説明

サリドマイドの医薬組成物および剤形

サリドマイドおよび製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物または包接化合物の医薬組成物および単一用量剤形を記載する。また、本明細書に記載の新規用量剤形を用いて、ハンセン病、慢性移植片対宿主反応疾患、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、炎症症状、炎症性腸疾患、および癌(ただし、これらに限定されるものではない)等の疾患および症状の治療および予防方法も記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2002年11月14日出願の仮特許出願第60/426,016号に対する優先権を主張する。なお、前記出願の全体は参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0002】
1. 本発明の分野
本発明は、一つには、サリドマイドならびにその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物および包接化合物を含んでなる医薬組成物および剤形に関する。
【背景技術】
【0003】
2. 発明の背景
サリドマイドは、THALOMID(登録商標)の商標名で販売されており、化学名称がα-(N-フタルイミド)グルタルイミドまたは2-(2,6-ジオキソ-3-ピペリジニル)-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオンであるラセミ化合物である。サリドマイドは、当初つわりを治療する目的で開発されたものであるが、その催奇形性作用からその使用が中止された。現在米国では、サリドマイドはヒトの癩性結節性紅斑の治療で承認されている。Physicians' Desk Reference(登録商標), 1081-1085 (第55版, 2001)を参照されたい。
【0004】
報告によれば、サリドマイドは、ハンセン病、慢性移植片対宿主病、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、複数の炎症性皮膚病、および炎症性腸疾患等に罹患している患者で用いられている。一般には、Koch, H. P., 22 Prog. Med. Chem. 165-242 (1985)を参照されたい。また、Moller, D. R.ら, 159 J. Immunol. 5157-5161 (1997); Vasiliauskas, E. A.ら, 117 Gastroenterology 1278-1287 (1999);およびEhrenpreis, E. D.ら, 117 Gastroenterology 1271-1277 (1999)も参照されたい。さらに、サリドマイドは、他の薬剤と組み合わせて冠状動脈閉塞および大脳閉塞に随伴する乏血/再灌流を治療することができることが報告されている。米国特許第5,643,915号を参照されたい。
【0005】
さらに最近では、サリドマイドが特定の種類の癌治療で用いられてきている。これらの癌としては、難治性多発性骨髄腫、脳腫瘍、黒色腫、乳癌、結腸癌、中皮腫、および腎細胞癌が挙げられる。例えば、Singhal, S.ら, 341(21) New England J. Med., 1565-1571 (1999);およびMarx, G. M.ら, 18 Proc. Am. Soc. Clin. Oncology, 454a (1999)を参照されたい。さらには、サリドマイドを用いて、ドキソルビシン誘発のラットにおける慢性心筋症の発症を予防することができることも報告されている。Costa, P. T.ら, 92(10:補遺1) Blood, 235b (1998)。特定の癌治療におけるサリドマイドの使用に関する他の報告としては、多形膠芽腫の治療におけるカルボプラチンとの併用が挙げられる。McCann, J., Drug Topics 41-42 (6月21日, 1999)。また報告によると、星状細胞腫の治療中に鎮吐薬としてサリドマイドが使用されている。Zwart, D., 16(12) Arzneim.-Forsch., 1688-1689 (1966)。血管形成の抑制方法は、米国特許第6,235,756 B1号に記載されている。なお、この特許は参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0006】
サリドマイドは患者に経口投与する。現在、サリドマイドは、組成物の全重量の12.5重量パーセントを含有する#0サイズのカプセルシェルで経口投与されている。カプセル充填量は400mgである。このため、サリドマイドは、カプセル1個当たりわずかに50mgしか含まれていない。しかし、癌などの疾患の治療で使用するには、一般に、200mgから800mg用量が必要とされている。従って、患者が治療上有効な量の薬剤を摂取するには、サリドマイドのカプセルを4〜16個摂取しなければならない。特定の疾患および症状の治療にラージサイズの#0カプセルと多量のサリドマイドが必要であることから、患者の服薬遵守は困難となる可能性がある。具体的には、一部の患者では、これらの疾患を有効的に治療するのに必要な頻度で、あるいは多量の用量で、サリドマイドを現在市販されている経口製剤にて摂取することはできない。従って、サリドマイドの新規製薬剤形が必要とされている。
【発明の開示】
【0007】
3. 発明の要約
本発明は、サリドマイドおよびその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物、および包接化合物の新規製薬剤形を包含する。さらに本発明は、本明細書に記載の新規剤形のサリドマイドおよびその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物、および包接化合物を用いて、ハンセン病、慢性移植片対宿主反応疾患、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、炎症症状、炎症性腸疾患、および癌(ただし、これらに限定されるものではない)等の疾患および症状の治療および予防方法も包含する。
【0008】
3.1. 定義
本明細書では、また特段の記載のない限り、化合物を「実質的に含まない」組成物とは、その組成物が、約20重量パーセント未満、さらに好ましくは約10重量パーセント未満、よりさらに好ましくは約5重量パーセント未満、最も好ましくは約3重量パーセント未満の化合物を含むことを意味する。
【0009】
本明細書では、また特段の記載のない限り、「立体異性体的に純粋な」という用語は、化合物の1つの立体異性体を含み、かつその化合物の別の立体異性体を実質的に含んでいない組成物を意味する。例えば、1個のキラル中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物は、その化合物の対称の鏡像異性体を実質的に含まない。2個のキラル中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物は、その化合物の別のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性体的に純粋な化合物は、化合物の1つの立体異性体を約80重量%以上含み、かつその化合物の別の立体異性体を約20重量%未満含んでいる。さらに好ましくは、化合物の1つの立体異性体を約90重量%以上含み、かつその化合物の別の立体異性体を約10重量%未満含んでいる。さらにより好ましくは、化合物の1つの立体異性体を約95重量%以上含み、かつその化合物の別の立体異性体を約5重量%未満含んでいる。また最も好ましくは、化合物の1つの立体異性体を約97重量%以上含み、かつその化合物の別の立体異性体を約3重量%未満含んでいる。
