並びにブラックベリー、ブルーベリー及びエルダーベリー(ニワトコの実)の少なくとも1つを含む。別の特徴では、前記組成物は、バラの実、レスベラトロール(resveratrol)並びにブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つを含む。さらに別の特徴では、前記組成物は、バラの実;レスベラトロール及びヴィニフェリン(viniferin)の少なくとも1つ;並びにブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つを含む。また別の特徴では、前記組成物は、バラの実及びオキアミ油を含む。さらに別の特徴では、前記組成物は、バラの実、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びオキアミ油を含む。さらに別の特徴では、前記組成物は、バラの実、レスベラトロール、及びアフラモマム・メレグエタ(Aframomum melegueta)を含む。また別の特徴では、前記組成物は、バラの実;レスベラトロール及びヴィニフェリンの少なくとも1つ;並びにアフラモマム・メレグエタを含む。さらにまた別の特徴では、前記組成物は、バラの実、レスベラトロール及びアスタキサンチンを含む。また別の特徴では、前記組成物は、バラの実、アフラモマム・メレグエタ、並びにブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つを含む。
さらに別の特徴では、前記組成物は以下から選択される少なくとも1つの成分を含む:バラの実、ブルーベリー、ブラックベリー、エルダーベリー、クランベリー、ローズマリー、丁子、ナツシロギク、イラクサの根、アーチチョーク、マンネンタケ、オリーブ抽出物、緑茶抽出物(没食子酸エピガロカテキン)、ブドウの種の抽出物、レスベラトロール、ヴィニフェリン、アフラモマム・メレグエタ、ボスウェリア・セラータ(boswellia serrata)抽出物、ボスウェリア・フォルテ(boswellia forte)、イプリフラボン、トコトリエノール、マツヨイグサ油、INM-176、ルリチシャ油、オキアミ油、キサントフィルの少なくとも1つのタイプ(例えばアスタキサンチン)、緑色コーヒー豆抽出物(クロロゲン酸)、及びフェルラ酸。より具体的な特徴では、前記組成物は、バラの実、イラクサの根、オリーブ抽出物、及びアーチチョークを含む。さらに別の特徴では、前記組成物は、バラの実、レスベラトロール及びアスタキサンチンを含む。
【0005】
また別の特徴では、本発明は、対象者の免疫応答及び/又は炎症性症状を調節又は制御する方法を提供することができる。前記方法は、対象者に本発明の組成物の有効量を投与して、免疫応答及び/又は炎症性症状を調節又は制御することを含む。具体的な特徴では、前記組成物は、免疫調節細胞又は前炎症細胞、例えばマクロファージ及び/又は白血球細胞の機能を阻害することができる。より具体的な特徴では、前記組成物は、インターロイキンサイトカインを生成する遺伝子の発現を、例えば前記遺伝子の遺伝的転写を妨げることによって阻害することができる。さらに具体的な特徴では、前記組成物は、インターロイキンサイトカインによる炎症性応答メカニズムを阻害することができる。また別の具体的な特徴では、前記組成物は、例えば免疫調節細胞又は前炎症細胞の発現、分泌及び/又は合成レベルの増加を妨げることによって、免疫調節細胞又は前炎症細胞の発現を調節することができる。これらの特徴では、前記組成物は、骨格全体、関節、筋肉、組織、動脈、静脈、毛細血管、及び他の器官、系、及び/又は細胞における前免疫調節応答及び/又は前炎症性応答を調節又は制御することができる。
さらに別の特徴では、本発明は、免疫細胞(例えばマクロファージ、白血球及びリンパ球)の機能を、対象者に有効量の組成物を投与することによって調節及び/又は制御する方法を提供することができる。
別の特徴では、本発明は、対象者の細胞のサイトカイン放出(分泌とも称される)を、炎症調節物質の合成、発現又は分泌を調節する組成物を対象者に投与することによって調節する方法を提供することができる。
【0006】
さらにまた別の特徴では、本発明は、対象者に本発明の組成物の有効量を投与することによって、インターロイキンサイトカインに対する細胞の応答を阻害する方法を提供することができる。具体的な特徴では、この投与は、炎症のバイオマーカー、例えば身体の過剰な炎症を示すC反応性タンパク質(前記は肝臓によって産生される)の産生を調節することができる。
さらに別の特徴では、本発明は、前記組成物の治療的に有効な量を投与することによって、炎症によって引き起こされる疾患又は異常状態を治療する方法を提供することができる。具体的な特徴では、前記疾患又は異常状態には、心脈管系疾患又は症状、血栓症、インスリン耐性及び肥満に関連する代謝性症状、外傷性損傷、関節炎、骨粗しょう症、及びアルツハイマー病が含まれる。より具体的な特徴では、前記方法は、炎症性症状を有する対象者に前記組成物を投与して、疼痛、圧痛、感染、及び/又は外傷性損傷、外科手術若しくは炎症を引き起こしえる他の事象に続く不快を緩和又は除去することを含むことができる。
本発明は、多様な免疫調節性及び炎症性の症状、病的徴候、及び疾患の治療を目的とする組成物及び関連する方法を提供する。使用される成分は容易に入手でき、さらに比較的安価であるので、本発明は、炎症によって生じる多様な不快及び症状の治療を目的とする単純で経費効率のよい溶液を提供する。さらにまた、成分は比較的安定であるので、多くは他の物質と混合し、さらに多目的栄養補助食品(multipurpose supplement)サプリメント又は食品として提供することができる。
本発明のこれら及び他の目的、利点並びに特色は、図面及び本発明の詳細な説明を参照することによってより容易に理解されよう。
【0007】
発明の詳細な説明
I.組成物
本発明の組成物は、以下から選択される1つ以上の成分を含むことができる:バラの実、ブルーベリー、ブラックベリー、エルダーベリー(ニワトコの実)、クランベリー、ローズマリー、丁子、ナツシロギク、イラクサの根、アーチチョーク、マンネンタケ、オリーブ抽出物、緑茶抽出物(没食子酸エピガロカテキン)、ブドウの種の抽出物、レスベラトロール、ヴィニフェリン、アフラモマム・メレグエタ、ボスウェリア・セラータ(boswellia serrata)抽出物、ボスウェリア・フォルテ(boswellia forte)、イプリフラボン、トコトリエノール、マツヨイグサ油、INM-176、ルリチシャ油、オキアミ油、キサントフィルの少なくとも1つのタイプ(例えばアスタキサンチン)、緑色コーヒー豆抽出物(クロロゲン酸)、及びフェルラ酸。具体的には、本発明の組成物は、バラの実並びにブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びオキアミ油の少なくとも1つを含むことができる。組成物はまた、バラの実、レスベラトロール及びアフラモマム・メレグエタを含むことができる。別の組成物は、バラの実レスベラトロール及びアスタキサンチンを含むことができる。さらに、本発明の組成物は、バラの実、アフラモマム・メレグエタ、並びにヴィニフェリン及びレスベラトロールの少なくとも1つを含むことができる。本発明のさらに別の組成物は、バラの実、アフラモマム・メレグエタ、並びにブルーベリー、ブラックベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つを含むことができる。別の組成物は、バラの実、レスベラトロール、並びにブルーベリー、ブラックベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つを含むことができる。さらに別の組成物は、バラの実;ヴィニフェリン及びレスベラトロールの少なくとも1つ;並びにブルーベリー、ブラックベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つを含むことができる。前記組成物は、本明細書に列挙する任意の用量で投与し、サイトカインの発現、産生、受容、分泌及び/又は放出を、サイトカイン応答と同様に阻害し、それによって免疫調節及び/又は炎症性応答を低下させ又は排除することができる。
【0008】
サイトカインの調節、例えば例示的サイトカイン(例えばIL-1及び/又はIL-6)の産生、受容、分泌及び/又は放出の調節に有効でありえる前記成分の許容できる用量は下記表Iに提示される。表Iの各用量は、ミリグラムによる1日の有効概算用量である。さらにまた、表Iの全ての用量が、ほぼ下限からほぼ上限の範囲で提示されている。例えば、イラクサの用量Aは“250−2500”と示され、前記は1日当たり約250から2500ミリグラムのイラクサの用量を示す。
【0009】
表I:サイトカインの調節のために許容できる成分の用量

【0010】

【0011】
上記表Iで特定した成分は市場で容易に入手することができる。適用及び/又は供給業者に応じて、前記成分は、特定の潜在能力をもつ抽出物、純粋な成分、賦形剤と混合された成分、及び多様な物理的形態を有する成分(例えば液体又は粉末)でもよい。INM-176と特定した成分は、業者(Scigenic Company, Ltd., Seoul, Korea)から入手できる未知組成物の化合物である。
より具体的には、組成物は、1つ以上のバラの実成分を含むことができる。バラの実成分の例には、乾燥バラの実、バラの実油及びバラの実抽出物が含まれるが、ただしこれらに限定されない。バラの実成分は、ローザ(Rosa)ファミリーに属する多数の植物種のいずれからも得ることができる(例えばローザ・カニナ(Rosa canina))。さらにまた、バラの実は、ローザ植物の果実、花びら及び/又は種子を含むことができる。
任意の方法を用いてバラの実成分を調製することができる。例として、通常の収穫及び乾燥方法を用いて乾燥バラの実を調製することができる。バラの実油は標準的な方法を用いて製造し、打錠又は粉末組成物のためにセルロースとともに加工することができる。さらに、バラの実は、業者(MB North America of Torrance, California)から市場で入手することができる。
本発明の組成物は1つ以上のバラの実成分を含むことができる。例えば栄養補助食品(dietary supplement)は、乾燥バラの実をバラの実抽出物と同様に含むことができる。さらに、組成物は任意の量のバラの実成分を含むことができる。例えば、栄養補助食品の少なくとも約1パーセント(例えば少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80又は90%)がバラの実成分であってもよい。典型的には、組成物は、約500mgから約5000mgのバラの実成分を含み、好ましくは約500mgから約1500mgを含む。
【0012】
さらに具体的には、組成物は、1つ以上のブラックベリー成分を含むことができる。ブラックベリー成分の例には、乾燥ブラックベリー、ブラックベリー粉末及びブラックベリー抽出物が含まれるが、ただしこれらに限定されない。ブラックベリー成分は、ルブス(Rubus)ファミリーに属する多数の植物種のいずれからも得ることができる(例えばルブス・フルチコスス(Rubus fruticosusu))。
