サスペンションアーム及びサスペンションアームの製作方法
【課題】剛性が高く、かつ軽いサスペンションアームを提供する。
【解決手段】
本発明はサスペンションアーム及びサスペンションアームの製作方法に関し、サスペンションアームは、メタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングとを連結するメタル連結部、並びに前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部を取り囲む合成樹脂材質の補強部材を含む。
【解決手段】
本発明はサスペンションアーム及びサスペンションアームの製作方法に関し、サスペンションアームは、メタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングとを連結するメタル連結部、並びに前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部を取り囲む合成樹脂材質の補強部材を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は自動車用サスペンションに関し、より詳しくは、サスペンションアーム及びサスペンションアームを製作する方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、自動車の懸架装置（ｓｕｓｐｅｎｓｉｏｎ）は、車軸と車体とを連結し、走行中路面で受ける衝撃を緩和するシャーシスプリング、スプリングの自由振動を吸収するショックアブソーバー、及び自動車が左右側に揺れることを防止するスタビライザなどで構成される。
【０００３】
懸架装置は、設置位置によって前懸架装置と後懸架装置に分れるが、前懸架装置は、フレームと車軸とを連結して車輌の重量を支持し、車輪の振動を吸収すると同時に、操向機構の一部が設けられる。
【０００４】
また、前懸架装置は前車軸の形状によって車軸懸架式と独立懸架式に分けられ、一般に、乗車感や操縦性を重要視する乗用車では独立懸架式を多く採用し、バスやトラックでは車軸懸架式を多く採用する。
【０００５】
特に、独立懸架式は、車軸を分割して両側車輪が互いに独立的に動くようにすることで、乗車感や安定性を向上させるものであって、ウィッシュボーン式とマックパーソン式に大きく分れる。
【０００６】
このような懸架装置において、ホイールの動きを制御する、一名コントロールアームと呼ばれるサスペンションアームは、ホイールと制動装置などを車体に連結する主要部品である。
【０００７】
サスペンションアームは、振動に対して剛性が高くなければならないと同時に、軽量化が要求されて、スチール、アルミニウム、プラスチックにその材質が変化しているが、剛性が高く、かつ軽いサスペンションアームは、値段競争力が落ちるという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開２００４−１４８８８３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
そこで、本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、剛性が高く、かつ軽いサスペンションアームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記のような目的を達成するための本発明の実施形態に係るサスペンションアームは、メタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングとを連結するメタル連結部、並びに前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部を取り囲む合成樹脂材質の補強部材を含むことを特徴とする。
【００１１】
前記補強部材は、前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部と一体にインサート射出成形することができる。
【００１２】
前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングは、前記メタル連結部と溶接によって結合することができる。
【００１３】
前記メタルボールハウジングの内部にはベアリングが設けられ、前記ベアリングにはボールスタッドが密着して設けられ、前記メタルボールハウジングは、前記ベアリングが離脱しないように、その一端が内側に曲がるように形成することができる。
【００１４】
前記ボールスタッドと前記補強部材を取り囲むように、ダストカバーをさらに含むことができる。
【００１５】
前記メタルボールハウジング及びメタルブッシュハウジングは、前記補強部材との結合力を増大するために、その外面にローレット加工を行うことができる。
【００１６】
前記メタル連結部には、前記補強部材との結合力を増大するために、結合補強ホールを形成することができる。
【００１７】
前記メタル連結部は、結合補強ホールが形成される主面、及び前記主面の側面に設けられる補強面を含むことができる。
【００１８】
前記主面と補強面は、その断面形状が“Ｕ”字状をなすように形成することができる。
【００１９】
前記補強面の一端が曲がるように形成することができる。
【００２０】
前記補強部材は、前記主面と補強面の内側に密着して結合する内部補強部材、及び前記主面の外側と密着して結合する上部補強部材を含むことができる。
【００２１】
前記補強部材は、前記上部補強部材と前記内部補強部材とを連結する側部補強部材をさらに含むことができる。
【００２２】
前記側部補強部材は複数に形成することができる。
【００２３】
