説明

サイトカイン変異体ポリペプチド

本発明者等は、天然のサイトカインアミノ酸配列の改変体である改変アミノ酸配列を含む改変サイトカインリガンドポリペプチドであって、天然のポリペプチドの天然のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基が、共に直接的又は間接的に結合し、上記改変サイトカインリガンドは代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基が備わっていることを特徴とし、更に上記改変サイトカインリガンドの同族結合パートナー又はレセプター複合体に対する少なくとも1つの結合ドメインが破壊している、改変アミノ酸配列を含む改変サイトカインリガンドポリペプチドを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイトカインリガンドの同族レセプターに対する少なくとも1つの結合部位が破壊しているサイトカインリガンドを含むポリペプチド:そのオリゴマー及びその医薬品としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
サイトカインと呼ばれる成長因子の大グループは、多数の様々な細胞機能に関与している。これらの例としては、免疫系の調節、エネルギー代謝の調整、及び成長並びに発達の統制が挙げられるが、これらに限定されない。サイトカインは、標的細胞上の細胞表面で発現したレセプターを介してその効果を媒介する。サイトカインレセプターは、4つの別のサブグループに分類することができる。1型(成長ホルモン(GH)ファミリー)レセプターは、その細胞外ドメインのアミノ末端部分に4つの保存システイン残基及びそのC末端部分に保存Trp−Ser−Xaa−Trp−Serモチーフの存在を特徴とする。繰り返しCysモチーフは、2型(インターフェロンファミリー)及びIII型(腫瘍壊死因子ファミリー)にも存在する。
【0003】
多くのサイトカインリガンドは、特異的部位を介してそれらの同族レセプターと相互作用することが知られている。サイトカインレセプターの中には、高親和性リガンド結合部位と低親和性結合部位の両方を有するものがある。
【0004】
例えば、GHの単一分子は2つのレセプター分子(GHR)と会合することが知られている(Cunningham他、1991;de Vos他、1992; Sundstrom他、1996、Clackson他、1998)。これは、GH上の2つの固有のレセプター結合部位及び2つのレセプターの細胞外ドメイン上の共通の結合ポケットを介して起こる。GH分子上の部位1は部位2よりも高い親和性を有し、レセプターの二量化は、GH上の部位1に結合する1つのレセプターによって、その後部位2に対する第二のレセプターの動員が順次起こると考えられている。GHRの細胞外ドメインは、約100個のアミノ酸からなるそれぞれ2つの結合ドメインとして存在する。三量体複合体GHR−GH−GHRの構成物と結合するホルモン上で、これら2つのドメインにおける構造変化が起こる。GHR−GH−GHR複合体の内在化の後、細胞内において更に使用するためにレセプター分子を再生するリサイクル工程が続く。
【0005】
様々な異なる化学量論が、異なるサイトカインやレセプター結合上の他のリガンドで用いられる。したがって、GHのようなエリスロポエチンは、三量体のレセプター−ホルモン−レセプター複合体を形成する。インターロイキン−4は、三量体のレセプター−ホルモン−異なるレセプター複合体を形成する。他のサイトカイン、例えばレプチン及びGCSFは、四量体のレセプター−ホルモン−ホルモン−レセプター複合体を形成し、他のもの(例えばインターロイキン6)は、恐らく2つの溶解性レセプター分子、2つの膜貫通型レセプター分子及び2つのサイトカイン分子からなる六量体の複合体を形成する。それぞれの場合において、レセプター複合体に対するサイトカインの位置を決定する主要な高親和性結合部位、及びコンホメーションの変更又は他の分子の動員を行うことによるシグナル伝達の開始において二次的な役割を果たす付加的部位が存在する。
【0006】
変異体サイトカインポリペプチドは既知である。例えば、GH変異体は米国特許第5,849,535号明細書に開示されている。部位1及び部位2結合部位の両方で、GHに対する改変が行われる。部位1に対する改変により、野生型GHと比較してGHRに対する親和性が高いGH分子が産生される。これらの改変GH分子は、アゴニストとして作用する。GHアンタゴニストの生成をもたらす部位2の改変も開示されている。部位1に対するGHの結合親和性を変更するGHに対する改変の更なる例は、米国特許第5,854,026号明細書;米国特許第6,004,931号明細書;米国特許第6,022,711号明細書;米国特許第6,057,292号明細書;及び米国特許第6136563号明細書に開示されている。これらの改変は、シグナル伝達特性が変更された分子を産生するGHにおける特異的位置での点変異に関連する。
【0007】
環状変異は、天然のポリペプチドの三次構造全体を保持するが、新規のアミノ及びカルボキシル末端を形成することによって一次直鎖配列を配列し直す(re-orders)ポリペプチド変異体を生成するための手段である。この過程により、生物学的特性が変更された分子が生成される。この過程は、天然のアミノ及びカルボキシル末端の直接の又は典型的にペプチドリンカーであるリンカー分子を使用することによるいずれかでの融合を包含する。概念上環状化された分子は、その後切断されて新規のアミノ及びカルボキシル末端を生成する。環状変異したポリペプチドは、組み換え又はin vitroのペプチド合成のいずれかにより生成することができる。
【0008】
環状変異は、生物学的活性が変更されたキメラ分子を生成するために用いられてきた。
【0009】
例えば、国際公開第95/27732号パンフレットでは、細胞毒性剤と融合した環状変異したIL−4リガンドの生成が開示されている。環状変異した(permuted)IL−4剤は、天然のIL−4剤と比較した場合、親和性及び細胞毒性が変更されており、結合したポリペプチドにさらされる殺癌細胞に対する効果を有する。
【0010】
国際公開第99/51632号パンフレットには、ビオチンに対する親和性が減少した新規のストレプトアビジン結合タンパク質を生成するための環状変異の使用が記載されている。環状変異したストレプトアビジンは、第二のポリペプチドと融合し、ビオチンを区別して結合する融合タンパク質を生成する。ビオチンに対するストレプトアビジン融合タンパク質の親和性の減少により、ビオチンが薬物運搬ビヒクルとして使用される場合の融合タンパク質の放出が容易になる。
【0011】
国際公開第01/51629号には、環状変異した細菌性β−ラクタマーゼ及び環状変異したポリペプチドと構築する細胞内及び細胞外タンパク質間の相互作用を検出するためのマーカータンパク質としてのその使用が開示されている。
【0012】
環状変異したポリペプチドを同定する方法も既知である。例えば、国際公開第00/18905号パンフレット(これは、参照されて本明細書の一部となる)には、環状変異した遺伝子のライブラリーが挿入されたファージディスプレイベクターを用いて、環状変異したポリペプチド(「permuteins」と称される)を同定するための方法が記載されている。ディスプレイベクターの表面でのライブラリーの発現は、permuteinと潜在的に相互作用する結合タンパク質へ発現ライブラリーをさらすことにより検出される。
【0013】
国際公開第01/30998号パンフレット(これは、参照されて本明細書の一部となる)には、環状変異したタンパク質を生成及び同定するための更なる方法が開示されている。本発明は、permuteinが合成される、異なる第二のタンパク質のカルボキシル末端部分に融合された第一のタンパク質のアミノ末端部分を含む融合タンパク質の形成に関する。ファージディスプレイによってスクリーニング可能な融合タンパク質のライブラリーは作成される。
