説明

サイドベットを条件に、プレイヤ手札の一部とデッキにおける余剰カードの一部で構成されるカードに基づく賞を付与するカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法

【課題】プレイヤ手札とディーラー手札を比較した結果に応じた賞を付与するカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法に関し、特に、サイドベットを条件に、勝敗判定結果から独立した賞を付与しうるカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法を提供する。
【解決手段】カードゲーム機1では、カードデッキからディーラーカード及び各ターミナル4のプレイヤカードを決定し(S5、S6)、余剰カード群を特定する(S7)。そして、プレイヤカードとディーラーカードの比較に基づく勝敗判定が行われ(S12)、判定結果に応じた賞が付与される。ここで、サイドベットが行われている場合、勝敗判定結果に関わらず、余剰カード群から決定された第1カード群と、プレイヤカードから決定された第2カード群とからなるボーナス対象カード群に対し、ボーナス判定処理(S20)が行われ、判定結果に基づくボーナス配当が付与される(S119)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技価値のベットを条件に、所定枚数のカードで構成されるプレイヤ手札及びディーラー手札を比較することで勝敗を判定し、当該判定結果に応じた賞を付与するカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法に関し、特に、遊技価値のサイドベットがなされた場合に、前記勝敗判定の結果から独立した異なる賞を付与し得るカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カジノ店やゲームセンター等には、カードゲームを行うカードゲーム機やテーブルが設置されている。これらのカードゲーム機やテーブルで行われるカードゲームとしては、パイゴーポーカー(Pai Gow Poker)やドローポーカー(Draw Poker)やブラックジャック(Blackjack)が知られている。これらのカードゲームにおいては、マーク(例えば、ハートのA)の表示されたカードを用いて遊技が進行される。そして、当該遊技において、プレイヤに付与される賞の内容は、プレイヤに配付されたカードによる手(以下、「プレイヤ手札」という。)、ディーラーに配付されたカードによる手(以下、「ディーラー手札」という。)に基づいて決定される。
【0003】
このようなカードゲーム機やテーブルに関する発明として、例えば、米国特許第6793220号明細書に記載された発明が知られている。ここで、パイゴーポーカーは、ディーラーとプレイヤ(1人〜6人)に対してそれぞれ7枚のカードを配付し、各ディーラーやプレイヤが配付された7枚のカードを、5枚のカードからなるハイハンドと、2枚のカードからなるローハンドの組に分けて、それぞれの組のカードにおけるマークに基づく手を比較して勝敗や賞の内容を決定するゲームである。
【特許文献1】米国特許第6793220号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法では、プレイヤがディーラーに勝利した場合には、プレイヤに配付されたカードによって成立する手の種類(例えば、ストレートフラッシュやフルハウスなど)によって配当が一義的に決定される。
【0005】
従って、プレイヤはカードが手元に配付された時点で、今回のゲームで得ることが可能な賞の内容がある程度予測できてしまう。そして、良い手のカードが配付されなかった場合には、高額の賞に対する期待感が薄くなるので、プレイヤの遊技意欲の減退を招いてしまう。
【0006】
ここで、特許文献1に記載されたカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法では、所定のサイドベットが行われた場合、パイゴーポーカーにおけるプレイヤの手札のみを用いたゲームが行われる。具体的には、サイドベットの態様に応じた枚数のカードが配布された時点で、その複数枚のカードにおける役の成立について判定を行い、パイゴーポーカーにおける勝敗に関わらず、成立した役に応じた賞をプレイヤに付与する。例えば、3枚のカードを用いるゲームに対するサイドベットがなされた場合、プレイヤに3枚のカードが配布された時点で当該3枚のカードに対する役の成否が判定される。そして、当該カードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法によれば、成立した役(例えば、スーツが統一されたフラッシュ等)に応じた賞が、パイゴーポーカーの勝敗に関わらず、プレイヤに付与される。
【0007】
この点、特許文献1に係るカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法においても、カードが手元に配付された時点で、プレイヤは今回のゲームで得ることが可能な賞の内容がある程度予測可能である。そして、プレイヤの手札が良い手でない場合には、高額の賞に対する期待感が薄くなり、プレイヤの遊技意欲の減退を招いてしまう。
又、この点は、特許文献1におけるサイドベットに伴うゲームであっても同様であり、サイドベットに応じた所定枚数のカードが配布された時点で、プレイヤは、サイドベットに伴うゲームで獲得可能な賞の内容を予測できる。従って、サイドベットに伴うゲームにおいても、配布されたカードで良い役が成立していない場合、プレイヤの賞に対する期待感及び遊技意欲の減退を招く結果となってしまう。
【0008】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであり、遊技価値のベットを条件に、プレイヤ手札及びディーラー手札を比較し、その結果に応じた賞を付与するカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法に関し、特に、遊技価値のサイドベットがなされた場合に、前記勝敗判定の結果から独立した異なる賞を付与すると共に、プレイヤの賞に対する期待感及び遊技意欲を向上させ得るカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、請求項1に係るカードゲーム機(例えば、カードゲーム機1)は、所定数のカードで構成されるデッキに含まれるカードの内、複数のカードを表示するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ10、正面ディスプレイ21)と、プレイヤからの入力情報を受け付ける操作部(例えば、タッチパネル11)と、プレイヤによる遊技価値のベットを受け付け、前記ディスプレイに表示された複数のカードの内、プレイヤに対応付けられた複数枚のカードで構成されるプレイヤ手札と、ディーラーに対応付けられた複数枚のカードで構成されるディーラー手札を比較することで勝敗判定を行い、前記勝敗判定の結果とプレイヤによりベットされた遊技価値に基づいて、第1の賞を付与すると共に、プレイヤによる遊技価値のサイドベットを受け付け、プレイヤによる遊技価値のサイドベットがなされた場合には、前記デッキを構成するカードから、前記プレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いた余剰カード群を特定し、前記余剰カード群から、所定枚数のカードで構成される第1カード群を決定し、前記第1カード群と、前記プレイヤ手札に含まれる所定枚数のカードで構成される第2カード群と、を組み合わせた賞判定対象カード群を決定し、前記賞判定対象カード群により所定の役が成立しているか否かを判定し、前記賞判定対象カード群で役が成立している場合に、当該役に応じた第2の賞を付与するゲームコントローラ(例えば、CPU41、CPU51)と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1に係るカードゲーム機によれば、プレイヤによる遊技価値のベット及び操作部の操作に基づいて、所定数のカードからなるデッキに含まれる複数のカードがディスプレイに表示され、当該複数のカードはプレイヤ手札又はディーラー手札として対応付けられる。そして、当該カードゲーム機では、プレイヤ手札とディーラー手札を比較することで勝敗判定が行われ、勝敗判定結果とベットされた遊技価値に基づく第1の賞がプレイヤに付与される。
ここで、遊技価値のサイドベットがなされた場合、当該カードゲーム機では、賞判定対象カード群が特定され、賞判定対象カード群において、所定の役の成立に関する判定がなされる。賞判定対象カード群において、役が成立している場合、当該役に対応する第2の賞が付与される。これにより、サイドベットを行ったプレイヤには、第1の賞の有無に関わらず、第2の賞を獲得する機会が付与されるので、賞に対する期待感を向上させることができ、もって、遊技意欲を向上させることができる。
そして、賞判定対象カード群は、第1カード群と、プレイヤ手札に含まれる第2カード群から特定される。この第1カード群は、余剰カード群に含まれる所定枚数のカードにより構成される。そして、当該余剰カード群は、デッキを構成するカードから、前記プレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いたカード群である。つまり、賞判定対象カード群に基づく第2の賞の有無は、プレイヤ手札のみではなく、余剰カード群による影響を受けることになる。この結果、サイドベットを行ったプレイヤがプレイヤ手札を把握した時点では、賞判定対象カード群を特定することはできず、第2の賞の有無を容易に予想することはできない。これにより、請求項1に係るカードゲーム機によれば、第2の賞に対するプレイヤの期待感及びゲームに対する遊技意欲の向上させることができる。
又、「第2の賞が第1の賞の有無に関わらず付与されること」、「第2の賞の有無及び第2の賞に係る賞内容をプレイヤ手札から容易に把握できないこと」に鑑みれば、当該カードゲーム機は、当該カードゲーム全体として、プレイヤに高額の賞に対する期待感を与えることができ、プレイヤの遊技意欲を向上させることができる。
【0011】
また、請求項2に係るカードゲーム機(例えば、カードゲーム機1)は、所定数のカードで構成されるデッキに含まれるカードの内、複数のカードを表示するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ10、正面ディスプレイ21)と、プレイヤからの入力情報を受け付ける複数の操作部(例えば、タッチパネル11)と、所定数のカードで構成されるプレイヤ手札を各操作部単位で夫々対応付けると共に、所定数のカードで構成されるディーラー手札をディーラーに対応付け、プレイヤによる遊技価値のベットを受け付け、遊技価値のベットがなされた操作部に係るプレイヤ手札と、前記ディーラー手札を比較することで、当該操作部に対する勝敗判定を行い、前記勝敗判定の結果とベットされた遊技価値に基づいて、第1の賞を付与すると共に、前記ベットがなされた操作部における遊技価値のサイドベットを受け付け、遊技価値のサイドベットがなされた場合には、前記デッキを構成するカードから、各操作部に対するプレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いた余剰カード群を特定し、前記余剰カード群から所定枚数のカードで構成される第1カード群を決定し、前記第1カード群と、当該操作部に係るプレイヤ手札に含まれる所定枚数のカードで構成される第2カード群と、を組み合わせた賞判定対象カード群を決定し、前記賞判定対象カード群により所定の役が成立しているか否かを判定し、前記賞判定対象カード群で役が成立している場合に、当該役に応じた第2の賞を付与するゲームコントローラ(例えば、CPU41、CPU51)と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係るカードゲーム機によれば、当該カードゲーム機は複数の操作部を備えているので、各操作部で遊技価値をベットすることで、複数のプレイヤが夫々当該カードゲーム機におけるゲームを行うことができる。つまり、請求項2に係るカードゲーム機においては、各操作部にプレイヤ手札を夫々対応付けると共に、ディーラー手札をディーラーに対応付ける。そして、操作部において、プレイヤにより遊技価値がベットされると、当該操作部に係るプレイヤ手札と、ディーラー手札を比較することで勝敗判定が行われ、勝敗判定結果とベットされた遊技価値に基づく第1の賞が当該プレイヤに付与される。
