説明

サブ暗証番号情報出力装置

【課題】 カードの暗証番号を当人が思い出すために有効なサブ暗証番号情報を当人に知らせることができるようにする。
【解決手段】 サブ暗証番号情報記憶手段と,サブ暗証番号情報出力要求入力手段と,サブ暗証番号情報抽出手段と,サブ暗証番号情報出力制御手段とを具備し、サブ暗証番号情報出力要求が入力された場合に、当該認識カード50に対応するサブ暗証番号情報を抽出可能かつ抽出サブ暗証番号情報(“日月”)を当該カード所有者が知ることができるように表示器15に表示出力可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カードごとに対応する暗証番号を思い出すためのサブ暗証番号情報を抽出して当該カード所有者が知ることができるように出力可能に形成されたサブ暗証番号情報出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10において、例えばデビット処理システムは、カード発行機関である外部金融機関内のホストコンピュータ(いわゆる上位機)20,30とデビット処理端末10とをデータ通信回線網(例えば、WAN1)を介して接続した構成とされている。
【0003】そして、デビットカードを使用したデビット処理を行う場合、デビットカードに記憶された内容をカードリーダー17で読取り、当該デビットカードに固有な暗証番号をキー操作により入力する。
【0004】これを条件に、デビット処理端末10は、データ通信回線網(1)を介して外部の金融機関(20,30)に照会し、当該外部金融機関(20,30)によって当該デビットカードについての有効期限や口座残高等が確認された後に、例えば商品購入代金を即時決済するものとされている。クレジットカードを用いたクレジット処理,銀行カードを用いた現金自動払出処理、さらには国や自治体の証明書発行処理等の場合も同様である。
【0005】ここに、暗証番号は、利用者が予め当該カード発行機関(20,30)に秘密裏に登録されている。一般的には、当人の誕生日,電話番号,郵便番号等の全部または一部を利用して暗証番号を決定する場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各種カードの普及拡大に伴い個人が複数種類または複数(例えば、10)枚のカードを所持する場合も珍しくはない。しかも、諸事情から全てのカードに同一の暗証番号を決定できかつ登録できるとは限らない。つまり、所持カードごとに当該各暗証番号が異なってしまう場合が生じる。したがって、あるカードを利用する場合、当該暗証番号がどれであったかを失念することがある。誰しもが当人に関係の薄い暗証番号を付けた場合には忘れ易いという経験を持つ。
【0007】かかる場合、当人であっても間違えて異なる暗証番号を入力すると、当然に使用拒否され目的(買い物)を達成できない。しかも、何回も繰り返されたときには当該カードの取扱いを中止するように構築される場合が多いので、使用現場での係員の業務能率が大幅に低下する。さらに、次客が長時間待たされるので、店舗等のサービスおよび信用が低下する。
【0008】だからといって、当人がカードごとの暗証番号をメモして持ち歩くことは、メモ紛失を考えると、危険極まりない。また、暗証番号の問合せや再発行には時間が掛かるので、例えば販売チャンスを無くすという店舗側のマイナスにも直結する。
【0009】本発明の目的は、カードの暗証番号を当人が思い出すために有効なサブ暗証番号情報を当人に簡単に知らせることができるサブ暗証番号情報出力装置を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、カードごとに対応するサブ暗証番号情報を記憶するサブ暗証番号情報記憶手段と,サブ暗証番号情報出力要求を入力するサブ暗証番号情報出力要求入力手段と,サブ暗証番号情報要求が入力された場合にカード認識を条件にサブ暗証番号情報記憶手段を検索して当該認識カードに対応するサブ暗証番号情報を抽出するサブ暗証番号情報抽出手段と,抽出されたサブ暗証番号情報を当該カード所有者が知ることができるように出力するサブ暗証番号情報出力制御手段とを具備したサブ暗証番号情報出力装置である。
【0011】かかる発明では、カードの具体的使用に際し、当該カードについての暗証番号を思い出さない場合やいずれの暗証番号であったかを確信できない場合には、当人または係員が、サブ暗証番号情報出力要求入力手段を用いてサブ暗証番号情報要求を入力する。すると、サブ暗証番号情報抽出手段が、例えばカードリーダーを用いてカードから読取った会員番号等から当該カードが認識されたことを条件に、サブ暗証番号情報記憶手段を検索して当該認識カードに対応するサブ暗証番号情報を抽出する。引続き、サブ暗証番号情報出力制御手段が、抽出されたサブ暗証番号情報を当該カード所有者が知ることができるように出力(例えば、表示出力,印刷出力,音声出力)する。