前記補強部材は、前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部と一体にインサート射出成形することができる。
【００２４】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法は、メタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、及び前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングに連結されたメタル連結部を含むメタル部を準備する段階、前記メタルボールハウジングの内側と前記メタルブッシュハウジングの内側を固定して、前記メタル部を金型枠に備える段階、並びに前記メタル部を取り囲むように合成樹脂を注入する段階を含むことを特徴とする。
【００２５】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法は、ボールスタッドとベアリングを結合する段階、前記ボールスタッドとベアリングを前記メタルボールハウジングに圧入する段階、及び前記メタルボールハウジングの終端をコーキングする段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【００２６】
本発明の実施形態に係るサスペンションアーム及びこれを製作する方法によれば、金属材質と合成樹脂材質を共に用いて、剛性が高く、かつ軽いサスペンションアームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームの斜視図である。
【図２】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのメタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、及びメタル連結部を示した斜視図である。
【図３】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームの補強部材の斜視図である。
【図４】図１のＶＩ−ＶＩ線に沿った断面図である。
【図５】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのブッシュ部の平面図である。
【図６】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのメタルブッシュハウジングの斜視図である。
【図７】図１のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿った断面図である。
【図８】本発明の第２実施形態に係るサスペンションアームの斜視図である。
【図９】本発明の第２実施形態の変形例に係るサスペンションアームの斜視図である。
【図１０】本発明の実施形態に係るサスペンションアームの補強部材の製作方法を説明する図面である。
【図１１】本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２８】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
【００２９】
図１は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームの斜視図であり、図２は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのメタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、及びメタル連結部を示した斜視図であり、図３は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームの補強部材の斜視図である。
【００３０】
図１乃至図３を参照すれば、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームは、メタルボールハウジング２０、メタルブッシュハウジング３０、前記メタルボールハウジング２０と前記メタルブッシュハウジング３０とを連結するメタル連結部４０、並びに前記メタルボールハウジング２０、前記メタルブッシュハウジング３０、及び前記メタル連結部４０を取り囲む合成樹脂材質の補強部材５０を含む。
【００３１】
ここで、前記メタルボールハウジング２０、前記メタルブッシュハウジング３０、及び前記メタル連結部４０は、メタル部１０を形成する。
【００３２】
前記補強部材５０は、前記メタルボールハウジング２０、前記メタルブッシュハウジング３０、及び前記メタル連結部４０、つまり、前記メタル部１０と一体にインサート射出成形される。
【００３３】
前記メタルボールハウジング２０と前記メタルブッシュハウジング３０は、前記メタル連結部４０と溶接によって結合することができ、一体に形成することも可能である。
【００３４】
図４は、図１のＶＩ−ＶＩ線に沿った断面図である。
【００３５】
図４に示したように、前記メタルボールハウジング２０の内部にはベアリング６０が設けられ、前記ベアリング６０にはボールスタッド７０が密着して設けられ、前記メタルボールハウジング２０は、前記ベアリング６０が離脱しないように、その一端が内側に曲がる。
【００３６】
前記ボールスタッド７０と前記補強部材５０を取り囲むように、ダストカバー８０がダストカバー結合口８１によって結合される。
【００３７】
前記ボールスタッド７０は、図示していないホイールと結合され、前記ベアリング６０によって前記ボールスタッド７０の回転が円滑になり、前記メタルボールハウジング２０の一端が曲がって前記ベアリング６０が離脱しないようにする。