ここで、遊技価値のサイドベットがなされた場合、当該カードゲーム機では、賞判定対象カード群が特定され、賞判定対象カード群における所定の役の成立に基づいて、当該役に対応する第2の賞が付与される。これにより、サイドベットを行ったプレイヤには、第1の賞の有無に関わらず、第2の賞を獲得する機会が付与されるので、賞に対する期待感を向上させることができ、もって、遊技意欲を向上させることができる。
そして、賞判定対象カード群は、第1カード群と、プレイヤ手札に含まれる第2カード群から特定される。この第1カード群は、余剰カード群に含まれる所定枚数のカードにより構成される。そして、当該余剰カード群は、デッキを構成するカードから、前記各操作部に対するプレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いたカード群である。つまり、賞判定対象カード群に基づく第2の賞の有無は、プレイヤ手札のみではなく、余剰カード群による影響を受けることになる。この結果、サイドベットを行ったプレイヤがプレイヤ手札を把握した時点では、賞判定対象カード群を特定することはできず、第2の賞の有無を容易に予想することはできない。これにより、当該カードゲーム機によれば、第2の賞に対するプレイヤの期待感及びゲームに対する遊技意欲の向上させることができる。
そして、当該カードゲーム機では、余剰カード群は、デッキを構成するカードから、前記各操作部に対するプレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いたカード群であるため、余剰カード群は、より少ないカードで構成される。従って、当該カードゲーム機では、第1カード群を容易に決定できる。
又、「第2の賞が第1の賞の有無に関わらず付与されること」、「第2の賞の有無及び第2の賞に係る賞内容をプレイヤ手札から容易に把握できないこと」に鑑みれば、当該カードゲーム機は、当該カードゲーム全体として、プレイヤに高額の賞に対する期待感を与えることができ、プレイヤの遊技意欲を向上させることができる。
【0013】
そして、請求項3に係るカードゲーム機(例えば、カードゲーム機1)は、請求項1又は請求項2に記載のカードゲーム機であって、前記ゲームコントローラ(例えば、CPU41、CPU51)は、前記賞判定対象カード群を特定する際に、前記プレイヤ手札を構成する複数のカードから所定枚数のカードを選択し、第2カード群を決定することを特徴とする。
【0014】
請求項3に係るカードゲーム機によれば、賞判定対象カード群を特定する際に、ゲームコントローラが、プレイヤ手札から所定枚数のカードを選択することで、第2カード群を決定する。即ち、第2カード群を決定する際に、プレイヤが介在することはない。これにより、当該カードゲーム機によれば、プレイヤは、賞判定対象カード群を完全に特定することはできない。即ち、第2の賞の有無及び第2の賞の内容を容易に把握することはできないので、プレイヤに第2の賞に対する期待感を与えることができ、もって、当該ゲームに対する遊技意欲を向上させることができる。又、第2カード群の決定に要するプレイヤの負担を軽減できる。
尚、第2カード群を決定する際に、ゲームコントローラは、ハウスルールに基づいて決定する事が望ましい。ハウスルールが許容するならば、プレイヤに有利なように第2カード群を決定してもよく(例えば、プレイヤ手札の内のベストカードを第2カード群に決定する場合)、プレイヤ手札からランダムに第2カード群を決定してもよい。
【0015】
また、請求項4に係るカードゲームのプレイ方法は、プレイヤによる遊技価値のベットを受け付け、所定数のカードで構成されるデッキから、複数枚のカードで構成されるプレイヤ手札をプレイヤに配布すると共に、複数枚のカードで構成されるディーラー手札をディーラーに配布し、前記プレイヤ手札と、前記ディーラー手札を比較することで勝敗判定を行い、前記勝敗判定の結果とプレイヤによりベットされた遊技価値に基づいて、賞を付与すると共に、プレイヤによる遊技価値のサイドベットを受け付け、プレイヤによる遊技価値のサイドベットがなされた場合には、前記デッキに含まれるカードから、前記プレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いた余剰カード群を特定し、前記余剰カード群から所定枚数のカードで構成される第1カード群を決定し、前記第1カード群と、前記プレイヤ手札に含まれる所定枚数のカードで構成される第2カード群と、を組み合わせた賞判定対象カード群を決定し、前記賞判定対象カード群により所定の役が成立しているか否かを判定し、前記賞判定対象カード群で役が成立している場合に、当該役に応じた賞を付与することを特徴とする。
【0016】
請求項4に係るカードゲームのプレイ方法によれば、請求項1に係るカードゲーム機と同様に、プレイヤによる遊技価値のベットに基づいて、所定数のカードからなるデッキから、プレイヤ手札、ディーラー手札が配布される。そして、プレイヤ手札とディーラー手札を比較することで勝敗判定が行われ、勝敗判定結果とベットされた遊技価値に基づく第1の賞がプレイヤに付与される。
ここで、遊技価値のサイドベットがなされた場合、賞判定対象カード群が特定され、賞判定対象カード群において、所定の役の成立に関する判定がなされる。賞判定対象カード群において、役が成立している場合、当該役に対応する第2の賞が付与される。これにより、サイドベットを行ったプレイヤには、第1の賞の有無に関わらず、第2の賞を獲得する機会が付与されるので、賞に対する期待感を向上させることができ、もって、遊技意欲を向上させることができる。
そして、賞判定対象カード群は、第1カード群と、プレイヤ手札に含まれる第2カード群から特定される。この第1カード群は、余剰カード群に含まれる所定枚数のカードにより構成される。そして、当該余剰カード群は、デッキを構成するカードから、前記プレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いたカード群である。つまり、賞判定対象カード群に基づく第2の賞の有無は、プレイヤ手札のみではなく、余剰カード群による影響を受けることになる。この結果、サイドベットを行ったプレイヤがプレイヤ手札を把握した時点では、賞判定対象カード群を特定することはできないため、第2の賞に対するプレイヤの期待感及びゲームに対する遊技意欲の向上させることができる。
又、「第2の賞が第1の賞の有無に関わらず付与されること」、「第2の賞の有無及び第2の賞に係る賞内容をプレイヤ手札から容易に把握できないこと」に鑑みれば、当該カードゲーム機は、当該カードゲーム全体として、プレイヤに高額の賞に対する期待感を与えることができ、プレイヤの遊技意欲を向上させることができる。
【0017】
そして、請求項5に係るカードゲームのプレイ方法は、プレイヤによる遊技価値のベットを受け付け、所定数のカードで構成されるデッキから、複数枚のカードで構成されるプレイヤ手札を複数組生成し、遊技価値をベットしたプレイヤに一組のプレイヤ手札を配布すると共に、複数枚のカードで構成されるディーラー手札をディーラーに配布し、遊技価値をベットしたプレイヤに係るプレイヤ手札と、前記ディーラー手札を比較することで、当該プレイヤに対する勝敗判定を行い、前記勝敗判定の結果とベットされた遊技価値に基づいて、賞を付与すると共に、前記ベットしたプレイヤによる遊技価値のサイドベットを受け付け、遊技価値のサイドベットがなされた場合には、前記デッキに含まれるカードから、複数組分のプレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いた余剰カード群を特定し、前記余剰カード群から所定枚数のカードで構成される第1カード群を決定し、前記第1カード群と、当該プレイヤに係るプレイヤ手札に含まれる所定枚数のカードで構成される第2カード群と、を組み合わせた賞判定対象カード群を決定し、前記賞判定対象カード群により所定の役が成立しているか否かを判定し、前記賞判定対象カード群で役が成立している場合に、当該役に応じた賞を付与することを特徴とする。
【0018】
請求項5に係るカードゲームのプレイ方法によれば、所定数のカードで構成されるデッキから、複数枚のカードで構成されるプレイヤ手札を複数組生成し、遊技価値をベットしたプレイヤに一組のプレイヤ手札が配布され、複数枚のカードで構成されるディーラー手札がディーラーに配布される。そして、遊技価値をベットしたプレイヤのプレイヤ手札とディーラー手札との比較により勝敗判定がなされ、判定結果とベットされた遊技価値に基づく第1の賞が当該プレイヤに付与される。
ここで、遊技価値のサイドベットがなされた場合、賞判定対象カード群が特定され、賞判定対象カード群における所定の役の成立に基づいて、当該役に対応する第2の賞がプレイヤに付与される。これにより、サイドベットを行ったプレイヤには、第1の賞の有無に関わらず、第2の賞を獲得する機会が付与されるので、賞に対する期待感を向上させることができ、もって、遊技意欲を向上させることができる。
そして、賞判定対象カード群は、第1カード群と、プレイヤ手札に含まれる第2カード群から特定される。この第1カード群は、余剰カード群に含まれる所定枚数のカードにより構成される。そして、当該余剰カード群は、デッキを構成するカードから、複数気味分のプレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いたカード群である。つまり、賞判定対象カード群に基づく第2の賞の有無は、プレイヤ手札のみではなく、余剰カード群による影響を受ける。これにより、第2の賞に対するプレイヤの期待感及びゲームに対する遊技意欲の向上させることができる。
そして、当該カードゲーム機では、余剰カード群はデッキを構成するカードから複数組分のプレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いたカード群であり、少ないカードで構成されるため、第1カード群の決定を容易に行うことができる。
又、「第2の賞が第1の賞の有無に関わらず付与されること」、「第2の賞の有無及び第2の賞に係る賞内容をプレイヤ手札から容易に把握できないこと」に鑑みれば、当該カードゲーム機は、当該カードゲーム全体として、プレイヤに高額の賞に対する期待感を与えることができ、プレイヤの遊技意欲を向上させることができる。
【0019】
また、請求項6に係るカードゲームのプレイ方法は、請求項4又は請求項5に記載のカードゲームのプレイ方法であって、前記ディーラーは、前記賞判定対象カード群を特定する際に、前記プレイヤ手札を構成する複数のカードから所定枚数のカードを選択し、第2カード群を決定することを特徴とする。
【0020】
請求項6に係るカードゲームのプレイ方法によれば、賞判定対象カード群を特定する際に、ディーラーが、プレイヤ手札から所定枚数のカードを選択することで、第2カード群を決定する。即ち、第2カード群を決定する際に、プレイヤが介在することはない。これにより、当該カードゲーム機によれば、プレイヤは、賞判定対象カード群を完全に特定することはできない。即ち、第2の賞の有無及び第2の賞の内容を容易に把握することはできないので、プレイヤに第2の賞に対する期待感を与えることができ、もって、当該ゲームに対する遊技意欲を向上させることができる。又、第2カード群の決定に要するプレイヤの負担を軽減できる。
