説明

サウナ用着衣

【課題】
本発明は、サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部にまとうことにより、発汗を促進するサウナ用着衣を提供することを目的とするものであり、更に詳しくは、非常に衛生的で取り扱い性に優れ、しかも使用の際における安全性にも考慮した新規なサウナ用着衣を提供することを目的とする。
【解決手段】
サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部にまとい、発汗を促進するための着衣であって、該着衣は、難吸水性の布地で形成されてなることを特徴とするサウナ用着衣。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部にまとい、発汗を促進するためのサウナ用着衣に関する。
【背景技術】
【0002】
体を温め、発汗を促すことにより、血行促進及び新陳代謝が高まり、免疫力が向上したり、疲労回復に役立ったりすることが明らかになっており、このため、サウナ入浴による健康の維持促進が注目されてきている。
【0003】
しかしながら、サウナにおいて充分な発汗を得るには、少なくとも10分〜15分程度の入浴時間が必要であり、又、免疫力向上などの効果をより一層高めるためには、サウナ入浴と冷水浴若しくは冷水シャワーを交互に数回行う必要があり、これより、サウナ入浴による健康の維持促進は非常に時間を要するものであった。
【0004】
韓国式サウナの一種である汗蒸幕(ハンジュンマク)においては、ムシロ(筵)のようなシート状のものを被って入浴することにより発汗作用を促進しているが、該ムシロは水分を吸収しやすく、汗などの体液や水分を含んだままで放置しておくと、カビや雑菌が繁殖し易く、非常に不衛生な状態になるため、使用後の速やかな洗浄、乾燥、衛生管理などの頓雑な作業が必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水分を吸収したムシロは、乾燥するまでに非常に時間がかかり、又、一旦繁殖したカビや雑菌を完全に除去することは非常に困難であり、数回程度の短期間の使用で廃棄処分せざるを得ない場合が多い。
【0006】
又、簡単且つ安価な方法で、遠赤外線サウナの遠赤外線効果を更に強め、入浴者の体皮膚に遠赤外線を接触又は体表近距離から当てて温熱効果を向上させるとともに、入浴者の健康増進及び美肌効果を向上すべく、トルマリンの微粉末を混入した水溶性糊を生地に塗りつけることを特徴とする遠赤外線サウナ用着衣が提案されている(例えば、特許文献1。)。
【0007】
【特許文献1】特開平11−200111号公報
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明は、水溶性の糊としてコンニャク糊や海草から作った糊を使用するものであり、該水溶性の糊には雑菌やカビが繁殖し易く、明らかに衛生面を考慮したものではなかった。
【0009】
そこで、本発明者は、このような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部にまとい、発汗を促進するための着衣であって、該着衣は、難吸水性の布地で形成されてなることを特徴とする本発明のサウナ用着衣を完成するに至ったのである。
【0010】
即ち、本発明者は、サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部に着衣をまとえば、該着衣による保温効果が生じ、短時間で、著しい発汗が生じる点に着目し、特に、この着衣につき、難吸水性の布地で形成すれば、汗などの体液や水分が染み込み難く、又、垢などの老廃物が付着しても、流水などによる簡単な水洗いで簡単に洗い落とすことができる上、洗浄後は、速やかに乾燥し、カビや雑菌などが繁殖し難い非常に衛生的なものになるとの知見を得たのである。
【0011】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、非常に衛生的で取り扱い性に優れ、サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部にまとうことにより、発汗を促進する新規なサウナ用着衣を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決する手段である本発明のサウナ用着衣は、サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部にまとい、発汗を促進するための着衣であって、該着衣は、難吸水性の布地で形成されてなることを特徴とする。
以下、本発明のサウナ用着衣について詳細に説明する。
【0013】