【0010】
本明細書では、また特段の記載のない限り、「鏡像異性体的に純粋な」という用語は、1つのキラル中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成物を意味する。
【0011】
本明細書では、また特段の記載のない限り、本明細書で用いられる「製薬上許容可能な塩」という用語は、これらに限定されるものではないが、サリドマイドの酸性成分または塩基性成分の塩を含む。塩基性成分は、様々な無機酸および有機酸と種々の塩類を形成することができる。かかる塩基性化合物の製薬上許容可能な酸付加塩を調製するのに使用可能な酸は、無毒の酸付加塩(すなわち、薬理学上許容可能なアニオンを含有している塩)を形成するものである。好適な有機酸としては、これらに限定されるものではないが、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、珪皮酸、オレイン酸、タンニン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルコン酸、グルカロン酸、糖酸、イソニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはパモン酸(すなわち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート)が挙げられる。好適な無機酸としては、これらに限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、または硝酸が挙げられる。アミン成分を含む化合物は、上記の酸の他に、様々なアミノ酸と製薬上許容可能な塩を形成することができる。天然の酸性化学成分は、様々な製薬上許容可能なカチオンと塩を形成することができる。かかる塩の例としては、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、または鉄塩を形成するものである。
【0012】
化合物または化学的成分を記載するために本明細書で使用する場合、「誘導体」という用語は、少なくとも1つの結合の飽和度が変化した(例えば、単結合が二重結合または三重結合に変化した)化合物または化学成分であるか、あるいは少なくとも1個の水素原子が異なる原子または化学成分と置換されている化合物または化学成分を意味する。異なる原子および化学成分の例としては、これらに限定されるものではないが、ハロゲン、酸素、窒素、硫黄、ヒドロキシ、メトキシ、アルキル、アミン、アミド、ケトン、およびアルデヒドが挙げられる。
【0013】
本明細書では、また特段の記載のない限り、「プロドラッグ」という用語は、生物学的な条件下で(in vitroまたはin vivoにおいて)、加水分解、酸化または反応し、本化合物を提供することができる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例としては、これらに限定されるものではないが、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カーボネート、生加水分解性ウレイドおよび生加水分解性ホスフェート類似体等の生加水分解性成分を含む、サリドマイドの誘導体が挙げられる。プロドラッグの他の例としては、-NO、-NO2、-ONO、または-ONO2成分を含む、サリドマイドの誘導体が挙げられる。
【0014】
本明細書では、また特段の記載のない限り、「生加水分解性カルバメート」、「生加水分解性カーボネート」、「生加水分解性ウレイド」、「生加水分解性ホスフェート」という用語は、それぞれ、1)化合物の生物活性は阻害せず、in vivoにおいて、その化合物の有利な特性(吸収、作用持続、または作用開始等)を付与することができるか;あるいは、2)生物学的に不活性であるが、in vivoにおいて、生物活性のある化合物に変換される、前記1)または2)のいずれかの化合物のカルバメート、カーボネート、ウレイドまたはホスフェートを意味する。生加水分解性カルバメートの例としては、これらに限定されるものではないが、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式アミンおよび複素環式芳香族アミン、ならびにポリエーテルアミンが挙げられる。
【0015】
本明細書では、また特段の記載のない限り、「生加水分解性エステル」という用語は、1)化合物の生物活性は阻害せず、in vivoにおいて、その化合物の有利な特性(吸収、作用持続、または作用開始等)を付与することができるか;あるいは、2)生物学的に不活性であるが、in vivoにおいて、生物活性のある化合物に変換される、前記1)または2)のいずれかの化合物のエステルを意味する。生加水分解性エステルの例としては、これらに限定されるものではないが、低級アルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステル、およびコリンエステルが挙げられる。
【0016】
本明細書では、また特段の記載のない限り、「生加水分解性アミド」という用語は、1)化合物の生物活性は阻害せず、in vivoにおいて、その化合物の有利な特性(吸収、作用持続、または作用開始等)を付与することができるか;あるいは、2)生物学的に不活性であるが、in vivoにおいて、生物活性のある化合物に変換される、前記1)または2)のいずれかの化合物のアミドを意味する。生加水分解性アミドの例としては、これらに限定されるものではないが、低級アルキルアミド、α-アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、およびアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられる。
【0017】
4. 発明の詳細な説明
本発明は、サリドマイドならびにその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物、および包接化合物の新規製薬剤形を包含する。好ましい剤形は、患者への経口投与に好適である。サリドマイドの好ましい経口製剤は、この薬剤の従来の経口剤形よりも高重量パーセントのサリドマイドを含む。好ましいサリドマイドの経口剤形は、米国の食品医薬品局によって現在承認されている薬剤の経口剤形に生物学的等価性であるか、あるいは現在承認されている剤形よりも優れたバイオアベイラビリティを提供するものである。
【0018】
また本発明は、本発明の医薬組成物および剤形を含むキットも包含する。また本発明は、疾患および症状の治療および予防方法であって、治療および予防が必要な患者に本発明の医薬組成物および剤形を投与することを含む、前記方法も包含する。