【００３８】
図５は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのブッシュ部の平面図であり、図６は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのメタルブッシュハウジングの斜視図である。
【００３９】
前記メタルブッシュハウジング３０は、前記補強部材５０との結合力を増大するために、その外面にローレット（ｋｎｕｒｌｉｎｇ）加工を行うことができ、図示していないが、前記メタルボールハウジング２０も前記補強部材５０との結合力を増大するために、その外面にローレット加工を行うことができる。
【００４０】
つまり、メタルブッシュハウジング３０は金属材料からなり、前記補強部材５０は合成樹脂材質からなるため、結合力が弱くなる恐れがあるが、前記補強部材５０をインサート成形加工する場合、ローレット加工された表面によってさらに結合力を増大することができる。
【００４１】
前記メタルブッシュハウジング３０の内部にはブッシュ３２が設けられ、前記ブッシュ３２にはブッシュホール３４が形成され、前記ブッシュホール３４を通じて図示していない車体と連結される。
【００４２】
図７は、図１のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿った断面図である。
【００４３】
図２、図３及び図７に示したように、前記メタル連結部４０には、前記補強部材５０との結合力を増大するために結合補強ホール４１が形成されて、前記結合補強ホール４１の間に前記補強部材５０が流入して結合力が増大する。
【００４４】
前記メタル連結部４０は、前記結合補強ホール４１が形成された主面４３と、前記主面４３の側面に設けられる補強面４４とを含む。
【００４５】
前記主面４３と補強面４４は、その断面形状が“Ｕ”字状に形成されて、坐屈（ｂｕｃｋｌｉｎｇ）現象を防止することができる。
また、前記補強面の一端４５が曲がって、坐屈現象を防止することができる。
【００４６】
前記補強部材５０は、前記主面４３と前記補強面４４の内側に密着して結合する内部補強部材５２、及び前記主面４３の外側と密着して結合する上部補強部材５４を含む。
【００４７】
したがって、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームは、前記補強部材５０の前記内部補強部材５２と前記上部補強部材５４とが前記結合補強ホール４１によって連結されるので、結合力を高めることができ、前記メタル部１０の坐屈現象を防止することができる。
【００４８】
図８は、本発明の第２実施形態に係るサスペンションアームの斜視図である。
【００４９】
以下、説明の便宜のために、本発明の第１実施形態と同一の構成に対しては、同一の参照番号を付ける。
【００５０】
図８に示したように、本発明の第２実施形態に係るサスペンションアームにおいて、前記補強部材５０は、前記上部補強部材５４と前記内部補強部材５２とを連結する側部補強部材５６をさらに含むことができる。
【００５１】
前記メタル部１０の坐屈現象は、主に、その中心で起こると予測されるので、坐屈現象が起こりやすい前記メタル部１０の中心に前記側部補強部材５６を形成して剛性を高めることができる。
【００５２】
図９は、本発明の第２実施形態の変形例に係るサスペンションアームの斜視図である。
【００５３】
本発明の第２実施形態の変形例によるサスペンションアームにおいて、側部補強部材５８は複数に形成し、前記メタル連結部４０の全区間にかけて形成することも可能である。
【００５４】
本発明の第２実施形態の変形例に係るサスペンションアームは、本発明の第２実施形態に係るサスペンションアームと同様に坐屈現象を最小化することができる。
【００５５】
図１０は、本発明の実施形態に係るサスペンションアームの補強部材の製作方法を説明する図面である。
【００５６】
図１０に示したように、前記メタル部１０を金型枠９０に固定した後、合成樹脂を前記金型枠９０に注入して、前記メタル部１０と前記補強部材５０とが一体に形成されるようにし、ここで、前記メタルボールハウジング２０の内側と前記メタルブッシュハウジング３０の内側をしっかり固定して、前記メタル部１０を前記金型枠９０に備えた後、前記合成樹脂を前記金型枠９０に注入する。
【００５７】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームは、上述した通り、金属材質の前記メタル部１０と合成樹脂材質の前記補強部材５０とを一体にインサート射出成形することにより、強度をさらに高めると共に、重量の低減が可能になる。
【００５８】
図１１は、本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法を説明するフローチャートである。
【００５９】
図１１に示したように、本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法は、前記メタルボールハウジング２０、前記メタルブッシュハウジング３０、及び前記メタルボールハウジング２０と前記メタルブッシュハウジング３０に連結された前記メタル連結部４０を含む前記メタル部１０を準備する段階（Ｓ１０）、前記メタルボールハウジング２０の内側と前記メタルブッシュハウジング４０の内側を固定して、前記メタル部１０を前記金型枠９０に備える段階（Ｓ２０）、並びに前記メタル部１０を取り囲むように合成樹脂を注入する段階（Ｓ３０）を含む。
【００６０】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法は、ボールスタッドとベアリングとを結合する段階（Ｓ４０）、前記ボールスタッドとベアリングを前記メタルボールハウジングに圧入する段階（Ｓ５０）、及び前記メタルボールハウジング２０の終端をコーキング（ｃａｕｌｋｉｎｇ）する段階（Ｓ６０）をさらに含む。
