説明

サスペンション装置

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、車体速度に応じて伸側減衰力および圧側減衰力を切り替え制御するサスペンション装置に関する。
【0001】
【従来の技術】図5は従来のサスペンション装置を示すブロック図である。これについて述べると、1は車体、2は車輪であり、これらの間には、ばね3,減衰力可変ダンパ4,車高センサ5が装着され、また、車体1には上下方向の加速度を検出する加速度センサ6が設けてある。
【0002】また、車輪2と路面7との間には、ばね要素としてのダイヤ8が存在する。加速度センサ6,車高センサ5の信号はコントローラ9に入力され、コントローラ9は減衰力可変ダンパ4に設けられた減衰力切り替えアクチュエータを駆動し、減衰力を高低2段階に切り替えるようになっている。
【0003】次に、従来のサスペンション装置に用いられる減衰力可変ダンパ4について、図6に基づき説明する。シリンダ11内はピストン12により上下二つの上側室Aと下側室Bに仕切られている。シリンダ11とアウターシェル11aによりリザーバCが形成されている。
【0004】また、ピストン12はピストンロッド13の一端にねじで締結され、ピストンロッド13の他端はベアリング14およびシール15を貫通して突出し、車体1側に取り付けられる。
【0005】一方、シリンダ11側はアウターシェル11a下部に溶接されたアイ16により車輪側に取り付けられる。シリンダ11下部には圧縮時に減衰力を発生する圧バルブ17と、伸張時にリザーバCから下側室Bに油を吸い込むチェックバルブ18とにより構成されるベースバルブが設けてある。
【0006】また、ピストン12には、伸張時に上側室Aから下側室Bへ油が流れる時の通路となる伸ポート19と伸側減衰力を発生する伸バルブ20とが、圧縮時に下側室Bから上側室Aへ油が流れる時の通路となる圧ポート21と圧側減衰力を発生する圧バルブ22とが設けられている。
【0007】そして、上記ピストンロッド13内は中空となっており、内部にコントロールロッド23とロータリーバルブ24が結合されて挿入され、このロータリーバルブ24の脱落防止のためのロータリーバルブストッパ25が圧入されている。
【0008】また、上記ピストンロッド13には上側室A側に開口する連通孔26が設けられ、ロータリーバルブ24には連通孔26を開閉するオリフィス27が設けられていて、開状態では二つの室A,Bがピストンロッド13内のバイパス通路28を介して連通し、ロータリーバルブ13に設けた上記オリフィス27がバイパス流量を規制する。
【0009】また、上記コントロールロッド23は上部ピストンロッド13内に設けたOリング29によりシールされ、減衰力切り替えアクチュエータ30のシャフトと嵌合し、このアクチュエータ30を駆動してコントロールロッド23を回転させることにより、バイパス通路28の開閉を可能にする。
【0010】次に、減衰力可変ダンパの動作について説明する。まず、高減衰力を得るには減衰力切り替えアクチュエータ30を駆動してロータリーバルブ24を回転させ、バイパス通路28を閉じる。伸行程では、上側室Aの油が伸ポート19,伸バルブ20を通り下側室Bに流れる。
【0011】このため、発生する二つの室A,Bの差圧により伸側減衰力が発生する。ここでピストンロッド13がシリンダ11外に突出した体積に相当する油が、リザーバCよりベースバルブのチェックバルブ18を通り下側室Bに補充される。
【0012】一方、圧縮行程では、ピストンロッド13がシリンダ11内に侵入した分の油が、ベースバルブの圧バルブ17を通りリザーバCへ流れる。このとき、圧バルブ17の発生する差圧により下側室Bの圧力は上昇する。
【0013】一方、下側室Bの油は圧ポート21,圧バルブ22を通り上側室Aにも流れる。このとき発生する二つの室A,Bの差圧と下側室Bの圧力により、圧側減衰力が発生する。これがハード状態となる。
【0014】次に、ロータリーバルブ24を回転させ、バイパス通路28を連通させると、上記高減衰力時に対し、ピストン12の伸、圧バルブ20,22をバイパスする油の流れが発生する。
【0015】この流れは各バルブに対し並列流れとなるので、ピストン12の伸,圧バルブ20,22を流れる流量はバイパス流量分だけ少なくなり、伸行程,圧行程とも二つの室A,B間の差圧が小さくなる。その結果、高減衰力時に対し、低い減衰力、すなわちソフトの減衰力となる。