【0012】サブ暗証番号情報は、当人が使用しようとするカードに対応する暗証番号を思い出すためのヒントであるから、暗証番号を登録する際に同時的に登録させておくのが望ましい。そして、登録されたサブ暗証番号情報は、当該カードを認識するための例えば会員番号と対応させてサブ暗証番号情報記憶手段に記憶される。
【0013】すなわち、暗証番号を誕生日(例えば、10月15日)を利用した“1015”とした場合には、当該カードに対応するサブ暗証番号情報を例えば“月日”または他人にヒントにならないようにひねった“日月”や“MMDD”あるいは“1000”として登録しておく。また、暗証番号を番地(1丁目2番32号)を利用した“1232”や“2321”とする場合には、サブ暗証番号情報を例えば“ADR”,“番号”や“どこ”とする。同様に、暗証番号を電話番号(2345)を利用した“2345”とする場合には、サブ暗証番号を例えば“114”とする。
【0014】かくして、使用しようとするあるカードの暗証番号が、誕生日利用の“1015”および住所利用の“1232”のいずれであったかを確信できない場合に、出力されたカードの暗証番号を当人が思い出すために登録しておいた当該カードに対応するサブ暗証番号情報“月日”を知れば、“月日”が誕生日(例えば、10月15日)を指すことを知る当人は、当該暗証番号が誕生日“1015”であったことを正確かつ迅速に確信できる。
【0015】したがって、当人に有効なサブ暗証番号情報を当人に簡単に知らせることができるから、当人および係員の双方にとって有益でありかつサブ暗証番号情報を出力しても具体的使用に必須な暗証番号が他人に漏れることがないので安心である。
【0016】また、請求項2の発明は、前記サブ暗証番号情報記憶手段が自機内メモリから形成されたサブ暗証番号情報出力装置である。
【0017】かかる発明では、例えば登録商品に係るデビット処理機能を持つ商品販売データ処理装置と一体的に構築された場合、サブ暗証番号情報記憶手段がカードを使用する側の自機(商品販売データ処理装置)内のメモリから形成する。つまり、暗証番号を確認する例えば外部金融機関とは別個の場所で、サブ暗証番号情報を記憶することができるとともに、当該カードに対応させれば当該暗証番号と対応しなくても登録して利用できる。
【0018】したがって、請求項1の発明の場合と同様な作用効果を奏することができることに加え、さらにサブ暗証番号情報の抽出を一段と高速に行えかつ利用性が高いとともに、カードや外部金融機関(上位機)側の記憶負荷とならない。
【0019】また、請求項3の発明は、前記サブ暗証番号情報記憶手段が認識すべき前記カード内メモリから形成されたサブ暗証番号情報出力装置である。
【0020】かかる発明では、サブ暗証番号情報記憶手段が認識すべきカード内のメモリから形成されている。つまり、サブ暗証番号情報がカード自体に当該カードとの対応性確認事項(カード番号乃至会員番号)とともに記憶されている。したがって、請求項1の発明の場合と同様な作用効果を奏することができることに加え、さらにカード作成時に会員番号等と同時的にサブ暗証番号情報を記憶させておけるから、当該カードとサブ暗証番号情報との対応性が確実であるとともに、カードを使用する装置側の設備的負担を軽微にできかつ具現化が容易である。
【0021】さらに、請求項4の発明は、前記サブ暗証番号情報記憶手段が自機とデータ通信可能に接続された他機内メモリから形成されたサブ暗証番号情報出力装置である。
【0022】かかる発明では、サブ暗証番号情報記憶手段が自機とデータ通信可能に接続された他機内のメモリに形成されている。つまり、当該カードを使用し得る各自機に共通の他機内に記憶されている。
【0023】したがって、請求項1の発明の場合と同様な作用効果を奏することができることに加え、さらにカード使用者が何処の装置においてもサブ暗証番号情報を知ることができるとともに、サブ暗証番号情報の記憶作業が1箇所・1回のみでよいからシステム全体としての負担が軽くかつサブ暗証番号情報の複数化を完全に防止することができる。
【0024】さらにまた、請求項5の発明は、前記カードに記憶されている内容を読取るカードリーダーと,このカードリーダーで読取った内容から当該カードを認識するカード認識手段と,認識カードの使用有効性を確認するための暗証番号を入力するための暗証番号入力手段を具備するサブ暗証番号情報出力装置である。