【0014】
本発明者等は、サイトカインリガンドに環状変異のプロセスを適用して、性質が変更されたリガンド(アンタゴニストはたはアゴニスト)を産生するための結合パートナー及び/又はそれらのレセプターに対する結合部位において「ギャップが形成された(gapped)」ポリペプチド変異体を生成した。レセプターと相互作用して適した生化学的応答をもたらすリガンドはアゴニストとして知られており、生化学的応答を妨げる又は邪魔するリガンドは、アンタゴニストとして知られている。例えば、細胞特異的成長因子はアゴニストとして作用し、細胞膜に位置するレセプターと結合して細胞の分裂、成長、又は分化を活性化するリガンドであるが、これらに限定されない。
【0015】
その技術の例として、本発明者等は、新規のアミノ及びカルボキシル末端終末の形成をGHの部位2に限局させ、それによりGHRと結合するリガンドに対する低親和性結合部位を破壊させる、一連の環状変異GHコンストラクトを生成した。したがって、これによりこの高親和性部位1ドメインを介してGHをドッキングすることを可能にするが、GHRを活性化することができない複合体を産生する。
【0016】
本発明者等は、例えば、循環系からのクリアランス遅延等の付加的特性を有する上記環状変異したポリペプチドのオリゴマー(タンデム、三量体等)も開示する。例えばGH等の多くのサイトカインのin vivo効果は、GHRに対する親和性及び循環からのクリアランス速度によって部分的に決定される。また、環状変異したポリペプチドは、同族レセプター(単数又は複数)の細胞外結合ドメインに融合し得る。例えば、本発明者等はPCT/GB01/02645号;国際公開第01/096565号パンフレットに、生物学的活性を保持し、クリアランス遅延という有利な特性を有する同族レセプターへのリガンド結合ドメインの融合(例えば、リンカー分子を介したGHのGHRへの融合)について記載している。
【0017】
腎臓は、約25%の心拍出量を受ける比較的小さな組織である。腎臓は、主に体液の組成及び量の調整に関する幾つかの重要な機能を行う。腎臓は、約100リットルの血漿を毎日ろ過し、腎臓を出入りする血流の約1%だけが尿になる。腎臓を通過する約20%の血漿は、ネフロンでろ過される。ろ過は、血液の静水圧で駆動する糸球体で起こる。水及び小さな分子はろ過される一方、血液細胞及び例えばポリペプチド等の大きな分子は糸球体フィルターを通過しない。有効分子重量が70kDaを超えるこれらのポリペプチドは、単に大きすぎてろ過できないために糸球体ろ過によって清浄されない。分子量の小さい、あるタンパク質は、糸球体によってろ過され、尿中でみられる。例えば、GHの分子量は22.1kDaであり、腎臓はヒトのGHの60〜70%まで(Baumann、1991;Haffner他、1994)、ラットの67%まで(Johnson及びMaack、1997)清浄することに関与する。腎臓によってろ過される比較的小さな分子量のポリペプチドの他の例としては、レプチン、エリスロポエチン、及びIL−6が挙げられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様によると、天然のアミノ酸配列の改変体(modification)である改変アミノ酸配列を含む改変サイトカインリガンドポリペプチドであって、天然のポリペプチドの天然のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基が、共に直接的又は間接的に結合し、上記改変サイトカインリガンドは代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基が備わっていることを特徴とし、更に上記改変サイトカインリガンドの同族結合パートナーに対する少なくとも1つの結合ドメインが破壊している、改変アミノ酸配列を含む改変サイトカインリガンドポリペプチドが提供される。
【0019】
本発明の一態様によると、天然のサイトカインアミノ酸配列の改変体である改変アミノ酸配列を含む改変サイトカインリガンドポリペプチドであって、天然のポリペプチドの天然のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基が、共に直接的又は間接的に結合し、上記改変サイトカインリガンドは代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基が備わっていることを特徴とし、更に上記改変サイトカインリガンドの同族結合パートナーに対する少なくとも1つの結合ドメインが破壊している、改変アミノ酸配列を含む改変サイトカインリガンドポリペプチドが提供される。
【0020】
本発明の好ましい一実施の形態(embodiment)においては、上記天然のサイトカインリガンドは、成長ホルモン;レプチン;エリスロポエチン;プロラクチン;腫瘍壊死因子(TNF);インターロイキン(IL)、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−9、IL−10、IL−11;IL−12のp35サブユニット、IL−13、IL−15;顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF);顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);毛様体神経栄養因子(CNTF);カルジオトロピン−1(CT−1);白血病抑制因子(LIF);オンコスタチンM(OSM);インターフェロン、INFα及びINFγ、オステオプロトゲリン(OPG)からなる群から選択される。
【0021】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、上記結合パートナーは上記リガンドに対するレセプターである。
【0022】
本発明の代替の好ましい一実施の形態においては、上記結合パートナーは上記リガンド及び/又は上記レセプターと複合体を形成する第二のリガンドである。
【0023】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記サイトカインリガンドは成長ホルモンである。
【0024】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、上記天然のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、互いに直接結合する。
【0025】
本発明の代替の好ましい一実施の形態においては、上記天然のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、結合分子によって間接的に結合する。好ましくは、上記結合分子はペプチド結合である。
【0026】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記結合ペプチドはフレキシブルなペプチドリンカーである。
【0027】
好ましくは、フレキシブルなペプチドリンカーは5〜30個のアミノ酸残基を含むポリペプチドである。より好ましくは、該リンカーは10〜20個のアミノ酸残基を含む。更により好ましくは、該リンカーは下記のペプチド:
GlyGlyGlyGlySer(以下、「Gly4Ser」と称する)
を少なくとも1コピー含む。
【0028】
本発明の一実施の形態においては、該リンカーは10アミノ酸の長さであり、Gly4Serリンカーを2コピー含む。本発明の代替の一実施の形態においては、該リンカーは15アミノ酸の長さであり、Gly4Serリンカーを3コピー含む。更に別の実施の形態においては、該リンカーは20アミノ酸の長さであり、Gly4Serリンカーを4コピー含む。
【0029】
本発明の代替の一実施の形態においては、該リンカーはフレキシブルでないリンカーであり、例えば上記リンカーがその全長の一部分に、αへリックス領域を有するリンカーである。