任意の方法を用いてブラックベリー成分を調製することができる。例として、通常の収穫、乾燥及び粉末化方法を用いてブラックベリー粉末を調製することができる。さらに、ブラックベリーは、業者(Van Drunen Farms Futureceuticals of Santa Rosa, California)から市場で入手することができる。
本発明の組成物は1つ以上のブラックベリー成分を含むことができる。例えば栄養補助食品は、ブラックベリー粉末をブラックベリー抽出物と同様含むことができる。さらに、組成物は任意の量のブラックベリー成分を含むことができる。例えば、栄養補助食品の少なくとも約1パーセント(例えば少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80又は90%)がブラックベリー成分であってもよい。典型的には、組成物は、約100mgから約1000mgのブラックベリー成分を含む。
【0013】
さらに具体的には、組成物は、1つ以上のブルーベリー成分を含むことができる。ブルーベリー成分の例には、乾燥ブルーベリー、ブルーベリー粉末及びブルーベリー抽出物が含まれるが、ただしこれらに限定されない。ブルーベリー成分は、ヴァクシニウム(Vaccinium)ファミリーに属する多数の植物種のいずれからも得ることができる(例えばヴァクシニウム・コリムボスム(Vaccinium corymbosum))。
任意の方法を用いてブルーベリー成分を調製することができる。例として、通常の収穫、乾燥及び粉末化方法を用いてブルーベリー粉末を調製することができる。さらに、ブルーベリーは、業者(Van Drunen Farms Futureceuticals of Santa Rosa, California)から市場で入手することができる。
本発明の組成物は1つ以上のブルーベリー成分を含むことができる。例えば栄養補助食品は、ブルーベリー粉末をブルーベリー抽出物と同様含むことができる。さらに、組成物は任意の量のブルーベリー成分を含むことができる。例えば、栄養補助食品の少なくとも約1パーセント(例えば少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80又は90%)がブルーベリー成分であってもよい。典型的には、組成物は、約200mgから約2000mgのブルーベリー成分を含む。
【0014】
さらに具体的には、組成物は、1つ以上のエルダーベリー成分を含むことができる。エルダーベリー成分の例には、エルダーベリー抽出物、乾燥エルダーベリー、及びエルダーベリー粉末が含まれるが、ただしこれらに限定されない。エルダーベリー成分は、サムブクス(Sambucus)ファミリーに属する多数の植物種のいずれからも得ることができる(例えばサムブクス・カナデンシス(Sambucuc canadensis))。
任意の方法を用いてエルダーベリー成分を調製することができる。例として、通常の抽出技術を用いてエルダーベリー抽出物を調製することができる。さらに、エルダーベリーは、業者(Artemis International of Fort Wayne, Indiana)から市場で入手することができる。
本発明の組成物は1つ以上のエルダーベリー成分を含むことができる。例えば栄養補助食品は、エルダーベリー粉末をエルダーベリー抽出物と同様に含むことができる。さらに、組成物は任意の量のエルダーベリー成分を含むことができる。例えば、栄養補助食品の少なくとも約1パーセント(例えば少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80又は90%)がエルダーベリー成分であってもよい。典型的には、組成物は、約400mgから約4000mgのエルダーベリー成分を含む。
【0015】
さらにまた、組成物はアフラモマム・メレグエタ(Aframomum melegueta)を含むことができる。アフラモマム・メレグエタ成分の例には、粉末化したアフラモマム・メレグエタの種子、アフラモマム・メレグエタ粉末及びアフラモマム・メレグエタ抽出物が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
任意の方法を用いてアフラモマム・メレグエタ成分を調製することができる。例として、通常の収穫、乾燥及び抽出方法を用いてアフラモマム・メレグエタ抽出物を調製することができる。さらに、アフラモマム・メレグエタは、業者(Frontier Natural Products Cooperative of Norway, Iowa)から市場で入手することができる。
本発明の組成物は1つ以上のアフラモマム・メレグエタ成分を含むことができる。例えば栄養補助食品は、アフラモマム・メレグエタ粉末をアフラモマム・メレグエタ抽出物と同様に含むことができる。さらに、組成物は任意の量のアフラモマム・メレグエタ成分を含むことができる。例えば、栄養補助食品の少なくとも約1パーセント(例えば少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80又は90%)がアフラモマム・メレグエタ成分であってもよい。典型的には、組成物は、約500mgから約1500mgのアフラモマム・メレグエタ成分を含む。
本発明の組成物はオキアミ油を含むことができる。オキアミ油は、ユーファウシア(Euphausia)ファミリーの任意のメンバー(例えばユーファウシア・スペルバ(Euphausia superba))から得ることができる。通常の油の製造方法を用いてオキアミ油を得ることができる。さらに、オキアミ油は、業者(Nepture Technologies and Bioresources of Quebec, Canada)から市場で入手することができる。
組成物は任意の量のオキアミ油を含むことができる。例えば、栄養補助食品の少なくとも約1パーセント(例えば少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80又は90%)がオキアミ油であってもよい。典型的には、組成物は、約300mgから約3000mgのオキアミ油成分を含む。
【0016】
組成物がレスベラトロールを含む場合、レスベラトロールはブドウの皮又は他のブドウの構成成分(ブドウのつるを含む)の抽出物から得ることができる。レスベラトロールは、1つ以上の別個の形態(例えば抽出物形及び粉末形)で組成物に存在することができる。レスベラトロールは、市場で業者(Charles Bowman & Co. of Holland, Michigan)から入手することができる。
組成物はさらに、レスベラトロール及び/又はその誘導体を含むレスベラトロール成分を含むことができる。例えば、レスベラトロール成分は、レスベラトロールの任意のオリゴマー、例えばε-ヴィニフェリン(前記はレスベラトロールのダイマーである)であってもよい。さらに別の例では、レスベラトロール成分は、レスベラトロールの誘導体と混合したレスベラトロールを含むことができる。ある例では、レスベラトロール成分はレスベラヴィン(Resveravine(商標)、BioSerae Laboratories, S.A., Parc Technologique du Lauragais, Bram, France)であり、前記はレスベラトロール及びε-ヴィニフェリンの両方を含んでいる。
組成物は任意の量のレスベラトロール成分を含むことができる。例えば、栄養補助食品の少なくとも約1パーセント(例えば少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80又は90%)がレスベラトロール成分であってもよい。典型的には、組成物は約100mgから約1000mgのレスベラトロール成分を含む。
【0017】
組成物が少なくとも1つのタイプのキサントフィルを含む場合、前記キサントフィルはアスタキサンチンでもよい。アスタキサンチンは天然の供給源由来であるか、又は合成することができる。例えば、アスタキサンチンは藻類、菌類及び/又は甲殻類から得ることができる。アスタキサンチンのあるタイプは、市場で業者(Cyanotech Corporation of Kailua-Kona, Hawaii)から入手することができる。
組成物は任意の量のアスタキサンチン成分を含むことができる。例えば、栄養補助食品の少なくとも約1パーセント(例えば少なくとも約2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80又は90%)がアスタキサンチン成分であってもよい。典型的には、組成物は約0.5mgから約50mgのアスタキサンチン成分を含む。
組成物は1つ以上の医薬的に許容できる賦形剤を含むことができる。前記は、例えばクロスカメロースナトリウム、マルトデキストリン、珪化微晶質セルロース、二酸化珪素、ステアリン酸、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)、ラクトース、グルコース、シュクロース、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、酢酸セルロース、エチルセルロースなどである。稀釈剤及び他の添加物、例えば1つ以上の医薬的に許容できる結合剤、充填剤、支持物質、膨張剤、味覚改良剤、着色剤、保存料、タンパク質、抗菌剤、キレート剤、不活性ガス、安定化剤、調整物質、乳化剤、又は前記の混合物を、使用する組成物の形態に応じて用いることができる。
【0018】
前記組成物の成分は、多様なデリバリー系を有する形態に加工することができる。例えば、成分を加工し、カプセル、錠剤、ゲルタブ、ロゼンジ、細片、顆粒、粉末、濃縮物、溶液、ローション、クリーム又は懸濁物に含有させることができる。前記成分はまた、例えば喘息、アナフィラキシー及び/又は他の急性ショック症状の治療で、スプレー、ミスト又はエーロゾルにより気道に投与することができる。成分は個々に処方するか又は一緒に他の食物とともに処方して、予め計測された補助栄養物、補助食品、例えば1食分バーを提供することができる。ある例では、組成物は、錠剤形で投与される1つの成分及びカプセル形で投与される別の成分を含むことができる。より一般的には、組成物は、多様な投与経路、例えば静脈内、筋肉内、皮下、経鼻、舌下、脊髄内、局所又は皮内投与のために処方することができる。
組成物の投与量は、治療される疾患又は症状にしたがって増加させながら投与することができる。例えば、関節炎の治療では、組成物は、連続投与で、約6から12ヶ月の頻度で間隔を空けて、さらに約2週間空けて多数回投与してもよい。炎症性圧痛、腫脹及び疼痛の症状の緩和を得るためにある期間毎日投与することができる。投与量を調節して、これらの症状の緩和を維持することができる。治療は、数週間若しくは数ヶ月、又は場合によって慢性疾患若しくは症状については無期限であってもよい。
【0019】
II.組成物の製造方法
バラの実、ブラックベリー粉末、ブルーベリー粉末及びエルダーベリー抽出物を含む、本発明の例示的組成物は、以下の工程にしたがって錠剤形で製造することができる。他の投与媒体、例えばゲルタブ、カプセル、液体及び徐放性処方物などは、製薬工業で周知の製造技術にしたがって処方及び調製することができる。
上記表IIの用量Aに示した量のバラの実、ブラックベリー粉末、及びブルーベリー粉末を二酸化珪素に添加しポリバッグに入れて、均一及び均質に混合されるまでブレンドする。得られたこのブレンドをパターソンケリー(P.K.)100ブレンダー(Patterson-Kelley Co., East Stroudsburg, Pennsylvaniaから入手できる)に入れる。続いて以下の成分を列挙した順に、20メッシュのスクリーン(Sweco, Inc., Florence, Kentuckyから入手できる)を設置したスェコ(Sweco)セパレーターからP.K.100ブレンダーへ直接通す:デキストロース、クロスカルメロースナトリウム、及び珪化微晶質セルロース。得られた組成物をP.K.100ブレンダーで15分間ブレンドする。
