説明

サッシ

【課題】 火災時においてサッシ自体から発生するガスを効果的に排気して発火を防止できるサッシを提供する。
【解決手段】 枠体と、外障子と、内障子と、火災時に熱によって発泡する耐火材とを備え、枠体は、上枠と、下枠と、左右の縦枠とを有していて、上枠及び下枠はレールを有し、縦枠は内周側に突出する突出片を有しており、外障子及び内障子は、上框、下框及び戸当り側の縦框にレール又は突出片を跨ぐ溝部を有しており、外障子の上框、下框及び戸当り側の縦框の溝部内周面と枠体の対向面との間に耐火材が設けてあり、下框と下枠の間の耐火材は溝部の室内側壁とレールの室内側面の間のみに設けてあり、内障子の上框、下框及び戸当り側の縦框の溝部内周面と枠体の対向面との間に耐火材が設けてあり、耐火材は、発泡時に障子と枠体との隙間を塞ぐものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火性能を備えるサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サッシにおいて、障子の框に耐火材を取り付けたものが知られている(特許文献1の段落0025、図3)。この耐火材は、火災時に炎熱によって発泡し、障子と枠体の間の隙間を塞ぐものであり、気密性を高めて火炎や可燃性ガスの侵入を防ぐ。ところで、火災時にはサッシ自体に用いられている樹脂製部材が融解して可燃性ガスを発生する場合がある。しかしながら、耐火材が発泡して、障子の全周において枠体との間の隙間が塞がれると、サッシ自体から発生する可燃性ガスが逃げ場を失って室内側に流入し、その可燃性ガスが発火してしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−169453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、炎熱によって発泡する耐火材を備えることで火災時において火炎や可燃性ガスの侵入を防ぐとともに、サッシ自体から発生する可燃性ガスを排気して発火させないようにするサッシが求められていた。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、火災時においてサッシ自体から発生するガスを効果的に排気して発火を防止できるサッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のうち請求項1の発明は、枠体と、外障子と、内障子と、火災時に熱によって発泡する耐火材とを備え、枠体は、上枠と、下枠と、左右の縦枠とを有していて、上枠及び下枠はレールを有し、縦枠は内周側に突出する突出片を有しており、外障子及び内障子は、上框、下框及び戸当り側の縦框にレール又は突出片を跨ぐ溝部を有しており、外障子の上框、下框及び戸当り側の縦框の溝部内周面と枠体の対向面との間に耐火材が設けてあり、下框と下枠の間の耐火材は溝部の室内側壁とレールの室内側面の間のみに設けてあり、内障子の上框、下框及び戸当り側の縦框の溝部内周面と枠体の対向面との間に耐火材が設けてあり、耐火材は、発泡時に障子と枠体との隙間を塞ぐものであることを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項2の発明は、内障子の下框においては、耐火材が、溝部の室内側壁とレールの室内側面の間のみに設けてあることを特徴とする。
【0008】
本発明のうち請求項3の発明は、外障子及び内障子の縦框は、中空で、上下端部にコーナー部材を取り付けて開口端を塞いであって、耐火材が、上下のコーナー部材のうち下側のコーナー部材のみに取り付けてあり、発泡時に枠体との隙間を塞ぐものであることを特徴とする。
【0009】
本発明のうち請求項4の発明は、下枠は、下枠補強材を備え、下枠補強材は、内外のレールの間に設けてあって火災時に外障子の荷重を受けるものであることを特徴とする。
【0010】
本発明のうち請求項5の発明は、下枠は、室外側下枠材と、室内側下枠材と、樹脂製の断熱材とを備え、室外側下枠材と室内側下枠材はそれぞれレールを有していて、断熱材によって室外側下枠材と室内側下枠材とを連結してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のうち請求項1の発明によれば、外障子の下端部において、室外側には耐火材を設けていないので、火災時に隙間が確保され、サッシ自体から発生した可燃性ガスを、室外側へ排気することができる。
【0012】
本発明のうち請求項2の発明によれば、外障子に加えて、内障子の下端部においても室外側には耐火材を設けていないので、火災時に隙間が確保され、内障子の樹脂製部材が融解するなどして発生した可燃性ガスも、直ちに室外側へ排気することができ、より確実に室内側への可燃性ガスの侵入を防ぐことができる。
【0013】
本発明のうち請求項3の発明によれば、縦框の上端部のコーナー部材には耐火材を設けていないので、火災時に隙間が確保され、縦框の中空部内に侵入した可燃性ガスを、上方から排気することができる。
