説明

サプライレギュレートされたフェイズロックループ(PLL)及び用いる方法

サプライレギュレートされたフェイズロックループ(PLL)が提供される。PLLは、サプライレギュレーティングループ、電圧制御発振器(VCO)、及びVCOのためのプログラマブルデカップリングキャパシタアレイを備える。VCOデカップリングキャパシタアレイのキャパシタンスは、NかけるCUNITに等しくなるように調整可能であり、NはN分周回路の乗算ファクタの現在の値であり、CUNITはデカップリングキャパシタアレイを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスである。PLLが1つの周波数帯から他にスイッチするとき、VCOデカップリングキャパシタによって導入される高次ポールがPLL参照周波数をトラックし、PLLの動作安定性を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にフェイズロックロープ(phase-locked loop)に関し、特にサプライレギュレートされたPLL(supply-regulated PLL)及び用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェイズロックロープ(PLL)は、出力信号の位相及び周波数を入力信号の位相及び周波数にロックする電子的なシステムである。PLLは、FM復調器、ステレオ復調器、トーン検出器、周波数シンセサイザといった通信システム及びデバイスのアプリケーションに広く用いられている。PLLはまた、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、ネットワークプロセッサ、同期システムといった、高性能のデジタル回路間の事象を同期させるために高い周波数の周期的な信号を必要とするデジタルアプリケーションに、一般的に採用されている。PLLは、種々のアプリケーション分野に対する半導体集積回路(IC)に集積化され、相補的金属酸化物半導体(CMOS)製造技術のような進展された大規模集積回路(VLSI)製造技術によってインプリメントされていることが、特に望ましい。
【0003】
モノリシック半導体チップ上への複雑な電子的システムを集積化する傾向が続くにしたがい、PLLはほとんど全てのVLSIチップに対して必須なコンポーネントとなってきている。一例として、PLLは典型的には、同期したクロック信号を供給するためのマイクロプロセッサのような進展したデジタルシステムに集積化されている。他の例として、PLLはまた、典型的には、送信機内でベースバンド信号を変調するため及び受信機内で入力するRF信号を復調するために一般的に用いられる周波数シンセサイザを形成するために、高性能の無線周波数(RF)トランシーバのようなアナログ或いはミックス信号チップ内に採用される。ロバスト及び安定な動作が、PLLの最も望ましい特性の1つであり、集積化される回路の全ての性能を決定する。
【0004】
CMOS製造技術がディープサブミクロン及びナノメートルレンジへとスケールダウンを続ける一方、望ましい特性を有するPLLの設計がしだいに難しくなってきている。多くのチャレンジの1つは、サプライ−閾電圧比(supply-to-threshold voltage ratio)に起因するオンチップ電源ノイズに対する増加する感度に由来し、それは、増加する位相ノイズ或いはタイミングジッタを引き起こすことによってPLLの性能を劣化させている。より具体的には、PLL内で用いられる電圧制御発振器(voltage controlled oscillator)(VCO)或いは電流制御発振器(current controlled oscillator)(CCO)は、その電源(power supply)上のノイズに特にセンシティブである。VCO或いはCCOは、進展したPLLアーキテクチャに対する“クリーンな”電源から動作することが、本質的である。
【0005】
サプライレギュレートされた(supply-regulated)PLLアーキテクチャは、クリーンな或いはレギュレートされたサプライをPLL内で用いられるVCO或いはCCOに提供するために用いられる。一例として、典型的なサプライレギュレートされたPLLアーキテクチャは、PLLの電圧制御発振器(VCO)及びループフィルタ間のサプライレギュレーティングループ(supply-regulating loop)を用いることを含む。そのようなサプライレギュレーティングループは、ループフィルタからの電圧制御信号(VCTRL)を増幅及びバッファし、VCO(VREG)への調整可能なレギュレートされた電源電圧を発生するかもしれない。メインPLLループは、VCTRLそれ故VREGを変化させることによって要求される周波数でVCOを動作させ、サプライレギュレーティングループは、PLL電源(VDD)の変動に依存しないVREGを維持する。上述した構成を有する存在するサプライレギュレートされたPLLは、典型的には、レギュレートされたVCOサプライ電圧(VREG)内の望ましくないACコンポーネントを除去するために、レギュレートされたVCOサプライ電圧とグラウンドとの間に、デカップリングキャパシタを含んでいる。
【0006】
この及び他の存在するサプライレギュレートされたPLL構成は、しかしながら、多くの明白な問題を呈する。第1に、サプライレギュレートされたループそれ自体が、その帯域幅よりも上の周波数でVCO電源ノイズを拒絶しないこととして、サプライレギュレートされたループの帯域幅が最大にされることを必要とする。これは、PLL内の電力消費を増加させることにつながる。第2に、VCOデカップリングキャパシタを用いることが、PLLループを補償することを難しくする高次のポール(higher-order pole)を生成する。リファレンス周波数の広いレンジにまたがる安定したPLL動作を確保するこが望まれる。この理由のため、プロセス、電圧及び温度(PVT)変動の独立性を維持しながら、PLLループダイナミクスがリファレンス周波数(ωREF)をトラックする(track)ことが重要である。言い換えると、任意の高次のポールの周波数は、PLLリファレンス周波数によってスケール(scale)すべきであるが、これはいつでもそうであるわけではない。典型的には、ポール周波数−リファレンス周波数比は、PVT条件に応じて変動し、PLL内で用いられるN分周回路(divide-by-N circuit)の乗算ファクタ(multiplication factor)のファンクションであることができる。それ故、サプライレギュレートされたPLLの動作安定性は、PVT条件にまたがって大きく減少し、PLL使用はリファレンス周波数の狭いレンジに制限されるかもしれない。
【0007】
存在するサプライレギュレートされたPLL構成におけるこれら及び他の問題の観点から、VLSIプロセス技術の継続的なスケーリングのトレンドをうまく処理しながら、望ましいPLL特性を得るために、改良されたサプライレギュレートされたPLL構成及び利用する方法に対する要求がある。
【発明の概要】
【0008】
これら及び他の問題が、一般に解決或いは回避され、サプライレギュレートされたPLL(supply-regulated PLL)を提供する本発明の好適な実施形態によって、技術的な効果が一般に達成される。PLLは、サプライレギュレーティングループ(supply regulating loop)、電圧制御発振器(voltage controlled oscillator)(VCO)、及びVCOのためのプログラマブルデカップリング(decoupling)キャパシタアレイを備えている。VCOデカップリングキャパシタアレイのキャパシタンスは、NかけるCUNIT(N time CUNIT)に等しくなるように調整され、NはN分周回路(divide-by-N circuit)の乗算ファクタ(multiplication factor)の現在の値(current value)であり、CUNITはデカップリングキャパシタアレイを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンス(unit capacitance)である。PLLがある周波数帯から他の周波数帯にスイッチすると、VCOデカップリングキャパシタによって生成された高次ポール(higher-order pole)がPLLリファレンス周波数をトラックし(track)、それ故、リファレンス周波数の広いレンジにわたってPLL動作安定性を維持する。また、PLLリファレンス周波数に対する高次ポール周波数の比率は、現代のプロセス技術におけるPVT変動に一般に影響を受けないキャパシタンスの比率によって独立に決定される。その結果、サプライレギュレートされたPLLの動作安定性は、PVT変動にほとんど影響を受けず、PLLはリファレンス周波数の広いレンジで用いられることができる。
