説明

サプリメント製剤

(a)生物学的に使用可能な銀の形の第1の有効成分、(b)軟骨組織から得られた物質の形の第2の有効成分、及び各種の一般的な補助剤又は添加剤を含有するサプリメント製剤、及びミンク、家禽類及び豚を含む家畜用の健康増進サプリメント製剤の調製における、各種の一般的な補助剤又は添加剤と共に、前記第1の有効成分及び第2の有効成分の使用を開示する。製剤は、ミンクにおけるプラズマ細胞増加症、パピー疾患、ウイルス性腸炎、三日病及び/又は「スティッキーキッド」の予防及び治療に好適であることが証明された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に動物のための予防及び治療用サプリメント製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
競争のため、毛皮動物及び乳牛の飼育の如き現代の家畜の飼育では、しばしば、大きな群れが必要とされる。これは、必然的に、感染性疾患(場合によっては、死を生ずることがあり、重大なケースでは、すべての群れを廃棄処分する必要を生じ、重大な経済的な損失を生ずることがある)の高い危険性を伴う。
【0003】
これらの状況の発生を防止するために、抗生物質が広く使用されているが、長期的に見れば、憂慮すべきことであり、例えば、汎用は、抗生物質耐性病原体の発現を促進する。
【0004】
一般に、現代の家畜の飼育では、合理的かつ効率的な生産法が使用されているが、その使用は、予防及び治療の両方について抗生物質の使用なしでは不可能である。このような状況は、例えば、家禽類及び豚の生産において一般的である。
【0005】
動物の福祉及び病気に関連する苦痛の倫理的アセスメントから、各種の細菌及びウイルスに対する防御として、動物本来の免疫系の有効な強化に基づく主要な健康目標を達成し、これにより、動物の生産からすべての抗生物質を排除できることが強く望まれている。
【0006】
ミンクの飼育では、例えば、プラズマ細胞増加症、パピー疾患(ジステンパーウイルス:キャニン・ジステンパー・ウイルス(canine distemper virus)によって生ずる)、ウイルス性腸炎、三日病及び「スティッキーキッド(乳獣期のミンクにおいて見られ、おそらく、飼料における余りにも高すぎる脂質/タンパク質比によって生ずる下痢状態)」の如き疾患による問題がある。このような疾患は、しばしば、大出血を生じ、抗生物質の使用を増大させる。
【0007】
コロイド状銀の如き生物学的に利用可能な形の銀は、1938年までは、一般的に使用されていた。その後、医薬品工業が、病気を治す分野を独占し、コロイド状銀についての研究は、迅速に作用しかつ経済的により利益の上がる薬剤と争って見送られてきた。
【0008】
生物学的に利用可能な銀の治療及び予防上の使用は、最大の注意を持って、非常に低い用量でのみ実施されなければならない。銀は、生体、特に肝臓に蓄積し、免疫系の弱化を生ずる。特に予防的な使用(銀は規則的な基準で投与される)では、実際、長期的に見て健康状態を損なうことなくプラスの効果を得ることは困難又は実質的に不可能であろう。
【0009】
過去30年では、多くの疾患の治療に、牛及びサメの軟骨組織が使用されている。軟骨組織は、ガン細胞を直接的に殺し、免疫系を活性化させ、ガン細胞が自由に成長するために必要とする新たな血管の形成(血管新生)を阻害する。ヒトにおけるガン治療のために軟骨組織が使用されることに関して、いくつかのテストが知られている、その結果は明白なものではなかった。サメの軟骨組織は粉末として販売されており、カルシウム、リン、アミノ酸及びムコ多糖の優秀な源である。
【0010】
国際公開第WO94/12510号公報には、サメの軟骨組織の固有の栄養学的利益に加えて、サメの軟骨組織による有益な健康効果を生ずるには、2つのファクターも重要であると考えられることが記載されている。1つのファクターは、疾患に抵抗し、戦うために、身体の免疫系を活性化すると考えられるサメの軟骨組織の炭水化物又はムコ多糖含量である。第2の重要なファクターは、タンパク質部分(5種類もの異なる活性タンパク質を含有する)で見られる抗血管新生ファクターである。