【0014】
本発明のうち請求項4の発明によれば、下枠(レール)が炎熱にさらされて変形又は融解した場合であっても、下枠補強材が外障子の荷重を受け、外障子の脱落を防ぐことができる。また、外障子が炎熱にさらされ、障子の戸車が融解するなどして外障子の下框が下方に移動すると、下框の室内側下端部が下枠補強材に当接して室内外を遮断する。これにより、サッシ自体から発生した可燃性ガスが室内側へ流入することを防ぐことができる。
【0015】
本発明のうち請求項5の発明によれば、断熱材が融解して発生した可燃性ガスが、下枠と下枠補強材の間を通って外障子の下框の内部に侵入した場合であっても、室外側に耐火材を設けていないので、そこから直ちに室外側へ可燃性ガスを排気できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のサッシの第一実施形態の縦断面図である。
【図2】本発明のサッシの第一実施形態の横断面図である。
【図3】内障子の召合せ側縦框の下端部を示し、(a)は左側側面図、(b)は正面図、(c)は右側側面図、(d)は平面図、(e)は外側部材を外した状態の左側側面図である。
【図4】内障子の戸当り側縦框の下端部を示し、(a)は左側側面図、(b)は正面図、(c)は右側側面図、(d)は平面図、(e)は外側部材を外した状態の左側側面図である。
【図5】外障子の召合せ側縦框の下端部を示し、(a)は左側側面図、(b)は正面図、(c)は右側側面図、(d)は平面図、(e)は外側部材を外した状態の左側側面図である。
【図6】外障子の戸当り側縦框の下端部を示し、(a)は左側側面図、(b)は正面図、(c)は右側側面図、(d)は平面図、(e)は外側部材を外した状態の左側側面図である。
【図7】内障子の召合せ側縦框の上端部を示し、(a)は左側側面図、(b)は正面図、(c)は右側側面図である。
【図8】内障子の戸当り側縦框の上端部を示し、(a)は左側側面図、(b)は正面図、(c)は右側側面図である。
【図9】外障子の召合せ側縦框の上端部を示し、(a)は左側側面図、(b)は正面図、(c)は右側側面図である。
【図10】外障子の戸当り側縦框の上端部を示し、(a)は左側側面図、(b)は正面図、(c)は右側側面図である。
【図11】外側部材の取り付けの説明図であり、(a)は左側側面図、(b)は正面図である。
【図12】サッシの第二実施形態の縦断面図である。
【図13】サッシの第三実施形態において戸車が融解した場合の説明図である。
【図14】サッシの第四実施形態の縦断面図である。
【図15】サッシの第四実施形態の横断面図である。
【図16】サッシの第五実施形態の縦断面図である。
【図17】サッシの第六実施形態の縦断面図である。
【図18】サッシの第七実施形態の縦断面図である。
【図19】サッシの第七実施形態の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、上下は図1中の上下方向を、左右は図2中の左右方向を表す。ここでは、二枚の障子を備えるサッシの一例として、図1及び図2に示すように、枠体1に外障子2と内障子3を引違いに納めた引違い窓の例を挙げる。第一実施形態において、枠体1は、上枠11と、下枠12と、左右の縦枠13とを四周枠組みしたもので、上枠11の下側面にはレール11a,11bが形成してあり、下枠12の上側面にはレール12a,12bが形成してあって、外障子2及び内障子3が左右方向スライド自在に納めてある。また、左側の縦枠13の内周側面には、外障子2の戸当り面に対向して突出する突出片13aが形成してあり、右側の縦枠13の内周側面には、内障子3の戸当り面に対向して突出する突出片13bが形成してある。外障子2と内障子3は、何れも上框21,31と、下框22,32と、左右の縦框23,33と、パネル6とを備え、左右の縦框23,33の間に上框21,31及び下框22,32を取り付けて四周框組みして(縦框23,33の内周側面に上框21,31及び下框22,32の端面を当接させて、縦框23,33の外周側からボルト止めしてある)、パネル6を嵌め込んだものである。下框22,32には樹脂製の戸車9a,9bを取り付けてあり、この戸車9a,9bが下枠12のレール12a,12b上を転動する。なお、このサッシは、外障子2及び内障子3の上框21,31、下框22,32及び縦框23,33が(外障子2の召合せ側の縦框23を除く)、室外側のアルミ部材21a,31a,22a,32a,23a,33aと室内側の樹脂部材21b,31b,22b,32b,23b,33bとを組み合わせて構成された、いわゆる複合サッシである。また、外障子2の召合せ側の縦框23と、その他の縦框23,33並びに上框21,31及び下框22,32のアルミ部材21a,31a,22a,32a,23a,33aは、何れも形材からなり中空部を有する。さらに、上枠11及び下枠12は、何れも室外側と室内側の二部材に分割してあり(下枠12については、それぞれ室外側下枠材12cと室内側下枠材12dとする)、二部材をウレタンからなる断熱材14で連結してある。
