説明

サファイア単結晶の製造装置及び製造方法

【課題】モリブデンルツボ内のサファイア融液への難溶解物の混入を防止する。
【解決手段】サファイア融液21を保持するモリブデンルツボ14と、サファイア融液21に浸漬した種結晶を引き上げる引き上げ機構19と、モリブデンルツボ14を囲繞し、軸方向に分割された上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bからなる抵抗加熱ヒーター15と、上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bの出力をそれぞれ制御するコントローラ23とを備える。本発明によれば、モリブデンルツボ14にかかる熱負荷を微調整することができるため、難溶解物の発生を抑制することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサファイア単結晶の製造装置及び製造方法に関し、特に、チョクラルスキー法(CZ法)を用いたサファイア単結晶の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(LED)の製造用基板としてサファイア単結晶基板の需要が拡大している。サファイア単結晶基板は、サファイア単結晶をウェーハ状にスライスすることによって作製されるため、大型のサファイア基板を作製するためには、大型のサファイア単結晶を用いる必要がある。
【0003】
サファイア単結晶を製造する方法としては、キロプロス法や垂直ブリッジマン法などが広く用いられているが、これらの方法では所望の面方位を持つサファイア単結晶の大型化が難しいという問題がある。このため、より大型のサファイア単結晶を得る方法として、チョクラルスキー法が注目されている(特許文献1参照)。チョクラルスキー法はシリコン単結晶の引き上げに広く用いられている方法であり、成熟した技術であることから、これをサファイア単結晶の引き上げに応用することによって、大型のサファイア単結晶を安価に作製できるものと期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−189242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同じチョクラルスキー法であっても、シリコンとサファイアとでは物性が大きく異なるため、シリコン単結晶の引き上げで得られた知見をサファイア単結晶の引き上げにそのまま応用できるわけではない。むしろ、シリコン単結晶の引き上げとサファイア単結晶の引き上げは全く別の技術と捉える必要があり、シリコン単結晶の引き上げにおいては生じなかった種々の問題を解決しなければならない。
【0006】
例えば、サファイアは融点が約2323Kであり、シリコンの融点よりも大幅に高いことから、使用可能なルツボの材料もモリブデンやイリジウムなどの一部の高融点金属に限られる。このため、石英ルツボを使用するシリコン単結晶の引き上げでは生じない、サファイア単結晶の引き上げに特有の新たな問題が発生することがあり、これを解決することが必要となる。
【0007】
サファイア単結晶の引き上げに特有の問題としては、モリブデンルツボを使用した場合に生じる難溶解物の発生が挙げられる。難溶解物はサファイア融液の表面に浮かぶ不純物であり、これが多量に存在すると種結晶の着液を行うことができなくなってしまう。このため、モリブデンルツボを使用する場合には難溶解物の発生をできる限り抑制することが重要となるが、このような問題はシリコン単結晶の引き上げでは生じない問題であるため、シリコン単結晶の引き上げで得られた知見を用いて解決することは困難である。
【0008】
したがって、本発明は、モリブデンルツボを使用した場合であっても難溶解物の発生を抑制することが可能なサファイア単結晶の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、モリブデンルツボを使用した場合にサファイア融液に難溶解物が混入する原因について鋭意研究を行った結果、難溶解物の成分はモリブデンであり、ルツボ由来であることが明らかとなった。つまり、ルツボの材料であるモリブデンがサファイア融液に混入し、これが難溶解物として析出することが明らかとなった。
【0010】
さらに本発明者は、モリブデンがサファイア融液に混入する原因についても研究を行ったところ、モリブデンルツボにサファイア原料を投入した後、加熱によってサファイア原料を融解させる際の熱負荷、特にルツボ内壁の熱負荷が大きく影響していることが判明した。
【0011】
本発明はこのような技術的知見に基づき成されたものであって、本発明によるサファイア単結晶の製造装置は、サファイア融液を保持するモリブデンルツボと、前記サファイア融液に浸漬した種結晶を引き上げる引き上げ機構と、前記モリブデンルツボを囲繞し、軸方向に分割された複数の抵抗加熱ヒーターと、前記複数の抵抗加熱ヒーターの出力をそれぞれ制御するコントローラと、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、モリブデンルツボを囲繞する抵抗加熱ヒーターが複数に分割されていることから、各ヒーターの出力を独立して制御することができる。これにより、モリブデンルツボにかかる熱負荷を微調整することができるため、難溶解物の発生を抑制することが可能となる。尚、石英ルツボを使用するシリコン単結晶の引き上げにおいては、抵抗加熱ヒーターを複数に分割する例は存在する。しかしながら、シリコン単結晶の引き上げでは難溶解物の発生という問題は存在せず、したがって、サファイア融液に混入する難溶解物をヒーターの分割によって制御するという発想は、石英ルツボを使用するシリコン単結晶の引き上げ技術からは得られない。このように、本発明は、モリブデンルツボを使用したチョクラルスキー法によるサファイア単結晶の引き上げに特有の問題を解決するものであり、石英ルツボを使用するシリコン単結晶の引き上げ技術を単純にそのまま応用できるものではない。