尚、第2カード群を決定する際に、ディーラーは、ハウスルールに基づいて決定する事が望ましい。ハウスルールが許容するならば、プレイヤに有利なように第2カード群を決定してもよく(例えば、プレイヤ手札の内のベストカードを第2カード群に決定する場合)、プレイヤ手札からランダムに第2カード群を決定してもよい。又、ディーラー以外の第三者が決定することも可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法では、遊技価値のサイドベットがなされた場合、プレイヤ手札とディーラー手札の比較による勝敗判定の結果に基づく第1の賞とは別に、プレイヤには、賞判定対象カード群における役の成立に基づく第2の賞獲得の機会が付与される。これにより、プレイヤの賞に対する期待感及び遊技意欲を向上させることができる。
そして、賞判定対象カード群は、余剰カード群に含まれる所定枚数のカードにより構成される第1カード群と、プレイヤ手札に含まれる第2カード群から特定される。当該余剰カード群は、デッキを構成するカードから、前記プレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いたカード群である。第2の賞の有無及び内容に、プレイヤが関知することのない余剰カード群、第2カード群が影響を及ぼすので、プレイヤは、第2の賞の有無及び第2の賞の内容を容易に把握することができない。これにより、プレイヤに高額の賞に対する期待感及び緊迫感を与えることができ、プレイヤの遊技意欲を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係るカードゲーム機を多人数参加型カードゲーム装置に具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るカードゲーム機1の概要について、図面を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、本実施形態に係るカードゲーム機1は、多人数参加型のゲーム機の一種である(図2参照)。従って、カードゲーム機1は、プレイヤからの入力を受け付ける複数のターミナル4(本実施形態においては6つ)を備えている。
【0023】
そして、当該カードゲーム機では、カードゲームの一つであるパイゴーポーカーが行われる。ここで、パイゴーポーカーとは、先ず、各プレイヤが、所定額のチップをベットする。その後に、7枚のカードが、プレイヤ手札(プレイヤカード)として各プレイヤに配付される。そして、プレイヤカードを5枚(ハイハンド)と2枚(ローハンド)の組に分けて、ディーラー手札(ディーラーカード)と比較することで勝敗を判定するカードゲームである。この点、ディーラーカードも、プレイヤカードと同様に7枚であり、5枚のハイハンド、2枚のローハンドに分けられている(図1参照)。
そして、ハイハンドとローハンドの両方でディーラーより高い手となった場合に、プレイヤの勝利と判定され、ベット額に応じた賞の払い出しが行われる。プレイヤのハイハンド、ローハンドのいずれか一方のみ高い手であった場合には引き分けとなる。そして、プレイヤのハイハンド、ローハンドのいずれにおいても、ディーラーの手よりも低い手となった場合は、プレイヤの敗北と判定される。
【0024】
ここで、カードゲーム機1におけるカードゲームでは、所定枚数(本実施形態においては、53枚)のカードで構成されたカードデッキから、カードゲーム機1に配設された6つのターミナル4のそれぞれに対して、7枚のプレイヤカードが配布される。この時、上述したように、ディーラーに対しては、7枚のディーラーカードが当該カードデッキから配布される。つまり、カードゲーム機1でのゲームを実行する際には、夫々7枚のカードで構成される6組のプレイヤカードと、7枚のカードで構成される1組のディーラーカードが、53枚のカードで構成されるカードデッキから配布される。従って、カードデッキを構成するカードにおいて、プレイヤカード、ディーラーカードの何れにも属さないカードが4枚存在することになる。
ここで、本実施形態においては、ゲーム実行時にプレイヤカード、ディーラーカードの何れにも属さず、必ず余る4枚のカードを「余剰カード群」という。
【0025】
そして、本実施形態に係るカードゲーム機1でのゲームにおいて、プレイヤによるサイドベットが行われると、上述した余剰カード群と、当該プレイヤのプレイヤカードから、所定枚数(本実施形態では5枚)のカードが選択決定される(図1参照)。そして、この5枚のカードで構成されるボーナス対象カード群において、所定の役(図13参照)の成立、不成立が判定される。その後、プレイヤカードとディーラーカードとの比較に基づく勝敗判定の結果に関わらず、ボーナス対象カード群において成立した役に応じた賞内容がボーナス配当として、プレイヤに付与される。
例えば、図1に示す場合、4枚のカードからなる余剰カード群から2枚のカード(つまり、「クラブの7」「ハートのA」)が選択決定される。一方、プレイヤカードからは、「ダイヤのA」「クラブのA」「ハートの7」の3枚のカードが選択決定される。
上述したボーナス対象カード群は、余剰カード群、プレイヤカードから選択決定された5枚のカードにより構成される。そして、図1に示す例の場合には、ボーナス対象カード群は、「ダイヤのA」「クラブのA」「ハートのA」「ハートの7」「クラブの7」の5枚のカードで構成されているので、「フルハウス」の役が成立している(図13参照)。従って、この場合、プレイヤには、パイゴーポーカーにおける賞の有無(即ち、勝敗判定結果)とは無関係に、ボーナス配当として「100」のクレジットが付与される。
【0026】
この図1の例からわかるように、本実施形態に係るカードゲーム機1では、パイゴーポーカーにおける賞の有無とは無関係に、ボーナス配当が付与される場合が生じうる。この結果、当該カードゲーム機1は、プレイヤの賞に対する期待感及び遊技意欲を向上させることができる。
又、ボーナス対象カード群は、余剰カード群から選択決定された2枚のカード(以下、第1カード群という)、プレイヤハイハンドから選択決定された3枚のカード(以下、第2カード群という)により特定される。ここで、プレイヤは、ディーラーカード及び全てのプレイヤカードを把握しなければ、余剰カード群の構成を把握することはできない。
従って、プレイヤは、余剰カード群から選択される第1カード群が含まれるボーナス対象カード群の構成を完全に把握することはできず、予想することも困難である。そうすると、ボーナス対象カード群の構成(即ち、役の成立可能性)を把握することができないので、プレイヤは、ボーナス配当の有無及びボーナス配当に係る賞の内容を容易に把握することができない。つまり、当該カードゲーム機1は、プレイヤに高額の賞に対する期待感及び緊迫感を与えるができ、もって、プレイヤの遊技意欲を向上させることができる。
【0027】
次に、本実施形態に係るカードゲーム機1の概略構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図2は本実施形態に係るカードゲーム機1の外観図である。
本実施形態に係るカードゲーム機1は、パネル部3と、複数台(例えば、6台)のターミナル4から基本的に構成されている。ターミナル4は、プレイヤが着座して遊技を行う部分である。そして、パネル部3は、ターミナル4に着座したプレイヤの正面方向に設置されている。そして、パネル部3には、仮想ディーラーのアニメーション画像等が表示される。尚、各ターミナル4は、夫々、サテライトとも呼ばれる。
【0028】
ここで、カードゲーム機1を構成する各ターミナル4の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る一のターミナル4を示した外観図である。尚、本実施形態における各ターミナル4は、夫々同一の構成である。
ターミナル4は、液晶ディスプレイ10と、タッチパネル11と、操作ボタン12と、コイン投入口13と、紙幣投入口14と、コイン払出口15とから構成されている(図3参照)。液晶ディスプレイ10は、後述するゲーム画面(図6、図7参照)、ボーナスゲーム画面(図12、図14参照)、遊技結果等が表示される表示手段である。タッチパネル11は、液晶ディスプレイ10の前面に配置されている。そして、当該タッチパネル11は、ベット対象(ベット又はサイドベット)の選択やベット額の設定の際に、液晶ディスプレイ10上に表示されるボタンの選択に用いられる。即ち、タッチパネル11は、ベット対象の選択やベット額の設定における操作手段を構成する。そして、操作ボタン12は、払い出し操作等に対する操作手段である。又、コイン投入口13には、コインやメダルが投入され、紙幣投入口14には、紙幣が投入される。コイン払出口15では、払い出し操作が行われた場合、貯留されているクレジットに対応するコインやメダルがプレイヤに対して払い出される。
【0029】
一方、パネル部3は、正面ディスプレイ21と、スピーカ22と、LED23とから構成されている。正面ディスプレイ21には、カードゲームの実行に伴う各種画像が表示される。例えば、カードの配付やチップ受け渡しを行うディーラーの画像や配付されたカードの内容が、正面ディスプレイ21に表示される(図8参照)。
スピーカ22は、正面ディスプレイ21の上部に配置されており、ゲームの進行に合わせて音楽や効果音を出力する。そして、LED23は、各種演出時に点灯され、その点灯態様により演出効果を高める。
【0030】
更に、正面ディスプレイ21上部には、JP額表示部24が設けられている。ここで、本実施形態に係るカードゲーム機1では、プレイヤによってベットされたベット額の5%がポットにプールされる。そして、プレイヤがサイドベットを行った場合であって、且つ後述するボーナス判定対象カード群において、「ロイヤルストレートフラッシュ」の役が成立している場合にはジャックポットの当選となり(図13参照)、プール額が一括して払い出される。尚、JP額表示部24には、現在ポットにプールされているプール額が表示される。
【0031】
ここで、本実施形態に係るカードゲーム機1において使用されるカードは、一般に使用されているトランプカードと同じものであり、基本的には、各カードに「スーツ」と「数字」が表示されている(図1、図7等参照)。
ここで、「スーツ」とは、トランプカードのマークのことをいい、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの4種類がある。
また、「数字」とは、トランプカードの数字又は英字のことをいい、A(エース、1に相当)、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J(ジャック、11に相当)、Q(クィーン、12に相当)、K(キング、13に相当)の13種類がある。
従って、前記トランプカードでは、「スーツ」と「数字」の組合せにより、カードの種類が特定される。例えば、「ハートのA」、「スペードのK」などがある。そして、カードゲームに必要な4種類のスーツ毎に13種類の数字を組み合わせた52枚のカードにジョーカーを加えた計53枚のカードを一組のカードデッキとする。
【0032】
次に、カードゲーム機1のプレイ方法について説明する。このカードゲーム機1においては、先ず、各ターミナル4に対するプレイヤカードと、ディーラーカードの関連付けが行われる(即ち、ディーラーカード、プレイヤカードが配布される)。これにより、当該カードゲーム機1では、今回のゲームにおける余剰カード群が特定される。
そして、遊技を行うプレイヤがターミナル4の正面に着座し、液晶ディスプレイ10に表示されたベット画面を用いて希望するベット額によりベットを行う。その後、正面ディスプレイ21では、ディーラーに対して配付された7枚のディーラーカードに係る画像が表示される。この時、当該ターミナル4の液晶ディスプレイ10には、当該プレイヤに対して配付された7枚のプレイヤカードに係る画像が表示される。
【0033】
そして、当該ターミナル4においては、タッチパネル11を介して、プレイヤハイハンドとプレイヤローハンドに分配されたプレイヤカードの分配態様を変更する分配変更操作が行われる。これと同様に、ディーラーカードについても、ディーラーハイハンドとディーラーローハンドに分配される。そして、プレイヤカード、ディーラーカードにおけるハイハンドとローハンドを比較し、各カードにおける数字及びマークの種類から勝敗判定がなされる。