【0018】
そして、外障子2及び内障子3の両方において、上框21,31は上枠11のレール11a,11bを跨ぐ溝部21g,31gを有しており、上框耐火材41が、溝部21g,31g内の室外側壁21e,31eと室内側壁21f,31fとに、それぞれレール11a,11bの室外側面と室内側面に対向して設けてある。また、内障子3において、下框32は下枠12のレール12bを跨ぐ溝部32gを有しており、下框耐火材42が、溝部32g内の室外側壁32eと室内側壁32fとに、それぞれレール12bの室外側面と室内側面に対向して設けてある。さらに、外障子2及び内障子3の両方において、戸当り側の縦框23,33は縦枠13の突出片13a,13bを跨ぐ溝部23g,33gを有しており、縦框耐火材43が、溝部23g,33g内の室外側壁23e,33eと室内側壁23f,33fとに、それぞれ突出片13a,13bの室外側面と室内側面に対向して設けてある。一方、外障子2においても、下框22は下枠12のレール12aを跨ぐ溝部22gを有しているが、下框耐火材42が、溝部22g内の室内側壁22fのみに、レール12aの室内側面に対向して設けてある。また、外障子2の召合せ側の縦框23の召合せ面には、召合耐火材44が設けてある。何れの耐火材も、エポキシ系の素材からなり、約200℃で発泡して厚さ方向(取付面に対して垂直方向)に膨張するものであって、それぞれ框の略全長にわたって取り付けてある。火災時には炎熱により発泡して、枠体1と外障子2又は内障子3、或いは外障子2と内障子3の間に生じる隙間を塞ぎ、サッシの気密性を維持する。
【0019】
また、各縦框23,33の上下端部には、コーナー部材5を取り付けて中空部24,34の開口端を塞いである。図3に示すのは、内障子3の召合せ側の縦框33の下端部であり、この縦框33のアルミ部材33aは、室外側と室内側に二つの中空部34(室外側中空部34a、室内側中空部34b)を有する。そしてコーナー部材5は、内側部材5aと、外側部材5bからなる。内側部材5aは、断面略コ字形状のアルミ形材からなり、開口部(コーナー溝部51)を下側に向けて室外側中空部34aの開口端に挿入して外側からネジ止めしてあって、コーナー溝部51がレール12bを跨ぐ。そして図3(d)に示すように、内側部材5aの横断面の大きさは、室外側中空部34aの横断面の大きさに略等しく、内側部材5aが室外側中空部34aの開口端を塞いでいる。また、内側部材5aの室外側下端部には、レール12bに当接するタイト材52を取り付けてある。一方、外側部材5bは、アルミをダイカスト鋳造して形成したものであって、図11に示すように、キャップ53と、カバー54と、シールピース55の三つの部材からなる。キャップ53は、略平板形状で周囲に起立片を有する蓋部531と、蓋部531の上面に形成した上部突起532と、蓋部531の室外側から下方に延びる下部片533と、下部片533の室外側下端部に形成した下部突起534とを備えるものであり、上部突起532を縦框33の室内側中空部34bの開口端に挿入し、下部突起534を縦框33の下端に形成した切欠35に係合させて取り付けてある。また、カバー54は、略平板形状で、縦框33の見込面にネジ止めしてある。さらに、シールピース55も略平板形状で、カバー54の下端部に重ねるようにネジ止めしてある。なお、コーナー部材5は、内側部材5aと外側部材5bとを一体に成形してもよい。また、不燃材料からなるものであることが望ましく、アルミ以外に鉄やステンレスなどの火炎の熱によって容易に融解しない金属を用いてもよいし、その他、火災時に一定時間形状を保つことができるものであれば、ガラス、石、不燃加工を施した木材等、種々の素材を用いてもよい。
【0020】
さらに、図4〜6に示すように、内障子3の戸当り側の縦框33並びに外障子2の召合せ側及び戸当り側の縦框23についても、下端に内側部材5aと外側部材5bからなるコーナー部材5を取り付けて中空部24,34の開口端を塞いである。これらの縦框23,33においては、中空部24,34は一つであり、内側部材5aを中空部24,34の開口端に挿入してあり、外側部材5bを縦框23,33の外周面にネジ止めしてある。
【0021】
そして、図3〜6に示すように、各コーナー部材5の内側部材5aのコーナー溝部51底面及びコーナー溝部51内側の室外側及び室内側の壁面に、溝部耐火材45を取り付けてある。溝部耐火材45は、火災時に発泡して下枠12(レール12a,12b)との隙間を塞ぐ。なお、図5に示すように、外障子2の召合せ側の縦框23の中空部24は見込幅が長いので、ここに挿入する内側部材5aも見込幅が長くなっている。そこで、内側部材5aの室内側に補助中空部56を形成することで、コーナー溝部51の幅を狭くして、コーナー溝部51内側の室内側の壁面に取り付けた溝部耐火材45が発泡時に確実にレール12aとの隙間を塞ぐようにしてある。さらに、図4(c)及び図6(a)に示すように、戸当り側の縦框23,33において、コーナー部材5の外側部材5bの外周側面(戸当り面)に、上下に延びる戸当耐火材46を取り付けてある。