【0030】
例えば、Arai他(Protein Eng 14(8): 529-532 (2001))(これは参照されて本明細書の一部とする)は、異なる緑色蛍光タンパク質のドメインを分別するための、へリックス形成ペプチドA(EAAAK)Aの使用を調べ、FRETを用いて該タンパク質の分別を測定し、かかるリンカーが固定された長さの固定単位(rigid entities)として作用することを示した。特開2002−247997号公報(これは参照されて本明細書の一部とする)では、IL−6リガンドをIL−6レセプターに結合するためにαへリックスリンカー配列が利用されている。フレキシブルなリンカーとヘリックスリンカーの両極端の間の特性を有するリンカーも、サイトカインリガンドの天然の末端のそれぞれを結合するのに利用され得ると予想される。
【0031】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、上記リガンドの上記レセプター結合ドメインは低親和性結合部位を含む。
【0032】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記低親和性結合ドメインは成長ホルモンの部位2である。
【0033】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、上記成長ホルモンの低親和性結合ドメインは、図1に示されるアミノ酸配列によって表されるヒト成長ホルモンのおよそアミノ酸116〜アミノ酸122の間である。
【0034】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸116とアミノ酸122の間由来である。
【0035】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸118とアミノ酸121の間由来である。
【0036】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸119とアミノ酸121の間由来である。
【0037】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸120とアミノ酸121の間由来である。
【0038】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸118とアミノ酸120の間由来である。
【0039】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸119とアミノ酸120の間由来である。
【0040】
本発明の代替の好ましい一実施の形態においては、上記代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に示されるアミノ酸配列によって表されるヒト成長ホルモンのおよそアミノ酸100とアミノ酸102の間由来である。
【0041】
本発明の更に代替の好ましい一実施の形態においては、上記代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に示されるアミノ酸配列によって表されるヒト成長ホルモンのおよそアミノ酸130とアミノ酸132の間由来である。
【0042】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、本発明による改変サイトカインリガンドポリペプチドを少なくとも2つ含むオリゴマーサイトカインリガンドポリペプチドであって、上記リガンドは共に直接的又は間接的のいずれかで結合する、オリゴマーサイトカインリガンドポリペプチドが提供される。
【0043】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記リガンドはフレキシブルなペプチドリンカー分子によって結合する。本発明の代替の一実施の形態においては、上記リガンドはフレキシブルでないペプチドリンカー分子、好ましくはαへリックス領域を含む上記リンカー分子によって結合する。
【0044】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記オリゴマーは2つの改変サイトカインリガンドポリペプチドを含む。
【0045】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、上記オリゴマーは少なくとも3;4;5;6;7;8;9;又は少なくとも10個の改変サイトカインリガンドポリペプチドを含む。
【0046】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、本明細書に記載されるように、上記オリゴマーサイトカインポリペプチドは少なくとも2つの改変成長ホルモンポリペプチドを含む。好ましくは、上記オリゴマー成長因子ホルモンポリペプチドは複数のリガンドポリペプチドを含む。
【0047】
本発明の代替の好ましい一実施の形態においては、上記改変サイトカインリガンドポリペプチドが由来する天然のサイトカインリガンドポリペプチドの少なくとも1つに直接的又は間接的のいずれかで結合した本発明による改変サイトカインリガンドポリペプチドを少なくとも1つ含む、オリゴマーサイトカインリガンドポリペプチドが提供される。
【0048】
本発明の更に代替の一実施の形態においては、上記リガンド同族レセプターの細胞外リガンド結合ドメインの少なくとも1つに結合する、本発明による改変サイトカインリガンドポリペプチドが提供される。
【0049】
本発明者等の同時係属出願である国際公開第01/096565号パンフレット(これは参照されて本明細書の一部とする)において、本発明者等は、サイトカインのリガンド結合ドメインを上記リガンドの細胞外レセプター結合ドメインとフレキシブルなペプチドリンカーを介して翻訳融合する融合タンパク質を開示している。これらの融合タンパク質は、クリアランスが遅延し(delayed clearance)、アゴニスト活性を有する。サイトカインの同族レセプターとの融合により、腎クリアランスを示す分子量を有する免疫学的にサイレンシングしたポリペプチドがもたらされる。本明細書に開示されるように、改変サイトカインリガンドポリペプチドは、クリアランスの遅延による恩恵も受ける。
【0050】
上述したように、サイトカインリガンドポリペプチドを、互いに結合させてオリゴマーポリペプチド(二量体、三量体等)を形成し、且つ同族細胞外レセプター結合ドメインと結合するペプチドリンカーは、フレキシブルであっても(例えば、Gly4Ser)、フレキシブルでなくても(例えば、αへリックス)、中間体であっても(例えば、部分へリックスである組み合わせリンカー)いずれでもよい。リンカーは、遅延放出特性を有するオリゴマーポリペプチドをもたらすための切断部位も含有し得る。
【0051】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記ペプチドリンカーは切断部位、好ましくはタンパク質分解切断部位を含む。
【0052】
好ましくは、上記切断部位は血清プロテアーゼ又はマトリクスメタロプロテアーゼ感応性である。
【0053】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記切断部位は以下のアミノ酸配列:LVPRGS又はその変異体を含む。
【0054】
好ましくは、上記切断部位は以下のアミノ酸配列PGI(S)又はその変異体を含む。
【0055】
更により好ましくは、上記切断部位は以下のアミノ酸配列:LVPRGSPGI又はその変異体を含む。
【0056】
代替的には、上記切断部位は上記切断部位に隣接する以下のアミノ酸配列GGGGS又はその機能変異体を少なくとも2コピー含む。
【0057】
