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サッシ
説明

サッシ

【課題】サッシの障子を構成する下框について、火災発生時に戸車が溶融しても室内外方向の振れを防止して確実に室内側面を縦枠の気密材に当接した状態を維持し、隙間の発生を防止することのできるサッシを提供する。
【解決手段】下枠11は、内障子2と外障子3をそれぞれ長手方向に沿って案内するレール部11b、11cと、レール部より室内側に形成され内障子2または外障子3の室内側面と対向する障子対向部11d、11eとを有し、下框21は、外周面に下枠12のレール部と対向する横傾斜面部24cを有し、横傾斜面部24cは金属材により形成されると共に、室外内周側から室内外周側に向かう傾斜面状に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に設けられる枠体内に内外障子を納めたサッシに関し、特に火災発生時において高温に晒されても枠体と障子の位置関係を保つことで隙間を発生させないようにしたサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
建物開口部に設けられるサッシにおいて、枠体内に内外障子を引き違い状に納めてなる引き違いサッシが広く用いられている。引き違いサッシを含むサッシには、火災が発生した場合にも、一定時間以上、閉塞状態を維持する防火性能が求められる。防火性能を十分に確保するためには、サッシが高温に晒されたとしても、サッシを構成する枠体と障子との位置関係をそのままに保つことで、枠体と障子の間に隙間を生じさせないようにすることが重要である。
【0003】
サッシには、樹脂製のサッシはもちろんのこと、金属製のサッシにおいても、樹脂部材が各所に用いられている。このような樹脂部材は、火災時の高温に晒されると溶融するから、樹脂部材が溶融しても枠体と障子の位置関係が保たれるようにする必要がある。樹脂サッシにおいては、例えば枠体側と障子側にそれぞれ金属製の部品を設け、火災発生時にはそれらが掛かり合うようにすることで、障子の脱落を防ぐようにしたものが知られている。このようなサッシとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−265646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属製のサッシにおいては、火災時に高温に晒されることで熱膨張が生じ、枠体を構成する枠材や障子を構成する框材が大きく伸びる現象が発生する。枠材や框材の端部に隙間がある場合には、これらの部材は長手方向に伸びていくが、隙間がない場合には、それ以上伸びることができないため、反りが発生して部材が屈曲する。このような屈曲が発生すると、枠体と障子の間には隙間が生じるから、その隙間から火炎が侵入し、防火性能を十分に確保することができない。
【0006】
引き違いサッシの障子を構成する下框には、下枠に形成されるレール部を走行自在な戸車が設けられ、室内側面は下枠の長手方向に沿って設けられる気密材に当接することで、気密性を確保するようにしている。通常時には、下框は戸車を介して下枠に支持されており、室内外方向の振れが規制されて確実に気密材に対し当接する。
【0007】
しかし、戸車は通常、樹脂製であり、火災発生時の高温に晒されることで溶融する。戸車が溶融すると、その分、障子が下方に落ちると共に、下端部の支えがなくなって不安定となるから、障子が傾斜し、隙間を生じて、防火性能を低下させることとなる。
【0008】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、サッシの障子を構成する下框について、火災発生時に戸車が溶融しても室内外方向の振れを防止して確実に室内側面を縦枠の気密材に当接した状態を維持し、隙間の発生を防止することのできるサッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係るサッシは、上下枠と左右の縦枠を枠組みしてなる枠体に、上下框と左右の縦框を框組みしてなる框体を有する内障子と外障子を納めてなるサッシにおいて、
前記下枠は、前記内障子と外障子をそれぞれ長手方向に沿って案内するレール部と、該レール部より室内側に形成され前記内障子または外障子の室内側面と対向する障子対向部とを有し、
前記下框は、外周面に前記下枠のレール部と対向する横傾斜面部を有し、該横傾斜面部は金属材により形成されると共に、室外内周側から室内外周側に向かう傾斜面状に形成されることを特徴として構成されている。
【0010】