【0016】このときの減衰力特性を図7に示す。この図から分かるように、伸側減衰力がハードの時には縮み側減衰力もハードになり、伸側減衰力がソフトの時には縮み側減衰力もソフトになる。これが従来の減衰力可変ダンパの特徴である。
【0017】次に、上記減衰力可変ダンパ4の制御方法について説明する。図5に示すように、車体1および車輪2の変位を便宜上x,yと定め(矢印方向を正とする)、xa,yaはそれぞれの速度、xb,ybはそれぞれの加速度を示す。
【0018】そこで、車体1に作用する力に着目すると、x>0(車体1が上方に動いている)の時xa−ya>0(ダンパが伸びている)ならば、車体1の運動方向と反対側(下側)の向きに減衰力が作用し、車体に対し制振力となるが、xa−ya<0(ダンパが縮んでいる)場合は、減衰力が車体1の運動方向に作用し、結果として減衰力が加振力となる。xa<0の場合も同様に、減衰力が制振力と加振力になる場合がある。
【0019】そこで、xaを縦軸,xa−yaを横軸として4つの象限に分けると図8(a)に示すように、第1,第3象限は制振作用、第2,第4象限は加振作用を与えることになる。
【0020】そこで、図8(b)に示すように減衰力が制振力として作用する場合は、減衰力をハード、加振力として作用する場合はソフトにするという制御方法が提唱されている。
【0021】これを式で表わすと、xa(xa−ya)>0の時減衰力がハード、xa(xa−ya)<0の時減衰力がソフトということになる。この様に制御することにより、車両の乗心地が向上することになる。
【0022】ここでxaの値は加速度センサの信号xbをコントローラ9内の積分器9aにて積分することにより得られ、xa−yaの値は車高センサの信号x−yを微分部9bにて微分することにより得られる。そして、演算処理・駆動回路9cはこれらの微分器9bおよび微分器9aの出力にもとづき、所定の減衰力調整信号を出力する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に、xaは車体質量と懸架ばね定数で決まる固有振動数である1Hzの振動数で変化するが、xa−yaは路面7からの瞬間的な入力や、車輪2とタイヤ8との共振等により、かなり多い頻度で正負(伸,圧)の符号が変化する。
【0024】それ故、かなりの頻度で減衰力を切り替える必要がある。そのために、減衰力調整アクチュエータを高速で切り替え動作させなければ、制御効果が低減するし、これによりアクチュエータ,ダンパにかなりの耐久性が必要となるほか、制御に際し、車体1と車輪2の相対速度(xa−ya)が必要なため、車高センサ(もしくは相対速度センサ)5を各車輪2ごとに必要となり、システムのコストが高くなるという問題点があった。
【0025】この発明は上記のような従来の問題点に着目してなされたものであり、減衰力調整アクチュエータを高速で切り替える必要をなくし、その切り替え頻度を低減して機器の耐久性を向上させることができるとともに、車高センサを不要にして、構成の簡素化およびローコスト化を図ることができるサスペンション装置を得ることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の手段は、車体側と車輪側との間に減衰力可変ダンパを設け、当該減衰力可変ダンパはシリンダと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画された上下二つの室と、ピストンに設けられ上記二つの室を連通する伸ポート及び圧ポートと、伸ポートの出口端と圧ポートの出口端にそれぞれ開閉自在に設けた伸バルブ及び圧バルブと、ピストンロッドに設けられて上記二つの室を連通するバイパスと、バイパス内に回転自在に設けられて当該バイパスを開閉するロータリーバルブとを備えているサスペンション装置に於て、バイパスをピストンロッド内に設けたバイパス通路と、バイパス通路から分岐した伸側連通孔及び圧側連通孔と、伸側連通孔に接続する伸側バイパス通路と、圧側連通孔に接続する圧側バイパス通路とで構成し、上記伸側バイパス通路の途中に伸側時に開く伸サブバルブを開閉自在に設け、又上記圧側バイパス通路の途中に圧側時に開く圧サブバルブを開閉自在に設け、上記ロータリーバルブには上記伸側連通孔に開閉される開口部と上記圧側連通孔に開閉される開口部とを形成し、更に車体速度のみの検出信号に基づいてロータリーバルブの回転量を制御するコントローラを設け、当該コントローラはロータリーバルブを介して伸側連通孔を閉じた時圧側連通孔を開かせ、伸側連通孔を開いた時圧側連通孔を閉じさせ、又伸側連通孔を開いた時圧側連通孔を開かせてそれぞれ伸側減衰力と圧側減衰力をハード・ソフト,ソフト・ハード,ソフト・ソフトに選択的に制御することを特徴とするものである。