本発明の更に好ましい一実施の形態においては、上記切断部位は血清プロテアーゼトロンビン感応性である。
【0058】
本発明の更なる一態様によると、本発明による改変サイトカインリガンドポリペプチド又はオリゴマー改変サイトカインリガンドポリペプチドをコードする核酸が提供される。
【0059】
本発明の更なる一態様によると、本発明による核酸分子を含むベクターが提供される。
【0060】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記ベクターは真核細胞遺伝子発現に適応した発現ベクターである。
【0061】
典型的には、上記適応は、細胞/組織特異的発現を媒介する転写調節配列(プロモーター/エンハンサー配列)の提供を含む。これらのプロモーター配列は、細胞/組織特異的、誘導的、又は構成的であり得る。
【0062】
プロモーターは当該技術分野において承認されている用語であり、明瞭化のために、一例として以下の特性を含むが、これらに限定されない。エンハンサーエレメントは、遺伝子の転写開始部位の5’にあることが多い、シス作用核酸配列である(エンハンサーは遺伝子配列の3’にもあり、イントロン配列にも存在するため、位置に依存しない)。エンハンサーは、エンハンサーが結合する遺伝子の転写速度を増加させるために機能する。エンハンサー活性は、エンハンサーエレメントに特異的に結合することが示されたトランス作用転写因子(ポリペプチド)によく反応する。転写因子の結合/活性(David S Latchmanによる、Eukaryotic Transcription Factors, Academic Press Ltd, San Diego参照)は、これらに限定されないが、例えば中間代謝産物(例えば、グルコース、脂質)、環境エフェクター(例えば熱)等の多数の環境信号によく反応する。
【0063】
プロモーターエレメントは転写開始部位を選択するために機能するいわゆるTATAボックス及びRNAポリメラーゼ開始選択(RIS)配列も含む。これらの配列は、とりわけRNAポリメラーゼによる転写開始選択を容易にするために機能するポリペプチドとも結合する。
【0064】
適応は、選択可能なマーカー及び自己複製配列の提供も含み、いずれも真核細胞における上記ベクターの保持を容易にする。自己保持されるベクターは、エピソームベクターと称される。
【0065】
ベクターによりコードされた遺伝子の発現を容易にする適応は、転写停止/ポリアデニル化配列の提供を含む。これは、2シストロン性又は多シストロン性(multi-cistronic)発現カセットに配置されるベクターによりコードされた遺伝子の発現を最大化するために機能する内部リボソーム侵入部位(IRES)の提供も含む。
【0066】
これらの適合は、当該分野では既知である。一般に、発現ベクター構築及び組み換えDNA技術に関する既刊文献は非常に多くある。Sambrook他(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratory, Cold Spring Harbour, NY及びそれらの参考文献;Marston, F (1987) DNA Cloning Techniques: A Practical Approach Vol III IRL Press, Oxford UK; DNA Cloning: F M Ausubel他、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. (1994)を参照されたい。
【0067】
本発明によるベクターは遺伝子治療ベクターであり得ることは当業者には明らかである。遺伝子治療ベクターは、典型的にはウィルスベースである。通常、外来遺伝子の運搬のためのベクターとして多数のウィルスが使用される。通常用いられるベクターとしては、好ましくはbaculoviridiae、parvoviridiae、picornoviridiae、herpesveridiae、poxviridae、adenoviridiae又はpicornaviridiaeから選択される、組み換え改変エンベロープ又は非エンベロープDNA及びRNAウィルスが挙げられる。親ベクター特性のそれぞれの利点エレメントを生かすキメラベクターもまた用いられ得る(Feng他、(1997) Nature Biotechnology 15:866-870参照)。かかるウィルスベクターは、野生型であっても、組み換えDNA技術によって複製欠損性となる、条件複製する(conditionally replicating)、又は複製能を有するように改変されてもよい。
【0068】
好ましいベクターは、アデノウィルス、アデノ関連ウィルス、及びレトロウィルスゲノム由来である。本発明の最も好ましい実施においては、該ベクターはヒトアデノウィルスゲノム由来である。特に好ましいベクターはヒトアデノウィルス血清型2又は5由来である。かかるベクターの複製能は、E1a及び/又はE1bコード領域における改変又は欠損によって(「複製欠損」と考えられる程に)減衰され得る。特定の発現特性を達成するための、又は繰り返し投与を可能にするための、又は免疫応答を低下させるための、ウィルスゲノムに対する他の改変も好ましい。
【0069】
代替的には、該ウィルスベクターは、条件複製する、又は複製能を有し得る。条件複製ウィルスベクターは、望ましくない広範囲の感染を避けながら特定の細胞型での選択的発現を達成するために使用される。条件複製ベクターの例は、Pennisi, E. (1996) Science 274: 342-343; Russell, and S.J. (1994) Eur. J. of Cancer 30A(8): 1165-1174に記載されている。
【0070】
選択的複製ベクターの更なる例としては、ウィルスの複製に必須の遺伝子が、かかる遺伝子の発現の非存在下においてウィルスが複製されないように特定の細胞型又は細胞状態においてのみ活性なプロモーターの支配下にあるベクターが挙げられる。かかるベクターの例は、Henderson他による、1997年12月16日に発行された米国特許第5,698,443号明細書及びHenderson他による、1999年2月16日に発行された米国特許第5,871,726号明細書に記載されており、これらの全教示は参照されて本明細書の一部とする。ベクターは非ウィルスであってもよく、当業者が用意に入手可能な多数の商業的供給源から容易に入手可能である。例えば、該ベクターはエピソーム又は組み込み型(integrating)であり得るプラスミドであってもよい。
【0071】
本発明のなお更なる一態様によると、本発明による核酸分子又はベクターでトランスフェクト又はトランスフォームされた細胞が提供される。
【0072】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記細胞は真核細胞である。好ましくは、上記細胞は、哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞);酵母細胞(例えば、Saccharomyces spp、Pichia spp);昆虫細胞(例えば、Spodoptera spp);又は植物細胞からなる群から選択される。
【0073】
本発明のなお更なる一態様によると、本発明による核酸分子又はベクターでトランスフェクト/トランスフォームされた、非ヒトトランスジェニック哺乳動物が提供される。
【0074】
本発明のなお更なる一態様によると、医薬として使用するための、本発明による改変サイトカインリガンドポリペプチド、オリゴマー改変サイトカインリガンドポリペプチド、核酸分子、ベクター、又は細胞が提供される。
【0075】
好ましくは、上記リガンドはアンタゴニストである。本発明の代替の一実施の形態においては、上記リガンドはアゴニストである。
【0076】
好ましくは、上記ポリペプチド、核酸分子、ベクター又は細胞は、医薬組成物中で使用される。
【0077】