【0011】
ヨーロッパ特許公開第1 308 155号公報は、鉄及びサメの軟骨組織に由来するコンドロイチン硫酸のコロイドを含有する注射溶液を開示する。このような注射溶液は、動物の飼育における毎日の予防的な使用には適していない。コロイド状銀の使用は、ヨーロッパ特許公開第1 308 155号には示唆されていない。
【0012】
特許公開第2002-145794号公報(特許願第2001-255278号)は、サメの軟骨組織の如き軟骨組織のエキスと組み合わされた、植物ウィザニア・サムニフェラ・デュナル(Withaia Somnifera Dunal)のエキスを含有する抗関節炎又は抗リウマチ製剤を開示する。
【0013】
健康食品の分野では、五硫化アンチモン(Sb2S5,ゴールデン硫化アンチモン)は、冬の咳及び気管支炎に対して推奨されている。五硫化アンチモンは、ヨウ化スズとの組合せ(例えば、「Broron-adult」又は「Broron-child」として知られている製剤)でも使用される。亜鉛製剤(例えば、イソ吉草酸亜鉛又は金属亜鉛)の使用も、健康食品の分野では推奨されている。
【0014】
健康食品の分野での推奨は、しばしば、非常に少量の当該成分(例えば、毎日のサプリメントとして)に関するものである。しかし、多くの場合、謳われた効能は、必ずしも充分に立証されておらず、健康食品市場の製品に対して、広範囲な疑いを抱いた又は懐疑的な考え方が存在している。懐疑的な考え方が充分に認められるか否かを考慮するまでもなく、これらの物質は、家畜の間における感染性疾患による上記の問題点を解決するために、家畜の飼育業者によって第1に考慮される物質の中には存在しないことは明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
発明者は、生物学的に利用可能な銀を、軟骨組織製剤と組み合わせることによって、銀のプラスの効果を増大させて、その使用を、生体(例えば、肝臓)における銀の意図的でない及び有害な蓄積を回避又は無害レベルに低減できるほど少量のものとすることができるとの知見を得た。
【0016】
さらに、発明者は、非常に少量の追加の特定成分を、前記の銀/軟骨組織の組合せに添加することによって、この組合せの健康増進効果が持続されるとの知見を得た。
【0017】
このようにして、組合せ(好ましくは、それぞれ、ヒトに対する健康増進効果が証明又は推測されるいくつかのサプリメント成分を含む)によって、疾患(高度に感染性の疾患を含む)に対する驚くほど有効な予防効果を持つ製剤が処方されるとの知見を得た。この驚くべき効果は、重大なプラズマ細胞増加症問題を持つ区域にいるミンクにおいて証明されている。家畜の飼育における抗生物質の使用を完全に排除しようとの意思が、短時間のうちに満足されることを示すものであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、(a)生物学的に使用可能な銀の形の第1の有効成分、(b)軟骨組織から得られた物質の形の第2の有効成分、及び各種の一般的な補助剤又は添加剤を含有するサプリメント製剤に関する。
【0019】
サプリメント製剤の重要な効果は、軟骨組織(例えば、サメの軟骨組織)が、生物学的に利用可能な銀による免疫系の促進に対して触媒として働く(これにより、免疫系が、個々の物質の作用をはるかに超えるレベルに増大される)物質を含有するとの事実によるものであると推測される。増強効果は、プラスの効果が、肝臓における銀の蓄積が回避される程度の非常に穏やかな量の銀によって得られるとの特別な利点を有する。
【0020】
さらに、1以上の各種の有効物質、特に、当該家畜の中で問題を生ずる疾患についてのホメオパシーの分野において推奨されるような物質は、有利にサプリメント製剤に添加される。結果として、免疫系に対する効果(動物集団の健康状態の一般的な改善を提供する)に加えて、このような疾患に対する顕著な抵抗性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