【0025】かかる発明では、カードをカードリーダーに掛けることでカードに記憶されている内容(会員番号等)を読取ることができ、直ちにカード認識手段が読取内容から当該カードを認識することができるから、当該サブ暗証番号情報を迅速に出力することができる。しかも、その場で暗証番号入力手段を用いてサブ暗証番号情報をヒントに確信した暗証番号を入力することができる。
【0026】したがって、請求項1から請求項4までの各発明の場合と同様な作用効果を奏することができることに加え、さらに例えばデビット処理機能を有する電子キャッシュレジスタに本装置を接続しまたは一体的に組込めばよいから、取扱いが容易でかつ利用性を一段と拡大できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)本サブ暗証番号情報出力装置(10)は、図1〜図5に示す如く、サブ暗証番号情報記憶手段(52)と,サブ暗証番号情報出力要求入力手段(14)と,サブ暗証番号情報抽出手段(CPU11,ROM12)と,サブ暗証番号情報出力制御手段(CPU11,ROM12)とを具備し、サブ暗証番号情報出力要求が入力された場合(図5のST20でYES)に当該認識カード50に対応するサブ暗証番号情報を抽出可能かつ抽出サブ暗証番号情報を当該カード所有者が知ることができるように出力可能に形成されている。
【0028】この実施形態では、サブ暗証番号情報記憶手段(52)が認識すべきカード50内のメモリ52から形成されかつ図3に示すようにサブ暗証番号情報(例えば、“日月”)を記憶保持できる。また、このサブ暗証番号情報記憶手段(52)から抽出されたサブ暗証番号情報は、図2に示すように表示器15に表示出力される。
【0029】ここに、サブ暗証番号情報とは、カード50に固有な暗証番号を当人が思い出すために有効な情報で、漢字,カタカナ,ひらがな,数字,アルファベット等の単独または組合わせとして当人が選択決定するものである。
【0030】すなわち、サブ暗証番号情報出力装置は、この実施形態では、従来例の場合(図10)と同様なデビット処理端末10に一体的に組み込まれた構成とされている。また、デビット処理端末10は、電子キャッシュレジスタ(図示省略)に接続されている。もとより、電子キャッシュレジスタ等と一体的に構築してもよい。
【0031】このデビット処理端末10は、図1に示す如く、CPU11,ROM12,RAM13,キーボード14,表示器15,プリンタ16,カードリーダーライタ17,伝送回路18およびHDD(ハードディスク装置)19を含み、上位機(30)との間でデビット処理可能に形成されている。
【0032】つまり、カード50のカード情報記憶手段(磁気ストライプやICカード部)51に記憶されている内容をカードリーダーライタ17で読み取りかつ暗証番号入力手段を形成するキーボード14を用いて暗証番号(例えば、“1015”)を入力することにより、データ通信回線網(WAN1)を介して外部金融機関(上位機…ホストコンピュータ30)に照会し、当該外部金融機関(30)によって当該カード50についての有効期限や口座残高等が確認された後に、商品購入代金を即時決済つまりデビット処理する。
【0033】なお、図1中、HDD19内のメモリ19Mおよび上位機(30)内のメモリ30Mについては、第2および第3の実施形態において説明する。
【0034】ここに、カード50が挿入(図4のST10でYES)されると、カードリーダー(17)は、カード情報記憶手段51に記憶されている内容(会員番号等)を読取る(ST11)。すると、カード認識手段(CPU11,ROM12)が、当該カード50が使用対象カードであるか否かを判別する。つまり、有効性を認識(ST12)する。
【0035】引続き、暗証番号入力画面表示制御手段(CPU11,ROM12)は、図2に示すように、暗証番号入力画面[“暗証番号?”および“****”]を表示器15に表示する(ST13)。
【0036】当人によって当該暗証番号(例えば、“1015”)がキー入力(ST14のYES)されると、問合せ制御手段(CPU11,ROM12)は、外部金融機関内の上位機(ホストコンピュータ30)に問合せをする(ST15)。
【0037】そして、認証を受けた場合(ST16のYES)は、デビット処理制御手段(CPU11,ROM12)がデータ処理(デビット処理)を実行(ST17)する。認証を得られない場合(ST16のNO)には、エラー処理(ST18)する。なお、ST19は、キャンセル処理である。
【0038】ここにおいて、上記したカード50の具体的使用に際し、当該暗証番号(“1015”)を思い出さない場合やいずれの暗証番号であったかを確信できない場合は、不確定な暗証番号を入力しない(ST14のNO)で、キーボード14からなるサブ暗証番号情報出力要求入力手段(図2の“暗証?”キー)を用いてサブ暗証番号情報出力要求を入力(図5のST20でYES)する。