【0013】
本発明において、前記複数の抵抗加熱ヒーターは上部ヒーターと下部ヒーターを含み、前記コントローラは、サファイア原料を融解する際における前記上部ヒーターの出力を前記上部ヒーターと前記下部ヒーターの合計出力の50%以下に設定することが好ましい。これによれば、サファイア原料を融解させる際にモリブデンルツボの内壁にかかる熱負荷が軽減されることから、サファイア原料の融解時における難溶解物の発生を抑制することが可能となる。尚、石英ルツボを使用するシリコン単結晶の引き上げにおいては、上部ヒーターの出力と下部ヒーターの出力を互いに異ならせる例は存在する。しかしながら、かかる出力調整は、モリブデンルツボを使用したチョクラルスキー法によるサファイア単結晶の引き上げに特有の問題を解決するためのものであり、したがって、石英ルツボを使用するシリコン単結晶の引き上げ技術における出力調整がそのまま参考になるものではない。
【0014】
また、本発明によるサファイア単結晶の製造方法は、モリブデンルツボに投入されたサファイア原料を融解することによって、サファイア融液を得る融解工程と、前記サファイア融液に浸漬した種結晶を引き上げることによってサファイア単結晶を得る引き上げ工程とを備え、前記融解工程においては、前記モリブデンルツボを囲繞し、軸方向に分割された上部ヒーター及び下部ヒーターからなる抵抗加熱ヒーターを用い、前記上部ヒーターの出力を前記上部ヒーターと前記下部ヒーターの合計出力の50%以下に設定して加熱を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、サファイア原料を融解させる際にモリブデンルツボの内壁にかかる熱負荷が軽減されることから、サファイア原料の融解時における難溶解物の発生を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明によれば、モリブデンルツボにかかる熱負荷を微調整することができるため、難溶解物の発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるサファイア単結晶の製造装置10の構成を示す模式図である。
【図2】サファイア単結晶20の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるサファイア単結晶の製造装置の構成を示す模式図である。
【0020】
図1に示すサファイア単結晶の製造装置10は、チャンバー11と、チャンバー11の底部中央を貫通して鉛直方向に設けられた支持回転軸12と、支持回転軸12の上端部に固定された支持台13と、支持台13によって支持されたモリブデンルツボ14と、モリブデンルツボ14を囲繞する抵抗加熱ヒーター15と、支持回転軸12を回転させるための支持軸回転機構16と、先端に種結晶が取り付けられたシード棒18と、シード棒18を引き上げる引き上げ機構19と、各部を制御するコントローラ23とを備えている。
【0021】
チャンバー11内には断熱材22が設けられており、抵抗加熱ヒーター15の外側の周囲は分厚い断熱材22に囲まれている。サファイアの融点は約2323Kと非常に高いが、断熱材22が抵抗加熱ヒーター15の側方のみならず上方や下方にも設けられているので、十分な保温性を確保することができ、モリブデンルツボ14内のサファイア原料を効率よく加熱することができる。さらに、チャンバー11には覗き窓17が設けられており、サファイア単結晶の引き上げの状態を確認することができる。このように、断熱材22を抵抗加熱ヒーター15の側方のみならず上方や下方にも設ける構造は、サファイア単結晶の製造装置10に特有の構造であり、シリコン単結晶の製造装置とは異なる構造である。これは、サファイアは融点がシリコンの融点よりも大幅に高いことから、シリコン単結晶の製造装置に比べて高い断熱性が要求されるからである。
【0022】
チャンバー11の上部には、Arガスをチャンバー11内に導入するためのガス導入口24が設けられている。Arガスはガス管25を介してガス導入口24からチャンバー11内に導入され、その導入量はコンダクタンスバルブ26により制御される。
【0023】
チャンバー11の底部には、チャンバー11内のArガスを排気するためのガス排出口27が設けられている。密閉したチャンバー11内のArガスはガス排出口27から排ガス管28を経由して外部へ排出される。排ガス管28の途中にはコンダクタンスバルブ29及び真空ポンプ30が設置されており、真空ポンプ30でチャンバー11内のArガスを吸引しながらコンダクタンスバルブ29でその流量を制御することでチャンバー11内の減圧状態が保たれている。
【0024】