勝敗判定の結果に基づいて、液晶ディスプレイ10や正面ディスプレイ21では、プレイヤとディーラーのいずれかを勝者とする演出画像又は引き分けとする演出画像が表示される。更に、各ターミナル4では、プレイヤがディーラーに勝利した場合、ベットされたベット額(クレジット数)の2倍のクレジットがプレイヤに賞として付与される。一方、プレイヤがディーラーに敗北した場合には、プレイヤには何らの賞も付与されない。そして、プレイヤとディーラーが引き分けた場合、ベット額がプレイヤに戻される。
【0034】
ここで、パイゴーポーカーを開始する際に、サイドベットも行っている場合、前記余剰カード群から2枚のカードで構成される第1カード群が特定され、プレイヤカードから3枚のカードで構成される第2カード群が特定される。そして、第1カード群、第2カード群に基づいて、5枚のカードで構成されるボーナス対象カード群が決定される。このボーナス対象カード群において、所定の役(図13参照)が成立している場合、成立している役に応じたボーナス配当がプレイヤに付与される。
【0035】
次に、カードゲーム機1の制御系に係る構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図4は、本実施形態に係るカードゲーム機1の制御系を模式的に示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係るカードゲーム機1は、主制御部31と主制御部31に接続された複数のターミナル4及び各種の周辺機器とから構成される。
【0036】
主制御部31は、マイクロコンピュータ45を核として構成されている。マイクロコンピュータ45は、基本的にCPU41、RAM42、ROM43、これら相互間のデータ転送を行う為のバス44で構成される。そして、ROM43には、カードゲーム機1の制御上必要な処理を行う為の各種プログラム、データテーブル等が格納されている。CPU41は、各種制御プログラムを実行する演算処理装置であり、マイクロコンピュータ45による制御の中枢を担っている。又、RAM42は、CPU41で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。更に、ROM43には、プレイヤカードやディーラーカードに使用されるカードの表面及び裏面の画像データについても記憶されている。 また、CPU41は、I/Oインターフェイス46を介して、画像処理回路47、音声回路48、LED駆動回路49、通信インターフェイス50に接続されている。
【0037】
画像処理回路47は、CPU41による制御に基づいて、正面ディスプレイ21の表示態様を制御する為の回路である。従って、当該画像処理回路47を介して、正面ディスプレイ21の表示制御を行うことで、正面ディスプレイ21には、ディーラー画像102等が表示される(図8参照)。音声回路48は、CPU41による制御に基づいて、スピーカ22の駆動制御を行う為の回路である。即ち、当該音声回路48を介して、スピーカ22の制御を行うことで、ゲームの進行に応じた音楽や効果音が出力される。LED駆動回路49は、LED23の点灯態様を制御する為の回路である。従って、LED駆動回路49を介して、LED23の点灯態様を制御することで、ゲームの進行に対応する演出を行うことができる。
【0038】
そして、通信インターフェイス50は、各ターミナル4と主制御部31の間における各種データを送受信する為のインターフェイスである。従って、各ターミナル4からのベット操作情報等の各種情報が、当該通信インターフェイス50を介して、主制御部31と各ターミナル4の間で送受信される。
【0039】
次に、ターミナル4の制御系に係る構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図5は、本実施形態に係るターミナル4の制御系を模式的に示すブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係るターミナル4は、マイクロコンピュータ55を核として構成されている。マイクロコンピュータ55は、CPU51、RAM52、ROM53、これら相互間のデータ転送を行う為のバス54で構成される。そして、ROM53には、ターミナル4の制御上必要な処理を行う為の各種プログラム、データテーブル等が格納されている。CPU41は、各種制御プログラムを実行する演算処理装置であり、マイクロコンピュータ55による制御の中枢を担っている。また、RAM52は、現在ターミナル4に貯留されているクレジット数、プレイヤがベットしたベット対象(即ち、ベット又はサイドベット)、そのベット対象にベットされたベット額(クレジット数)の他、CPU51で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。
【0040】
また、CPU51は、I/Oインターフェイス56を介して液晶パネル駆動回路57、タッチパネル駆動回路58、ホッパー駆動回路59、払出完了信号回路60、通信インターフェイス61に接続されている。
液晶パネル駆動回路57は、液晶ディスプレイ10に接続されており、液晶ディスプレイ10の表示態様に関する制御に用いられる。タッチパネル駆動回路58は、タッチパネル11に接続されており、プレイヤによるタッチパネル11の操作を検知し、当該操作に対応する制御を行う際に用いられる。ホッパー駆動回路59は、ホッパー62に接続されており、コイン払出口15へコインを払い出す際におけるホッパー62の制御に用いられる。そして、払出完了信号回路60は、コイン検出部63に接続されており、コイン払出口15に所定枚数のコインを払い出した場合に、払出が完了したことを示す払出完了信号を送信する。
【0041】
そして、通信インターフェイス61は、当該ターミナル4と主制御部31の間における各種情報の送受信に用いられるインターフェイスである。例えば、タッチパネル11から出力される操作情報に基づくベット情報は、当該通信インターフェイス61を介して、主制御部31に対して送信される。
【0042】
次に、本実施形態に係るカードゲーム機1においてパイゴーポーカーを行う際に、ターミナル4の液晶ディスプレイ10上に表示されるゲーム画面70について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
ここで、カードゲーム機1では、プレイヤは、ゲーム画面70とタッチパネル11を用いて、ベット操作、分配変更操作等の各種操作を行うことができる。ここで、ベット操作は、ゲーム画面70、タッチパネル11を用いて、所有するクレジットをベット又はサイドベットする操作である。又、分配変更操作とは、ゲーム画面70、タッチパネル11を用いて、7枚のプレイヤカードを所望の態様で5枚のプレイヤハイハンドと、2枚のプレイヤローハンドに分配する操作である。
【0043】
図6、図7に示すように、ゲーム画面70は、プレイヤカード表示領域71と、ベット表示エリア73、サイドベット表示エリア78、プール額表示領域74、情報表示エリアとから構成される。
プレイヤカード表示領域71は、パイゴーポーカーに際し、プレイヤカードとして配布された7枚のプレイヤカードが表示される領域である。従って、当該プレイヤカード表示領域71には、プレイヤカードの表面画像87及び裏面画像88が表示される(図6、図7参照)。そして、ベット表示エリア73は、パイゴーポーカーにベットしたチップを示すチップ画像72が表示される表示エリアである。又、サイドベット表示エリア78は、サイドベットしたチップを示すチップ画像72が表示される表示エリアである。プール額表示領域74には、ポットにプールされたプール額が表示される。
そして、情報表示エリアには、ベットボタン75、Repeatベットボタン76等の各種操作ボタンと共に、ベット額表示エリア90等のプレイヤの情報が表示される。
【0044】
上述したように、プレイヤカード表示領域71には、プレイヤに配付されたプレイヤカードの表面画像87と裏面画像88が表示される。裏面画像88には、数字及びスーツは含まれていない。従って、裏面画像88が表示された場合、プレイヤは、当該プレイヤカードの数字やスーツを識別することができない(図6参照)。一方、表面画像87には、数字やスーツが含まれている(図7参照)。従って、表面画像87が表示された場合、プレイヤは、プレイヤカードを構成する各カードの数字及びスーツを識別できる。
【0045】
カードゲーム機1においては、ゲームが開始されると、プレイヤが着座したターミナル4のプレイヤカード表示領域71に7枚のカードの裏面画像88が表示される。そして、所定時間を経過すると、プレイヤカード表示領域71に表示された裏面画像88は、当該ターミナル4に対応付けられたプレイヤカードに基づく表面画像87に置き換えられる。つまり、このプレイヤカード表示領域71に表示される7枚のカードが、当該ターミナル4でゲームを行うプレイヤに配布されたプレイヤカードとなる。
又、プレイヤがタッチパネル11を操作することにより、プレイヤカード表示領域71に表示されたプレイヤカードは、プレイヤハイハンドと、プレイヤローハンドとに分配することができる。尚、プレイヤハイハンドとプレイヤローハンドの分配は、自由に行うことができる。
【0046】
例えば、図6及び図7に示す場合、ゲーム画面70の左側に位置する5枚のカードがプレイヤハイハンドに区分されたカードであり、右側に位置する2枚のカードがプレイヤローハンドに区分されたカードである。この時、プレイヤはタッチパネル11を操作してプレイヤカード表示領域71に表示された7枚のカードを並び替えることによって、ハイハンドとローハンドの区分を変更することができる。
【0047】
上述したように、ベット表示エリア73には、プレイヤがパイゴーポーカーに対してベットしたベット額に相当するチップ画像72が表示される(例えば、図6及び図7では10クレジット分のチップをベットしている)。このベットを行う場合、プレイヤは、後述するベットボタン75でベット額を選択し、ベット表示エリア73に対応するタッチパネル11に触れることで、ベット表示エリア73に対するベット額を決定する。即ち、ベット表示エリア73部分のタッチパネル11は、ベット対象(即ち、パイゴーポーカーに対するベット)の選択手段として機能する。ベット表示エリア73部分のタッチパネル11に対する操作により、決定されたベット額は、主制御部31へと送信される。
【0048】
サイドベット表示エリア78には、プレイヤがサイドベットしたベット額に相当するチップ画像72が表示される(例えば、図7では10クレジット分のチップをベットしている)。このサイドベットを行う場合、プレイヤは、後述するベットボタン75でベット額を選択し、サイドベット表示エリア78に対応するタッチパネル11に触れることで、サイドベットするベット額を決定する。即ち、サイドベット表示エリア78部分のタッチパネル11も、ベット対象(即ち、サイドベット)の選択手段として機能する。サイドベット表示エリア78部分のタッチパネル11に対する操作により、決定されたベット額は、主制御部31へと送信される。
【0049】
また、プール額表示領域74はポットにプールされたプール額を示す領域である。ここで、本実施形態に係るカードゲーム機1ではプレイヤによってベットされたベット額の5%がポットにプールされる。
【0050】
そして、ベット表示エリア73の右側下方には、複数のベットボタン75(本実施形態では「1クレジット」、「10クレジット」、「100クレジット」の3種類)が設けられている。従って、プレイヤは、これらのベットボタン75に触れることにより、今回のゲームでベットするベット額を選択できる。
【0051】
また、ベットボタン75の上方には、Repeatベットボタン76、UNDOベットボタン77が設けられている。プレイヤはRepeatベットボタン76に触れることによって、前回のゲームと同じベット額をベットすることができる。また、UNDOベットボタン77に触れることによって、プレイヤは、一旦行ったベット操作を取り消すことができる。