【0022】
なお、下框22,32に取り付けた下框耐火材42と、コーナー部材5に取り付けた溝部耐火材45とは、炎熱にさらされた際に膨張して互いに密接し、また縦框23,33に取り付けた縦框耐火材43と、コーナー部材5に取り付けた戸当耐火材46とは、炎熱にさらされた際に膨張して互い密接し、さらに溝部耐火材45と戸当耐火材46とは、炎熱にさらされた際に膨張して互いに密接する。こうして、外障子2及び内障子3の下框22,32と縦框23,33に連続した耐火ラインが形成され、サッシが炎熱にさらされて気密材が融解したり外障子2や内障子3が変形したりした場合でも、外障子2や内障子3と枠体1との間を塞ぎ、サッシの気密性を維持することができる。
【0023】
また、図5に示すように、外障子2の召合せ側の縦框23の下端部の内側部材5aの下面(コーナー溝部51の室内側)に、コーナー溝部51に沿って端部耐火材47を取り付けてある。そして、下枠12の、召合せ側の縦框23のコーナー部材5に対向する位置には、貫通孔7が形成してあり、この貫通孔7に、樹脂製で室内外方向に連通する気密ピース8a(止水ピース)を嵌め込んで取り付けてあり、これは、図5(a)に示すように、室内側への水の流入を抑えるためのものである。気密ピース8aは、それ自体が室内外に連通しているものであるから、無くなるとサッシの室内外が連通してしまうことになる。しかし、火災時には、内側部材5a下面の端部耐火材47が発泡して気密ピース8aを覆うので、気密ピース8aが炎熱にさらされて融解し、室内外が連通して気密性が維持できなくなることを防ぐ。なお、外障子2の戸当り側の縦框23の下部には、図2及び図6(a)に示すように、二つの貫通孔7が形成してあり、これは排気孔としての機能を有するものである。そして、貫通孔7を塞ぐカバー材8bとして、内障子3のストッパーを取り付けてある。よって、外障子2の戸当り側の縦框23の下端部の内側部材5aの下面にも端部耐火材を取り付けて、火災時にカバー材8bを覆うようにしてもよい。さらに、他の箇所のコーナー部材にも端部耐火材を取り付けて、火災時に、対向する位置にある部材を覆うようにしてもよい。
【0024】
一方、図7〜10に示すように、各縦框23,33の上端部についても、コーナー部材5を取り付けて中空部24,34の開口端を塞いである。これらの上端部のコーナー部材5は、従来の樹脂製で一体成形されたものであって、レール11a,11bを跨ぐコーナー溝部51を有する。上端部のコーナー部材5を樹脂製のものとしたのは、火災時において一般に炎は下側から回るので、少なくとも縦框23,33の下端のコーナー部材5が不燃材料からなるものであればよいからである。また上端部のコーナー部材5はアルミ形材からなるレール11a,11bと直接接触するので、樹脂製にすることで接触音を低減する効果もある。もちろん、上端部のコーナー部材5についても不燃材料からなるものを用いてもよいが、その際には、コーナー部材5とレール11a,11bの接触部にクッション材を取り付けて、接触音を低減することが望ましい。そして、各縦框23,33の上端部に取り付けたコーナー部材5には、耐火材は取り付けられていない。
【0025】
このように、本発明のサッシは、各框やコーナー部材5の各所に耐火材を設けて、火災時においても気密性を保てるようにしたものである。特に、外障子2の下框22以外の各框には溝部内の室外側壁と室内側壁の両方に耐火材を設け、耐火材が、発泡時にレール11a,11b,12bや突出片13a,13bを室外側と室内側の両側から挟み込むようにすることで、気密性を高めている。外障子2の下框22においては、溝部22g内の室内側壁22fのみに下框耐火材42を設けてあり、室外側には耐火材を設けていない。このような構成とすることにより、火災時には室内側の下框耐火材42によって火炎や可燃性ガスの侵入を防ぐとともに、室外側に連通する隙間が確保され、下枠12の断熱材14や、戸車9a,9b、外障子2のタイト材及びグレージングチャンネルなどが融解してサッシ自体から発生する可燃性ガスを、室外側へ排気し、発火を防止することができる。なお、各框のうち下框22についてこのような構成としたのは、火災時において一般に炎は下側から回るので、可燃性ガスもサッシの下側で発生しやすく、発生したガスを即座に排気して発火を防止するためである。また、コーナー部材5については、各縦框23,33の下端部のコーナー部材5のみに溝部耐火材45や戸当耐火材46を設けてあり、上端部のコーナー部材5には耐火材を設けていない。これは、火災時において一般に炎は下側から回るので、上端部のコーナー部材5は炎の影響を受けにくく、むしろ耐火材を設けないことで隙間を確保し、縦框23,33の中空部24,34内に侵入した可燃性ガスを上方から排気するためである。下側からの炎によりサッシの下側で発生した可燃性ガスがそのまま滞留すると、ガスが発火してさらに炎が大きくなってしまうので、上方から排気することで、炎から遠く、炎が回りにくい箇所へ意図的に可燃性ガスを逃がして発火を防止することができる。耐火材を設けない部分がない場合、火災時に耐火材が発泡すると、外障子2や内障子3の全周において枠体1との間の隙間が塞がれ、サッシ自体から発生する可燃性ガスが上框21,31や下框22,32と縦框23,33との接合部など意図しない箇所から室内側に流入し、その可燃性ガスが発火してしまうおそれがある。そこで、本発明ではあえて一部に耐火材を設けないことで、排気経路を確保し、意図しない箇所から可燃性ガスが室内側に流入し、その可燃性ガスが発火することを防いでいるのである。