【0009】
本発明の好適な実施形態によれば、PLL回路は、電圧制御発振器(VCO)へのレギュレートされた制御電圧(regulated control voltage)を発生するように構成されたサプライレギュレータ(supply regulator)を備え、VCOがレギュレートされた制御電圧に応答してVCO出力周波数を発生する。PLL回路はまた、VCO出力周波数の分周された部分(divided portion)を位相検出器にフィードバックするように構成されたN分周回路(divide-by-N circuit)を備え、N分周回路はNの乗算ファクタ(multiplication factor of N)を有する。PLL回路はさらに、レギュレートされた制御電圧に結合されたデカップリングキャパシタ(decoupling capacitor)を備え、デカップリングキャパシタのキャパシタンスがNかけるCUNIT(N times CUNIT)に等しく、CUNITがデカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられた(characterized)ユニットキャパシタンスを表す。
【0010】
本発明の他の好適な実施形態によれば、サプライレギュレートされたPLL回路(supply-regulated PLL circuit)は、第1のノードでレギュレートされたサプライ電圧(regulated supply voltage)を発生するように構成されたサプライレギュレートされたループ(supply-regulated loop)を備える。サプライレギュレートされたPLL回路はまた、レギュレートされたサプライ電圧に応答して、第2のノードで制御電流を発生するように構成された電圧−電流ユニット(voltage-to-current unit)を備える。サプライレギュレートされたPLL回路はさらに、制御電流に応答して、出力周波数信号を発生するように構成された電流制御発振器(current-controlled oscillator)を備える。サプライレギュレートされたPLL回路はさらに、出力周波数信号の分周された部分を位相検出器にフィードバックするように構成されN分周回路を備え、N分周回路はNの乗算ファクタを有する。サプライレギュレートされたPLL回路はさらに、第2のノードとグラウンドとの間に結合されたデカップリングキャパシタを備え、デカップリングキャパシタのキャパシタンスがNかけるCUNIT(N times CUNIT)に等しく、CUNITがデカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表す。
【0011】
本発明のさらに他の好適な実施形態によれば、フェイズロックループ(PLL)回路を用いる方法は、PLL内のN分周回路に対する第1の乗算ファクタN1を選択することと、電圧制御発振器(VCO)に対するデカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N1かけるCUNIT(N1 times CUNIT)に等しくなるように設定することと、PLL内のN分周回路に対する第2の乗算ファクタN2を選択することと、VCOに対するデカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N2かけるCUNIT(N2 times CUNIT)に等しくなるように調整することと、を備え、CUNITは、デカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表す。
【0012】
本発明のさらに好適な実施形態によれば、サプライレギュレートされたフェイズロックループ(PLL)回路は、PLL内のN分周回路に対する第1の乗算ファクタN1を選択する手段と、電圧制御発振器(VCO)に対するデカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N1かけるCUNIT(N1 times CUNIT)に等しくなるように設定する手段と、PLL内のN分周回路に対する第2の乗算ファクタN2を選択する手段と、VCOに対するデカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N2かけるCUNIT(N2 times CUNIT)に等しくなるように調整する手段と、を備え、CUNITは、デカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表す。
【0013】
本発明のさらに好適な実施形態によれば、無線デバイスは、プロセッサと、プロセッサとの電子的通信(electronic communication)をとるメモリと、メモリに記憶されたインストラクションと、を備え、インストラクションは、プロセッサによって、サプライレギュレートされたPLL内の第1の周波数帯を選択することと、PLL内のN分周回路に対する第1の乗算ファクタN1を選択することと、電圧制御発振器(VCO)に対するデカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N1かけるCUNIT(N1 times CUNIT)に等しくなるように設定することと、を実行され、CUNITは、デカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表す。
【0014】
本発明及びその効果のさらに完全な理解のために、添付の図面に関連した以下の説明に対して言及がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、例証的な実施形態のサプライレギュレートされたPLLのブロック図を示している。
【図2】図2は、例証的な実施形態のサプライレギュレートされたPLLのサプライレギュレータ、電圧制御発振器、及びプログラマブルデカップリングキャパシタアレイの例示的な概略図を示している。
【図3】図3は、例証的な実施形態のサプライレギュレートされたPLLを用いる方法を示したフロー図である。
【図3A】図3Aは、図3の方法に対応するミーンズプラスファンクションブロックを示している。
【図4】図4は、無線デバイス内の例証的な実施形態のサプライレギュレートされたPLLとともに含まれるかもしれない、あるコンポーネント示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適な実施形態の作成及び使用は、以下に詳細に議論される。しかしながら、本発明は、広範な種々の特別のコンテキストにおいて実施されることのできる多くの適用可能な発明的なコンセプトを提供することを認識すべきである。議論される特別の実施形態は、発明を作成及び利用するための単なる例証的な特別の方策であり、発明の範囲を限定するものではない。
【0017】
本発明は、特別なコンテキストにおける好適な実施形態について説明されるものであり、すなわちPLLリファレンス周波数をトラックする(track)乗算ファクタに依存しない高次ポール(multiplication factor independent higher order pole)及びPVTを有するサプライレギュレートされたPLL(supply-regulated PLL)について説明されるものであり、したがって、他の効果的な特徴の他に、改善されたPLL全体の動作安定性を提供する。これらの効果的な特徴は、例えば、一般目的のクロックマルチプライヤとして用いられるPLLにおいて特に望ましいかもしれない。本発明の実施形態は、PLL内の改善された動作安定性が望まれるアプリケーションに用いられるPLLに適用されるかもしれない。CMOSプロセス技術が、好適な実施形態のPLLを製造するために採用されるが、バイポーラ及びBiCMOSのような他の適したプロセス技術が、好適な実施形態のPLLをインプリメントするために用いられるかもしれない。
【0018】