続いて、植物系ステアリン酸粉末をスェコセパレーターからP.K.100ブレンダーへ直接通す。得られた混合物をさらに5分間ブレンドする。得られた混合物をトート又はスーパーサックに注いで圧縮し、通常の装置で打錠する。個々の錠剤の許容できる範囲の重量は約250mgから約500mgである。各錠剤中のバラの実の量は約1200mgであり、ブラックベリーの量は約165mgであり、ブルーベリーの量は約330mgである。この工程にしたがって製造した錠剤を本明細書に記載するin vivo試験で用いることができる。
【0020】
オキアミ油を含むように組成物の軟質ゲルカプセルを製造することができる。このカプセルは、通常のカプセル製造技術を用いて製造することができる。各カプセルのオキアミ油の量は約300mgである。これらのカプセルは、本明細書に記載のin vivo試験の部分として単独で、又は組成物の他の成分の錠剤と一緒に投与してもよい。
バラの実及びブラックベリー粉末、又はバラの実及びブルーベリー粉末のどちらかを含む他の組成物は、上記記載の錠剤形成の方法にしたがって錠剤形で製造することができる。バラの実/ブラックベリー錠剤のバラの実の量は約300mgであり、ブラックベリーの量は約80mgである。バラの実/ブルーベリー錠剤のバラの実の量は約300mgであり、ブルーベリーの量は約40mgである。この方法にしたがって製造した錠剤を、所望のように本明細書に記載のin vivo試験で用いることができる。
バラの実、レスベラトロール及びアフラモマム・メレグエタを含む別の組成物は、上記に記載の錠剤形成の方法にしたがって、約300mgのバラの実、10mgのレスベラトロール及び75mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む錠剤形で製造することができる。
バラの実、レスベラトロール及びアスタキサンチンを含む別の組成物は、上記に記載の錠剤形成の方法にしたがって、約300mgのバラの実、10mgのレスベラトロール及び1mgのアスタキサンチンを含む錠剤形で製造することができる。
【0021】
オリーブ抽出物、アーチチョーク、イラクサの根およびバラの実を含む、本発明のさらに別の組成物は、以下の方法にしたがって錠剤形で製造することができる。上記表IIの用量Aに示した量のオリーブ抽出物、アーチチョーク、イラクサの根およびバラの実を二酸化珪素に添加しポリバッグに入れて、均一及び均質に混合されるまでブレンドする。得られたこのブレンドをパターソンケリー(P.K.)100ブレンダー(Patterson-Kelley Co., East Stroudsburg, Pennsylvaniaから入手できる)に入れる。続いて以下の成分を列挙した順に、20メッシュのスクリーン(Sweco, Inc., Florence, Kentuckyから入手できる)を設置したスェコ(Sweco)セパレーターからP.K.100ブレンダーへ直接通す:デキストロース、クロスカルメロースナトリウム、及び珪化微晶質セルロース。得られた組成物をP.K.100ブレンダーで15分間ブレンドする。
続いて、植物系ステアリン酸粉末をスェコセパレーターからP.K.100ブレンダーへ直接通す。得られた混合物をさらに5分間ブレンドする。得られた混合物をトート又はスーパーサックに注ぎ圧縮し、通常の装置で打錠する。個々の錠剤の許容できる範囲の重量は約250mgから約500mgである。
【0022】
III.組成物のための成分の選択
本発明は、具体的な健康状態に最適であり、さらに所望の組成物で用いることができる成分を選択するための成分スクリーニング方法を含むことができる。例えば、IL-1を調節するための栄養補助物の事例では、活性成分は固有のスクリーニング方法により選択することができる。種々の要素には生物学的識別要件、産業的識別要件、規制に関する識別要件及び記述的識別要件が含まれる。いくつかの好ましい識別要件及びそれらの重要価は表2に概略される。好ましくは、識別要件は、事業又は消費者によって決定される対象に応じて重要性が割り当てられる。表2では、重要度3は、該当識別要件が、選別プロセスで大きな影響力又は重要性を有することを意味し(“ファクター3識別要件”)、2は、当該識別要件は顕著に重要であるが、選別プロセスでファクター3よりも重要性は低いことを意味し(“ファクター2識別要件”)、さらに1は識別要件としてもっとも低い重要性を有する(“ファクター1識別要件”)。
【0023】
表II:サイトカイン調節成分を選択するための識別要件

*生体利用率は、経口的に摂取された成分で、身体に吸収される活性化合物の百分率であり(割合として表される)、一般的には血液循環により身体組織に利用される。例えば、利用率0.10は、経口的に摂取された成分の活性物質の10%が腸管から吸収されしばらくして血液循環に輸送されることを示している。
【0024】
上記の例で、主要な目的は、人間で使用するために有効であり、事業的にも成功するIL-1調節物質を見つけることである。もっとも優れた候補物質の選択は、各候補物質についての識別要件の重要度を合計し、合計スコアを比較することによって達成される。したがって、IL-1調節における活性成分の性能は、個々の成分の入手費用及び成分の供給可能性と同様に問題である。事業としての成功に関連する他の要素は、成分の毒性及び安全性の他に成分の市場(組成物が販売される)における技術的及び規制的許容性である。いくつかの成分がファクター3識別要件の1つに適合せず、各成分についてファクター3識別要件が異なるという場合がありえる。これらの事例では、ファクター3識別要件は割り当てられた重要度であり、ファクター2及びファクター1識別要件もまた選択プロセスで考慮される。
上記の成分スクリーニングプロセスに加えて、治療用組成物又は成分は、好ましくはex vivo臨床評価に付され、生物学的特性及び作用が確認される。具体的には、対象者は治療用組成物又は成分を消費する。成分中の活性要素が吸収され、さらに血液循環系内で輸送されると思われる期間にわたって、連続血液サンプルを対象者から使用前及び使用後に入手する。これらの血液サンプルをin vitroバイオアッセイ系に添加する。前記バイオアッセイ系は、対象となっている系の生理学的変化に鋭敏なアッセイ又は試験読み出し装置を有する。この試験結果(ex vivo試験試験と称される)をin vitro臨床から得られた結果と比較する。in vitroの結果とex vivoの評価が近ければ近いほど、治療薬剤が体内で所望の効果を有する確率が高い。
【0025】
IV.サイトカイン阻害潜在能力の評価
組成物の成分は、少なくとも2つの異なる生物学的メカニズムによりサイトカインを調節することができる。第一のメカニズムでは、インターロイキンサイトカインの産生すなわち合成を阻害することができる。このメカニズムでは、成分は、インターロイキンサイトカインの生成をコードする遺伝子のmRNA転写を妨げると考えられている。したがって、遺伝子転写の阻止により、サイトカインは身体により又は体内で合成されえない。第二のメカニズムでは、成分は、体内の化学物質及び細胞のインターロイキンサイトカインに対する連鎖応答を阻害することができる。より具体的には、成分は、他の化合物の中で特に、急性期タンパク質、例えばC反応性タンパク質(CRP)の産生を妨げることができる。CRPは、外傷性及び/又は炎症性症状下で、インターロイキンサイトカイン(例えばIL-1及びIL-6)に応答してヒトの肝臓で合成される。前記成分は、インターロイキンサイトカインに対する細胞(例えば肝細胞)の応答メカニズムに影響を及ぼすことができ、それによりこれら細胞にCRPの産生を減少させるか、又は停止させることができる。
以下の実施例では、種々の列挙成分のインターロイキンサイトカイン調節潜在能力(サイトカイン合成阻害及びサイトカインによって惹起される応答の阻害の両方における潜在能力)が測定され、各暴露の結果が報告され評価される。
この評価のために、白血球細胞に種々の濃度の成分が投与された。続いて、炎症性刺激(リポ多糖類(LPS))を、この成分+細胞培養に、白血球細胞の未処理コントロールサンプルにも同様に添加した。成分処理細胞及び未処理細胞の両細胞のIL-1サイトカインの産生を比較し、細胞によって産生されるIL-1濃度を50%変化させる成分の濃度を推定した。
これらの実施例は、本発明をさらに例示し説明するために提示され、いかなる意味でも制限として解されるべきではない。特段の指示がないかぎり、全ての測定温度は摂氏での温度である。
【実施例1】
【0026】
本実施例のインターロイキン合成阻害の判定を実施するために、ヒトの白血球細胞、特にATCC(Manassas, Virginia)から入手したTHP-1細胞を、ATCCの推奨する条件下で、5%二酸化炭素が供給されている湿潤37℃インキュベーターで増殖させた。種々の化合物のIL-1阻害潜在能力を試験するために、多数のTHP-1細胞群を96ウェルプレートに播種した。具体的には、5x105のTHP-1細胞を10%ウシ胎児血清及び抗生物質(例えばペニシリン及びストレプトマイシン)補充RPMI1640に播種した。プレート培養したこれら細胞サンプルを用いて、それらに続いて投薬した。
投薬に際して、成分の各々が、前記プレート培養THP-1細胞に種々の用量(具体的には100μg/mL、10μg/mL、1μg/mL及び0μg/mL)で投与された。例えば、ある細胞プレートでは、イラクサの根の抽出物100μg/mLが投与され、別のプレートでは、10μg/mLが投与され、別のプレートでは1μg/mLが投与され、さらに別のプレートではイラクサの根の抽出物は投与されなかった。所望の成分を投与したTHP-1細胞をインキュベーターに戻し、同じ条件下で4時間インキュベートした。
その後、既知の炎症性刺激物質、リポ多糖類(LPS)を各ウェルに100ナノグラム/mLの最終濃度で添加した。LPS処理培養をさらに16時間インキュベーターに戻した。続いて、培養を1000Gで5分遠心して上清を得た。続いてこの上清に標識を付し、IL-1検出のために編成した。
種々の用量を投与した上清中のIL-1を検出するために、したがって各成分の各用量のIL-1分泌阻害潜在能力を判定するために、検査の供給業者(Biosource International, Camarillo, California)が提供した通常のIL-1検査プロトコルにしたがって、各上清を調べた。具体的なプロトコルは、参考文献(Protocol Booklet, Human IL-1, 2001)(Biosource Internationalから入手できる、前記文献は参照により本明細書に含まれる)に提供されている。
【0027】
ほぼ前記のプロトコルにしたがって、各上清サンプルの50μLを抗IL-1被覆プレートの各ウェルに添加し、これを2時間室温でインキュベートした。同様に、既知量のIL-1を確立するために設計した検定標準物を、抗IL-1抗体被覆プレートの指定のウェルに添加し、室温で2時間インキュベートした。