投与される場合、本発明の医薬組成物は医薬上許容可能な製剤に投与される。かかる製剤は、通常医薬上許容可能な濃度の塩、緩衝剤、防腐剤、適合(compatible)担体、及び必要に応じて他の治療剤を含有してもよい。
【0078】
本発明の医薬組成物は、任意の従来の経路、例えば注射によって投与することができる。投与及び塗布は、例えば経口、静脈、腹腔内、筋内、腔内、関節内、皮下、局所(目)、皮膚(例えば、皮膚又は粘膜へのクリーム脂質溶解性インサート(cream lipid soluble insert))、経皮、又は鼻腔内であり得る。
【0079】
本発明の医薬組成物は、有効量投与される。「有効量」とは、単独で、又は更なる投与量若しくは相乗薬物(synergistic drugs)と共に、望ましい応答をもたらす医薬/組成物の量である。これは、一次的に疾患の進行を減速することにしか関与せず、より好ましくは、恒久的に疾患進行を停止することに関与する。これは、通常の方法によってモニタリング又は診断方法によりモニタリングすることができる。
【0080】
検体に投与された医薬組成物の投与量は、異なるパラメーターにしたがって、特に、使用される投与形態及び検体の状態(すなわち、年齢、性別)にしたがって選択することができる。投与される場合、本発明の医薬組成物は医薬上許容可能な量で医薬上許容可能な組成物に適用される。通常、かかる製剤は塩、緩衝剤、防腐剤、適合担体、及び必要に応じて他の治療剤を含有し得る。薬剤に使用する場合は、塩は医薬上許容可能でなければならないが、医薬上許容可能でない塩は、医薬上許容可能な塩を調製するのに便宜的に(conveniently)使用されることができ、本発明の範囲から排除されない。かかる薬理学的且つ医薬上許容可能な塩としては、以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸等から調製されるものが挙げられるが、これらに限定されない。また、薬学的に許容可能な塩は、ナトリウム、カリウム或いはカルシウム塩等のアルカリ金属又はアルカリ土類塩として調製することができる。
【0081】
必要に応じて、医薬組成物は医薬上許容可能な担体と組み合わせ得る。本明細書において使用される「医薬上許容可能な担体」という用語は、ヒトへの投与に適した1つ又はそれ以上の適合(compatible)固体若しくは液体賦形剤、希釈剤、又は封入物質を意味する。「担体」という用語は、適用(application)を容易にするために有効成分を組み合わせた有機又は無機成分(天然又は合成)を意味する。医薬組成物の成分は、所望の医薬的効果を実質的に減じる相互作用がないような方法で、本発明の分子と、及び互いに混合することも可能である。
【0082】
該医薬組成物は、塩の酢酸、塩のクエン酸、塩のホウ酸、及び塩のリン酸等の、適した緩衝剤を含有し得る。
【0083】
該医薬組成物は、必要に応じて、塩化ベンズアルコニウム等の適した保存料;パラベン及びチメロサールを含有し得る。
【0084】
該医薬組成物は、単位投薬形態で便宜上存在し、薬学技術において既知の任意の方法によって調製され得る。全ての方法は、活性物質と1つ又はそれ以上の副成分を構成する担体とを会合させる工程を含む。一般に、該組成物は、活性化合物と液体担体、微細に分割された固体担体、又はその両方とを均一且つしっかりと会合させた後、必要に応じて、産生物を成形することによって調製される。
【0085】
経口投与に適した組成物は、それぞれが規定量の活性化合物を含有するカプセル、錠剤、舐剤等の個々の単位として存在し得る。他の組成物としては、シロップ、エリキシル剤、又はエマルジョン等の水性液体又は非水性液体中の懸濁液が挙げられる。
【0086】
非経口投与に適した組成物は、レシピエントの血液と好ましくは等張である無菌水性又は非水性製剤を便宜上含む。この製剤は、適した分散剤或いは湿潤剤及び懸濁化剤を用いる既知の方法により製剤化され得る。無菌の注射用製剤は、無毒の非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒の無菌の注射用溶液或いは懸濁液、例えば1,3−ブタンジオールの溶液であってもよい。これらの許容可能な溶媒のうち、水、リンガー溶液、及び等張塩化ナトリウム溶液を用い得る。さらに、無菌の固定油は、溶媒又は懸濁媒体として慣習的に用いられる。このために、合成モノグリセリド又はジグリセリド等の任意の無刺激固定油を用いてもよい。さらに、オレイン酸等の脂肪酸は、注射用製剤において使用され得る。経口、皮下、静脈内、筋内等の投与に適した担体処方は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PAに見出されている。
【0087】
本発明によるポリペプチド/核酸分子等を、リポソームに組み込むことができる。リポソームは、その後患者へ取り込まれる選択された治療剤を包含する脂質ベースの小胞である。リポソームは、純粋なリン脂質又はリン脂質とホスホグリセリドの混合物のいずれからでも作られる。典型的には、リポソームは200nm未満の直径で作ることが可能であり、これによりリポソームを静脈内注射することができ、肺毛細管床を通過することが可能である。更に、リポソームの生化学的性質は、血管膜を通って選択された組織に接近する浸透性を付与する。リポソームは比較的短い半減期を有する。ポリエチレングリコール(PEG)をコートしたリポソームを含む、いわゆるSTEALTH(登録商標)リポソームが開発されている。PEG処理されたリポソームは、患者に静脈内投与した場合に半減期が大きく増加する。更に、STEALTH(登録商標)リポソームは、細網内皮系における取り込みの減少及び選択された組織の蓄積増進を示す。さらに、選択された細胞/組織に対する薬剤の運搬の特異性を増加させるための、脂質ベースの小胞と抗体又は抗原とを組み合わせた、いわゆる免疫リポソームが開発されている。
【0088】
運搬手段としてのリポソームの使用は、米国特許第5580575号明細書及び米国特許第5542935号明細書に記載されている。
【0089】
本発明の更なる一態様によると、以下の:
i)天然のアミノ末端アミノ酸及びカルボキシル末端アミノ酸が共に直接的又は間接的のいずれかで結合する天然のサイトカインリガンドポリペプチド分子を含む調製物を形成する工程;
ii)改変サイトカインリガンドポリペプチド分子を生成する工程であって、前記分子は別のアミノ末端アミノ酸及びカルボキシル末端アミノ酸を有する;及び
iii)上記改変サイトカインリガンドポリペプチドの活性を試験する工程
を含む、本発明による改変サイトカインリガンドポリペプチドを生成するスクリーニング方法が提供される。
【0090】
本発明の好ましい一方法においては、上記天然のサイトカインは成長ホルモンである。
【0091】
例えば、成長ホルモンの活性を試験するためのバイオアッセイは、当該技術分野において既知であり、WO01/096565号に開示されている。
【0092】
本発明の更なる一態様によると、本発明による方法によって同定された改変サイトカインリガンドポリペプチドが提供される。
【0093】
本発明の好ましい一実施の形態においては、上記改変サイトカインリガンドポリペプチドは成長ホルモンである。
【0094】
本発明のなお更なる一態様によると、有効量の本発明による核酸及び/又はベクター及び/又はポリペプチド及び/又は細胞を投与することを含む、動物、好ましくはヒトの治療方法が提供される。
【0095】
以下の図面を参照して、本発明の一例としてのみ記載する。
【実施例】
【0096】
材料及び方法
成長ホルモンは、2工程のPCR手順を用いることにより環状変異される。第一のPCR反応により、GH遺伝子の終点に対する新規のアミノ末端及びGH遺伝子の出発点にアニールできるオーバーハング(overhang)をコードするDNAフラグメントを生成した。その後、このPCR産物は、全長GH_CP遺伝子を生成するための別のPCR反応で「メガプライマー」として使用された。当該プライマーは、適当なベクターへのライゲートのための制限消化によって設計された(図4)。
