説明

サウナ

【課題】低温,高湿雰囲気のサウナを実現する。
【解決手段】サウナ室8に負イオン発生装置を接続したサウナである。負イオン発生装置7は、1000個/cc以上の水分子付加負イオンを含む空気をサウナ室内に供給するものであり、水分子付加負イオンは、液滴が高エネルギーを得て水滴表面で双極子が配向する際に、空気側の界面に存在する酸素分子をイオン化し、O・(HO)nで表示される負イオン分子群であり、1000個/cc以上の水分子付加負イオンを含む空気は、サウナ室8内に、前記水分子付加負イオンを含む空気の温度30℃〜50℃、湿度70%以上の低温、高湿雰囲気を形成して発汗をうながす作用を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理療法に用いられるサウナいわゆるサウナ風呂に関する。
【背景技術】
【0002】
サウナ室は、木製,台はえぞ松またはポプラで作られている。正式には、薪の火でサウナ石を焼き、その熱せられた石に少量の水をかけ、その蒸気でサウナ室内の温湿度が調整されるが、電熱で石を焼く簡易法がとられることもある。
【0003】
サウナは、室内の空気を高温度に加熱するものであり、蒸気浴における水の粒子を極端に少なくしたものであるということができ、湿度をもっている粒子がきわめて少ないために室内が100〜110℃であっても耐えることができる。通常サウナは、高温(100〜110℃),低湿(10%以下)で用いられることからドライサウナと呼ばれ、サウナ浴は、5〜15分程度が適正であるといわれている。
しかしながら、ドライサウナのサウナ室内は、高温,低湿であるため、人によっては鼻穴内部の水分が蒸発して熱気を感じ、気分が悪くなることがある。これを防止するために濡れタオルを使用すると火傷の危険があり、ミストを発生させて室内の湿度を高めたときには、サウナ本来の機能を発揮することができない。
【0004】
一方、ミストサウナとして温水のシャワーや、スチームサウナとして超音波加湿器を用いてミストを発生させるサウナが知られているが、単なる温水のシャワーはもちろんのこと、超音波加湿器を用いて発生させたミストによって形成された雰囲気では湿った不快感を感じるという問題がある。

【特許文献1】特公平3−49468号公報(第2頁第4欄第1行目〜第7行目)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、高温,低湿のドライサウナでは息苦しく、単なる温水のシャワーに過ぎないミストサウナでは、サウナ室内は、高温,低湿であるため、人によっては鼻穴内部の水分が蒸発して熱気を感じ、気分が悪くなることがあり、超音波加湿器で発生させたミストを含むスチームサウナでは、湿った感じによる不快感を感じるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるサウナにおいては、ドライサウナ及びミストサウナの有する上記欠点を解消して室内を低温,高湿雰囲気内で発汗をうながし、快適なサウナ浴を可能とした点を最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、サウナ室内は、常時活性化された負イオン含有空気で満たされて、体温を若干上廻る程度の低温で十分発汗が可能となり、皮膚に対する刺激が少なく、肌や毛髪を痛めることがなく、臓器に負担をかけることもない。また、多量の負イオンを含む空気は、人間の健康面,精神面でのプラス効果があり、また、バクテリヤ,塵埃,臭気を除去する作用を有しているために、サウナ室内の空間を清浄に保つことができる。
【0008】
本発明によれば、特に室内温度を体温より少し低い温度で用いれば、長時間入室していることも可能となり、負イオンを含む清浄な雰囲気中でリラクゼーションを楽しむことができる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
空気イオンが人体の健康に大きく影響することは古くから知られている。空気イオンは、地殻の放射性物質による電離,大気圏からの宇宙線,紫外線,熱による気体の酸化,雷の放電による電離作用によって発生し、また、空気中で水滴が分裂するときに付近の空気が電離されて発生する。このように降水の際や滝の付近で起る水滴分裂に伴う帯電現象は、レナード効果あるいは滝効果といわれるものであり、空気中に発生したイオンは、水滴の電荷の如何にかかわらず、負イオンである(気象電気学 畠山 久尚,川野 實著 岩波書店 p27参照)。
【0010】
