サブチャネルにおけるシンボルの時間−周波数マッピングを有する伝送方法および装置
本発明は、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散された連続したNSDC(Kの約数)個のキャリアに等しいサイズのサブチャネル(SC)に、マルチキャリア変調器の入力において、K個のシンボルのブロックでインターリーブされたデータシンボルをマッピングする方法(1)に関する。サブチャネルのサイズNSDCは、サブチャネル間のシンボルの様々なインターリーブされたパターンに基づき事前に決定される(6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔通信の分野に関する。本発明はこの分野の中で、より具体的にはいわゆる「デジタル」通信に関する。デジタル通信は特に無線通信を含むが、例えば有線通信も含む。通信伝送媒体は一般に伝送チャネルまたは伝播チャネルと呼ばれ、当初は無線チャネルを指したが、拡張されてあらゆるチャネルを指すようになった。
【0002】
本発明は、通常は直交周波数分割多重方式(OFDM)である、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたサブチャネルにシンボルをマッピングする技術に関する。かかる技術は一般に、マルチユーザ接続技術、例えば直交周波数分割多重接続(OFDMA)型で実施される。
【背景技術】
【0003】
本発明は特に、任意の種類のマルチキャリア伝送システムに当てはまる。図1は、送信機EMおよび受信機REを備えるシステムSYSのベースバンドで示される従来型のトランシーバシステムを示している。送信機からの出力信号は、伝播チャネルCHによって受信機REに送られる。伝送システムは、誤り訂正符号化器CC、シンボルバイナリ符号化器(symbol binary coder)CBS、マッピングモジュールMT、およびOFDM変調器を備える。従来型の方法では、伝送システムは、OFDM変調器からの出力時にガードインターバルを挿入するモジュール(図示せず)をさらに備える。受信機システムは、OFDM復調器OFDM-1(通常は、ガードインターバルを除去するモジュールが先行する)、デマッピングモジュールMT-1、等化器モジュールEG、シンボル2進復号化器(symbol binary decoder)CBS-1、および誤り訂正復号化器CC-1を備える。
【0004】
ソースSceから来る情報は、符号化器CCによっていわゆる誤り訂正符号を使用して符号化される(ビットレートを上げるために、符号化データは選択的にパンクチャリングされる)。次いでデータは、シンボルバイナリ符号化を実行するCBS変調器によってデータシンボルSd(直交振幅変調(QAM)、4位相偏移変調(QPSK)、. . . セル)の形になる。マッピングモジュールは、OFDMシンボルSmを生成するOFDM変調器への入力においてデータシンボルをマッピングする。シンボルマッピングは、データシンボルをサブチャネルに区分すること、ならびに1つまたは複数のOFDMシンボルに時間および/または周波数でサブチャネルを分散することに分けられうる。また、マッピングモジュールは、受信されたパイロットから受信時にOFDM等化を実行するために、各サブチャネルに、または一部のサブチャネルにパイロットシンボルを挿入することができる。パイロットシンボルの挿入は、OFDMプリアンブルの挿入を伴ってよい。OFDM変調器は、逆フーリエ変換によりOFDMシンボルを生成する。
【0005】
OFDM変調器は、伝送システムの瞬間帯域の周波数分割に対応する一連のサブキャリアを備える。OFDM変調器は、OFDM変調器のサブキャリアの数に対応するサイズNFFTのフーリエ変換の共役フーリエ成分に対応するサブキャリアに対しシンボル(ガードキャリアによって指定されるデータ、パイロット、ヌルシンボル)の変調を実行する。
【0006】
伝送チャネルChは、マルチパスチャネルとも呼ばれ、デジタルフィルタのインパルス応答h(t,τ)によって表され、tは時間変数を表し、τは瞬間tのフィルタ係数と結び付けられた遅延変数を表す。伝送チャネルは、NFFT個の成分からなるOFDM多重に分解された伝送チャネル機能の対応する成分によって、キャリアkに割り当てられた各シンボルを重み付けすることによって、マルチキャリア信号をフィルタリングする。受信時には、周波数および時間の領域でサブキャリアの相関が生成される。周波数相関は、サブキャリアに影響を与え、時間相関は、チャネルの可干渉時間の順序の観測ウィンドウで準一定振幅(quasi-constant amplitude)のサブキャリアを誘導する。可干渉時間は、タイムシフト型に関して伝送媒体を表す信号の相関を除去するのに必要な時間差の平均値に対応する。
【0007】
これら2つの相関は、受信時の決定回路の性能を制限する。時間相関は、送信されたデータシンボルに関する決定の後、および推定される送信済みビットの復号後にバースト誤りをもたらす。こうした影響は、環境が緩やかに変化し、マルチパス環境であるときに見られる。これは特に、標準ECMA-368「High rate ultra-wideband PYH and MAC standard」、第3版、2008年12月に定める超広帯域システム、標準IEEE802.16e、Air interface for fixed and mobile broadband wireless access systems、IEEE P802.16e/D12 Draft、2005年10月に定めるローカル無線ループ専用の無線システム(WiMax)、標準ETSI EN300 175-3 Digital enhanced cordless telecommunications(DECT)、Common interface(CI)、Part 3:Medium access control(MAC)layerに定めるDigital enhanced cordless telecommunications(DECT)、またはxDSL型の伝送に当てはまる。
【0008】
周波数相関は、フィルタリングをもたらすマルチパス効果、ドップラー効果、および直交多重のサブキャリア間の直交性を失わせる無線周波数(RF)段階の位相雑音から同時にもたらされる。これは特に、いわゆる超広帯域短距離システム(ultra-wideband short-range systems)、ミリメートル帯域で定めるシステム、例えば、American Standards Organization IEEE 802.15.3cによって研究されたシステム、および移動性が高水準である4G無線システム(LTE advanced、WiMax)、電離層の無線接続専用の長距離システム(デジタルラジオモンディエール(DRM)システム、標準ETSI TS 101 980)に当てはまる。
【0009】
図2に示されているように、この二重相関を是正する既知の方法は、バイナリデータに対して実行される伝送時のバイナリインターリービングETB、および/またはデータシンボルSdに対して実行されるシンボルインターリービングETSを実施することからなる。
【0010】
こうして、伝送システムにおけるインターリービング技術は、受信されたデータの相関を除去し、決定回路を改善するために、データに適用される。
【0011】
インターリービングは、コードビットまたは実際にソースから直接抽出されたビットに適用されるとき「バイナリ」インターリービングと言われ、これは「スクランブリング」と呼ばれる。
【0012】
インターリービングは、マルチキャリア変調器のサブキャリアに割り当てられた複素シンボル(QPSK、x-QAM、...)に適用されるとき「シンボル」インターリービング、またはキャリアによってシンボルを割り当てる方法と言われる。そのサイズは、一般に、1つのマルチキャリア変調器のデータシンボルの数NSDに等しいか、NSDの倍数である。この種のインターリービングは、マルチキャリア変調器より上流で発生する。同様に、キャリアインターリービングまたはサブキャリアインターリービングと呼ばれることが多い。
【0013】
OFDM変調器への入力におけるシンボルのマッピングは、システムに応じて様々な方法で実施されうる。
【0014】
一般に、OFDMシステムは接続技術と結び付けることができる。特に、OFDMA方法は、所与のOFDMシンボルのキャリアにデータシンボルを割り当てることからなり、データシンボルは様々なユーザまたはデータシンボルの様々なグループと結び付けられている。こうした環境では、単一または複数のユーザのデータシンボルのマッピングは、個別のサイズNSDCを有するサブチャネルにおいてデータシンボルをグループ化し、次いで単一のOFDMシンボル内に様々なユーザを混合する方法により時間および周波数で当該サブチャネルを分散させることからなる。これは図3に示されており、ここでは各サブチャネルに各グループの1つのシンボルを割り当てることによってサブチャネルが構築されている。こうした方法で構築されるサブチャネルの数は、1グループ当たりのシンボルの数に対応し、NSCであり、サブチャネルのサイズは、考慮されるグループの数に対応し、NSDCである。1つのOFDMシンボルのサブチャネルの数は、1つのOFDMシンボルのデータシンボルの数NSD、およびサブチャネルのサイズNSDCによって決まる。
【0015】
図4、5、6および7に示される先行技術システムの実装は、標準IEEE802.16eに準拠したシステムに関係する。当該標準を考慮した仕様は、“Air interface for fixed and mobile broadband wireless access systems and Corrigendum 1”、IEEEP802.16e/IEEE標準802.16e-2005-2007年12月7日承認済み、IEEE標準802.16-2004/Cor 1 -2005-2005年11月8日承認済みを参照している。この標準に準拠したシステムは「WiMax」システムと呼ばれることが多い。用語「WiMax」はHyperman標準も対象とする。
【0016】
標準IEEE802.16eは、「OFDMAスロットSl_unit」として知られる個別ユニットを定義し、これは1つまたは複数の連続したOFDMAシンボルに時間的に分散された1つまたは複数のサブチャネルによって構成される。周波数ユニットは、サブチャネルのサイズNSDCに対応する。この個別ユニットであるOFDMAスロットは、伝送モード(アップパス、ダウンパス、サブチャネルの完全使用(FUSC(full usage of the sub-channels):これはサブチャネルの全てが送信機に割り当てられ、パイロット、次いでデータサブチャネルがOFDMAフレームに挿入されている)、サブチャネルの一部使用(PUSC(partial usage of the sub-channels):これは割り当てられるサブチャネルの数が異なり、サブチャネルにパイロットが挿入されているか、サブチャネルにデータをマッピングした後にパイロットがマッピングされている))に依存する、対応するデータシンボルの所与の変調および符号化モードまたはスキーム(MCS)に対応する最小限の個別伝送ユニットである。OFDMAスロットは、所与の伝送モードでデータおよび選択的にパイロット(OFDMAスロットの固定位置にパイロットが組み込まれるPUSCモード、上方接続のみ)を分散させる個別パターンである。所与のシンボル変調および符号化モード(MCS)に対応するOFDMAスロットは時間周波数領域で分散され、データ領域(Dr)ブロックを形成する。そしてDrブロックは、同じ変調および符号化モード(MCS)を使用した複数のOFDMAスロットを備える2次元伝送ユニットに対応する。Nsymb個のOFDMAシンボル(すなわち、1つまたは複数のシンボル)からなる個別のOFDMAフレーム(Tre)は、完全なOFDMシンボルを形成するために、インデックスの小さいものから大きなものの順に、周波数および時間で様々なDrブロックを分散させることによって形成される。OFDMAシンボルを形成するDrブロックは、アップリンクまたはダウンリンクで異なる伝送モード(FUSCおよびPUSC)に対応することができる。フレーム全体は、アップチャネルおよびダウンチャネルにおいて2つの別個の部分で共有される。個別のOFDMAフレームの前には通常、受信時に伝播チャネルを同期させるか推定するプリアンブルシンボルが来る。
【0017】
OFDM多重におけるパイロットの割り当ては、標準IEEE802.16eのダウンパスの場合に当てはまるように、サブチャネルJ(sc)の分散に先行してよく、または標準IEEE802.16eのPUSCモードの場合に当てはまるように、OFDMAスロットに関連する周期的なパターンを使用してその中に組み込まれてよい。
【0018】
図4を参照すると、CBSシンボルバイナリ符号化モジュールまたはインターリーバETSからのデータシンボルSdは、個別のサイズNSDCを有するサブチャネルに区分され、サブチャネルはマッピングモジュールMTによりOFDMAスロット(Sl_unit)に時間および周波数で分散される。OFDMAスロットは、時間スケールに沿ってNsymb0個の連続したOFDMシンボルに、また周波数スケールに沿ってサイズNSDCのサブチャネルに時間的に分散された複数のサブチャネルからなる。同じMCS変調および符号化モードと結び付けられたOFDMAスロットは、周波数スケールに沿ったN’m個のサブチャネルおよび時間軸に沿ったN’symb個のOFDMシンボルによって形成されたDrブロックにおいてマッピングモジュールMTによってグループ化される。N’symbはNsymb0の倍数である。N個のDrブロックは、マッピングモジュールMTを使用して個別のOFDMフレームTreを構築するため、周波数、次に時間で連続的に分散される。個別のOFDMフレームTreは、N個のDrブロックに対応するNsymb個のOFDMシンボルからなる。N’mは1つのOFDMシンボルのサブチャネルの数NSCの約数であり、N’symbは、考慮されるシステムの伝送モードに依存する。
【0019】
マッピング方法は、ダウンチャネルのFUSCモードについて以下で詳述しており、図5に示している。
【0020】
FUSCモードにおけるダウンパスのサブチャネルは、様々なグループから来るシンボルによって構成されうる。そのため、OFDMAスロットは複数のグループと結び付くことができる。ダウンパスでのFUSCモードにおいて、隣接するデータシンボルは、それぞれNSC個のデータシンボルを有するNSDC個のグループにグループ化される。サブチャネルにおける区分は、1つのOFDMAシンボルのデータシンボルの数、すなわち、OFDMA伝送モードのフーリエ変換のサイズに依存する規則を適用して各々の異なるグループから来るデータシンボルをサブチャネルに割り当てることからなる。サブチャネルは、各グループからのNSDC個のデータシンボルからなる。
【0021】
こうして、1グループ当たりのデータシンボルの数に対応するNSC個のチャネルが形成される。パイロットは、独自にOFDMフレーム(OFDM多重化装置)で分散される。サブチャネルにデータシンボルを割り当てるための規則は、2次元の関係であり、SCはサブチャネルのインデックスでSc={0,NSC-1}となり、kはサブチャネルのシンボルの位置インデックスでk={0,NSDC-l}となる。規則LDL_FUSC(k,Sc)は、サブチャネルScにおける位置kのシンボルに対し、0〜NSDC×NSC-1のインデックスを有するNSDC×NSC個のデータシンボルによって形成されるデータブロックにおけるシンボルインターリービングETS方法による上流でのシンボルの起点位置を提供する。インデックスscおよびkはインデックスscのサブチャネルにおけるシンボルの位置に対応し、(Y(k,sc)=X(k’=LDL_FUSC(k,sc))となる。
【0022】
サブチャネルにおいてデータシンボルを割り当てるための規則は、以下によって与えられる。
【0023】
【数1】
【0024】
ここでPsc(k)は、範囲0〜NSC-1にわたって変化するkのサイズNSCのベクトルの形で示したサイズNSCのインターリービングのパターンに対応する全単射規則である。規則Pscは、インデックスscの考慮中にサブチャネルごとに異なり、「DL_perm_base」と呼ばれる基本的割り当て規則から導出されるscの左回り回転の結果である。DL_perm_baseは、当初のシンボルの位置Psc(k)にインデックスkを対応させるサイズNSCのベクトルである。
【0025】
置換(permutation)規則はOFDM変調のフーリエ変換のサイズによって変化し、そのサイズは1つのOFDMAシンボルのサブチャネルの数に対応する。FUSCモードの伝送パラメータは、付録Aの表1におけるフーリエ変換の様々なサイズに対して与えられる。サブチャネルの大きさは一定である。それは、フレームのサイズ、ビットレート、およびOFDMシンボルグループのサイズに対してサイズ決めされ、OFDM伝送モード(FFTのサイズ、ビットレート)とは無関係である。
【0026】
図6は、2048に等しいサイズのFFTで規則LDL_FUSC(k,sc)を適用してサブチャネルにデータシンボルを割り当てた場合を示している。縦軸はOFDMシンボルのデータシンボルのインデックスiSdに対応する。横軸は所与のサブチャネルのシンボルの位置インデックスiS/SCに対応する。このインデックスはゼロからNSDC-1=47まで変化する。3つの曲線は、SC#iで参照される3つの異なるサブチャネルに対応する。
【0027】
この割り当て方法はMT処理に先行する行列インターリービングより複雑であり、理由は、基礎的置換DL_perm_baseを考慮した方程式LDL_FUSC(k,sc)ならびにサブチャネルを形成するための方程式で使用されるインデックスkおよびscにある。
【0028】
さらに、この方法は、図6および図11に示されるように隣接するチャネル間のデータ分散を改善する。
【0029】
また、マッピングモジュールは、受信されたパイロットに基づき受信時にOFDM等化を実行できるようにするため各サブチャネルにスキャッタードパイロットシンボル(scattered pilot symbol)を挿入することができる。スキャッタードパイロットシンボルの挿入は、OFDMプリアンブルの挿入を伴ってよい。
【0030】
次いで、マッピングされたシンボルは、OFDMシンボルと結び付けられたNSC個のサブチャネルの各セットを考慮してOFDM変調器で変調される。
【0031】
以下では、Wi-Max標準(IEEE 802.16e)のPUSCモードに関してマッピング方法を詳述し、これは図7に示すとおりである。
【0032】