その後、各ウェルの液体を取り出し、被覆プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。3回目の洗浄後に、100μLの抗IL-1抗体結合酵素(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)を被覆プレートの各ウェルに添加し、室温で30分インキュベートした。プレートを以前のように繰り返し洗浄し、さらに100μLの基質溶液(TMB)を各ウェルに添加し、LPS炎症刺激の添加の結果として記載の成分の存在下又は非存在下で産生されたIL-1の量を表示させた。その後、100μLの停止溶液(例えば塩酸又は硫酸)を添加して、反応を停止させた。基質溶液(TMB)と抗IL-1抗体結合セイヨウワサビペルオキシダーゼとの反応によって、450nmの特異的なスペクトル吸収をもつ着色生成物が生成される。したがって、存在するIL-1の量は、存在するIL-1の量に応じて結合した酵素結合抗IL-1抗体の量によりもたらされる450nmの吸収量を測定することによって決定される。
検定標準サンプルを上清サンプルと同じプロトコルに付し、これら検定サンプルに存在するIL-1を決定した。検定標準サンプルの光学密度を調べ、検定希釈液中の種々のレベル(例えば1500から50、125、62.5、31.2及び0ピコグラム/mL)のIL-1の既知吸収を確立した。続いてこの標準検定サンプルの光学密度をプロットして、IL-1標準化吸収検定曲線を作成した。
試験し光学的に測定した各サンプル上清について、吸収を標準IL検定曲線に対してプロットし、サンプル上清に存在するIL-1の量を決定した。
サンプル上清に存在するIL-1の量を基準にして、種々の成分のIL-1阻害潜在能力の結果を下記の表IIIに記載したように記録した。この表に示したように、結果はEC50値で記録されている。前記の値は、有効用量の一般的に認容された測定値である。一般的に、EC50は、コントロールサンプルと比較したとき、IL濃度の50%変化をもたらす成分の濃度である。
【0028】
表III:実施例1のIL-1アッセイの結果

表IIIの試験結果は、サイトカイン(例えばIL-1)の分泌又は産生の低下及び/又は阻害におけるこれらの成分の有効性を示している。
【実施例2】
【0029】
この実施例では、本発明の組成物に含むことができる他の成分を調べ、(a)サイトカイン(例えばIL-1)の分泌又は産生の低下及び/又は阻害におけるこれら成分の有効性を判定し;(b)他の成分と任意の主要成分(バラの実、アーチチョーク抽出物、オリーブ抽出物及びイラクサの根)との相互作用を判定し;(c)肝細胞におけるインターロイキンサイトカイン(例えばIL-1)応答に対する他の成分の作用を肝細胞が分泌するC反応性タンパク質(CRP)を測定することによって判定した。
特に、種々の用量の他の成分で、又はこれら他の成分を任意の主要成分と組み合わせて前処理し若しくは処理せずにリポ多糖類に暴露した後、THP-1細胞のIL-1の放出を測定して、単球のIL-1α分泌に対するこれら他の成分の影響を判定した。IL-1発現レベルに対する肝細胞の応答を、肝細胞を種々の用量の他の成分で前処理しながら又は前処理せずにIL-1及びIL-6に暴露した後で培養上清中のCRPを測定することによって判定した。
試験した他の成分は、ブラックベリー抽出物、ブルーベリー抽出物、クランベリー抽出物、ローズマリー抽出物、丁子抽出物、及びレスベラトロールであった。表IVは、LPS活性化時のIL-1α分泌のこれら他の成分による用量特異的阻害について、低用量の4種の主要成分の非存在下及び存在下での結果を示している。IL-1α分泌の阻害を試験するために用いた方法論は、実施例1で試験した成分について用いた方法と同じである。この実施例2で試験した成分のうち、ローズマリー抽出物、ブルーベリー抽出物、エルダーベリー抽出物、クランベリー抽出物は、比較的低い用量(20−70μg/mLの範囲)でIL-1調節作用を有した。
列挙した任意の主要成分のIL-1調節作用と他の成分との干渉を、任意の主要成分(例えば表IIIに示した成分)のIL-1分泌阻害作用を、表IVに挙げた他の成分と一緒にした前記主要な成分のIL-1分泌阻害作用と比較することによって調べた。例えば、ブラックベリーの存在は、特徴的な阻害活性が存在しないことによって示されるように、バラの実のIL-1調節作用に変化を与えなかった。他の成分のいずれも前記任意の主要成分との干渉を示さなかったが、いくつかは協調作用を示した(ブルーベリー抽出物はバラの実及びイラクサの根と協調作用を示し、エルダーベリー抽出物はアーチチョーク抽出物及びイラクサの根と協調作用を有した)。表IVでは、“−”は、干渉も協調も存在せず、さらに“+”は干渉又は協調をそれぞれ示している。
【0030】
種々の用量の他の成分で前処理し又は前処理せずに肝細胞をIL-1α及びIL-6に暴露したときのCRPの分泌を測定することによって、IL-1応答作用を肝細胞で判定した。CRP分泌は、上記に記したようにCRPはヒトで急性期に顕著なタンパク質であり、その血中濃度は重篤な外傷及び/又は炎症時に1000倍より高く増加し、さらにCRPは炎症症状下でIL-1及びIL-6に応答して肝細胞で発現(例えば合成又は分泌)されるので選択された。CRPは、インターロイキンサイトカインのためのバイオマーカーとして作用し、サイトカインそのものよりもこのマーカーを測定することが有効である。なぜならば、血中のサイトカインレベルは、体内のサイトカインの実際量をしばしば正確に反映しないからである。したがって、肝細胞によって分泌されるCRPを測定することによって、IL-1及び/又はIL-6に対する細胞の応答の程度を決定することができる。
この実施例の判定を実施するために、ヒトの単離初代肝細胞(In vitro Technology, Baltimore, Marylandから入手)を前記業者の推奨する条件下にて湿潤37℃インキュベーター(5%二酸化炭素が供給されている)で回復させた。種々の化合物のCRP応答潜在能力を試験するために、多数の肝細胞群を96ウェルプレートに播種した。具体的には、1x104細胞を、10%ウシ胎児血清補充肝細胞培養液にプレートし、前記を種々の用量(具体的には100μg/mL、10μg/mL、1μg/mL及び0μg/mL)の試験成分に暴露した。例えば、ある細胞プレートでは、100μg/mLのブラックベリー抽出物が投与され、別のプレートでは、10μg/mLが投与され、別のプレートでは1μg/mLが投与され、さらに別のプレートではイラクサの根の抽出物は投与されなかった。播種細胞を対応する成分で処理して、この肝細胞(今や成分を投与されている)をインキュベーターに戻し、同じ条件下で4時間インキュベートした。
その後、既知のCRP誘発物質(例えばIL-1及び/又はIL-6)を各ウェルプレートに最終濃度1ナノグラム/mLで添加した。このIL処理培養をさらに16時間インキュベーターに戻した。続いてインキュベーションの後で、上清に標識を付し、CRP検出のために編成した。
種々の用量を投与された上清の分泌CRPの検出のために、したがって各成分の各投与量のCRP分泌阻害潜在能力を判定するために、試験の供給業者(Life Diagnostic, Inc., West Chester, Pennsylvania)が提供した通常のCRP検査プロトコルにしたがい、各上清をCRPの存在について調べた。具体的なプロトコルは、Life Diagnosticsから入手可能な参考文献(High Sensitivity C-Reactive Protein Enzyme Immunoassay Test Kit, 2003)で提供される(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
【0031】
プロトコルによれば、各上清サンプルの10μLを、抗CRP抗体被覆プレートに100μLのセイヨウワサビペルオキシダーゼ結合抗CRP二次抗体とともに添加し、前記を45分間室温でインキュベートした。同様に、既知量のIL-1を確立するために設計した検定標準物を、抗IL-1抗体被覆プレートの指定のウェルにHRP結合抗CRP二次抗体とともに添加し、室温で45分間インキュベートした。
その後、各ウェルの液体を取り出し、被覆プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した。3回目の洗浄後に、100μLの基質溶液(TMB)を各ウェルに添加し、IL-1及びIL-6(CRP誘発物質)の添加の結果として記載の成分の存在下又は非存在下で産生されたCRPの量を表示させた。その後、100μLの停止溶液(例えば塩酸又は硫酸)を添加して、反応を停止させた。基質溶液(TMB)と抗CRP抗体結合セイヨウワサビペルオキシダーゼとの反応によって、450nmの特異的なスペクトル吸収をもつ着色生成物が生成される。したがって、存在するCRPの量は、存在するCRPの量に応じて抗CRP抗体結合酵素が結合した量により生じる450nmでの吸収量を測定することによって決定される。
検定標準サンプルを上清サンプルと同じプロトコルに付し、これら検定サンプルに存在するCRPを決定した。検定標準サンプルの光学密度を調べ、検定希釈液中の種々のレベル(例えば0、0.005、0.01、0.025、0.05及び0.1マイクログラム/mL)のCRPの既知吸収を確立した。続いてこの標準検定サンプルの光学密度をプロットして、CRP標準化吸収検定曲線を作成した。
試験し光学的に測定した各サンプル上清について、吸収を標準CRP吸収検定曲線に対してプロットし、サンプル上清に存在するCRPの量を決定した。
サンプル上清に存在するCRPの量を基準にして、種々の成分のCRP阻害潜在能力の結果を下記の表IIIに記載したように記録した。この表に示したように、結果はEC50値で記録されている。前記は、有効用量の一般的に認容された測定である。一般的に言えば、EC50は、コントロールサンプルと比較したとき、CRP濃度の50%変化(例えばCRPの減少またはCRP合成の阻害)をもたらすために要求される成分の濃度である。
IL-1応答作用をCRP分泌の形により肝細胞で判定したとき、ブラックベリー抽出物、クランベリー抽出物及びレスベラトロールは、強力な活性を示しEC50は1−10μg/mLであった。したがって、これらの成分は、IL-1/IL-6応答の調節で、特にバイオマーカー(例えばCRP)の合成を減少させることによって有効であった。ブルーベリー粉末、ローズマリー抽出物及びエルダーベリー粉末もまた、IL-1/IL-6応答においていくらかの活性を示した。さらにまた、IL-1及びIL-6(各々1ng/mL)による活性化時のCRP分泌の用量特異的阻害について選択した成分を試験した。試験した追加の成分のうち、10%の天然アスタキサンチン、アフラモマム・メレグエタ抽出物(担体とともに又は担体なし)及びレスヴェラヴィン(Resveravine(商標))は強力なCRP低下活性を示し、EC50はそれぞれ約0.3、0.6及び0.8μg/mLであった。アスタキサンチンビードレットはわずかに1μg/mLを超えるEC50活性を示した。
【0032】
表IV:LPS刺激IL-1分泌、IL-1/IL-6刺激CRP分泌における他の成分のEC50、及び任意の主要成分による協調的又は拮抗的作用を含む実施例2の結果

*50% in vitro有効用量
【実施例3】
【0033】
本発明の組成物を20週間にわたって毎日投与することによって、ほぼ150−200人の対象者でin vivo試験を実施する。より具体的には、(a)パターン1の個体でIL-1合成の阻害を判定するために、及び(b)3mg CRP/L血液を超えるCRPレベルを示すパターン2の個体でCRPレベルによって測定されるIL-1応答の阻害を判定するために、本組成物を試験する。