空気の電離によって生ずる正イオンと負イオンとの人体の影響に関し、一般に、正イオンは神経を興奮させ、負イオンは神経を鎮静させるといわれ、このため、滝,河川,海岸などでは空気中で発生した負イオンが気分を壮快にするものと考えられている。
【0011】
最近の研究では、負イオンには、除塵埃効果,除菌効果,脱臭及びガス成分除去効果,調湿効果,帯電防止効果があり、動植物の成育にも好影響を及ぼすことがわかり、にわかに負イオンに注目されるようになってきた。
【0012】
空気イオンの働きについては、週刊医療界レポート No.1007 別刷P4(株)医療タイムス社に詳しい報告がある。これを表1に示す。
【0013】
【表1】

【0014】
本発明においては、機能的にイオン解離機構によって行うイオン解離処理と、液滴の活性化及び気体分子のイオン化機構によって行う液滴の活性化処理及び気体分子のイオン化処理と、気液分離機構によって行う気液分離処理とを順に実行することによって、負イオンを発生させるのであるが、各々の処理は、必ずしも明確に区別しうるものではない。以下に各処理についての技術的意味を説明する。
【0015】
(1)イオン解離処理
イオン解離処理は、要するに水を解離する処理である。液体(水)に高エネルギーを与えると、水(HO)は、HO→H+(OH)のように電離して図1のように液体内には、電荷の二重層が形成され、空気に接する液体表面には、配向双極子が負イオンを外側に向けて配列するようになり、液面近くに負イオンがより多く引き付けられる。ここに何らかの方法で液体が機械的に小さな水滴に分裂させられると、その水滴の正味の電荷は負となり、正イオンの方は、大きな粒子となって液中に残され、あるいは接地を通して中和されることになる(静電気ハンドブック,P104.静電気学会編,オーム社参照)。
【0016】
イオン解離処理としての高エネルギーは、機械的,電気的,電磁気的,光学的あるいは、放射線照射によって付与できる。水滴の分裂は、機械的なイオン解離処理であるが、分裂に先立って予めイオン解離処理を行えば、水分子付加負イオンの発生量を2〜5倍高めることができる。
【0017】
(2)液滴の活性化処理
液滴の活性化処理は、イオン解離された液体粒子に高エネルギーを付与して加速する処理である。液体粒子には、高エネルギーが付与されるため、イオン解離が一層促進され、分裂が進み、高速で空気力輸送され、液滴の界面が活性化される。
【0018】
本発明においては、液滴の加速に高速気流を用い、遠心力とコリオリ力とを作用させ、短い距離で短時間に界面を活性化している。液滴の粒子に遠心力を作用させる方法は、液滴粒子を旋回運動させることである。コリオリ力は、回転座標系で運動物体に働く見かけの力の一つである。回転の角速度をω,質点の質量と速度をmとvとすると、コリオリ力は、2m×ω×vで与えられる。地球の自転によるコリオリ力は、北半球と南半球とでは逆向きに働き、北半球では進行方向に対し右向きになるため、液滴の旋回に際しては、コリオリ力が地球自転の角速度ベクトル向方向に働くように旋回の向きを設定する。コリオリ力を有効に作用させることにより、雨滴が数百メートル落下するときのエネルギーを数cmの距離で得ることができる。
【0019】
界面の活性化とは、水の持つ双極子モーメントにより、双極子を配向させて双極子二重層を形成し、負イオンを外側に向けて配列する際に負電荷を放出させることである。
【0020】
限りなく微粒子化した液滴中のH:OHは、ファンデルワールス力で互いに引き合っているが、強力な遠心力(mrω2)とコリオリ力(2mvω)を受け、HとOHとは、その質量差(H=1,OH=17)によりOHが外側に向けて配向しやすくなり、双極子が配向する際に負電荷を放出する。
【0021】
(3)気体分子のイオン化処理
気体分子のイオン化処理は、液滴の活性化処理後、必然的に行われる処理である。
【0022】
液滴が高エネルギーを得て運動をする間に限りなく微小化され、水滴表面で双極子が配向をする際に、気体(空気)側の界面に存在する酸素(O)分子をイオン化し、O・(HO)nで表示されるマイナス(負)イオン分子群となる(静電気ハンドブック前出 P317参照)。このマイナス(負)イオン分子群は、水分子付加負イオンと呼ばれるものである。水滴は、結果的に分裂の際に発生したイオンと等量の正電荷を得ることになる(気象電気学 前出 P27参照)。
【0023】
(4)気液分離処理
気液分離処理は、水分子付加負イオンを含む空気を液滴から分離する処理である。気液分離は、正,負イオンの再結合が生ずる前に迅速に行う必要がある。もっとも、液滴の粒子は、強力な遠心力作用を受けながら旋回する間に実質的に遠心力分離されるが、さらにサイクロンセパレータを通して液滴を分離し、水分子付加負イオンを含む空気をサウナ室内中へ送風する。