データシンボルSdは、一定のサイズの物理クラスタに区分され、1つの物理クラスタClust_Phyは12個のデータシンボルおよび2つのパイロットを含む。1つの物理クラスタは14個のサブキャリアを有し、そのうち12個はデータサブキャリア、2個はパイロットサブキャリアである。全体では、物理クラスタが60個あり、FFTのサイズは1024である。
【0033】
パイロットの位置は、OFDMAスロットにおけるOFDMAシンボルのインデックス(偶数または奇数)に依存する。こうした物理クラスタは、0からNcp-1まで変化し、Ncpがクラスタの数に対応してNcp=Nused/14=NSD/12となり、Ncp個の要素(RSシーケンス)を含む置換規則を適用して論理クラスタClust_Logとして再配分される。クラスタの数により、データシンボルSdの総数は、1つのOFDMシンボルのデータシンボルの数(NSD)に等しくなる。その後、こうした論理クラスタは、グループインデックスが偶数か奇数か(g={0,...5})によって2つの可能なサイズ(6, 4)を取りうるG#0、...、G#5の6つのグループに区分される。各グループの論理クラスタは、グループのサイズおよびそのインデックス(偶数または奇数)によって2つの割り当てシーケンスを使用して、サブチャネルに割り当てられる。各サブチャネルSCは同じグループの2つの論理クラスタを含む。論理クラスタを生成することは、物理クラスタをインターリーブすることに似ている。グループを生成することは、区分サイズの2つの可能な値を取りうる事前区分に似ている。サブチャネルにおける論理クラスタの分散は、論理クラスタのインデックスにより適用される2つの独立したインターリービング規則に等しく、その後の区分により各サブチャネルが同じグループの2つの論理クラスタを含む。インターリービング規則は、1つのグループ内で当てはまる。考慮されるクラスタの数およびサブチャネルの数がOFDM伝送モードによって異なる一方、クラスタのサイズおよびサブチャネルのサイズはOFDM伝送モードと無関係であり、そのことは付録Aの表2によって示されている。サブチャネルの数は、1つのOFDMAシンボルのデータキャリアの数によって変わり、それ自体は伝送帯域のサイズ、およびOFDM変調器のFFTのサイズ(2048、1024、512)によって決まる。サブチャネルのサイズ(24 Sd/SC)は一定であり、設定されうるパラメータではない。このサブチャネルのサイズを決定するためには、様々な種類の誤り訂正符号化(ターボ符号、畳み込み符号、符号化率)を満たすための誤り訂正符号化アルゴリズムに関連する制約が考慮される。符号化ブロック
【0034】
【数2】
【0035】
は1つまたは複数のサブチャネルに対応する。
【0036】
先行技術システムの第2の実施形態を説明し、図8に示す。このシステムの伝送システムは、マッピングモジュールMTより上流のシンボルをインターリーブする役割を果たす行列の種類(NL×Nc)=(NSDC×NSC)のシンボルインターリーバETSを備える。
【0037】
行列インターリービングは、サイズ(NL、Nc)の行列に行ごとにデータを書き込み、列によりデータ列を読み取ることからなる。
【0038】
インターリーバおよびマッピングモジュールの共同のサイズ決め、ならびに1つの行列の種類のインターリーバの選択により、SC#mとして参照されるNSC=Nc個のサブチャネルの間でG#nとして参照されるNSDC=NL個の異なるグループのシンボルを割り当てることができる。行列の第i行は、サイズNSCのグループG#iに対応し、サイズNSDCの行列の列jは、位置jにおける各グループからの1つのデータシンボルによって構成される。よって、サイズNSDCのサブチャネルにおけるシンボルの割り当ては、1つの行列の種類のインターリーバの共同選択、サブチャネルのサイズに等しい行数のサイズ決め、マッピングモジュールのサブチャネルの数に等しい列数のサイズ決め、およびマッピングモジュールによりサイズNSDCのサブチャネルの間でインターリーバからのシンボル出力を区分したことの結果である。分散は、インターリーバETSおよびマッピングモジュールMTの共同実施により実行される。モジュールMTは、各々がNSDC個の異なるグループからのNSDC個のデータシンボルによって構成される、NSC個の個別のサブチャネルSC#jを形成するために行列の1列当たり要素数に対応するセグメントサイズ(NSDC)を使用して行列インターリーバからのデータシンボル出力を区分する。列jすなわちCjの要素は、各グループG#のj番目の位置におけるデータシンボルに対応し、サブチャネルjの要素を示す。次いでこうしたサブチャネルのSC#jは、図9に示されているように、単一のOFDMシンボルおよびNSC個のサブチャネルSC#0、…、SC#NSC-1によって形成される個別のOFDMフレームTreと同一のDrブロックを形成するために周波数で順次割り当てられる。また、マッピングモジュールは、受信されたパイロットに基づき受信時にOFDM等化を実行するため、各サブチャネルにパイロットシンボルを挿入することができる。スキャッタードパイロットシンボルの挿入は、OFDMプリアンブルの挿入と結び付けられてよい。この種のマッピングが使用されうるのは、マルチキャリア変調であり、典型的にはOFDMで、これには接続技術、例えばOFDMAが含まれる。user #iに関連するシンボルは、行列の行#iに対応する#NSC個のデータシンボルからなるグループG#iにある。シンボルからなるNSDC個のグループは、連続的に考慮され、行列インターリービングが行われ、その後にシンボルマッピングが続く。OFDM変調器の入力においてマッピングされるデータシンボルは、NSC人のユーザ(独立したデータグループ)と結び付けられたNSDC個のデータシンボルからなるNSC個のサブチャネルに区分され、これらのサブチャネルは周波数で連続的に分散される。
【0039】
こうして、先行技術で知られている技術では、データシンボル、場合によってはインターリーブされたデータシンボルは、サイズNSDCのN’m個のサブチャネルに区分され、マッピングモジュールMTによって時間−周波数の面で分散される。時間−周波数の面での分散は、図9および図10aに示されているように、サブチャネルの周波数ブロック内で生じ、次いで時間軸に沿ってブロックごとに生じるか、図4および図10bに示されているように、サブチャネルの時間−周波数ブロック内で生じ、次いで時間軸および周波数軸に沿ってサブチャネルブロックごとに生じる場合がある。
【0040】
OFDM方法における基本周波数伝送ユニット(elementary frequency transmission unit)に対応するサブチャネルのサイズNSDCは、フレームサイズおよび符号化ブロックの最小サイズによって決まる。OFDMシンボルが複数のユーザu1、u2、…、unと結び付けられている場合、または例えばシンボルが同じユーザと結び付けられているが、異なるサービス(VoIP、ビデオなど)に対応している場合、マッピングにより、サブチャネルは同じユーザからのシンボル、または全て同じサービスに対応するシンボル、あるいは異なるユーザ/サービスと結び付けられたシンボルを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
従来技術システムでは、サブチャネルのサイズNSDCは一定であり、設定されうるパラメータではない。
【0042】
既知のシンボルマッピング技術には、シンボルインターリーバによって導入されるシンボル間の最小限の分散に伴うダイバーシティ効果を減らす、または除去さえするという欠点がある。時間および周波数で分散されたサブチャネルにインターリーブされたシンボルがマッピングされることにより、ブロックKにおけるインターリーブされたシンボル間の最小限の分散が減ることがある。その原因として、時間−周波数の面でサブチャネルを分散することで、以前はインターリービング後に最短距離s以上離れていたシンボル同士が、時間または周波数で隣接したサブチャネル内でマッピングモジュールによって位置付けられる方法により近付くことがある。このマッピング処理後の分散減少が図11に示されており、これは図6に示されているFUSCモードの場合と同じOFDM伝送モードに対応している。
【0043】
図11は、行数がサブチャネルのサイズNSDCに対応し、列数がサブチャネルの数NSCに対応する行列インターリーバM(NSDC,NSC)によってインターリーブされたシンボルをマッピングした後のサブチャネル間におけるシンボルの分散を示している。
【0044】
図11bは、サブチャネルのキャリアのインデックスip/SCの関数としてNSDC=48、NSC=32である、サブチャネルSC#0およびSC#9のうちでマッピングした後にシンボルにインデックスiSdを与える。各サブチャネルでは、キャリアインデックスは0〜NSDC-1=47の値となる。図11aは、最初のインデックス値について図11bを拡大したものである。サブチャネルSC#0およびSC#9における同じ位置にあるシンボル間の分散を視覚化し、この値が10であることを観察するために、横軸は0〜4に限定されている。隣接するサブチャネルSC#0とSC#1との間では、この値は1に過ぎない。こうした分散値は、分析的に計算することができ、行列インターリービング規則が以下の式によって与えられること分かる。
【0045】
【数3】
【0046】
隣接するサブチャネル間の分散は、以下の式によって与えられる。
【0047】
【数4】
【0048】
よって、LM(k)の最初の項は、隣接するサブチャネル間の分散を与える。2つの異なるサブチャネルにおける同じキャリア位置を有する2つのシンボルは、これらのサブチャネル間のインデックス変動に等しい分散を示す。
【0049】
こうして、行列インターリービングにより、1つのサブチャネル内で32の分散が得られる。しかし、上記の2つのサブチャネルが時間で最初にマッピングされた場合、時間的に隣接する2つのチャネル間の分散は1以内である。その結果、この行列インターリービングおよびマッピングの構成は、インターリーバによって導入された時間軸に沿った分散効果を減らすか、場合によっては除去することもある。
【課題を解決するための手段】
【0050】
本発明は、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする方法を提案し、本方法は、以前、データシンボルをインターリーブすることによってもたらされたダイバーシティに対するマッピングの悪影響を軽減する役割を果たす。
【0051】
こうして、本発明は、マルチキャリア変調器の入力において、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルを、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネルにマッピングする方法であって、NSDCがKの約数であり、それによりサブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてサブチャネルのサイズNSDCが決定される方法を提供する。
【0052】
本発明はさらに、本発明の方法を実施するマッピングモジュールを提供する。
【0053】
こうして、本発明のマッピングモジュールは、マルチキャリア変調器の入力において、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルを、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC(Kの約数)個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネルにマッピングするのに適している。このモジュールはまた、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてサブチャネルのサイズを決定するのに適している。
【0054】
マルチキャリア伝送では、マルチキャリアシンボルはシンボル時間(タイムスロット)で送信され、帯域幅Bを占める。サブチャネルは一般に、マルチキャリアシンボル時間内で複数のキャリアをグループ化することに対応する。サブチャネルのサイズは、サブチャネルにおけるグループ化されたキャリアの数に対応する。
【0055】
マッピング段階では、インターリービング段階からのシンボルは、異なるサブチャネルに区分され、サブチャネル自体は時間および周波数で分散される。典型的には、サブチャネルは所与のユーザからのシンボルを含む。そのため、ユーザが複数の場合、異なるユーザからのシンボルは異なるサブチャネルに区分される。所与のユーザに異なるサービスを提供する場合、異なるサービスの各シンボルは通常、異なるサブチャネルに区分される。例えば、こうした区分により、あるサービスには別のサービスよりも多くのサブチャネルを与えることで(または所与のサービスに対する一定の周波数帯域幅を確保することで)、サービス間のサービス品質(QoS)を区別することができる。
【0056】
サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティは、サブチャネルに含まれるシンボルのインターリービングのパターンの差異を測定することによって、すなわち、サブチャネルにおけるシンボルインデックスの分散の差異を測定することによって評価される。この測定は、隣り合ったサブチャネルに限定してよく、または隣り合っていないサブチャネルに拡張してもよい。
【0057】
本発明による方法および装置は、引き起こされる問題を解決する。サブチャネルのサイズのサイズ決めを行うとき、時間、周波数、または時間および周波数で、すなわち、所与の周波数帯域における複数のマルチキャリアシンボル間で、所与のマルチキャリアシンボル内で、または複数のマルチキャリアシンボル間で割り当てられるサブチャネルにインターリーブされたシンボルをマッピングすることを考慮し、シンボルインターリービングのパターンが、隣接するサブチャネル間で、または、隣接していないサブチャネル間で繰り返されること、実装に依存して多かれ少なかれ間隔をあけられることを引き起こす潜在値から離れることができる。本発明の方法は、マルチキャリア変調器への入力において最大のダイバーシティを提供する。そのため、特に有利な方法により、本発明の方法は、任意の方法で時間−周波数の面でサブチャネルを分散することを可能にする一方、パターンの最大の時間−周波数ダイバーシティを確保し、その際の唯一の条件は、サブチャネルが、考慮されるインターリービング規則L(k)において本発明により決定されるサイズであることである。さらに、本発明の方法は、インターリービングのパターンのダイバーシティおよび1つのサブチャネル内におけるシンボル間の最大の分散によりインターリービングおよびマッピングの最適結合を提供することによって、最大の時間−周波数のダイバーシティを達成することを可能にし、それにより、システムの容量が最大となり、これはユーザの数に関係なく実現できる。最大の時間−周波数ダイバーシティを達成することで、伝送チャネルによって導入された相関効果が最適に抑制される。その結果、本発明の方法は、それぞれマッピングおよびシンボルインターリービングのプロセスの反対であるデマッピングおよびデインターリービングのプロセスから生じるビット誤り率によって評価される受信性能を改善することを可能にし、それにより、時間−周波数の面で妨害を拡散することでチャネルによって導入される妨害を軽減することを可能にし、送信されたシンボルの相関を除去する。
【0058】
サブチャネルのサイズは通常、異なるサブチャネルサイズの隣接するサブチャネル間のインターリービングのパターンの差異を比較することによって、また差異が最大となる、すなわちダイバーシティが最大となるサイズを選択することによって決定することができる。
【0059】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法により、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティは、1つを超えないサブチャネルだけ間隔があるサブチャネルのグループについて評価される。
【0060】
この実施形態は、所与のサブチャネルについてパターン比較を限定することによって、ダイバーシティを評価する処理を限定する役割を果たす。所与のサブチャネルについてパターンを比較するときに、隣り合ったチャネル、および所与のサブチャネルから離れたサブチャネルを考慮する実施形態は、疑似周期インターリービング規則、例えば数式がモジュロ演算子を含む規則に特に適していることがある。特に、最大でサブチャネル1つ分の間隔がある3つのサブチャネルでダイバーシティを評価することは、疑似期間に対応するサイズ値を除去する役割を果たす。
【0061】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法により、グループは隣接するサブチャネルの対からなる。
【0062】
この実施形態は、疑似周期でないインターリービング規則、例えば数式がモジュロ演算子を含まない規則に特に適している。
【0063】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法は、以下を含む。
・所与のインターリービング規則L(k)についてインターリーブされたシンボル(Y(k+s)、Y(k))間の差異sの関数として入力シンボル(X(L(k)))間の最短距離を表す分散関数ΔL(s)を計算する第1段階。
・分散値が大きさの基準を満たす、Kの約数である異なる値s’を事前選択する第2段階。
・事前選択された差異s’の異なる値についてサブチャネル間の幾何学的ダイバーシティ(geometrical diversity)を評価し、幾何学的ダイバーシティが最大となる事前選択された差異の値s’の1つに等しくなるようにサブチャネルのサイズNSDCが決定される第3段階。
【0064】
この実施形態における方法は、所与の規則を適用してインターリーブされたデータシンボル間の分散の基準を適用して第1段階で周波数面でのダイバーシティを評価し、次いで第3段階で幾何学的ダイバーシティ基準を適用してインターリービングのパターンのダイバーシティを評価する。次々とこれらの段階を実行することは、第3段階で実行される計算の量を、第2段階で選択された差異の値s’に対応するサブチャネルに限って潜在的サイズ値を計算することに限定する役割を果たす。インターリービング規則は、最初に事前決定することができ、またはインターリービング規則のリストからの選択に対応することができる。こうした環境では、各規則につき上記段階を繰り返すことができる。本方法は、第1段階の終わりに、最良の分散値を与える規則を選択することによって、または第3段階の終わりに最良の幾何学的ダイバーシティ値を与える規則を選択することによって、規則を1つ選択することができる。この実施形態での方法は、1つのサブチャネル内におけるシンボル間の最大の分散およびインターリービングのパターンのダイバーシティによりインターリービングおよびマッピングの最適結合を提供する。こうした実施形態により、最大の時間−周波数ダイバーシティを達成できる。