【００６１】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法によれば、金属材質と合成樹脂材質を共に用いて、剛性が高く、かつ軽いサスペンションアームを製作することができる。
【００６２】
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されず、本発明の実施形態から当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者による、容易に変更されて均等であると認められる範囲の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【００６３】
１０ メタル部
２０ メタルボールハウジング
３０ メタルブッシュハウジング
３２ ブッシュ
３４ ブッシュホール
４０ メタル連結部
４１ 結合補強ホール
４３ 主面
４４ 補強面
４５ 補強面の一端
５０ 補強部材
５２ 内部補強部材
５４ 上部補強部材
５６、５８ 側部補強部材
６０ ベアリング
７０ ボールスタッド
８０ ダストカバー
８１ ダストカバー結合口
９０ 金型枠
【技術分野】
【０００１】
本発明は自動車用サスペンションに関し、より詳しくは、サスペンションアーム及びサスペンションアームを製作する方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、自動車の懸架装置（ｓｕｓｐｅｎｓｉｏｎ）は、車軸と車体とを連結し、走行中路面で受ける衝撃を緩和するシャーシスプリング、スプリングの自由振動を吸収するショックアブソーバー、及び自動車が左右側に揺れることを防止するスタビライザなどで構成される。
【０００３】
懸架装置は、設置位置によって前懸架装置と後懸架装置に分れるが、前懸架装置は、フレームと車軸とを連結して車輌の重量を支持し、車輪の振動を吸収すると同時に、操向機構の一部が設けられる。
【０００４】
また、前懸架装置は前車軸の形状によって車軸懸架式と独立懸架式に分けられ、一般に、乗車感や操縦性を重要視する乗用車では独立懸架式を多く採用し、バスやトラックでは車軸懸架式を多く採用する。
【０００５】
特に、独立懸架式は、車軸を分割して両側車輪が互いに独立的に動くようにすることで、乗車感や安定性を向上させるものであって、ウィッシュボーン式とマックパーソン式に大きく分れる。
【０００６】
このような懸架装置において、ホイールの動きを制御する、一名コントロールアームと呼ばれるサスペンションアームは、ホイールと制動装置などを車体に連結する主要部品である。
【０００７】
サスペンションアームは、振動に対して剛性が高くなければならないと同時に、軽量化が要求されて、スチール、アルミニウム、プラスチックにその材質が変化しているが、剛性が高く、かつ軽いサスペンションアームは、値段競争力が落ちるという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開２００４−１４８８８３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
そこで、本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、剛性が高く、かつ軽いサスペンションアームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記のような目的を達成するための本発明の実施形態に係るサスペンションアームは、メタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングとを連結するメタル連結部、並びに前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部を取り囲む合成樹脂材質の補強部材を含むことを特徴とする。
【００１１】
前記補強部材は、前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部と一体にインサート射出成形することができる。
【００１２】
前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングは、前記メタル連結部と溶接によって結合することができる。
【００１３】
前記メタルボールハウジングの内部にはベアリングが設けられ、前記ベアリングにはボールスタッドが密着して設けられ、前記メタルボールハウジングは、前記ベアリングが離脱しないように、その一端が内側に曲がるように形成することができる。
【００１４】
前記ボールスタッドと前記補強部材を取り囲むように、ダストカバーをさらに含むことができる。
【００１５】
前記メタルボールハウジング及びメタルブッシュハウジングは、前記補強部材との結合力を増大するために、その外面にローレット加工を行うことができる。
【００１６】
前記メタル連結部には、前記補強部材との結合力を増大するために、結合補強ホールを形成することができる。
【００１７】
前記メタル連結部は、結合補強ホールが形成される主面、及び前記主面の側面に設けられる補強面を含むことができる。
【００１８】
前記主面と補強面は、その断面形状が“Ｕ”字状をなすように形成することができる。
【００１９】
前記補強面の一端が曲がるように形成することができる。
【００２０】
前記補強部材は、前記主面と補強面の内側に密着して結合する内部補強部材、及び前記主面の外側と密着して結合する上部補強部材を含むことができる。