また、本発明に係るサッシは、前記下框には前記横傾斜面部を有する傾斜面部材が取付けられてなることを特徴として構成されている。
【0011】
さらに、本発明に係るサッシは、前記外障子の下框には外周面に外れ止め部品が取付けられ、該外れ止め部品は先端部に室内側に向かって伸びる外れ止め部が設けられると共に、該外れ止め部の上方に前記横傾斜面部が形成されることを特徴として構成されている。
【0012】
さらにまた、本発明に係るサッシは、前記下框には外周面に補強部品が取付けられ、該補強部品に前記横傾斜面部が形成されることを特徴として構成されている。
【0013】
そして、本発明に係るサッシは、前記下框の外周面から突出する突片を一体的に形成し、該突片に前記横傾斜面部が形成されることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るサッシによれば、下框の外周面に下枠のレール部と対向する横傾斜面部を設け、横傾斜面部は金属材により形成され、室外内周側から室内外周側に向かう傾斜面状に形成されることにより、火災時にサッシが高温に晒され、戸車が溶融して障子下端の支持が失われた場合にも、横傾斜面部が下枠のレール部に当接して障子を室内側に押し付けることができるから、下框の室内外方向への振れを防止して下枠の障子対向部に対する下框の当接状態を維持し、下枠と下框の間に隙間を生じないようにすることができ、防火性能を高くすることができる。
【0015】
また、本発明に係るサッシによれば、下框には横傾斜面部を有する傾斜面部材が取付けられてなることにより、下框に容易に横傾斜面部を設けることができる。
【0016】
さらに、本発明に係るサッシによれば、下框に設けられる外れ止め部の上方に横傾斜面部が形成されることにより、元々取付けられる部品に横傾斜面部を設けることができるので、部品点数の削減を図ることができる。
【0017】
さらにまた、本発明に係るサッシによれば、下框には外周面に補強部品が取付けられ、補強部品に横傾斜面部が形成されることにより、元々取付けられる部品に横傾斜面部を設けることができるので、部品点数の削減を図ることができる。
【0018】
そして、本発明に係るサッシによれば、下框の外周面から突出する突片を一体的に形成し、突片に横傾斜面部が形成されることにより、横傾斜面部のための部品を別途設ける必要がないので、部品点数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態のサッシの縦断面図である。
【図2】本実施形態のサッシの横断面図である。
【図3】下枠付近の拡大縦断面図である。
【図4】傾斜面部材の平面図である。
【図5】火災発生時の状態における下枠付近の拡大縦断面図である。
【図6】第2の実施例にかかる横傾斜面部を含む下枠付近の拡大縦断面図である。
【図7】図3の実施例にかかる横傾斜面部を含む下枠付近の拡大縦断面図である。
【図8】第4の実施例にかかる横傾斜面部を含む下枠付近の拡大縦断面図である。
【図9】召合わせ框と縦框下振止部品及び縦框下端金属部品を実線で表した下枠付近の拡大縦断面図である。
【図10】召合わせ框が表れた下枠付近の拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。図1には本実施形態のサッシの縦断面図を、図2には本実施形態のサッシの横断面図を、それぞれ示している。これら各図に示すように、本実施形態のサッシは、建物開口部に取付けられる枠体1内に、内障子2と外障子3を引き違い状に納めてなる引き違いサッシである。
【0021】
枠体1は、いずれも金属材からなる上枠10と下枠11及び左右の縦枠12、12を方形状に枠組みして構成されている。内障子2と外障子3は、それぞれいずれも金属材からなる上框20と下框21、縦框22及び召合わせ框23を方形状に框組みしてなる框体4内に、ガラス板からなるパネル体5を納めて構成されている。
【0022】
枠体1を構成する上枠10は、内周面10aの室内外端部からそれぞれ垂直方向に伸びる室内側面10bと室外側面10cを備え、これら室内側面10bと室外側面10cの間には、内障子2の上辺を長手方向に案内する内上レール部10dと、外障子3の上辺を長手方向に案内する外上レール部10eとが、それぞれ内周面10aから突出状に形成されている。
【0023】
枠体1を構成する下枠11は、内周面11aが室内外方向に段差を有するように形成されており、室内側が高く、室外側が低くなっている。この内周面11aのうち高い側の室内側には、内障子2の下辺を長手方向に案内する内レール部11bが、内周面11aのうち低い側の室外側には、外障子3の下辺を長手方向に案内する外レール部11cが、それぞれ突出状に形成されている。
【0024】