【0065】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器への入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法により、Kはマルチキャリアシンボルのサイズに等しくなる。
【0066】
マルチキャリアシンボルのサイズに等しいインターリービング深度(interleaving depth)Kの選択は、受信時の処理を遅らせる待ち時間を最小限にする役割を果たす。
【0067】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法により、Kはマルチキャリアシンボルのサイズの倍数になる。
【0068】
マルチキャリアシンボルのサイズの倍数であるインターリービング深度Kを選択することは、インターリービングによって導入されたダイバーシティの効果を増大させる役割を果たす。
【0069】
様々な上記実施形態は、他の実施形態を定めるためにこれらの実施形態のうちの1つまたは複数と組み合わせることができる。
【0070】
本発明はまた、本発明のマッピング方法を含むという点で適した伝送方法を提供する。
【0071】
本発明はさらに、本発明の方法を実施するのに適した遠隔通信送信機を提供する。
【0072】
こうして、本発明の遠隔通信送信機は、データシンボルを生成する変調器とマルチキャリアシンボルを生成するマルチキャリア変調器との間に、K個のデータシンボルからなるブロックをインターリーブするインターリーバ、および本発明のマッピングモジュールを含む。
【0073】
本発明はさらに、本発明の方法を実施するのに適した遠隔通信システムを提供する。
【0074】
そのため、本発明の遠隔通信システムは、上記の適応性を有する送信機、および受信機を備える。
【0075】
本発明の他の特徴および利点は、限定でない例として与えられる添付図面を参照した以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】先行技術システムSYSのベースバンドで示される従来型のトランシーバシステムを示す。
【図2】先行技術システムSYSのベースバンドで示される、バイナリデータに対して実行されるインターリービングETB、およびデータシンボルSdに対して実行されるインターリービングETSを含む従来型のトランシーバシステムを示す。
【図3】ユーザの各グループからの異なるシンボルを各サブチャネルに分散し、所与のOFDMシンボル内に異なるユーザを混合する方法により時間および周波数でサブチャネルを分散する、先行技術のマッピング技術の図である。
【図4】標準IEEE 802.16eに準拠した先行技術システムに関する、マッピング方法の図である。
【図5】標準IEEE 802.16eに準拠した先行技術システムに関する、ダウンパスにおけるFUSCモードのマッピング方法の詳細図である。
【図6】標準IEEE 802.16eに準拠した先行技術システムに関する、2048に等しいサイズのFFTでFUSCモードにおいて規則LDL_FUSC(k,sc)を適用してサブチャネルにデータシンボルを分散した場合を示す。
【図7】標準IEEE 802.16eに準拠した先行技術システムに関する、Wi-Max標準(IEEE802.16e)におけるPUSCモードのマッピング方法の詳細図である。
【図8】1つの行列の種類のシンボルインターリーバETSを有するシステムに関する先行技術のマッピング方法の別の実施形態を示す。
【図9】時間−周波数面でのシンボルの割り当てを示す図8のマッピング方法の図である。
【図10】図10aのマッピングモジュールMTを使用して周波数、次に時間でサブチャネルが割り当てられる、または図10bのマッピングモジュールMTを使用して時間、次に周波数でサブチャネルを分散するマッピングモジュールMTに先行するインターリーバETSの図である。
【図11】図6に示されているFUSCモードの場合と同じOFDM伝送モードに対応する先行技術方法による、行数がサブチャネルのサイズNSDCに対応し、列数がサブチャネルの数NSCに対応する行列インターリーバによってインターリーブされたシンボルをマッピングした後にサブチャネル間でシンボルを時間−周波数面で割り当てた場合を示し、マッピングプロセス後に分散を減らす方法を示す。
【図12】時間的に連続した3つの隣接したサブチャネルで先行技術のターボ型のサイズK=NSD=736のブロックインターリービング規則を使用してインターリーブされたデータシンボルを分散した場合を示し、この図はデータシンボルに対するマッピングの悪影響を示す。
【図13】ベースバンドで示され、本発明のマッピング方法を実施するように本発明に従って適合した伝送システムSYSaの例を示すブロック図である。
【図14】本発明のマッピング方法によりOFDM変調器へのデータシンボル入力をマッピングするように本発明に従って適合したマッピングモジュールMTaの図である。
【図15】本発明のマッピング方法を使用する際に時間的に互いに連続する3つの隣接したサブチャネルにシンボルを分散した場合を示し、この図はインターリーブされたデータシンボルに対するマッピングの影響を示している。
【図16】影響が3つの矢印で表された、インデックスjおよびlに関する二乗和(double summation)の式の形となる幾何学的ダイバーシティ基準により実行されるサブチャネル間におけるインターリービングのパターンのダイバーシティの数量化を示している。
【図17】中央値MEおよび調和平均値MHが位置付けられた、ターボインターリービング規則
【数5】
を使用して得られたsの値が異なる分散ΔL(s)を示す曲線である。
【図18】図18および図12は図17の曲線に対する選択に対応し、それぞれs’=16の場合にはサブチャネル数NSC=46を与え、s’=32の場合にはサブチャネル数NSC=23を与える。s’=16およびs’=32は調和平均MHより低い分散ΔL(s)につながり、シンボルインターリービングのパターンがサブチャネル間のダイバーシティを示さないことが明らかである。
【図19】図19および図15は図17の曲線に対する選択に対応し、それぞれs’=46の場合にはサブチャネル数NSC=16を与え、s’=23の場合にはサブチャネル数NSC=32を与える。s’=23およびs’=46は調和平均MHより大きい分散ΔL(s)につながり、シンボルインターリービングのパターンがサブチャネル間のダイバーシティを示すことが明らかである。
【図20】本発明の方法を実施するOFDMトランシーバシステムで得られる曲線を示す。
【図21】本発明の方法を実施するOFDMトランシーバシステムで得られる曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図13は、当業者に知られたOFDM型伝送システムSYSを示している。ソースSceからの情報は符号化器CCを使用して符号化される。次いでデータは、変調器CBSによってデータシンボル(QAM、QPSK、. . . セル)の形になる。データシンボルはインターリーバETSによってインターリーブされる。インターリーブされたデータシンボルは、個別のサイズNSDCを有するサブチャネルに区分され、マッピングモジュールによってOFDM変調器の入力に向けて時間および周波数で分散されるよう並列状態となる。OFDM変調器は、入力されたマッピング済みデータシンボルからOFDMシンボルを計算する。
【0078】
システムSYSの送信機EMによって通常実施される、マルチキャリア信号を送信する既知の方法は、以下の段階を含む。
・(データ)シンボルを生成する変調器CBSによる変調の段階。
・規則L(k)を使用してインターリーバETSによってK個の(データ)シンボルからなるブロックをインターリーブする段階。
・1つまたは複数のOFDMシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネルにインターリーブされた(データ)シンボルをマッピングするためのモジュールによって実行されるマッピングの段階であって、NSDCがKの約数であり、規則J(k)を適用する。
・OFDMシンボルを生成するOFDM変調器によるOFDM変調の段階。
【0079】
Kは、OFDM/OFDMAシンボル1つ当たりのデータシンボル数の倍数である。
【0080】
マッピング段階がユーザを考慮するとき、またはより一般的に、起点が異なりうる、例えば異なるサービスからもたらされるシンボルのグループ間で区別するとき、伝送方法は、OFDMA型と言われる。
【0081】
図12は、先行技術のOFDMA方法を使用した場合のインターリーブされたデータシンボルに対するマッピングの悪影響を示している。OFDMA方法では、所与のOFDMシンボルのキャリアに対し、異なるユーザ(または異なる起点、例えば異なるサービス)に関連するデータシンボルを分散する。単数または複数のユーザからのデータシンボルは、個別のサイズNSDCを有するサブチャネルの間で割り当てられる。次いで、これらのサブチャネルは、NSD個のデータシンボルを備える所与のOFDMAシンボル内に異なるユーザを混合するために周波数で分散され、OFDMシンボル間において時間で分散される。図12は、サブチャネルのシンボルのインデックスip/SCの関数として、
【0082】
【数6】
【0083】
およびNSC=23であるサブチャネルSC#0、SC#1およびSC#2の間でマッピングした後にシンボルのインデックスiSdを与える。図12は、時間的に連続した3つの隣接したサブチャネルSC#0、SC#1およびSC#2の間でシンボルを分散した場合を示している。これらの分散は、3つのサブチャネルが同じサブキャリアを占めるため、図12で重ね合わされている。図12は、各ユーザuにつきサイズ
【0084】
【数7】
【0085】
のサブチャネル間でマッピングする前のパラメータ(p’,q’,j’)={4,2,2}において、PCT特許出願第2006/072694号に述べられているような、ターボ型インターリービング規則を適用してサイズK=NSD=736のブロックでインターリーブすることに関する。インターリービングおよびマッピングのこうした連続は、各ユーザuにつき、隣接したサブチャネルSC#0とSC#1との間、また隣接したサブチャネルSC#1とSC#2との間の分散パターンの類似性をもたらす。図10bに示されているように時間スケールに沿ってこれらのサブチャネルが分散される場合、また伝播チャネルがほとんど変わらない場合、受信時の復号化器の性能は、これらの隣接するサブチャネル間でインターリービングのパターンが繰り返されることにより限定される。
【0086】
既知の技術と異なり、本発明は、受信時に復号化器モジュールにとって有利な伝播チャネルへの時間および/または周波数のダイバーシティの導入を可能にし、そのために隣接するサブチャネル間のインターリービングのパターンの差異が存在する状態を確保する。周波数では、伝播チャネルの自然周波数の選択から恩恵を受けない確率は低くなる。
【0087】
図13は、本発明のマッピング方法を実施するように本発明に従って適合した伝送システムSYSaの例のブロック図である。
【0088】
伝送システムSYSaは、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてサブチャネルのサイズを決定するように本発明に従って適合した送信機EMaを備えるという点で、本発明に従って適合している。1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネルにインターリーブされたシンボルをマッピングするのにマッピングモジュールMTaが適しており、NSDCはKの約数であり、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてマッピングモジュールMTaによって決定されるという点で、送信機は適合している。
【0089】
図14は、本発明のマッピング方法1を適用してOFDM変調器へのデータシンボル入力をマッピングするように本発明に従って適合したマッピングモジュールMTaの図である。マッピングモジュールMTaは、2において、サイズNSDCのN’m個のサブチャネルでインターリーブされたデータシンボルSdを区分し、3、4において、時間−周波数面でサブチャネルを分散する。また、マッピングモジュールは5において、各サブチャネルに、または所定の位置にある一部のサブチャネルにパイロットを挿入して、受信されたパイロットに基づき受信時にOFDM等化を実行することができる。5において、パイロットの挿入はプリアンブルの挿入を伴ってよい。マッピングモジュールMTaは、6において、サブチャネル間におけるシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてサブチャネルのサイズNSDCを決定する。
【0090】
図15は、本発明のマッピング方法を使用した場合のインターリーブされたデータシンボルに対するマッピングの影響を示している。図15は、時間的に連続した3つの隣接したサブチャネルにシンボルを分散した場合を示している。これらの分散は、3つのサブチャネルが同じサブキャリアを占めるため、図15において重ね合わされている。本発明に従ったマッピングの影響は、隣接するサブチャネル間のインターリービングのパターンの差異をもたらす。隣接するサブチャネル間にパターンの差異が存在する状態を確保するため、本発明のマッピング方法は、サブチャネル間のシンボルインターリービングのダイバーシティを考慮してサブチャネルのサイズNSDCを決定する。この例では、決定されるサイズは
【0091】
【数8】
【0092】
に等しい。
【0093】
サブチャネルのサイズNSDCを決定するために、方法1は、図14に示されているように、好ましい実施形態における複数の段階を含む。これらの段階は、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)、マイクロプロセッサ、または任意の同等の計算手段で実施される計算モジュールで生じる。実施形態によって、これらの段階は完全に、または一部並行して生じうる。
【0094】
第1段階の7では、本方法は分散関数ΔL(s)=Mink|L(k)-L(k+s)|の値を決定する。分散関数ΔL(s)は、インターリーブされたシンボル(Y(k+s)、Y(k))間の距離sの関数としてインターリーバの入力データシンボル(X(L(k+s))、X(L(k)))間の最短距離を表し、sは1〜Kの範囲で変化する。この分散関数は所与のインターリービング規則L(k)について決定される。
【0095】
サイズKのブロックのインターリービング規則L(k)は、0〜K-1の範囲で変化するインデックスkを有するK個のデータシンボルによって形成される入力系列が出力時に読み取られるべき順序を与える。X(k)を、インターリービング規則L(k)を有するインターリーバへのデータシンボル入力の順番とする。Y(k)を、インターリーバからの出口におけるデータ要素の順番とする。その場合、Y (k) =X (L (k))となり、位置インデックスk-1を有するインターリーブされる順番のk番目のデータ要素Yは、入力系列X(0)、...、X(K-1)のインデックスL(k-1)のデータ要素Xに対応する。インターリービング規則L(k)は、空間S={0,...,K-1}からの値を取る全単射関数である。分散は、s-1個のデータ要素によって分けられた2つの入力データ要素X(k)およびX(k+s)に関連する2つの位置インデックス間のインターリーブ後の最短距離と定義される。分散関数は、1〜Kの範囲で変化するsの関係式ΔL(s)=Mink.k∈S|L(k+s)-L(k)|によって与えられる。関数|x|はxの絶対値を与える。
【0096】
KがマルチキャリアシンボルのサイズNSDに等しい実施形態では、本方法は、分散関数の計算を、1〜K/2の範囲で変わるsに限定する。サブチャネルのサイズは、時間および/または周波数で分散されたサブチャネルへのシンボルのマッピングを実行できるよう、最大でもマルチキャリアシンボルのサイズの半分となる。Kがマルチキャリアシンボルサイズの倍数であるとき、本方法は、分散関数の計算を、1〜NSD/2の範囲で変わるsに限定し、NSDは、マルチキャリアシンボル1個当たりのデータシンボル数である。最後に、KがNSDに等しくても、またはNSDの倍数に等しくても、本方法は分散関数の計算を、1〜NSD/2の範囲で変わるsに限定する。
【0097】
第2段階の8では、本方法は、分散値が大きさの基準を満たすKの約数であるsの値を事前選択する。
【0098】
第1の実施形態では、大きさの基準は分散における極大値(relative maximum)に対応する。こうした極大値に対応する横軸値に等しい事前選択された値s’は、サブチャネルについて想定されうる様々な大きさに対応する。本方法は、例えばモジュロ関数を使用してKの約数sの値を決定する。Kの約数1組は、[K]s=0であるsの値1組に等しい。こうした値はs’と書かれる。こうした様々な値s’において、本方法は分散関数の導関数の値を決定する。値がゼロの場合、分散関数は考慮されるs’の値の極大値を示す。
【0099】
第2の実施形態では、大きさの基準は閾値に対応する。本方法は、分散が閾値Sを超えるKの約数であるsの値を事前選択する。この閾値Sは、NSD/2(少なくとも2つのサブチャネルを考慮に入れるため、マルチキャリアシンボルのサイズの半分)のサンプルで計算された分散の調和平均MHに対応することがある。調和平均MHは、観測値の逆数の算術平均の逆数に等しい。
【0100】
【数9】
【0101】
ここでは、N=NSD/2である。この閾値Sは、解析計算を用いて設定でき、任意に設定でき、またはパラメータの値を取ることができる。
【0102】
第3段階の9では、本方法は様々な事前選択済みの差異の値s’の幾何学的ダイバーシティを評価する。
【0103】
1つの実施形態では、本方法は、sの複数の値で平均化された分散の形でインターリービング規則の幾何学的ダイバーシティを数量化する関数である、ΔLDM(s’)を計算することにより、所与の差異の値s’の幾何学的ダイバーシティを評価する。この関数は以下の関係式によって定義される。
【0104】
【数10】
【0105】
ここでMedianは、kを0からK/s’-1まで変化させることで得られる値1組の中央値を計算する関数である。
【0106】
インデックスjは、平均分散値の計算に複数のサブチャネルを組み込む役割を果たす。jがゼロに設定されている場合、ΔLDM(s)は、サブチャネルのインデックスに関係なく1つのサブチャネル内の平均分散値を提供する。このパラメータは以下によって与えられる。
【0107】
【数11】
【0108】
インデックスlがゼロに設定されている場合、ΔLDMは、各サブチャネル内の同じ位置を考慮してサブチャネル間の平均分散値を与える。このパラメータは以下によって与えられる。
【0109】
【数12】
【0110】
特定の実施形態では、本方法は、この計算を実行するにあたり4つの隣接したチャネルを考慮し、それによりjの最大値を
【0111】
【数13】
【0112】
に限定する。これより大きい値では、平均値がサブチャネルの順序の概念を考慮しないため、パターンダイバーシティを考慮することができない。jとlとが同時に変化した場合、ΔLDM(s)は、各サブチャネル内の固有の平均分散値および
【0113】
【数14】
【0114】
個のサブチャネル間の平均分散値を組み込んだサブチャネル間の全体の分散値を与える。パターンダイバーシティ分散を数量化するため、サブチャネル間で生じうる全ての位置が考慮される。
【0115】
幾何学的ダイバーシティは、異なる形で数量化される一方で同様に評価されることがある。例えば、事前選択された値s’の各々につき、評価は以下に限定されうる。m個の最初のインターリーブされたシンボルをサブチャネル間で比較すること(mはs’に比べて小さく、例えば4、5、10である)、各サブチャネルの最初のインターリーブされたシンボルの最小のインデックスを特定すること、最小のインデックスを有するインターリーブされたシンボルを含むサブチャネルを基準として扱うこと、他のサブチャネルからのものを考慮してインターリーブされたシンボルの各インデックスから最小のインデックスの値を減算すること、またはサブチャネルにおける所与の位置値kについて、他のサブチャネルのインターリーブされたシンボルのインデックスに対して、基準サブチャネルのインターリーブされたシンボルのインデックス差異を特定すること。
【0116】
第4段階の10では、本方法は事前選択された差異の値s’から、幾何学的ダイバーシティが最大となるs’の値の1つを選択することによって、サブチャネルのサイズNSDCを決定する。
【0117】
選択されたs’値は、サブチャネル間のインターリービングのパターンのダイバーシティにつながる。このダイバーシティは、ΔL(s=s’)の分散、およびパラメータΔLDM(s=s’)を使用した推定により、隣接する、または例えば3つを超えないサブチャネルだけ間隔がある複数のサブチャネル間の幾何学的パターンダイバーシティを最大化することによってもまた確保される。
【0118】
この選択は、インターリービング規則によって決まり、サブチャネルの最大時間−周波数ダイバーシティ次数(diversity order)を有するサブチャネルの最適分散につながる。このダイバーシティ次数は、インターリービング規則L(k)およびサブチャネルのサイズ
【0119】
【数15】
【0120】
によってのみ決まる。
【0121】
以下では、本発明の方法の2つの実施形態について、図12、15、17、18および19の曲線、ならびにこうした方法を実施するOFDMトランシーバシステムで得られる図20および図21の曲線を参照して説明する。
【0122】
第1の例は、上記のPCT特許出願第2006/072694号で説明したターボ構造のインターリービング規則L(k)をインターリーバETSが実施するシステムSYSaに関する。
【0123】
インターリービング規則L(k)は、インターリービングより上流の入力系列の位置kにおける出力シンボルの位置を提供する(y(k)=x(L(k)))。
【0124】
規則#1は
【0125】
【数16】
【0126】
と記述される。
【0127】
これは、基本アルゴリズムIを繰り返すことに対応する3つの整数パラメータ(p、q、j)、およびインターリービングブロックサイズKに依存する。
【0128】
【数17】
【0129】
は以下の方程式によって説明される。
【0130】
【数18】
【0131】
s-1個のサンプルによって分けられたインターリーブされたサンプルの位置インデックス間の最短距離に対応するインターリービングアルゴリズムL(k)の分散は、以下の形で表現される。
ΔL(s)=Median|L(k)-L(k+s)|、すなわち
ΔL(s)=Mink{|L(k+s)-L(k)|,K-|L(k+s)-L(k)|}
ΔL(s)=Median{|L(k+s)-L(k)|}
【0132】
アルゴリズムTLにおいて、分散は、kの値全てが0〜K-1の範囲で走査されたときに方程式(3)の中央値を考慮して代数的に計算される。
【0133】
【数19】
【0134】
インターリービング規則はサイズK=NSD=736のブロックに当てはまる。これは、sの小さな値に最適分散を提供するパラメータ{p’,q’,j’}={4,2,2}を選択することによって最適化される。
【0135】
図17は、sの異なる値についての分散ΔL(s)を示している。Kの約数であるsの値、すなわち[K]s=0は、K/2個のサンプルで計算された分散の調和平均MHより大きい分散ΔL(s)を示しており、サブチャネルのサイズ
【0136】
【数20】
【0137】
において考慮されうる値であり、図17において丸で囲まれている。図17では、K/2個のサンプルで計算された分散において、調和平均MH (=56)が実線で、中央値ME (=183)が破線で示されている。
【0138】
物理層(PHY)でのシミュレーションによると、調和平均MHは、考慮されるシステム構成において中央値MEの場合よりも、サブチャネルのサイズ選択との関連が大きいパラメータである。この方法は、小さな分散につながるsの2つの値(s’=16, 32)および最大の分散につながるsの2つの値(s’=8, 46)を考慮することで一層正確に示される。
【0139】
ΔL(s)が調和平均MHより小さい場合、シンボルインターリービングのパターンはサブチャネル間のダイバーシティを伴わずに観測され、サブチャネル間のパターンの類似性が大きく、これは図18および図12に示されており、それぞれs’=16を選択し、サブチャネル数NSC=46を与えること、およびs’=32を選択し、サブチャネル数NSC=23を与えることに対応する。
【0140】
ΔL(s)が調和平均MHより大きい場合、シンボルインターリービングのパターンはサブチャネル間のダイバーシティを伴って観測され、サブチャネル間のパターン差異が大きく、これは図15および図19に示されており、それぞれs’=23を選択し、チャネル数NSC=32を与えること、およびs’=46を選択し、チャネル数NSC=16を与えることに対応する。
【0141】
MHより大きいサブチャネルサイズNSDCは、同様のパフォーマンスを示し、閾値MHを下回る値は、ビット誤り率(BER)の点でパフォーマンス変動につながるため、パフォーマンスの悪化をもたらす。付録Aの表3は、規則#1とのつながりで、s’の上記4つの値、すなわち16、23、32および46の分散パラメータを示している。
【0142】
8に等しい値sを事前選択することは、サブチャネル1と3とが同一のパターンにつながる。結果的に、本方法は、2つの隣接するサブチャネル間だけでなく、1つのサブチャネルによって分けられ、または実際には複数のサブチャネルによって分けられた2つのサブチャネル間でもインターリービングのパターンのダイバーシティを評価し、それにより、分散の大きさの基準を満たし、隣接するサブチャネル間の幾何学的ダイバーシティの基準を満たすが、1つのサブチャネルによって分けられたサブチャネル間の幾何学的ダイバーシティの基準を満たさないs’の事前選択された値を除外することができる。
【0143】
第2の例は、S. Crozierらによる論文“High-performance low-memory interleaver banks for turbo-codes”、IEEE VTC FALL 2001、Vol. 1 of 4、conf. 54 2001年10月7日、2394〜2398頁、XP010562400、ISBN:0-7803-7005-8で説明されているCrozierのアルゴリズムから推論されるインターリービング規則RPをインターリーバETSが実施するシステムSYSaに関する。
【0144】
Crozierの法則では、パラメータpcは、キャリア割り当て規則として本明細書で言及されるインターリービング規則のs=1の分散を提供するパラメータである。分散パターンにより、最大分散はsの値によって明示的に決まる。
【0145】
インターリービング規則LRP(k)は以下によって与えられる。
LRP(k)=[sc+k・pc]K k={0,…,K-1}
|LRP(k+1)-LRP(k)|=pc
【0146】
Xに適用されるモジュロK演算に対応する演算[X]K、すなわち、
【0147】
【数21】
【0148】
分散ΔLRP(s)は以下によって与えられる。
LRP(k)=[sc+k・pc]K k={0,…,K-1}
|LRP(k+s)-LRP(k)|=|[pc・s]K|
ΔLRP(s)=Min{|[pc・s]K|,K-|[pc・s]K|}
【0149】
付録Aの表4は、規則#2の分散パラメータの値を提供する。
・s=NSDCの際立った値における分散ΔLRP(s)
・平均サブチャネル内分散
【0150】
【数22】
【0151】
これは、0〜NSDC-1の範囲で変化するsの値について計算された分散値の平均に対応する。
・平均サブチャネル間分散
【0152】
【数23】
【0153】
これは、チャネル間の所与の位置インデックスにおける4つのサブチャネル間の分散に対応する。
・上述の幾何学的ダイバーシティ分散。
【0154】
分散ΔLRP(s)が図20および図21に示されている。値s=23が、サブチャネル間の適切な分散を提供するチャネルサイズとして選択される値である。
【0155】
本発明の方法は様々な手段によって実施できる。例えば、本方法は、ハードウェア形態、ソフトウェア形態または両者の組み合わせで実施できる。
【0156】
ハードウェア実装の場合、送信機での様々な段階を実行するマッピングモジュールを、1つまたは複数のアプリケーション専用集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、FPGA、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または上記の方法の段階を実行するよう設計された任意のその他の電子コンポーネントに組み込むことができる。これは、送信機の様々なモジュール、特に変調器、周波数インターリーバ、およびマルチキャリア変調器にも当てはまる。
【0157】
ソフトウェア実装の場合、マッピング方法の段階の一部または全部は、上記の段階を実行するモジュールによって実施できる。ソフトウェアコードをメモリに格納し、プロセッサによって実行することができる。メモリはプロセッサの一部をなしてよく、またはプロセッサの外部にあってもよく、当業者には知られている方法でプロセッサと結合してもよい。
【0158】
結果的に、本発明はさらに、コンピュータプログラムを提供し、特に、情報媒体またはメモリの上または中にあり、本発明を実施するのに適したコンピュータプログラムを提供する。プログラムは任意のプログラミング言語を利用することができ、ソースコード、オブジェクトコード、またはソースコードとオブジェクトコードとの間の中間コード、例えば、部分的にコンパイルされた形態、または本発明の方法を実施するのに望ましい任意のその他の形態であってよい。
【0159】
情報媒体はプログラムを格納できる任意のエンティティまたはデバイスであってよい。例えば、媒体は、例えば読み取り専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)ROMまたは超小型電子回路ROM、および電気的消去可能/プログラム可能ROM(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)といった格納手段、または実際に磁気記録手段、例えばフロッピー(登録商標)ディスクまたはハードディスクを備えることができる。あるいは、情報媒体は、プログラムが組み込まれ、当該方法の実行または実行での使用に適した集積回路であってよい。
【0160】
さらに、情報媒体は、電気ケーブル、光ケーブル、無線またはその他の手段による伝送に適した電気信号または光信号のような伝送可能媒体であってよい。本発明のプログラムは特に、インターネット型ネットワークからダウンロードできる。
【0161】
好ましい実施形態では、マッピング方法の段階は、基地局の送信機、任意の無線ネットワーク装置、または基地局を介して無線ネットワークと通信するのに適した局(移動端末など)のような電子デバイスでの配置にそれ自体適しているチップのような電子回路に組み込まれる伝送プログラムの命令によって決定される。また、本発明のマッピング方法は、プログラムがプロセッサまたはその同等物などの計算要素でロードされ、次いでその処理がプログラムの実行によって制御されるときに実施できる。
【0162】
<付録A>
【0163】
【表1】
【0164】
【表2】
【0165】
【表3】
【0166】
【表4】
【符号の説明】
【0167】
EM 送信機
RE 受信機
CH 伝播チャネル
CC 誤り訂正符号化器
CBS シンボルバイナリ符号化器
MT マッピングモジュール
OFDM-1 OFDM復調器
MT-1 デマッピングモジュール
EG 等化器モジュール
CBS-1 シンボルバイナリ復号化器
CC-1 誤り訂正復号化器
Sce ソース
Sm OFDMシンボル
Sd データシンボル
ETB バイナリインターリービング
ETS シンボルインターリービング
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔通信の分野に関する。本発明はこの分野の中で、より具体的にはいわゆる「デジタル」通信に関する。デジタル通信は特に無線通信を含むが、例えば有線通信も含む。通信伝送媒体は一般に伝送チャネルまたは伝播チャネルと呼ばれ、当初は無線チャネルを指したが、拡張されてあらゆるチャネルを指すようになった。
【0002】
本発明は、通常は直交周波数分割多重方式(OFDM)である、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたサブチャネルにシンボルをマッピングする技術に関する。かかる技術は一般に、マルチユーザ接続技術、例えば直交周波数分割多重接続(OFDMA)型で実施される。
【背景技術】
【0003】
本発明は特に、任意の種類のマルチキャリア伝送システムに当てはまる。図1は、送信機EMおよび受信機REを備えるシステムSYSのベースバンドで示される従来型のトランシーバシステムを示している。送信機からの出力信号は、伝播チャネルCHによって受信機REに送られる。伝送システムは、誤り訂正符号化器CC、シンボルバイナリ符号化器(symbol binary coder)CBS、マッピングモジュールMT、およびOFDM変調器を備える。従来型の方法では、伝送システムは、OFDM変調器からの出力時にガードインターバルを挿入するモジュール(図示せず)をさらに備える。受信機システムは、OFDM復調器OFDM-1(通常は、ガードインターバルを除去するモジュールが先行する)、デマッピングモジュールMT-1、等化器モジュールEG、シンボル2進復号化器(symbol binary decoder)CBS-1、および誤り訂正復号化器CC-1を備える。
【0004】
ソースSceから来る情報は、符号化器CCによっていわゆる誤り訂正符号を使用して符号化される(ビットレートを上げるために、符号化データは選択的にパンクチャリングされる)。次いでデータは、シンボルバイナリ符号化を実行するCBS変調器によってデータシンボルSd(直交振幅変調(QAM)、4位相偏移変調(QPSK)、. . . セル)の形になる。マッピングモジュールは、OFDMシンボルSmを生成するOFDM変調器への入力においてデータシンボルをマッピングする。シンボルマッピングは、データシンボルをサブチャネルに区分すること、ならびに1つまたは複数のOFDMシンボルに時間および/または周波数でサブチャネルを分散することに分けられうる。また、マッピングモジュールは、受信されたパイロットから受信時にOFDM等化を実行するために、各サブチャネルに、または一部のサブチャネルにパイロットシンボルを挿入することができる。パイロットシンボルの挿入は、OFDMプリアンブルの挿入を伴ってよい。OFDM変調器は、逆フーリエ変換によりOFDMシンボルを生成する。
【0005】
OFDM変調器は、伝送システムの瞬間帯域の周波数分割に対応する一連のサブキャリアを備える。OFDM変調器は、OFDM変調器のサブキャリアの数に対応するサイズNFFTのフーリエ変換の共役フーリエ成分に対応するサブキャリアに対しシンボル(ガードキャリアによって指定されるデータ、パイロット、ヌルシンボル)の変調を実行する。
【0006】
伝送チャネルChは、マルチパスチャネルとも呼ばれ、デジタルフィルタのインパルス応答h(t,τ)によって表され、tは時間変数を表し、τは瞬間tのフィルタ係数と結び付けられた遅延変数を表す。伝送チャネルは、NFFT個の成分からなるOFDM多重に分解された伝送チャネル機能の対応する成分によって、キャリアkに割り当てられた各シンボルを重み付けすることによって、マルチキャリア信号をフィルタリングする。受信時には、周波数および時間の領域でサブキャリアの相関が生成される。周波数相関は、サブキャリアに影響を与え、時間相関は、チャネルの可干渉時間の順序の観測ウィンドウで準一定振幅(quasi-constant amplitude)のサブキャリアを誘導する。可干渉時間は、タイムシフト型に関して伝送媒体を表す信号の相関を除去するのに必要な時間差の平均値に対応する。
【0007】
これら2つの相関は、受信時の決定回路の性能を制限する。時間相関は、送信されたデータシンボルに関する決定の後、および推定される送信済みビットの復号後にバースト誤りをもたらす。こうした影響は、環境が緩やかに変化し、マルチパス環境であるときに見られる。これは特に、標準ECMA-368「High rate ultra-wideband PYH and MAC standard」、第3版、2008年12月に定める超広帯域システム、標準IEEE802.16e、Air interface for fixed and mobile broadband wireless access systems、IEEE P802.16e/D12 Draft、2005年10月に定めるローカル無線ループ専用の無線システム(WiMax)、標準ETSI EN300 175-3 Digital enhanced cordless telecommunications(DECT)、Common interface(CI)、Part 3:Medium access control(MAC)layerに定めるDigital enhanced cordless telecommunications(DECT)、またはxDSL型の伝送に当てはまる。
【0008】
周波数相関は、フィルタリングをもたらすマルチパス効果、ドップラー効果、および直交多重のサブキャリア間の直交性を失わせる無線周波数(RF)段階の位相雑音から同時にもたらされる。これは特に、いわゆる超広帯域短距離システム(ultra-wideband short-range systems)、ミリメートル帯域で定めるシステム、例えば、American Standards Organization IEEE 802.15.3cによって研究されたシステム、および移動性が高水準である4G無線システム(LTE advanced、WiMax)、電離層の無線接続専用の長距離システム(デジタルラジオモンディエール(DRM)システム、標準ETSI TS 101 980)に当てはまる。
【0009】
図2に示されているように、この二重相関を是正する既知の方法は、バイナリデータに対して実行される伝送時のバイナリインターリービングETB、および/またはデータシンボルSdに対して実行されるシンボルインターリービングETSを実施することからなる。
【0010】
こうして、伝送システムにおけるインターリービング技術は、受信されたデータの相関を除去し、決定回路を改善するために、データに適用される。
【0011】
インターリービングは、コードビットまたは実際にソースから直接抽出されたビットに適用されるとき「バイナリ」インターリービングと言われ、これは「スクランブリング」と呼ばれる。
【0012】
インターリービングは、マルチキャリア変調器のサブキャリアに割り当てられた複素シンボル(QPSK、x-QAM、...)に適用されるとき「シンボル」インターリービング、またはキャリアによってシンボルを割り当てる方法と言われる。そのサイズは、一般に、1つのマルチキャリア変調器のデータシンボルの数NSDに等しいか、NSDの倍数である。この種のインターリービングは、マルチキャリア変調器より上流で発生する。同様に、キャリアインターリービングまたはサブキャリアインターリービングと呼ばれることが多い。
【0013】
OFDM変調器への入力におけるシンボルのマッピングは、システムに応じて様々な方法で実施されうる。
【0014】
一般に、OFDMシステムは接続技術と結び付けることができる。特に、OFDMA方法は、所与のOFDMシンボルのキャリアにデータシンボルを割り当てることからなり、データシンボルは様々なユーザまたはデータシンボルの様々なグループと結び付けられている。こうした環境では、単一または複数のユーザのデータシンボルのマッピングは、個別のサイズNSDCを有するサブチャネルにおいてデータシンボルをグループ化し、次いで単一のOFDMシンボル内に様々なユーザを混合する方法により時間および周波数で当該サブチャネルを分散させることからなる。これは図3に示されており、ここでは各サブチャネルに各グループの1つのシンボルを割り当てることによってサブチャネルが構築されている。こうした方法で構築されるサブチャネルの数は、1グループ当たりのシンボルの数に対応し、NSCであり、サブチャネルのサイズは、考慮されるグループの数に対応し、NSDCである。1つのOFDMシンボルのサブチャネルの数は、1つのOFDMシンボルのデータシンボルの数NSD、およびサブチャネルのサイズNSDCによって決まる。
【0015】
図4、5、6および7に示される先行技術システムの実装は、標準IEEE802.16eに準拠したシステムに関係する。当該標準を考慮した仕様は、“Air interface for fixed and mobile broadband wireless access systems and Corrigendum 1”、IEEEP802.16e/IEEE標準802.16e-2005-2007年12月7日承認済み、IEEE標準802.16-2004/Cor 1 -2005-2005年11月8日承認済みを参照している。この標準に準拠したシステムは「WiMax」システムと呼ばれることが多い。用語「WiMax」はHyperman標準も対象とする。
【0016】
標準IEEE802.16eは、「OFDMAスロットSl_unit」として知られる個別ユニットを定義し、これは1つまたは複数の連続したOFDMAシンボルに時間的に分散された1つまたは複数のサブチャネルによって構成される。周波数ユニットは、サブチャネルのサイズNSDCに対応する。この個別ユニットであるOFDMAスロットは、伝送モード(アップパス、ダウンパス、サブチャネルの完全使用(FUSC(full usage of the sub-channels):これはサブチャネルの全てが送信機に割り当てられ、パイロット、次いでデータサブチャネルがOFDMAフレームに挿入されている)、サブチャネルの一部使用(PUSC(partial usage of the sub-channels):これは割り当てられるサブチャネルの数が異なり、サブチャネルにパイロットが挿入されているか、サブチャネルにデータをマッピングした後にパイロットがマッピングされている))に依存する、対応するデータシンボルの所与の変調および符号化モードまたはスキーム(MCS)に対応する最小限の個別伝送ユニットである。OFDMAスロットは、所与の伝送モードでデータおよび選択的にパイロット(OFDMAスロットの固定位置にパイロットが組み込まれるPUSCモード、上方接続のみ)を分散させる個別パターンである。所与のシンボル変調および符号化モード(MCS)に対応するOFDMAスロットは時間周波数領域で分散され、データ領域(Dr)ブロックを形成する。そしてDrブロックは、同じ変調および符号化モード(MCS)を使用した複数のOFDMAスロットを備える2次元伝送ユニットに対応する。Nsymb個のOFDMAシンボル(すなわち、1つまたは複数のシンボル)からなる個別のOFDMAフレーム(Tre)は、完全なOFDMシンボルを形成するために、インデックスの小さいものから大きなものの順に、周波数および時間で様々なDrブロックを分散させることによって形成される。OFDMAシンボルを形成するDrブロックは、アップリンクまたはダウンリンクで異なる伝送モード(FUSCおよびPUSC)に対応することができる。フレーム全体は、アップチャネルおよびダウンチャネルにおいて2つの別個の部分で共有される。個別のOFDMAフレームの前には通常、受信時に伝播チャネルを同期させるか推定するプリアンブルシンボルが来る。
【0017】
OFDM多重におけるパイロットの割り当ては、標準IEEE802.16eのダウンパスの場合に当てはまるように、サブチャネルJ(sc)の分散に先行してよく、または標準IEEE802.16eのPUSCモードの場合に当てはまるように、OFDMAスロットに関連する周期的なパターンを使用してその中に組み込まれてよい。
【0018】
図4を参照すると、CBSシンボルバイナリ符号化モジュールまたはインターリーバETSからのデータシンボルSdは、個別のサイズNSDCを有するサブチャネルに区分され、サブチャネルはマッピングモジュールMTによりOFDMAスロット(Sl_unit)に時間および周波数で分散される。OFDMAスロットは、時間スケールに沿ってNsymb0個の連続したOFDMシンボルに、また周波数スケールに沿ってサイズNSDCのサブチャネルに時間的に分散された複数のサブチャネルからなる。同じMCS変調および符号化モードと結び付けられたOFDMAスロットは、周波数スケールに沿ったN’m個のサブチャネルおよび時間軸に沿ったN’symb個のOFDMシンボルによって形成されたDrブロックにおいてマッピングモジュールMTによってグループ化される。N’symbはNsymb0の倍数である。N個のDrブロックは、マッピングモジュールMTを使用して個別のOFDMフレームTreを構築するため、周波数、次に時間で連続的に分散される。個別のOFDMフレームTreは、N個のDrブロックに対応するNsymb個のOFDMシンボルからなる。N’mは1つのOFDMシンボルのサブチャネルの数NSCの約数であり、N’symbは、考慮されるシステムの伝送モードに依存する。
【0019】
マッピング方法は、ダウンチャネルのFUSCモードについて以下で詳述しており、図5に示している。
【0020】
FUSCモードにおけるダウンパスのサブチャネルは、様々なグループから来るシンボルによって構成されうる。そのため、OFDMAスロットは複数のグループと結び付くことができる。ダウンパスでのFUSCモードにおいて、隣接するデータシンボルは、それぞれNSC個のデータシンボルを有するNSDC個のグループにグループ化される。サブチャネルにおける区分は、1つのOFDMAシンボルのデータシンボルの数、すなわち、OFDMA伝送モードのフーリエ変換のサイズに依存する規則を適用して各々の異なるグループから来るデータシンボルをサブチャネルに割り当てることからなる。サブチャネルは、各グループからのNSDC個のデータシンボルからなる。
【0021】
こうして、1グループ当たりのデータシンボルの数に対応するNSC個のチャネルが形成される。パイロットは、独自にOFDMフレーム(OFDM多重化装置)で分散される。サブチャネルにデータシンボルを割り当てるための規則は、2次元の関係であり、SCはサブチャネルのインデックスでSc={0,NSC-1}となり、kはサブチャネルのシンボルの位置インデックスでk={0,NSDC-l}となる。規則LDL_FUSC(k,Sc)は、サブチャネルScにおける位置kのシンボルに対し、0〜NSDC×NSC-1のインデックスを有するNSDC×NSC個のデータシンボルによって形成されるデータブロックにおけるシンボルインターリービングETS方法による上流でのシンボルの起点位置を提供する。インデックスscおよびkはインデックスscのサブチャネルにおけるシンボルの位置に対応し、(Y(k,sc)=X(k’=LDL_FUSC(k,sc))となる。
【0022】
サブチャネルにおいてデータシンボルを割り当てるための規則は、以下によって与えられる。
【0023】
【数1】
【0024】
ここでPsc(k)は、範囲0〜NSC-1にわたって変化するkのサイズNSCのベクトルの形で示したサイズNSCのインターリービングのパターンに対応する全単射規則である。規則Pscは、インデックスscの考慮中にサブチャネルごとに異なり、「DL_perm_base」と呼ばれる基本的割り当て規則から導出されるscの左回り回転の結果である。DL_perm_baseは、当初のシンボルの位置Psc(k)にインデックスkを対応させるサイズNSCのベクトルである。
【0025】
置換(permutation)規則はOFDM変調のフーリエ変換のサイズによって変化し、そのサイズは1つのOFDMAシンボルのサブチャネルの数に対応する。FUSCモードの伝送パラメータは、付録Aの表1におけるフーリエ変換の様々なサイズに対して与えられる。サブチャネルの大きさは一定である。それは、フレームのサイズ、ビットレート、およびOFDMシンボルグループのサイズに対してサイズ決めされ、OFDM伝送モード(FFTのサイズ、ビットレート)とは無関係である。
【0026】
図6は、2048に等しいサイズのFFTで規則LDL_FUSC(k,sc)を適用してサブチャネルにデータシンボルを割り当てた場合を示している。縦軸はOFDMシンボルのデータシンボルのインデックスiSdに対応する。横軸は所与のサブチャネルのシンボルの位置インデックスiS/SCに対応する。このインデックスはゼロからNSDC-1=47まで変化する。3つの曲線は、SC#iで参照される3つの異なるサブチャネルに対応する。
【0027】
この割り当て方法はMT処理に先行する行列インターリービングより複雑であり、理由は、基礎的置換DL_perm_baseを考慮した方程式LDL_FUSC(k,sc)ならびにサブチャネルを形成するための方程式で使用されるインデックスkおよびscにある。
【0028】
さらに、この方法は、図6および図11に示されるように隣接するチャネル間のデータ分散を改善する。
【0029】
また、マッピングモジュールは、受信されたパイロットに基づき受信時にOFDM等化を実行できるようにするため各サブチャネルにスキャッタードパイロットシンボル(scattered pilot symbol)を挿入することができる。スキャッタードパイロットシンボルの挿入は、OFDMプリアンブルの挿入を伴ってよい。
【0030】
次いで、マッピングされたシンボルは、OFDMシンボルと結び付けられたNSC個のサブチャネルの各セットを考慮してOFDM変調器で変調される。
【0031】
以下では、Wi-Max標準(IEEE 802.16e)のPUSCモードに関してマッピング方法を詳述し、これは図7に示すとおりである。
【0032】
データシンボルSdは、一定のサイズの物理クラスタに区分され、1つの物理クラスタClust_Phyは12個のデータシンボルおよび2つのパイロットを含む。1つの物理クラスタは14個のサブキャリアを有し、そのうち12個はデータサブキャリア、2個はパイロットサブキャリアである。全体では、物理クラスタが60個あり、FFTのサイズは1024である。
【0033】
パイロットの位置は、OFDMAスロットにおけるOFDMAシンボルのインデックス(偶数または奇数)に依存する。こうした物理クラスタは、0からNcp-1まで変化し、Ncpがクラスタの数に対応してNcp=Nused/14=NSD/12となり、Ncp個の要素(RSシーケンス)を含む置換規則を適用して論理クラスタClust_Logとして再配分される。クラスタの数により、データシンボルSdの総数は、1つのOFDMシンボルのデータシンボルの数(NSD)に等しくなる。その後、こうした論理クラスタは、グループインデックスが偶数か奇数か(g={0,...5})によって2つの可能なサイズ(6, 4)を取りうるG#0、...、G#5の6つのグループに区分される。各グループの論理クラスタは、グループのサイズおよびそのインデックス(偶数または奇数)によって2つの割り当てシーケンスを使用して、サブチャネルに割り当てられる。各サブチャネルSCは同じグループの2つの論理クラスタを含む。論理クラスタを生成することは、物理クラスタをインターリーブすることに似ている。グループを生成することは、区分サイズの2つの可能な値を取りうる事前区分に似ている。サブチャネルにおける論理クラスタの分散は、論理クラスタのインデックスにより適用される2つの独立したインターリービング規則に等しく、その後の区分により各サブチャネルが同じグループの2つの論理クラスタを含む。インターリービング規則は、1つのグループ内で当てはまる。考慮されるクラスタの数およびサブチャネルの数がOFDM伝送モードによって異なる一方、クラスタのサイズおよびサブチャネルのサイズはOFDM伝送モードと無関係であり、そのことは付録Aの表2によって示されている。サブチャネルの数は、1つのOFDMAシンボルのデータキャリアの数によって変わり、それ自体は伝送帯域のサイズ、およびOFDM変調器のFFTのサイズ(2048、1024、512)によって決まる。サブチャネルのサイズ(24 Sd/SC)は一定であり、設定されうるパラメータではない。このサブチャネルのサイズを決定するためには、様々な種類の誤り訂正符号化(ターボ符号、畳み込み符号、符号化率)を満たすための誤り訂正符号化アルゴリズムに関連する制約が考慮される。符号化ブロック
【0034】
【数2】
【0035】
は1つまたは複数のサブチャネルに対応する。
【0036】
先行技術システムの第2の実施形態を説明し、図8に示す。このシステムの伝送システムは、マッピングモジュールMTより上流のシンボルをインターリーブする役割を果たす行列の種類(NL×Nc)=(NSDC×NSC)のシンボルインターリーバETSを備える。
【0037】
行列インターリービングは、サイズ(NL、Nc)の行列に行ごとにデータを書き込み、列によりデータ列を読み取ることからなる。
【0038】
インターリーバおよびマッピングモジュールの共同のサイズ決め、ならびに1つの行列の種類のインターリーバの選択により、SC#mとして参照されるNSC=Nc個のサブチャネルの間でG#nとして参照されるNSDC=NL個の異なるグループのシンボルを割り当てることができる。行列の第i行は、サイズNSCのグループG#iに対応し、サイズNSDCの行列の列jは、位置jにおける各グループからの1つのデータシンボルによって構成される。よって、サイズNSDCのサブチャネルにおけるシンボルの割り当ては、1つの行列の種類のインターリーバの共同選択、サブチャネルのサイズに等しい行数のサイズ決め、マッピングモジュールのサブチャネルの数に等しい列数のサイズ決め、およびマッピングモジュールによりサイズNSDCのサブチャネルの間でインターリーバからのシンボル出力を区分したことの結果である。分散は、インターリーバETSおよびマッピングモジュールMTの共同実施により実行される。モジュールMTは、各々がNSDC個の異なるグループからのNSDC個のデータシンボルによって構成される、NSC個の個別のサブチャネルSC#jを形成するために行列の1列当たり要素数に対応するセグメントサイズ(NSDC)を使用して行列インターリーバからのデータシンボル出力を区分する。列jすなわちCjの要素は、各グループG#のj番目の位置におけるデータシンボルに対応し、サブチャネルjの要素を示す。次いでこうしたサブチャネルのSC#jは、図9に示されているように、単一のOFDMシンボルおよびNSC個のサブチャネルSC#0、…、SC#NSC-1によって形成される個別のOFDMフレームTreと同一のDrブロックを形成するために周波数で順次割り当てられる。また、マッピングモジュールは、受信されたパイロットに基づき受信時にOFDM等化を実行するため、各サブチャネルにパイロットシンボルを挿入することができる。スキャッタードパイロットシンボルの挿入は、OFDMプリアンブルの挿入と結び付けられてよい。この種のマッピングが使用されうるのは、マルチキャリア変調であり、典型的にはOFDMで、これには接続技術、例えばOFDMAが含まれる。user #iに関連するシンボルは、行列の行#iに対応する#NSC個のデータシンボルからなるグループG#iにある。シンボルからなるNSDC個のグループは、連続的に考慮され、行列インターリービングが行われ、その後にシンボルマッピングが続く。OFDM変調器の入力においてマッピングされるデータシンボルは、NSC人のユーザ(独立したデータグループ)と結び付けられたNSDC個のデータシンボルからなるNSC個のサブチャネルに区分され、これらのサブチャネルは周波数で連続的に分散される。
【0039】
こうして、先行技術で知られている技術では、データシンボル、場合によってはインターリーブされたデータシンボルは、サイズNSDCのN’m個のサブチャネルに区分され、マッピングモジュールMTによって時間−周波数の面で分散される。時間−周波数の面での分散は、図9および図10aに示されているように、サブチャネルの周波数ブロック内で生じ、次いで時間軸に沿ってブロックごとに生じるか、図4および図10bに示されているように、サブチャネルの時間−周波数ブロック内で生じ、次いで時間軸および周波数軸に沿ってサブチャネルブロックごとに生じる場合がある。
【0040】
OFDM方法における基本周波数伝送ユニット(elementary frequency transmission unit)に対応するサブチャネルのサイズNSDCは、フレームサイズおよび符号化ブロックの最小サイズによって決まる。OFDMシンボルが複数のユーザu1、u2、…、unと結び付けられている場合、または例えばシンボルが同じユーザと結び付けられているが、異なるサービス(VoIP、ビデオなど)に対応している場合、マッピングにより、サブチャネルは同じユーザからのシンボル、または全て同じサービスに対応するシンボル、あるいは異なるユーザ/サービスと結び付けられたシンボルを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
従来技術システムでは、サブチャネルのサイズNSDCは一定であり、設定されうるパラメータではない。
【0042】
既知のシンボルマッピング技術には、シンボルインターリーバによって導入されるシンボル間の最小限の分散に伴うダイバーシティ効果を減らす、または除去さえするという欠点がある。時間および周波数で分散されたサブチャネルにインターリーブされたシンボルがマッピングされることにより、ブロックKにおけるインターリーブされたシンボル間の最小限の分散が減ることがある。その原因として、時間−周波数の面でサブチャネルを分散することで、以前はインターリービング後に最短距離s以上離れていたシンボル同士が、時間または周波数で隣接したサブチャネル内でマッピングモジュールによって位置付けられる方法により近付くことがある。このマッピング処理後の分散減少が図11に示されており、これは図6に示されているFUSCモードの場合と同じOFDM伝送モードに対応している。
【0043】
図11は、行数がサブチャネルのサイズNSDCに対応し、列数がサブチャネルの数NSCに対応する行列インターリーバM(NSDC,NSC)によってインターリーブされたシンボルをマッピングした後のサブチャネル間におけるシンボルの分散を示している。
【0044】
図11bは、サブチャネルのキャリアのインデックスip/SCの関数としてNSDC=48、NSC=32である、サブチャネルSC#0およびSC#9のうちでマッピングした後にシンボルにインデックスiSdを与える。各サブチャネルでは、キャリアインデックスは0〜NSDC-1=47の値となる。図11aは、最初のインデックス値について図11bを拡大したものである。サブチャネルSC#0およびSC#9における同じ位置にあるシンボル間の分散を視覚化し、この値が10であることを観察するために、横軸は0〜4に限定されている。隣接するサブチャネルSC#0とSC#1との間では、この値は1に過ぎない。こうした分散値は、分析的に計算することができ、行列インターリービング規則が以下の式によって与えられること分かる。
【0045】
【数3】
【0046】
隣接するサブチャネル間の分散は、以下の式によって与えられる。
【0047】
【数4】
【0048】
よって、LM(k)の最初の項は、隣接するサブチャネル間の分散を与える。2つの異なるサブチャネルにおける同じキャリア位置を有する2つのシンボルは、これらのサブチャネル間のインデックス変動に等しい分散を示す。
【0049】
こうして、行列インターリービングにより、1つのサブチャネル内で32の分散が得られる。しかし、上記の2つのサブチャネルが時間で最初にマッピングされた場合、時間的に隣接する2つのチャネル間の分散は1以内である。その結果、この行列インターリービングおよびマッピングの構成は、インターリーバによって導入された時間軸に沿った分散効果を減らすか、場合によっては除去することもある。
【課題を解決するための手段】
【0050】
本発明は、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする方法を提案し、本方法は、以前、データシンボルをインターリーブすることによってもたらされたダイバーシティに対するマッピングの悪影響を軽減する役割を果たす。
【0051】
こうして、本発明は、マルチキャリア変調器の入力において、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルを、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネルにマッピングする方法であって、NSDCがKの約数であり、それによりサブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてサブチャネルのサイズNSDCが決定される方法を提供する。
【0052】
本発明はさらに、本発明の方法を実施するマッピングモジュールを提供する。
【0053】
こうして、本発明のマッピングモジュールは、マルチキャリア変調器の入力において、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルを、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC(Kの約数)個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネルにマッピングするのに適している。このモジュールはまた、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてサブチャネルのサイズを決定するのに適している。
【0054】
マルチキャリア伝送では、マルチキャリアシンボルはシンボル時間(タイムスロット)で送信され、帯域幅Bを占める。サブチャネルは一般に、マルチキャリアシンボル時間内で複数のキャリアをグループ化することに対応する。サブチャネルのサイズは、サブチャネルにおけるグループ化されたキャリアの数に対応する。
【0055】
マッピング段階では、インターリービング段階からのシンボルは、異なるサブチャネルに区分され、サブチャネル自体は時間および周波数で分散される。典型的には、サブチャネルは所与のユーザからのシンボルを含む。そのため、ユーザが複数の場合、異なるユーザからのシンボルは異なるサブチャネルに区分される。所与のユーザに異なるサービスを提供する場合、異なるサービスの各シンボルは通常、異なるサブチャネルに区分される。例えば、こうした区分により、あるサービスには別のサービスよりも多くのサブチャネルを与えることで(または所与のサービスに対する一定の周波数帯域幅を確保することで)、サービス間のサービス品質(QoS)を区別することができる。
【0056】
サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティは、サブチャネルに含まれるシンボルのインターリービングのパターンの差異を測定することによって、すなわち、サブチャネルにおけるシンボルインデックスの分散の差異を測定することによって評価される。この測定は、隣り合ったサブチャネルに限定してよく、または隣り合っていないサブチャネルに拡張してもよい。
【0057】
本発明による方法および装置は、引き起こされる問題を解決する。サブチャネルのサイズのサイズ決めを行うとき、時間、周波数、または時間および周波数で、すなわち、所与の周波数帯域における複数のマルチキャリアシンボル間で、所与のマルチキャリアシンボル内で、または複数のマルチキャリアシンボル間で割り当てられるサブチャネルにインターリーブされたシンボルをマッピングすることを考慮し、シンボルインターリービングのパターンが、隣接するサブチャネル間で、または、隣接していないサブチャネル間で繰り返されること、実装に依存して多かれ少なかれ間隔をあけられることを引き起こす潜在値から離れることができる。本発明の方法は、マルチキャリア変調器への入力において最大のダイバーシティを提供する。そのため、特に有利な方法により、本発明の方法は、任意の方法で時間−周波数の面でサブチャネルを分散することを可能にする一方、パターンの最大の時間−周波数ダイバーシティを確保し、その際の唯一の条件は、サブチャネルが、考慮されるインターリービング規則L(k)において本発明により決定されるサイズであることである。さらに、本発明の方法は、インターリービングのパターンのダイバーシティおよび1つのサブチャネル内におけるシンボル間の最大の分散によりインターリービングおよびマッピングの最適結合を提供することによって、最大の時間−周波数のダイバーシティを達成することを可能にし、それにより、システムの容量が最大となり、これはユーザの数に関係なく実現できる。最大の時間−周波数ダイバーシティを達成することで、伝送チャネルによって導入された相関効果が最適に抑制される。その結果、本発明の方法は、それぞれマッピングおよびシンボルインターリービングのプロセスの反対であるデマッピングおよびデインターリービングのプロセスから生じるビット誤り率によって評価される受信性能を改善することを可能にし、それにより、時間−周波数の面で妨害を拡散することでチャネルによって導入される妨害を軽減することを可能にし、送信されたシンボルの相関を除去する。
【0058】
サブチャネルのサイズは通常、異なるサブチャネルサイズの隣接するサブチャネル間のインターリービングのパターンの差異を比較することによって、また差異が最大となる、すなわちダイバーシティが最大となるサイズを選択することによって決定することができる。
【0059】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法により、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティは、1つを超えないサブチャネルだけ間隔があるサブチャネルのグループについて評価される。
【0060】
この実施形態は、所与のサブチャネルについてパターン比較を限定することによって、ダイバーシティを評価する処理を限定する役割を果たす。所与のサブチャネルについてパターンを比較するときに、隣り合ったチャネル、および所与のサブチャネルから離れたサブチャネルを考慮する実施形態は、疑似周期インターリービング規則、例えば数式がモジュロ演算子を含む規則に特に適していることがある。特に、最大でサブチャネル1つ分の間隔がある3つのサブチャネルでダイバーシティを評価することは、疑似期間に対応するサイズ値を除去する役割を果たす。
【0061】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法により、グループは隣接するサブチャネルの対からなる。
【0062】
この実施形態は、疑似周期でないインターリービング規則、例えば数式がモジュロ演算子を含まない規則に特に適している。
【0063】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法は、以下を含む。
・所与のインターリービング規則L(k)についてインターリーブされたシンボル(Y(k+s)、Y(k))間の差異sの関数として入力シンボル(X(L(k)))間の最短距離を表す分散関数ΔL(s)を計算する第1段階。
・分散値が大きさの基準を満たす、Kの約数である異なる値s’を事前選択する第2段階。
・事前選択された差異s’の異なる値についてサブチャネル間の幾何学的ダイバーシティ(geometrical diversity)を評価し、幾何学的ダイバーシティが最大となる事前選択された差異の値s’の1つに等しくなるようにサブチャネルのサイズNSDCが決定される第3段階。
【0064】
この実施形態における方法は、所与の規則を適用してインターリーブされたデータシンボル間の分散の基準を適用して第1段階で周波数面でのダイバーシティを評価し、次いで第3段階で幾何学的ダイバーシティ基準を適用してインターリービングのパターンのダイバーシティを評価する。次々とこれらの段階を実行することは、第3段階で実行される計算の量を、第2段階で選択された差異の値s’に対応するサブチャネルに限って潜在的サイズ値を計算することに限定する役割を果たす。インターリービング規則は、最初に事前決定することができ、またはインターリービング規則のリストからの選択に対応することができる。こうした環境では、各規則につき上記段階を繰り返すことができる。本方法は、第1段階の終わりに、最良の分散値を与える規則を選択することによって、または第3段階の終わりに最良の幾何学的ダイバーシティ値を与える規則を選択することによって、規則を1つ選択することができる。この実施形態での方法は、1つのサブチャネル内におけるシンボル間の最大の分散およびインターリービングのパターンのダイバーシティによりインターリービングおよびマッピングの最適結合を提供する。こうした実施形態により、最大の時間−周波数ダイバーシティを達成できる。
【0065】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器への入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法により、Kはマルチキャリアシンボルのサイズに等しくなる。
【0066】
マルチキャリアシンボルのサイズに等しいインターリービング深度(interleaving depth)Kの選択は、受信時の処理を遅らせる待ち時間を最小限にする役割を果たす。
【0067】
特定の実施形態では、マルチキャリア変調器の入力において、インターリーブされたデータシンボルをマッピングする本発明の方法により、Kはマルチキャリアシンボルのサイズの倍数になる。
【0068】
マルチキャリアシンボルのサイズの倍数であるインターリービング深度Kを選択することは、インターリービングによって導入されたダイバーシティの効果を増大させる役割を果たす。
【0069】
様々な上記実施形態は、他の実施形態を定めるためにこれらの実施形態のうちの1つまたは複数と組み合わせることができる。
【0070】
本発明はまた、本発明のマッピング方法を含むという点で適した伝送方法を提供する。
【0071】
本発明はさらに、本発明の方法を実施するのに適した遠隔通信送信機を提供する。
【0072】
こうして、本発明の遠隔通信送信機は、データシンボルを生成する変調器とマルチキャリアシンボルを生成するマルチキャリア変調器との間に、K個のデータシンボルからなるブロックをインターリーブするインターリーバ、および本発明のマッピングモジュールを含む。
【0073】
本発明はさらに、本発明の方法を実施するのに適した遠隔通信システムを提供する。
【0074】
そのため、本発明の遠隔通信システムは、上記の適応性を有する送信機、および受信機を備える。
【0075】
本発明の他の特徴および利点は、限定でない例として与えられる添付図面を参照した以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】先行技術システムSYSのベースバンドで示される従来型のトランシーバシステムを示す。
【図2】先行技術システムSYSのベースバンドで示される、バイナリデータに対して実行されるインターリービングETB、およびデータシンボルSdに対して実行されるインターリービングETSを含む従来型のトランシーバシステムを示す。
【図3】ユーザの各グループからの異なるシンボルを各サブチャネルに分散し、所与のOFDMシンボル内に異なるユーザを混合する方法により時間および周波数でサブチャネルを分散する、先行技術のマッピング技術の図である。
【図4】標準IEEE 802.16eに準拠した先行技術システムに関する、マッピング方法の図である。
【図5】標準IEEE 802.16eに準拠した先行技術システムに関する、ダウンパスにおけるFUSCモードのマッピング方法の詳細図である。
【図6】標準IEEE 802.16eに準拠した先行技術システムに関する、2048に等しいサイズのFFTでFUSCモードにおいて規則LDL_FUSC(k,sc)を適用してサブチャネルにデータシンボルを分散した場合を示す。
【図7】標準IEEE 802.16eに準拠した先行技術システムに関する、Wi-Max標準(IEEE802.16e)におけるPUSCモードのマッピング方法の詳細図である。
【図8】1つの行列の種類のシンボルインターリーバETSを有するシステムに関する先行技術のマッピング方法の別の実施形態を示す。
【図9】時間−周波数面でのシンボルの割り当てを示す図8のマッピング方法の図である。
【図10】図10aのマッピングモジュールMTを使用して周波数、次に時間でサブチャネルが割り当てられる、または図10bのマッピングモジュールMTを使用して時間、次に周波数でサブチャネルを分散するマッピングモジュールMTに先行するインターリーバETSの図である。
【図11】図6に示されているFUSCモードの場合と同じOFDM伝送モードに対応する先行技術方法による、行数がサブチャネルのサイズNSDCに対応し、列数がサブチャネルの数NSCに対応する行列インターリーバによってインターリーブされたシンボルをマッピングした後にサブチャネル間でシンボルを時間−周波数面で割り当てた場合を示し、マッピングプロセス後に分散を減らす方法を示す。
【図12】時間的に連続した3つの隣接したサブチャネルで先行技術のターボ型のサイズK=NSD=736のブロックインターリービング規則を使用してインターリーブされたデータシンボルを分散した場合を示し、この図はデータシンボルに対するマッピングの悪影響を示す。
【図13】ベースバンドで示され、本発明のマッピング方法を実施するように本発明に従って適合した伝送システムSYSaの例を示すブロック図である。
【図14】本発明のマッピング方法によりOFDM変調器へのデータシンボル入力をマッピングするように本発明に従って適合したマッピングモジュールMTaの図である。
【図15】本発明のマッピング方法を使用する際に時間的に互いに連続する3つの隣接したサブチャネルにシンボルを分散した場合を示し、この図はインターリーブされたデータシンボルに対するマッピングの影響を示している。
【図16】影響が3つの矢印で表された、インデックスjおよびlに関する二乗和(double summation)の式の形となる幾何学的ダイバーシティ基準により実行されるサブチャネル間におけるインターリービングのパターンのダイバーシティの数量化を示している。
【図17】中央値MEおよび調和平均値MHが位置付けられた、ターボインターリービング規則
【数5】
を使用して得られたsの値が異なる分散ΔL(s)を示す曲線である。
【図18】図18および図12は図17の曲線に対する選択に対応し、それぞれs’=16の場合にはサブチャネル数NSC=46を与え、s’=32の場合にはサブチャネル数NSC=23を与える。s’=16およびs’=32は調和平均MHより低い分散ΔL(s)につながり、シンボルインターリービングのパターンがサブチャネル間のダイバーシティを示さないことが明らかである。
【図19】図19および図15は図17の曲線に対する選択に対応し、それぞれs’=46の場合にはサブチャネル数NSC=16を与え、s’=23の場合にはサブチャネル数NSC=32を与える。s’=23およびs’=46は調和平均MHより大きい分散ΔL(s)につながり、シンボルインターリービングのパターンがサブチャネル間のダイバーシティを示すことが明らかである。
【図20】本発明の方法を実施するOFDMトランシーバシステムで得られる曲線を示す。
【図21】本発明の方法を実施するOFDMトランシーバシステムで得られる曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図13は、当業者に知られたOFDM型伝送システムSYSを示している。ソースSceからの情報は符号化器CCを使用して符号化される。次いでデータは、変調器CBSによってデータシンボル(QAM、QPSK、. . . セル)の形になる。データシンボルはインターリーバETSによってインターリーブされる。インターリーブされたデータシンボルは、個別のサイズNSDCを有するサブチャネルに区分され、マッピングモジュールによってOFDM変調器の入力に向けて時間および周波数で分散されるよう並列状態となる。OFDM変調器は、入力されたマッピング済みデータシンボルからOFDMシンボルを計算する。
【0078】
システムSYSの送信機EMによって通常実施される、マルチキャリア信号を送信する既知の方法は、以下の段階を含む。
・(データ)シンボルを生成する変調器CBSによる変調の段階。
・規則L(k)を使用してインターリーバETSによってK個の(データ)シンボルからなるブロックをインターリーブする段階。
・1つまたは複数のOFDMシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネルにインターリーブされた(データ)シンボルをマッピングするためのモジュールによって実行されるマッピングの段階であって、NSDCがKの約数であり、規則J(k)を適用する。
・OFDMシンボルを生成するOFDM変調器によるOFDM変調の段階。
【0079】
Kは、OFDM/OFDMAシンボル1つ当たりのデータシンボル数の倍数である。
【0080】
マッピング段階がユーザを考慮するとき、またはより一般的に、起点が異なりうる、例えば異なるサービスからもたらされるシンボルのグループ間で区別するとき、伝送方法は、OFDMA型と言われる。
【0081】
図12は、先行技術のOFDMA方法を使用した場合のインターリーブされたデータシンボルに対するマッピングの悪影響を示している。OFDMA方法では、所与のOFDMシンボルのキャリアに対し、異なるユーザ(または異なる起点、例えば異なるサービス)に関連するデータシンボルを分散する。単数または複数のユーザからのデータシンボルは、個別のサイズNSDCを有するサブチャネルの間で割り当てられる。次いで、これらのサブチャネルは、NSD個のデータシンボルを備える所与のOFDMAシンボル内に異なるユーザを混合するために周波数で分散され、OFDMシンボル間において時間で分散される。図12は、サブチャネルのシンボルのインデックスip/SCの関数として、
【0082】
【数6】
【0083】
およびNSC=23であるサブチャネルSC#0、SC#1およびSC#2の間でマッピングした後にシンボルのインデックスiSdを与える。図12は、時間的に連続した3つの隣接したサブチャネルSC#0、SC#1およびSC#2の間でシンボルを分散した場合を示している。これらの分散は、3つのサブチャネルが同じサブキャリアを占めるため、図12で重ね合わされている。図12は、各ユーザuにつきサイズ
【0084】
【数7】
【0085】
のサブチャネル間でマッピングする前のパラメータ(p’,q’,j’)={4,2,2}において、PCT特許出願第2006/072694号に述べられているような、ターボ型インターリービング規則を適用してサイズK=NSD=736のブロックでインターリーブすることに関する。インターリービングおよびマッピングのこうした連続は、各ユーザuにつき、隣接したサブチャネルSC#0とSC#1との間、また隣接したサブチャネルSC#1とSC#2との間の分散パターンの類似性をもたらす。図10bに示されているように時間スケールに沿ってこれらのサブチャネルが分散される場合、また伝播チャネルがほとんど変わらない場合、受信時の復号化器の性能は、これらの隣接するサブチャネル間でインターリービングのパターンが繰り返されることにより限定される。
【0086】
既知の技術と異なり、本発明は、受信時に復号化器モジュールにとって有利な伝播チャネルへの時間および/または周波数のダイバーシティの導入を可能にし、そのために隣接するサブチャネル間のインターリービングのパターンの差異が存在する状態を確保する。周波数では、伝播チャネルの自然周波数の選択から恩恵を受けない確率は低くなる。
【0087】
図13は、本発明のマッピング方法を実施するように本発明に従って適合した伝送システムSYSaの例のブロック図である。
【0088】
伝送システムSYSaは、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてサブチャネルのサイズを決定するように本発明に従って適合した送信機EMaを備えるという点で、本発明に従って適合している。1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネルにインターリーブされたシンボルをマッピングするのにマッピングモジュールMTaが適しており、NSDCはKの約数であり、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてマッピングモジュールMTaによって決定されるという点で、送信機は適合している。
【0089】
図14は、本発明のマッピング方法1を適用してOFDM変調器へのデータシンボル入力をマッピングするように本発明に従って適合したマッピングモジュールMTaの図である。マッピングモジュールMTaは、2において、サイズNSDCのN’m個のサブチャネルでインターリーブされたデータシンボルSdを区分し、3、4において、時間−周波数面でサブチャネルを分散する。また、マッピングモジュールは5において、各サブチャネルに、または所定の位置にある一部のサブチャネルにパイロットを挿入して、受信されたパイロットに基づき受信時にOFDM等化を実行することができる。5において、パイロットの挿入はプリアンブルの挿入を伴ってよい。マッピングモジュールMTaは、6において、サブチャネル間におけるシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティに応じてサブチャネルのサイズNSDCを決定する。
【0090】
図15は、本発明のマッピング方法を使用した場合のインターリーブされたデータシンボルに対するマッピングの影響を示している。図15は、時間的に連続した3つの隣接したサブチャネルにシンボルを分散した場合を示している。これらの分散は、3つのサブチャネルが同じサブキャリアを占めるため、図15において重ね合わされている。本発明に従ったマッピングの影響は、隣接するサブチャネル間のインターリービングのパターンの差異をもたらす。隣接するサブチャネル間にパターンの差異が存在する状態を確保するため、本発明のマッピング方法は、サブチャネル間のシンボルインターリービングのダイバーシティを考慮してサブチャネルのサイズNSDCを決定する。この例では、決定されるサイズは
【0091】
【数8】
【0092】
に等しい。
【0093】
サブチャネルのサイズNSDCを決定するために、方法1は、図14に示されているように、好ましい実施形態における複数の段階を含む。これらの段階は、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)、マイクロプロセッサ、または任意の同等の計算手段で実施される計算モジュールで生じる。実施形態によって、これらの段階は完全に、または一部並行して生じうる。
【0094】
第1段階の7では、本方法は分散関数ΔL(s)=Mink|L(k)-L(k+s)|の値を決定する。分散関数ΔL(s)は、インターリーブされたシンボル(Y(k+s)、Y(k))間の距離sの関数としてインターリーバの入力データシンボル(X(L(k+s))、X(L(k)))間の最短距離を表し、sは1〜Kの範囲で変化する。この分散関数は所与のインターリービング規則L(k)について決定される。
【0095】
サイズKのブロックのインターリービング規則L(k)は、0〜K-1の範囲で変化するインデックスkを有するK個のデータシンボルによって形成される入力系列が出力時に読み取られるべき順序を与える。X(k)を、インターリービング規則L(k)を有するインターリーバへのデータシンボル入力の順番とする。Y(k)を、インターリーバからの出口におけるデータ要素の順番とする。その場合、Y (k) =X (L (k))となり、位置インデックスk-1を有するインターリーブされる順番のk番目のデータ要素Yは、入力系列X(0)、...、X(K-1)のインデックスL(k-1)のデータ要素Xに対応する。インターリービング規則L(k)は、空間S={0,...,K-1}からの値を取る全単射関数である。分散は、s-1個のデータ要素によって分けられた2つの入力データ要素X(k)およびX(k+s)に関連する2つの位置インデックス間のインターリーブ後の最短距離と定義される。分散関数は、1〜Kの範囲で変化するsの関係式ΔL(s)=Mink.k∈S|L(k+s)-L(k)|によって与えられる。関数|x|はxの絶対値を与える。
【0096】
KがマルチキャリアシンボルのサイズNSDに等しい実施形態では、本方法は、分散関数の計算を、1〜K/2の範囲で変わるsに限定する。サブチャネルのサイズは、時間および/または周波数で分散されたサブチャネルへのシンボルのマッピングを実行できるよう、最大でもマルチキャリアシンボルのサイズの半分となる。Kがマルチキャリアシンボルサイズの倍数であるとき、本方法は、分散関数の計算を、1〜NSD/2の範囲で変わるsに限定し、NSDは、マルチキャリアシンボル1個当たりのデータシンボル数である。最後に、KがNSDに等しくても、またはNSDの倍数に等しくても、本方法は分散関数の計算を、1〜NSD/2の範囲で変わるsに限定する。
【0097】
第2段階の8では、本方法は、分散値が大きさの基準を満たすKの約数であるsの値を事前選択する。
【0098】
第1の実施形態では、大きさの基準は分散における極大値(relative maximum)に対応する。こうした極大値に対応する横軸値に等しい事前選択された値s’は、サブチャネルについて想定されうる様々な大きさに対応する。本方法は、例えばモジュロ関数を使用してKの約数sの値を決定する。Kの約数1組は、[K]s=0であるsの値1組に等しい。こうした値はs’と書かれる。こうした様々な値s’において、本方法は分散関数の導関数の値を決定する。値がゼロの場合、分散関数は考慮されるs’の値の極大値を示す。
【0099】
第2の実施形態では、大きさの基準は閾値に対応する。本方法は、分散が閾値Sを超えるKの約数であるsの値を事前選択する。この閾値Sは、NSD/2(少なくとも2つのサブチャネルを考慮に入れるため、マルチキャリアシンボルのサイズの半分)のサンプルで計算された分散の調和平均MHに対応することがある。調和平均MHは、観測値の逆数の算術平均の逆数に等しい。
【0100】
【数9】
【0101】
ここでは、N=NSD/2である。この閾値Sは、解析計算を用いて設定でき、任意に設定でき、またはパラメータの値を取ることができる。
【0102】
第3段階の9では、本方法は様々な事前選択済みの差異の値s’の幾何学的ダイバーシティを評価する。
【0103】
1つの実施形態では、本方法は、sの複数の値で平均化された分散の形でインターリービング規則の幾何学的ダイバーシティを数量化する関数である、ΔLDM(s’)を計算することにより、所与の差異の値s’の幾何学的ダイバーシティを評価する。この関数は以下の関係式によって定義される。
【0104】
【数10】
【0105】
ここでMedianは、kを0からK/s’-1まで変化させることで得られる値1組の中央値を計算する関数である。
【0106】
インデックスjは、平均分散値の計算に複数のサブチャネルを組み込む役割を果たす。jがゼロに設定されている場合、ΔLDM(s)は、サブチャネルのインデックスに関係なく1つのサブチャネル内の平均分散値を提供する。このパラメータは以下によって与えられる。
【0107】
【数11】
【0108】
インデックスlがゼロに設定されている場合、ΔLDMは、各サブチャネル内の同じ位置を考慮してサブチャネル間の平均分散値を与える。このパラメータは以下によって与えられる。
【0109】
【数12】
【0110】
特定の実施形態では、本方法は、この計算を実行するにあたり4つの隣接したチャネルを考慮し、それによりjの最大値を
【0111】
【数13】
【0112】
に限定する。これより大きい値では、平均値がサブチャネルの順序の概念を考慮しないため、パターンダイバーシティを考慮することができない。jとlとが同時に変化した場合、ΔLDM(s)は、各サブチャネル内の固有の平均分散値および
【0113】
【数14】
【0114】
個のサブチャネル間の平均分散値を組み込んだサブチャネル間の全体の分散値を与える。パターンダイバーシティ分散を数量化するため、サブチャネル間で生じうる全ての位置が考慮される。
【0115】
幾何学的ダイバーシティは、異なる形で数量化される一方で同様に評価されることがある。例えば、事前選択された値s’の各々につき、評価は以下に限定されうる。m個の最初のインターリーブされたシンボルをサブチャネル間で比較すること(mはs’に比べて小さく、例えば4、5、10である)、各サブチャネルの最初のインターリーブされたシンボルの最小のインデックスを特定すること、最小のインデックスを有するインターリーブされたシンボルを含むサブチャネルを基準として扱うこと、他のサブチャネルからのものを考慮してインターリーブされたシンボルの各インデックスから最小のインデックスの値を減算すること、またはサブチャネルにおける所与の位置値kについて、他のサブチャネルのインターリーブされたシンボルのインデックスに対して、基準サブチャネルのインターリーブされたシンボルのインデックス差異を特定すること。
【0116】
第4段階の10では、本方法は事前選択された差異の値s’から、幾何学的ダイバーシティが最大となるs’の値の1つを選択することによって、サブチャネルのサイズNSDCを決定する。
【0117】
選択されたs’値は、サブチャネル間のインターリービングのパターンのダイバーシティにつながる。このダイバーシティは、ΔL(s=s’)の分散、およびパラメータΔLDM(s=s’)を使用した推定により、隣接する、または例えば3つを超えないサブチャネルだけ間隔がある複数のサブチャネル間の幾何学的パターンダイバーシティを最大化することによってもまた確保される。
【0118】
この選択は、インターリービング規則によって決まり、サブチャネルの最大時間−周波数ダイバーシティ次数(diversity order)を有するサブチャネルの最適分散につながる。このダイバーシティ次数は、インターリービング規則L(k)およびサブチャネルのサイズ
【0119】
【数15】
【0120】
によってのみ決まる。
【0121】
以下では、本発明の方法の2つの実施形態について、図12、15、17、18および19の曲線、ならびにこうした方法を実施するOFDMトランシーバシステムで得られる図20および図21の曲線を参照して説明する。
【0122】
第1の例は、上記のPCT特許出願第2006/072694号で説明したターボ構造のインターリービング規則L(k)をインターリーバETSが実施するシステムSYSaに関する。
【0123】
インターリービング規則L(k)は、インターリービングより上流の入力系列の位置kにおける出力シンボルの位置を提供する(y(k)=x(L(k)))。
【0124】
規則#1は
【0125】
【数16】
【0126】
と記述される。
【0127】
これは、基本アルゴリズムIを繰り返すことに対応する3つの整数パラメータ(p、q、j)、およびインターリービングブロックサイズKに依存する。
【0128】
【数17】
【0129】
は以下の方程式によって説明される。
【0130】
【数18】
【0131】
s-1個のサンプルによって分けられたインターリーブされたサンプルの位置インデックス間の最短距離に対応するインターリービングアルゴリズムL(k)の分散は、以下の形で表現される。
ΔL(s)=Median|L(k)-L(k+s)|、すなわち
ΔL(s)=Mink{|L(k+s)-L(k)|,K-|L(k+s)-L(k)|}
ΔL(s)=Median{|L(k+s)-L(k)|}
【0132】
アルゴリズムTLにおいて、分散は、kの値全てが0〜K-1の範囲で走査されたときに方程式(3)の中央値を考慮して代数的に計算される。
【0133】
【数19】
【0134】
インターリービング規則はサイズK=NSD=736のブロックに当てはまる。これは、sの小さな値に最適分散を提供するパラメータ{p’,q’,j’}={4,2,2}を選択することによって最適化される。
【0135】
図17は、sの異なる値についての分散ΔL(s)を示している。Kの約数であるsの値、すなわち[K]s=0は、K/2個のサンプルで計算された分散の調和平均MHより大きい分散ΔL(s)を示しており、サブチャネルのサイズ
【0136】
【数20】
【0137】
において考慮されうる値であり、図17において丸で囲まれている。図17では、K/2個のサンプルで計算された分散において、調和平均MH (=56)が実線で、中央値ME (=183)が破線で示されている。
【0138】
物理層(PHY)でのシミュレーションによると、調和平均MHは、考慮されるシステム構成において中央値MEの場合よりも、サブチャネルのサイズ選択との関連が大きいパラメータである。この方法は、小さな分散につながるsの2つの値(s’=16, 32)および最大の分散につながるsの2つの値(s’=8, 46)を考慮することで一層正確に示される。
【0139】
ΔL(s)が調和平均MHより小さい場合、シンボルインターリービングのパターンはサブチャネル間のダイバーシティを伴わずに観測され、サブチャネル間のパターンの類似性が大きく、これは図18および図12に示されており、それぞれs’=16を選択し、サブチャネル数NSC=46を与えること、およびs’=32を選択し、サブチャネル数NSC=23を与えることに対応する。
【0140】
ΔL(s)が調和平均MHより大きい場合、シンボルインターリービングのパターンはサブチャネル間のダイバーシティを伴って観測され、サブチャネル間のパターン差異が大きく、これは図15および図19に示されており、それぞれs’=23を選択し、チャネル数NSC=32を与えること、およびs’=46を選択し、チャネル数NSC=16を与えることに対応する。
【0141】
MHより大きいサブチャネルサイズNSDCは、同様のパフォーマンスを示し、閾値MHを下回る値は、ビット誤り率(BER)の点でパフォーマンス変動につながるため、パフォーマンスの悪化をもたらす。付録Aの表3は、規則#1とのつながりで、s’の上記4つの値、すなわち16、23、32および46の分散パラメータを示している。
【0142】
8に等しい値sを事前選択することは、サブチャネル1と3とが同一のパターンにつながる。結果的に、本方法は、2つの隣接するサブチャネル間だけでなく、1つのサブチャネルによって分けられ、または実際には複数のサブチャネルによって分けられた2つのサブチャネル間でもインターリービングのパターンのダイバーシティを評価し、それにより、分散の大きさの基準を満たし、隣接するサブチャネル間の幾何学的ダイバーシティの基準を満たすが、1つのサブチャネルによって分けられたサブチャネル間の幾何学的ダイバーシティの基準を満たさないs’の事前選択された値を除外することができる。
【0143】
第2の例は、S. Crozierらによる論文“High-performance low-memory interleaver banks for turbo-codes”、IEEE VTC FALL 2001、Vol. 1 of 4、conf. 54 2001年10月7日、2394〜2398頁、XP010562400、ISBN:0-7803-7005-8で説明されているCrozierのアルゴリズムから推論されるインターリービング規則RPをインターリーバETSが実施するシステムSYSaに関する。
【0144】
Crozierの法則では、パラメータpcは、キャリア割り当て規則として本明細書で言及されるインターリービング規則のs=1の分散を提供するパラメータである。分散パターンにより、最大分散はsの値によって明示的に決まる。
【0145】
インターリービング規則LRP(k)は以下によって与えられる。
LRP(k)=[sc+k・pc]K k={0,…,K-1}
|LRP(k+1)-LRP(k)|=pc
【0146】
Xに適用されるモジュロK演算に対応する演算[X]K、すなわち、
【0147】
【数21】
【0148】
分散ΔLRP(s)は以下によって与えられる。
LRP(k)=[sc+k・pc]K k={0,…,K-1}
|LRP(k+s)-LRP(k)|=|[pc・s]K|
ΔLRP(s)=Min{|[pc・s]K|,K-|[pc・s]K|}
【0149】
付録Aの表4は、規則#2の分散パラメータの値を提供する。
・s=NSDCの際立った値における分散ΔLRP(s)
・平均サブチャネル内分散
【0150】
【数22】
【0151】
これは、0〜NSDC-1の範囲で変化するsの値について計算された分散値の平均に対応する。
・平均サブチャネル間分散
【0152】
【数23】
【0153】
これは、チャネル間の所与の位置インデックスにおける4つのサブチャネル間の分散に対応する。
・上述の幾何学的ダイバーシティ分散。
【0154】
分散ΔLRP(s)が図20および図21に示されている。値s=23が、サブチャネル間の適切な分散を提供するチャネルサイズとして選択される値である。
【0155】
本発明の方法は様々な手段によって実施できる。例えば、本方法は、ハードウェア形態、ソフトウェア形態または両者の組み合わせで実施できる。
【0156】
ハードウェア実装の場合、送信機での様々な段階を実行するマッピングモジュールを、1つまたは複数のアプリケーション専用集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、FPGA、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または上記の方法の段階を実行するよう設計された任意のその他の電子コンポーネントに組み込むことができる。これは、送信機の様々なモジュール、特に変調器、周波数インターリーバ、およびマルチキャリア変調器にも当てはまる。
【0157】
ソフトウェア実装の場合、マッピング方法の段階の一部または全部は、上記の段階を実行するモジュールによって実施できる。ソフトウェアコードをメモリに格納し、プロセッサによって実行することができる。メモリはプロセッサの一部をなしてよく、またはプロセッサの外部にあってもよく、当業者には知られている方法でプロセッサと結合してもよい。
【0158】
結果的に、本発明はさらに、コンピュータプログラムを提供し、特に、情報媒体またはメモリの上または中にあり、本発明を実施するのに適したコンピュータプログラムを提供する。プログラムは任意のプログラミング言語を利用することができ、ソースコード、オブジェクトコード、またはソースコードとオブジェクトコードとの間の中間コード、例えば、部分的にコンパイルされた形態、または本発明の方法を実施するのに望ましい任意のその他の形態であってよい。
【0159】
情報媒体はプログラムを格納できる任意のエンティティまたはデバイスであってよい。例えば、媒体は、例えば読み取り専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)ROMまたは超小型電子回路ROM、および電気的消去可能/プログラム可能ROM(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)といった格納手段、または実際に磁気記録手段、例えばフロッピー(登録商標)ディスクまたはハードディスクを備えることができる。あるいは、情報媒体は、プログラムが組み込まれ、当該方法の実行または実行での使用に適した集積回路であってよい。
【0160】
さらに、情報媒体は、電気ケーブル、光ケーブル、無線またはその他の手段による伝送に適した電気信号または光信号のような伝送可能媒体であってよい。本発明のプログラムは特に、インターネット型ネットワークからダウンロードできる。
【0161】
好ましい実施形態では、マッピング方法の段階は、基地局の送信機、任意の無線ネットワーク装置、または基地局を介して無線ネットワークと通信するのに適した局(移動端末など)のような電子デバイスでの配置にそれ自体適しているチップのような電子回路に組み込まれる伝送プログラムの命令によって決定される。また、本発明のマッピング方法は、プログラムがプロセッサまたはその同等物などの計算要素でロードされ、次いでその処理がプログラムの実行によって制御されるときに実施できる。
【0162】
<付録A>
【0163】
【表1】
【0164】
【表2】
【0165】
【表3】
【0166】
【表4】
【符号の説明】
【0167】
EM 送信機
RE 受信機
CH 伝播チャネル
CC 誤り訂正符号化器
CBS シンボルバイナリ符号化器
MT マッピングモジュール
OFDM-1 OFDM復調器
MT-1 デマッピングモジュール
EG 等化器モジュール
CBS-1 シンボルバイナリ復号化器
CC-1 誤り訂正復号化器
Sce ソース
Sm OFDMシンボル
Sd データシンボル
ETB バイナリインターリービング
ETS シンボルインターリービング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャリア変調器の入力において、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルを、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネル(SC)にマッピングする方法(1)であって、NSDCは1ブロック当たりのシンボル数Kの約数であり、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティの関数として前記サブチャネルのサイズNSDCが決定される(6)ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティは、1つを超えないサブチャネルだけ間隔があるサブチャネルのグループについて評価される請求項1に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項3】
前記グループは隣接するサブチャネルの組からなる請求項2に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項4】
所与のインターリービング規則L(k)についてインターリーブされたシンボル(Y(k+s)、Y(k))間の差異sの関数として入力シンボル(X(L(k)))間の最短距離を表す分散関数ΔL(s)を計算する第1段階(7)と、
分散値が大きさの基準を満たす、Kの約数である異なる値s’を事前選択する第2段階(8)と、
前記事前選択された差異の異なる値s’について前記サブチャネル間の幾何学的ダイバーシティを評価する第3段階(9)と、
を有し、
前記サブチャネルのサイズNSDCは、前記幾何学的ダイバーシティが最大となる前記事前選択された差異値s’の1つに等しくなるように決定される(10)請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項5】
Kはマルチキャリアシンボルのサイズに等しい請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項6】
Kはマルチキャリアシンボルのサイズの倍数である請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項7】
マルチキャリア変調器の入力において、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルを、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネル(SC)にマッピングするように構成されたモジュール(MTa)であって、NSDCはKの約数であり、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティの関数としてサブチャネルのサイズを決定するように構成されたことを特徴とするモジュール。
【請求項8】
マルチキャリア信号の送信機(EMa)であって、データシンボルを生成する変調器(CBS)とマルチキャリアシンボルを生成するマルチキャリア変調器(OFDM)との間に、K個のデータシンボルのブロックをインターリーブするインターリーバ(ETS)を備え、請求項7に記載のマッピングモジュール(MTa)を含むように構成された送信機。
【請求項9】
マルチキャリア信号を送信するシステム(SYSa)であって、送信機(EMa)および受信機(REa)を備え、前記送信機は請求項8に記載のものであるように構成されたシステム。
【請求項10】
プログラム命令がマルチキャリア信号送信機でロードされ実行されるときに請求項1から6のいずれか一項に記載のK個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルをマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)を実行するように構成されたプログラム命令を含む情報媒体。
【請求項11】
マルチキャリア信号送信機の内部メモリに直接ロードできるコンピュータプログラム製品であって、プログラムがマルチキャリア信号送信機によって実行されるときに請求項1から6のいずれか一項に記載の、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルをマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)の段階を実行するためのソフトウェアコード部分を含む製品。
【請求項1】
マルチキャリア変調器の入力において、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルを、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネル(SC)にマッピングする方法(1)であって、NSDCは1ブロック当たりのシンボル数Kの約数であり、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティの関数として前記サブチャネルのサイズNSDCが決定される(6)ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティは、1つを超えないサブチャネルだけ間隔があるサブチャネルのグループについて評価される請求項1に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項3】
前記グループは隣接するサブチャネルの組からなる請求項2に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項4】
所与のインターリービング規則L(k)についてインターリーブされたシンボル(Y(k+s)、Y(k))間の差異sの関数として入力シンボル(X(L(k)))間の最短距離を表す分散関数ΔL(s)を計算する第1段階(7)と、
分散値が大きさの基準を満たす、Kの約数である異なる値s’を事前選択する第2段階(8)と、
前記事前選択された差異の異なる値s’について前記サブチャネル間の幾何学的ダイバーシティを評価する第3段階(9)と、
を有し、
前記サブチャネルのサイズNSDCは、前記幾何学的ダイバーシティが最大となる前記事前選択された差異値s’の1つに等しくなるように決定される(10)請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項5】
Kはマルチキャリアシンボルのサイズに等しい請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項6】
Kはマルチキャリアシンボルのサイズの倍数である請求項1から4のいずれか一項に記載のマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)。
【請求項7】
マルチキャリア変調器の入力において、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルを、1つまたは複数のマルチキャリアシンボルに分散されたNSDC個の連続したキャリアに等しいサイズのサブチャネル(SC)にマッピングするように構成されたモジュール(MTa)であって、NSDCはKの約数であり、サブチャネル間のシンボルインターリービングのパターンのダイバーシティの関数としてサブチャネルのサイズを決定するように構成されたことを特徴とするモジュール。
【請求項8】
マルチキャリア信号の送信機(EMa)であって、データシンボルを生成する変調器(CBS)とマルチキャリアシンボルを生成するマルチキャリア変調器(OFDM)との間に、K個のデータシンボルのブロックをインターリーブするインターリーバ(ETS)を備え、請求項7に記載のマッピングモジュール(MTa)を含むように構成された送信機。
【請求項9】
マルチキャリア信号を送信するシステム(SYSa)であって、送信機(EMa)および受信機(REa)を備え、前記送信機は請求項8に記載のものであるように構成されたシステム。
【請求項10】
プログラム命令がマルチキャリア信号送信機でロードされ実行されるときに請求項1から6のいずれか一項に記載のK個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルをマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)を実行するように構成されたプログラム命令を含む情報媒体。
【請求項11】
マルチキャリア信号送信機の内部メモリに直接ロードできるコンピュータプログラム製品であって、プログラムがマルチキャリア信号送信機によって実行されるときに請求項1から6のいずれか一項に記載の、K個のシンボルのブロック内でインターリーブされたデータシンボルをマルチキャリア変調器の入力においてマッピングする方法(1)の段階を実行するためのソフトウェアコード部分を含む製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2012−522448(P2012−522448A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502746(P2012−502746)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050584
【国際公開番号】WO2010/112754
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050584
【国際公開番号】WO2010/112754
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
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