図1は、本発明の実施形態にしたがったサプライレギュレートされたPLL100のブロック図を示している。PLL100は、位相検出器110、チャージポンプ120、ループフィルタ130、サプライ電圧レギュレータ(supply voltage regulator)140、電圧制御発振器(voltage controlled oscillator)(VCO)150、プログラマブルデカップリング(decoupling)キャパシタアレイ160、及びフィードバックN分周回路(feedback divide-by-N circuit)170を備えている。位相検出器110は、入力クロック信号ωREF のようなリファレンス信号の位相及び周波数を、PLL出力周波数信号ωVCO に応答してN分周回路170によって発生する発振的な(oscillatory)フィードバック信号ωDIV の位相及び周波数と比較する。位相検出器110は、リファレンス信号ωREF 及びフィードバック信号ωDIV 間の位相差を示す出力信号を発生する。一実施形態において、アップ(UP)或いはダウン(DN)信号は、フィードバック信号ωDIV がリファレンス信号ωREF に対して遅れる(lag)或いは進む(lead)ときに生成される。位相検出器110からのUP及びDN信号は、VCO150の出力周波数ωVCO を効果的に変えるために制御信号を生成することができるチャージポンプ120にフィードされる。チャージポンプ120から発生される制御信号は、示されるような電流信号ICP或いは電圧信号である。一例として、チャージポンプ120は、キャパシタをドライブする2つのスイッチト(switched)電流ソースを備える存在するチャージポンプであるかもしれず、それは、UP及びDN信号にしたがってキャパシタ上に電流をソース(source)或いはシンク(sink)することができ、制御電圧信号を発生することができる。UP信号は、UP信号パルスの幅に比例する量の電荷をキャパシタに付加し、DN信号上のパルスは、DNパルス幅に比例する電荷を除去する。もしUPの幅がDNパルスの幅よりも大きいとすると、制御電圧信号の正味の増加(net increase)がある。他の構成を有するチャージポンプ120が用いられることもできる。
【0019】
本発明の好適な実施形態の説明を通して、1秒あたりのラジアン(radians per second)で測定される角周波数(angular frequencies)ωREF 、ωVCO 及びωDIV は、例証目的に対してのみ、それぞれPLLリファレンス信号、PLL出力信号及びPLLフィードバック信号の周波数を表すために用いられる。種々の実施形態で開示される発明的特徴は、ヘルツで測定される通常の周波数(ordinary frequency)fが、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の実施形態において、種々のPLL信号の周波数を表すために用いられるときにも、また適用する。角周波数(angular frequency)及び通常の周波数(ordinary frequency)は、ω=2πf、という等式を通して相互に関連付けられる。
【0020】
ループフィルタ130は、チャージポンプ120によって生成される制御信号の望ましくないスペクトラムコンポーネントをフィルタアウトする(filter out)ために用いられる。ループフィルタのスペクトラルプロパティ(spectral property)は、好ましくは、チャージポンプ120からの制御信号のDCコンポーネントを抽出し、サプライ電圧レギュレータ(supply voltage regulator)140への“ACフリー(AC-free)”VCO制御電圧信号VCTRLを供給するロウパスフィルタである。種々のループフィルタが、ループフィルタ130に対して用いられるかもしれない。一実施形態では、ループフィルタ130は、公知のRCロウパスネットワークである。他の実施形態では、ループパスフィルタ130は、スイッチトキャパシタ(switched-capacitor)ループフィルタである。他の構成を有するループフィルタもまた、採用することができる。
【0021】
サプライ電圧レギュレータ140は、ループフィルタ130とVCO150との間に結合されている。それは、フィルタされたVCO制御電圧信号VCTRLを増幅することができ、出力ノード145に可変の或いは調整可能なレギュレートされたVCO制御電圧VREG を出力する。サプライ電圧レギュレータ140は、典型的には、非常に改善された電源除去比(power-supply rejection ratio)(PSRR)を示し、実質的にノイズのないレギュレートされたVCO制御電圧VREG を生成し、それは典型的には、DC電源ラインVDD及びICチップの基板上に存在する。サプライ電圧レギュレータ140はまた、典型的には、低ドロップアウト電圧を示し、レギュレートされたVCO制御電圧VREG を可能な限り高くし、それ故、VCO150の出力周波数信号ωVCO の達成可能な周波数を最大にする。サプライ電圧レギュレータ140は、種々の回路構成によってインプリメントされることができる。
【0022】
VCO150は、サプライ電圧レギュレータ140の出力ノード145に結合された発振器を備え、レギュレートされたVCO制御電圧VREG に応答して周波数信号ωVCO を出力する。VCO150出力周波数信号ωVCO の分周された部分(divided version)(すなわち、ωDIV )は、N分周回路(divide-by-N circuit)を通して位相検出器110にフィードバックされ、それはNの乗算ファクタ(multiplication factor of N)を有する。リファレンス信号ωREF とフィードバック信号ωDIV との間に周波数差があるとき、レギュレートされたVCO制御電圧VREG の値は、VCO150をスピードアップ或いはスローダウンさせるために増加或いは減少し、フィードバック信号ωDIV がリファレンス信号ωREF をキャッチアップする或いはフィードバック信号ωDIV のリード(lead)をなくすようにする。リファレンス信号ωREF とフィードバック信号ωDIV との間の自動的なフォロウアップ(follow-up)が達成されると、VCO150出力周波数信号ωVCO は、リファレンス信号ωREF 上にロックされると言われている。VCO150は、VREG とωVCO との間のリニアな電圧−周波数伝達特性を示すことが好ましい。
【0023】
また、図1のサプライレギュレートされたPLL100のブロック図には、プログラマブルデカップリング(decoupling)キャパシタアレイ160が示されている。デカップリングキャパシタアレイ160は、サプライ電圧レギュレータ出力ノード145とACグラウンド(GND)との間に結合され、VREG とGNDとの間に可変キャパシタンスを提供する。デカップリングキャパシタアレイ160は、種々の構成の公知のプログラマブルキャパシタアレイであるかもしれず、そのキャパシタンスは、公知のコーディング/デコーディング及びマルチプレックス回路のような公知の手段によって、アレイのキャパシタの種々のもの(various ones)を選択的に接続することによって、変化させられるかもしれない。
【0024】
図1について示されたPLL100構成により、高次の(higher-order)非支配的なポール(non-dominant pole)が、サプライレギュレータ140及びデカップリングキャパシタアレイ160をPLL100ループに付加することに起因して、PLL100伝達関数(transfer function)内に一般に生成される。高次の非支配的なポールの周波数は、一般に以下のように表され、
ωD =gVCO/CD (1)
ここで、gVCO はノード145でのVCO150の実効トランスコンダクタンス(effective transconductance)を表し、CD はノード145でのプログラマブルデカップリングキャパシタアレイ160のキャパシタンスを表す。また、図1について示されたPLL100構成により、VCO150は以下のようにして表された形の発振周波数を有して構成され、
ωVCO =gVCO/CEFF (2)
ここで、CEFF はVCO150の実効キャパシタンス(effective capacitance)を表す。種々のVCO150構成が、式(2)について説明されるような発振周波数特性を示すように存在する。発明の範囲は、電圧制御発振器の任意の特定のタイプに限定されることを意図していない。
【0025】
好適な実施形態において、デカップリングキャパシタアレイ160のキャパシタンスCD は、その値がN分周回路170の乗算ファクタNに比例するように設定されるように、可変且つ調整可能である。PLL100が予め決められた乗算ファクタNで動作するとき、プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ160のキャパシタンスCD は、
D =N*CUNIT (3)
