説明

サリチル酸又はサリチル酸誘導体を含有する油中水型乳化組成物

【課題】 サリチル酸又はサリチル酸誘導体を配合した場合でも、少なくとも1ヶ月以上の長期にわたる経時安定性を示し、なおかつ使用感にも優れた油中水型乳化組成物及びそれを用いた化粧料を提供する。
【解決手段】 サリチル酸又はサリチル酸誘導体を0.01〜7質量%、分子量3万以上の高分子ポリエーテル変性シリコーンを0.5〜5質量%、分子量1万以下のポリエーテル変性シリコーンを0.01〜5質量%、シリコーン系油分、及び無機塩及び/又は有機塩を0.01〜5質量%含有する油中水型乳化組成物及びそれを用いた乳化化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油中水型乳化組成物に関する。特に、サリチル酸又はサリチル酸誘導体を安定に配合することができる油中水型乳化組成物及びそれを用いた乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
サリチル酸は、比較的軽度のニキビ治癒に有効な化合物として知られている。また、サリチル酸誘導体は、皮膚に適用することによりメラニン色素の異常沈着を改善・防止する美白効果を発揮することが見出されている(特許文献1)。しかしながら、サリチル酸又は誘導体を油中水型乳化組成物に配合した場合、経時的に乳化粒子の合一を生じて系が不安定になり、結果的に分離してしまうという問題があった。かかる問題を解決するべく親油性乳化剤を増量したりワックスを配合すると、のびが悪く、べたついた使用感を生じるという使用上の問題を生じていた。
【0003】
特許文献2には、水相(内相)にサリチル酸誘導体、塩類及び所定の分子量を有するポリエチレングリコールを配合することにより、経時安定性及び使用感を改善したことが記載されている。しかし、特許文献2で配合されているのはサリチル酸誘導体のみであり、経時安定性が確認されているのも2週間までである。化粧料として使用することに鑑みると、少なくとも1ヶ月程度の経時安定性を有することが必要である。従って、更に長期に渡る経時安定性を確保することが求められている。
【特許文献1】特許第2722309号公報
【特許文献2】特開2005−132807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、本発明における課題は、サリチル酸又はサリチル酸誘導体を配合した場合でも、少なくとも1ヶ月以上の長期にわたる経時安定性を示し、なおかつ使用感にも優れた油中水型乳化組成物及びそれを用いた化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者は、サリチル酸又はサリチル酸誘導体、分子量3万以上の高分子ポリエーテル変性シリコーン、分子量1万以下のポリエーテル変性シリコーン、シリコーン系油分、及び無機塩及び/又は有機塩を配合することにより、長期に渡って安定な油中水型乳化組成物が得られることを見出した。
【0006】
即ち、本発明は、(a)サリチル酸又はサリチル酸誘導体を0.01〜7質量%、
(b)下記一般式(1):
【化1】

[式中、Aは一般式:−CO(CO)(CO)R’(式中、R’は水素原子、アシル基、および炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選択される基であり、aは5〜50の整数であり、bは5〜50の整数である)で示されるポリオキシアルキレン基であり、Rはメチル基またはフェニル基であり、mは50〜1000の整数であり、nは1〜40の整数である]
で示される分子量3万以上の高分子ポリエーテル変性シリコーンの一種または二種以上を0.5〜5質量%、
(c)下記一般式(2):
【化2】

[式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示し、mは平均で1〜150、nは平均で1〜50、aおよびbは平均でそれぞれ0〜35の数、cは1〜5の数を示す。]
で示される分子量1万以下のポリエーテル変性シリコーンの一種または二種以上を0.01〜5質量%、
(d)シリコーン系油分、及び
(e)無機塩および/または有機塩の一種または二種以上を0.01〜5質量%、
含有することを特徴とする油中水型乳化組成物を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の組成物では、油中水型の乳化状態を破壊する傾向を有するサリチル酸(又はその誘導体)を比較的高濃度で含有していても経時的に極めて安定である。それと同時に、本発明の組成物はサリチル酸(又はその誘導体)自体の効果を損なうことなく、高内水相型の乳化物とすることができるので、みずみずしくさっぱりした感触を与え、経時安定性及び使用性に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
上記したように、本発明の油中水型乳化組成物は、サリチル酸又はサリチル酸誘導体(成分(a))を含有している。
サリチル酸は比較的軽度のニキビの治癒に有効であることが知られ、従来から化粧料に配合されている。サリチル酸誘導体は、皮膚におけるメラニン色素の異常沈着を改善・防止する美白効果を発揮することが見出されている(特許文献1)。
【0009】
サリチル酸誘導体としては、特に以下の式(I):
【化3】