【0052】
図6、図7に示すように、ベット表示エリア73の左下方には、HELPボタン84が設けられている。HELPボタン84は、カードゲーム機1の操作方法を液晶ディスプレイ10に表示する際に用いられる。又、HELPボタン84の右側には、メッセージエリア85が設けられている。メッセージエリア85には、ゲームの進行をサポートするメッセージが表示される。
【0053】
ゲーム画面70の下方には、ベット額表示エリア90、獲得額表示エリア91、所有クレジット表示エリア92、ベット額下限表示エリア93、ベット額上限表示エリア94、サイドベット額表示エリア97が設けられている。
ベット額表示エリア90には、現在のパイゴーポーカーの1ゲームに対して、プレイヤによりベットされたベット額が表示される。獲得額表示エリア91には、ゲームで賞としてプレイヤが獲得した額が表示される。そして、所有クレジット表示エリア92には、プレイヤが現在所有するクレジット数が表示される。ベット額下限表示エリア93には、プレイヤがベット可能なベット額の下限が示され、ベット額上限表示エリア94には、プレイヤがベット可能なベット額の上限が示される。
そして、サイドベット額表示エリア97には、現在のゲームに対して、プレイヤによりサイドベットされたサイドベット額が表示される。
【0054】
また、プレイヤカード表示領域71上方には、勝敗表示領域95が設けられる。勝敗表示領域95には、今回のゲームにおけるプレイヤとディーラーの勝敗結果が表示される。つまり、プレイヤが勝利した場合、勝敗表示領域95には「YOU WON」の文字が表示される(図7参照)。この点、勝敗表示領域95には、プレイヤが敗北した場合、「YOU LOST」の文字が表示され、プレイヤとディーラーが引き分けた場合は、「DRAW」の文字が表示される。
【0055】
次に、本実施形態に係るカードゲーム機1においてパイゴーポーカーを行う際に、正面ディスプレイ21に表示されるメイン画面101について図面を参照しつつ詳細に説明する。図8は、正面ディスプレイ21に表示されるメイン画面101の説明図である。
上述したように、本実施形態に係るカードゲーム機1では、ディーラー画像102が表示される。このディーラー画像102は、仮想のディーラーを表す画像であり、ゲームの進行に連動してアニメーション表示される。これにより、カードゲーム機1は、ゲームの臨場感を向上させることができる。
【0056】
また、メイン画面101の略中央には、ディーラーカード画像103が表示される。このディーラーカード画像103は、ディーラーに対して配付されたディーラーの手札であるディーラーカードを示す画像である。ここで、カードゲーム機1では、プレイヤカードと同様に、7枚のカードで構成されるディーラーカードが配付される。そして、ディーラーカードは、ハウスルールに従って、ディーラーハイハンドとディーラーローハンドに分けてメイン画面101に表示される。この図8に示す場合、上段に5枚のカードで構成されたディーラーハイハンドが表示され、下段に2枚のカードで構成されるディーラーローハンドが表示されている。
【0057】
次に、本実施形態に係るカードゲーム機1におけるゲーム処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。即ち、主制御部31のCPU41が実行するゲーム処理プログラム、及びターミナル4のCPU51が実行するターミナル側のゲーム処理プログラムについて、図9〜図11に基づき説明する。
尚、これら図9〜図11にフローチャートで示す各プログラムは、主制御部31が備えているRAM42やROM43、又はターミナル4が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU41又はCPU51により実行される。
【0058】
先ず、主制御部31において実行されるゲーム処理プログラムについて説明する。図9に示すように、S1において、CPU41は、プレイヤによるベット操作を受け付けるベット期間の開始指示を各ターミナル4に対して送信する。
【0059】
その後、S2において、CPU41は、各ターミナル4から送信されたベット情報を受信する。ここで、ベット情報は、プレイヤによりベットされたベット額(クレジット数)に関する情報を含む。更に、当該ベット情報には、各ターミナル4におけるサイドベットの有無及びサイドベットされたサイドベット額も含まれる。
そして、受信した各ターミナル4のベット情報は、RAM42に一旦格納される。
【0060】
続くS3に移行すると、CPU41は、ベット期間中にサイドベットがなされたか否かについての判断を行う。具体的には、CPU41は、RAM42に格納された各ターミナル4のベット情報を参照し、サイドベットの有無を特定する。サイドベットがなされた場合(S3:YES)、CPU41は、サイドベットがなされたことを示すサイドベットフラグを、当該サイドベットが行われたターミナル4に対応付けてRAM42に格納する(S4)。その後、CPU41は、S5に処理を移行する。一方、サイドベットがなされていない場合(S3:NO)、CPU41は、そのままS5に処理を移行する。
【0061】
S5では、CPU41は、ディーラーカード抽選処理を行う。ディーラーカード抽選処理(S5)は、ディーラーの手札を構成する7枚のカード(即ち、ディーラーカード)を抽選により決定する処理である。具体的には、N枚(パイゴーポーカーではN=53)のカードで構成する1組のカードデッキにおいて、カードデッキを構成する夫々のカードに対して「1」〜「N」までのいずれかの番号を関連付ける。そして、CPU41は、「1」〜「N」までの間から7つの番号を抽出し、抽出した番号に対応する7枚のカードをディーラーカードとして決定する(即ち、ディーラーに配付される)。
【0062】
次に、S6に移行すると、CPU41は、プレイヤカード抽選処理を実行する。このプレイヤカード抽選処理(S6)は、ディーラーカード抽選処理(S5)と同様に、カードデッキからプレイヤの手札であるプレイヤカードを抽選により決定する処理である。
具体的には、CPU41は、カードデッキを構成する53枚のカードのうち、ディーラーカード抽選処理(S5)で選択された7枚のカードを除く46枚のカードに関連付けられている番号から7つの番号を抽出する。その後、CPU41は、こうして抽出された番号に対応する7枚のカードを当該ターミナル4のプレイヤカードとして決定する(即ち、プレイヤに配付する)。
尚、上記処理は、6台のターミナル4全てについて行われる。即ち、CPU41は、6組のプレイヤカードを抽選により決定する。6組分のプレイヤカードを決定した後、CPU41は、S7に処理を移行する。
【0063】
プレイヤカード抽選処理(S6)の後、S7において、CPU41は、余剰カード特定処理を実行する。この余剰カード特定処理(S7)は、上述したカードデッキを構成するカードの内、ディーラーカード及び各ターミナル4に対するプレイヤカードを除いたカードを特定する処理である。具体的には、CPU41は、ディーラーカード抽選処理(S5)、プレイヤカード抽選処理(S6)の結果と、各カードに関連付けられた番号に基づいて、余剰カードとなるカードの数字、スーツを特定する。
CPU41は、特定された余剰カードの数字、スーツを、余剰カード情報としてRAM42に格納し、S8に処理を移行する。
【0064】
S8に移行すると、CPU41は、プレイヤカード抽選処理(S6)の抽選結果に基づいて決定されたプレイヤカードに関する情報(例えば、「ハートの7」や「スペードのA」等の数字、スーツに関する情報)を各ターミナル4に対して送信する。即ち、この時点で、夫々のターミナル4に関連付けられたプレイヤカードが、各プレイヤ(各ターミナル4)に配布される。
そして、プレイヤカードに関する情報(以下、「プレイヤカード情報」という)を送信すると、ディーラー画像演出処理(S9)において、CPU41は、正面ディスプレイ21のメイン画面101(図8参照)に、カードをプレイヤとディーラーに7枚ずつ配付するディーラーの画像を表示する。
尚、この配付時点におけるメイン画面101では、ディーラーカードは、カード裏面の画像(裏面画像88と同様の画像)として表示されている。従って、プレイヤは、ディーラーカードの数字やスーツの種類を識別することはできない。
【0065】
次に、CPU41は、プレイヤカードの分配に関する情報を受信する(S10)。つまり、このS10において、CPU41は、各ターミナル4におけるプレイヤハイハンド、プレイヤローハンドの分配に関する情報(以下「プレイヤカード分配情報」という)を受信し、ターミナル4毎にRAM42に格納する。
尚、本実施形態に係るカードゲーム機1では、プレイヤは、各ターミナル4において、5枚のプレイヤハイハンドと2枚のプレイヤローハンドに自由に配分することができる。
【0066】
続くS11では、CPU41は、ディーラーカード分配処理を実行する。このディーラーカード分配処理(S11)では、ディーラーカード抽選処理(S5)で決定された7枚のディーラーカードをディーラーハイハンドとディーラーローハンドに分配する処理である。この時、CPU41は、ディーラーカードを所定のハウスルールに従って分配し、ディーラーハイハンドとディーラーローハンドを決定する。
そして、ディーラーハイハンドとディーラーローハンドを決定すると同時に、CPU41は、正面ディスプレイ21のメイン画面101におけるディーラーカードを裏面画像から表面画像に切り換える(図8参照)。これにより、メイン画面101において、ディーラーハイハンドとディーラーローハンドに分配されたディーラーカードの数字やスーツが識別可能となり、プレイヤは、この時点において、ディーラーカードを明確に把握することができる。
【0067】
そして、S12に移行すると、CPU41は、勝敗判定処理を実行する。この勝敗判定処理(S12)では、CPU41は、ディーラーハイハンド、ディーラーローハンドと、各プレイヤのプレイヤハイハンド、プレイヤローハンドを夫々比較し、各プレイヤとディーラーとの間における勝敗を決定する。
具体的には、CPU41は、カードの手に基づいて勝敗判定し、ディーラーハイハンドとディーラーローハンドの両方でプレイヤハイハンド、プレイヤローハンドよりも高い手が成立していた場合、プレイヤの敗北となる。一方、プレイヤハイハンドとプレイヤローハンドの両方で高い手が成立していた場合、CPU41は、当該プレイヤの勝利と判定する。又、上記パターン以外の場合、CPU41は、引き分けと判定する。
尚、パイゴーポーカーの手の種類は公知であるため、その説明は省略する。
【0068】
続くS13では、CPU41は、勝敗判定処理(S12)の判定結果を夫々、対応するターミナル4に対して送信する。
そして、CPU41は、正面ディスプレイ21のメイン画面101に、各ターミナル4の勝敗判定結果を報知する報知画像を表示する(S14)。
【0069】
S15に移行すると、CPU41は、RAM42を参照し、サイドベットフラグが格納されているか否かについての判断を行う。即ち、CPU41は、サイドベットが実行されたターミナル4が存在するか否かを判断する。
サイドベットフラグが格納されている場合(S15:YES)、CPU41は、ボーナス配当獲得の機会をプレイヤに付与すべく、S16に処理を移行する。一方、サイドベットフラグが格納されていない場合(S15:NO)、CPU41は、そのままゲーム処理プログラムを終了する。
尚、S16以後の処理は、サイドベットがなされたターミナル4に対してのみ実行される。即ち、サイドベットを行わなかったターミナル4においては、ボーナス配当獲得の機会は付与されず、S16〜S21の処理が終了するまで処理を待機する。
【0070】
S16に移行すると、CPU41は、RAM42に格納されている余剰カード情報を読み出す。上述したように、本実施形態に係るカードゲーム機1においては、4枚の余剰カードが存在し、各カードの数字、スーツが余剰カード情報としてRAM42に格納されている。従って、余剰カード情報を読み出すことにより、余剰カード群を構成するカードの数字、スーツを特定することができる。