本実施例の目的の場合、パターン1の個体は、“正常”又は“過剰”IL-1遺伝子発現応答を示すことが知られているIL-1遺伝子型を有するヒトである。過剰IL-1遺伝子発現遺伝子型は、IL-1α遺伝子の+3954遺伝子座の対立遺伝子座2に少なくとも1コピーが存在、又はIL-1α遺伝子の+4845遺伝子座の対立遺伝子座2に2コピーが存在するものとして識別される。本実施例では、パターン2の個体は、炎症バイオマーカーの血液レベルの上昇(例えばCRPレベルが約3から約10mg/L又はそれ以上)を示すヒトである。このCRP範囲では、顕著な改善(すなわちCRPレベルの減少)を観察する機会がより高いと思われる。換言すれば、パターン2の対象者ではCRPの適度な減少を検出できるであろう。
50人の被験者に錠剤として毎日投与される本発明のある組成物は、バラの実、ブラックベリー及びブルーベリーを、1日の投与量として1200mgのバラの実、165mgのブラックベリー及び330mgのブルーベリーを含む。
50人の被験者に錠剤として投与される本発明の別の組成物は、バラの実、ブラックベリーブルーベリー及びアフラモマム・メレグエタを、1日の投与量として1200mgのバラの実、165mgのブラックベリー、330mgのブルーベリー及び300mgのアフロモマム・メレグエタを含む。これらの成分は錠剤形である。
50人の被験者に錠剤として投与されるさらに別の本発明の組成物は、バラの実、アフラモマム・メレグエタ及びレスベラトロールを、1日の投与量として1200mgのバラの実、150mgのアフラモマム・メレグエタ及び40mgのレスベラトロール(例えばレスヴェラヴィン(Resveravine(商標)、Bio Serae, Bram, Franceから市場で入手できるレスベラトロール)を含む。これらは錠剤形である。
前記の組成物の成分を含まないプラセボが50人の被験者に毎日錠剤として投与される。
上記の成分及びプラセボの該当する対象者への最初の12週間の投与は二重盲検相である。この相では、上記の投薬は負荷用量である。この12週間後、一重盲検相が開始される。この相では、上記の投薬は、投薬を維持するために改変することができ、負荷相のデータから推定されるであろう。
【0034】
この実施例のin vivo試験では、血液サンプルを対象者から採取し、IL-1及びCRPが測定される。しかしながら、個体内の変動を定量しこれを最小限にするために、この血液のサンプリングは管理される。例えば、炎症バイオマーカー(例えばCRP)及び遺伝子発現結果(例えばIL-1の転写及びその後のIL-1合成)は、多数の飢餓血液サンプルで測定され、女性のサンプルは、当該対象者の毎月の月経周期と同じ週に採集される、その理由は、高脂肪食及び月経周期は急激に炎症バイオマーカーを増加させることが発見されたからである。さらにまた、このCRPモニタープロトコルは、種々の近傍の日における多数のサンプリングを提唱している。
投与後に、プラセボ、第一及び第二の組成物の有効性が、ex vivo IL-1産生阻害(上記方法を参照)、in vivo IL-1遺伝子発現、及び炎症バイオマーカー(例えばIL-6、TNF、IL-10、IL-12、血清アミロイドA、フィブリノゲン、ICAM-1、C反応性タンパク質など)の血液レベルによって判定される。in vivo IL-1遺伝子発現は、対象者の白血球のIL-1 mRNA量をrtPCRによって測定することにより判定される。炎症過程の調節における有効な介入の証拠には、ex vivo IL-1産生の阻害、in vivo IL-1遺伝子発現の阻害、及び上記に挙げた炎症バイオマーカーの1つ以上のレベル減少が含まれる。
本実施例のin vivo検査の結果は、インターロイキンサイトカインの合成阻害及び対象者でインターロイキンサイトカインにより引き起こされる連鎖応答の阻害の両阻害によって、本組成物がインターロイキンサイトカインの調節作用を有することを例証すると期待される。この利点の具体的な例を、炎症によって悪化したアテローム斑の発生を示す対象者との関連で、図1−3を参考にこれから説明する。
図1は、炎症とインターロイキンサイトカインがどのようにアテローム斑の発生に寄与するかを示している。具体的には、単核白血球(10)が動脈壁組織(100)に侵入し、酸化脂質を取り込み、さらに炎症性サイトカイン(例えばIL-1)により新たに白血球(14)を補充し、増殖因子による斑の生長(30)を刺激し、前記により狭窄が生じる。斑の内部の白血球によって放出されたサイトカイン20は、斑の不安定性をもたらし、最終的には破壊及び血栓をもたらしえる。
図2では、IL-1の合成(200)及びIL-1応答(300)が示されている。具体的には、白血球(10)はサイトカイン(20)を合成し、前記は、肝臓(50)の急性期タンパク質(例えばCRP)の産生を適宜刺激する。
図3を参照すれば、本発明の組成物は、白血球(10)によるサイトカイン(200)の産生を阻害する。特定の成分(500)(例えばバラの実、ブルーベリー及びエルダーベリー)は、この機能を発揮するために標的へ誘導される。本発明の組成物はまた、CRPの合成を減少又は排除することによって、細胞及び/又は肝臓(50)のサイトカインに対する応答(300)を阻害することができる。特定の成分600(例えばブラックベリー、レスベラトロール、アフロモマム・メレグエタ及び/又はアスタキサンチン)を標的に誘導して、この機能を発揮させることができる。
【実施例4】
【0035】
本発明の3つの異なる組成物の毎日の投与によるin vivo効果を、二重盲検、プラセボ-管理試験を用いて120人の対象者で12週間にわたって周期的に判定した。具体的には、認知されている炎症マーカー(例えばC-反応性タンパク質(CRP))の外に、他の炎症マーカー(例えばex vivo IL-1産生及びin vivo IL-1合成及び/又は発現))の血中レベルに対する本発明の組成物の影響を判定した。この試験に参加した全てのヒト対象者は少なくとも18歳であり、面接及び簡易身体検査、試験の間正常な食事及び運動習慣を維持する彼らの意志、少なくとも1年間非喫煙者であることを基準にして良好な一般的健康状態であると判断され、かつ平均CRPレベルが2mg/Lから10mg/Lであった。
この試験で分析した全ヒト対象者は2つの群の1つに分類される:(1)IL-1パターン1遺伝子型を有する対象者及び(2)IL-1非パターン1遺伝子型を有する対象者。上記に述べたように、IL-1パターン1遺伝子型を有するヒト対象者は、一般的には“過剰”IL-1遺伝子発現応答を有することが知られている。IL-1パターン1遺伝子型は、IL-1β遺伝子の+3954遺伝子座の対立遺伝子座2に少なくとも1コピーが存在[IL-1α(4845)=1.2及びIL-1β(+3945)=1.2又は2.2]、又はIL-1α遺伝子の+4845遺伝子座の対立遺伝子座2に2コピーが存在[IL-1α(+4845)=2.2]するものとして識別される。IL-1非パターン1遺伝子型を有する対象者は、本明細書に規定するパターン1以外の任意の遺伝子型を有することができる。
全対象者を4グループの1つに任意に振り分けた。群1は、パターン1遺伝子型をもつ10人の対象者及び非パターン1遺伝子型をもつ22人の対象者を含む。群1には下記の表Vに記載するように組成物1が投与された。群2は、パターン1遺伝子型をもつ9人の対象者及び非パターン1遺伝子型をもつ22人の対象者を含む。群2には下記の表Vに記載するように組成物2が投与された。群3は、パターン1遺伝子型をもつ10人の対象者及び非パターン1遺伝子型をもつ20人の対象者を含む。群3には下記の表Vに記載するように組成物3が投与された。群4は、パターン1遺伝子型をもつ12人の対象者及び非パターン1遺伝子型をもつ15人の対象者を含む。群4にはプラセボが投与された。
表Vは、この試験で調べた本発明の各組成物の成分を、各投与量スケジュールとともに示している。
【0036】
表V:実施例4の錠剤の組成及び投与される錠剤の投与量スケジュール

【0037】
群の振り分けに関係なく、対象者は、表Vに示すように1日1回同じ数の錠剤を消費するように指示された。本発明の組成物を含む全ての錠剤(組成物1−3)及び全てのプラセボ錠剤は外観が同一であった。不活性な賦形剤(例えば微晶質セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸二カルシウム)及び加工補助剤(例えば改変セルロースゴム、ステアリン酸マグネシウム及び二酸化珪素)を、本発明の組成物を含む錠剤に添加して、前記組成物の錠剤への加工を可能にした。
プラセボ錠剤は、組成物1、2及び3の錠剤とサイズ及び外観が一致した。プラセボ錠剤は不活性な賦形剤の組合せを含んでいた。例えば、プラセボ錠剤は、微晶質セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸二カルシウム及び加工補助剤(例えば改変セルロースゴム、ステアリン酸マグネシウム及び二酸化珪素)の1つ以上を含むことができる。
試験中、各対象者は、下記に概略するように11回(ほぼ毎週)の周期的分析を受けた。各分析は、生命活性の測定を含む被験者の簡易身体検査、体重、医療の同時使用の判定、試験のために与えられた錠剤の服用に関するコンプライアンスの判定、及び副作用についてのスクリーニングを含んでいた。さらにまた、周期的分析のほぼ1回おきに(ほぼ2週間毎に)、種々の分子(CRP、グルコース、クレアチニン、尿酸、SGOT、SGPT、総ビリルビン、アルブミン、塩化ナトリウム、BUN、カルシウム、LDH、アルカリ性ホスファターゼ、総タンパク質、カリウム、CO2、GGT、リン、マグネシウム、及びCPKを含む)が分析された。異常な血清レベルを示したいずれの対象者もほぼ1週間後に再検査した。さらにサイトカイン炎症性バイオマーカーパネル(IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-8、IL-10及びIL-12を含む)を、ほぼ2週間ベースで各対象者について分析した。さらにまた、ほぼ第7週及び11週時に各対象者から血液及び尿サンプルを採取し、各血液サンプルについてヘモグロビン、ヘマトクリット及び血球数を測定し、一方、尿サンプルは、色、比重、pH、タンパク質、グルコース、ケトン、ビリルビン、亜硝酸塩、白血球エステラーゼ、ウロビリノゲン、白血球、上皮細胞及び細菌について調べた。
本実施例では、血液のサンプリングを管理して、定量及び個体内での変動を最小限にした。例えば、上記に概略したように、炎症バイオマーカー(例えばCRP)及び遺伝子発現の所産(例えばIL-1の転写とその後の合成)は、多数の飢餓血液サンプルで測定した。女性対象者の血液サンプルは、当該対象者の毎月の月経周期と同じ週に採集した。この血液サンプリング方法は、急激な炎症バイオマーカーの増加を管理するために設計された(前記急激な増加は、しばしば高脂肪食及び月経周期時に応答して生じる)。
【0038】
周期的に、例えば投与開始後4週間、8週間及び12週間で、プラセボ、組成物1、組成物2及び組成物3の有効性を、(a)被検対象者におけるIL-1合成及び/又は発現のex vivo分析(上記の方法を参照されたい);(b)in vivo IL-1遺伝子発現の分析(rtPCRを用いて被検対象者から得たサンプル中のIL-1 mRNAレベルを測定した);及び(c)炎症バイオマーカー(例えばIL-6、TNF、IL-10、IL-12、血清アミロイドA、フィブリノゲン、ICAM-1、C反応性タンパク質など)の血清及び/又は細胞の合成及び発現のレベルによって判定した。