【0019】
例えば、本発明は、約1、5、10、15、20、25mg、または30mgを超える有効成分と、賦形剤とを含んでなるヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、前記有効成分がサリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である、前記剤形を包含する。有効成分の量は、有効成分が約1から約5mgである場合、約5から約10重量パーセントであるのが好ましい。
【0020】
本発明の特定の実施形態は、約25mgを超える有効成分と、賦形剤とを含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、前記有効成分がサリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である、前記剤形を包含する。有効成分の量は、有効成分が約25mg以上である場合、約30重量パーゼントから約50重量パーセント、さらに好ましくは約40重量パーセントであるのが好ましい。
【0021】
この実施形態の特定の例は、約50mgの有効成分(ここで、前記有効成分はサリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である)と、約74mgの担体、希釈剤または充填剤(ここで、前記担体、希釈剤または充填剤は、α化コーンスターチまたは微結晶性セルロースまたはケイ酸化微結晶性セルロースまたは第二リン酸カルシウムを含む)と、約1mgのステアリン酸マグネシウムとを含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、単一用量剤形が#0のカプセルサイズである、前記剤形である。
【0022】
別の特定の例は、約40重量パーセントの有効成分(ここで、前記有効成分はサリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である)と、約53重量パーセントのバインダー(ここで、前記バインダーはα化コーンスターチまたは微結晶性セルロースを含む)と、約4重量パーセントの界面活性剤と、約2重量パーセントの崩壊剤と、約1重量パーセントの滑沢剤とを含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、単一用量剤形が錠剤である、前記剤形を包含する。
【0023】
本発明の別の実施形態は、ハンセン病、慢性移植片対宿主反応疾患、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、炎症症状、炎症性腸疾患、または癌の治療または予防方法であって、かかる治療または予防が必要な患者に本発明の単一用量剤形を投与することを含む、前記方法を包含する。好ましい方法では、疾患は癌である。
【0024】
本発明は、ラセミ体で、立体異性体的に純粋なサリドマイド、ならびにその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物および包接化合物の医薬組成物および単一用量剤形を包含する。
【0025】
サリドマイドは市販されているが、当技術分野で周知の方法により調製することもできる。例えば、The Merck Index, p.9182 (第11版;1989)、およびこの文献に記載されている参考文献を参照されたい。
【0026】
4.1. 医薬組成物および剤形
本発明の医薬組成物および剤形は、予防上または治療上有効な量の活性成分(すなわち、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物もしくは包接化合物)と、賦形剤とを含有する。好ましい剤形は経口投与に好適であり、コーティングすることによって胃腸管内における有効成分の分解を低減または回避することができる。
【0027】
また本発明の医薬組成物および剤形は、1種または複数の第2の有効成分を含有していてもよい。第2の有効成分の例としては、これに限定されるものではないが、抗癌剤が挙げられる。抗癌剤の例としては、これらに限定されるものではないが、アシビシン(acivicin);アクラルビシン;塩酸アコダゾール(acodazole hydrochloride);アクロニン(acronine);アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレトアミン(altretamine);アンボマイシン(ambomycin);酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アンスラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(asperlin);アザシチジン;アゼテパ(azetepa);アゾトマイシン(azotomycin);バチマスタット;ベンゾデパ(benzodepa);ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシレート(bisnafide dimesylate);ビゼレシン(bizelesin);硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム(brequinar sodium);ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド(caracemide);カルベチマー(carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン(carubicin hydrochloride);カルゼレシン(carzelesin);セデフィンゴール;クロラムブチル;シロレマイシン(cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート(crisnatol mesylate);シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン(decitabine);デキソルマプラチン;デザグアニン(dezaguanine);デザグアニンメシレート(dezaguanine mesylate);ジアジクォン(diaziquone);ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ズアゾマイシン(duazomycin);エダトレキセート;塩酸エフロミチン(eflomithine hydrochloride);エルサミトルシン(elsamitrucin);エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン(epipropidine);塩酸エピルビシン;エルブロゾール(erbulozole);塩酸エソルビシン(esorubicin hydrochloride);エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン(etoprine);塩酸ファドロゾール;ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン(flurocitabine);ホスキドン(fosquidone);ホスキドンナトリウム(fostriecin