下枠11の室内側面には、内障子2を構成する下框21の室内側面と対向する内障子対向部11dが形成され、その先端部には気密材11fが設けられて、この気密材11fが内障子2の室内側面に当接することで、内障子2下辺の気密性を確保している。また、下枠11には、内レール部11bの下部から室外側に突出し外障子3を構成する下框21の室内側面と対向する外障子対向部11eが形成され、その先端部には気密材11fが設けられて、この気密材11fが外障子3の室内側面に当接することで、外障子3下辺の気密性を確保している。
【0025】
枠体1を構成する縦枠12は、内周面12aの室内外端部からそれぞれ垂直方向に伸びる室内側面12bと室外側面12cを備えている。縦枠12のうち、閉じた状態の内障子2が配置される側の内周面12aには、内障子2の外周面に向かって突出する中間フィン部12dが形成されている。また、室内側面12bを構成する面のうち内周面12aより見付方向内側に突出する部分は、内障子2を構成する縦框22の室内側面と対向する室内フィン部12fとなっている。室内フィン部12fの先端部には、気密材12gが設けられて内障子2の室内側面に当接し、内障子2縦辺の気密性を確保している。
【0026】
縦枠12のうち、閉じた状態の外障子3が配置される側の内周面12aには、外障子3の外周面に向かって突出する中間フィン部12dが形成されている。また、中間フィン部12dより室内側の内周面12aからは、外障子3を構成する縦框22の室内側面と対向する室内フィン部12fが突出しており、その先端部には気密材12gが設けられて外障子3の室内側面に当接し、外障子3縦辺の気密性を確保している。
【0027】
框体4を構成する上框20は、内周側にはパネル体5の端部を納めるパネル飲込部20aを有し、外周側には上枠10の内上レール部10dまたは外上レール部10eを飲み込んで案内されるレール案内部20bを有している。レール案内部20bは断面凹状となっており、その開口付近には室内外にそれぞれ気密材20cが設けられていて、これらが内上レール部10dまたは外上レール部10eに当接することで、内障子2及び外障子3上辺の気密性を確保している。
【0028】
框体4を構成する下框21は、内周側にパネル体5の端部を納めるパネル飲込部21aを有している。下框21の外周側、すなわち下端部には戸車21dが設けられており、戸車21dが下枠11の内レール部11bまたは外レール部11cに載置されることにより、内障子2や外障子3を移動自在としている。
【0029】
下框21の室内側面には、下端部が下方に延出された室内面延出部21bが形成されている。内障子2の室内面延出部21bは下枠11の内障子対向部11dと対向し、外障子3の室内面延出部21bは下枠11の外障子対向部11eと対向して、気密材11fに当接する。下框21の室外側面にも、下端部が下方に延出された室外面延出部21cが形成されている。室外面延出部21cは、内レール部11bまたは外レール部11cの上端より下方まで延出されており、風雨の室内側への吹き込みを防止している。
【0030】
框体4を構成する縦框22は、内周側にパネル体5の端部を納めるパネル飲込部22aを有している。縦框22の外周側には縦枠12の中間フィン部12dを飲み込む凹状のフィン飲込部22cが形成されている。フィン飲込部22cを構成する室内側面は、縦枠12の室内フィン部12fに設けられる気密材12gに対して当接し、これによって内障子2及び外障子3縦辺の気密性を確保している。
【0031】
縦框22のパネル飲込部22aには、長手方向中間位置の室内側部分に、樹脂製のピース状からなる縦引き寄せ部材25が設けられている。縦引き寄せ部材25は、内障子2または外障子3が閉じた状態で、パネル飲込部22aの室内側面と縦枠12の中間フィン部12dとに挟まれる形状を有しており、内障子2または外障子3を閉じた際に、縦框22が室内外方向に振れないようにすると共に、内障子2または外障子3を室内側に引き寄せて、縦框22が確実に縦枠12の気密材12gに当接するようにしている。
【0032】
框体4を構成する召合わせ框23は、内周側にパネル体5の端部を納めるパネル飲込部23aを有している。また、外障子3を構成する召合わせ框23の室内側壁部23bと、内障子2を構成する召合わせ框23の室外側壁部23cには、それぞれ略L字状に形成され内障子2と外障子3が閉じた状態で互いに噛み合う煙返し部23gが形成されている。また、内障子2を構成する召合わせ框23の室外側壁部23cには、気密材23hが設けられている。煙返し部23gによって、内障子2と外障子3の召合わせ部分における隙間が塞がれ、さらに気密材23hによって召合わせ辺の気密性を確保している。
【0033】