となるように設定され、ここで、CUNITは、デカップリングキャパシタアレイ160のキャパシタを製造するために選ばれたICプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表す。この可変キャパシタンスCD は、プログラマブルキャパシタアレイ160内の複数のキャパシタの種々のもの(various ones)を選択及び接続するコーディング−デコーディング及びマルチプレックス回路のような制御ロジック回路(図示せず)によって、自動的に調整することができる。PLL100が、異なった乗算ファクタNで動作するようにリセットされたとき、それが典型的には異なったVCO150出力周波数信号ωVCO にリードする(lead)とき、制御ロジック回路は、N分周回路170の調整された乗算ファクタNにしたがって式(3)の可変キャパシタンスCD をリセットするであろう。一例として、リファレンス信号fREF の周波数が10MHz(ωREF =2πfREF )で、VCO150出力周波数信号fVCO の周波数が900MHz(ωVCO =2πfVCO )、すなわちN=90である、初期PLL100セットアップ(initial PLL 100 setup)において、CD は、90かけるCUNIT(90 times CUNIT)に設定される。PLL100が、同一のリファレンス信号、すなわちN=100、に応答して、1.0GHzのVCO150出力周波数信号fVCO を発生するようにリセットされたとき、CD は、100かけるCUNIT(100 times CUNIT)となるようにリセットされる。PLL100上のCD 及びNのリセットは、コモン制御ロジック回路によって同時に行われることができる。PLL100上のCD 及びNのリセットは、別々の制御ロジック回路によって順次に行われるかもしれない。
【0026】
上述したPLL100構成により、リファレンス信号ωREF の周波数に対する高次ポール周波数ωD の比率は、式(1)、(2)及び(3)から以下のようにディダクトされる(deducted)ことができる。
【0027】
ωDREF=(gVCO/CD)/ωREF=gVCO/(ωREF*N*CUNIT)
=gVCO/(ωVCO*CUNIT)=CREF/CUNIT (4)
PLL100の効果的な特徴は、少なくとも以下のように、式(4)から容易に認識される。第1に、リファレンス信号ωREF の周波数に対する高次ポール周波数ωD の比率が、N分周回路170の乗算ファクタから独立している。言い換えると、その周波数ロッキングレンジ内で、PLL100のループダイナミクス(loop dynamics)(例えば、ポール周波数)は、PLL100が異なった周波数帯間で動作するとき、リファレンス信号ωREF の周波数を常にトラックする(track)。その結果、PLL100の動作安定性は、極めて改善される。第2に、式(4)は、PLL内におけるリファレンス信号ωREF の周波数に対する高次ポール周波数ωD の比率が、ユニットキャパシタンスCUNITに対するVCO150実効キャパシタンスCEFF の比率に等しいことを示し、両者とも、他の回路/デバイスパラメータと比較したときに、PVT変動に極めて敏感ではない。結果として、PLL100の動作安定性は、進展したPLL構成に望まれるように、実質的にPVT変動の影響を受けない。
【0028】
図2は、サプライレギュレートされたPLL(supply-regulated PLL)100を示しており、サプライ電圧レギュレータ140、VCO150、及びプログラマブルデカップリングキャパシタアレイ160の例示的な概略図が示され、それぞれ、演算増幅器(op−amp)142及びPMOSFET M1、電圧−電流(voltage-to-current)(V2I)抵抗RV2I 及びPMOSFET M2及びリングオシレータ152、及びスイッチトキャパシタアレイ(switched capacitor array)162がインプリメントされている。ループフィルタ130からの制御電圧信号VCTRLは、その出力がPMOSFET M1のゲートに結合されたop−amp142の差動入力(differential input)に供給されている。PMOSFET M1のソースは、電源(power supply)VDDに結合され、PMOSFET M1のドレインは、ノードAに結合されている。ノードAの電圧VREG は、op−amp142の他の差動入力にフィードバックされ、ローカルフィードバックループを形成している。このローカルフィードバックループは、典型的にはサプライレギュレーティングループ(supply-regulating loop)とも呼ばれる。“ノイジーな(noisy)”電源電圧VDDと比較して、ノードAの電圧VREG は、電源VDDからのノイズがノイズをキャンセルするローカルコレクティブ電圧(local corrective voltage)を生成するように、サプライレギュレーティングループによってレギュレートされる。その結果、VDDが変動しながら、VREG は実質的にコンスタントに維持される。VREG は、一般にサプライレギュレートされた電圧とも呼ばれる。すでに述べたように、PLL100のフォワードパス内のサプライレギュレーティングループの付加は、式(1)について表された周波数ωD とともに、PLL100の伝達関数(transfer function)内に高次の非支配的なポール(non-dominant pole)を生成する。
【0029】
VCO150は、ノードAとGNDとの間にインプリメントされたV2I抵抗RV2I を備え、サプライレギュレートされた電圧VREG をdc電流IV2I に変換する。VCO150はまた、PMOSFET M1の後のフォワードパス内にインプリメントされたPMOSFET M2を備えている。PMOSFET M2は、PMOSFET M1と同一であるかもしれない。PMOSFET M2のソースは電源VDDに結合され、PMOSFET M2のドレインはノードBに結合されている。PMOSFET M2のゲートは、PMOSFET M1のゲートに結合されている。このカレントミラー回路構成により、dc電流ICTRLは、PMOSFET M2ブランチ(branch)内で発生され、ノードBへと流れる。このようにして生成されたICTRLは、dc電流IV2I の正確なコピーであるかもしれず、サプライ電圧VDD内のノイズから実質的に影響を受けない。ICTRLは、リングオシレータ152へと実質的にフィードされ、PLL100の出力周波数信号ωVCO へと変換される。
【0030】
現構成において、リングオシレータ152は、CMOSプロセス技術を用いてインプリメントされ、3つのCMOSインバータINV1からINV3のチェインを備える。インバータINV1からINV3のPMOSFETのソースは、ノードBに結合されている。インバータINV1からINV3のNMOSFETのソースは、GNDに結合されている。INV3の出力ステージでの電圧は、INV1の入力ステージにフィードバックされている。リングオシレータ152はまた、“レベルアップ(level up)“ユニット155を備え、それは“レベルアップ“ユニット155の出力ノードの出力周波数信号ωVCO へのインバータ間の電圧差を変換するように構成されている。同様に、リングオシレータ152の出力周波数信号ωVCO は、式(2)についてすでに説明したように、リングオシレータ152の実効キャパシタンスCEFF に対するリングオシレータ152の実効トランスコンダクタンスgVCO の比率として表現されることができる。
【0031】
リングオシレータ152が、出力周波数信号ωVCO を発生するように示されているが、他の構成を有する電流制御発振器(CCO)もまた、dc電流ICTRLを出力周波数信号ωVCO に変換するために、用いられることができる。図2に示されたリングオシレータ152の概略図は、任意の特定のタイプのCCOを限定することを意図していない。
【0032】
V2I抵抗RV2I 及びPMOSFET M2は、例証的な目的に対してのみV2I変換器として説明されている。他のV2I回路構成もまた、サプライレギュレートされた電圧VREG に応答して、正確なCCO制御電流信号ICTRLを生成するために用いられることができる。V2I抵抗RV2I 及びPMOSFET M2は、例証的な目的に対してのみVCO150の一部として説明されている。サプライレギュレートされた電圧VREG をCCO制御電流信号ICTRLに変換するために用いられるV2I回路は、サプライ電圧レギュレータ140の一部或いは分離回路コンポーネントのような、PLL100の他の回路コンポーネントの一部としてインプリメントされるかもしれない。発明の範囲は、V2I回路が任意の特定の回路タイプ或いは構成に限定されることを意図していない。
【0033】