【0027】
【作用】この発明におけるコントローラは、車体速度の大きさに応じて、ロータリーバルブの回動量を制御して伸側および圧側の連通孔を開閉し、このときの開閉動作が、伸側減衰力がハードのとき圧側減衰力をソフトにし、伸側減衰力がソフトのとき圧側減衰力をハードとなるようにする。
【0028】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1において、1は車体、2は車輪であり、これらの間には、ばね3,減衰力可変ダンパ4が装着され、また、車体1には上下方向の加速度を検出する加速度センサ6が設けてある。
【0029】また、車輪2と路面7との間には、ばね要素としてのタイヤ8が存在する。加速度センサ6の信号はコントローラ9に入力され、コントローラ9は減衰力可変ダンパ4に設けられた減衰力切り替えアクチュエータを駆動し、減衰力を高低2段階に切り替えるようになっている。
【0030】また、9aは加速度センサ6の出力を積分する積分器、9cはこの積分器9aの出力にもとづいて減衰力可変ダンパ4の減衰力調整信号を演算し出力する演算処理・駆動回路である。なお、この発明では図5における微分器9bおよび車高センサ5が省かれている。
【0031】また、図2はこの発明において使用する減衰力可変ダンパの詳細を示し、図6について説明したものと同一の構成部分には同一符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0032】この実施例に係るサスペンション装置は、車体1側と車輪2側との間に減衰力可変ダンパ4を設け、当該減衰力可変ダンパ4はシリンダ11と、シリンダ11内にピストン12を介して移動自在に挿入したピストンロッド13と、シリンダ11内にピストン12で区画された上下二つの室A,Bと、ピストン12に設けられ上記二つの室A,Bを連通する伸ポート19及び圧ポート21と、伸ポート19の出口端と圧ポート21の出口端にそれぞれ開閉自在に設けた伸バルブ20及び圧バルブ22と、ピストンロッド13に設けられて上記二つの室A,Bを連通するバイパスDと、バイパスD内に回転自在に設けられて当該バイパスDを開閉するロータリーバルブ24とを備えている。
【0033】更に、バイパスDをピストンロッド13内に設けたバイパス通路28と、バイパス通路28から分岐した伸側連通孔35及び圧側連通孔36と、伸側連通孔35に接続する伸側バイパス通路31と、圧側連通孔36に接続する圧側バイパス通路32と、で構成している。又、上記伸側バイパス通路31と圧側バイパス通路32の途中にそれぞれ伸サブバルブ33と圧サブバルブ34を開閉自在に設けている。上記ロータリーバルブ24には上記伸側連通孔35に開閉される開口部37と上記圧側連通孔36に開閉される開口部37とを形成している。
【0034】更に本発明では、車体速度のみの検出信号に基づいてロータリーバルブ24の回転量を制御するコントローラ9を設け、当該コントローラ9は伸側連通孔35を閉じた時圧側連通孔36を開かせ、伸側連通孔35を開いた時圧側連通孔36を閉じさせ、更に伸側連通孔35と圧側連通孔36を同時に開いてそれぞれ伸側減衰力と圧側減衰力をハード,ソフトに選択的に制御するようにしている。以下更に詳しく説明する。
【0035】すなわち、この発明では、バイパスDの一部として伸側バイパス通路31と圧側バイパス通路32の2つを設け、各バイパス通路31,32端に伸サブバルブ33および圧サブバルブ34が設けてある。
【0036】また、ピストンロッド13には伸側連通孔35と圧側連通孔36とが設けられており、それぞれロータリーバルブ24により開閉されるようになっている。ロータリーバルブ24の開口部37は、図3に示すように図1のP−P断面,Q−Q断面でそれぞれ位相をずらして設けてあり、3つの減衰力のモードを取り得るようになっている。