次に、下框21における防火性能の確保について詳細に説明する。火災が発生してサッシが高温に晒されると、下框21に設けられている樹脂製の戸車21dは溶融するから、そのままでは内障子2や外障子3の下端部の支えがなくなって不安定となり、下枠11と下框21の間に隙間を生じ、防火性能を低下させる。そこで、本実施形態では、戸車21dが溶融しても、下框21を室内側に引き寄せた状態を維持することにより、隙間の発生を防止し、防火性能を確保しようとしている。
【0034】
図3には、下枠11付近の拡大縦断面図を示している。図1の縦断面図は、戸車21dが表れる断面図であるが、図3はそれと異なる位置における断面図である。図3に示すように、下框21の外周面部21eには、金属製の傾斜面部材24が取付けられている。傾斜面部材24は、ピース状の部材からなり、下框21の長手方向に沿って戸車21dと干渉しないように複数設けられる。
【0035】
傾斜面部材24は、下框21の外周面部21eに対して当接し固定される基部24aと、基部24aから下方に垂下される垂下部24bとを有して構成されている。垂下部24bは、上下方向中間位置に室外内周側から室内外周側に向かう傾斜面状の横傾斜面部24cを有しており、横傾斜面部24cは下枠11の内レール部11bまたは外レール部11cと対向する。また、垂下部24bの横傾斜面部24cより先端側は、下枠11の内レール部11bまたは外レール部11cの室内側面と対向する。
【0036】
図4には傾斜面部材24の平面図を示している。この図に示すように、基部24aには下框21の外周面部21eにネジ止め固定するための固定孔部24eが設けられ、基部24aの一辺中央部が切り欠かれて、その切欠部分に垂下部24bが形成されている。
【0037】
また、図3に示すように、外障子3には、傾斜面部材24の基部24aに固定され、そこから下方に垂下されて下框21の室外面延出部21cに近接対向する保持部材24dが設けられる。下框21の室外面延出部21cの内面側には、長手方向に沿って加熱発泡剤27が設けられている。
【0038】
加熱発泡剤27は、所定温度以上になると発泡して体積が数十倍に増加するものであり、火災発生時にサッシが高温に晒されるのに伴い、発泡して下框21の下部を塞ぎ、溶融した戸車21dによる樹脂材の流出を防止することができる。加熱発泡剤27は垂直面である室外面延出部21cに保持されているので、火災発生時に脱落するおそれがあるが、その場合にも保持部材24dによって保持されるので、確実に下框21の下部に向かって発泡させることができる。また、内障子2の室外面延出部21cの内面側にも、加熱発泡剤28が設けられ、戸車21dによる樹脂材の流出を防止する。
【0039】
火災が発生してサッシが高温に晒されると、前述のように樹脂製の戸車21dは溶融し、内障子2と外障子3は下端部の支えを失う。このため、下框21は下枠11側に向かって移動する。図5には、火災発生時の状態における下枠11付近の拡大縦断面図を示している。
【0040】
図5に示すように、火災発生時においても、金属材からなる傾斜面部材24はそのまま下框21に固定されている。下框21が下枠11の内周面11a側に移動すると、傾斜面部材24の横傾斜面部24cが内レール部11bまたは外レール部11cの先端部に当接し、内障子2と外障子3の自重によって下框21がさらに下枠11の内周面11a側に移動するのに伴い、横傾斜面部24cの傾斜方向に沿って下框21が内レール部11bまたは外レール部11cによって室内側に押圧される。
【0041】
最終的には図5に示すように、垂下部24bのうち横傾斜面部24cの上側の垂直面部分が、内レール部11bまたは外レール部11cを押圧した状態となり、これによって内障子2では、下框21の室内側面が下枠11の内障子対向部11dに設けられる気密材11fに押し付けられ、外障子3では、下框21の室内側面が下枠11の外障子対向部11eに設けられる気密材11fに押し付けられる。したがって、下框21と下枠11の間に隙間を生じないようにすることができる。すなわち、下框21における防火性能を保つことができる。
【0042】
このように、下框21の外周面部21eに横傾斜面部24cを設けて、下枠11の内レール部11bまたは外レール部11cに対向させるようにしたことにより、簡易な構成で確実な下框21の室内側への引き寄せを実現することができる。また、通常時には横傾斜面部24cは内レール部11bまたは外レール部11cと離隔しているので、戸車21dによる走行を阻害することもないようにすることができる。
【0043】