【0039】すると、サブ暗証番号情報抽出手段(CPU11,ROM12)が、カードリーダー(17)を用いてカード50に記憶された会員番号等から当該カードが認識(図4のST12)されたことを条件に、サブ暗証番号情報記憶手段(52)を検索して当該認識カード50に対応するサブ暗証番号情報(“日月”)を抽出する。
【0040】この実施形態では、カード記憶内容(会員番号等)の読取(図4のST11)時にサブ暗証番号情報(“日月”)も同時的に読取られ(抽出され)て、RAM13に一時記憶されている。
【0041】かくして、サブ暗証番号情報出力制御手段(CPU11,ROM12)が、抽出されたサブ暗証番号情報(“日月”)を当該カード所有者が知ることができるように図2に示すように表示出力(図5のST22)する。なお、出力は、プリンタ16を用いた印刷出力や音声出力としてもよい。
【0042】サブ暗証番号情報(“日月”)は、当人が暗証番号を思い出すためのヒントであるから、作成時に当該カード50を認識するための事項(例えば、会員番号)と対応させてサブ暗証番号情報記憶手段(52)に記憶されている。
【0043】すなわち、暗証番号を誕生日(例えば、10月15日)を利用した“1015”とした場合には、当該カード50に対応するサブ暗証番号情報を“日月”として登録しておく。かくして、当該カード50の暗証番号が誕生日利用の“1015”および他のカードに関する例えば住所利用の“1232”のいずれであったかを確信できない場合に、サブ暗証番号情報出力要求(図5のST20でYES)をすることにより表示器15に表示出力(ST22)されたサブ暗証番号情報“日月”を知れば、当人はこれをヒントに当該暗証番号が誕生日である“1015”であったことを正確かつ迅速に確信できる。したがって、当人および係員の双方にとって有益でありかつサブ暗証番号情報を出力しても具体的使用に必須な暗証番号が漏れることがないので安心である。
【0044】しかも、カード50の作成時に会員番号等と同時期にサブ暗証番号情報を当該カード50に記憶させておけるから当該カードとの対応性が確実であるとともに、カードを使用する装置(10)側の設備的負担を軽微にできかつ具現化が容易である。
【0045】さらに、カード50をカードリーダー(17)に掛けることでカードに記憶されている内容(会員番号等)を読取ることができ、直ちにカード認識手段(CPU11,ROM12)が読取内容から当該カードを認識することができるから、当該サブ暗証番号情報を迅速に出力することができかつその場で暗証番号入力手段(14)を用いてサブ暗証番号情報(“日月”)をヒントに確信した暗証番号(“1015”)を入力することができる。
【0046】かくして、例えばデビット処理機能を有する電子キャッシュレジスタに本装置を接続しまたは一体的に組込めばよいから、具現化および取扱いが容易でかつ利用性を一段と拡大できる。
【0047】(第2の実施形態)第2の実施形態は、基本的構成・機能が第1の実施形態の場合(図1,図2,図4)と同様であるが、サブ暗証番号情報記憶手段(19M)がカード50内メモリ52で無く自機(10…HDD19)内の図1,図6に示すメモリ19Mから形成されている。すなわち、暗証番号を確認する例えば外部金融機関(30)とは別個の場所(自機内)つまり図6に示すサブ暗証番号情報記憶手段(19M)に会員番号つまりカード50ごとに対応させて当該各サブ暗証番号情報が記憶されている。
【0048】かくして、サブ暗証番号情報抽出手段(CPU11,ROM12)は、サブ暗証番号情報の表示要求が成されたこと(図7のST210でYES)すなわち、カードリーダー(17)を用いてカード50に記憶された会員番号(例えば、“10001”)から当該カード50が認識(図4のST12)されたことを条件に、図6のサブ暗証番号情報記憶手段(19M)を検索(図7のST211でYES)して、当該認識カード50に対応するサブ暗証番号情報(“日月”)を抽出する(ST213)。
【0049】この実施形態では、カード記憶内容の読取(図4のST11)時にサブ暗証番号情報(“日月”)も同時的に読取られ(抽出され)て、RAM13に一時記憶されている。記憶されていない場合(ST212のNO)は、出力要求が無い場合(ST210のNO)と同様にキャンセル処理(図4のST19)となる。
【0050】抽出されたサブ暗証番号情報(“日月”)は、サブ暗証番号情報出力制御手段(CPU11,ROM12)によって、当該カード所有者が知ることができるように図2に示す表示器15に表示出力(図7のST214)される。