このように、サプリメント製剤は、有利には、1以上の追加の有効成分を含有できる。このような追加の有効成分は、五硫化アンチモン、金属スズ及び/又はスズ塩、金属亜鉛及び/又は亜鉛塩、イオウ含有物質及び/又はヨウ素含有物質の中から選ばれる。
【0022】
有用なイオウ含有物質は、カルシウムイオウレバー製剤(「ヘパー・スルフリス(Hepar sulphuris)」として市販されている)である。ヨウ素含有物質の例としては、ヨウ化スズ、ヨウ化カルシウム及びテア(tare)パウダーがある。
【0023】
サプリメント製剤に任意に含有される有用な有効成分は、五硫化アンチモン、金属スズ及び/又はスズ塩、及び金属亜鉛及び/又は亜鉛塩である。スズ塩は、無機性又は有機性のスズ塩、好ましくは、ヨウ化スズの如きスズハロゲン化物である。亜鉛塩は、無機性又は有機性の亜鉛塩であり、好ましくは、例えば、イソ吉草酸亜鉛の如き有機カルボン酸の亜鉛塩である。
【0024】
実際のメカニズムは未だ不明であるが、追加の有効成分は、とりわけ、肝臓における代謝に影響を及ぼして、銀が肝臓に蓄積することをさらに防止するものと考えられる。
【0025】
コロイド状銀は、第1の成分(a)としての使用に適した形の生物学的に利用可能な銀である。第2の成分(b)としての使用に適した軟骨細胞物質は、例えば、軟骨魚類、好ましくは、サメに由来する物質(例えば、乾燥粉末)である。
【0026】
本発明による製剤における有効成分(a)及び(b)の間の割合は、動物の種類及び動物の年齢に依存して、大きく変動する。通常、(a):(b)の質量比は、1:100,000〜1:10である。好適な具体例によれば、軟骨細胞物質の含量(乾燥した物質を基準として算定)は、生物学的に利用可能な銀1質量部当り100〜12,000質量部、好ましくは、200〜6,000質量部、最も好ましくは、300〜3,000質量部である。
【0027】
生物学的に利用可能な銀の含量も、動物の種類及び動物の年齢に応じて、大きく変動する。通常、Agの含量は、製剤1L当り0.1〜100 mgである。好適な具体例によれば、製剤は、製剤1L当り生物学的に利用可能な銀0.5〜50mg、好ましくは、1〜20mg/Lを含有する。
【0028】
本発明は、さらに、家畜用の健康増進サプリメント製剤の調製における、(a)生物学的に使用可能な銀の形の第1の有効成分及び(b)軟骨組織から得られた物質の形の第2の有効成分、及び各種の一般的な補助剤又は添加剤の使用に関する。
【0029】
本発明の適用範囲は、下記の詳細な記載から明らかになるであろう。しかし、詳細な記載及び特殊な実施例は、単に、好適な具体例を説明するために含まれるものであること、及び保護の範囲内の各種変更及び変形は、詳細な記載に基づき、当業者にとっては明白であることが理解されなければならない。
【0030】
本発明による製剤における基本成分として、生物学的に利用可能な銀は、水中にコロイド分散された銀(「コロイド状銀」とも表示する)の形で使用される。ミンクについての予防的使用に関して、銀濃度は約3mg/L(3μg/mlに相当する)である。この濃度において、例えば、体重1.2〜1.8kgの雌ミンク100匹用の飼料中で、日用量約8ml/日が使用される。これは、1日当り、100×1.5kg(体重)について8ml×3μg/ml=24μg Ag、すなわち、0.16μg/kg/日に相当する。
【0031】
製剤の基本成分における銀含量は変動するが、通常、0.5〜50μg/mlから選択される。日用量は、当該動物の種類、動物の年齢、性別及び健康の一般的状態に応じて、通常、1ng〜1μg Ag/kg(体重)/日の範囲で変動する。
【0032】
現在のところ、家禽類用の製剤における銀の濃度は、日用量0.01〜0.2μg Ag/kg(体重)/日、好ましくは、0.09〜0.04μg Ag/kg(体重)/日で使用して、銀5μg/ml以下、好ましくは、2〜3μg/mlであると考えられる。