【0037】すなわち、図3において、モードRでは伸側連通孔35は閉、圧側連通孔36は開であり、モードSでは伸側,圧側連通孔35,36は共に開であり、モードCでは伸側連通孔35は開、圧側連通孔36は閉の状態となるように設定されている。また、減衰力アクチュエータ38は3段階に切り替え可能なもので、各モードを選択できるようになっている。
【0038】次に動作について説明する。まず、減衰力可変ダンパの作動について述べる。モードRでは伸側連通孔35は閉じ、圧側連通孔36は開いた状態になっている。
【0039】それ故、伸行程では伸側バイパス通路31に油が流れず、上側室Aの油はピストン12の伸ポート19,伸バルブ20を通り下側室Bに流れる。このときの差圧により伸バルブ20で伸側減衰力を発生し、この減衰力がハード特性となる。
【0040】一方、圧行程では圧側連通孔36が開いているので、下側室Bから上側室Aへの油の流れはピストン12の圧ポート21および圧バルブ22を通る流れと、バイパス通路28から圧側連通孔36、圧側バイパス通路32、圧サブバルブ34を通る流れとに分かれる。その結果二つの室A,Bの差圧は小さくなり、ソフトな減衰力となる。
【0041】また、モードSでは伸側連通孔35,圧側連通孔36が共に開いた状態にあり、共にピストン部をバイパスする流れが生じるために、伸側,圧側減衰力共にソフトの状態となる。モードCでは伸側連通孔35は開き圧側連通孔36は閉じた状態になっている。それ故、伸行程の時のみピストン部をバイパスする流れが生じ、その結果、伸側減衰力がソフト、圧側減衰力がハードの状態となる。
【0042】さらに、いずれのモードでも、伸行程ではピストンロッド13が突出した分の油がリザーバCからベースバルブのチェックバルブ18を通り下側室Bに補充され、圧側行程ではピストンロッド13の侵入分の油が、ベースバルブの圧バルブ17を通りリザーバCへ流れ、その時に発生する差圧により、下側室Bの圧力が上昇することは、従来と同様である。
【0043】次に制御方法について説明する。従来の制御方法ではxa>0のとき、xa−ya>0(ダンパ伸状態)の時はハード、xa−ya<0(ダンパ圧縮状態)の時はソフトに制御するようになっている。
【0044】これは、従来の減衰力可変ダンパが伸行程でハードの時は、圧縮行程でもハードになっているからxa−yaの正負により切り替える必要が生じるものである。
【0045】この発明の減衰力可変ダンパでは、伸行程でハードの時は、圧行程は自動的にソフトになっているので、xa−yaの正負により減衰力を切り替える必要がなく、xa>0の時は伸側減衰力をハード(モードR)に制御しておけばよいことになる。同様に、xa<0の時は圧側減衰力をハード(モードC)に制御すればよい。
【0046】すなわち、車体1と車輪2の相対速度xa−yaに関係なく、車体1の速度xaの正負でモードR,モードCを選択すれば、従来と同様の制御効果を得ることができる。しかも、車体1の速度変化は1Hz位と比較的ゆっくりした振動なので、アクチュエータの減衰力切替速度が比較的遅くても十分な効果が得られ、しかも切り替え頻度も少なくてすむ。
【0047】さらに、路面7からの入力周波数が高周波になると、減衰力は低い方が車体1への伝達力が小さくなり、乗心地はよくなる。高周波になると車体速度xaが小さくなるので、伸側,圧側とも減衰力の低いモードSに切り替える。
【0048】図4に以上の制御則をまとめたものを示す。このように制御することにより、乗心地を向上させることが可能となり、切り替え頻度も極めて少なくすることができる。
【0049】