特に、本実施形態のサッシは、框体4が強風等により撓むことも考慮して、枠体1と内障子2及び外障子3との間のクリアランスを大きめに設定しているが、内レール部11bまたは外レール部11cと対向する横傾斜面部24cを下框21に設けたことによって、クリアランスが大きくても下框21を確実に室内側に引き寄せて、隙間の発生を防止することができる。また、枠体1と内障子2及び外障子3との間の縦方向のクリアランスについては、戸車21dの高さ調整を行っても互いに干渉しないように設定されている。
【0044】
横傾斜面部は、別の形態を採ることも可能である。図6には、第2の実施例にかかる横傾斜面部を含む下枠11付近の拡大縦断面図を示している。図6では、外障子3の下框21に設けられる外れ止め部品25に横傾斜面部25cを設けている。外れ止め部品25は、下框21の外周面部21eに当接して固定される基部25aと、基部25aから下方に垂下される垂下部25bと、垂下部25bの下端部に設けられる外れ止め部25dとを有して構成されており、下框21の長手方向中央位置に設けられる。
【0045】
外れ止め部25dは、垂下部25bの下端部から室内側に張り出すように形成されており、下枠11の外障子対向部11eの下部に潜り込むように配置される。これにより、外障子3が何らかの原因で持ち上がろうとした際に、外れ止め部25dが外障子対向部11eに干渉するため、外障子3が下枠11の外レール部11cから外れないようにすることができる。
【0046】
図6において、横傾斜面部25cは、外れ止め部品25を構成する垂下部25bの上下方向中間位置に形成されている。内障子2では、図3と同様に傾斜面部材24が設けられており、その垂下部24bに横傾斜面部24cが形成されている。このように、垂下部25bを有する外れ止め部品25に横傾斜面部25cを形成することによっても、傾斜面部材24を下框21に設ける場合と同様の効果を得ることができる。
【0047】
図7には、図3の実施例にかかる横傾斜面部を含む下枠11付近の拡大縦断面図を示している。図7では、内障子2の下框21に設けられる補強部品26に横傾斜面部26cを設けている。補強部品26は、下框21の強度を大きくしたい場合に設けられる金属製の部品であって、下框21の外周面部21eに対して当接し固定される基部26aと、基部26aから垂下されて下框21の室外面延出部21cに沿う垂下部26bとを有している。この垂下部26bの一部を室内側に向かって折り曲げ加工することで、横傾斜面部26cを形成している。なお、外障子3の下框21には傾斜面部材24が設けられている。
【0048】
図6や図7のように、外れ止め部品25や補強部品26に横傾斜面部を形成することにより、下框21に元々設けられる部品に横傾斜面部を形成できるので、横傾斜面部のために新たに部品を設ける必要がなく、部品点数の削減を図ることができる。
【0049】
また、横傾斜面部は下框21と一体的に形成することもできる。図8には、第4の実施例にかかる横傾斜面部を含む下枠11付近の拡大縦断面図を示している。この図に示すように、内障子2と外障子3の下框21には、それぞれ外周面部21eから突出する突片21fが形成され、この突片21fに横傾斜面部21gが形成されており、内レール部11bまたは外レール部11cと対向している。
【0050】
このように下框21に一体的に形成された横傾斜面部21gによっても、これまでの実施例における横傾斜面部と同様の機能を果たすことができる。そして、横傾斜面部21gを下框21に一体形成していることにより、横傾斜面部のための部品を別途設ける必要がないので、部品点数の削減を図ることができる。
【0051】
外障子3を構成する召合わせ框23の下端部では、内レール部11bや外レール部11cに案内されるために設けられる部品に対し取付けられる金属部品により、振止めをなしている。図9には、下枠11付近の拡大縦断面図を示している。この図では、外障子3の下框21を破線で示し、召合わせ框23と縦框下振止部品30及び縦框下端金属部品31を実線で示している。縦框下振止部品30は、召合わせ框23の下端部中空内部に設けられ、下枠11の外レール部11cを跨ぐ摺接部30aを下面側に有している。摺接部30aは、外レール部11cに対して摺接し、外障子3を外レール部11cに沿って円滑に案内する。
【0052】
縦框下振止部品30には、2つの加熱発泡剤32、33を載置できる支持部30b、30cが形成されている。支持部30b、30cに載置される加熱発泡剤32、33の上面側は、縦框下振止部品30の上方に設けられる縦框下端金属部品31の被覆金属部31a、31bによって覆われている。縦框下端金属部品31は、被覆金属部31bから上方に向かって伸びる垂直面部31dを有しており、この垂直面部31dにも加熱発泡剤34が設けられる。
【0053】