【0026】
なお、縦框23,33の下端のコーナー部材5(内側部材5a及び外側部材5b)を不燃材料であるアルミで構成することにより、サッシが炎熱にさらされてもコーナー部材5が融解又は焼失することはなく、隙間を生じたり室内外が連通したりすることを防ぐ。また、内側部材5aが縦框23,33の端部を塞ぐので(さらに内障子3の召合せ側の縦框33においては、外側部材5bのキャップ53が室内側中空部34bを塞ぐ)、下枠12の断熱材14などが融解して発生した可燃性ガスが中空部24,34へ侵入しにくい構造となっている(それでも侵入したガスについては、上述のとおり上端部から排気される)。さらに、コーナー部材5が融解して可燃性ガスを発生することや、融解したコーナー部材5に着火して新たな火元となることもない。また、コーナー部材5は、内側部材5aとしてアルミ形材を用い、外側部材5bのみをアルミでダイカスト鋳造したものであり、製造が容易である。さらに、縦框23,33の中空部24,34内に挿入して端部を塞ぐ内側部材5aと、外観上視認できる外側部材5bとで、機能性や意匠性を考慮して素材や加工方法を異ならせることもできる。
【0027】
また、図1及び図2に示すように、本発明のサッシの外障子2及び内障子3においては、パネル6の全周にわたって、鉄製で断面コ字形のパネル支持材100を取り付けてある。これは、サッシが炎熱にさらされて上框21,31、下框22,32及び縦框23,33が融解した場合にパネル6が外れるのを防ぎ、サッシの気密性を維持するためのものである。
【0028】
さらに、各縦框23,33の中空部24,34内(内障子3の召合せ側の縦框33においては、室外側中空部34a内)には、鉄製で断面コ字形の縦框補強材110を挿入してある。縦框補強材110は縦框23,33の全長にわたるもので、外側からネジ止めしてある。これは、サッシが炎熱にさらされた際に、縦框23,33の伸びを抑えるためのものである。
【0029】
また、第二実施形態として、図12に示すように、下枠12に下枠補強材61を取り付けてもよい。下枠補強材61は、ステンレス製で、外障子2の下側部分に設けるものであって、室外側下枠材12cのレール12aと室内側下枠材12dのレール12bの間にネジ止めしてある。断面形状は略L字形で、一辺は下枠12の上面に当接して断熱材14を上から覆っており、他辺は室外側下枠材12cのレール12aの室内側面に当接している。この下枠補強材61は、火災時において、下枠12(レール12a)が炎熱にさらされて変形又は融解した場合に、外障子2の荷重を受けて、外障子2の脱落を防ぐものであるが、断熱材14が融解して可燃性ガスが発生すると、ガスは下枠12と下枠補強材61の間を通って外障子2の下方へ流れ、さらにレール12aと下枠補強材61の間を通って外障子2の下框22の内部に侵入してしまう(下框22の溝部22g内の室内側壁22fに取り付けた下框耐火材42が発泡することである程度の侵入は防げるが、完全なものではなく、また炎熱によって戸車9aが溶けるなどして外障子2自体が下がり、下框耐火材42がレール12aに適切に当接しないこともある)。ここで、耐火材が下框22の室外側と室内側の両方に取り付けてあるとすれば、下框22に侵入した可燃性ガスは逃げ場を失い、下框22と縦框23との接合部など意図しない箇所から室内側に流入して発火してしまうおそれがある。しかし、本発明においては、外障子2の下框22の室外側に耐火材を設けていないので、そこから直ちに室外側へ可燃性ガスを排気できる。よって、このように下枠補強材61を設けた場合であっても、下框22の内部に可燃性ガスが滞留せず、発火を防ぐことができる。
【0030】
さらに、第三実施形態として、図13に示すように、第二実施形態のものとは異なる形状の下枠補強材61を取り付けてもよい。第三実施形態の下枠補強材61は、断面形状がL字を二つ組み合わせた階段形状であって、下枠12の上面に当接して断熱材14を上から覆う水平辺61aと、室外側下枠材12cのレール12aの室内側面に当接する垂直辺61bと、下枠12の上面より上側に位置する段部61cとを有する。火災時において、外障子2の下框22が炎熱にさらされると、室内側の樹脂部材22bが融解するとともに、戸車9aが融解して外障子2が下方に移動する。すると、レール12aの先端が下框22の下側面25に当接して下框22を受け止める(図13の状態)。