図2はまた、プログラマブルVCOデカップリングキャパシタアレイ162を示している。プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ162は、ノードB及びGND間に並列にインプリメントされた複数のキャパシタを備えている。キャパシタCi (i=1、2、……N)は、スイッチSを閉じることによってノードB及びGND間に選択的に結合される。プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ162のトータルキャパシタンスCD は、所望のCD を得るためにどのスイッチを閉じてどのスイッチを開くかを決定する予め決められたスイッチングスキーム(scheme)により、ノードB及びGND間に結合されるキャパシタのキャパシタンスの合計に等しい。N分周回路170の乗算ファクタがNの予め決められた値を有するように設定されるPLL100の設定に対し、プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ162のトータルキャパシタンスCD は、式(3)によってすでに説明されたように、CD =N*CUNITであるように設定され、CUNITは、デカップリングキャパシタアレイCD 内のキャパシタを製造するために選ばれたICプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表している。N分周回路170の乗算ファクタが、異なったPLL設定に対して他の値にリセットされたとき、キャパシタアレイ162のトータルキャパシタンスCD は、リセット乗算ファクタ値にしたがって調整される。
【0034】
例示的なPLL100構成において、N分周回路170は、1000の最大乗算ファクタNmax 及び80の最小乗算ファクタNmin を有する。プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ162は、1000の同一のスイッチトキャパシタ(switched capacitor)を備え、それぞれはユニットキャパシタンスCUNITに等しいキャパシタンスを有している。例示的なPLL100が、N分周回路170の1000の乗算ファクタで動作するように設定されているとき、プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ162内のスイッチは全て閉じ、キャパシタアレイ162のトータルキャパシタンスCD は、1000*CUNITに等しくなる。例示的なPLL100が、N分周回路170の80の乗算ファクタで動作するようにリセットされているとき、キャパシタアレイ162のトータルキャパシタンスCD が、80*CUNITに等しくなるように、1000のスイッチの中の80だけが閉じる。公知の制御ロジック(図示せず)が、キャパシタアレイ162内のスイッチの種々のもの(various ones)を選択的に開閉するように用いられることができ、キャパシタの種々のもの(various ones)を選択的にノードB及びGNDに結合するように用いられることができる。
【0035】
種々の公知の回路、デバイス及びコンポーネントが、プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ162内のキャパシタを接続或いは非接続にするために、上述したスイッチSi としてインプリメントされるかもしれない。発明の範囲は、スイッチが任意の特定のタイプ或いは構成に限定されることを意図していない。
【0036】
他の例示的なPLL100構成において、N分周回路170は、例えば、位相ノイズを改善するために、フラクショナル−NのN分周回路(fractional-N divide-by-N circuit)構成を有するように構成される。フラクショナル−NのN分周回路構成は、フラクショナル乗算ファクタを有し、VCO出力周波数分解能(resolution)をリファレンス周波数ωREF のフラクショナル部分にする。プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ162のキャパシタンスCD は、整数NのN分周回路(integer-N divide-by-N circuit)を有する例示的なPLL100と同様の方法で、フラクショナル乗算ファクタNの現在の値にしたがって調整されることができる。
【0037】
効果的な特徴は、PLL100が1つのN分周回路170の乗算ファクタから他に動作するように設定されるときに(整数或いはフラクショナル)、プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ162のトータルキャパシタンスCD が、現在の乗算ファクタにしたがって自動的に調整されることができることを含んでいる。その結果、リファレンス信号周波数ωREF に対する、サプライレギュレーティングループ140によって生成される高次ポールのポール周波数ωD の比率が、式(4)についてすでに説明したように、N分周回路170の乗算ファクタNに常に依存しない。この回路特性は、当業者によって認識されることができるように、改善されたPLLの動作安定性に大きくつながる。さらに、ωREF に対するωD の比率(ratio)は、式(4)に表されるように、VCO152の実効キャパシタンスCEFF 及びプロセス技術ユニットキャパシタンスCUNITの比率(quotient)に等しい。そのような比率(quotient)は、2つのキャパシタンスの比率(ratio)であり、それは典型的にはPVT変動に対して敏感ではない。その結果、PLL100の改善された動作安定性は、一般にPVT変動から影響を受けない。付加的な効果的な特徴として、ポール(pole)に対する複雑な補償回路が、改善されたPLL動作安定性により、単純化される或いは無くすことができる。その結果、発明的特徴を有するPLLが、低減された消費電力及び減少されたチップフットプリント(chip footprint)に導く。
【0038】
プログラマブルデカップリングキャパシタアレイ162は、例証的な目的のみに対して、N分周回路の現在の乗算ファクタN値にしたがって調整可能なキャパシタンスCD を与えるように示されている。当業者は、任意のデカップリングキャパシタンスが、そのキャパシタンスが現在の乗算ファクタN(整数或いはフラクショナル)にしたがって所望の分解能(resolution)によって制御及び調整されることができる限りにおいて、キャパシタアレイ162の代わりに使用されることができることを理解するであろう。発明の範囲は、調整可能なデカップリングキャパシタンスが任意の特定のタイプ或いは構成に限定されることを意図していない。
【0039】
サプライレギュレートされたPLL100は、デジタルドメイン及びアナログドメインに分けられることができる。上記したサプライレギュレートされたPLL100内の回路モジュールは、アナログ及びデジタル回路モジュールとすることができる。例えば、アナログドメインは、位相検出器110、チャージポンプ120、ループフィルタ130、及びVCO150を含むかもしれない。デジタルドメインは、非同期高速フィードバック分周器を備えたN分周回路170を含むかもしれない。さらに、デジタルドメインの回路は、デジタル電圧サプライによって電力を与えられるかもしれない。対称的に、アナログドメインのチャージポンプ及びカレントミラーのようないくつかの回路は、アナログサプライによって電力を与えられるかもしれず、位相検出器110のような残りのものはデジタルサプライによって電力を与えられるかもしれない。アナログ電圧サプライは、デジタル電圧サプライよりも大きい或いは小さいかもしれない。
【0040】
上述したサプライレギュレートされたPLL100は、発明的特徴をデモンストレートするために適用可能な回路モジュールのみを示している。サプライレギュレートされたPLL100は、予め決められたPLL特性を達成するためにインプリメントされた追加の回路を含んでいてもよい。追加の回路は、例えば、プリ分周器、ループフィルタクロッキングロジック、ノークロック検出器、ポスト分周器、乗算ファクタN選択回路、出力バッファを含んでいてもよい。任意の数の追加の回路、デバイス、コンポーネント、コネクタ等が、PLL100とともにインプリメントされていてもよい。ここに示されているかもしれない特定の回路或いは回路の不足は、いかなる場合も、本発明の実施形態を制限することを意図していない。
【0041】