これらの判定の結果は図4−15で報告する。図4−15に示したグラフは、基準値に対して標準化され、基準値に対し何分の一又は何倍として表されている(100で割った基準値の百分率)。
図5は、組成物1、2及び3の投与から12週後に、全実験集団でプラセボ投与と比較してCRP合成及び/又は発現が減少したことを示している。
図7に示したように、パターン1対象者のCRP応答を非パターン1被検対象者と別々に分析したとき、全ての活性物質処理と基準値及びプラセボとの間に重大な相違が存在した。具体的には、組成物2(バラの実+ベリー+レスヴェラヴィン(Resveravine(商標)、前記はBio Serae, Bram, Franceから市場で入手できるレスベラトロール製品))は、CRPの合成及び/又は発現をほぼ50%の割合で阻害した(P=0.0113)。
図8は、ex vivo IL-1合成は、組成物1、2及び3を投与してから12週後にプラセボ及び基準値と比較してわずかに減少したことを示している。有意な相違は組成物1、2及び3の間では観察されなかった。
図10は、パターン1遺伝子型を有する被検対象者では、本発明の組成物とプラセボ組成物との間に著名な応答の相違が存在したことを示している。具体的には、12週後に、IL-1産生は、基準値に対して群1、2及び3の各々でほぼ20%−30%減少した(P=0.0068)。
図12に示すように、基準値対全対象集団の12週データの分析によって、IL-1遺伝子発現は、組成物1、2及び3の各々の投与に続いて有意に減少することが明らかにされ、もっとも著名な結果は組成物2の投与に付随していた(P=0.0047)。
図14に示されるように、パターン1遺伝子型を有する被検対象者のデータをそれぞれ別個に判定したとき、IL-1遺伝子発現は基準値に対してほぼ80%下降した。この下降は群2ではるかに有意であり、前記は組成物2を投与されていた(組成物2は、バラの実+ベリー+レスヴェラヴィン(Resveravine(商標)、前記はBio Serae, Bram, Franceから市場で入手できるレスベラトロール製品である)を含む)(P=0.0158)。
【0039】
図4、6、9、11、13及び15は、プラセボを投与された被検対象者は、投与後4週間でCRP発現レベル、IL-1 ex vivo発現レベル、及びIL-1遺伝子発現レベルの急激な増加を示したことを表している。いかなる理論にも拘束されないが、この急激な増加は被検対象者の食習慣の変化によるものであろうと考えられる。食習慣における変化はある種の休日と臨床試験の同時発生によるものでありえる。
意義深いことには、図4、6、9、11、13及び15の各々はまた、組成物1、2又は3のいずれかを投与された被検対象者は、臨床試験中の時点でCRP発現レベル、IL-1のex vivo発現レベル又はIL-1遺伝子発現レベルにおける急激な増加を示さなかったことを表している。むしろ、これらの個体はCRP及びIL-1発現の定常的又は減少状態を維持した。したがって、組成物1、2又は3は、CRP発現レベル、IL-1のex vivo発現レベル、又はIL-1遺伝子発現レベルを常に減少させるとは限らないとしても、組成物1、2又は3は、CRP及びIL-1の発現レベルの急激な増加を防ぐことによって免疫応答を確かに調節した。この調節作用の一例は図4、6、9、11、13及び15の4週のマーカーで観察することができる。
図4−15に示した結果は、組成物2(バラの実+ベリー+レスヴェラヴィン(Resveravine(商標)、前記はBio Serae, Bram, Franceから市場で入手できるレスベラトロール製品である)を含む)は、選択的にIL-1遺伝子活性(パターン1遺伝子型を有する被検対象者で合成及び発現を含む)をダウンレギュレートすることを表している。本実施例で観察されたIL-1遺伝子発現、IL-1産生及びCRP発現及び/又は合成の規模及び時間的パターンは、過剰IL-1遺伝子応答はパターン1遺伝子型を有する対象者の炎症環境強化によるというこれまでの理論的枠組みと一致する。
パターン1の対象者の結果に対し驚くべき対照として、非パターン1の対象者で観察された抗炎症性効果ははるかに不明瞭であった。この遺伝子型(IL-1ハロタイプ)の弁別的応答は、組成物2(すなわち、バラの実+ベリー+レスヴェラヴィン(Resveravine(商標)、前記はBio Serae, Bram, Franceから市場で入手できるレスベラトロール製品である))は、パターン1個体のIL-1遺伝子活性レベルで炎症経路を選択的にダウンレギュレートし、確立された炎症の下流マーカー(例えばCRP)の臨床的に意義のある減少をもたらすことを示唆している。
【0040】
V.使用方法
上記実施例1−4で実際に示したように本発明にしたがって組成物に含むことができる成分の試験の結果に基づいて、これらの成分を含む組成物を対象者に投与して、炎症の仲介物質(例えばインターロイキンサイトカイン)を調節することによって炎症応答を調節することができる。より具体的には、本発明の組成物を用いて、インターロイキンサイトカイン(例えばインターロイキン-1(IL-1))の合成を、例えばIL-1のmRNA転写を阻害することによって特異的に阻害することができる。さらにまた、本明細書に報告した結果から立証されたように、本発明の組成物を用いて、インターロイキンサイトカイン(例えばIL-1)の発現/分泌を特異的に阻害することができる。さらにまた、本発明の組成物は、炎症バイオマーカー(例えばCRP)の合成及び/又は発現/分泌を減少させることによって炎症性応答を調節することができることは明瞭である。CRPの合成及び/又は発現/分泌の低下は、対象者の体内のインターロイキンサイトカインに対するCRPの応答を阻害する。さらにまた、本発明の組成物は、炎症仲介物質(例えばCRP及びIL-1)の発現、合成及び/又は分泌レベルの増加を妨げることによって、免疫応答を調節することができる。
本明細書に記載した結果は、本発明の3つの別個の組成物を毎日投与することによって、対象者の全集団において、ILの合成及び発現の低下が、CRPの合成及び/又は発現/分泌の低下と同様に達成されることを明示している。しかしながら、本発明の組成物を利用して炎症性応答を調節する能力のもっとも驚くべき証拠は、パターン1遺伝子型を有する対象者集団でもたらされた。例えば、パターン1遺伝子型を有する対象者集団で12週間後に、組成物2(例えばバラの実+ベリー+レスヴェラヴィン(Resveravine(商標)、前記はBio Serae, Bram, Franceから市場で入手できるレスベラトロール製品である))を開示の用量範囲で毎日投与することによって、ほぼ80%(基準値に対して)のIL-1遺伝子発現の低下、及び炎症性バイオマーカーCRPの発現でほぼ50%の減少が達成された。
これらの結果は、炎症は心脈管系疾患を含む多数の疾患の主要要素であるので重大である。実際、炎症性サイトカイン、例えばIL-1及びIL-6が身体の炎症性反応の主要な仲介物質とするならば、本発明の組成物を用いて疾患及び/又は異常状態に付随する炎症応答を調節できるということは重要である。例えば、本発明の組成物を用いて、関節炎、心脈管系症状、骨粗しょう症、アルツハイマー病、外傷性損傷に対する炎症性応答、又は炎症若しくは免疫調節応答に付随する任意の他の異常状態若しくは疾患(例えば疼痛)、並びに炎症に付随する硬直に罹患している対象者で炎症性応答を調節することができる。
【0041】
さらに別の例では、骨粗しょう症は、異常に高いIL-1放出レベルを伴う。したがって、本発明で意図されるものは、治療的に有効な量の本発明の組成物の投与を介して、IL-1合成及び発現を調節することによって骨粗しょう症を治療する方法である。
炎症と心脈管系疾患(例えばアテローム性硬化症、血栓症、動脈狭窄など)との関連を仮定するならば、本発明で意図されるものはまた、少なくとも1つの成分を列挙した用量で含む前記組成物の治療的に有効な量を投与することによって、当該心脈管系疾患を治療することである。実際、心脈管系疾患の炎症は、IL-1の合成及び発現レベルの増加を伴う。IL-1の発現は、CRPの合成、発現及び分泌の引き金となり、前記は更なるIL-1合成及び/又は発現を刺激すると考えられる。したがって、本発明の組成物(例えば組成物2、前記はCRPレベルをほぼ50%低下させ、IL-1遺伝子の活性レベルをほぼ80%減少させることが示された)は炎症応答の調節で有用であり、したがって心脈管系症状の治療に有用である。
さらにまた、神経系細胞及び組織は、炎症下でストレスを受けたとき顕著な量のIL-1を分泌することが観察され、したがって、前記組成物を用いて、精神的な問題、頭痛および耳痛を、アルツハイマーのような衰退性神経学的疾患治療と同様に治療することができる。
上記に記載したものは、本発明の好ましい実施態様の記載である。多様な改変及び変更を、添付の請求の範囲に規定した本発明の範囲を逸脱することなく実施することができる(前記特許請求の範囲は、特許法の原則及び等価物の見解にしたがって解釈されるべきである)。単数で表された構成成分の特許請求に関する表現(英文において“a”、“an”、“the”又は“said”)では、いずれも単数の構成成分に限定するものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例3の本発明の組成物による治療の前の発達したアテローム性硬化症プラークを有する対象者の血管の断面図である。
【図2】実施例3のアテローム性硬化症プラークの発達におけるインターロイキンサイトカインの影響を示す、対象者の血管の第二の断面図及び肝臓である。
【図3】実施例3のアテローム性硬化症プラークの発達でインターロイキンサイトカインに対する組成物の影響を示す、対象者の血管の第三の断面図及び肝臓である。
【図4】全実験集団における基準値対12週標準化CRP発現レベルを示す折れ線グラフである。図4で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図4に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物;1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロール;1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ;又はプラセボ。
【図5】全実験集団における基準値対12週標準化CRP発現を示すグラフである。図5で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図5に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:第一の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物の投与によるものであり、第二の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロールの投与によるものであり、第三の棒線は、1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタの投与によるものである。