【００２１】
前記補強部材は、前記上部補強部材と前記内部補強部材とを連結する側部補強部材をさらに含むことができる。
【００２２】
前記側部補強部材は複数に形成することができる。
【００２３】
前記補強部材は、前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部と一体にインサート射出成形することができる。
【００２４】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法は、メタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、及び前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングに連結されたメタル連結部を含むメタル部を準備する段階、前記メタルボールハウジングの内側と前記メタルブッシュハウジングの内側を固定して、前記メタル部を金型枠に備える段階、並びに前記メタル部を取り囲むように合成樹脂を注入する段階を含むことを特徴とする。
【００２５】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法は、ボールスタッドとベアリングを結合する段階、前記ボールスタッドとベアリングを前記メタルボールハウジングに圧入する段階、及び前記メタルボールハウジングの終端をコーキングする段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【００２６】
本発明の実施形態に係るサスペンションアーム及びこれを製作する方法によれば、金属材質と合成樹脂材質を共に用いて、剛性が高く、かつ軽いサスペンションアームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームの斜視図である。
【図２】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのメタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、及びメタル連結部を示した斜視図である。
【図３】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームの補強部材の斜視図である。
【図４】図１のＶＩ−ＶＩ線に沿った断面図である。
【図５】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのブッシュ部の平面図である。
【図６】本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのメタルブッシュハウジングの斜視図である。
【図７】図１のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿った断面図である。
【図８】本発明の第２実施形態に係るサスペンションアームの斜視図である。
【図９】本発明の第２実施形態の変形例に係るサスペンションアームの斜視図である。
【図１０】本発明の実施形態に係るサスペンションアームの補強部材の製作方法を説明する図面である。
【図１１】本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２８】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
【００２９】
図１は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームの斜視図であり、図２は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのメタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、及びメタル連結部を示した斜視図であり、図３は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームの補強部材の斜視図である。
【００３０】
図１乃至図３を参照すれば、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームは、メタルボールハウジング２０、メタルブッシュハウジング３０、前記メタルボールハウジング２０と前記メタルブッシュハウジング３０とを連結するメタル連結部４０、並びに前記メタルボールハウジング２０、前記メタルブッシュハウジング３０、及び前記メタル連結部４０を取り囲む合成樹脂材質の補強部材５０を含む。
【００３１】
ここで、前記メタルボールハウジング２０、前記メタルブッシュハウジング３０、及び前記メタル連結部４０は、メタル部１０を形成する。
【００３２】
前記補強部材５０は、前記メタルボールハウジング２０、前記メタルブッシュハウジング３０、及び前記メタル連結部４０、つまり、前記メタル部１０と一体にインサート射出成形される。
【００３３】
前記メタルボールハウジング２０と前記メタルブッシュハウジング３０は、前記メタル連結部４０と溶接によって結合することができ、一体に形成することも可能である。
【００３４】
図４は、図１のＶＩ−ＶＩ線に沿った断面図である。
【００３５】
図４に示したように、前記メタルボールハウジング２０の内部にはベアリング６０が設けられ、前記ベアリング６０にはボールスタッド７０が密着して設けられ、前記メタルボールハウジング２０は、前記ベアリング６０が離脱しないように、その一端が内側に曲がる。
【００３６】
前記ボールスタッド７０と前記補強部材５０を取り囲むように、ダストカバー８０がダストカバー結合口８１によって結合される。
【００３７】