【0050】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、バイパスをピストンロッド内のバイパス通路と、バイパス通路から分岐した伸側連通孔及び圧側連通孔と、伸側連通孔に接続する伸側バイパス通路と、圧側連通孔に接続する圧側バイパス通路とで構成し、又、伸側バイパス通路と圧側バスパス通路の途中にそれぞれ伸サブバルブと圧サブバルブを開閉自在に設け、更にコントローラを用いて、上記車体速度の大きさに応じて、上記伸側および圧側の連通孔の一方を開いた時他方を閉じ又は両方を開くようにロータリーバルブの回動量を制御するように構成したので、伸側及び圧側減衰力をハード・ソフト,ソフト・ハード,ソフト・ソフトの三つのモードに選択的に制御できる。しかも車体速度の大きさのみで減衰力を切り替えることにより、アクチュエータを高速で切り替える必要がなく、小型で安価なアクチュエータが使用でき、さらに減衰力の切り替え頻度が少なくなるので機器の耐久性が向上し、車高センサが不要となるので、システムが安価に構成できるという実用上の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるサスペンション装置を示すブロック図である。
【図2】この発明における減衰力可変ダンパを示す断面図である。
【図3】この発明における減衰力可変ダンパの伸圧連通孔の開閉状態および伸圧の減衰力の関係を示す説明図である。
【図4】この発明によるダンパモードにおける車体速度の制限則を示す説明表図である。
【図5】従来のサスペンション装置を示すブロック図である。
【図6】図5における減衰力可変ダンパを示す断面図である。
【図7】従来の減衰力可変ダンパの減衰力特性を示すグラフである。
【図8】従来の減衰力可変ダンパ動作による車体への作用力と制御則の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 車体
2 車輪
9 コントローラ
11 シリンダ
12 ピストン
13 ピストンロッド
20 伸バルブ
22 圧バルブ
24 ロータリーバルブ
28 バイパス通路
31 伸側バイパス通路
32 熱側バイパス通路
33 伸サブバルブ
34 圧サブバルブ
35,36 連通孔
A 上側室
B 下側室
D バイパス

【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体側と車輪側との間に減衰力可変ダンパを設け、当該減衰力可変ダンパはシリンダと、シリンダ内にピストンを介して移動自在に挿入したピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画された上下二つの室と、ピストンに設けられ上記二つの室を連通する伸ポート及び圧ポートと、伸ポートの出口端と圧ポートの出口端にそれぞれ開閉自在に設けた伸バルブ及び圧バルブと、ピストンロッドに設けられて上記二つの室を連通するバイパスと、バイパス内に回転自在に設けられて当該バイパスを開閉するロータリーバルブとを備えているサスペンション装置に於て、バイパスをピストンロッド内に設けたバイパス通路と、バイパス通路から分岐した伸側連通孔及び圧側連通孔と、伸側連通孔に接続する伸側バイパス通路と、圧側連通孔に接続する圧側バイパス通路とで構成し、上記伸側バイパス通路の途中に伸側時に開く伸サブバルブを開閉自在に設け、又上記圧側バイパス通路の途中に圧側時に開く圧サブバルブを開閉自在に設け、上記ロータリーバルブには上記伸側連通孔に開閉される開口部と上記圧側連通孔に開閉される開口部とを形成し、更に車体速度のみの検出信号に基づいてロータリーバルブの回転量を制御するコントローラを設け、当該コントローラはロータリーバルブを介して伸側連通孔を閉じた時圧側連通孔を開かせ、伸側連通孔を開いた時圧側連通孔を閉じさせ、又伸側連通孔を開いた時圧側連通孔を開かせてそれぞれ伸側減衰力と圧側減衰力をハード・ソフト,ソフト・ハード,ソフト・ソフトに選択的に制御することを特徴とするサスペンション装置。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【特許番号】特許第3300789号(P3300789)
【登録日】平成14年4月26日(2002.4.26)
【発行日】平成14年7月8日(2002.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−349092
【出願日】平成3年12月6日(1991.12.6)
【公開番号】特開平5−155224
【公開日】平成5年6月22日(1993.6.22)
【審査請求日】平成10年12月4日(1998.12.4)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【参考文献】
【文献】特開 昭61−163011(JP,A)
【文献】特表 平1−502972(JP,A)