【0033】
同様に、成長した雌豚については、製剤における銀の濃度は、日用量1ng〜0.01μg、好ましくは、4〜6ng Ag/kg(体重)/日で使用して、10〜25μg/ml、好ましくは、16〜20μg/mlであると考えられる。
【0034】
ミンクについては、製剤における銀の濃度は、日用量0.01〜0.3μg Ag/kg(体重)/日、好ましくは、0.1〜0.4μg Ag/kg(体重)/日で使用して、0.5〜10μg/ml、好ましくは、1〜6μg/mlであると考えられる。
【0035】
現在の慣行によれば、ヒトにおける使用についてのコロイド状銀のしばしば推奨される用量は、生体における銀の蓄積により、憂慮すべきことと判断されるレベルである。ヒトに関しても、生物学的に利用可能な銀及び軟骨組織物質を組み合わせることによって、かなり低くかつ安全な銀用量において健康増進効果が得られることが期待される。このように、本発明によるサプリメント製剤は、ヒトに関しても可能性を有する。
【0036】
軟骨組織に由来する第2の有効成分は、例えば、サメから副生物として得られた乾燥した粉砕粉末の形で、製剤において、0.5〜100g/L(=0.5〜100 mg/ml)、好ましくは、1〜30g/Lの量で使用される。軟骨組織物質の日用量は、代表的には、1μg〜1mg/kg(体重)、好ましくは、3μg〜0.5mg/kgの範囲である。ミンクについては、代表的には、0.2〜0.8mg/Lが使用される。家禽類については、代表的には、0.01〜0.1mg/kgが使用され、一方、成長した雌豚についての日用量は、1μg〜0.01 mg/kgの範囲であると考えられる。しかし、軟骨組織物質の用量は高すぎても、銀用量が高すぎる場合に生ずる重大な結果をもたらすことはないことが注目されなければならない。
【0037】
銀の量に対する割合では、軟骨組織粉末は、好ましくは、0.05〜12.5g/mg(Ag)、さらに好ましくは、0.1〜7.5g/mg(Ag)、最も好ましくは、0.5〜4.0g/mg(Ag)の量で使用される。
【0038】
組合せAg/軟骨組織製剤は、健康増進効果を持つ多数のサプリメントとして有効な物質(特に、ヒトのホメオパシーから公知の物質)のための信頼できる基準を形成する。このような物質は、市場から入手可能であり、下記の実施例では、供給者から得た情報に基づき、これらを同定している。ホメオパシーでは、濃度についての規格(例えば、D6は1:10-6(すなわち、ppmと同じ)を意味する)が使用される。このような規格が質量比(D6=mg/kg)又は質量/容量比(D6=1mg/L)を表示するかは、必ずしも明確ではないし、例えば、金属塩が、金属イオン又は塩分子全体に基づいて算定されるものか必ずしも明確ではない。
【0039】
これらの問題点にもかかわらず、当記載において述べられた説明のための数値は、当業者に、特殊な動物の種類又は特殊な健康に関する問題点を持つ特殊な群れに対して各有効物質を調整する際に利用される有利な量についてのガイドを提供するものである。
【0040】
しかし、多くの可能なサプリメント用添加剤と共に、銀は非常に少量で使用され、製剤1Lについて、有効物質含量D6〜D12(1:10-12)を持つ生成物が、わずか約1mlで使用され、動物100匹用の飼料に、毎日4〜8mlが添加され、個々の動物の処理には、わずか1、2滴が使用される。
実施例
【0041】
コロイド状銀
蒸留水中に懸濁された微細銀粒子を含有するコロイド状分散液を、一般的な電気コロイド法によって調製する。銀3mg/Lを使用することによって、Ag3μg/mlの銀分散液が得られる。
【0042】
パウダルコ(Pau d’arco)茶
この茶は、パウダルコ(すなわち、樹木タベブイア・アベラネダエ(Tabebuia avellanedae)の内皮)から、パウダルコ粉末(デンマーク国,DK-9000,オールボルグのBithe Kvist Andersenから供給された「Pau d’arco Medic」)3gを収容する袋を沸騰水1Lに浸漬し、6〜8分間沸騰状態に放置し、その後、袋を取出すことによって調製される。