前記ボールスタッド７０は、図示していないホイールと結合され、前記ベアリング６０によって前記ボールスタッド７０の回転が円滑になり、前記メタルボールハウジング２０の一端が曲がって前記ベアリング６０が離脱しないようにする。
【００３８】
図５は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのブッシュ部の平面図であり、図６は、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームのメタルブッシュハウジングの斜視図である。
【００３９】
前記メタルブッシュハウジング３０は、前記補強部材５０との結合力を増大するために、その外面にローレット（ｋｎｕｒｌｉｎｇ）加工を行うことができ、図示していないが、前記メタルボールハウジング２０も前記補強部材５０との結合力を増大するために、その外面にローレット加工を行うことができる。
【００４０】
つまり、メタルブッシュハウジング３０は金属材料からなり、前記補強部材５０は合成樹脂材質からなるため、結合力が弱くなる恐れがあるが、前記補強部材５０をインサート成形加工する場合、ローレット加工された表面によってさらに結合力を増大することができる。
【００４１】
前記メタルブッシュハウジング３０の内部にはブッシュ３２が設けられ、前記ブッシュ３２にはブッシュホール３４が形成され、前記ブッシュホール３４を通じて図示していない車体と連結される。
【００４２】
図７は、図１のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿った断面図である。
【００４３】
図２、図３及び図７に示したように、前記メタル連結部４０には、前記補強部材５０との結合力を増大するために結合補強ホール４１が形成されて、前記結合補強ホール４１の間に前記補強部材５０が流入して結合力が増大する。
【００４４】
前記メタル連結部４０は、前記結合補強ホール４１が形成された主面４３と、前記主面４３の側面に設けられる補強面４４とを含む。
【００４５】
前記主面４３と補強面４４は、その断面形状が“Ｕ”字状に形成されて、坐屈（ｂｕｃｋｌｉｎｇ）現象を防止することができる。
また、前記補強面の一端４５が曲がって、坐屈現象を防止することができる。
【００４６】
前記補強部材５０は、前記主面４３と前記補強面４４の内側に密着して結合する内部補強部材５２、及び前記主面４３の外側と密着して結合する上部補強部材５４を含む。
【００４７】
したがって、本発明の第１実施形態に係るサスペンションアームは、前記補強部材５０の前記内部補強部材５２と前記上部補強部材５４とが前記結合補強ホール４１によって連結されるので、結合力を高めることができ、前記メタル部１０の坐屈現象を防止することができる。
【００４８】
図８は、本発明の第２実施形態に係るサスペンションアームの斜視図である。
【００４９】
以下、説明の便宜のために、本発明の第１実施形態と同一の構成に対しては、同一の参照番号を付ける。
【００５０】
図８に示したように、本発明の第２実施形態に係るサスペンションアームにおいて、前記補強部材５０は、前記上部補強部材５４と前記内部補強部材５２とを連結する側部補強部材５６をさらに含むことができる。
【００５１】
前記メタル部１０の坐屈現象は、主に、その中心で起こると予測されるので、坐屈現象が起こりやすい前記メタル部１０の中心に前記側部補強部材５６を形成して剛性を高めることができる。
【００５２】
図９は、本発明の第２実施形態の変形例に係るサスペンションアームの斜視図である。
【００５３】
本発明の第２実施形態の変形例によるサスペンションアームにおいて、側部補強部材５８は複数に形成し、前記メタル連結部４０の全区間にかけて形成することも可能である。
【００５４】
本発明の第２実施形態の変形例に係るサスペンションアームは、本発明の第２実施形態に係るサスペンションアームと同様に坐屈現象を最小化することができる。
【００５５】
図１０は、本発明の実施形態に係るサスペンションアームの補強部材の製作方法を説明する図面である。
【００５６】
図１０に示したように、前記メタル部１０を金型枠９０に固定した後、合成樹脂を前記金型枠９０に注入して、前記メタル部１０と前記補強部材５０とが一体に形成されるようにし、ここで、前記メタルボールハウジング２０の内側と前記メタルブッシュハウジング３０の内側をしっかり固定して、前記メタル部１０を前記金型枠９０に備えた後、前記合成樹脂を前記金型枠９０に注入する。
【００５７】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームは、上述した通り、金属材質の前記メタル部１０と合成樹脂材質の前記補強部材５０とを一体にインサート射出成形することにより、強度をさらに高めると共に、重量の低減が可能になる。
【００５８】
図１１は、本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法を説明するフローチャートである。
【００５９】
図１１に示したように、本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法は、前記メタルボールハウジング２０、前記メタルブッシュハウジング３０、及び前記メタルボールハウジング２０と前記メタルブッシュハウジング３０に連結された前記メタル連結部４０を含む前記メタル部１０を準備する段階（Ｓ１０）、前記メタルボールハウジング２０の内側と前記メタルブッシュハウジング４０の内側を固定して、前記メタル部１０を前記金型枠９０に備える段階（Ｓ２０）、並びに前記メタル部１０を取り囲むように合成樹脂を注入する段階（Ｓ３０）を含む。