【0097】
GH_CP遺伝子は、発現ベクターにライゲートされ、これにより適当な大腸菌株にトランスフォームした。GH_CPの発現は、GH_CP発現プラスミドを含有する大腸菌の誘導培養物由来のタンパク質をウェスタンブロットすることによって確認され、該ブロットは、マウス抗GH抗体(10A7、マウスIgG1)及びヒツジ抗マウスHRP抗体(アマシャム)を用いて調べた。
【0098】
GH_CPタンパク質は、金属キレートアフィニティカラム(Probond樹脂、インビトロジェン)、次いでイオン交換カラム(MonoQ、ファルマシア)を用いて、細胞溶解産物から精製された。
【0099】
GH_CP01遺伝子の生成
成長ホルモンの環状変異の第一の実施の形態は、GH_CP01である。このコンストラクトのアミノ末端は、GHのIle121残基で開始し、カルボキシ末端はGHのGlu118残基であった。GHの「古」末端は、6アミノ酸のリンカーによって結合し、このリンカーはアミノ末端における第一のヘリックスから「古」末端の−3アミノ酸とカルボキシ末端における最後のヘリックスから+3残基とを連結することによって形成された(図5)。
【0100】
環状変異したGH遺伝子を生成するために2つのPCR反応が必要であった。3つのプライマーが設計され(表1)、GH_CP01Forは、BamHI制限エンドヌクレアーゼ部位、次いで変異したGHの新規のアミノ末端のDNA配列から成り;GH_CP01Revは、変異したGHの新規のカルボキシ末端のDNA配列及びNotI制限エンドヌクレアーゼ部位から成るアンチセンスプライマーであり;GH_CP01LinkはGHの両末端とアニールするように設計されたアンチセンスプライマーであった。
【0101】
【表1】

GH_CP01を産生するために使用されたプライマー。太字はGH遺伝子とアニールする配列を示し;下線を付した文字はエンドヌクレアーゼ制限部位(BamHI−ggatcc;NotI−gcggccgc)を示す。リンカープライマー、GH_CP01Linkにおいて、GHのカルボキシル末端とアニールする配列は大文字で示される。
【0102】
【表2】

環状変異したGH分子を更に生成するために使用されるプライマー。
【0103】
プライマーGH_CP01For及びGH_CP01Link並びにテンプレートpTrcHisGHstopを第一のPCR反応に使用して、「メガプライマー」を産生した。このメガプライマーは、PCR反応により精製された後、テンプレートとしてpTrcHisGHstopを用いたGHCP01Revとの結合に再度使用して環状変異したGH(GH_CP01)に対する全長遺伝子を産生した。その後、この遺伝子は、BamHIとNotI制限エンドヌクレアーゼ部位の間のpTrcHisTOPOプラスミドベクターにライゲートされた。その後、該ベクターを大腸菌XL1 Blue細胞にトランスフォームした。GHの環状変異の成功は、pTrcHis.GH_CP01プラスミドのDNA配列によって確認された。
【0104】
GH_CPの発現
様々な発現系を使用して、GH_CP01の産生を最適化した。IPTGにより誘導した大腸菌XL1 Blue:pTrcHis.GH_CP01細胞から発現を実行した。また、GH_CP01遺伝子は、pHEATベクターへサブクローンされ、熱調整によって大腸菌M72:pHEAT.GH_CP01細胞の誘導がもたらされた。タンパク質の発現に細胞のないin vitroでの翻訳も使用し;直鎖状テンプレート及びpIVEX−23MCSベクターへサブクローンされた遺伝子の両方を使用して、RTS系(ロシュ)でGH_CP01を発現させた。これらの系全てによって溶解性タンパク質が産生された(図6)。
【0105】
GH_CPの精製
GH_CP01タンパク質は、大腸菌XL1 Blue:TrcHis.GH_CP01から精製された。誘導された成長培養物(growth cultures)から回収された細胞を再懸濁バッファー(20mMリン酸ナトリウムバッファー、500mM塩化ナトリウム、5%グリセロール、25μg/ml PMSF、pH7.8)に再懸濁し、100μg/ml(最終濃度)の鶏卵白リゾチームを添加後に氷上で30分間インキュベートすることにより溶解した後、250μg/ml(最終濃度)のデオキシコール酸ナトリウムを添加し、溶液を氷上で更に30分間インキュベートした後、溶解した細胞を超音波破壊した。19,000rpmで30分間遠心分離することにより、不溶性物質を除去した。
【0106】
清浄された細胞溶解物を、Co2+をチャージし、且つ平衡化バッファー(20mMリン酸ナトリウムバッファー、500mM塩化ナトリウム、5%グリセロール、pH7.8)で平衡化された5mlのProbond樹脂カラム(インビトロジェン)にアプライし、タンパク質サンプルをロードした後、更に10〜20mlの平衡化バッファーでカラムを洗浄した。その後、溶出液のOD280が0.01未満となるまで洗浄バッファー(20mMリン酸ナトリウムバッファー、500mM塩化ナトリウム、5%グリセロール、pH6.0)でカラムを洗浄した。5mlの溶出バッファー(500mMのイミダゾールを含有する洗浄バッファー、pH6.0)を用いて、結合タンパク質を溶出した。
【0107】
タンパク質を、低塩バッファー(25mM TRIS、1mM EDTA、5%グリセロール、pH8.0)で一晩透析した後、遠心分離して粒子物状物質を除去した。その後、前もって低塩バッファーで平衡化したMono−Qカラム(ファルマシア)へ該タンパク質サンプルをロードした。カラム体積の10倍量の低塩バッファーで洗浄後、0M塩化ナトリウムから1M塩化ナトリウム(25mM TRIS、1mM EDTA、5%グリセロール、pH8.0中)へのグラジエントを用いてカラム体積の20倍量で結合タンパク質を溶出した。溶出プロフィールのピークを、SDS−PAGE及びウェスタンブロットによって解析した。
【0108】
その後(必要に応じて)、Amicon Centriprep Y−10カラムを用いて、GH_CPタンパク質を濃縮した。
【0109】
精製されたGH_CP01の純度は、SDS−PAGEによって、クマシー染色及びウェスタンブロットの両方によって確認された(結果は示さず)。このサンプルのインテグリティ(integrity)を一旦確認し、GH_CP01を以前に確立されたバイオアッセイ(Ross他、1997)に付した。
【0110】
実施例1
一例としての環状変異を構築するための代替のアプローチ:
【0111】
これまでに述べてきた環状変異したhGH
【表3】

は、発現系に対する最適のコドン使用を考慮した合成遺伝子によってコードされ得る。合成遺伝子は、全遺伝子合成によって容易に産生される。例えば、以下の(CP_01を産生する)配列は、適切なプロモーターの統制下で大腸菌における発現のために構築することができる(リボソーム結合部位は下線を付した):
【0112】
【表4】

これは、精製の役に立つために必要な、C又はN末端で組み込まれたポリヒスチジン区域(tract)等の適切な精製タグを担持するのに適し得る。
【0113】
実施例2
以下の:
【表5】

等の、代替の変異したCP_02であり、CP01よりも1残基前で分断(break)されている。
【0114】
CP_02は、以下の:
【表6】

によってコードされている。
【0115】
実施例3
更に別のCP_03
【表7】

は、以下の:
【0116】
【表8】

によってコードされており、CP01における最初のIは除去され、Mに置換されている。
【0117】
実施例4
更なる変形:ジスルフィド結合を形成することによって共有結合した環状分子を作成し得る、C及びN末端におけるシステイン残基位置:
【表9】

新規のシステイン残基には下線を付した。
以下の:
【表10】