図3は、サプライレギュレートされたPLL100を使用する方法を示したフロー図200である。本方法は、サプライレギュレートされたPLL100内のN分周回路に対する第1の乗算ファクタN1を選択すること210によって行われるかもしれない。これは、サプライレギュレートされたPLL100内のVCOを設定し、第1の周波数帯を動作させるかもしれない。N分周回路は、入力する制御信号に応答して、そのN値を調整するように構成された乗算ファクタN選択回路を備えているかもしれない。乗算ファクタN1は、整数(integer)或いはフラクショナル(fractional)であるかもしれず、サプライレギュレートされたPLL100のアプリケーションに依存する。VCOデカップリングキャパシタンスCD の値が、N1*CUNITに等しくなるように設定され220、CUNITは、デカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたICプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表す。デカップリングキャパシタは、複数のスイッチトキャパシタを有するプログラマブルデカップリングキャパシタアレイであるかもしれない。プログラマブルデカップリングキャパシタンスCD の所望の値は、公知のコーディング−デコーディング回路及び公知のマルチプレックス回路のような公知の手段によって、アレイ内のキャパシタの種々のもの(various ones)を選択的に接続することによって得られるかもしれない。乗算ファクタNのチューニングレンジ内の所望の調整分解能(resolution)を有する他の可変キャパシタが、VCOデカップリングキャパシタCD として用いられることもできる。本方法は、サプライレギュレートされたPLL100内のN分周回路に対する第2の乗算ファクタN2を選択する230、ことによってさらに行われる。乗算ファクタN2は、整数(integer)或いはフラクショナル(fractional)であるかもしれず、N1よりも大きい或いは小さいかもしれず、サプライレギュレートされたPLL100のアプリケーションに依存する。N分周回路のN2の選択は、N1を選択するために上記で用いられたのと同様の方法で行われるかもしれない。これは、第1の周波数帯から第2の周波数帯に動作させるために、PLL100内のVCOをスイッチするかもしれない。VCOデカップリングキャパシタCD の値は、先のデカップリングキャパシタンス値を設定する際の上述したのと同様の方法で、N2*CUNITに等しくなるように調整される240。
【0042】
第1の乗算ファクタN1を選択すること210、及びVCOデカップリングキャパシタンスを設定すること220は、PLL100の初期化プロセスの最中に同時に行われるかもしれない。同様に、第2の乗算ファクタN2を選択すること230、及びVCOデカップリングキャパシタンスを調整すること240は、PLL100が第1の周波数帯から第2の周波数帯にスイッチされる用意があるときに、その後のPLL100のリセットプロセスの最中に同時に行われるかもしれない。
【0043】
上述した図3の方法200は、図3Aに示されたミーンズプラスファンクションブロック200Aに対応する種々のハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネント及び/又はモジュールによって実効されるかもしれない。言い換えると、図3に示されたブロック210から240は、図3Aに示されたミーンズプラスファンクションブロック210Aから240Aに対応する。
【0044】
図4は、サプライレギュレートされたPLL100が無線デバイス500内に含まれるかもしれないことを示している。無線デバイス500は、モバイルデバイス/ステーション或いはベースステーションすなわちアクセスポイントであるかもしれない。モバイルステーションの例は、セルラーフォン、ハンドへルド無線デバイス、無線モデム、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ等を含む。モバイルステーションは、アクセスターミナル、モバイルターミナル、サブスクライバステーション、リモートステーション、ユーザーターミナル、ターミナル、サブスクライバユニット、ユーザーイクイップメント等と、代替的に呼ばれるかもしれない。サプライレギュレートされたPLL100及び使用する方法は、無線デバイス500の一部であるかもしれない。一例として、サプライレギュレートされたPLL100は、ローカルオシレータを形成するためにインプリメントされた周波数シンセサイザの一部であるかもしれない。無線デバイス500とともに含まれるローカルオシレータは、送信機内のベースバンド信号を変調し、受信機内の入力するRF信号を復調するために用いられるかもしれない。さらに、サプライレギュレートされたPLL100及び使用する方法は、無線デバイス500ではない電子デバイス内であるかもしれない。しかしながら、電子デバイスのブロック図及びコンポーネントは、サプライレギュレートされたPLL100がトランシーバ515の一部ではないかもしれないことを除いて、図4の無線デバイスに類似しているであろう。
【0045】
無線デバイス500は、マイクロプロセッサ501を含んでいるかもしれない。マイクロプロセッサ501は、汎用目的のシングル又はマルチチップマイクロプロセッサ(例えば、エンベッディッドARMプロセッサ)、特定目的マイクロプロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP))、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ等であるかもしれない。プロセッサ501は、セントラルプロセッシングユニット(CPU)と呼ばれるかもしれない。単一のプロセッサ501が図4の無線デバイス500内に示されているが、代替的構成では、プロセッサの組み合わせ(例えば、ARM及びDSP)が用いられることもできる。
【0046】
無線デバイス500はまた、メモリ505を含んでいる。メモリ505は、電子的情報を記憶することができる任意の電子コンポーネントであるかもしれない。メモリ505は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、磁気ディスクストレージメディア、光学的ストレージメディア、RAM内のフラッシュメモリデバイス、プロセッサとともに含まれるオンボードメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、及びそれらの組み合わせとして実施されるかもしれない。
【0047】
データ507及びインストラクション509は、メモリ505内に記憶されるかもしれない。インストラクション509は、ここで開示された方法をインプリメントするために、プロセッサ501によって実行されるかもしれない。インストラクション509を実行することは、メモリ505に記憶されたデータ507の使用を含むかもしれない。プロセッサ501がインストラクション509を実行するとき、インストラクションの種々の部分509aがプロセッサ501内にロードされ、データの種々のピース507aがプロセッサ501内にロードされるかもしれない。
【0048】
無線デバイス500はまた、無線デバイス500に及び無線デバイス500から信号の送信及び受信をするために、送信機511及び受信機513を含んでいるかもしれない。送信機511及び受信機513は、トランシーバ515として集合的に呼ばれるかもしれない。アンテナ517は、トランシーバ515に電気的に結合されているかもしれない。無線デバイス500はまた、(図示しない)複数の送信機、複数の受信機、複数のトランシーバ、及び/又は複数のアンテナ(例えば、517a、517b)を含んでいるかもしれない。
【0049】
無線デバイス500の種々のコンポーネントは、1以上のバスによって互いに結合されているかもしれず、それらは電源バス、制御信号バス、ステータス信号バス、データバス等であるかもしれない。明確化を確保するため、種々のバスはバスシステム519として図4内で示されている。
【0050】
上記の説明において、参照番号は、種々のタームに関連してしばしば用いられてきている。タームが参照番号に関連して用いられる場合、これは、1以上の図面に示された特定の要素に言及することが意味されている。タームが参照番号無しに用いられている場合、これは、任意の特定の図面に対する限定無しに一般にタームされていることが意味されている。
【0051】
すでに用いられている“決定する(determining)”なるタームは、広範な種々のアクションを含み、したがって、“決定する(determining)”は、計算する(calculating)、計算する(computing)、処理する(processing)、引き出す(deriving)、調査する(investigating)、ルックアップする(looking up)(例えば、テーブル内のデータベース或いは他のデータ構造をルックアップする)、確かめる(ascertaining)等を含むことができる。また、“決定する(determining)”は、受け取る(receiving)(例えば、情報を受け取る)、アクセスする(accessing)(例えば、メモリ内のデータをアクセスする)等も含むことができる。また、“決定する(determining)”は、解決する(resolving)、選択する(selecting)、選ぶ(choosing)、確立する(establishing)等を含むことができる。
【0052】