[式中、Rはアルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等を示す]で表されるものが好ましく用いられる。特に好ましい例として、3−メトキシサリチル酸、3−エトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、4−エトキシサリチル酸、4−プロポキシサリチル酸、4−イソプロポキシサリチル酸、4−ブトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−プロポキシサリチル酸等が挙げられる。
【0010】
本発明の組成物に配合されるサリチル酸又はその誘導体の量は、一般的には0.01〜7質量%の範囲である。皮膚への刺激性などを考慮すると、サリチル酸を用いる場合には、その配合量は、好ましくは0.01〜1.0質量%、より好ましくは0.1〜0.5質量%とする。サリチル酸誘導体を用いる場合には、その配合量は、0.01〜7質量%、より好ましくは0.01〜5質量%とする。なお、本明細書中の配合量(%)は、特に断らない限り質量%を意味するものとする。
【0011】
本発明の組成物は、下記一般式(1):
【化4】

[式中、Aは一般式:−CO(CO)(CO)R’(式中、R’は水素原子、アシル基、および炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選択される基であり、aは5〜50の整数であり、bは5〜50の整数である)で示されるポリオキシアルキレン基であり、Rはメチル基またはフェニル基であり、mは50〜1000の整数であり、nは1〜40の整数である]
で示される分子量3万以上の高分子ポリエーテル変性シリコーンの一種または二種以上(成分(b))、及び下記一般式(2):
【化5】