【0024】
液滴中に残された正イオンは、必要により任意に取出すことができるが、不要のときには、液槽中に戻して接地により中和する。
【0025】
上記処理によって得られた水分子付加負イオンを含む空気と超音波加湿器から発生させたミストを含む空気とを用いて、それぞれ常温で湿度80%以上の雰囲気を形成したところ、超音波加湿器を用いた空気によって形成された雰囲気では湿った感じを生ずるが、上記負イオン発生装置を用いた空気によって形成された雰囲気では乾いた感じがあり、両者の感じ方にきわだった差があることがわかった。
【0026】
この感じ方の差の原因としては、超音波加湿器から発生させた水滴は、大きさが平均粒子径として5〜10μmを比較的大きな水滴であるのに対して、負イオン発生装置から発生させた水滴は、平均粒子径が0.5μm以下であって0.1μm以下水滴が多量に占めており、これは、超微細水滴か又は分子群であると推定される。
【0027】
一方、高温,低湿の一般的なドライサウナのサウナ室内の雰囲気では負イオンがほとんど検出されず、正イオンが平均で1,000個/cc以上検出された。通常の大気では、正,負イオン共100個/cc程度である。本発明においては、負イオン発生装置からは、多量の負イオンが発生しており、サウナ室内に、10,000〜100,000個/ccの負イオンが検出された。負イオンの数は多量であるほど望ましいが、最低1,000個/cc以上の負イオンを含む空気の雰囲気を維持することによって所期の効果が得られることが確認された。1,000個/cc以上の負イオンを含む空気の雰囲気は、人工的に負イオンを発生させないかぎり維持できない。
【0028】
負イオンをサウナ室内の雰囲気中に充満させることにより、人の血管が拡張されて発汗が容易となり、サウナ室内を必ずしも100℃以上の高温に保つ必要はなくなる。したがって、従来のサウナとは逆に低温,高湿のサウナを実現できる。
【0029】
また、サウナは、高血圧や、心臓病の人に対しては、蒸気浴よりも害が少ないとは言われているが、負イオンが充満されていると、心臓が働きやすくなり、脈搏が減少傾向になるため、危険性は減少し、呼吸は楽になって息苦しさを感じさせない。
【0030】
以下に本発明の実施例を図によって説明する。
【0031】
(実施例1)
図2において、本発明は、サウナ室8外に負イオン発生装置を付設したものである。サウナ室8内には、サウナストーブ1が設置されている。負イオン発生装置は、これを大別して遠心力・コリオリ力発生装置2と、気液分離装置4との組合せからなるものである。
【0032】
遠心力・コリオリ力発生装置2は、吸気口5,吸液口6,排気口7を有し、吸気口5に高速気流発生装置3が接続されて外気が吹込まれ、排気口7に気液分離装置4が接続されて液体が分離された空気がその出力口より送気される。吸液口6には、ポンプ10を介してタンク9が接続され、タンク9内の液体が供給される。実施例においては、気液分離装置4の出力管路及び高速気流発生装置3の入力管路をサウナ室8に開口して循環系を形成している。また、実施例では、負イオン発生装置は、サウナ室外に設置し、管路11,12をもってサウナ室8に接続しているが、あるいは、イオン発生装置をサウナ室8内に設置して気液分離装置4の送気口及び高速気流発生装置3の吸気口をサウナ室8に開口して室内設置型としても使用できる。
【0033】
遠心力・コリオリ力発生装置2は、イオン解離処理と液滴の活性化処理と、気体分子のイオン化処理とを行う機構であり、実施例では横型の空気力輸送管13内に、スパイラル状のガイド14を軸心に沿って配設し、軸心上に、ノズル配管15を設け、下周面に水槽16を付設したものである。
【0034】
タンク9内の水は、ポンプ10で水槽16内に汲み上げられ、水槽16内の水は、ポンプ17で汲み上げてノズル配管15に送水される。タンク9は、ヒーター19を装備しており、供給水を必要な温度に加温している。
【0035】
ガイド14は、空気力輸送管13内で気流を誘導してスパイラル状に旋回させるものである。ノズル配管15は、空気力輸送管13の軸心にあって、その周囲を気体が旋回運動をすることになるため、ガイド14は、必ずしも必要ではないが、実施例においては、ガイド14を用いてコリオリ力が地球自転の角速度ベクトル方向を向くように気流の旋回方向の向きを規定している。もっとも、高速気流発生装置3からの気体の送気方向を空気力輸送管13内の内周に対し、接線方向に設定すれば、気流の旋回方向は右回り,左回りの旋回流に自ずから設定される。
【0036】