“プロセッサ(processor)”なるタームは、汎用目的プロセッサ、セントラルプロセッシングユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、ステートマシーン等、を含むように広く解釈されるべきである。いくつかの環境下では、“プロセッサ(processor)”は、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、等に及ぼされる。“プロセッサ(processor)”は、プロセッシングデバイスの組み合わせ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに結合した1以上のマイクロプロセッサ、或いは他のそのような構成に及ぼされるかもしれない。
【0053】
“メモリ(memory)”なるタームは、電子的情報を記憶することができる任意の電子コンポーネントを含むように広く解釈されるべきである。メモリなるタームは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、イレーザブルプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、エレクトリカリイレーザブルPROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気的又は光学的データストレージ、レジスタ等といった、種々のタイプのプロセッサ読み取り可能なメディアに及ぼされる。メモリは、プロセッサがメモリから情報を読み取り及び/又はプロセッサに情報を書き込むことができれば、プロセッサとの電子的なコミュニケーションがあると言われる。プロセッサに集積化されたメモリは、プロセッサとの電子的なコミュニケーションがある。
【0054】
“インストラクション(instruction)”及び“コード(code)”なるタームは、任意のタイプのコンピュータ読み取り可能なステートメントを含むように広く解釈されるべきである。例えば、“インストラクション”及び“コード”なるタームは、1以上のプログラム、ルーチン、サブルーチン、ファンクション、プロシージャ等に及ぼされるかもしれない。“インストラクション”及び“コード”は、単一のコンピュータ読み取り可能なステートメント或いは多くのコンピュータ読み取り可能なステートメントを備えるかもしれない。
【0055】
ここで説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、或いはそれらの任意の組み合わせでインプリメントされるかもしれない。ソフトウェアでインプリメントされたとすると、機能は、コンピュータ可読媒体上に、1以上のインストラクションとして、記憶されるかもしれない。コンピュータ可読媒体なるタームは、コンピュータによってアクセスされることのできる利用可能な任意の媒体に及ぼされる。例示として、限定されるものではないが、コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、或いは他の光学的ディスクストレージ、磁気的ディスクストレージ、或いは他の磁気的ストレージデバイス、或いは、インストラクション或いはデータ構造の形で所望のプログラムコードを運び(carry)或いは記憶する(store)ために用いられることができ、コンピュータによってアクセスされることのできる任意の他の媒体であるかもしれない。ここで用いられるようなディスク(disk)及びディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク及びブルーレイ(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)は通常は磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)はレーザーによって光学的にデータを再生する。
【0056】
ソフトウェア或いはインストラクションは、伝達媒体によって伝達されるかもしれない。例えば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバー、或いは同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、或いは赤外線、ラジオ、マイクロ波のような無線技術、を用いた他のリモートソースから伝送される場合には、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、或いは赤外線、ラジオ、マイクロ波のような無線技術は、伝達媒体の定義に含まれる。
【0057】
ここで開示される方法は、説明された方法を達成するための1以上のステップ或いはアクションを備える。方法ステップ及び/又はアクションは、クレームの範囲から逸脱することなく、互いに交換されるかもしれない。言い換えると、特定のステップ又はアクションの順序が、説明された方法の適切な動作に要求されなければ、順序及び/又は特定のステップ及び/又はアクションの使用は、クレームの範囲から逸脱することなく、モディファイされるかもしれない。
【0058】
さらに、ここで説明された方法及び技術を実行するためのモジュール及び/又は他の適切な手段は、ダウンロード及び/又はデバイスによって得られることを認識すべきである。例えば、デバイスは、ここで説明された方法を実行するための手段の伝達を容易にするためにサーバーに結合されるかもしれない。或いは、ここで説明された種々の方法は、デバイスがストレージ手段をデバイスに結合或いは提供する種々の方法を得るかもしれないように、ストレージ手段(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)或いはフロッピー(登録商標)ディスク等の物理的ストレージメディア)を介して供給されることができる。さらに、ここで説明された方法及び技術をデバイスに提供するための任意の他の適切な技術を利用することができる。
【0059】
クレームが、上述した正確な構成及びコンポーネントに限定されないことを理解すべきである。種々の変形、変更、及びバリエーションが、クレームの範囲から逸脱することなく、ここで説明されたシステム、方法及び装置のアレンジメント、動作及び詳細においてなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧制御発振器(VCO)へのレギュレートされた制御電圧を発生するように構成されたサプライレギュレータであって、VCOが前記レギュレートされた制御電圧に応答してVCO出力周波数を発生するサプライレギュレータと、
前記VCO出力周波数の分周された部分を位相検出器にフィードバックするように構成され、Nの乗算ファクタ(multiplication factor of N)を有するN分周回路(divide-by-N circuit)と、
前記レギュレートされた制御電圧に結合され、キャパシタンスがNかけるCUNIT(N times CUNIT)に等しいデカップリングキャパシタであって、CUNITが前記デカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表すデカップリングキャパシタと、
を備えたフェイズロックループ(PLL)回路。
【請求項2】
前記VCOは、電流制御発振器を備え、前記VCO出力周波数は、前記電流制御発振器の実効キャパシタンスに対する前記電流制御発振器のトランスコンダクタンスの比率に等しい
請求項1のPLL回路。
【請求項3】
前記VCOは、電圧−電流(V2I)回路を備え、前記V2I回路は、前記レギュレートされた制御電圧を前記電流制御発振器へのサプライ電流に変換する
請求項1のPLL回路。
【請求項4】
前記電流制御発振器は、リングオシレータである
請求項3のPLL回路。
【請求項5】
前記N分周回路の乗算ファクタNは、整数及びフラクショナル数(fractional number)からなるグループから選択される
請求項1のPLL回路。
【請求項6】
前記デカップリングキャパシタは、プログラマブルキャパシタアレイを備え、前記プログラマブルキャパシタアレイのキャパシタンスは、前記プログラマブルキャパシタアレイの複数のキャパシタの少なくとも1つを選択的に接続することによって設定される
請求項1のPLL回路。
【請求項7】
前記サプライレギュレータは、演算増幅器(op−amp)及びPMOSFETを備え、前記op−ampは、ループフィルタからの制御電圧信号に結合された第1の入力と、前記PMOSFETのゲートに結合された出力と、前記PMOSFETのドレインに結合された第2の入力とを有し、前記レギュレートされた制御電圧は、前記PMOSFETのドレインに与えられる
請求項1のPLL回路。
【請求項8】