[式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示し、mは平均で1〜150、nは平均で1〜50、aおよびbは平均でそれぞれ0〜35の数、cは1〜5の数を示す]
で示される分子量1万以下のポリエーテル変性シリコーンの一種または二種以上(成分(c))を含有している。
【0012】
前記成分(b)である分子量3万以上の高分子量ポリエーテル変性シリコーン(以下「高分子量ポリエーテル変性シリコーン」とする)は、上記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサンであり、例えば特開平5−311076号公報に開示されている乳化剤である。
式(1)におけるR’のアシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、アクリロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基等が示され、炭素数1〜4のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基等が例示される。分子量は3万以上であり、5万以上が好ましい。3万未満であると、シリコーン油以外の非極性油分に対する乳化能が低下するためである。
【0013】
本発明で用いられる高分子量ポリエーテル変性シリコーンの配合量は、一般的には0.5〜5質量%であり、好ましくは0.5〜3質量%、より好ましくは0.5〜2質量%である。0.5質量%より少ないと、乳化剤としての機能が十分発揮されない場合があり、5質量%を越えて配合すると、べたつきが強くなる場合がある。
【0014】
前記成分(c)である分子量1万以下のポリエーテル変性シリコーン(以下、「低分子量ポリエーテル変性シリコーン」とする)は、上記一般式(2)で示されるポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサンであり、例えば、信越化学株式会社製のKF6017が好ましく用いられる。
【0015】
上記式(2)におけるR1の炭素数1〜5のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基等が例示される。分子量が1万を超えると、微細な粒子を調製するための低分子活性剤としての十分な働きができないこともある。
【0016】
本発明で用いられる低分子量ポリエーテル変性シリコーンの配合量は、0.01〜5質量%であり、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.3〜1質量%である。0.01質量%より少ないと乳化能が発現できない場合があり、5質量%を越えて配合しても、それ以上の乳化安定性は得られにくい。
【0017】
また本発明の組成物は、シリコーン系油分(成分(d))を含有する。本発明で使用されるシリコーン系油分としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。シリコーン系油分の配合量は特に限定されないが、好ましくは全油分に占めるシリコーン系油分の割合が10〜100質量%であり、好ましくは50〜100質量%である。10質量%より少ないと、シリコーン油の特徴であるさらさらした使用感が得られにくくなる。
【0018】
さらに本発明の組成物は、無機塩および/または有機塩の一種または二種以上(成分(e))を含有する。本発明では、無機塩と有機塩の何れか一方を配合しても両方を配合してもよいが、均一な乳化粒子を得るためには無機塩を配合するのが好ましい。
無機塩としては、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。好ましい無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化アンモニウム等の塩化物;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウム等の硫化物;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸亜鉛、硝酸アンモニウム等の硝酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸化物;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸化物が挙げられ、中でも、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムが特に好ましい。
【0019】
有機塩としては、アルギン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明で用いられる無機塩及び/又は有機塩の配合量は、0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.1〜2質量%である。0.01質量%未満あるいは5質量%を越える配合量では、乳化物を不安定化する場合がある。
【0020】
本発明の組成物に配合される前記成分(b)〜(e)の組み合わせは、特開2002−201355号公報に記載されている油中水型乳化組成物においても用いられている。当該組成物では、これらを組み合わせて用いることによって、安定な高内水相型の乳化物が得られるとされている。しかしながら、当該組成物にサリチル酸又はその誘導体を配合した例は記載されていない。
【0021】
なお、前記成分(b)〜(d)成分の全配合量と、前記成分(e)の配合量との質量比を、4:1〜20:1、特に4.3:1〜10:1とすることにより、使用性及び安定性を更に向上させることができる。
【0022】
本発明の水中油型乳化組成物には本発明の効果を損なわない範囲で保湿剤を配合することにより保湿効果を高めることができる。
【0023】
本発明で用いられる保湿剤としては、例えば、糖類や多価アルコール類が挙げられ、糖類では、例えば砂糖,ブドウ糖,果糖,ソルビトール,マンニトール,キシリトール,マルチトールが挙げられる。また、多価アルコール類では、例えばグリセリン,ジグリセリン,トリグリセリン,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ポリプロピレングリコール,トリエチレングリコール,テトラエチレングリコール,ポリエチレングリコール,1,2−ブチレングリコール,1,3−ブチレングリコール,1,2−ペンタンジオール,ヘキシレングリコール,エリスリトール,ポリオキシエチレンメチルグルコシド,ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0024】
その他の保湿剤としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、胆汁酸モノ塩、dl−ピロリドンカルボン酸モノ塩、短鎖可溶性コラーゲン、イザヨイバラ抽出液、セイヨウノコギリソウ抽出物などが挙げられる。
【0025】
本発明の組成物は、その効果を損なわない範囲において、化粧料や医薬品の分野で通常使用されている各種成分を更に配合することができる。例えば、ビタミンB群、ビタミンC及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等のビタミン類などの水溶性活性物質、アルギニン、アスパラギン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸などの緩衝剤、EDTAなどのキレート剤、防腐剤などの他、紫外線吸収剤、各種粉末、各種色素の等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲でアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤を配合することも可能である。