ノズル配管15には、その軸心に沿って周面要所にノズル18が開口され、ノズル18は、水槽16より供給された液体を空気力輸送管13内に噴出する。実施例では、ノズル18がイオン解離機構である。水は、ノズル18から高圧で噴出され、エネルギーを得てイオン化される。もっとも、予めイオン解離処理を施した水を空気力輸送管13内に供給すれば、一層イオン解離が促進される。
【0037】
高速気流発生装置3は、送風用のファンである。実施例においては、サウナ室8内の空気を吸引し、空気力輸送管13内に吸気口5を通して送風する。
【0038】
気液分離装置4は、実施例ではサイクロンセパレータを用いている。サイクロンセパレータは、空気力輸送管13の排気口7から排出される微細な水滴を含む気流に一定以上の風速,風圧が得られる限り気液の遠心力分離に有効である。気液分離された空気は、管路11を通ってサウナ室8内に導入される。
【0039】
実施例において、高速気流発生装置3を起動し、水槽16内の水をポンプ17で汲み上げ、ノズル配管15の各ノズル18より空気力輸送管13内に生じた強力な気流の旋回流中に噴出させる。
【0040】
空気力輸送管13内に噴出された水は、気体圧力を受け、旋回気流中に分裂してイオン解離され、細かい水滴となってガイド14に沿い、旋回しながら管内を空気力輸送される。この間水滴は、気流の旋回流によって生じた遠心力と、コリオリ力との作用を受けて管壁に向かいつつ軸方向に流れ、気体に接する水滴の界面が活性化され、水滴の表面で双極子が配向する際、気体側の界面に存在する酸素分子がイオン化される。
【0041】
空気イオンを含む気流は、空気力輸送管13の排気口7より気液分離装置4内に流入し、気体中に残存する水滴が除去され、空気イオンを含む気体は、層流化処理され、供給空気として管路11からサウナ室8内に導入され、サウナ室8内の空気は、高速気流発生装置3の吸引力を受けて管路12内に吸引され、必要により新たに導入した外気を供なって再び遠心力・コリオリ力発生装置2へ圧送される。
【0042】
一方、空気力輸送管13の管壁に付着した水滴及び気液分離装置で分離された水滴は、水槽16内に戻される。この水滴中には正イオンが多く含まれているため、管壁を接地して中和する。
【0043】
以上、実施例では、横型の遠心力・コリオリ力発生装置を示しているが、その配置方向は、何等制約されるものではない。また、ファン3の吸気口と、気泡分離装置4の送気口をサウナ室内に直接開口して、負イオン発生装置をサウナ室内に設置してもよい。
【0044】
(実施例2)
以下に本発明の実施例を示す。本発明装置におけるサウナ室内温度上昇に伴うイオン量とミスト数の変化を測定した。
【0045】
サウナ室 1坪型 サウナストーブ 1.8KW,200Vタンク内のヒーター1KW,200V
1測定項目
1)サウナ室内の温湿度
2)風量と換気回数
3)正イオンと負イオン量
4)ミストの大きさと数量
2測定機器
・風量測定:(株)日吉電機SS製熱線式風速計(AP−120)
・イオン測定:神戸電波(株)製 イオン数測定器(KST−900)
・ミストの粒径と酢数量:リオン(株)製 PARTICLE COUNTER KC−18
・温湿度計:(株)チノー製 小型温湿度記録計(打点式)HN−U2 温湿度 センサーHN−L18 3測定方法
・イオン:個/ccで表示 負イオンと正イオンを手動にてタップ切り替え
・ミストの粒径と数量:吹出しガラリーよりの風速を測定し、計算で求める。
・測定位置:サウナ室内の中央部分で測定。
・その他:室内の温度は操作盤の温調器及び隔測温度計にて測定。
【0046】
測定結果は次のとおりである。
1)外気の温湿度:曇り時々晴 温度25℃ 湿度72%サウナ室内の温湿度 温度44〜45℃ 湿度98%(RH)
2)吹出し風量と換気回数:風量1.25M /min 換気回数61回/h
3)吸気口(5)の空洞速度 11m/sec
4)供給空気の空洞速度 8.5m/sec5)正イオンと負イオン量測定結果を表2に示す。
【0047】
【表2】


【0048】
4)ミストの大きさと数量測定結果を表3に示す。
【0049】
【表3】

【0050】
5)体験入浴者の入浴時間と温度本発明サウナと、ドライサウナと、ミストサウナとに体験入浴した体験入浴者3名(A氏,B氏,C氏)がそれぞれのサウナの温度において適正と判断した入浴時間と、その温度とを表4に示す。
【0051】
【表4】


【0052】
本発明によるサウナ室内での体験報告(C氏)