図1に示すように、本実施形態によるサファイア単結晶の製造装置10は、抵抗加熱ヒーター15が軸方向に2分割されている。つまり、上部ヒーター15aと下部ヒーター15bによって構成されている。これら上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bの出力は、コントローラ23によって互いに独立して制御可能である。
【0025】
上部ヒーター15aの上端部はモリブデンルツボ14の上端部よりもやや下側に位置し、上部ヒーター15aの下端部はモリブデンルツボ14の底部よりもやや上側に位置している。また、下部ヒーター15bの上端部はモリブデンルツボ14の底部よりもやや上側に位置し、下部ヒーター15bの下端部はモリブデンルツボ14の底部よりも下側に位置している。一例として、高さが225mmのモリブデンルツボ14を用いる場合、上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bの高さは、いずれも175mm程度に設計することが好ましい。
【0026】
サファイア単結晶20の引き上げにおいては、コントローラ23による制御により、サファイア単結晶20の引き上げ速度と、サファイア単結晶20とサファイア融液21との間の温度勾配が高精度に制御される。サファイア単結晶20の引き上げ速度は、主に引き上げ機構19によるシード棒18の引き上げ速度によって制御され、温度勾配は、主に抵抗加熱ヒーター15の出力によって調整される。
【0027】
図2は、サファイア単結晶20の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0028】
まず、モリブデンルツボ14にサファイア原料を投入し(ステップS1)、抵抗加熱ヒーター15を用いて融解させる(ステップS2)。サファイア原料を融解させる際には、モリブデンルツボ14の内壁に大きな熱負荷がかかるため、この工程においてモリブデンがサファイア融液21に混入しやすい。モリブデンがサファイア融液21に混入すると難溶解物としてサファイア融液21の表面に析出し、種結晶の着液が困難となる。これを防止するためには、上部ヒーター15aの出力を抑制することが好ましい。これは、図1に示すように上部ヒーター15aはモリブデンルツボ14の直胴部近傍に配置されているため、モリブデンルツボ14の内壁に与える輻射熱が大きいからである。より具体的には、上部ヒーター15aと下部ヒーター15bの合計出力に対して、上部ヒーター15aの出力を50%以下に設定して融解を行うことが好ましい。
【0029】
上部ヒーター15aの出力を50%以下に設定する理由は、サファイア原料を融解させる際にモリブデンルツボ14の内壁にかかる熱負荷を軽減するとともに、サファイア融液21の下部から上部に向かって連続的に温度が低くなる理想的な温度勾配を作るためである。これに対し、シリコン単結晶の製造装置においては、上下に分割されたヒーターを用いる場合であっても、上部ヒーターの出力を50%超に設定するのが通常である。その理由は、第1に、シリコン単結晶の製造装置においては石英ルツボが用いられるため、石英ルツボからシリコン融液への酸素の混入を抑制する必要があるからである。第2に、シリコン単結晶の製造装置においては断熱材がルツボの上部を覆っておらず、ルツボの上方への放熱が大きいため、放熱される熱量を高出力の上部ヒーターによって補う必要があるからである。このような理由から、シリコン単結晶の製造装置においては、上部ヒーターの出力を50%超に設定するのが通常である。
【0030】
しかしながら、このようなシリコンと同じ条件でサファイアの引き上げを行うと、モリブデンルツボ14の上部が過度に加熱され、難溶解物を大量に融液に供給してしまい、結晶成長を阻害する。またサファイア融液21は高い粘性係数を有することから、融液下部から上部に向かって連続的に温度が低くなる理想的な温度勾配を産み出すことができない。このような問題は、上部ヒーター15aの出力を50%以下に設定することによって解決することができる。このような出力設定は、シリコン単結晶の製造装置の知見からは得ることができないものである。
【0031】
サファイア原料が完全に融解したら、種結晶の着液を行う(ステップS3)。種結晶を着液させる地点は、サファイア融液21が正しく露出している必要があり、難溶解物が浮いている場合、これを避けて着液を行わなければならない。しかしながら、本実施形態においては、サファイア原料の融解工程(ステップS2)におけるヒーターパワーの制御によってモリブデンの混入が抑制されているため、サファイア融液21の表面に浮いている難溶解物の数は非常に少なくなる。このため、容易に着液を行うことが可能となる。そして着液を行った後は、ヒーターパワーの制御によって所定の温度勾配を保ったまま、引き上げ機構19によってサファイア単結晶20をゆっくりと引き上げる(ステップS4)。以上により、サファイア単結晶20が作製される。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によるサファイア単結晶の製造装置10は、モリブデンルツボ14を囲繞する抵抗加熱ヒーター15が上部ヒーター15aと下部ヒーター15bに分割されており、これらの出力を互いに独立して制御可能であることから、サファイア原料の融解時におけるモリブデンルツボ14の熱負荷を微調整することが可能となる。これにより、サファイア原料の融解時におけるモリブデンルツボ14の熱負荷が抑えられるため、サファイア融液21へのモリブデンの混入を抑制することができる。その結果、難溶解物の発生が抑制されるため、種結晶の着液を容易に行うことが可能となる。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0034】