【実施例1】
【0043】
この実施例は、サプリメント製剤1Lの調製を開示する。下記の構成成分を使用する:
【0044】
サメ軟骨組織粉末* 7.5g
Broron-adult** 0.9g
Zincum val D6*** 0.4ml
へパースルフリスD6**** 1.0g
銀分散液(3μg) 全量を1Lとする量
注:
*:「Ocean Care」;冷水サメ(スクールシャーク,Galeorhinus galeus)に由来し、Natural Australian Import(デンマーク国,DK-3550,スランゲラプ)から供給されたオーストラリアサメの軟骨組織粉末
**:Borron-adult 0.9gは、乳糖中に五硫化アンチモン及びヨウ素を含む有効物質0.9μgを含有する。Broron-adultは、デンマーク国,DK-8600,シルケボア,Hagemannsvej 25のAllergica Ambaから入手可能である。
***:Zincum val D6は、イソ吉草酸亜鉛の亜鉛製剤であり、有効物質1ppmを含有する(供給者:Allergica Amba)。
****:へパースルフリスD6は、カルシウムイオウレバー製剤であり、有効物質1ppmを含有する;Allergica Ambaから入試可能
【0045】
残りの構成成分は、攪拌の間に、コロイド状銀分散液の大部分に添加される。最後に、銀分散液によって、容量を1Lに調整する。
【実施例2】
【0046】
下記構成成分に基づき、ミンク用のサプリメント製剤を、実施例1における調製と同様にして調製する。
【0047】
パウダルコ茶 15ml
サメ軟骨組織粉末 7.5g
Broron-adult 0.9g
Zincum val D6 0.4ml
へパースルフリスD6 1.0g
Calcium iodine D6* 0.7ml
Stannum met D12** 0.5ml
Juniperus comp.# 0.6ml
クエン酸三カルシウム・1水和物 0.27g
テアパウダー## 0.7g
銀分散液(3μg) 全量を1Lとする量
注:
*:カルシウム-ヨウ素含有製剤は有効物質1ppmを含有する;Allergica Ambaから入試可能
**:有効成分1:10-12を含有するスズ製剤;(供給者:Allergica Amba)
#:アピス(Apis)、セイヨウメギ(Berberis vulgaris)、セイヨウネズ(Juniperus communis)、レビスチカム・オフィシナリス(Levisticum officinalis)(根)、及びArnica(ミツバチ,メギ,ネズの実、ロベージの根及びアルニカ)を基材とする組合せ製剤(Allergica Ambaによって供給される)
##:テアパウダーは、微細に粉砕したテア植物(ラミナリア(Laminaria))である。テアは、天然ヨウ素含量0.5〜1%を持つ深海海草(コンブ)である。
【実施例3】
【0048】
下記構成成分に基づき、家禽類用のサプリメント製剤を、実施例1における調製と同様にして調製する。
【0049】
サメ軟骨組織粉末 7g
Broron-adult 2.4g
Zincum val D6 2.8ml
へパースルフリスD6 3.2g
銀分散液(3μg) 全量を1Lとする量
【0050】
体重2〜3kgの成長した雌鳥については、雌鳥100羽に対して、代表的には1日当り9mlを使用する。
【実施例4】
【0051】
下記構成成分に基づき、成長した雌豚(体重約250 kg)用のサプリメント製剤を、実施例1における調製と同様にして調製する。
【0052】
サメ軟骨組織粉末 12g
Broron-adult 1.3g
Zincum met D10* 1.4ml
へパースルフリスD12** 1.8ml
銀分散液(18μg) 全量を1Lとする量
注:
*:Zincum met D10は、活性亜鉛1:10-10を含有する金属亜鉛製剤である(供給者:Allergica Amba)。
**:有効物質1:10-12を含有する。
【実施例5】
【0053】
下記構成成分に基づき、家畜用の基本サプリメント製剤を、実施例1における調製と同様にして調製する。
【0054】
サメ軟骨組織粉末 0.5〜30g
Broron-adult 0.05〜20g
Zincum val D6 0.1〜10ml
へパースルフリスD6 0.5〜5g
テアパウダー 0.3〜20g
銀分散液(1〜40μg) 全量を1Lとする量
【0055】
必要に応じて、この基本製剤を、追加の有効物質を添加することによって、動物の種類、年齢及び健康状態に適合できる。
【実施例6】
【0056】
下記構成成分に基づき、家畜用の基本サプリメント製剤を、実施例1における調製と同様にして調製する。
【0057】
サメ軟骨組織粉末 0.5〜30g
Broron-adult 0.05〜20g
Zincum val D10 0.5〜5ml
へパースルフリスD12 0.5〜5ml
テアパウダー 0.5〜10g
銀分散液(1〜40μg) 全量を1Lとする量
【0058】
必要に応じて、この基本製剤を、追加の有効物質を添加することによって、動物の種類、年齢及び健康状態に適合できる。
【実施例7】
【0059】
実施例2に従って調製したサプリメント製剤を、雌ミンク300匹及びその子供約1500匹のミンクファームにおいてテストした。4月半ばから、雌ミンクに、飼料へのサプリメントとして、100匹当り製剤8mlの容量で毎日与えた。6月9日からは、雌ミンクに日用量8ml/100匹で与え、一方、子供には、4ml/100匹で与えた。6月29日に、用量を、雌ミンク及び子供の両方について7ml/100匹に変更した。
【0060】
ミンクファームにおいて、健康状態の有意な改善が認められた。子供は、以前よりも重くなり、より活発であるように見られる。この間、子供の死亡率の低下、雌ミンクの落着きが認められ、死亡はわずかに1例であった(これは、異例なことである)。5月11日以降、飼料を食欲のままに与えたが、「スティッキーキッド」は認められなかった。これまでと同様に、数匹の雌ミンクは乳汁の分泌を停止し、すなわち、乳汁の生産が時期尚早に止まった。この問題は未解決のままであるが、おそらく、免疫系と関連するものであろう。
【0061】
子供の成長は特に良好であり、動物は最適に成長すると思われ、動物の肥料も高品質であった。後者は、動物の健康状態の悪化を検知する手段の指標である。
【実施例8】
【0062】
同様のテストを、他の3つのミンクファームについて行った。実施例2に従って調製したサプリメント製剤を、各ファーム当り雌ミンク200〜300匹に、実施例6に示す用量で投与することによって、2003年5月2日にこのテストを開始した。6月10〜15日の期間には、既に、テストを、3つのファームの全ての動物、すなわち、合計雌ミンク約7300匹及び子供37000匹に拡大させていた。2003年7月12日に、3つのミンクファームの管理者は下記の報告をした:
−出産時から当日まで、子供の死亡率が有意に低下した;
−下痢、乳腺炎又は「スティッキーキッド」のケースはなく、抗生物質を使用する必要はなかった;
−出産時から当日まで、繁殖雌ミンクのロスがほとんどない;
−4〜6週齢の子供の間での興奮又は争いなし、耳をしゃぶる行為及び首に噛付く行為は有意に少ない;
−動物は落着いており、ストレスの兆候なし;
−離乳時、体重がかなり増加する;
−離乳後、平穏であり、ストレスがなく、噛付きによる負傷なし;
−飼料の最適な使用により、動物は常に細かな排便がある;
−離乳後、偏りなく良好な食欲を示す;
−通常よりも生育が良好であり、飼料の消費量が低減する。
【実施例9】
【0063】
ミンクファームAでは、プラズマ細胞増加症のために、全ての群れを廃棄しなければならなかった。その後、2003年4月に、ミンクファームBから、交配した雌ミンクを持込んだ。
【0064】