入室時の感覚:一般のサウナ(100℃)と比較すると入室時の熱気(ショック)が軟らかい。呼吸は楽であった。またミストサウナでは入室時、非常に湿った感じによる不快感で気分が悪くなった。これは目に見える水滴状態で3μm以上の大きな粒子の影響であると考えられる。しかるに、負イオン発生装置から発生させた水滴は、平均粒子径が0.5μm以下であって0.1μm以下水滴が多量に占めており、これは、目に見えない、超微細水滴か又は分子群であると推定される。
【0053】
入室後1〜2分で発汗開始をし、以後平衡発汗状態となり、3〜4分で発汗激しくなったが、呼吸時鼻の穴,内部が熱くならなかった。(註 一般のサウナは鼻穴内部の水分が蒸発して熱気となる。特に濡れタオル等を通すと危険である)。
【0054】
12〜15分頃より脈搏が早くなった。サウナ室内での紙の吸湿程度は、少なく(平衡含水値は不明)、新聞等の読書可能であった。湿り具合は、ドライサウナと同程度であった。退出時の脈搏は、約100回/分(平常時65〜75/分)であった。
【0055】
本発明サウナとドライサウナとの環境の相違並びに体験比較を表5に示す。
【0056】
【表5】

【0057】
本発明によれば、サウナ室内を98%の湿度で30℃まで温度を下げると、発汗開始時間が4分と伸び、また温度50℃,湿度70%の高温,低湿に調整すると、同じく発汗時間が4分と伸びることがわかった。なお、高温になる程サウナ室内の負イオンが減少する。
【0058】
低温,高湿の下で発汗が容易になるのは、水分子付加負イオン分子群が直接肌等に直接作用して汗腺を開く作用があるためと考えられる。したがって、女性に多い発汗現象の少ない人でも、本発明のサウナによれば、容易に発汗が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
物理療法に用いられるサウナいわゆるサウナ風呂に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】気液界面での電荷分布を示す図
【図2】本発明の一実施例を示す図
【符号の説明】
【0061】
1 サウナストーブ
2 遠心力・コリオリ力発生装置
3 高速気流発生装置
4 気液分離装置
5 吸気口
6 吸液口
7 排気口
8 サウナ室
9 タンク
10 ポンプ
11 管路
12 管路
13 空気力輸送管
14 ガイド
15 ノズル配管
16 水槽
17 ポンプ
18 ノズル
19 ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウナ室に負イオン発生装置を接続したサウナであって、
負イオン発生装置は、1000個/cc以上の水分子付加負イオンを含む空気をサウナ室内に供給するものであり、
水分子付加負イオンは、液滴が高エネルギーを得て水滴表面で双極子が配向する際に、空気側の界面に存在する酸素分子をイオン化し、O・(HO)nで表示される負イオン分子群であり、
1000個/cc以上の水分子付加負イオンを含む空気は、サウナ室内に、前記水分子付加負イオンを含む空気の温度30℃〜50℃、湿度70%以上の低温・高湿雰囲気を形成して発汗をうながす作用を有するものであることを特徴とするサウナ。
【請求項2】
前記水分子付加負イオンは、液体粒子に高エネルギーを付与してイオン解離し、加速することによって液滴の界面を活性化させることによって生成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のサウナ。
【請求項3】
前記水分子付加負イオンは、高速気流を用いて液滴を加速し、且つ液滴に遠心力とコリオリ力とを作用させて液滴の界面を活性化させることによって生成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のサウナ。
【請求項4】
前記負イオン発生装置は、循環管路にてサウナ室に接続され、サウナ室内の空気を循環させつつ水分子付加負イオンを含む空気をサウナ室内に供給するものであることを特徴とする請求項1,2又は3の何れか1に記載のサウナ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−313339(P2007−313339A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178144(P2007−178144)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【分割の表示】特願2006−82313(P2006−82313)の分割
【原出願日】平成5年11月5日(1993.11.5)
【出願人】(000006242)松下エコシステムズ株式会社 (36)
【Fターム(参考)】