によってコードされる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】矢印で示されるGHRに対する結合部位を有するヒトGHのアミノ酸配列を示す。
【図2】ヒトGHの核酸配列を示す。
【図3】GHRのアミノ酸配列を示す(下線は細胞外ドメイン)。
【図4】成長ホルモンの環状変異のためのクローニングストラテジー。第一のPCR反応において、フォワードプライマー(GH_CPFor)及びリンカープライマー(GH_CPLink)を使用して「メガプライマー」を産生する。このメガプライマーをリバースプライマー(GH_CPRev)と共に使用して環状変異したGH遺伝子を生成する。適当な制限部位[BamHI(B)及びNotI(N)]を、ベクターpTrcHis−TOPOへのライゲートを容易にするフォワード及びリバースプライマーへ組み換える。
【図5】GH_CP01を生成するために使用されたストラテジーを示す図解及びDNA配列。(A)GHをGH_CP01へトランスフォームする方法を示す概略図;Glu120(グレー円板)は、残基121で新規の遺伝子を開始させ、残基118でタンパク質を終止させることによって除去され、末端を連結することによって「古」末端を結合させ、6アミノ酸のリンカーを作製する。へリックスは(NからC末端へ)順に番号を付し、矢印はヘリックスの方向を意味する(NからCへ)。 (B)GH及びGH_CP01のDNA配列;GH_CP01を産生するためにGHから除去されたヌクレオチドは下線を付してあり、GHにおけるGH_CP01に対する開始ヌクレオチド及びその逆も、太字で示す。
【図6】3つの異なる系におけるGH_CP01の発現を示すウェスタンブロット。該ブロットは、GH_CP01が発現し、利用されたウェスタンブロットにおいて使用された抗体プローブによって検出されることを示す。T0は誘導時の発現を示し、T4は誘導4時間後の発現を示し、WPはRTS反応における全タンパク質を示し、SPはRTS反応における溶解性タンパク質のみを示す。直鎖テンプレートから産生されたタンパク質は、N末端のHisタグ及びアダプター配列が欠損しているため、わずかに早く移動する。
【図7】環状変異したGH分子の図を表示する。
【図8】大腸菌におけるCP02の発現を示す。CP02タンパク質の誘導バンドは、矢印によって示される。レーン1:バイオラッドタンパク質マーカー;レーン2:LB培地におけるGHCP02コンストラクトを担持する非誘導細胞;レーン3:GHCP02コンストラクトを担持する誘導細胞。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然のサイトカインアミノ酸配列の改変体である改変アミノ酸配列を含む改変サイトカインリガンドポリペプチドであって、天然のポリペプチドの天然のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基が、共に直接的又は間接的に結合し、前記改変サイトカインリガンドは代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基が備わっていることを特徴とし、更に前記改変サイトカインリガンドの同族結合パートナーに対する少なくとも1つの結合ドメインが破壊している、改変アミノ酸配列を含む改変サイトカインリガンドポリペプチド。
【請求項2】
前記リガンドは、成長ホルモン;レプチン;エリスロポエチン;プロラクチン;腫瘍壊死因子(TNF);インターロイキン(IL)、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−9、IL−10、IL−11;IL−12のp35サブユニット、IL−13、IL−15;顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF);顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);毛様体神経栄養因子(CNTF);カルジオトロピン−1(CT−1);白血病抑制因子(LIF);オンコスタチンM(OSM);インターフェロン、INFα及びINFγ、オステオプロトゲリン(OPG)からなる群から選択される、前記請求項1に記載のリガンド。
【請求項3】
前記リガンドは成長ホルモンである、請求項2に記載のリガンド。
【請求項4】
前記天然のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は互いに直接結合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリガンド。
【請求項5】
前記天然のアミノ酸末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は結合分子によって間接的に結合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリガンド。
【請求項6】
前記結合分子はペプチドリンカーである、請求項5に記載のリガンド。
【請求項7】
前記結合ペプチドはフレキシブルなペプチドリンカーである、請求項6に記載のリガンド。
【請求項8】
前記フレキシブルなペプチドリンカーは、5〜30アミノ酸残基を含むポリペプチドである、請求項7に記載のリガンド。
【請求項9】
前記ペプチドリンカーは10〜20アミノ酸残基を含む、請求項8に記載のリガンド。
【請求項10】
前記ペプチドリンカーは以下のペプチド:GlyGlyGlyGlySerを少なくとも1コピー含む、請求項6〜9のいずれか1項に記載のリガンド。
【請求項11】
前記ペプチドリンカーはフレキシブルでないリンカーである、請求項5又は6に記載のリガンド。
【請求項12】
前記ペプチドリンカーは、少なくともその全長の一部分にαへリックス領域を有する、請求項11に記載のリガンド。
【請求項13】
前記リガンドの前記レセプター結合ドメインは低親和性結合部位を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のリガンド。
【請求項14】
前記低親和性結合ドメインは成長ホルモンの部位2である、請求項13に記載のリガンド。
【請求項15】
前記成長ホルモンの低親和性結合ドメインは、図1に示されるアミノ酸配列によって表されるヒト成長ホルモンのおよそアミノ酸116とアミノ酸122の間である、請求項14に記載のリガンド。
【請求項16】
代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸116とアミノ酸122の間由来である、請求項15に記載のリガンド。
【請求項17】
前記代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸118とアミノ酸121の間由来である、請求項16に記載のリガンド。
【請求項18】
前記代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸119とアミノ酸121の間由来である、請求項16又は17に記載のリガンド。
【請求項19】
前記代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸120とアミノ酸121の間由来である、請求項16又は17に記載のリガンド。
【請求項20】
前記代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸118とアミノ酸120の間由来である、請求項16又は17に記載のリガンド。
【請求項21】
前記代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に表されるヒト成長ホルモンのアミノ酸119とアミノ酸120の間由来である、請求項16又は17に記載のリガンド。
【請求項22】