第1のノードでレギュレートされたサプライ電圧を発生するように構成されたサプライレギュレートされたループと、
前記レギュレートされたサプライ電圧に応答して、第2のノードで制御電流を発生するように構成された電圧−電流ユニットと、
前記制御電流に応答して、出力周波数信号を発生するように構成された電流制御発振器と、
前記出力周波数信号の分周された部分を位相検出器にフィードバックするように構成され、Nの乗算ファクタ(multiplication factor of N)を有するN分周回路(divide-by-N circuit)と、
前記第2のノードとグラウンドとの間に結合され、キャパシタンスがNかけるCUNIT(N times CUNIT)に等しいデカップリングキャパシタであって、CUNITが前記デカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表すデカップリングキャパシタと、
を備えたサプライレギュレートされたフェイズロックループ(PLL)回路。
【請求項9】
前記出力周波数信号の周波数は、前記電流制御発振器の実効キャパシタンスに対する前記電流制御発振器のトランスコンダクタンスの比率に等しい
請求項8のPLL回路。
【請求項10】
前記電流制御発振器は、リングオシレータである
請求項9のPLL回路。
【請求項11】
前記N分周回路の乗算ファクタNは、整数及びフラクショナル数(fractional number)からなるグループから選択される
請求項8のPLL回路。
【請求項12】
前記デカップリングキャパシタは、プログラマブルキャパシタアレイを備え、前記プログラマブルキャパシタアレイのキャパシタンスは、前記プログラマブルキャパシタアレイの複数のキャパシタの少なくとも1つを選択的に接続することによって設定される
請求項8のPLL回路。
【請求項13】
前記プログラマブルキャパシタアレイの複数のキャパシタの少なくとも1つを選択的に接続することは、前記複数のキャパシタの前記少なくとも1つに接続されるスイッチを閉じることによって少なくとも行われる
請求項12のPLL回路。
【請求項14】
前記サプライレギュレートされたループは、PMOSFETのゲートに結合された出力を有する演算増幅器(op−amp)を備え、前記op−ampの第1の入力は、ループフィルタからの電圧制御信号に結合され、前記op−ampの第2の入力及び前記PMOSFETのドレインは、前記第1のノードに結合されている
請求項8のPLL回路。
【請求項15】
PLL内のN分周回路に対する第1の乗算ファクタN1を選択することと、
電圧制御発振器(VCO)に対するデカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N1かけるCUNIT(N1 times CUNIT)に等しくなるように設定することと、
前記PLL内のN分周回路に対する第2の乗算ファクタN2を選択することと、
前記VCOに対する前記デカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N2かけるCUNIT(N2 times CUNIT)に等しくなるように調整することと、
を備え、
UNITは、前記デカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表す
フェイズロックループ(PLL)回路を用いる方法。
【請求項16】
前記デカップリングキャパシタは、プログラマブルキャパシタアレイを備え、前記プログラマブルキャパシタアレイは、レギュレートされた制御電圧ノードとグラウンドとの間に結合された複数のスイッチトキャパシタを備える
請求項15の方法。
【請求項17】
前記設定すること及び調整することは、それぞれ、前記プログラマブルキャパシタアレイ内の第1の複数のスイッチトキャパシタ及び第2の複数のスイッチトキャパシタを選択的に閉じることを備える
請求項15の方法。
【請求項18】
前記第1の乗算ファクタN1及び前記第2の乗算ファクタN2は、それぞれ、整数及びフラクショナル数(fractional number)からなるグループから選択される
請求項15の方法。
【請求項19】
前記VCOは、リングオシレータを備える
請求項15の方法。
【請求項20】
前記第1の乗算ファクタN1を選択すること及び前記設定することは、PLL初期化プロセスで行われ、前記第2の乗算ファクタN2を選択すること及び前記調整することは、PLLリセットプロセスで行われる
請求項15の方法。
【請求項21】
PLL内のN分周回路に対する第1の乗算ファクタN1を選択する手段と、
電圧制御発振器(VCO)に対するデカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N1かけるCUNIT(N1 times CUNIT)に等しくなるように設定する手段と、
前記PLL内のN分周回路に対する第2の乗算ファクタN2を選択する手段と、
前記VCOに対する前記デカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N2かけるCUNIT(N2 times CUNIT)に等しくなるように調整する手段と、
を備え、
UNITは、前記デカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表す
サプライレギュレートされたフェイズロックループ(PLL)回路。
【請求項22】
前記第1の乗算ファクタN1を選択する手段及び前記第2の乗算ファクタN2を選択する手段は、デジタル制御ロジックを備え、前記デジタル制御ロジックは、入力するデジタル制御信号にしたがって予め決められた乗算ファクタ値を設定する
請求項21のPLL回路。
【請求項23】
前記第1の乗算ファクタN1及び前記第2の乗算ファクタN2は、それぞれ、整数及びフラクショナル数(fractional number)からなるグループから選択される
請求項22のPLL回路。
【請求項24】
前記デカップリングキャパシタは、プログラマブルキャパシタアレイを備え、前記プログラマブルキャパシタアレイは、レギュレートされた制御電圧ノードとグラウンドとの間に結合された複数のスイッチトキャパシタを備える
請求項21のPLL回路。
【請求項25】
前記設定及び調整する手段は、デジタルロジックを備え、前記デジタルロジックは、それぞれ、予め決められたスキーム(scheme)にしたがって、前記プログラマブルキャパシタアレイ内の第1の複数のスイッチトキャパシタ及び第2の複数のスイッチトキャパシタを選択的に閉じるように構成されている
請求項24のPLL回路。
【請求項26】
サプライレギュレートされたフェイズロックループ(PLL)回路によって動作するように構成された無線デバイスであって、前記無線デバイスは、
プロセッサと、
前記プロセッサとの電子的通信をとるメモリと、
前記メモリに記憶されたインストラクションと、
を備え、
前記インストラクションは、前記プロセッサによって、
前記サプライレギュレートされたPLL内の第1の周波数帯を選択することと、
前記PLL内のN分周回路に対する第1の乗算ファクタN1を選択することと、
電圧制御発振器(VCO)に対するデカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N1かけるCUNIT(N1 times CUNIT)に等しくなるように設定することと、
を実行され、
UNITは、前記デカップリングキャパシタンスを製造するために選ばれたプロセス技術に対して特徴付けられたユニットキャパシタンスを表す
無線デバイス。
【請求項27】
前記インストラクションは、
前記サプライレギュレートされたPLL内の第2の周波数帯を選択することと、
前記PLL内のN分周回路に対する第2の乗算ファクタN2を選択することと、
前記VCOに対する前記デカップリングキャパシタのキャパシタンスを、N2かけるCUNIT(N2 times CUNIT)に等しくなるように調整することと、
をさらに実行可能である
請求項26の無線デバイス。
【請求項28】
前記サプライレギュレートされたPLL回路は、周波数シンセサイザの一部であるように構成されている
請求項26の無線デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−525105(P2012−525105A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508574(P2012−508574)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/032456
【国際公開番号】WO2010/126845
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】