sodium);ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;インターロイキンII(組換え型インターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;インターフェロンγ-Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム(lometrexol sodium);ロムスチン;塩酸ロソキサントロン(losoxantrone hydrochloride);マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレザート;メトトレザートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン;ミトジリン(mitogillin);ミトマルシン(mitomalcin);ミトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトーテン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ(pegaspargase);ペリオマイシン(peliomycin);ペンタムスチン(pentamustine);硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド(perfosfamide);ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン(piroxantrone hydrochloride);プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン(prednimustine);塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン(riboprine);ログレトイミド(rogletimide);サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホサートナトリウム(sparfosate sodium);スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル(sulofenur);タリソマイシン(talisomycin);テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン(teloxantrone hydrochloride);テモポルフィン;テニポシド;テルオキシロン(teroxirone);テストラクトン;チアミプリン(thiamiprine);チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン(trestolone acetate);リン酸トリシリビン(triciribine phosphate);トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール(tubulozole hydrochloride);ウラシルマスタード;ウレデパ(uredepa);バプレオチド(vapreotide);ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート(vinglycinate sulfate);硫酸ビンロイロシン(vinleurosine sulfate);酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン(vinrosidine sulfate);硫酸ビンゾリジン(vinzolidine sulfate);ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン(zorubicin hydrochloride)が挙げられる。他の抗癌剤としては、これらに限定されるものではないが、20-epi-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレトアミン(altretamine);アンバムスチン;アミドックス(amidox);アミホスチン(amifostine);アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォリド;血液造成阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス(antarelix);抗背方化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン、前立腺癌;抗エストロゲン;抗腫瘍薬;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシネート;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシスレギュレーター;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン(asulacrine);アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン(axinastatin)1;アキシナスタチン(axinastatin)2;アキシナスタチン(axinastatin)3;アザセトロン;アザトキシン(azatoxin);アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール(balanol);バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン(benzochlorin);ベンゾイルスタウロスポリン(benzoylstaurosporine);βラクタム誘導体;β-アレチン;β-クラマイシン(clamycin)B;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン);ビスアジリジニルスペルミン(bisaziridinylspermine);ビスナフィド;ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン(bizelesin);ブレフラート(breflate);ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチン(calphostin)C;カンプトテシン誘導体;カナリア痘IL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン(carzelesin);カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロルルン(chlorln);クロロキノキサリンスルホンアミド(chloroquinoxaline