【図6】パターン1遺伝子型を有する検査対象者における基準値対12週標準化CRP発現レベルを示すグラフである。図6で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図6に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる: 1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物;1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロール;1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ;又はプラセボ。
【図7】パターン1遺伝子型を有する検査対象者における基準値対12週標準化CRP発現を示すグラフである。図7で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図7に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:第一の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物の投与によるものであり、第二の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロールの投与によるものであり、第三の棒線は、1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタの投与によるものである。
【図8】全実験集団における基準値対12週標準化Ex vivo IL-1発現を示す。図8で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図8に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:第一の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物の投与によるものであり、第二の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロールの投与によるものであり、第三の棒線は、1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタの投与によるものである。
【図9】パターン1遺伝子型を有するヒト対象者における基準値対12週標準化Ex vivo IL-1発現を示す。図9で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図9に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物;1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロール;1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ;又はプラセボ。
【図10】パターン1遺伝子型を有するヒト対象者における基準値対12週標準化Ex vivo IL-1発現を示す。図10で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図10に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:第一の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物の投与によるものであり、第二の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロールの投与によるものであり、第三の棒線は、1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタの投与によるものである。
【図11】全実験集団における基準値対12週標準化IL-1遺伝子発現を示す。図11で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図11に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物;1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロール;1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ;又はプラセボ。
【図12】全実験集団における基準値対12週標準化IL-1遺伝子発現を示す。図12で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図12に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:第一の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物の投与によるものであり、第二の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロールの投与によるものであり、第三の棒線は、1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタの投与によるものである。
【図13】パターン1遺伝子型を有する検査対象者における基準値対12週標準化IL-1遺伝子発現を示す。図13で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図13に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物;1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロール;1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ;又はプラセボ。
【図14】パターン1遺伝子型を有する検査対象者における基準値対12週標準化IL-1遺伝子発現を示す。図14で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図14に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:第一の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物の投与によるものであり、第二の棒線は、1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロールの投与によるものであり、第三の棒線は、1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタの投与によるものである。図14の結果は、パターン1遺伝子型を有する検査対象者で、組成物2(第二の棒線)は、IL-1の発現及び/又は合成を有意に阻害することを示している。
【図15】非パターン1遺伝子型を有する検査対象者における基準値対12週標準化IL-1遺伝子発現を示す。図15で、“RH”はバラの実を示し、“B”は、ブラックベリー、ブルーベリー、エルダーベリー及びクランベリーの少なくとも1つから選択したベリー成分を示し、“AM”はアフラモマム・メレグエタを示し、“R”はレスベラトロールを示す。図15に示した結果は、12週連続して毎日以下の組成物を投与したことによる:1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物;1200mgのバラの実、165mgのブルーベリー粉末抽出物、332mgのブラックベリー粉末抽出物、及び40mgのレスベラトロール;1200mgのバラの実、40mgのレスベラトロール、及び300mgのアフラモマム・メレグエタ;又はプラセボ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者で炎症性応答を調節する方法であって、前記方法が、バラの実並びにブラックベリー、ブルーベリー、レスベラトロール又はその誘導体、ヴィニフェリン及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む組成物を提供する工程を含み、組成物の投与が少なくとも1つの炎症仲介物質の合成を減少させる、前記炎症性応答の調節方法。
【請求項2】
組成物が、バラの実;レスベラトロール及びヴィニフェリンの少なくとも1つ;並びにブラックベリー、ブルーベリー及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの炎症仲介物質がインターロイキン-1である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
炎症仲介物質の合成を減少させる工程がさらに、インターロイキン-1の転写を阻止することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
炎症仲介物質がC反応性タンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに第二の炎症仲介物質の合成を減少させる工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
第二の炎症仲介物質がC反応性タンパク質である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
対象者がIL-1パターン1遺伝子型を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
組成物が、800−1500mgのバラの実、200−500mgのブラックベリー粉末、50−300mgのブルーベリー粉末、及び20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
組成物が、約1200mgのバラの実、約330mgのブラックベリー粉末、約165mgのブルーベリー粉末、及び約40mgのレスベラトロール又はその誘導体を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
組成物が、800−1500mgのバラの実、20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体、及び150−500mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
組成物が、約1200mgのバラの実、約40mgのレスベラトロール又はその誘導体、及び約300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
対象者で炎症性応答を調節する方法であって、前記方法が、バラの実、並びにブラックベリー、ブルーベリー、レスベラトロール又はその誘導体、ヴィニフェリン及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む組成物を提供する工程を含み、組成物の投与が少なくとも1つの炎症仲介物質の発現を減少させる、前記炎症性応答の調節方法。
【請求項14】