又、このS16の処理において、CPU41は、読み出した余剰カード情報をサイドベットがなされたターミナル4(以下、「対象ターミナル」という)に対して送信する。これにより、カードゲーム機1は、当該対象ターミナルの液晶ディスプレイ10に、余剰カード群に係るカード画像を表示することができる(図12参照)。
【0071】
そして、S17に移行すると、CPU41は、第1カード群決定処理を実行する。この第1カード群は、ボーナス配当の有無の判定対象となるボーナス対象カード群の一部を構成するカード群である。
第1カード群決定処理(S17)では、CPU41は、4枚のカードで構成された余剰カード群から第1カード群を特定する。具体的には、CPU41は、S16で読み出した余剰カード情報に含まれる各カードの数字、スーツに基づいて、第1カード群として2枚のカードを特定する。4枚のカードから構成される余剰カード群から、2枚のカードを選択し、第1カード群を決定した後、CPU41は、第1カード群を構成する2枚のカードの数字、スーツを「第1カード群情報」としてRAM42に格納する。
【0072】
その後、S18においては、CPU41は、第2カード群決定処理を実行する。第2カード群は、第1カード群と同様に、ボーナス対象カード群の一部を構成するカード群である。
第2カード群決定処理(S18)においては、CPU41は、RAM42を参照し、対象ターミナルのプレイヤカード情報に基づいて、当該対象ターミナルに係るプレイヤカードを特定する。これにより、対象ターミナルにおけるプレイヤカードを構成する各カードの数字及びスーツを特定することができる。
そして、CPU41は、対象ターミナルのプレイヤカードから3枚のカードを選択し、選択した3枚のカードを第2カード群に決定する。その後、CPU41は、当該カードに係る数字及びスーツを「第2カード群情報」としてRAM42に格納する。
【0073】
ここで、上記第1カード群決定処理(S17)、第2カード群決定処理(S18)においては、CPU41が、それぞれ第1カード群、第2カード群を決定する。この時、第1カード群、第2カード群を構成するカードは、それぞれ抽選によりランダムに選択決定される。
尚、第1カード群、第2カード群の選択の基準としては、これとは別に種々の基準を用いることができる。即ち、第1カード群、第2カード群を、選択対象となるカード群(即ち、余剰カード群、プレイヤカード)の内、最もプレイヤに有益なカード(例えば、ボーナス配当の高い役を構成するカードや、役が成立する可能性の高いカード)を優先的に選択するように構成することも可能である。即ち、第1カード群、第2カード群の選択において、最もプレイヤに有益なカード(所謂、ベストカード)が選択されるように構成することもできる。
【0074】
第2カード群決定処理(S18)の後、CPU41は、ボーナス対象カード群に係るボーナス対象情報を送信する(S19)。ボーナス対象情報とは、ボーナス対象カード群を構成する各カードの数字、スーツを示す情報である。つまり、CPU41は、RAM42に格納されている第1カード群情報と第2カード群情報に基づいて、ボーナス対象カード群を特定し、当該対象ターミナルに対して、ボーナス対象情報を送信する(S19)。
ボーナス対象情報を対象ターミナルに送信した後、CPU41は、S20に処理を移行する。
【0075】
S19において、CPU41が対象ターミナルへボーナス対象情報を送信することにより、対象ターミナルの液晶ディスプレイ10には、当該ボーナス対象カード群を示すカード画像が表示される(図14参照)。
【0076】
ボーナス対象情報を対象ターミナルに送信した後、CPU41は、当該対象ターミナルに係るボーナス対象カード群についてのボーナス判定処理を実行する(S20)。具体的には、CPU41は、当該対象ターミナルのボーナス対象カード群を構成する5枚のカードの数字及びスーツをRAM42から取得する。そして、CPU41は、ボーナス対象カード群の数字、スーツに基づいて、ボーナス内容決定テーブル(図13参照)に規定された所定の役が成立するか否かについて判定を行う。
ボーナス対象カード群において、ボーナス内容決定テーブルに規定された所定の役が成立している場合は、成立した役に対応する賞内容が「ボーナス配当」として決定される。この点、ボーナス内容決定テーブルに規定された何れの役も成立していない場合、CPU41は、ボーナス配当を「0」に決定する。
【0077】
ここで、図13を参照しつつ、ボーナス内容決定テーブルについて説明する。図13に示すように、ボーナス内容決定テーブルにおいては、「ロイヤルストレートフラッシュ」「ストレートフラッシュ」等の複数種類のポーカー役が規定されており、夫々の役に対して、賞内容が規定されている。
例えば、図13に示すように、ボーナス内容決定テーブルの「ツーペア」の役には「15」のボーナス配当が規定されている。従って、ボーナス対象カード群において「ツーペア」の役が成立している場合には、「15」のクレジットの付与がボーナス配当に決定される。この点、他の役(例えば、「フルハウス」「ストレート」等)についても、上記「ツーペア」の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
尚、「ロイヤルストレートフラッシュ」の役に対しては、賞内容として「ジャックポット」が規定されている。従って、ボーナス対象カード群において、「ロイヤルストレートフラッシュ」の役が成立している場合、プレイヤは「ジャックポット」に当選したこととなる。この場合には、「ポットにプールされたプール額の付与」が「ボーナス配当」に決定される。
【0078】
ボーナス判定処理(S20)において、ボーナス配当の有無及びボーナス配当の内容を決定した後、CPU41は、ボーナス判定結果を対象ターミナルに対して送信する(S21)。ここで、ボーナス判定結果としては、成立した役の種類、ボーナス配当の内容(例えば、付与されるクレジット数)等の情報が送信される。
ボーナス判定結果を対象ターミナルに送信した後、CPU41は、主制御部31におけるゲーム処理プログラムを終了する。
【0079】
尚、ボーナス判定結果を対象ターミナルに送信することにより、当該対象ターミナルの液晶ディスプレイ10には、成立した役の種類、ボーナス配当の内容等のボーナス判定の結果が表示される。又、当該対象ターミナルでは、ボーナス判定結果に対応する種々の演出(液晶ディスプレイ10における映像演出等)が行われる(S118)。
そして、当該対象ターミナルでは、勝敗判定結果、ボーナス判定結果に基づいて、今回のゲームで獲得した賞の払出が行われる。
【0080】
次に、図9〜図11を参照しつつ、ターミナル4側で実行されるゲーム処理プログラムについて説明する。
図9に示すように、先ず、ターミナル4のCPU51は、主制御部31からベット期間の開始指示を受信する(S101)。
【0081】
ベット期間の開始指示を受信すると同時に、CPU51は、ゲーム画面70(図6、図7参照)を液晶ディスプレイ10に表示し、ベット期間を開始する(S102)。このベット期間は、プレイヤによるベット及びサイドベットを受け付ける期間である。従って、ベット期間の開始と同時に、ベット操作の受付が開始される。そして、CPU51は、ベット期間が終了するまで、タッチパネル11からの操作情報に基づいて、パイゴーポーカーに対するベット及びサイドベットを受け付ける。
【0082】
ベット期間を開始した後、CPU51は、ベット期間を終了したか否かについて判定を行う(S103)。具体的には、CPU51は、ベット操作の受付開始(即ち、ベット期間の開始情報の受信)から、予め定められた所定時間(例えば20sec)を経過したか否かについての判定を行う。ベット期間が終了した場合には(S103:YES)、CPU51は、S104へ処理を移行する。一方、ベット期間を終了していない場合には(S103:NO)、CPU51は、継続してベット操作を受け付ける。
【0083】
ベット期間の終了に伴いS104に移行すると、CPU51は、現在のベット情報をRAM52に格納し、主制御部31に対して当該ベット情報を送信する。ここで、当該ベット情報には、プレイヤがベットしたベット額(クレジット数)に関する情報と共に、サイドベットに係る情報が含まれる。
【0084】
その後、S105に移行すると、CPU51は、プレイヤカード情報を受信する。このS105で受信するプレイヤカード情報は、上述のS8において主制御部31から送信された情報である。従って、このプレイヤカード情報には、プレイヤカードを構成する各カードの数字やスーツ(例えば、「ハートの7」や「スペードのA」等)の情報が含まれている。
S106では、CPU51は、プレイヤカード情報の受信に基づいて、ゲーム画面70に7枚のプレイヤカードを表示する。このS106においては、CPU51は、先ずプレイヤカード表示領域71に、7枚のプレイヤカードの裏面画像88を表示する(図6参照)。図6に示すように、この時点では、プレイヤは、プレイヤカードを構成するカードの数字、スーツを識別できない。そして、裏面画像88の表示から所定時間(例えば3秒)経過すると、CPU51は、プレイヤカード情報に含まれる数字、スーツに基づいて、プレイヤカードの表面画像87を表示する(図7参照)。プレイヤカードの表面画像87による表示によって、プレイヤは、プレイヤカードの数字やスーツを識別できる。
【0085】
その後、S107に移行すると、CPU51は、ゲーム画面70に表示されたプレイヤカードに対する分配変更操作の受け付けを開始する。この分配変更操作は、現在ゲーム画面70に表示されているプレイヤハイハンドとプレイヤローハンドの分配態様を変更する操作であり、タッチパネル11に対する操作によって行われる。
そして、S108では、CPU51は、タッチパネル11からの操作情報に基づいて、分配変更操作が行われたか否かを判定する。分配変更操作が行われた場合(S108:YES)、CPU51は、分配変更処理を実行する(S109)。分配変更処理(S109)では、CPU51は、分配変更操作に基づいて、プレイヤカード分配情報を変更し、ゲーム画面70におけるプレイヤカードの配置を変更する。ここで、プレイヤカード分配情報は、プレイヤハイハンド、プレイヤローハンドの分配態様を示す情報である。具体的には、プレイヤカード分配情報は、プレイヤハイハンドに属する各カードの数字、スーツの情報と、プレイヤローハンドに属する各カードの数字、スーツの情報で構成されている。
一方、分配変更操作が行われていない場合には(S108:NO)、CPU51は、S110へと処理を移行する。
【0086】
S110では、CPU51は、操作受付処理(S107)の開始から所定時間(例えば15秒)経過したか否かを判定する。所定時間を経過した場合(S110:YES)、CPU51は、現在のプレイヤカード分配情報を主制御部31に送信する(S111)。一方、所定時間経過していない場合には(S110:NO)、CPU51は、S108へ処理を戻す。これにより、プレイヤは、再び分配変更操作を行うことができ、プレイヤカードの分配態様を所望の態様に修正することができる。
【0087】
プレイヤカード分配情報を主制御部31に送信した後(S111)、CPU51は、主制御部31から送信された勝敗判定結果を受信する(S112)。
その後、CPU51は、受信した勝敗判定結果に基づいて、液晶ディスプレイ10に当該ターミナル4に係るプレイヤの勝敗判定結果を表示する(S113)。具体的には、CPU51は、ゲーム画面70(図7参照)の勝敗表示領域95に対して、勝敗判定結果に応じて、「YOU WON」「DRAW」「YOU LOST」の文字を表示する。
尚、この勝敗判定結果表示処理(S113)で表示される勝敗は、パイゴーポーカーゲームに対する勝敗であり、ボーナス配当の有無等を示すものではない。
【0088】