【００６０】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法は、ボールスタッドとベアリングとを結合する段階（Ｓ４０）、前記ボールスタッドとベアリングを前記メタルボールハウジングに圧入する段階（Ｓ５０）、及び前記メタルボールハウジング２０の終端をコーキング（ｃａｕｌｋｉｎｇ）する段階（Ｓ６０）をさらに含む。
【００６１】
本発明の実施形態に係るサスペンションアームの製作方法によれば、金属材質と合成樹脂材質を共に用いて、剛性が高く、かつ軽いサスペンションアームを製作することができる。
【００６２】
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されず、本発明の実施形態から当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者による、容易に変更されて均等であると認められる範囲の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【００６３】
１０ メタル部
２０ メタルボールハウジング
３０ メタルブッシュハウジング
３２ ブッシュ
３４ ブッシュホール
４０ メタル連結部
４１ 結合補強ホール
４３ 主面
４４ 補強面
４５ 補強面の一端
５０ 補強部材
５２ 内部補強部材
５４ 上部補強部材
５６、５８ 側部補強部材
６０ ベアリング
７０ ボールスタッド
８０ ダストカバー
８１ ダストカバー結合口
９０ 金型枠
【特許請求の範囲】
【請求項１】
メタルボールハウジング、
メタルブッシュハウジング、
前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングとを連結するメタル連結部、並びに
前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部を取り囲む合成樹脂材質の補強部材、
を含むことを特徴とするサスペンションアーム。
【請求項２】
前記補強部材は、前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部と一体にインサート射出成形されることを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項３】
前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングは、前記メタル連結部と溶接によって結合することを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項４】
前記メタルボールハウジングの内部にはベアリングが設けられ、
前記ベアリングにはボールスタッドが密着して設けられ、
前記メタルボールハウジングは、前記ベアリングが離脱しないように、その一端が内側に曲がることを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項５】
前記ボールスタッドと前記補強部材とを取り囲むように、ダストカバーをさらに含むことを特徴とする、請求項４に記載のサスペンションアーム。
【請求項６】
前記メタルボールハウジング及びメタルブッシュハウジングは、前記補強部材との結合力を増大するために、その外面にローレット加工を行うことを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項７】
前記メタル連結部には、前記補強部材との結合力を増大するために、結合補強ホールを形成することを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項８】
前記メタル連結部は、
結合補強ホールが形成される主面、及び
前記主面の側面に設けられる補強面、
を含むことを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項９】
前記主面と補強面は、その断面形状が“Ｕ”字状をなすことを特徴とする、請求項８に記載のサスペンションアーム。
【請求項１０】
前記補強面の一端が曲がっていることを特徴とする、請求項９に記載のサスペンションアーム。
【請求項１１】
前記補強部材は、
前記主面と補強面の内側に密着して結合する内部補強部材、及び
前記主面の外側と密着して結合する上部補強部材、
を含むことを特徴とする、請求項９に記載のサスペンションアーム。
【請求項１２】
前記補強部材は、
前記上部補強部材と前記内部補強部材とを連結する側部補強部材をさらに含むことを特徴とする、請求項１１に記載のサスペンションアーム。
【請求項１３】
前記側部補強部材は複数に形成することを特徴とする、請求項１２に記載のサスペンションアーム。
【請求項１４】
前記補強部材は、前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部と一体にインサート射出成形することを特徴とする、請求項１１に記載のサスペンションアーム。
【請求項１５】
メタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、及び前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングに連結されたメタル連結部を含むメタル部を準備する段階、
前記メタルボールハウジングの内側と前記メタルブッシュハウジングの内側を固定して、前記メタル部を金型枠に備える段階、並びに
前記メタル部を取り囲むように合成樹脂を注入する段階、
を含むことを特徴とするサスペンションアームの製作方法。
【請求項１６】
ボールスタッドとベアリングを結合する段階、