【0051】しかして、この第2の実施形態によれば、第1の実施形態の場合と同様な作用効果を奏することができることに加え、さらにサブ暗証番号情報の抽出を一段と高速に行えるとともに、カード50や外部金融機関(上位機…30)側の記憶負荷とならない。
【0052】(第3の実施形態)この第3の実施形態は、基本的構成・機能が第1の実施形態の場合(図1図2,図4)と同様であるが、サブ暗証番号情報記憶手段(30M)が自機(10)とデータ通信可能に接続された図1,図8に示す他機(30)内のメモリ30Mから形成されている。
【0053】すなわち、図8において、カード50を使用し得る各自機(10)に共通の他機(ホストコンピュータ30)の1箇所(30M)に、カード50ごとつまり会員番号(例えば、“10001”)および暗証番号(“1015”)ごとにサブ暗証番号情報(“日月”)が記憶されている。
【0054】かくして、サブ暗証番号情報抽出手段(CPU11,ROM12)は、サブ暗証番号情報の表示要求が成されたこと(図9のST220でYES)すなわち、カードリーダー(17)を用いてカード50に記憶された会員番号(例えば、“10001”)から当該カードが認識(図4のST12)されたことを条件に、上位機(ホストコンピュータ30)に問合せ(ST221)をする。
【0055】すると、上位機(30)は、図8のサブ暗証番号情報記憶手段(30M)を検索して当該会員番号(“10001”)に対応するサブ暗証番号情報(“日月”)を抽出して当該装置(10)へ応答する。
【0056】つまり、当該装置(10)は、当該認識カード50に対応するサブ暗証番号情報(“日月”)を上位機(30)側から取得(ST222のYES)すると、サブ暗証番号情報出力制御手段(CPU11,ROM12)が、取得(抽出)されたサブ暗証番号情報(“日月”)を当該カード所有者が知ることができるように図2に示すように表示出力(図9のST223)する。
【0057】したがって、第1の実施形態の場合と同様な作用効果を奏することができることに加え、さらにカード使用者が何処の装置(10)でもサブ暗証番号情報を知ることができるとともに、サブ暗証番号情報の記憶作業は1箇所・1回のみでよいからシステム全体としての負担が軽くかつサブ暗証番号情報の複数化を完全に防止することができる。
【0058】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、サブ暗証番号情報出力要求入力手段を用いてサブ暗証番号情報要求を入力することによって、サブ暗証番号情報抽出手段がサブ暗証番号情報記憶手段を検索して当該認識カードに対応するサブ暗証番号情報を抽出可能かつサブ暗証番号情報出力制御手段が抽出されたサブ暗証番号情報を当該カード所有者が知ることができるように出力可能に形成されたサブ暗証番号情報出力装置であるから、当該カードに対応するサブ暗証番号情報“月日”を知れば、“月日”が誕生日(例えば、10月15日)を指すことを知る当人は、当該暗証番号が誕生日“1015”であったことを正確かつ迅速に確信できる。よって、当人に有効なサブ暗証番号情報を当人に簡単に知らせることができるから、当人および係員の双方にとって有益でありかつサブ暗証番号情報を出力しても具体的使用に必須な暗証番号が他人に漏れることがないので安心である。
【0059】また、請求項2の発明によれば、サブ暗証番号情報記憶手段が自機内メモリから形成されているので、請求項1の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらにサブ暗証番号情報の抽出を一段と高速に行えかつ利用性が高いとともに、カードや外部金融機関(上位機)側の記憶負荷とならない。
【0060】また、請求項3の発明によれば、サブ暗証番号情報記憶手段が認識すべきカード内メモリから形成されているので、請求項1の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらにカード作成時に会員番号等と同時的にサブ暗証番号情報を記憶させておけるから、当該カードとサブ暗証番号情報との対応性が確実であるとともに、カードを使用する装置側の設備的負担を軽微にできかつ具現化が容易である。
【0061】さらに、請求項4の発明によれば、サブ暗証番号情報記憶手段が自機とデータ通信可能に接続された他機内メモリから形成されているので、請求項1の発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらにカード使用者が何処の装置においてもサブ暗証番号情報を知ることができるとともに、サブ暗証番号情報の記憶作業が1箇所・1回のみでよいからシステム全体としての負担が軽くかつサブ暗証番号情報の複数化を完全に防止することができる。