そしてさらに炎熱にさらされると、下框22のアルミ部材22aも変形して全体が下方に移動し、室内側下端部26が下枠補強材61の段部61cに当接する(図13のA部分)。また、下框22の溝部22g内の室内側壁22fに設けた下框耐火材42が発泡して、レール12aに当接する。アルミ部材22aの変形の仕方によっては、室内側下端部26が段部61cに当接しない場合や、下框耐火材42がレールに12aに当接しない場合もあり得るが、このように室内外を遮断する手段を複数備えることで、確実性が高められ、融解して液状になった戸車9aや、戸車9aなどが融解してサッシ自体から発生した可燃性ガスの室内側への流入を防ぐ。そして、下框22の室外側には耐火材が設けられていないから、室外側においては下框22と下枠12の間に隙間が確保されており、ここから可燃性ガスは室外側へ排気される。
【0031】
次に、外障子2及び内障子3の耐火材を、第一実施形態から第三実施形態とは異なる箇所に設ける場合について説明する。なお、以下の各実施形態において、耐火材の設置箇所以外の各部の構成は第一実施形態と同じである。第四実施形態は、図14及び図15に示すように、外障子2及び内障子3の両方において、上框耐火材41が、上框21,31の溝部21g,31g内の外周側面21h,31h(見込面)に、それぞれレール11a,11bの先端に対向して設けてある。また、外障子2及び内障子3の両方において、縦框耐火材43が、戸当り側の縦框23,33の溝部23g,33g内の外周側面23h,33h(見込面)に、それぞれ突出片13a,13bの先端に対向して設けてある。さらに、内障子3において、下框耐火材42が、下框32の溝部32g内の室外側壁32eと室内側壁32fとに、それぞれレール12bの室外側面と室内側面に対向して設けてある。一方、外障子2においては、下框耐火材42が、下框22の溝部22g内の室内側壁22fのみに、レール12aの室内側面に対向して設けてある。また、外障子2の召合せ側の縦框23の召合せ面には、召合耐火材44が設けてある。
【0032】
何れの耐火材も、火災時には炎熱により発泡して、枠体1と外障子2又は内障子3、或いは外障子2と内障子3の間に生じる隙間を塞ぎ、サッシの気密性を維持する。特に、内障子3の下框32には溝部32g内の室外側壁32eと室内側壁32fの両方に下框耐火材42を設け、下框耐火材42が、発泡時にレール12bを室外側と室内側の両側から挟み込むようにすることで、気密性を高めている。また、上框21,31及び戸当り側の縦框23,33においては、耐火材を框の溝部内の外周側面に設けることで、第一実施形態と比べて耐火材の使用量を減らしつつ、耐火材が、発泡時にレール11a,11bや突出片13a,13bを内周側から覆うようにすることで、第一実施形態と同等の気密性を確保している。そして、外障子2の下框22においては、溝部22g内の室内側壁22fのみに下框耐火材42を設けてあって、室外側には耐火材を設けていないので、火災時には室内側の下框耐火材42によって火炎や可燃性ガスの侵入を防ぐとともに、室外側に連通する隙間が確保され、サッシ自体から発生する可燃性ガスを、室外側へ排気し、発火を防止することができる。
【0033】
また、第五実施形態は、図16に示すように(横断面図は第四実施形態の場合(図15)と全く同じであるから、省略する)、外障子2及び内障子3の両方において、上框耐火材41が、上框21,31の溝部21g,31g内の外周側面21h,31h(見込面)に、それぞれレール11a,11bの先端に対向して設けてある。また、外障子2及び内障子3の両方において、縦框耐火材43が、戸当り側の縦框23,33の溝部23g,33g内の外周側面23h,33h(見込面)に、それぞれ突出片13a,13bの先端に対向して設けてある。さらに、外障子2及び内障子3の両方において、下框耐火材42が、下框22,32の溝部22g,32g内の室内側壁22f,32fのみに、レール12a,12bの室内側面に対向して設けてある。また、外障子2の召合せ側の縦框23の召合せ面には、召合耐火材44が設けてある。
【0034】
何れの耐火材も、火災時には炎熱により発泡して、枠体1と外障子2又は内障子3、或いは外障子2と内障子3の間に生じる隙間を塞ぎ、サッシの気密性を維持する。特に、上框21,31及び戸当り側の縦框23,33においては、耐火材を框の溝部内の外周側面に設けることで、第一実施形態と比べて耐火材の使用量を減らしつつ、耐火材が、発泡時にレール11a,11bや突出片13a,13bを内周側から覆うようにすることで、第一実施形態と同等の気密性を確保している。そして、外障子2及び内障子3の下框22,32においては、溝部22g,32g内の室内側壁22f,32fのみに下框耐火材42を設けてあって、室外側には耐火材を設けていないので、火災時には室内側の下框耐火材42によって火炎や可燃性ガスの侵入を防ぐとともに、室外側に連通する隙間が確保され、サッシ自体から発生する可燃性ガスを、室外側へ排気し、発火を防止することができる。外障子2と内障子3の両方の下框22,32から可燃性ガスを排気できるので、より確実に室内側への可燃性ガスの侵入を防ぐことができる。