縦框下端金属部品31の被覆金属部31a、31bの間は、傾斜面状の横傾斜面部31cとなっており、これが下枠11の外レール部11cと対向している。火災発生時に下框21が下枠11の内周面11aに近づくと、横傾斜面部31cは外レール部11cによって室内側に押圧され、召合わせ框23の室内側面が下枠11の外障子対向部11eに設けられる気密材11fに当接した状態を維持することができる。このように、外障子3の召合わせ框23においては、縦框下端金属部品31の横傾斜面部31cによって、火災発生時に下框21が下枠11側に移動した際の室内側への引き寄せをなすことができる。
【0054】
また、内障子2と外障子3の縦框22及び召合わせ框23の下端部では、内周壁部及び外周壁部に形成される形状によって引き寄せをなしている。図10には、召合わせ框23の形状が表れた下枠11付近の拡大断面図を示している。召合わせ框23の下端部には、内周壁部23dと外周壁部23eにそれぞれ略U字状の切欠部23kが形成される。なお、図10では召合わせ框23について説明しているが、縦框22についても同様の構成となっている。
【0055】
この切欠部23kには、内障子2と外障子3いずれも、室内上端部付近が盛り上がる凸状部23mが形成されており、切欠部23kの最奥部は室外側に偏った形状となっている。このため、火災発生時に下框21が下枠11の内周面11aに近づくと、凸状部23mが内レール部11bまたは外レール部11cに当接することにより、内障子2と外障子3はいずれも室内側に引き寄せられる。これにより、下框21だけでなく召合わせ框23の部分においても、框体4を下枠11の内障子対向部11d及び外障子対向部11eにそれぞれ設けられる気密材11fに当接した状態を維持することができる。
【0056】
図10では、召合わせ框23の切欠部23kに凸状部23mを形成して、火災発生時における框体4の引き寄せを行うこととしたが、召合わせ框23の切欠部23kはU字状に形成しておき、召合わせ框23の内周壁部23d及び外周壁部23eに、切欠部と凸状部を有する形状のプレートを固定することによっても、同様の機能を持たせることができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、本実施形態では内外障子2、3が枠体1内に引き違い状に納められるものとしたが、内外障子2、3のいずれかが枠体1に固定された片引きサッシであっても、同様に本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0058】
1 枠体
2 内障子
3 外障子
4 框体
5 パネル体
10 上枠
11 下枠
11b 内レール部
11c 外レール部
11f 気密材
12 縦枠
20 上框
21 下框
22 縦框
23 召合わせ框
24 傾斜面部材
24a 基部
24b 垂下部
24c 横傾斜面部
25 外れ止め部品
26 補強部品
27 加熱発泡剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下枠と左右の縦枠を枠組みしてなる枠体に、上下框と左右の縦框を框組みしてなる框体を有する内障子と外障子を納めてなるサッシにおいて、
前記下枠は、前記内障子と外障子をそれぞれ長手方向に沿って案内するレール部と、該レール部より室内側に形成され前記内障子または外障子の室内側面と対向する障子対向部とを有し、
前記下框は、外周面に前記下枠のレール部と対向する横傾斜面部を有し、該横傾斜面部は金属材により形成されると共に、室外内周側から室内外周側に向かう傾斜面状に形成されることを特徴とするサッシ。
【請求項2】
前記下框には前記横傾斜面部を有する傾斜面部材が取付けられてなることを特徴とする請求項1記載のサッシ。
【請求項3】
前記外障子の下框には外周面に外れ止め部品が取付けられ、該外れ止め部品は先端部に室内側に向かって伸びる外れ止め部が設けられると共に、該外れ止め部の上方に前記横傾斜面部が形成されることを特徴とする請求項1記載のサッシ。
【請求項4】
前記下框には外周面に補強部品が取付けられ、該補強部品に前記横傾斜面部が形成されることを特徴とする請求項1記載のサッシ。
【請求項5】
前記下框の外周面から突出する突片を一体的に形成し、該突片に前記横傾斜面部が形成されることを特徴とする請求項1記載のサッシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−113062(P2013−113062A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262780(P2011−262780)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】