【0026】
本発明の油中水型乳化組成物は、例えば化粧品、医薬部外品、医薬品分野において、皮膚化粧料、毛髪化粧料、皮膚外用剤などとして利用される。優れた使用感を有するので乳化化粧料として使用するのが望ましい。
【実施例】
【0027】
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4及び比較例1〜8)
下記の表1及び表2に示した組成の油中水型乳化組成物(クリーム)を調製し、それらの乳化状態、経時安定性、使用性(みずみずしさ、べたつきの無さ)について評価した。
各特性は、以下に示す方法及び基準に従って評価した。評価結果を表1及び表2に併せて示す。
【0028】
・乳化状態:
評価方法:調製直後の各試料を50mLのガラスサンプル管に充填し、目視および顕微鏡観察で乳化状態を確認した。
評価基準: ◎:全く分離しておらず、乳化粒子が均一で安定である。
○:全く分離していないが、乳化粒子の不均一性が見られる。
△:全く分離していないが、乳化粒子に合一が見られる。
×:分離が見られる。
【0029】
・長期安定性:
評価方法:各試料を50mLのガラスサンプル管に充填し、50℃に1ヶ月放置した後で、目視および顕微鏡で乳化状態を確認した。
評価基準: ◎:全く分離しておらず、乳化粒子が均一で安定である。
○:全く分離していないが、乳化粒子の不均一性が見られる。
△:全く分離していないが、乳化粒子に合一が見られる。
×:分離が見られる。
【0030】
・使用性(みずみずしさ、べたつきの無さ):
評価方法:専門パネラー10名により、みずみずしさおよびべたつきの無さについて、肌に塗布することで評価を行なった。
評価基準: ◎:パネラー8名以上が、みずみずしさ・べたつきの無さを感じた。
○:パネラー6名以上8名未満が、みずみずしさ・べたつきの無さを感じた。
△:パネラー3名以上6名未満が、みずみずしさ・べたつきの無さを感じた。
×:パネラー3名未満が、みずみずしさ・べたつきの無さを感じた。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
(処方例1)保湿クリーム
配合成分 配合量(質量%)
油相
デカメチルシクロペンタシロキサン 10
ドデカメチルシクロペンタシロキサン 3
ジメチルポリシロキサン 2
酢酸トコフェロール 0.1
ポリエーテル変性シリコーン(平均分子量5000) 0.5
高分子ポリエーテル変性シリコーン(平均分子量50000) 2
水相
イオン交換水 残余
グリセリン 5
1,3-ブチレングリコール 5
マルチトール 2
ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10EO) 2
サリチル酸 0.3
トリメチルグリシン 0.5
エリスリトール 0.5
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
食塩 1
乳酸 0.1
乳酸ナトリウム 0.05
EDTA 0.1
フェノキシエタノール 0.1
香料 適量
製造方法:上記油相及び水相を各々均一に溶解分散し、ホモジナイザーを用いて、油相に水相を添加して、均一なクリームを得た。
【0034】
(処方例2)保湿クリーム
配合成分 配合量(質量%)
油相
デカメチルシクロペンタシロキサン 8
メチルフェニルシロキサン 7
水添レシチン 0.01
トコフェロール 0.1
レチノール 0.1
ポリエーテル変性シリコーン(平均分子量6000) 0.2
高分子ポリエーテル変性シリコーン(平均分子量40000) 2
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
水相
イオン交換水 残余
グリセリン 10
ジプロピレングリコール 3
トレハロース 2
サリチル酸 0.1
アスコルビン酸グルコシド 2
EDTA 0.01
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.01
グルタミン酸ナトリウム 2
食塩 1
クエン酸ナトリウム 0.01
塩化カルシウム 0.5
塩化マグネシウム 0.5
パラベン 0.1
香料 適量
製造方法:上記油相及び水相を各々均一に溶解分散し、ホモジナイザーを用いて、油相に水相を添加して、均一なクリームを得た。
【0035】
(処方例3)保湿クリーム
配合成分 配合量(質量%)
油相
デカメチルシクロペンタシロキサン 10
カプリリルメチコン 3
ジメチルポリシロキサン 3
酢酸レチノール 0.2
ポリメタクリル酸メチル 0.3
ナイロンパウダー 0.1
ポリエーテル変性シリコーン(平均分子量4000) 0.2
高分子ポリエーテル変性シリコーン(平均分子量65000) 1.5
水相
イオン交換水 残余
グリセリン 8
1,3-ブチレングリコール 5
ソルビトール 3
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジメチルエーテル 1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
キサンタンガム 0.05
4-メトキシサリチル酸カリウム 3
食塩 1
ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.5
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.05
シリカ粉末 0.1
ポリエチレン末 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
酸化鉄 適量
香料 適量
製造方法:上記油相及び水相を各々均一に溶解分散し、ホモジナイザーを用いて、油相に水相を添加して、均一なクリームを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)サリチル酸又はサリチル酸誘導体を0.01〜7質量%、
(b)下記一般式(1):
【化1】

[式中、Aは一般式:−CO(CO)(CO)R’(式中、R’は水素原子、アシル基、および炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選択される基であり、aは5〜50の整数であり、bは5〜50の整数である)で示されるポリオキシアルキレン基であり、Rはメチル基またはフェニル基であり、mは50〜1000の整数であり、nは1〜40の整数である]
で示される分子量3万以上の高分子ポリエーテル変性シリコーンの一種または二種以上を0.5〜5質量%、
(c)下記一般式(2):
【化2】

[式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示し、mは平均で1〜150、nは平均で1〜50、aおよびbは平均でそれぞれ0〜35の数、cは1〜5の数を示す]
で示される分子量1万以下のポリエーテル変性シリコーンの一種または二種以上を0.01〜5%、
(d)シリコーン系油分、及び
(e)無機塩および/または有機塩の一種または二種以上を0.01〜5質量%、含有することを特徴とする油中水型乳化組成物。
【請求項2】
前記(e)が無機塩であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記(a)が下記式(I):
【化3】

[式中、Rはアルキル基である]で表されるサリチル酸誘導体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の組成物を含んでなる乳化化粧料。

【公開番号】特開2009−234993(P2009−234993A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83694(P2008−83694)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】