【0035】
さらに、第六実施形態は、図17に示すように(横断面図は第四実施形態の場合(図15)と全く同じであるから、省略する)、外障子2及び内障子3の両方において、上框耐火材41が、上框21,31の溝部21g,31g内の室内側壁21f,31fと外周側面21h,31h(見込面)とに、それぞれレール11a,11bの室内側面と先端に対向して設けてある。また、外障子2及び内障子3の両方において、縦框耐火材43が、戸当り側の縦框23,33の溝部23g,33g内の外周側面23h,33h(見込面)に、それぞれ突出片13a,13bの先端に対向して設けてある。さらに、外障子2及び内障子3の両方において、下框耐火材42が、下框22,32の溝部22g,32g内の室内側壁22f,32fのみに、レール12a,12bの室内側面に対向して設けてある。また、外障子2の召合せ側の縦框23の召合せ面には、召合耐火材44が設けてある。
【0036】
何れの耐火材も、火災時には炎熱により発泡して、枠体1と外障子2又は内障子3、或いは外障子2と内障子3の間に生じる隙間を塞ぎ、サッシの気密性を維持する。特に、上框21,31においては、溝部21g,31g内の室内側壁21f,31fと外周側面21h,31hに上框耐火材41を設け、上框耐火材41が、発泡時にレール11a,11bを室内側と内周側から覆うようにすることで、気密性を高めている。また、戸当り側の縦框23,33においては、縦框耐火材43を溝部23g,33g内の外周側面23h,33hに設けることで、第一実施形態と比べて耐火材の使用量を減らしつつ、縦框耐火材43が、発泡時に突出片13a,13bを内周側から覆うようにすることで、第一実施形態と同等の気密性を確保している。そして、外障子2及び内障子3の下框22,32においては、溝部22g,32g内の室内側壁22f,32fのみに下框耐火材42を設けてあって、室外側には耐火材を設けていないので、火災時には室内側の下框耐火材42によって火炎や可燃性ガスの侵入を防ぐとともに、室外側に連通する隙間が確保され、サッシ自体から発生する可燃性ガスを、室外側へ排気し、発火を防止することができる。外障子2と内障子3の両方の下框22,32から可燃性ガスを排気できるので、より確実に室内側への可燃性ガスの侵入を防ぐことができる。
【0037】
なお、上記の各実施形態の、外障子及び内障子の各框における耐火材の取付位置並びに下枠補強材の有無を表にまとめると、以下のようになる。
【表1】

【0038】
さらに、耐火材は、枠体に設けるものであってもよい。図18及び図19に示す第七実施形態はその一例であり、上枠11においては、レール11a,11bの室外側面及び室内側面に、上枠耐火材41aを設けてある。また、縦枠13においては、突出片13a,13bの室外側面及び室内側面に、縦枠耐火材43aを設けてある。さらに、下枠12の室内側においては、室内側のレール12bの室外側面及び室内側面に、下枠耐火材42aを設けてある。一方、下枠12の室外側においては、室外側のレール12aの室内側面のみに、下枠耐火材42aを設けてある。なお、何れの耐火材も、レール又は突出片の溝部に挿入されている領域に設けてある。火災時には、これらの耐火材が発泡して対向する溝部の室外側面又は室内側面に当接し、気密性を保って火炎や可燃性ガスが室内側へ侵入することを防ぐ。そして、とくに下枠12の室外側においては、レール12aの室内側面のみに下枠耐火材42aを設けて、室外側面には耐火材を設けていないので、火災時には室内側の下枠耐火材42aによって火炎や可燃性ガスの侵入を防ぐとともに、室外側に連通する隙間が確保され、下枠12の断熱材14や、戸車9a,9b、外障子2のタイト材及びグレージングチャンネルなどが融解してサッシ自体から発生する可燃性ガスを、室外側へ排気し、発火を防止することができる。なお、上枠11及び下枠12の室内側のレール11b,12bの室内側面においては、樹脂製部材の上から耐火材と取り付けてあるが、火災時には耐火材が発泡することで樹脂製部材も炎熱から保護されるので、問題なく機能する。また、下枠12の室内側においては、室外側と同様に、レール12bの室内側面のみに下枠耐火材42aを設けるようにしてもよい。このようにすれば、内障子3の樹脂製部材が融解するなどして発生した可燃性ガスも、直ちに室外側へ排気することができ、より確実に室内側への可燃性ガスの侵入を防ぐことができる。
【0039】