前記代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に示されるアミノ酸配列によって表されるヒト成長ホルモンのおよそアミノ酸100とアミノ酸102の間由来である、請求項14に記載のリガンド。
【請求項23】
前記代替のアミノ末端アミノ酸残基及びカルボキシル末端アミノ酸残基は、図1に示されるアミノ酸配列によって表されるヒト成長ホルモンのおよそアミノ酸130とアミノ酸132の間由来である、請求項14に記載のリガンド。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の改変サイトカインリガンドポリペプチドを少なくとも2つ含むオリゴマーサイトカインリガンドポリペプチドであって、前記リガンドは共に直接的又は間接的のいずれかで結合する、オリゴマーサイトカインリガンドポリペプチド。
【請求項25】
前ポリペプチドは、少なくともその全長の一部分にαへリックス領域を含むペプチドリンカーによって結合する、請求項24に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項26】
前記オリゴマーは2つの改変サイトカインリガンドポリペプチドを含む、請求項24又は25に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項27】
前記オリゴマーは改変サイトカインリガンドポリペプチドを少なくとも3;4;5;6;7;8;9又は少なくとも10個含む、請求項26に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項28】
前記オリゴマーは改変成長ホルモンポリペプチドを少なくとも2つ含む、請求項26に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項29】
前記オリゴマー成長ホルモンポリペプチドは複数のリガンドポリペプチドを含む、請求項28に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項30】
前記改変サイトカインリガンドポリペプチドが由来する天然のサイトカインリガンドポリペプチドの少なくとも1つに直接的又は間接的のいずれかで結合した請求項1〜23のいずれか1項に記載の改変サイトカインリガンドポリペプチドを少なくとも1つ含む、請求項24又は25に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項31】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の前記改変サイトカインリガンドポリペプチドは前記リガンド同族レセプターの細胞外リガンド結合ドメインに結合する、請求項24又は25に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項32】
前記リンカーは切断部位を含む、請求項24〜31のいずれか1項に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項33】
前記切断部位はタンパク質分解切断部位である、請求項32に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項34】
前記切断部位は血清プロテアーゼ感応性である、請求項33に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項35】
前記切断部位は以下のアミノ酸配列:LVPRGS又はその機能変異体を含む、請求項33又は34に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項36】
前記切断部位は以下のアミノ酸配列:GGGGSの少なくとも1コピー又はその機能変異体を含む、請求項33又は34に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項37】
前記切断部位は以下のアミノ酸配列PGI(S)を含む、請求項36に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項38】
前記切断部位は以下のアミノ酸配列:LVGPRGSPGIを含む、請求項33又は34に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項39】
前記切断部位は前記切断部位に隣接する以下のアミノ酸配列GGGGSを少なくとも2コピー含む、請求項36に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項40】
前記切断部位は血清プロテアーゼトロンビン感応性である、請求項39に記載のオリゴマーリガンド。
【請求項41】
請求項1〜23のいずれか1項に記載の改変サイトカインリガンドポリペプチド又は請求項24〜40のいずれか1項に記載のオリゴマー改変サイトカインリガンドポリペプチドをコードする核酸分子。
【請求項42】
請求項41に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項43】
請求項41又は42に記載の核酸分子又はベクターでトランスフェクト又はトランスフォームされた細胞。
【請求項44】
前記細胞は真核細胞である、請求項43に記載の細胞。
【請求項45】
前記細胞は、哺乳動物細胞;酵母細胞;昆虫細胞;又は植物細胞からなる群から選択される、請求項44に記載の細胞。
【請求項46】
前記細胞は原核細胞である、請求項43に記載の細胞。
【請求項47】
請求項41又は42に記載の核酸分子又はベクターでトランスフェクト又はトランスフォームされた非ヒトトランスジェニック哺乳動物。
【請求項48】
医薬として使用するための、先行の請求項のいずれか1項に記載の改変サイトカインリガンドポリペプチド、オリゴマー改変サイトカインリガンドポリペプチド、核酸分子、ベクター又は細胞。
【請求項49】
以下の:
i)天然のアミノ末端アミノ酸及びカルボキシル末端アミノ酸が共に直接的又は間接的のいずれかで結合する天然のサイトカインリガンドポリペプチド分子を含む調製物を形成する工程;
ii)改変サイトカインリガンドポリペプチド分子を生成する工程であって、前記分子は別のアミノ末端アミノ酸及びカルボキシル末端アミノ酸を有する;及び
iii)前記改変サイトカインリガンドポリペプチドの活性を試験する工程
を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の改変サイトカインリガンドポリペプチドを生成するスクリーニング方法。
【請求項50】
前記天然のサイトカインは成長ホルモンである、請求項49に記載の改変サイトカインリガンドポリペプチドを生成するスクリーニング方法。
【請求項51】
請求項49に記載の方法によって同定された改変サイトカインリガンドポリペプチド。
【請求項52】
前記改変サイトカインリガンドポリペプチドは成長ホルモンである、請求項51に記載のリガンド。
【請求項53】
先行の請求項のいずれか1項に記載の有効量の核酸及び/又はベクター及び/又はポリペプチド及び/又は細胞を投与することを含む、動物、好ましくはヒトの治療方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−504001(P2008−504001A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518330(P2006−518330)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002827
【国際公開番号】WO2005/003165
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(502452978)アステリオン・リミテッド (13)
【Fターム(参考)】