sulfonamide);シカプロスト;シス型ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシン(collismycin)A;コリスマイシン(collismycin)B;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン(cryptophycin)8;クリプトフィシン(cryptophycin)A誘導体;キュラシンA;シクロペンタアントラキノネス(cyclopentanthraquinones);シクロプラタム(cycloplatam);シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;シトスタチン(cytostatin);ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン(decitabine);デヒドロジデムニン(dehydrodidemnin)B;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デキスラゾキサン;デキスベラパミル(dexverapamil);ジアジクォン(diaziquone);ジデムニンB;ジドキス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール、9-;ジオキサマイシン(dioxamycin);ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;ズオカルマイシン(duocarmycin)SA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル(emitefur);エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン(fazarabine);フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン(flezelastine);フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin hydrochloride);ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリキス(ganirelix);ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム(hepsulfam);ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット(ilomastat);イミダゾアクリドネス(imidazoacridones);イミキモド;免疫促進剤ペプチド;インシュリン様増殖因子-1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール(ipomeanol)、4-;イロプラクト(iroplact);イルソグラジン(irsogladine);イソベンガゾール;イソホモハリコンドリン(isohomohalicondrin)B;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン(lamellarin)-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンティナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン(leuprorelin);レバミソール;リアロゾール;直鎖状ポリアミン類似体;脂溶性二糖類ペプチド;脂溶性白金化合物;リソクリンアミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール(lometrexol);ロニダミン;ロソキサントロン(losoxantrone);ロバスタチン;ロキソリビン(loxoribine);ルルトテカン(lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン(lutetium texaphyrin);リソフィルリン(lysofylline);溶菌性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン(merbarone);メテレリン(meterelin);メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチ二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド(mitonafide);ミトトキシン(mitotoxin)繊維芽細胞増殖因子-サポリン(saporin);ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン;モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール(mopidamol);多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍サプレッサー1系治療;マスタード(mustard)制癌剤;ミカペルオキシド(mycaperoxide) B;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミ
リアポロン(myriaporone);N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ(nagrestip);ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン(napavin);ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド);ニサマイシン(nisamycin);一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン(nitrullyn);O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン(okicenone);オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン(oracin);経口サイトカインインデューサー;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン(oxaunomycin);パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン(palauamine);パルミトイルリゾキシン;プアミドロン酸(pamidronic acid);パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン(parabactin);パゼリプチン(pazelliptine);ペガスパルガーゼ(pegaspargase);ペルデシン;ペントサンポリサルフェートナトリウム(pentosan polysulfate