本発明のサウナ用着衣は、サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部に着衣をまとい、該着衣による保温効果を利用することにより、発汗を促進するものである。
【0014】
そして、本発明のサウナ用着衣においては、特に、難吸水性の布地で形成しているから、汗などの体液や水分が染み込み難く、又、垢などの老廃物が付着しても、流水などによる簡単な水洗いで簡単に洗い落とすことができる上、洗浄後は、速やかに乾燥し、カビや雑菌などが繁殖し難い非常に衛生的なものになるのである。
【0015】
本発明において、難吸水性の布地とは、サウナ用着衣としての使用中に汗や水分を殆んど吸収・膨潤せず、風乾するだけでも速やかに乾燥する性質を有する布地のことをいい、更に詳しくは、水中に一定時間(1時間程度)浸漬しても、水分の吸収による自重の変化(重量変化)が殆んど無い(0〜+10%程度、好ましくは0〜+5%程度、更に好ましくは0〜+3%程度)布地のことをいい、合成樹脂性シートや、布基材に非吸水性材料の被膜をコーティングしたもの、又は、非吸水性繊維からなる織物などが一般的に用いられる。
【0016】
前記合成樹脂性シートは、薄く、柔軟で、しかも安価である点において優れ、具体的に例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール等を延伸などの手段を用いてフィルム状ないしシート状に加工したもの挙げることができるが、合成樹脂性シートは、一旦、傷や折り目がつくと、その位置から裂け易くなり、繰り返し使用の観点からは好ましくない。
【0017】
そこで、本発明のサウナ用着衣においては、布基材に非吸水性材料の被膜をコーティングしたもの、又は、非吸水性繊維からなる織物を前記難吸水性の布地として用いることが好ましい。
【0018】
具体的には、前記布基材に非吸水性材料の被膜をコーティングしたものとしては、織物、編物、レース、タオル、不織布などの天然繊維及び/又は人造繊維からなる布基材に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール等の熱可塑性樹脂をコーティングしたものやアルミニウムなどの金属を蒸着などの手段によりコーティングしたものを挙げることができる。
【0019】
又、非吸水性繊維からなる織物としては、ナイロンに代表されるポリアミド系繊維、テトロン、テリレン及びデークロン等のポリエステル系繊維、オーロン、エクスラン、ボンネルカシミロン及びカネカロン等のポリアクリル系繊維、その他、ビニロン等のポリビニルアルコール系繊維やバイレン等のポリプロピレン系繊維などの人造繊維(合成繊維)を適宜選択して紡糸し、これを織機により薄い織物状に形成したものを挙げることができる。
【0020】
なお、前記難吸水性の布地の厚さとしては、薄く、柔軟であれば特に限定されるものではないが、概ね6〜100μm程度が一般的である。
【0021】
そして、本発明のサウナ用着衣においては、更に、布地における難吸水性を向上するために、更に、防水性ないし撥水性を付与することが好ましい。
【0022】
特に、非吸水性繊維からなる織物については、多少の水分が織物中の網目構造に保持されることがあるため、更に、防水性ないし撥水性を付与することが好ましい。
【0023】
ここで、防水性の付与とは、布地に対して水分が浸透することを防ぐための処理を行うことをいい、一方、撥水性の付与とは、布地表面に接触した水分が速やかにはじかれるような処理を行うことをいう。
【0024】
本発明において、布地に対し、防水性ないし撥水性を付与する手段としては、公知の手段を適宜採用することができ、特に限定されるものではないが、具体的に例えば、布地の表面層に防水剤ないし撥水剤を浸漬、塗布、スプレーなどの手段を用いて塗工する方法などを挙げることができる。
【0025】
又、この際用いられる前記防水剤ないし撥水剤の例としては、ワックス系、合成樹脂系、アクリル系、パラフィン系、フッソ系、シリコーン系などを挙げることができ、これらは、使用に際して、単独もしくは2種以上混合して用いてもよく、又、他の塗工薬品を混合して用いてもよいのである。
【0026】
本発明のサウナ用着衣は、難吸水性の布地で形成されたものであれば、その形状としては特に限定されるものではなく、通常の着衣として認識されているもの、例えば、本体に襟刳り及び二本の袖が設けられた洋服のような形状のものに留まらず、単に体の適宜箇所に巻きつけて使用する一枚布のようなものも含まれるのである。
【0027】
しかしながら、洋服のような形状のものや単に体の適宜箇所に巻きつけて使用する一枚布のような、あまりにも体に密着するような形状のサウナ用着衣は、汗などの水分を介してべったりと体にへばりつくため使用感が悪くなる。
【0028】