例えば、上記実施形態においては、抵抗加熱ヒーター15を軸方向に2分割しているが、抵抗加熱ヒーター15の分割数についてはこれに限定されず、3以上に分割しても構わない。また、上部ヒーター15aと下部ヒーター15bの高さが互いに同一である必要はなく、これらの高さが互いに異なっていても構わない。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
【0036】
モリブデンルツボにサファイア原料を投入し、図1に示したサファイア単結晶の製造装置10を用いてサファイア原料の融解を行った。使用したモリブデンルツボ14の高さは225mmであり、上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bの高さはいずれも175mmとした。上部ヒーター15aと下部ヒーター15bの境界は、モリブデンルツボ14の底部からやや上の位置、つまり湾曲部に位置させた。
【0037】
そして、上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bの出力を1:1に設定してサファイア原料の融解を行った。その後、モリブデンルツボ14内のサファイア融液21の表面状態をチャンバーに設けられた覗き窓から目視にて確認した。その結果、サファイア融液21の表面には難溶解物は認められなかった。
【0038】
一方、上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bの出力を2:1に設定してサファイア原料の融解を行ったところ、サファイア融液21の表面に難溶解物が認められた。
【0039】
また、上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bの出力を1:0に設定してサファイア原料の融解を行ったところ、サファイア融液21の表面に多量の難溶解物が認められた。
【0040】
以上の結果より、合計出力に対して上部ヒーター15aの出力割合が大きいほど、難溶解物の発生が顕著となることが確認された。そして、上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bの出力を1:1、つまり、合計出力に対して上部ヒーター15aの出力を50%まで低下させれば、難溶解物の発生が防止されることが確認された。
【0041】
比較例として、抵抗加熱ヒーター15が分割されていないタイプのサファイア単結晶の製造装置を用いてサファイア原料の融解を行った。その結果、サファイア融液21の表面には難溶解物が認められた。その量は、上部ヒーター15a及び下部ヒーター15bの出力を2:1に設定した場合とほぼ同等であった。
【符号の説明】
【0042】
10 サファイア単結晶の製造装置
11 チャンバー
12 支持回転軸
13 支持台
14 モリブデンルツボ
15 抵抗加熱ヒーター
15a 上部ヒーター
15b 下部ヒーター
16 支持軸回転機構
17 覗き窓
18 シード棒
19 引き上げ機構
20 サファイア単結晶
21 サファイア融液
22 断熱材
23 コントローラ
24 ガス導入口
25 ガス管
26 コンダクタンスバルブ
27 ガス排出口
28 排ガス管
29 コンダクタンスバルブ
30 真空ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サファイア融液を保持するモリブデンルツボと、
前記サファイア融液に浸漬した種結晶を引き上げる引き上げ機構と、
前記モリブデンルツボを囲繞し、軸方向に分割された複数の抵抗加熱ヒーターと、
前記複数の抵抗加熱ヒーターの出力をそれぞれ制御するコントローラと、を備えることを特徴とするサファイア単結晶の製造装置。
【請求項2】
前記複数の抵抗加熱ヒーターは、上部ヒーターと下部ヒーターを含み、
前記コントローラは、サファイア原料を融解する際における前記上部ヒーターの出力を、前記上部ヒーターと前記下部ヒーターの合計出力の50%以下に設定することを特徴とする請求項1に記載のサファイア単結晶の製造装置。
【請求項3】
モリブデンルツボに投入されたサファイア原料を融解することによって、サファイア融液を得る融解工程と、
前記サファイア融液に浸漬した種結晶を引き上げることによってサファイア単結晶を得る引き上げ工程と、を備え、
前記融解工程においては、前記モリブデンルツボを囲繞し、軸方向に分割された上部ヒーター及び下部ヒーターからなる抵抗加熱ヒーターを用い、前記上部ヒーターの出力を前記上部ヒーターと前記下部ヒーターの合計出力の50%以下に設定して加熱を行うことを特徴とするサファイア単結晶の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−95610(P2013−95610A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237013(P2011−237013)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【Fターム(参考)】