sodium);ペントスタチン;ペントロゾール(pentrozole);ペルフルブロン;ペルホスファミド(perfosfamide);ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;脱リン酸化酵素阻害剤;ピシバニール;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム(piritrexim);プラセチン(placetin)A;プラセチン(placetin)B;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビスアクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインA系免疫変調成分;プロテインキナーゼC阻害剤;プロテインキナーゼC阻害剤、ミクロアルガール(microalgal);タンパク質チロシン脱リン酸化酵素阻害薬;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質転移酵素阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;ジメチル化レテリプチン;レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RII レチンアミド;ログレチミド;ロヒツキン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメックス(roquinimex);ルビギノン(rubiginone) B1;ルボキシル(ruboxyl);サフィンゴール;サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1擬似体;セムスチン;老化誘導阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプト酸ナトリウム(sodium borocaptate);フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール(solverol);ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン(spongistatin)1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド(stipiamide);ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン(sulfinosine);超活性脈管活性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン(tallimustine);タモキシフェンメトヨージド(tamoxifen methiodide);タウロムスチン(tauromustine);タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム(tellurapyrylium);テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド(tetrachlorodecaoxide);テトラゾミン(tetrazomine);タリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン(thiocoraline);トロンボポイエチン;トロンボポイエチン擬似体;チマルファシン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン(tin ethyl etiopurpurin);チラパザミン;チタノセンジクロリド;トプセンチン(topsentin);トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン(triciribine);トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン(tropisetron);ツロステリド(turosteride);チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来増殖抑制因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド(vapreotide);バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子治療;ベラレソール;ベラミン(veramine);ベルジン(verdin);ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン(vitaxin);ボロゾール;ザノテロン(zanoterone);ゼニプラチン;ジラスコルブ;およびジノスタチンスチマラマーが挙げられる。
【0028】
好ましい医薬組成物および剤形は、約25重量パーセントを超える有効成分(すなわち、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物、水和物もしくは包接化合物)を含有する。本発明は、全組成物または剤形の約30重量パーセントから約50重量パーセント、好ましくは約35重量パーセントから約45重量パーセント、最も好ましくは約40重量パーセントの量の有効成分を含有する医薬組成物および剤形を包含する。
【0029】
本発明の医薬組成物および剤形は、全組成物または剤形の約75重量パーセント未満の量で1種または複数の賦形剤を含有するのが好ましい。本発明は、約50重量パーセントから約70重量パーセント、好ましくは約55重量パーセントから約65重量パーセント、さらに好ましくは約60重量パーセントの量で1種または複数の賦形剤を含有する医薬組成物および剤形を包含する。
【0030】
賦形剤としては、担体、希釈剤、充填剤、滑沢剤、および流動促進剤が挙げられる。本発明の一実施形態は、サリドマイドと、担体、希釈剤または充填剤とを含む医薬組成物を包含する。担体、希釈剤または充填剤は、約50重量パーセントから約75重量パーセント、好ましくは約55重量パーセントから約65重量パーセントの量で存在するのが好ましい。好ましい医薬組成物は、さらに、約0.01重量パーセントから約4重量パーセント、好ましくは約0.1重量パーセントから約1重量パーセントの量で滑沢剤または流動促進剤を含む。また別の実施形態では、本組成物は、好ましくは約1重量パーセントから約8重量パーセント、より好ましくは約1重量パーセントから約3重量パーセントの崩壊剤を含む。
【0031】
医薬組成物および剤形での使用に好適な担体、希釈剤および充填剤としては、これらに限定されるものではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、三塩基性硫酸カルシウム、カルシウムカルボキシメチルセルロース、セルロース、セルロース(例えば、微結晶性セルロース、ケイ酸化微結晶性セルロース、および酢酸セルロース)、デキストレート(dextrate)、デキストリン、デキストロース(グルコース)、フルクトース、ラクチトール、ラクトース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マチトール、マルトデキストリン、マルトース、ソルビトール、デンプン(例えばα化デンプン)、ショ糖、糖、およびキシリトールが挙げられる。
【0032】