続いて、S114に移行すると、CPU51は、RAM52に格納されたベット情報を参照し、当該ターミナル4でサイドベットがなされたか否かについての判断を行う。つまり、S114では、当該ターミナル4が上述した「対象ターミナル」となるか否かについての判断がなされる。サイドベットが行われている場合(S114:YES)、CPU51は、S115に処理を移行する。
一方、サイドベットが行われていない場合には(S114:NO)、CPU51は、そのまま払出処理(S119)に処理を移行する。この場合、当該ターミナル4では、パイゴーポーカーゲームの勝敗判定結果に応じた配当が払い出される。
【0089】
S115に移行すると、CPU51は、当該ターミナル4の液晶ディスプレイ10にボーナスゲーム画面80を表示する(図12参照)。この時、CPU51は、S16において主制御部31から送信される余剰カード情報を受信する。従って、このボーナスゲーム画面80を表示する際に、CPU51は、RAM52の余剰カード情報に基づいて、余剰カード群を構成するカードの数字、スーツを特定することができる。
これにより、CPU51は、ボーナスゲーム画面80に、当該ターミナル4におけるプレイヤカードの表面画像87と、余剰カード群の表面画像を表示できる(図12参照)。ここで、ボーナスゲーム画面80におけるプレイヤカードは、プレイヤカード分配情報に基づいて、プレイヤハイハンド、プレイヤローハンドに分配されて表示される。
【0090】
そして、S116では、CPU51は、主制御部31から送信されるボーナス対象情報を受信する。そして、CPU51は、受信したボーナス対象情報に基づいて、ボーナス対象カード群をボーナスゲーム画面80に表示し、プレイヤにボーナス対象カード群を報知する。
具体的には、図12に示すように、ボーナスゲーム画面80に表示されているプレイヤカード、余剰カード群の表面画像において、ボーナス対象カード群を構成するカードと、その他のカードとを識別可能に表示する。この図12の場合、CPU51は、ボーナス対象カード群とその他のカードの表示色を異なる表示色で表示する。これにより、プレイヤは、4枚の余剰カード群と7枚のプレイヤカードからなる11枚のカードから、どのカードがボーナス対象カード群として特定されたかを把握することができる(図12参照)。
その後、CPU51は、ボーナスゲーム画面80の表示態様を、プレイヤカード、余剰カード群が表示されている態様(図12参照)から、ボーナス対象カード群を構成する5枚のカードのみを表示する態様に変更する(図14参照)。これにより、ボーナスゲーム画面80に、ボーナス対象カード群のみが表示されることになり、プレイヤは、ボーナス対象カード群の構成をより明確に把握できる。
【0091】
続くS117に移行すると、CPU51は、主制御部31から送信されるボーナス判定結果を受信する。ボーナス判定結果を受信すると、CPU51は、当該ボーナス判定結果に基づいて、ボーナスゲーム画面80に「ボーナス配当の有無」や「成立した役」等の判定結果を表示する(S118)。
例えば、図14に示す場合、ボーナス対象カード群は、「ダイヤのA」「クラブのA」「ハートのA」「ハートの7」「クラブの7」の5枚のカードで構成されているので、「フルハウス」の役が成立している(図13参照)。従って、この場合、プレイヤには、パイゴーポーカーにおける賞の有無(即ち、勝敗判定結果)とは無関係に、ボーナス配当として「100」のクレジットが付与される。従って、このS118の処理において、CPU51は、勝敗表示領域95に「BONUS GET!!」の文字列を表示すると共に、ボーナスゲーム画面80に成立した役を示す「Full House」の文字列を表示する。
【0092】
ボーナスゲーム画面80にボーナス判定結果を表示した後、CPU51は、払出処理(S119)を実行する。この払出処理(S119)では、CPU51は、勝敗判定結果、ボーナス判定結果に基づいて、クレジットの加算又はコインの払出を行う。即ち、S114から払出処理(S119)に移行した場合、CPU51は、勝敗判定結果にのみ基づいて、クレジットの加算又はコインの払出を行う。一方、S115〜S118を経て、払出処理(S119)に移行した場合、CPU51は、クレジットの加算又はコインの払出を実行することにより、「勝敗判定結果に基づく配当」と「ボーナス判定結果に基づく配当」をプレイヤに付与する。
尚、勝敗判定結果に基づく配当は、ディーラーに勝利した場合にベット額の2倍のクレジットが、配当としてプレイヤに払い出され、引き分けの場合にはベット額がそのまま配当として払い戻される。
【0093】
以上説明した通り本実施形態に係るカードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法では、遊技価値(例えば、クレジットやチップ)のベットを条件に、パイゴーポーカーが実行される。即ち、カードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法では、先ず、プレイヤ及びディーラーに夫々プレイヤカードとディーラーカードが対応付けられる。そして、プレイヤカードとディーラーカードの比較により勝敗を決定し、当該勝敗結果とベット額に応じた配当(つまり、勝敗判定結果に基づく配当)が払い出される(S119)。
【0094】
ここで、当該カードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法においては、サイドベットがなされた場合(S15:YES、S114:YES)、プレイヤカードの一部と余剰カード群の一部を組み合わせてボーナス対象カード群を特定する。そして、当該ボーナス対象カード群において、ボーナス内容決定テーブル(図13参照)に規定された所定の役の成立に関するボーナス判定処理(S20)が行われ、成立した役に応じたボーナス配当がプレイヤに付与される(S119)。
そして、勝敗判定処理(S12)とボーナス判定処理(S20)は、夫々独立の処理として実行されるので、サイドベットを行ったプレイヤには、勝敗判定の結果に関わらず、ボーナス配当獲得の機会が付与される。これにより、当該カードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法によれば、カードゲームにおいて付与される賞に対するプレイヤの期待感を向上させることができ、もって、プレイヤの遊技意欲を向上させることができる。
【0095】
そして、ボーナス対象カード群は、第1カード群と第2カード群を組み合わせることで構成される。第1カード群は、第1カード群決定処理(S17)により、余剰カード群から選択決定されたカードである。そして、第2カード群は、第2カード群決定処理(S18)により、プレイヤカードから選択決定されたカードである。
つまり、ボーナス配当の有無及びボーナス配当の内容は、プレイヤカードの構成(つまり、プレイヤカードにおける数字、スーツの態様)のみならず、余剰カード群の構成の影響を受ける。従って、サイドベットを行ったプレイヤがプレイヤカードを把握した時点(例えば、図7の時点)では、ボーナス対象カード群の構成を容易に把握することはできない。この結果、ボーナス配当の有無及びボーナス配当の内容を予測することが困難となるので、当該カードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法は、ボーナス配当に対するプレイヤの期待感やカードゲームに対するプレイヤの遊技意欲を向上させることができる。
又、「ボーナス配当が勝敗判定結果に関わらず付与されること」、「ボーナス配当の有無及びボーナス配当の内容をプレイヤカードから容易に把握できないこと」に鑑みれば、当該カードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法は、当該カードゲーム全体として、プレイヤに高額の賞に対する期待感を与え、プレイヤの遊技意欲を向上させる。
【0096】
又、本実施形態に係るカードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法では、第1カード群を余剰カード群から決定し、第2カード群をプレイヤハイハンドから決定する。
ここで、余剰カード群は、カードデッキを構成するカードの内、ディーラーカード及び各プレイヤカードの何れにも属さないカードである。つまり、余剰カード群は、パイゴーポーカーにおける勝敗に、何等影響を及ぼすことはないカードである。
この点、第1カード群を余剰カード群から決定するので、余剰カード群は、ボーナス配当の有無及びボーナス配当の内容に、大きな影響を及ぼすことになる。これにより、カードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法によれば、従来のパイゴーポーカーにおいて、利用されていなかった余剰カード群を有効に活用することができる。更に、カードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法は、余剰カード群を有効に利用することで、プレイヤの期待感及び遊技意欲を向上させることができる。
【0097】
そして、本実施形態に係るカードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法では、ボーナス対象カード群を特定する際に、プレイヤ以外の者又は装置(例えば、ゲームコントローラやディーラー等)により第2カード群を決定する。つまり、プレイヤが、第2カード群の決定に介在することはない。この結果、第2カード群の決定について、プレイヤに負担をかけることはない。又、第2カード群の決定にプレイヤが介在することはないので、プレイヤは、ボーナス対象カード群を完全に特定することはできない。この結果、当該カードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法は、ボーナス配当に対する期待感をプレイヤに与えることができ、もって、カードゲームに対する遊技意欲を向上させることができる。
【0098】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態においては、一のカードデッキからディーラーカードを決定すると共に、常に各ターミナル4に対するプレイヤカードを決定するように構成していたが、この態様に限定するものではない。即ち、常に6組のプレイヤカードを決定せず、ゲームに参加するプレイヤが着座したターミナルに対してのみ、プレイヤカードを決定するように構成することも可能である。
尚、この場合には、プレイヤカードとして決定されるカードが減少するため、余剰カード群を構成するカードは増加する。これにより、第1カード群として選択され得るカードの種類が増加するので、ボーナス対象カード群の構成態様を多様化することができる。即ち、或るゲームにおいて、プレイヤに付与し得るボーナス配当の内容を多様化することができる。
【0099】
又、本実施形態においては、第2カード群をプレイヤカードから選択するように構成していたが、「プレイヤハイハンド」のみから選択するように構成することも可能である。同様に、第2カード群の選択を「プレイヤローハンド」のみから選択するように構成することもできる。この場合、プレイヤカードより少ないカードから第2カード群を選択することになるため、当該カードゲーム機1及びカードゲームのプレイ方法は、第2カードの選択に係る負担を軽減できる。
更に、第2カード群をディーラーカードから選択するように構成することもできる。この場合においても、第2カード群の選択を「ディーラーローハンド」のみから行う態様や「ディーラーハイハンド」のみから行う態様とすることができる。
【0100】
又、本実施形態においては、ボーナス対象カード群を構成するカードの枚数を5枚としていたが、この態様に限定するものではない。即ち、ボーナス対象カード群を構成するカードの枚数は、2枚以上であれば、様々に変更することができる。
そして、本実施形態では、2枚のカードにより第1カード群を構成し、3枚のカードにより第2カード群を構成していたが、この態様に限定するものではなく、種々の態様を用いることができる。例えば、第1カード群を1枚のカードで構成し、第2カード群を4枚のカードで構成することも可能である。