以上のように、本発明のサッシは、外障子又は外障子及び内障子の下端部において、室外側に耐火材を設けないことにより、火災時において室外側に連通する隙間を確保している。一方、障子の上端部や左右端部(戸当り側)においては、溝部内周面と枠体の対向面に耐火材を設けることで、室外側及び室内側からの火炎や可燃性ガスの侵入を確実に防ぐようになっている。なお、より確実に火炎や可燃性ガスの侵入を防ぐためには、耐火材は溝部内周面と枠体の対向面の少なくとも2面間に設けることが望ましい。一般に、障子の下部には戸車などの樹脂製部材が多く取り付けられているので、火災時にはこれらが融解して可燃性ガスを発生するが、本発明のサッシでは、障子の下部に室外側に連通する隙間を確保しているので、この可燃性ガスを直ちに室外側に排気できる。また、可燃性ガスは空気より軽いので、一部は框の内部を通って上昇するが、上述のとおり障子の上端部や左右端部は耐火材によって密閉されているので、可燃性ガスは行き場がなくなり、結局は外部に連通している下部から室外側に排気される。さらに、下框には、パネル取付溝に浸入した水を排水するための水抜き孔が設けられており、水抜き孔は下框の下端部において室外側に連通しているから、下框の内部に侵入した可燃性ガスは、この水抜き孔を経由しても排気できる。
【0040】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、窓種は引違い窓に限られず、一方の障子を固定した片引き窓であってもよい。また、コーナー部材について、特に縦框の下端部には不燃材料からなるものを用いることが望ましいが、可燃材料からなるものを用いてもよい。さらに、縦框の中空部は、一つであっても、複数であっても、どちらでもよく、中空部に合わせてコーナー部材を取り付けてあればよい。また、第四実施形態から第六実施形態において、耐火材の設ける箇所の様々なパターンを示したが、何れの場合においても、下枠補強材を設けてもよいし、設けなくてもよい。さらに、設ける場合には、第二実施形態と第三実施形態のどちらの形状の下枠補強材でもよい。
【0041】
また、耐火材を設ける箇所については、これらの各実施形態とはさらに異なるパターンのものであってもよい。たとえば、上框において溝部内の室外側壁、室内側壁及び外周側面の三箇所に耐火材を設けるものであってもよいし、これらの溝部内の各面の耐火材を一体にして、断面L字形やU字形の耐火材を設けるものであってもよい。さらに、耐火材を、枠の見込面の、溝部内周面に対向する箇所に設けるものであってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 枠体
2 外障子
3 内障子
5 コーナー部材
11 上枠
11a,11b レール
12 下枠
12a,12b レール
12c 室外側下枠材
12d 室内側下枠材
13 縦枠
13a,13b 突出片
14 断熱材
21,31 上框
22,32 下框
23,33 縦框
21g,22g,23g,31g,32g,33g 溝部
22f,32f 室内側壁
41 上框耐火材(耐火材)
41a 上枠耐火材(耐火材)
42 下框耐火材(耐火材)
42a 下枠耐火材(耐火材)
43 縦框耐火材(耐火材)
43a 縦枠耐火材(耐火材)
45 溝部耐火材(耐火材)
46 戸当耐火材(耐火材)
61 下枠補強材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、外障子と、内障子と、火災時に熱によって発泡する耐火材とを備え、枠体は、上枠と、下枠と、左右の縦枠とを有していて、上枠及び下枠はレールを有し、縦枠は内周側に突出する突出片を有しており、外障子及び内障子は、上框、下框及び戸当り側の縦框にレール又は突出片を跨ぐ溝部を有しており、外障子の上框、下框及び戸当り側の縦框の溝部内周面と枠体の対向面との間に耐火材が設けてあり、下框と下枠の間の耐火材は溝部の室内側壁とレールの室内側面の間のみに設けてあり、内障子の上框、下框及び戸当り側の縦框の溝部内周面と枠体の対向面との間に耐火材が設けてあり、耐火材は、発泡時に障子と枠体との隙間を塞ぐものであることを特徴とするサッシ。
【請求項2】
内障子の下框においては、耐火材が、溝部の室内側壁とレールの室内側面の間のみに設けてあることを特徴とする請求項1記載のサッシ。
【請求項3】
外障子及び内障子の縦框は、中空で、上下端部にコーナー部材を取り付けて開口端を塞いであって、耐火材が、上下のコーナー部材のうち下側のコーナー部材のみに取り付けてあり、発泡時に枠体との隙間を塞ぐものであることを特徴とする請求項1又は2記載のサッシ。
【請求項4】
下枠は、下枠補強材を備え、下枠補強材は、内外のレールの間に設けてあって火災時に外障子の荷重を受けるものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のサッシ。
【請求項5】
下枠は、室外側下枠材と、室内側下枠材と、樹脂製の断熱材とを備え、室外側下枠材と室内側下枠材はそれぞれレールを有していて、断熱材によって室外側下枠材と室内側下枠材とを連結してあることを特徴とする請求項4記載のサッシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−225149(P2012−225149A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87977(P2012−87977)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【Fターム(参考)】