又、サウナ入浴後に、冷水浴若しくは冷水シャワーを浴びる際などにおいては、べったりと体にへばりついたサウナ用着衣を速やかに脱ぐことが困難となる。
【0029】
更に、体とサウナ用着衣の間にある程度の空間が生じないと、保温効果が小さくなる。
【0030】
そこで、本発明のサウナ用着衣においては、該着衣の形状として、一部に開放部を有する袋状とし、更に、前記開放部に相対する位置に襟刳りを設けたものを採用することが好ましい。
【0031】
即ち、一部に開放部を有する袋状で、前記開放部に相対する位置に襟刳りが設けられたサウナ用着衣は、着た際に、前記開放部が比較的余裕のある裾周りとなるため、体とサウナ用着衣の間にある程度の空間が常に得られ、良好な保温効果が得られる上、着脱が容易になり、使用感も向上するのである。
【0032】
この点につき、本発明のサウナ用着衣において更に好ましい袋状の形状としては、寸胴ないしは開放部に向かう末広がり状のものが挙げられる。
【0033】
なお、袋状といっても、本発明のサウナ用着衣に対して、切れ目や穴などを入れることを妨げるものではなく、例えば、該サウナ用着衣に対して、保温性を調節するための通気穴や切り返しなどを設けたり、襟刳りや後述する袖口(脇下)に切り込みを設けてその開放状態を調節できるようにしたり、或いは、該サウナ用着衣の前身頃や後見頃が適宜開く、いわゆる前開きや後開きにして着脱を容易にしたりすることは任意であることは言うまでもない。
【0034】
又、サウナ用着衣に対して適宜設ける前記切れ目や穴及び前記開放部などは、面状ファスナーやファスナー、ホック、ボタン、ひもなどを介して開けたり閉めたり、その開き加減を適宜調節したりできるように構成することが好ましい。
【0035】
更に、本発明のサウナ用着衣においては、前記襟刳りを挟む二つの袖口(腕を出すための穴)を形成することが好ましい。
【0036】
これは、サウナのような床が濡れている場所は、滑ったり転んだりし易く、サウナ用着衣内に腕が拘束されている状態は、咄嗟に手が出ないため、非常に危険だからである。
【0037】
そこで、本発明のサウナ用着衣においては、前記襟刳りを挟む位置に二つの袖口を形成することにより、サウナ用着衣から常に腕を出せる状態とし、安全性を向上することが好ましいのである。
【0038】
なお、本発明のサウナ用着衣においては、前記袖口に対し適宜袖を設けることも可能であるが、細長い袖は、汗などの水分を介してべったりと腕にへばりつくため使用感が悪くなり、又、速やかな着脱が困難となる。
【0039】
そこで、本発明のサウナ用着衣においては、袖口がそのまま開放された状態、即ち、袖を設けない方がむしろ好ましいのであり、仮に袖を設ける場合にあっては、半袖程度の長さで、袖周りが広いものとすることが好ましいのである。
【0040】
ところで、本発明のサウナ用着衣は、使用後に洗浄、乾燥した後に、折り畳んで保管することが一般的な取扱となる。
【0041】
そこで、本発明のサウナ用着衣においては、簡単に折り畳めて、かさばらない形状とすべく、着衣を偏平袋状とすることが好ましい。
【0042】
ここで、偏平袋状とは、二枚のほぼ同型のシートを重ねあわせ、その周囲を綴じたような形状の袋状のもののことをいい、折り畳んでもかさばらないため、保管・運搬に適するのである。
【0043】
なお、前記偏平袋状の正面視の形状については、三角形、丸型、楕円型など、特に限定されるものではないが、特に、正面視、正方形、長方形、台形等の略四角形のものがより一層折り畳み易いため好ましい。
【0044】
又、サウナ用着衣を正面視略四角形状の偏平袋状とする場合においては、その横幅を、70〜130cm程度とすることが一般的であり、この程度の幅にすれば、開放部が比較的余裕のある裾周りとなり、体とサウナ用着衣の間にある程度の空間が常に得られ、良好な保温効果が得られる上、着脱が容易になり、使用感も向上するので好ましい。
【0045】
又、本発明のサウナ用着衣は、身体の上半身部を覆うものとすることが好ましい。
【0046】
この理由は、サウナ用着衣に脚部が覆われている状態で発汗が進むと、脚部とサウナ用着衣が汗などの水分を介してべったりとへばりつき、歩行動作を制限し、転倒する危険性があるからである。
【0047】
そこで、本発明のサウナ用着衣においては、安全性確保の観点から、身体の上半身部を覆うものとすることが好ましいのであり、本発明において、この「身体の上半身部を覆う」とは、「脚部を露出する」の意味であり、一般的には、サウナ用着衣を着た際に、裾の最下端が膝小僧から5cm程度上となるようにその長さを決定することが好ましく、更に、裾の最下端が臀部ないし腰部あたりとなるように決定することが好ましい。
【0048】