又、余剰カード群を構成する4枚のカードを全てにより第1カード群を構成し、プレイヤカードから選択した1枚のカードを付加することで、ボーナス対象カード群を構成してもよい。
【0101】
更に、本実施形態においては、プレイヤカードからの第2カード群の決定をCPU41により実行するように構成しているが、この態様に限定するものではない。即ち、対象ターミナルのタッチパネル11を操作することで、プレイヤが第2カード群を構成するカードを選択するように構成することも可能である。
この場合において、プレイヤによる第2カード群の選択は、プレイヤカードを構成するカードの数字、スーツの開示前であっても良いし、開示後であっても良い。
【0102】
例えば、プレイヤカードを構成するカードの数字、スーツを開示する前に、プレイヤが第2カード群を選択するように構成した場合、第2カード群の選択時において、プレイヤは、各カードの数字、スーツを把握できない状態で、第2カード群を構成するカードを選択することになる。従って、第2カード群を構成するカードの選択結果を予測することができず、ひいては、ボーナス対象カード群における数字、スーツの態様も予想することはできない。このように構成した場合、プレイヤは、ボーナス配当の有無に対する緊迫感を味わうことができる。
【0103】
一方、プレイヤカードを構成するカードの数字、スーツを開示した後に、プレイヤが第2カード群を選択する場合、プレイヤは、各カードの数字、スーツを把握した状態で、第2カード群を構成するカードを選択することができる。つまり、プレイヤの意図がボーナス対象カード群の構成に一定の範囲で反映される。これにより、プレイヤカードの数字、スーツの開示後に、第2カード群の選択を可能とすることで、ボーナス対象カード群の選択に戦略性を付加することができる。
尚、この場合であっても、第1カード群の決定には、プレイヤが関与することはできないので、ボーナス配当に係る予測困難性は維持される。
【0104】
また、図15に示すように、本願発明に係るカードゲームのプレイ方法は、遊技テーブル201上でディーラー202とプレイヤ(図示せず)が行うパイゴーポーカー(所謂テーブルゲーム)に対しても適用することができる。
この場合のテーブルゲームにおいては、ディーラー202は、一組のカードデッキを用意し、遊技テーブル201上でディーラーと各プレイヤに対してそれぞれカードを配付する。これにより、カードゲーム機1と同様に、余剰カード群が特定される。一方、プレイヤは、チップを遊技テーブル201の所定箇所に置くことによってベットを行う。又、プレイヤは、同様の方法により、サイドベットを行うことができる。
パイゴーポーカーのゲームの進行については、カードの配付や分配をディーラーやプレイヤが直接行う点を除けば、カードゲーム機1におけるゲーム方法と同様である。
【0105】
その後、プレイヤがサイドベットを行った場合、ディーラーは、余剰カード群を構成するカードから2枚のカードを選択する。そして、ディーラーは、当該2枚のカードと、プレイヤカードを構成する3枚のカードと組み合わせた5枚のカードをボーナス対象カード群として特定する。その後、ディーラーは、ボーナス対象カード群における所定の役(即ち、図13に示すポーカー役)の成立を判断し、成立した役に応じたボーナス配当(チップ)をプレイヤに付与する。
この点、図15に示すテーブルゲームの場合であっても、ベット額の数%をポットにプールしておき、ボーナス対象カード群で「ロイヤルストレートフラッシュ」の役が成立している場合に、プレイヤにプール額を払い出すように構成することも可能である。
【0106】
更に、本願発明に係るカードゲーム機及びカードゲームのプレイ方法は、パイゴーポーカー以外にもブラックジャック(Blackjack)やドローポーカー(Draw Poker)等のその他の種類のポーカー(Poker)に代表されるカードゲームを行うカードゲーム機やカードゲームのプレイ方法に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本実施形態に係るカードゲーム機におけるゲーム概要を示す説明図である。
【図2】本実施形態に係るカードゲーム機の外観図である。
【図3】本実施形態に係るターミナルの外観図である。
【図4】本実施形態に係るカードゲーム機の制御系を示すブロック図である。
【図5】本実施形態に係るターミナルの制御系を示すブロック図である。
【図6】本実施形態に係るターミナルの液晶ディスプレイに表示されるゲーム画面の説明図(1)である。
【図7】本実施形態に係るターミナルの液晶ディスプレイに表示されるゲーム画面の説明図(2)である。
【図8】本実施形態に係る正面ディスプレイに表示されるメイン画面について示した図である。
【図9】本実施形態に係るカードゲーム機におけるゲーム処理プログラムのフローチャート(1)である。
【図10】本実施形態に係るカードゲーム機におけるゲーム処理プログラムのフローチャート(2)である。
【図11】本実施形態に係るカードゲーム機におけるゲーム処理プログラムのフローチャート(3)である。
【図12】ターミナルの液晶ディスプレイに表示されるボーナスゲーム画面の一表示態様を示す説明図である。
【図13】本実施形態に係るカードゲーム機のボーナス内容決定テーブルを模式的に示す説明図である。
【図14】ターミナルの液晶ディスプレイにボーナス対象カード群が表示された態様を示す説明図である。
【図15】本願発明をテーブルゲームに適用した例を示した模式図である。
【符号の説明】
【0108】
1 カードゲーム機
4 ターミナル
10 液晶ディスプレイ
11 タッチパネル
21 正面ディスプレイ
31 主制御部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 CPU
52 RAM
53 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数のカードで構成されるデッキに含まれるカードの内、複数のカードを表示するディスプレイと、
プレイヤからの入力情報を受け付ける操作部と、
プレイヤによる遊技価値のベットを受け付け、
前記ディスプレイに表示された複数のカードの内、プレイヤに対応付けられた複数枚のカードで構成されるプレイヤ手札と、ディーラーに対応付けられた複数枚のカードで構成されるディーラー手札を比較することで勝敗判定を行い、
前記勝敗判定の結果とプレイヤによりベットされた遊技価値に基づいて、第1の賞を付与すると共に、
プレイヤによる遊技価値のサイドベットを受け付け、
プレイヤによる遊技価値のサイドベットがなされた場合には、
前記デッキを構成するカードから、前記プレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いた余剰カード群を特定し、
前記余剰カード群から、所定枚数のカードで構成される第1カード群を決定し、
前記第1カード群と、前記プレイヤ手札に含まれる所定枚数のカードで構成される第2カード群と、を組み合わせた賞判定対象カード群を決定し、
前記賞判定対象カード群により所定の役が成立しているか否かを判定し、
前記賞判定対象カード群で役が成立している場合に、当該役に応じた第2の賞を付与するゲームコントローラと、を備えることを特徴とするカードゲーム機。
【請求項2】
所定数のカードで構成されるデッキに含まれるカードの内、複数のカードを表示するディスプレイと、
プレイヤからの入力情報を受け付ける複数の操作部と、
所定数のカードで構成されるプレイヤ手札を各操作部単位で夫々対応付けると共に、所定数のカードで構成されるディーラー手札をディーラーに対応付け、
プレイヤによる遊技価値のベットを受け付け、
遊技価値のベットがなされた操作部に係るプレイヤ手札と、前記ディーラー手札を比較することで、当該操作部に対する勝敗判定を行い、
前記勝敗判定の結果とベットされた遊技価値に基づいて、第1の賞を付与すると共に、
前記ベットがなされた操作部における遊技価値のサイドベットを受け付け、
遊技価値のサイドベットがなされた場合には、
前記デッキを構成するカードから、各操作部に対するプレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いた余剰カード群を特定し、
前記余剰カード群から所定枚数のカードで構成される第1カード群を決定し、
前記第1カード群と、当該操作部に係るプレイヤ手札に含まれる所定枚数のカードで構成される第2カード群と、を組み合わせた賞判定対象カード群を決定し、
前記賞判定対象カード群により所定の役が成立しているか否かを判定し、
前記賞判定対象カード群で役が成立している場合に、当該役に応じた第2の賞を付与するゲームコントローラと、を備えることを特徴とするカードゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のカードゲーム機であって、
前記ゲームコントローラは、
前記賞判定対象カード群を特定する際に、
前記プレイヤ手札を構成する複数のカードから所定枚数のカードを選択し、第2カード群を決定することを特徴とするカードゲーム機。
【請求項4】
プレイヤによる遊技価値のベットを受け付け、
所定数のカードで構成されるデッキから、複数枚のカードで構成されるプレイヤ手札をプレイヤに配布すると共に、複数枚のカードで構成されるディーラー手札をディーラーに配布し、
前記プレイヤ手札と、前記ディーラー手札を比較することで勝敗判定を行い、
前記勝敗判定の結果とプレイヤによりベットされた遊技価値に基づいて、第1の賞を付与すると共に、
プレイヤによる遊技価値のサイドベットを受け付け、
プレイヤによる遊技価値のサイドベットがなされた場合には、
前記デッキに含まれるカードから、前記プレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いた余剰カード群を特定し、
前記余剰カード群から所定枚数のカードで構成される第1カード群を決定し、
前記第1カード群と、前記プレイヤ手札に含まれる所定枚数のカードで構成される第2カード群と、を組み合わせた賞判定対象カード群を決定し、
前記賞判定対象カード群により所定の役が成立しているか否かを判定し、
前記賞判定対象カード群で役が成立している場合に、当該役に応じた第2の賞を付与することを特徴とするカードゲームのプレイ方法。
【請求項5】
プレイヤによる遊技価値のベットを受け付け、
所定数のカードで構成されるデッキから、複数枚のカードで構成されるプレイヤ手札を複数組生成し、遊技価値をベットしたプレイヤに一組のプレイヤ手札を配布すると共に、複数枚のカードで構成されるディーラー手札をディーラーに配布し、
遊技価値をベットしたプレイヤに係るプレイヤ手札と、前記ディーラー手札を比較することで、当該プレイヤに対する勝敗判定を行い、
前記勝敗判定の結果とベットされた遊技価値に基づいて、第1の賞を付与すると共に、
前記ベットしたプレイヤによる遊技価値のサイドベットを受け付け、
遊技価値のサイドベットがなされた場合には、
前記デッキに含まれるカードから、複数組分のプレイヤ手札及び前記ディーラー手札を除いた余剰カード群を特定し、
前記余剰カード群から所定枚数のカードで構成される第1カード群を決定し、
前記第1カード群と、当該プレイヤに係るプレイヤ手札に含まれる所定枚数のカードで構成される第2カード群と、を組み合わせた賞判定対象カード群を決定し、
前記賞判定対象カード群により所定の役が成立しているか否かを判定し、
前記賞判定対象カード群で役が成立している場合に、当該役に応じた第2の賞を付与することを特徴とするカードゲームのプレイ方法。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のカードゲームのプレイ方法であって、
前記ディーラーは、
前記賞判定対象カード群を特定する際に、
前記プレイヤ手札を構成する複数のカードから所定枚数のカードを選択し、第2カード群を決定することを特徴とするカードゲームのプレイ方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate