説明

サブチラーゼ

【課題】新規なサブチラーゼの提供
【解決手段】本発明は、野生型バチルス株、特にバチルス株ZI344, EP655, P203, EP63, ZI120, ZI130, ZI1342 及び ZI140からの新規サブチラーゼ、及びそれらのプロテアーゼの構成及び生成方法に関する。さらに、本発明は、本発明のサブチラーゼの洗剤、例えば洗濯洗剤又は自動皿洗い洗剤への使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列
本出願は次の配列を含む:
配列番号1−バチルスsp.株Zi344からのサブチラーゼをコードするDNA。核酸337−1143は成熟サブチラーゼをコードする。
配列番号2−バチルスsp.株Zi344からのサブチラーゼのアミノ酸配列。成熟サブチラーゼはアミノ酸113−381である。
【0002】
配列番号3−バチルスsp.株EP655からのサブチラーゼをコードするDNA。核酸343−1149は成熟サブチラーゼをコードする。
配列番号4−バチルスsp.株EP655からのサブチラーゼのアミノ酸配列。成熟サブチラーゼはアミノ酸115−383である。
配列番号5−バチルスsp.株p203からのサブチラーゼをコードするDNA。核酸343−1149は成熟サブチラーゼをコードする。
【0003】
配列番号6−バチルスsp.株p203からのサブチラーゼのアミノ酸配列。成熟サブチラーゼはアミノ酸115−383である。
配列番号7−27は、人工プライマーである。
配列番号28−バチルスsp. 株EP63からのサブチラーゼをコードする部分的DNA配列。
配列番号29−バチルスsp. 株EP63からのサブチラーゼの部分的アミノ酸配列。
配列番号30−バチルスsp. 株ZI120からのサブチラーゼをコードする部分的DNA配列。
【0004】
配列番号31−バチルスsp. 株ZI120からのサブチラーゼの部分的アミノ酸配列。
配列番号32−バチルスsp. 株ZI130からのサブチラーゼをコードする部分的DNA配列。
配列番号33−バチルスsp. 株ZI130からのサブチラーゼの部分的アミノ酸配列。
配列番号34−バチルスsp. 株ZI132からのサブチラーゼをコードする部分的DNA配列。
配列番号35−バチルスsp. 株ZI132からのサブチラーゼの部分的アミノ酸配列。
配列番号36−バチルスsp. 株ZI340からのサブチラーゼをコードする部分的DNA配列。
配列番号37−バチルスsp. 株ZI340からのサブチラーゼの部分的アミノ酸配列。
配列番号29, 31, 33, 35及び37のアミノ酸配列は、C−末端が切断されている成熟サブチラーゼである。
【0005】
寄託された微生物
p203として言及される野生型株は、寄託番号DSM17419として、the Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturenに、ブダペスト条件下で2005年6月27日に寄託された。その寄託所は、配列番号5と同一である、本明細書においてp203Aとして言及されるサブチラーゼ遺伝子を含む。
【0006】
発明の分野
本発明は、バチルスの野生型株からの新規サブチラーゼ、及びそれらのプロテアーゼの構成及び生成方法に関する。さらに、本発明は、洗剤、例えば洗濯洗剤又は自動皿洗い洗剤への本発明のサブチラーゼの使用に関する。
【背景技術】
【0007】
発明の背景
酵素は、30年以上の間、洗浄配合物の一部として洗剤産業内で使用されて来た。プロテアーゼは、商業的観点から、そのような配合物における最も適切な酵素であるが、しかし他の酵素、例えばリパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ又は酵素の混合物もまた使用される。
【0008】
適切な性質を有するプロテアーゼについての調査は、天然に存在するプロテアーゼ、すなわち、いわゆる野生プロテアーゼの発見、及びまたは、前記プロテアーゼをコードする核酸配列の遺伝子操作による、良く知られているプロテアーゼの変更を包含する。しばしば洗剤に使用されるプロテアーゼの1つのファミリーは、サブチラーゼである。このファミリーはさらに、6種の異なったサブグループに分類される(Siezen RJ. and Leunissen J.A.M., 1997, Protein Science, 6, 501-523)。それらのサブグループの1つ、すなわちスブチリシンファミリーはさらに、“真のスブチリシン(I-S1)”、“高アルカリプロテアーゼ(I-S2)”及び“細胞内プロテアーゼ”のサブグループに分割された。Siezen及びLeunissenはまた、前記サブグループのいずれにも属しない、スブチリシンファミリーのいくつかのプロテアーゼを同定した。
【0009】
前記真のスブチリシンは、プロテアーゼ、例えばスブチリシン BPN' (BASBPN), スブチリシン Carlsberg (ALCALASE(商標), NOVOZYMES A/S) (BLSCAR), メセンテリコペプチダーゼ (BMSAMP)及び スブチリシン DY (BSSDY)を包含する。前記高アルカリプロテアーゼは、プロテアーゼ、例えばスブチリシン 309 (SAVINASE(商標), NOVOZYMES A/S) (BLSAVI) スブチリシン PB92 (BAALKP), スブチリシン BL 又は BLAP (BLSUBL), スブチリシン 147 (ESPERASE(商標), NOVOZYMES A/S), スブチリシン センダイ(BSAPRS) 及び アルカリ エラスターゼ YaBを包含する。スブチリシンファミリーのこのグループ以外で、さらなるスブチリシンサブグループ、すなわちTY145様スブチリシンがそのメンバーの3−D構造に基づいて同定された。TY145様スブチリシンは、プロテアーゼ、例えばTY145 (バチルス sp. TY145からのサブチラーゼ, WO 92/17577号に記載されるNCIMB 40339) (BSTY145), スブチリシンTA41 (BSTA41), 及びスブチリシン TA39 (BSTA39)を包含する。
【0010】
PD138タイプのプロテアーゼは最初に、このタイプのプロテアーゼを生成する1つの株を開示するWO93/18140号(Novo Nordisk A/S)に物理化学的に記載された。WO93/18140号においては、PD138タイプのプロテアーゼは、精製されたプロテアーゼに対して指図されたウサギポリクローナル抗体との免疫学的交差反応に基づいて記載されている。プロテアーゼの一次構造は開示されていない。後に、このプロテアーゼを生成するバチルス種は、バチルス・ギブソニ(Bacillus gibsonii)として分類学的に分類されている(Nielsmなど. 1995)。このタイプのバチルス・ギブソニ株は、WO93/18140に記載される株と同一である。WO2003/054184号及びWO2003/054185号は、バチルス・ギブソニ株からのアルカリサブチラーゼを開示する。
【発明の概要】
【0011】
発明の簡単な記載:
本発明者は、好都合な性質、例えば低温での洗剤における改良された性能を有するスブチリシンファミリーのPD138様プロテアーゼサブファミリに属する新規プロテアーゼを単離した。
【0012】
定義:
本発明をさらに詳細に論じる前、次の用語及び慣例がまず定義されるであろう。
用語“サブチラーゼ”とは、Siezen など., Protein Engng. 4 (1991) 719-737 及び Siezen など. Protein Science 6 (1997) 501-523によれば、セリンプロテアーゼのサブグループを意味する。セリンプロテアーゼ又はセリンペプチダーゼは、基質と共に供給アダクトを形成する、活性部位にセリンを有することにより特徴づけられるプロテアーゼのサブグループである。さらに、サブチラーゼ(及びセリンプロテアーゼ)は、セリンとは別の2種の活性部位アミノ酸残基、すなわちヒスチジン及びアスパラギン酸残基を有することにより特徴づけられる。サブチラーゼは、6種のサブグループ、すなわちスブチリシン(Subtilisin)ファミリー、サーミターゼ(Thermitase)ファミリー、プロテアーゼK(Proteinase K)ファミリー、ランチビオチック(Lantibiotic)ファミリー、ケキシン(Kexin)ファミリー及びピロリシン(Pyrolysin)ファミリーに分割され得る。
【0013】
スブチリシンファミリー(EC3.4.21.62)はさらに、3種のサブグループ、すなわちI−S1(“真の”スブチリシン)、I−S2(高アルカリ性プロテアーゼ)及び細胞内スブチリシンに分割され得る。酵素の定義又はグループ分けは変化することができるが、しかしながら、本発明においては、再分又はサブグループへのサブチラーゼの上記分割は、Siezen など., Protein Engng. 4 (1991) 719-737 及び Siezen など. Protein Science 6 (1997) 501-523により記載されるそれらとして理解されるであろう。
【0014】
用語“親”とは、本発明においては、タンパク質変異体を創造するために修飾されるタンパク質として理解されるべきである。親タンパク質は天然において存在する(野生型)ポリペプチドであり得るか、又はいずれかの適切な手段により調製されるその変異体であり得る。例えば、親タンパク質は、1又は複数のアミノ酸残基の置換、化学的修飾、欠失又は切断により、又は天然に存在するポリペプチドのアミノ酸配列への1又は複数のアミノ酸残基の付加又は挿入により修飾された天然に存在するタンパク質の変異体であり得る。従って、用語“親サブチラーゼ”とは、サブチラーゼ変異体創造するために修飾されるサブチラーゼを意味する。
【0015】
“相同性”又は“〜に対して相同である”とは、本発明においては、その従来の手段において理解されるべきであり、そして2種のアミノ酸配列間の“相同性”は、アラインメントパラメーターについてのデフォールト設定、比較マトリックス、ギャップ及びギャップ拡張ペナルティーを用いて、the University of Wisconsin Genetics Computer Group (UWGCG) パッケージからのGAPプログラムにより定義される“類似性”の使用により決定されるべきである。デフォールトは、GAPペナルティー、すなわち3.0のGAP創造ペナルティー及び0.1のGAP拡張ペナルティーについて評価する(Program Manual for the Wisconsin Package, Version 8, August 1994, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711)。
【0016】
前記方法はまた、S. B.Needleman and C. D. Wunsch, Journal of Molecular Biology, 48,443-445 (1970)においても記載されている。同一性は同じ計算から導き出され得る。2種のアミノ酸配列間の相同性はまた、UWGCGパッケージバージョン9.1のGAPルーチンを用いて、“同一性”又は“類似性”により決定され、ここでアラインメントパラメーターのデフォールト設定、比較マトリックス、ギャップ及び拡張ペナルティーがまた、次のパラメーターを用いて適用される:キャップ創造ペナルティー=8及びそれらのデフォールト値で維持されるすべての他のパラメーター。ルーティンからの出力は、アミノ酸アラインメントの他に、2種の配列間の“%同一性”及び“類似性”の計算である。UWGCGパッケージバージョン9.1を用いて計算された数は、バージョン8とはわずかに異なる。
【0017】
用語“位置”とは、本発明においては、ペプチド/ポリペプチドのN−末端から計算する場合、前記ペプチド又はポリペプチドにおけるアミノ酸の数として理解されるべきである。本発明に使用される位置数は、サブチラーゼが属するサブグループに依存して、異なったサブチラーゼを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、DNAStarTMプログラムパッケージにおけるプログラムMagAlignTMバージョン5.05のClustalV機能におけるデフォールト設定により一列整列に基づいて構成された、成熟サブチラーゼペプチド配列の関係を示す系統樹を示す。
【0019】
【図2−1】図2−1は、図1からのPCRスクリーニングからの配列の一列整列を示す。
【図2−2】図2−2は、図1からのPCRスクリーニングからの配列の一列整列を示す。
【図2−3】図2−3は、図1からのPCRスクリーニングからの配列の一列整列を示す。
【図2−4】図2−4は、図1からのPCRスクリーニングからの配列の一列整列を示す。
【図2−5】図2−5は、図1からのPCRスクリーニングからの配列の一列整列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の特定の記載
新規スブチリシンを生成する株の選択:
新規サブチラーゼを生成するバチルス株についての研究において、本発明者は、16S rDNA類似性に基づいて、バチルス・ギブソニに関連する多くの株を選択した。バチルス株P203, EP655, ZI344, EP63, ZI120, ZI130, ZI132 及び ZI140が、標準のバチルス発酵培地(BP-Xが、pH9に調節された0.1Mの炭酸水素ナトリウムに添加された)において発酵された。
【0021】
免疫化学的性質が、交差反応同一性試験により免疫学的に決定され得る。その同一性試験は、良く知られているオクテルロニー二重免疫拡散方法により、又はN.H Axelsen, Handbook of immunoprecipitation-in-gel Techniques. Blackwell Scientific Publications (1983) chapters 5 &14に従っての双頭交差免疫電気泳動により行われ得る。用語“抗原同一性”及び“部分的抗原同一性“とは、同じ文献のチャプター5,19及び20に記載されている。
【0022】
培養流体は、標準としてAlcalaseTMを用いて、プロテアーゼ活性について分析された。10CPU/L又はそれ以上の活性を有する流体が、免疫学的分析に包含された。その分析は2種の異なったウサギポリクローナル抗体を包含し;AB41はPD138プロテアーゼに対して生ぜしめられた抗体であった(WO93/18140号)。他の抗体は、PD490プロテアーゼに対して生ぜしめられたAB65であった(公開されていない)。分析により、AB41に対する部分的反応を有する2つのグループのプロテアーゼが見出された。それらのグループの1つはまた、AB65に対する部分的反応を有し、そして反応した他のグループは、AB65と同一であった。PD138を包含する第3グループは、AB41との同一の反応及びAB65との部分的反応を付与した。
【0023】
PCRスクリーニング
上記のように新規免疫化学的性質を示すプロテアーゼをコードする遺伝子の一部が、利用できる配列から企画されたPCRプライマーとの標準PCR反応により増幅された;例1を参照のこと。
【0024】
ヌクレオチド配列が、DNA STARTMにより分析され、そして基準としてPD138を用いてのヌクレオチド配列多様性に基づいて、抗体により同定された新規グループが確認された。PCRスクリーニングからの配列に基づいての系統樹が図1に示される。PCRスクリーニングからの配列のClustalV一列整列が図2に示されている。
【0025】
本発明の十分な長さのサブチラーゼのクローニング及び発現
逆PCR
逆PCRが、適切な細菌株から抽出された部分的プロテアーゼ遺伝子及び染色体DNAのPCR生成物から得られたDNA配列を補足するために企画された特異的DNAプライマーにより行われた。逆PCRが、P203, EP655及びZI344株に対して行われ、そして株EP63, ZI120, ZI130, ZI1342及びZI140はさらに調べられなかった。逆PCR生成物は、遺伝子のN及びC末端部分をコードする領域を得るために配列決定されたヌクレオチドであった。
【0026】
十分な長さのサブチラーゼの生成
サブチラーゼ遺伝子が、プラスミドpDG268NeoMCS-PramyQ/Prcrylll/crylllAstab/Sav(アメリカ特許第5,955,310号)のサビナーゼシグナルペプチドとの遺伝子融合を可能にするプライマーの5’末端に制限部位を有する特異的プライマーにより増幅された。プロテアーゼ陽性コロニーが選択され、そして発現構造体からの発現された酵素のコード配列がDNA配列分析により確かめられた。
【0027】
本発明のサブチラーゼ
本発明のサブチラーゼは、それぞれ配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号29、配列番号31 、配列番号33、配列番号35又は配列番号37で示されるようなバチルス株ZI344, EP655, P203, EP63, ZI120, ZI130, ZI1342 and ZI140からのサブチラーゼを包含する。WO2003/054184号は、ZI344と約85.9%のアミノ酸配列同一性及びEP655及びP203と約87%のアミノ酸配列同一性を有するバチルス・ギブソニDSM14393からのアルカリプロテアーゼを開示する。さらに、バチルス・ギブソニDSM14393からのアルカリプロテアーゼは、それぞれ、ZI120及びZI130(配列番号31及び33)からのサブチラーゼの部分配列と88.2%の同一性;及びEP63, ZI132及びZI340(配列番号29, 35及び37)からのサブチラーゼの部分配列と88.1%, 86.8%及び83.8%の同一性を有する。
【0028】
バチルス・ギブソニDSM14393からのプロテアーゼは、配列番号1と約75.5%の同一性及び配列番号3及び5と約80.2%の同一性を有する核酸配列によりコードされる。バチルス・ギブソニDSM14393からのプロテアーゼをコードする核酸配列は、それぞれ、ZI340 (配列番号36), ZI 120 (配列番号30), ZI 130 (配列番号32), EP63 (配列番号28) 及び ZI 132 (配列番号34)からのサブチラーゼの部分配列の成熟部分をコードする核酸配列と72.2%, 75.7%, 75.7%, 76.2%及び75.5%同一である。
【0029】
従って、本発明のサブチラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号29、配列番号31 、配列番号33、配列番号35又は配列番号37と少なくとも90%同一性である。好ましくは、前記サブチラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号29、配列番号31 、配列番号33、配列番号35又は配列番号37と少なくとも91%同一であり、より好ましくは、前記サブチラーゼは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号29、配列番号31 、配列番号33、配列番号35又は配列番号37と少なくとも92%, 93%, 94%, 95%, 96%, 97%, 98%又は少なくとも99%同一である。
【0030】
従って、本発明のサブチラーゼは、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34又は配列番号36で示されるような単離された核酸配列によりコードされる。好ましくは、前記核酸配列は、配列番号1,3又は5と少なくとも81%同一であり、より好ましくは、前記核酸配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34又は配列番号36と少なくとも82%, 83%, 84%, 85%, 86%, 87%, 88%, 89%, 90%, 91%, 92%, 93%, 94%, 95%, 96%, 97%, 98% 又は少なくとも99%同一である。
【0031】
さらに、本発明のサブチラーゼをコードする単離された核酸配列は、下記に示されるように、低い緊縮条件下で、少なくとも中位の緊縮条件下で、少なくとも中位/高い緊縮条件下で、少なくとも高い緊縮条件下で、少なくとも非常に高い緊縮条件下で、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34又は配列番号36で示される核酸配列の相補的鎖とハイブリダイズする。
【0032】
ハイブリダイゼーション
ヌクレオチドプローブと相同DNA又はRNA配列との間のハイブリダイゼーションを決定するための適切な実験条件は、5×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム、Sambrookなど. 1989)におけるハイブリダイズするDNAフラグメント又はRNAを含むフィルターの10分間のプレソーキング、及び5×SSC、5×Denhardt’s溶液(Sambrookなど. 1989)、0.5%SDS及び100μg/mlの音波処理された変性サケ精子DNA(Sambrookなど. 1989)の溶液における前記フィルターのプレハイブリダイゼーション、続いて、10ng/mlの濃度のランダム−感作された(Feinberg, A. P. and Vogelstein, B. (1983) Anal. Biochem. 132:6-13)、32P−dCTP−ラベルされた(比活性>1×109cpm/μg)プローブを含む同じ溶液における、約45℃で12時間のハイブリダイゼーションを包含する。種々の緊縮条件に関しては、次に、フィルターは、2×SSC、0.5%SDSにより、30分間2度、少なくとも55℃(低い緊縮性)、より好ましくは少なくとも60℃(中位の緊縮性)、さらにより好ましくは少なくとも65℃(中位/高い緊縮性)、さらにより好ましくは少なくとも70℃(高い緊縮性)及びさらにより好ましくは少なくとも75℃(非常に高い緊縮性)で洗浄された。
【0033】
変異体
組合された修飾
本発明はまた、そのアミノ酸配列に対するいずれか他の修飾と組合しての上記サブチラーゼ変異体のいずれかも包含する。特に、酵素に改良された性質を提供するためへの当業界において知られている他の修飾との組合わせが考えられる。
【0034】
そのような組合わせは、位置222(酸化安定性を改良する)、218(熱安定性を改良する)、酵素を安定化するCa2+−結合部位における置換、例えば位置76、及び当業界において明らかな多くの他の位置を含んで成る。さらなる態様においては、本明細書に記載されるサブチラーゼ変異体は好都合には、次の位置のいずれかにおいて1又は複数の修飾と組み合わされ得る:27, 36, 56, 76, 87, 95, 96, 97, 98, 99, 100, 101 , 102, 103, 104, 120, 123, 167, 170, 206, 218, 222, 224, 232, 235, 236, 245, 248, 252 及び 274(BPN’番号付け)。新規サブチラーゼは、次の位置36, 57及び158〜162での欠失により、BPN’の一次構造とは異なる。新規サブチラーゼは、BPN’よりも6個のアミノ酸で短い。
【0035】
タンパク質の発現及び単離方法
本発明の酵素を発現するためには、本発明の酵素をコードをする核酸配列を含んで成るベクターにより形質転換されるか又はトランスフェクトされた、上記に言及される宿主細胞が、典型的には、所望する分子の生成を可能にする条件下で適切な栄養培地において培養され、この後、それらは細胞、又は培養ブイヨンから回収される。
【0036】
宿主細胞を培養するために使用される培地は、宿主細胞を増殖するために適切ないずれかの従来の培地、例えば適切なサプリメントを含む最少又は複合培地であり得る。適切な培地は、市販されているか、又は公開されたレセピー(例えば、American Type Culture Collectionのカタログ)に従って調製され得る。培地は、当業界において知られている方法(例えば、細菌及び酵母についての文献;Bennett, J. W. and LaSure,L., editors, More Gene Manipulations in Fungi, Academic Press, CA, 1991)を参照のこと)を用いて調製され得る。
【0037】
本発明の酵素が栄養培地中に分泌される場合、それらは培地から直接的に回収され得る。それらが分泌されない場合、それらは細胞溶解物から回収され得る。本発明の酵素は、問題の酵素に依存して、従来の方法、例えば遠心分離又は濾過による培地からの宿主細胞の分離、上清液又は濾液のタンパク質成分の塩、例えば硫酸アンモニウムによる沈殿、種々のクロマトグラフィー方法、例えばイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、又は同様のものによる精製により、培養培地から回収され得る。
【0038】
本発明の酵素は、それらのタンパク質に対して特異的である、当業界に知られている方法を用いて検出され得る。それらの検出方法は、特異的抗体の使用、生成物の形成、又は基質の消出を包含する。例えば、酵素アッセイは、分子の活性を決定するために使用され得る。種々の種類の活性を決定するための方法は、当業界において知られている。
【0039】
本発明の酵素は、当業界において知られている種々の方法、例えばクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング、及びサイズ排除)、電気泳動方法(例えば、Protein Purification, J-C Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989を参照のこと)により精製され得るが、但しそれらだけには制限されない。
【0040】
本発明の酵素をコードするDNA配列を含んでなる発現ベクターが異種宿主細胞において形質転換されるか、又はトランスフェクトされる場合、酵素の異種組換え生成を可能にすることができる。異種宿主細胞を使用する利点は、タンパク質又はペプチドが同種宿主細胞において発現される場合、しばしば存在する同種不純物を有さないことを特徴とする、高く精製された酵素組成物を製造することが可能であることである。本明細書においては、同種不純物とは、本発明の酵素が最初に得られる同種細胞に起因するいずれかの不純物(例えば、本発明の酵素以外の他のポリペプチド)を意味する。
【0041】
洗剤への適用
本発明の酵素は、添加され得、そして従って、洗剤組成物の成分を得る。
本発明の洗剤組成物は、手動又は機械用洗濯洗剤組成部物、例えば染色された布の前処理のために適切な選択用添加剤組成物、及びすすぎに添加される布用ソフトナー組成物として配合され得るか、又は一般的な家庭用硬質表面清浄操作への使用のための洗剤組成物として配合され得るか、又は手動又は機械用皿洗い操作、特に自動皿洗い(ADW)のために配合され得る。
【0042】
特定の観点においては、本発明は、本発明の酵素を含んで成る洗剤添加剤を提供する。洗剤添加剤及び洗剤組成物は、1又は複数の他の酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ぺクチナーゼ、マンナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダ−ゼ、例えばラッカーゼ及び/又はペルオキシダーゼを含んで成る。
【0043】
一般的に、選択された酵素の性質は、選択された洗剤と適合すべきであり(すなわち、pH−最適性、他の酵素及び非酵素成分との適合性、等)、そして酵素は有効量で存在すべきである。
【0044】
プロテアーゼ
適切なプロテアーゼは、動物、植物又は微生物起源のものを包含する。微生物起源が好ましい。化学的に修飾された、又はタンパク質構築された変異体が含まれる。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ又は金属プロテアーゼ、好ましくはアルカリ微生物プロテアーゼ又はトリプシン−様プロテアーゼであり得る。アルカリプロテアーゼの例は、スブチリシン、特にバチルスに由来するそれらのもの、例えばスブチリシンNovo、スブチリシンCarlsberg、スブチリシン309、スブチリシン147及びスブチリシン168(WO89/06279号に記載される)である。トリプシン−様プロテアーゼの例は、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源のもの)、及びWO89/06270号及びWO94/25583号に記載されるフサリウムプロテアーゼである。
【0045】
有用なプロテアーゼの例は、WO92/19729号、WO98/20115号、WO98/20116号及びWO98/34946号に記載される変異体、特に1又は複数の次の位置での置換を有する変異体である:27, 36, 57, 76, 87, 97, 101, 104, 120, 123, 167, 170,194, 206,218, 222,224, 235 及び 274。
【0046】
好ましい市販のプロテアーゼ酵素は、Relase(商標), Alcalase(商標), Savinase(商標), Primase(商標), Everlase(商標) , Esperase(商標), Ovozyme(商標), Coronase(商標), Polarzyme(商標)及びKannase(商標) (Novozymes A/S), MaxataseTM, MaxacalTM, MaxapemTM, ProperaseTM, PurafectTM, Purafect OxPTM, FN2TM,FN3TM , FN4TM 及びPurafect PrimeTM (Genencor International Inc.) を包含する。
【0047】
リパーゼ
適切なリパーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なリパーゼの例は、ヒューミコラ(別名、サーモミセス)、例えばヨーロッパ特許第258068号及び第305216号に記載のようなヒューミコラ・ラウギノサ(T.ラウギノサ)、又はWO96/13580号に記載のようなヒューミコラ・インソレンス、プソイドモナスリパーゼ、例えばP.アルカリゲネス又はP.プソイドアルカリゲネス(ヨーロッパ特許第218272号)、P.セパシア(ヨーロッパ特許第331376号)、P.スツゼリ(P.stutzeri)(イギリス特許第1,372,034号)、P.フルオレセンス、プソイドモナスsp. SD705株(WO95/06720号及びWO96/27002号)、P.ウイスコンシネンシス(WO96/12012号)からのリパーゼ、バチルスリパーゼ、例えばB.スブチリス(Dartoisなど. (1993), Biochemica et Biophysica Acta, 1131, 253-360)、B. ステアロサーモフィラス(日本特許64/744992)又はB.プミラス(WO91/16422号)からのリパーゼを包含する。
【0048】
他の例は、リパーゼ変異体、例えばWO92/05249号、WO94/01541号、ヨーロッパ特許第407225号、ヨーロッパ特許第206105号、WO95/35381号、WO96/00292号、WO95/30744号、WO94/25576号、WO95/14783号、WO95/22615号、WO97/04079号及びWO97/0720号に記載されるものを包含する。
好ましい市販のリパーゼ酵素は、LipolaseTM 及びLipolase UltraTM (Novozymes A/S) を包含する。
【0049】
アミラーゼ
適切なアミラーゼ(α−及び/又はβ)は、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。アミラーゼは、バチルス、例えばイギリス特許第1,296,839号により詳細に記載される、B.リケニルホルミスの特許株から得られるα−アミラーゼを包含する。
【0050】
有用なアミラーゼの例は、WO94/02597号、WO94/18314号、WO96/23873号及びWO/43424号に記載される変異体、特に1又は複数の次の位置での置換を有する変異体である:15, 23, 105, 106, 124, 128, 133, 154, 156, 181, 188, 190, 197, 202, 208, 209, 243, 264, 304, 305, 391, 408, 444。
市販のアミラーゼは、Duramyl(商標), Termamayl(商標), Stainzyme(商標) ,Fungamyl(商標)及びBAN(商標)(Novozymes A/S), RapidaseTM ,PurastarTM 及びPurastar OxAmTM(Genencor International Inc.)である。
【0051】
セルラーゼ
適切なセルラーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。適切なセルラーゼは、バチルス、プソイドモナス、ヒューミコラ、フサリウム、チエラビア、アクレモニウム属からのセルラーゼ、例えばアメリカ特許第4,435,307号、アメリカ特許第5,648,263号、アメリカ特許第5,691,178号、アメリカ特許第5,776,757号及びWO89/09259号に開示されるヒューミコラ・インソレンス、マイセリオプソラ・サーモフィラ及びフサリウム・オキシスポラムから生成される菌類セルラーゼを包含する。
【0052】
特に適切なセルラーゼは、色彩保護有益性を有するアルカリ又は中性セルラーゼである。そのようなセルラーゼの例は、ヨーロッパ特許第0495257号、ヨーロッパ特許第0531372号、WO96/11262号、WO96/29397号、WO98/08940号に記載されるセルラーゼである。他の例は、WO94/07998号、ヨーロッパ特許第0531315号、アメリカ特許第5,457,046号、アメリカ特許第5,685,593号、アメリカ特許第5,763,254号、WO95/24471号、WO98/12307号及びPCT/DK98/0299号に記載されるそれらのものである。
【0053】
市販のセルラーゼは、CelluzymeTM 及びCarezymeTM (Novozymes A/S), ClazinaseTM 及びPuradex HATM (Genencor International Inc.) 及びKAC−500 (B)TM (Kao Corporation) を包含する。
【0054】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ
適切なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なペルオキシダーゼの例は、コプリナス、例えばコプリナス・シネレウス、及びWO93/24618 号、WO95/10602号及びWO98/15257号に記載されるそれらのようなそれらの変異体からのペルオキシダーゼを包含する。
市販のペルオキシダーゼは、GuardzymeTM (Novozymes A/S) を包含する。
【0055】
ヘミセルラーゼ
適切なヘミセルラーゼは、細菌又は菌類起源のそれらを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。適切なヘミセルラーゼは、WO95/35362号に記載されるように、マンナナーゼ、リケナーゼ、キシラナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、グルコルニダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、クマル酸エステラーゼ及びアラビノフラノシダーゼを包含する。適切なマンナナーゼは、WO99/64619号に記載される。
【0056】
洗剤酵素は、1又は複数の酵素を含む別々の添加剤を添加することにより、又はそれらの酵素のすべてを含んで成る組合された添加剤を添加することにより洗剤組成物に包含され得る。本発明の洗剤添加剤、すなわち別々の添加剤又は組合された添加剤が、例えば粒質物、液体、スラリー、等として配合され得る。好ましくは洗剤添加剤配合物は、粒質物、特に非−ダスチング粒質物、液体、特に安定された液体又はスラリーである。
【0057】
非−ダスチング粒質物は、アメリカ特許第4,106,991号及び第4,661,452号に開示のようにして生成され得、そして任意には、当業界において知られている方法により被覆され得る。蝋被覆材料の例は、1000〜20,000の平均モル重量を有するポリ(酸化エチレン)生成物(ポリエチレングリコール、PEG);16〜50の酸化エチレン単位を有する、エトキシル化されたノニルフェノール;12〜20個の炭素原子を有するアルコールを有し、そして15〜80の酸化エチレン単位を有する、エトキシ化された脂肪アルコール;脂肪アルコール、脂肪酸;及び脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリグリセリドである。流動層技法による適用のために適切なフィルム形成被覆材料の例は、イギリス特許第1483591号に与えられている。例えば、液体酵素調製物は、確立された方法に従って、ポリオール、例えばプロピレングリコール、糖又は糖アルコール、硫酸又は硼酸を添加することによって、安定化される。保護された酵素は、ヨーロッパ特許第238,216号に開示される方法に従って調製され得る。
【0058】
本発明の洗剤組成物は、いずれかの便利な形、例えば棒状、錠剤、粉末、顆粒、ペースト又は液体の形で存在することができる。液体洗剤は、水性であり、典型的には、70%までの水及び0〜30%の有機溶媒を含み、又は非水性であり得る。
洗剤組成物は、非イオン性、例えば半−極性及び/又はアニオン性及び/又はカチオン性及び/又は両性イオンであり得る1又は複数の界面活性剤を含んで成る。界面活性剤は典型的には、0.1〜60重量%のレベルで存在する。
【0059】
そこに含まれる場合、洗剤は通常、約1%〜約40%のアニオン性界面活性剤、例えば線状アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート(脂肪酸スルフェート)、アルコールエトキシスルフェート、第二アルカンスルホネート、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル−又はアルケニル琥珀酸又は石鹸を含むであろう。
【0060】
そこに含まれる場合、洗剤は通常、約0.2%〜約40%の非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化された脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(“グルコサミド”)を含むであろう。
【0061】
洗剤は、0〜65%の洗剤ビルダー又は錯生成剤、例えばゼオライト、ジホスフェート、三リン酸、ホスホネート、カーボネート、シトレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン六酢酸、アルキル−又はアルキニル琥珀酸、可溶性シリケート又は層化されたシリケート(例えばHoechstからのSKS−6)を含むことができる。
【0062】
洗剤は、1又は複数のポリマーを含んで成る。例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレート(例えばポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーを含んで成る。
【0063】
洗剤は、H2O2源を含んで成る漂白システム、例えば過酸形成漂白活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン又はノナノイルオキシベンゼンスルホネートと共に組合され得る過硼酸塩又は過炭酸塩を含むことができる。他方では、漂白システムは、例えばアミド、イミド又はスルホン型のペルオキシ酸を含むことができる。
【0064】
本発明の洗剤組成物の酵素は、従来の安定剤、例えばポリオール、例えばプロピレングリコール又はグリセロール、糖又は糖アルコール、乳酸、硼酸又は硼酸誘導体、例えば芳香族硼酸エステル又はフェニル硼素酸誘導体、例えば4−ホルミルフェニル硼素酸を用いて安定化され得、そして前記組成物は、例えばWO92/19709号及びWO92/19708号に記載のようにして配合され得る。
【0065】
洗剤はまた、他の従来の洗剤組成物、例えば布コンディショナー、例えばクレー、泡増強剤、石鹸泡抑制剤、抗腐蝕剤、土壌懸濁剤、抗−土壌再沈着剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、曇りインヒビター、又は香料を含むことができる。
洗剤組成物においては、いずれかの酵素、特に本発明の酵素は、洗浄液体1L当たり0.01−100mgの酵素タンパク質、好ましくは洗浄液体1L当たり0.05−5mgの酵素タンパク質、特に洗浄液体1L当たり0.1−1mgの酵素タンパク質に対応する量で添加され得ることが、現在企画される。
【0066】
本発明の酵素はさらに、引用により本明細書に組み込まれるWO97/07202号に開示される洗剤配合物に組み込まれる。
自動皿洗いのための典型的な粉末洗剤組成物は、次の成分を包含する:
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
清浄界面活性剤システムを有する粉末及び液体皿洗い組成物は、次の成分を包含する:
【表6】

【0073】
非水性液体ADW組成物は典型的には、次の成分を含む:
【表7】

【0074】
【表8】

【0075】
チキソトロープ性液体ADW組成物典型的には、次の成分を含む:
【表9】

【0076】
液体自動皿洗い組成物典型的には、次の成分を含む:
【表10】

【0077】
保護された漂白剤粒子を含む液体ADW組成物は典型的には、次の成分を含む:
【表11】

【0078】
12)上記1), 2), 3), 4), 6) 及び10) に記載されるような自動皿洗い組成物、ここで過硼酸塩は過炭酸塩により置換されている。
13)マンガン触媒をさらに含む、1)〜6)に記載されるような自動皿洗い組成物。前記マンガン触媒は、例えば“Efficient manganese catalysts for low-temporature bleaching”、Nature 369, 1994, pp.637-639に記載される化合物の1つであり得る。
【0079】
材料及び方法
サブチラーゼ変異体の生成方法:
本発明は、本発明の単離された酵素の生成方法を提供し、ここで前記酵素をコードするDNA配列により形質転換された適切な宿主細胞が前記酵素の生成を可能にする条件下で培養され、そして得られる酵素が培養物から、回収される。
【0080】
酵素をコードするDNA配列を含んで成る発現ベクターが異種宿主細胞を形質転換する場合、本発明の酵素の異種組換え生成を可能にする。それにより、相同不純物を有さないことを特徴とする、高く精製されたサブチラーゼ組成物を製造することが可能である。
形質転換された宿主細胞を培養するために使用される培地は、問題の宿主細胞を増殖するために適切ないずれかの従来の培地であり得る。発現されたサブチラーゼは便利には、培養培地中に分泌され得、そして良く知られている方法、例えば遠心分離又は濾過により培地から細胞を分離し、培地のタンパク質成分を、塩、例えば硫酸アンモニウムにより沈殿せしめ、続いてクロマトグラフィー方法、例えばイオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、等の方法により、前記分泌された培養物から回収され得る。
【実施例】
【0081】
例1株の選択及び抗体によるスクリーニング
PD138グループの新規サブチラーゼを生成するバチルス株についての研究において、本発明者は、16S rDNA類似性に基づいて、バチルス・ギブソニに関連する多くの株を選択した。多くのそのようなバチルス株を、標準のバチルス発酵培地(BP-Xを0.1Mの炭酸水素ナトリウムに添加し、pHを9に調節した)において発酵した。
【0082】
免疫化学的性質を、交差反応同一性試験により免疫学的に決定することができる。その同一性試験を、良く知られているオクテルロニー二重免疫拡散法により、又はN. H Axelsen, Handbook of immunoprecipitation-in-gel Techniques. Blackwell Scientific Publications (1983) chapters 5 &14に従っての双頭交差免疫電気泳動により行った。
【0083】
培養流体は、標準としてAlcalaseTMを用いて、プロテアーゼ活性について分析された。10CPU/L又はそれ以上の活性を有する流体が、免疫学的分析に包含された。その分析は2種の異なった抗体を包含し;AB41はPD138プロテアーゼに対して生ぜしめられたウサギポリクローナル抗体であった(WO93/18140号)。他の抗体は、野生型バチルスsp.から単離された細菌性サブチリシンPD490プロテアーゼに対して生ぜしめられたAB65であった(公開されていない)。分析により、AB41に対する部分的反応を有する2つのグループのプロテアーゼが見出された。それらのグループの1つはまた、AB65(EP655, ZI120, EP63, ZI130 及びZI132)に対する部分的反応を有し、そして反応した他のグループは、AB65(ZI344 及び ZI430)と同一であった。PD138を包含する第3グループは、AB41との同一の反応及びAB65との部分的反応を付与した。
【0084】
表12;異なったプロテアーゼ及び2種の異なった抗体とのそれらの反応:
【表12】

【0085】
サブチラーゼ遺伝子の一部を、PCRプライマーによる標準PCR反応により増幅した:
PD138AO(配列番号7)/PD138A2(配列番号9)は、約900ntのPCR生成物を付与した;
PD138A1(配列番号8)/PD138A2(配列番号9)は、約450ntのPCR生成物を付与した;
ZI344F(配列番号10)/PD138A2(配列番号9)は、約800ntのPCR生成物を付与した。
【0086】
GAGGAGGCNGAGTTNGARGC(配列番号7)、変性についての記号は次の通りである:イノシンについてはN、及びA及びGの等混合物についてはR。
AGTTAGCAGATATAAATAATTCAA (配列番号8)、
GTGGAGTAGCCATAGATGTACCA (配列番号9)、
TGCAAACGAGGTTGAACAGG (配列番号10)。
PCR反応は、50U/mlのAmpli-TaqTM DNAポリメテーゼ(Perkin Elmer)、10X Amplitaq緩衝液(MgCl2の最終の濃度は1.5mMである)、0.2mMの個々のdNTP(dATP, dCTP, dTTP及びdGTP)、0.2pモル/μlの前記プライマー及び1μlのDNA鋳型を含んだ。
【0087】
鋳型DNAを、HighPureTM PCR 鋳型調製キット (Boehringer Mannheim art. 1796828)を用いて、細菌からのDNA回収についてその製造業者により推薦されるようにして、種々のバチルス株から回収した。単離された鋳型の品質を、アガロースゲル電気泳動により評価した。高分子量バンドが存在する場合、その品質は許容される。PCRを次のプロトコールで実施した:94℃、2分、40サイクルの[94℃、30秒、52℃、30秒、68℃、1分]、68℃、10分での完結。PCR生成物を、臭化エチジウムにより染色されたTAE緩衝液中、1%アガロースゲル上で分析し、約1050のヌクレオチドの単一のバンドを確認した。PCR生成物を、QiagenTM PCR精製キットを用いて、その製造業者により推薦されるようにして回収した。ヌクレオチド配列を、ABI PRISMTM DNA配列決定機(Perkin Elmer)上での配列決定により決定した。
【0088】
ヌクレオチド配列を、DNA STARTMにより分析し、そして標準としてPD138を用いてのヌクレオチド配列多様性に基づいて、抗体により同定される新規グループを確かめた。PCRスクリーニングからの配列に基づく系統樹が図1に表される。PCRスクリーニングからの配列のClustalV一列整列が図2に示されている。
【0089】
例2十分な長さのサブチラーゼの生成
逆PCR
菌類EP655, P203及びZI344の染色体DNAの3種の消化を、制限酵素Mlu1, EcoR1及びSac1を用いて行った。消化の後、DNAを、QiaquickTMPCR精製キット(art. 28106, Qiagen, Germany)を用いて、制限酵素から分離した。消化物を再連結し、そしてすでに得られているPCR生成物の配列を認識するよう企画されたプライマー(PCRプライマー配列番号11−16)を用いて、PCR反応にゆだねた。次のPCRプロトコールを適用した:94℃、2分、30サイクルの[94℃、15秒、52℃、30秒、72℃、2分]、72℃、20分。PCRにおいては、プライマー、DNAポリメラーゼ及び緩衝液の量は、例1におけるのと同じであった。
【0090】
他方では、94℃、2分、30サイクルの[94℃、15秒、52℃、30秒、68℃、3分]、68℃、20分のプロトコール、及びLong−鋳型TaqポリメラーゼTM(Boehringer Mannheim)及びポリメラーゼにより供給された緩衝液によるAmplitaq(商標)及びAmplitaq(商標)緩衝液の置換を適用した。PCR反応を、臭化エチジウムにより染色された0.8%アガロースゲル上で分析した。すべてのPCRフラグメントを回収し、そしてヌクレオチド配列を、PCR反応に使用されるプライマーとは異なる特定のオリゴプライマーを用いることにより決定した(配列決定プライマー配列番号17−22)。
【0091】
次のプライマーを、逆PCRを得るために及び配列決定するために使用した:
逆PCRプライマー:
P203A-PCR-R (配列番号11) ACACGAGTAATACCCCAAGG
P203A-PCR-F (配列番号12) GCTAATGCAATGGCAGTAGG
ZI344-PCR-R (配列番号13) ACTCTTTGAATGCCCCAAGG
ZI344-PCR-F (配列番号14) AGGTGTACTTGTTGTGGCAG
EP655-PCR-R (配列番号15) AGTAATACCCCAAGGCACCG
EP655-PCR-F (配列番号16) GCGGCTTCAGGTAATAACGG
【0092】
配列決定プライマー:
P203A-seq-R (配列番号17) CAACTCAACTGATAATACGG
P203A-seq-F (配列番号18) TTCTCTCAATATGGTGCAGG
EP655-seq-R (配列番号19) AATGCATCAACATCTTCAGG
EP655-seq-F (配列番号20) GGATATCCTGCACGTTATGC
ZI344-seq-R (配列番号21) AGTGCTTCTACATCCTCAGG
ZI344-seq-F (配列番号22) AACGTTGGCTACCCTGCACG
【0093】
十分な長さのサブチラーゼの生成
菌株P203, EP655及びZI344のサブチラーゼを生成するために、プロテアーゼ遺伝子を、野生型株の染色体DNAから増幅した。P203に関しては、株DSM17419の染色体DNAを使用することができる。プロテアーゼ遺伝子を、約1200nt(ヌクレオチド)のPCR生成物として増幅した。P203プライマーに関しては、P203A-Sac1/P203A-BamH1、ZI344プライマーに関しては、ZI344-Sac1/ZI344-Mlu1、及びEP655プライマーに関しては、P203A-Sac1/EP655-MLu1を使用した。鋳型DNAは、それぞれの野生型バチルス株の染色体DNAであった。
【0094】
プライマー:
P203A-Sac1 : TTATGGAGCTCCTAAAAATGAGGAGGCGACC (配列番号23)
P203A-BamH1 : TGTATGGATCCAAATAGAGACGAAACCGCCC (配列番号24)
EP655-MLU1 : GATTAACGCGTCTGCTCTTATCGACTAGCGG (配列番号25)
ZI344-Sac1 : TTATGGAGCTCGATCAATACAAGGAGGCGAC (配列番号26)
ZI344-MLU1 : GATTAACGCGTGTTCTTTTATCGTGTAGCTG (配列番号27)
EP655-Sac1 : P203A-Sac1を使用すること。
【0095】
PCR生成物を、QiaquickTM回転カラムを用いて、その(Qiagen, Germany)の推薦のようにして回収した。単離された鋳型の品質を、アガロースゲル電気泳動により評価した。PCRを次のプロトコールで行った:94℃、2分、40サイクルの(94℃、30秒、52℃、30秒、68℃、1分)、68℃で10分間の完結。PCR生成物を、臭化エチジウムにより染色されたTAE緩衝液においては、1%アガロースゲル上で分析し、正しいサイズのバンドを確認した。PCR生成物を、制限酵素Sac1及びMlu1により消化し、そしてGFXTM PCR 及び Gel Band Purification Kit(Amerham Biosciences)上で精製した。
【0096】
消化され、そして精製されたPCRフラグメントを、Sac1及びMlu1により消化されたプラスミドpDG268NeoMCS-PramyQ/Prcrylll/crylllAstab/Sav(アメリカ特許第5,955,310号)に連結した。その連結混合物を用いて、E. コリTOP10F' (Invitrogen BV, The Netherlands)を形質転換し、そしていくつかのコロニーを、miniprep (QIAprep(商標)回転, QIAGEN GmbH, Germany)のために選択した。精製されたプラスミドを、破壊されたapr, npr及びpel遺伝子を有するB. サブチリスDN1885に由来するバチルス・サブチリスの株の形質転換の前、挿入体について調べた(Diderichsen et al (1990), J. Bacteriol., 172, 4315-4321)。
【0097】
前記は破壊を、"Bacillus subtilis and other Gram-Positive Bacteria," American Society for Microbiology, p. 618, eds. A.L Sonenshein, J.A. Hoch and Richard Losick (1993)に記載のようにして実質的に行った。形質転換された細胞を、6μg/mlのクロラムフェニコールにより補充された、1%脱脂乳LB-PG観点上にプレートした。プレートされた細胞を、37℃で一晩インキュベートし、そしてプロテアーゼ含有コロニーを、周囲の透明な領域により同定した。プロテアーゼ陽性コロニーを選択し、そして発現構造体からの発現された酵素のコード配列をDNA配列分析により確かめた。
【0098】
例3精製及び特徴化
精製
この方法は、バチルス宿主細胞における本発明のサブチラーゼの生成のための2L規模の発酵物の精製に関する。約1.6Lの発酵ブイヨンを、1Lのビーカーにおいて5000rpmで35分間、遠心分離した。上清液を、10%酢酸を用いて、pH6.5に調節し、そしてSeitz Supra(商標)S100フィルタープレート上で濾過した。
【0099】
濾液を、Amicon(商標)S1Y10 UF遠心分離機を備えたAmicon(商標)CH2A UFユニットを用いて、約400mlに濃縮した。UF濃縮物を遠心分離し、そして濾過し、その後、pH7でのBacitracin親和性カラム上で室温で吸収した。プロテアーゼを、0.01Mのジメチルグルタル酸、0.1Mの硼酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含む、pH7に調節された緩衝溶液中、25%の2−プロパノール及び1Mの塩化ナトリウムを用いて、室温でBacitracinカラムから溶出した。
【0100】
Bacitracin精製段階からのプロテアーゼ活性を有する画分を組合し、そして0.01Mのジメチルグルタル酸、0.2Mの硼酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含む、pH6.5に調節された緩衝液に平衡化された750mlのSephadex(商標)G25カラム(5cmの直径)に適用した。
Sephadex(商標)G25カラムからのタンパク質分解活性を有する画分を組合し、そして0.01Mのジメチルグルタル酸、0.2Mの硼酸及び0.002Mの塩化カルシウムを含む、pH6.5に調節された緩衝液により平衡化された150mlのCM Sepharose(商標)CL 6Bカチオン交換カラム(5cmの直径)に適用した。
【0101】
プロテアーゼを、同じ緩衝液2L中、0−0.1Mの塩化ナトリウムの線上グラジエントを用いて溶離した。
最終精製段階においては、CM Sepharose(商標)カラムからのサブチラーゼ含有画分を組合し、そしてGR81PP膜(Danish Supar Factories Incからの)を備えたAmicon(商標)限外濾過セルにおいて濃縮した。
【0102】
例4サブチラーゼの安定性
本発明のサブチラーゼの安定性を、実験的に添加されたサブチラーゼ以外の他の酵素を有さない標準の西ヨーロッパ皿洗い錠剤洗剤において評価することができる。サブチラーゼの安定性を、洗剤におけるサブチラーゼのインキュベーションの後、残留タンパク質分解活性として決定できる。
【0103】
標準の西ヨーロッパ錠剤洗剤の配合は、次の通りに定義される:
【表13】

【0104】
タンパク質の分解活性についてのアッセイ
タンパク質分解活性はカゼインで基質として決定される。1カゼインプロテアーゼ単位(CPU)は、標準条件、すなわち約25℃、pH9.5で約30分間のインキュベーション下で、1分当たり約1μMの一次アミノ基(セリン標準との比較により決定される)を生成するプロテアーゼの量として定義される。
【0105】
タンパク質分解活性をまた、前記プロテアーゼによるスクシニル−Ala−Ala−Pro−Leu−P−ニトロアニリドの特異的加水分解により決定できる。基質をまず、DMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解し、そして次に、約pH9.45の約0.035Mの硼酸緩衝液により、約50倍に希釈した。すべてのプロテアーゼサンプルを、同じ硼酸緩衝液により約5〜10倍に希釈することができる。等体積の基質溶液及びサンプルを、ELISAリーダープレートにおけるウェルにおいて混合し、そして25℃で約405nmで読み取る。すべてのサンプル活性及び濃度を、それぞれ、標準のプロテアーゼ溶液活性及び濃度に標準化する。
【0106】
自動皿洗いのための典型的な西ヨーロッパ錠剤洗剤を、分析の開始の前、最大30分間、周囲温度で9°dH水に溶解する(5.5g/l)。サブチラーゼのサンプルを、Britten Robinson緩衝液(40mMのリン酸、40mMの酢酸及び40mMの硼酸を含む)(pH9.5)により、2−4CPU/mlの濃度に希釈する。分析のために、すべてのサンプルを分割し、そして次の2種の条件下で試験する:対照に関しては、サブチラーゼは、Britten Robinson緩衝液(pH9.5)において1mlの最終体積に1:9で希釈される。このサンプルを希釈の直後、分析する。洗剤安定性に関しては、サブチラーゼサンプルを洗剤溶液(安定性試験における洗剤濃度は5g/lである)において1:9に希釈し、それらのサンプルを、カゼイン基質の添加により、分析の前30分間、55℃でインキュベートする。
【0107】
アッセイを、2体積のカゼイン基質の添加により開始する(カゼイン基質、100mlのBritten Robinson緩衝液pH9.5中、2gのカゼイン(Merck, Hammerstein品種)であり、pHは、カゼインが溶液に存在する場合、9.5に再調節される)。サンプルは25℃で30分間、等温に維持される。反応を、5mlのTCA溶液の添加により停止する(TCA溶液は、2.5Lの脱イオン水中、89.46gの三塩酸、149.48gの酢酸ナトリウム−三水和物及び94.5mlの氷酢酸である)。サンプルを、少なくとも20分間、周囲温度でインキュベートし、そしてWhatman(商標)紙フィルター(No.42)を通して濾過する。
【0108】
400μlの濾液を、3mlのOPA試験と共に混合する(OPA試薬は、100mlの水中、3.812gのボラックス、0.08%のエタノール、0.2%のDTT及び80mgのO−フタル−ジアルデヒドから構成される)。340nmでの吸光度を測定し、そしてCPUを、0.01%のL−セリンの溶液の標準に対する遊離アミンの濃度から計算する。
【0109】
例5マイクロタイター卵アッセイ(MEA)
このアッセイにおいては、洗剤の存在下でのプロテアーゼによる、変性された卵タンパク質の消化に続いて、96ウェルマイクロタイタープレートにプレートする。卵タンパク質の加熱は、眼に見える変化及び物理化学的性質の変化を生成する。半透明の材料が乳白色の物質の転換される。これは、一部、変性されたタンパク質のスルフヒドリル−ジスルフィド相互交換のためである。例えば、加熱は、オボアルブミンのスルフヒドリル基を暴露し、そしてその暴露された基がジスルフィド結合を形成する。プロテアーゼによる前記変性された卵タンパク質の消化は、卵タンパク質を変性する酵素の能力に依存して、乳白色の卵溶液を、より透明な溶液に転換する。
【0110】
方法
a)200mgの卵粉末(Sanovo International AS)を、93.7mlの水(16°dHに硬度を調節する)に溶解することにより、卵溶液を調製する。その卵溶液を、温度を85℃に8分間にわたって高めることにより変性する。
b)サブチラーゼ酵素を、琥珀酸緩衝液(10mMの琥珀酸+2mMのCaCl2+0.02%の非イオン性界面活性剤(例えば、Brij35)(pH6.5に調節されている)において320nMに希釈する。
【0111】
c)使用の直前、5gの洗剤及び937.5mlの水(16°dH(Ca2+/Mg2+ 4:1))を混合することにより洗剤溶液を調製する。皿洗い洗剤は、典型的な西ヨーロッパ2in 1(8°dHを使用する)又は3in 1錠剤(16°dHを使用する)、又は自動皿洗い粉末生成物(8°dHを使用する)であり得る。洗剤がすでにプロテアーゼを含む場合、その洗剤溶液は、電子オーブンにおいて85℃で5分間、不活性化されるべきである。
【0112】
d)96ウェルマイクロタイタープレートの個々のウェルに次のものを添加する:10μlの320nMの酵素溶液(20nMの最終濃度)+150μlの洗剤溶液(5g/lの最終濃度、16°d)+卵溶液(320μgの卵タンパク質/ウェル)。
分光計上ですぐに(時間0分)、OD410nmを測定する。55℃で正確に20分間インキュベートし、そして次にOD410nmを再び測定する。ΔODを計算し、そして対照サブチラーゼ、例えばNovozyme A/SからのSavinase(商標)又はAlcalase(商標)の性能と変異体とを比較する。対照の性能を、ΔOD=100%に設定する。
【0113】
上記方法の使用により、本発明のサブチラーゼ酵素による、変性された卵タンパク質の消化を、Savinase(商標)のそれとを比較した。その結果は、Savinase性能の性能%として表14に示される:
【0114】
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号29、配列番号31 、配列番号33、配列番号35又は配列番号37で示され;
b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号29、配列番号31 、配列番号33、配列番号35又は配列番号37の配列と少なくとも90%同一であるか;又は
c)寄託されたDSM17419に含まれるヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を有する、サブチラーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
【請求項2】
a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34又は配列番号36と少なくとも81%同一である核酸配列によりコードされるポリペプチド;又は
b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34又は配列番号36の核酸配列又はその相補的鎖と、中位い/高い緊縮条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列によりコードされるポリペプチドから成る群から選択された、サブチラーゼ活性を有する単離されたポリペプチド。
【請求項3】
a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34又は配列番号36で示され;
b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34又は配列番号36で示される配列と少なくとも81%同一であるか;又は
c)寄託された株DSM17419に含まれる、サブチラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列。
【請求項4】
適切な発現宿主において前記ポリペプチドの発現を指図できる1又は複数の制御配列に操作可能的に結合される請求項3記載の核酸配列を含んで成る核酸構造体。
【請求項5】
請求項4記載の核酸構造体、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含んで成る組換え発現ベクター。
【請求項6】
選択マーカーをさらに含んで成る請求項5記載のベクター。
【請求項7】
請求項4記載の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞。
【請求項8】
前記核酸構造体がベクター上に含まれる請求項7記載の細胞。
【請求項9】
前記核酸構造体が、前記宿主細胞ゲノム中に組込まれる請求項8記載の細胞。
【請求項10】
前記核酸配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号29、配列番号31 、配列番号33、配列番号35又は配列番号37で示されるアミノ酸配列をコードする請求項9記載の細胞。
【請求項11】
前記核酸配列が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34又は配列番号36で示される請求項10記載の細胞。
【請求項12】
請求項1記載のポリペプチドの生成方法であって、(a)前記ポリペプチドを含んで成る上清液を生成するためにバチルス株を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項13】
請求項1記載のポリペプチドの生成方法であって、(a)前記ポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る核酸構造体を含んで成る宿主細胞を、前記ポリペプチドの発現の助けとなる条件下で培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項14】
請求項1記載のサブチラーゼ活性を有するポリペプチドの洗剤への使用。
【請求項15】
請求項1記載のサブチラーゼ活性を有するポリペプチドを含んで成る洗剤組成物。
【請求項16】
洗濯洗剤又は自動皿洗い洗剤である請求項15記載の洗剤組成物。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【公開番号】特開2013−31454(P2013−31454A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−235031(P2012−235031)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【分割の表示】特願2008−526374(P2008−526374)の分割
【原出願日】平成18年8月15日(2006.8.15)
【出願人】(500586299)ノボザイムス アクティーゼルスカブ (164)
【Fターム(参考)】