なお、使用者の性別や年齢の違いに応じて、サウナ用着衣の大きさを適宜決定することは当然であり、又、サウナを利用する者が殆んど成人であることを鑑みて、通常の体格(身長150〜180cm程度)の者が着用すれば、サウナ用着衣の裾の最下端が、だいたい上述のあたりとなるように、その長さを60〜90cm程度にして、いわゆるフリーサイズのサウナ用着衣として設定することも可能である。
【0049】
ところで、前述のように、本発明のサウナ用着衣の形状を、一部に開放部を有する袋状で、しかも前記開放部に相対する位置に襟刳りが設けられたものとすると、体とサウナ用着衣の間にある程度の空間が常に得られ、使用感が向上するのであるが、このような形状としても、特に、首から胸及び/又は首から背中にかけてのベタツキがどうしても生じる。
【0050】
そこで、本発明のサウナ用着衣においては、より一層使用感を向上させるために、吸水性の布地からなるインナーを組合せて使用することが好ましい。
【0051】
この吸水性の布地からなるインナーとしては、主として首から胸及び/又は首から背中にかけての汗を好適に吸い取り、体とサウナ用着衣とのベタツキ感を軽減するものであれば、その形状や素材としては特に限定されるものではなく、具体的に例えば、タオル地や不織布、織布などの吸水性の布地で形成された、エプロン、前掛け、或いはゼッケン状のものを挙げることができる。
【0052】
そして、本発明において前記インナーは、通常、サウナ用着衣と体の間に介在させて使用される。
【0053】
なお、この吸水性の布地からなるインナーは、本発明のサウナ用着衣と組み合わせて使用するものであり、本発明のサウナ用着衣にインナーを縫合などの手段により固定しても良いのであるが、サウナ用着衣にインナーを組み合わせて使用するかしないかは、使用者が適宜決定するところであり、又、吸水性の布地からなるインナーが固定されている状態のサウナ用着衣にあっては、迅速な洗浄、乾燥が困難となる。
【0054】
そのため、本発明においては、サウナ用着衣とインナーとを別部材として構成することが好ましく、所望によりサウナ用着衣にインナーを固定して取り付ける必要がある場合にあっては、面状ファスナーやファスナー、ホック、ボタン、ひもなどを介して適宜取り外せるように構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0055】
本発明は、前記構成を有し、サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部に着衣をまとい、該着衣による保温効果を利用することにより、発汗を促進する新規なサウナ用着衣である。
【0056】
そして、本発明のサウナ用着衣においては、特に、難吸水性の布地で形成しているから、汗などの体液や水分が染み込み難く、又、垢などの老廃物が付着しても、流水などによる簡単な水洗いで簡単に洗い落とすことができる上、洗浄後は、速やかに乾燥し、カビや雑菌などが繁殖し難い非常に衛生的なものになるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0058】
図1は、実施例1に係る本発明のサウナ用着衣1を示す正面図である。
【0059】
このサウナ用着衣1は、一辺に開放部11を有する、正面視略四角形状の偏平袋状(横幅115cm、長さ80cm)であり、前記開放部11に相対する位置に、襟刳り12が設けられるとともに、該襟刳り12を挟んで二つの袖口13(13a、13b)が形成されてなるものである。
【0060】
特に、このサウナ用着衣1は、難吸水性の布地で形成されてなり、本実施例においては、この難吸水性の布地として、非吸水性繊維であるナイロン繊維を紡糸し、これを織機にて織物として形成したものを用いた。
【0061】
なお、図2は、実施例1に係るサウナ用着衣1を着用している状態を示す図であり、使用者は、襟刳り12から首を出し、両方の袖口13から両腕を出した状態で着衣することになり、両手が自由に使えることから、不意に転倒した場合にも、咄嗟に手をつくことができるのである。
【0062】
又、サウナ用着衣の裾(開放部11)は、使用者の臀部辺りを覆う程度の長さとなっており、このため、歩行動作にほとんど制限を与えることがないのである。
【実施例2】
【0063】
難吸水性の布地として、綿織物の布地に、ポリエチレン樹脂をコーティングしたものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る本発明のサウナ用着衣を得た。
【実施例3】
【0064】
布地の裏面及び表面に対し、シリコーン系の防水剤をまんべんなくスプレー塗工したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る本発明のサウナ用着衣を得た。
【実施例4】
【0065】
図3は、本発明のサウナ用着衣1と組み合わせて使用されるインナー2であり、本実施例においては、前記実施例1で示したサウナ用着衣と組み合わせて用いた。