前記ボールスタッドとベアリングを前記メタルボールハウジングに圧入する段階、及び
前記メタルボールハウジングの終端をコーキングする段階、
をさらに含むことを特徴とする、請求項１５に記載のサスペンションアームの製作方法。
【請求項１】
メタルボールハウジング、
メタルブッシュハウジング、
前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングとを連結するメタル連結部、並びに
前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部を取り囲む合成樹脂材質の補強部材、
を含むことを特徴とするサスペンションアーム。
【請求項２】
前記補強部材は、前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部と一体にインサート射出成形されることを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項３】
前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングは、前記メタル連結部と溶接によって結合することを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項４】
前記メタルボールハウジングの内部にはベアリングが設けられ、
前記ベアリングにはボールスタッドが密着して設けられ、
前記メタルボールハウジングは、前記ベアリングが離脱しないように、その一端が内側に曲がることを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項５】
前記ボールスタッドと前記補強部材とを取り囲むように、ダストカバーをさらに含むことを特徴とする、請求項４に記載のサスペンションアーム。
【請求項６】
前記メタルボールハウジング及びメタルブッシュハウジングは、前記補強部材との結合力を増大するために、その外面にローレット加工を行うことを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項７】
前記メタル連結部には、前記補強部材との結合力を増大するために、結合補強ホールを形成することを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項８】
前記メタル連結部は、
結合補強ホールが形成される主面、及び
前記主面の側面に設けられる補強面、
を含むことを特徴とする、請求項１に記載のサスペンションアーム。
【請求項９】
前記主面と補強面は、その断面形状が“Ｕ”字状をなすことを特徴とする、請求項８に記載のサスペンションアーム。
【請求項１０】
前記補強面の一端が曲がっていることを特徴とする、請求項９に記載のサスペンションアーム。
【請求項１１】
前記補強部材は、
前記主面と補強面の内側に密着して結合する内部補強部材、及び
前記主面の外側と密着して結合する上部補強部材、
を含むことを特徴とする、請求項９に記載のサスペンションアーム。
【請求項１２】
前記補強部材は、
前記上部補強部材と前記内部補強部材とを連結する側部補強部材をさらに含むことを特徴とする、請求項１１に記載のサスペンションアーム。
【請求項１３】
前記側部補強部材は複数に形成することを特徴とする、請求項１２に記載のサスペンションアーム。
【請求項１４】
前記補強部材は、前記メタルボールハウジング、前記メタルブッシュハウジング、及び前記メタル連結部と一体にインサート射出成形することを特徴とする、請求項１１に記載のサスペンションアーム。
【請求項１５】
メタルボールハウジング、メタルブッシュハウジング、及び前記メタルボールハウジングと前記メタルブッシュハウジングに連結されたメタル連結部を含むメタル部を準備する段階、
前記メタルボールハウジングの内側と前記メタルブッシュハウジングの内側を固定して、前記メタル部を金型枠に備える段階、並びに
前記メタル部を取り囲むように合成樹脂を注入する段階、
を含むことを特徴とするサスペンションアームの製作方法。
【請求項１６】
ボールスタッドとベアリングを結合する段階、
前記ボールスタッドとベアリングを前記メタルボールハウジングに圧入する段階、及び
前記メタルボールハウジングの終端をコーキングする段階、
をさらに含むことを特徴とする、請求項１５に記載のサスペンションアームの製作方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１１−１１６３４０（Ｐ２０１１−１１６３４０Ａ）
【公開日】平成２３年６月１６日（２０１１．６．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１４２５７６（Ｐ２０１０−１４２５７６）
【出願日】平成２２年６月２３日（２０１０．６．２３）
【出願人】（５９１２５１６３６）現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】（５００５１８０５０）起亞自動車株式会社 (449)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年６月１６日（２０１１．６．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年６月２３日（２０１０．６．２３）
【出願人】（５９１２５１６３６）現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】（５００５１８０５０）起亞自動車株式会社 (449)
【Ｆターム（参考）】
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