ミンクファームA及びミンクファームBの動物に、毛皮とするまでの全ての期間中、同じ供給者から得た同じ種類の飼料を与えた。ただし、ファームAの動物には、実施例7記載のように、実施例2によるサプリメント製剤を与えた点でのみ相違する。
【0065】
ほとんど全ての雄から得た毛皮の品質を、コペンハーゲン毛皮センター(デンマーク国グロストラップ)において評価し、毛皮を5つの品質に分類し、品質指数を算定した。最良の品質は、「Saga Royal」である。
【0066】
【表1】

【0067】
スカンブラウンの場合において明らかなように、ミンクファームBから得られた毛皮の品質は、コペンハーゲン毛皮センターにミンクの毛皮を供給するデンマーク国の約2250軒のミンク飼育業者の中で、平均の品質(指数100)に相当するものであり、一方、ミンクファームAからの指数112を持つ毛皮はフラクタイル95%以上である。
【0068】
多くの場合、動物の一部を出荷したミンクファームは、ファーム自体の繁殖ストック用に最良の動物を保持するはずである。従って、ミンクファームAからの毛皮の品質が上昇したことは驚くべきことである。
【0069】
本発明の上記記載は、各種の変更が可能であることを表すものである。このような変更は、本発明の精神から逸脱するものと理解されてはならず、当業者にとって明白な全ての変形も、特許請求の範囲の有効範囲に含まれるものと理解されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)生物学的に使用可能な銀の形の第1の有効成分、及び
(b)軟骨組織から得られた物質の形の第2の有効成分、
及び各種の一般的な補助剤又は添加剤を含有することを特徴とする、サプリメント製剤。
【請求項2】
1以上の追加の有効成分を含有する請求項1記載の製剤。
【請求項3】
五硫化アンチモン、金属スズ及び/又はスズ塩、金属亜鉛及び/又は亜鉛塩、イオウ含有物質及び/又はヨウ素含有物質の中から選ばれる1以上の追加の有効成分を含有する請求項2記載の製剤。
【請求項4】
イオウ含有物質として、へパースルフリスを含有する請求項3記載の製剤。
【請求項5】
ヨウ素含有物質として、テアパウダーを含有する請求項3記載の製剤。
【請求項6】
第1の有効成分(a)がコロイド状銀である請求項1記載の製剤。
【請求項7】
第2の有効成分(b)が軟骨魚類、好ましくは、サメに由来するものである請求項1記載の製剤。
【請求項8】
軟骨組織物質の含量が、乾燥した物質を基準として算定して、生物学的に利用可能な銀1質量部当り100〜12,000質量部、好ましくは、200〜6,000質量部、最も好ましくは、300〜3,000質量部である請求項1記載の製剤。
【請求項9】
製剤1L当り生物学的に利用可能な銀0.5〜50mg、好ましくは、1〜20mgを含有する請求項1〜8のいずれかに記載の製剤。
【請求項10】
家畜用の健康増進サプリメント製剤の調製における、(a)生物学的に使用可能な銀の形の第1の有効成分及び(b)軟骨組織から得られた物質の形の第2の有効成分、及び各種の一般的な補助剤又は添加剤の使用。
【請求項11】
ミンクにおけるプラズマ細胞増加症、パピー疾患、ウイルス性腸炎、三日病及び/又は「スティッキーキッド」の予防及び治療用の製剤の調製における、(a)生物学的に使用可能な銀の形の第1の有効成分及び(b)軟骨組織から得られた物質の形の第2の有効成分、及び各種の一般的な補助剤又は添加剤の使用。

【公表番号】特表2007−501006(P2007−501006A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522234(P2006−522234)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000521
【国際公開番号】WO2005/011400
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(506039690)
【Fターム(参考)】