【0066】
このインナー5は、略長方形の吸水性の布地(綿織物)を2枚つなげてその中心に襟刳22を設けたゼッケン状の形状を有するものである。
【0067】
なお、図4は、実施例4に係るサウナ用着衣1をインナー2と共に着用している状態を、サウナ用着衣1を透過状態にして図示したものである。
【比較例】
【0068】
布地として綿織物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例に係るサウナ用着衣を得た。
【0069】
<比較試験>
成人男性及び女性30人を無作為に5人ずつ6つのグループ(A〜F)に分け、グループAには実施例1に係るサウナ用着衣、グループBには実施例2に係るサウナ用着衣、グループCには実施例3に係るサウナ用着衣、グループDには実施例4に係るサウナ用着衣(インナーと共に着衣)、グループEには比較例に係るサウナ用着衣を着てもらいサウナに入浴してもらった。
【0070】
なお、グループFにあっては、何も着用しないままサウナに入浴してもらった。
【0071】
サウナ入浴3分経過後には、サウナ用着衣をまとったグループA〜Eのすべての者において著しい発汗が確認されたが、何も着用しないままサウナに入浴したグループFにあっては、サウナ入浴5分経過した後にも僅かな発汗しか認められなかった。
【0072】
これより、サウナ用着衣による発汗促進作用が認められた。
【0073】
又、インナーと共にサウナ用着衣を着てサウナに入浴したグループDにあっては、首から胸及び首から背中にかけての汗が良好に吸収され、非常に使用感が良かったことが認められた。
【0074】
又、試験終了後、当該試験に供したサウナ用着衣(実施例4のものを除く。)を水洗し、天日乾燥(天候晴れ、気温25度、湿度50%程度)させたところ、実施例1〜3に係るサウナ用着衣については、実施例3→実施例2→実施例1の順で、それぞれ10分以内ですべて完全に乾燥したが、比較例に係るサウナ用着衣については、30分経過した後も湿ったままの状態であった。
【0075】
これより、本発明のサウナ用着衣の洗浄、乾燥作業の簡便さ、即ち、取扱性の簡便さが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、実施例に係る本発明のサウナ用着衣を示す模式図である。
【図2】図2は、その使用状態を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明のサウナ用着衣に組み合わせて使用されるインナーを示す模式図である。
【図4】図4は、その使用状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0077】
1 サウナ用着衣
2 インナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウナ入浴の際に少なくとも身体の一部にまとい、発汗を促進するための着衣であって、該着衣は、難吸水性の布地で形成されてなることを特徴とするサウナ用着衣。
【請求項2】
難吸水性の布地が、布基材に非吸水性材料の被膜をコーティングしたものである請求項1に記載のサウナ用着衣。
【請求項3】
難吸水性の布地が、非吸水性繊維からなる織物である請求項1に記載のサウナ用着衣。
【請求項4】
布地には、更に、防水性ないし撥水性が付与されてなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のサウナ用着衣。
【請求項5】
着衣が一部に開放部を有する袋状であり、前記開放部に相対する位置に、襟刳りが設けられてなる請求項1ないし4のいずれか1項に記載のサウナ用着衣。
【請求項6】
更に、該襟刳りを挟んで二つの袖口が形成されてなる請求項5に記載のサウナ用着衣。
【請求項7】
着衣が偏平袋状である請求項5又は6に記載のサウナ用着衣。
【請求項8】
着衣が身体の上半身部を覆うものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載のサウナ用着衣。
【請求項9】
吸水性の布地からなるインナーが組み合わされてなる請求項1ないし8のいずれか1項に記載のサウナ用着衣。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−342468(P2006−342468A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170394(P2005−170394)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(504122538)株式会社エルマック (2)
【Fターム(参考)】