組成物が、バラの実;レスベラトロール及びヴィニフェリンの少なくとも1つ;並びにブラックベリー、ブルーベリー及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの炎症仲介物質がインターロイキン-1である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
炎症仲介物質がC反応性タンパク質である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
さらに第二の炎症仲介物質の合成を減少させる工程を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
第二の炎症仲介物質がC反応性タンパク質である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
対象者がIL-1パターン1遺伝子型を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
炎症仲介物質の発現を減少させる工程がさらに、対象者の血清中のインターロイキン-1レベルを減少させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
組成物が、800−1500mgのバラの実、200−500mgのブラックベリー粉末、50−300mgのブルーベリー粉末、及び20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
組成物が、約1200mgのバラの実、約330mgのブラックベリー粉末、約165mgのブルーベリー粉末、及び約40mgのレスベラトロール又はその誘導体を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
組成物が、800−1500mgのバラの実、20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体、及び150−500mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
組成物が、約1200mgのバラの実、約40mgのレスベラトロール又はその誘導体、及び約300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
組成物が、約1200mgのバラの実、約330mgのブラックベリー粉末、約165mgのブルーベリー粉末、及び約40mgのレスベラトロール又はその誘導体を含み、さらに対象者がIL-1パターン1遺伝子型を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
組成物が、約1200mgのバラの実、約40mgのレスベラトロール又はその誘導体、及び約300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含み、さらに対象者がIL-1パターン1遺伝子型を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項27】
バラの実、並びにブルーベリー、ブラックベリー、レスベラトロール又はその誘導体、ヴィニフェリン及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む、対象者で免疫応答を調節するための栄養補助食品であって、前記栄養補助食品が炎症性サイトカインの合成の減少に有効である、前記栄養補助食品。
【請求項28】
組成物が、バラの実;レスベラトロール及びヴィニフェリンの少なくとも1つ;並びにブラックベリー、ブルーベリー及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む、請求項27に記載の栄養補助食品組成物。
【請求項29】
炎症性サイトカインがインターロイキン-1である、請求項27に記載の栄養補助食品。
【請求項30】
さらに、800−1500mgのバラの実、200−500mgのブラックベリー粉末、50−300mgのブルーベリー粉末、及び20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体を含む、請求項27に記載の栄養補助食品。
【請求項31】
組成物が、800−1500mgのバラの実、20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体、及び150−500mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む、請求項27に記載の栄養補助食品。
【請求項32】
バラの実;レスベラトロール及びヴィニフェリンの少なくとも1つ;並びにブルーベリー、ブラックベリー及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む、対象者で免疫応答を調節するための栄養補助食品であって、前記栄養補助食品が炎症性サイトカインの発現の減少に有効である、前記栄養補助食品。
【請求項33】
炎症性サイトカインがインターロイキン-1である、請求項32に記載の栄養補助食品。
【請求項34】
さらに、800−1500mgのバラの実、200−500mgのブラックベリー粉末、50−300mgのブルーベリー粉末、及び20−150mgのレスベラトロール又はヴィニフェリンを含む、請求項32に記載の栄養補助食品。
【請求項35】
さらに、800−1500mgのバラの実、20−150mgのレスベラトロール又はヴィニフェリン、及び150−500mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む、請求項32に記載の栄養補助食品。
【請求項36】
対象者で炎症性応答を調節する方法であって、前記方法が、バラの実、並びに、ブラックベリー、ブルーベリー、レスベラトロール又はその誘導体、ヴィニフェリン及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む組成物を提供することを含み、組成物の投与が、少なくとも1つの炎症仲介物質の合成の増加を妨げる、前記炎症性応答の調節方法。
【請求項37】
組成物が、バラの実;レスベラトロール及びヴィニフェリンの少なくとも1つ;並びに、ブラックベリー、ブルーベリー、及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの炎症仲介物質がインターロイキン-1である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
炎症仲介物質がC反応性タンパク質である、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
さらに第二の炎症仲介物質の合成を減少させる工程を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
第二の炎症仲介物質がC反応性タンパク質である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
対象者がIL-1パターン1遺伝子型を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
組成物が、800−1500mgのバラの実、200−500mgのブラックベリー粉末、50−300mgのブルーベリー粉末、及び20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
組成物が、約1200mgのバラの実、約330mgのブラックベリー粉末、約165mgのブルーベリー粉末、及び約40mgのレスベラトロール又はその誘導体を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
組成物が、800−1500mgのバラの実、20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体、及び150−500mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
組成物が、約1200mgのバラの実、約40mgのレスベラトロール、及び約300mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
対象者で炎症性応答を調節する方法であって、前記方法が、バラの実、並びにブラックベリー、ブルーベリー、レスベラトロール又はその誘導体、ヴィニフェリン及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む組成物を提供する工程を含み、組成物の投与が少なくとも1つの炎症仲介物質の発現の増加を妨げる、前記炎症性応答の調節方法。
【請求項48】
組成物が、バラの実;レスベラトロール及びヴィニフェリンの少なくとも1つ;並びに、ブラックベリー、ブルーベリー、及びアフラモマム・メレグエタ抽出物の少なくとも1つを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1つの炎症仲介物質がインターロイキン-1である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
炎症仲介物質がC反応性タンパク質である、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
さらに第二の炎症仲介物質の合成を減少させる工程を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
第二の炎症仲介物質がC反応性タンパク質である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
対象者がIL-1パターン1遺伝子型を有する、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
組成物が、800−1500mgのバラの実、200−500mgのブラックベリー粉末、50−300mgのブルーベリー粉末、及び20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項55】
組成物が、800−1500mgのバラの実、20−150mgのレスベラトロール又はその誘導体、及び150−500mgのアフラモマム・メレグエタ抽出物を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項56】
組成物が、約1200mgのバラの実、約330mgのブラックベリー粉末、約165mgのブルーベリー粉末、及び約40mgのレスベラトロール又はその誘導体を含み、さらに対象者がIL-1パターン1遺伝子型を有する、請求項47に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−506044(P2009−506044A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528086(P2008−528086)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/032847
【国際公開番号】WO2007/024901
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】