【0062】さらにまた、請求項5の発明によれば、カードに記憶されている内容を読取るカードリーダーと,このカードリーダーで読取った内容から当該カードを認識するカード認識手段と,認識カードの使用有効性を確認するための暗証番号を入力するための暗証番号入力手段を具備するので、請求項1から請求項4までの各発明の場合と同様な効果を奏することができることに加え、さらに例えばデビット処理機能を有する電子キャッシュレジスタに本装置を接続しまたは一体的に組込めばよいから、取扱いが容易でかつ利用性を一段と拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】同じく、サブ暗証番号情報出力装置を説明するための図である。
【図3】同じく、サブ暗証番号情報記憶手段を説明するための図である。
【図4】同じく、全体的動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】同じく、サブ暗証番号情報表示出力動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るサブ暗証番号情報記憶手段を説明するための図である。
【図7】同じく、サブ暗証番号情報表示出力動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るサブ暗証番号情報記憶手段を説明するための図である。
【図9】同じく、サブ暗証番号情報表示出力動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明および従来例の暗証番号を入力して処理されるデータ処理装置の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 デビット処理端末(サブ暗証番号情報出力装置…自機)
11 CPU(サブ暗証番号情報抽求手段,サブ暗証番号情報出力制御手段、カード認識手段)
12 ROM(サブ暗証番号情報抽求手段,サブ暗証番号情報出力制御手段、カード認識手段)
13 RAM
14 キーボード(サブ暗証番号情報出力要求手段、暗証番号入力手段)
15 表示器
16 プリンタ
17 カードリーダーライタ(カードリーダー)
18 伝送回路
19 HDD
19M 自機内メモリ(サブ暗証番号情報記憶手段)
30 ホストコンピュータ(他機)
30M 他機内メモリ(サブ暗証番号情報記憶手段)
50 カード
51 カード情報記憶手段
52 カード内メモリ(サブ暗証番号情報記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 カードごとに対応するサブ暗証番号情報を記憶するサブ暗証番号情報記憶手段と,サブ暗証番号情報出力要求を入力するサブ暗証番号情報出力要求入力手段と,サブ暗証番号情報要求が入力された場合にカード認識を条件にサブ暗証番号情報記憶手段を検索して当該認識カードに対応するサブ暗証番号情報を抽出するサブ暗証番号情報抽出手段と,抽出されたサブ暗証番号情報を当該カード所有者が知ることができるように出力するサブ暗証番号情報出力制御手段とを具備したサブ暗証番号情報出力装置。
【請求項2】 前記サブ暗証番号情報記憶手段が自機内メモリから形成されている請求項1記載のサブ暗証番号情報出力装置。
【請求項3】 前記サブ暗証番号情報記憶手段が認識すべき前記カード内メモリから形成されている請求項1記載のサブ暗証番号情報出力装置。
【請求項4】 前記サブ暗証番号情報記憶手段が自機とデータ通信可能に接続された他機内メモリから形成されている請求項1記載のサブ暗証番号情報出力装置。
【請求項5】 前記カードに記憶されている内容を読取るカードリーダーと,このカードリーダーで読取った内容から当該カードを認識するカード認識手段と,認識カードの使用有効性を確認するための暗証番号を入力するための暗証番号入力手段を具備する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載されたサブ暗証番号情報出力装置。

【図1】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2001−34723(P2001−34723A)
【公開日】平成13年2月9日(2001.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−209187
【出願日】平成11年7月23日(1999.7.23)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】