α化デンプンの一例はSPRESS B-820である。微結晶性セルロースの好適な形態は、これらに限定されるものではないが、AVICEL-PH101、AVICEL-PH-103 AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corporation, American Viscose Division, Avicel Sales, Marcus Hook, PA.から購入可能)、PROSOLV SMCC 90HD (Penwest, Patterson, N.Y.)として販売されている原料、およびこれらの混合物が挙げられる。担体、希釈剤および充填剤もまた予混合で使用することができる。
【0033】
本発明の医薬組成物および剤形で使用可能な滑沢剤は、これらに限定されるものではないが、寒天、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸エチル、エチルラウレート、グリセリン、グリセルパルミトステアレート、水素化植物油(例えば、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ゴマ油、大豆油、およびヒマワリ油)、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ポロキサマー、グリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムステアリル、ソルビトール、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
流動促進剤としては、例えば、合成シリカコロイド状二酸化ケイ素の凝固エアロゾル (coagulated aerosols of synthetic silica colliodal silicon dioxide)、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、発熱性二酸化ケイ素製品 (例えば、CAB-O-SIL、Cabot Co. of Boston, MA.製)、デンプン、およびsyloidシリカゲル(例えば、W.R. Grace Co. of Baltimore, MD.製のAEROSIL 200)、タルク、第三リン酸カルシウム、ならびにこれらの混合物が挙げられる。滑沢剤は、使用の場合、一般には、それらを添加する医薬組成物または剤形の約1重量パーセント未満の量で使用する。
【0035】
崩壊剤は、水溶性環境に暴露された場合に崩壊する錠剤を提供するために本発明の組成物中に用いられる。過剰の崩壊剤を含有している錠剤は保存中に崩壊するかもしれないが、崩壊剤の量が少なすぎる錠剤は、所望の速度で、あるいは所望の条件下で崩壊しない可能性がある。従って、有効成分の放出に悪影響を及ぼすような過剰量または過少量ではない十分な量の崩壊剤を用いて本発明の組成物を形成すべきである。使用する崩壊剤の量は剤形の種類に応じて変えられるが、これは当業者には容易に認識されるであろう。本発明の医薬組成物および剤形で使用可能な崩壊剤としては、これらに限定されるものではないが、寒天、アルギン(例えばアルギン酸)、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、セルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、およびケイ酸化された微結晶性セルロース)、粘土、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ガム、マグネシウムケイ酸アルミニウム、メチルセルロース、ポラクリリン(polacrilin)カリウム、アルギン酸ナトリウム、ナトリウムスターチグリコレート、デンプン(例えば、α化デンプン、ジャガイモデンプンおよびタピオカデンプン)、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
また医薬組成物および剤形は、湿潤剤、乳化剤およびpH緩衝剤を含有することもできる。
【0037】
投与に好適な本発明の医薬組成物は、例えば、カプセル(例えばジェルキャップ)、カプレット、錠剤、トローチ、ロゼンジ、分散物(dispersion)、粉末として、または顆粒剤中に所定量の有効成分を各々含有する坐剤、溶液、懸濁液(水溶性または非水性液体懸濁液、水中油滴型エマルジョン、または油中水滴型エマルジョン等)の個別の剤形として示すことができる。投与の容易性という理由から、錠剤、カプレットおよびカプセルが好ましい経口剤形である。
【0038】
錠剤、カプレットおよびカプセルは、本医薬組成物(すなわち、有効成分と1種または複数の賦形剤)を約50mgから約500mg、さらに好ましくは、本組成物の約125mgから約500mgを含んでいるのが好ましい。本発明の特定の単一用量剤形は、有効成分を50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、750、または1000mg含有する。カプセルは任意のサイズであってよい。標準サイズの例としては、#000、#00、#0、#1、#2、#3、#4、および#5が挙げられる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, page 1658-1659 (Alfonso Gennaro編集, Mack Publishing Company, Easton Pennylvania, 第18版, 1990)を参照されたい。本発明の好ましいカプセルのサイズは#0、#2または#4である。
【0039】
本発明の特定の実施形態は、約125mgの重量であって、そのうち約50mgが有効成分である単一用量剤形を包含する。この実施形態では、サイズ#4のカプセルに本組成物を充填するのが好ましい。別の実施形態では、約250mgを秤量し、そのうち約100mgが有効成分である。この実施形態では、サイズ#2のカプセルに本組成物を充填するのが好ましい。さらに別の単一用量剤形は約500mgを秤量し、かつ約200mgの有効成分を含有する。この実施形態では、サイズ#0のカプセルに本組成物を充填するのが好ましい。
【0040】
本発明が包含するサリドマイドの経口剤形の例を表1に示す:
【表1】

【0041】
また本発明は、水が一部の化合物の分解を促進し得るとの理由から、有効成分を含む無水医薬組成物および無水剤形を包含する。例えば、品質保持または経時的な製剤の安定性等の特性を測定するために、品質保持期限、すなわち、長期保存をシミュレートする手段として水の添加(例えば、5%)が製剤分野で広く認められている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 第2版, Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp. 379-80を参照されたい。事実、水と熱によって分解が促進される。従って、一般に、水分および/または湿度が製剤の製造時、操作時、包装時、保存時、出荷時、および使用時に係り合うことから、製剤時の水の与える影響は非常に重要となり得る。
【0042】
無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように調製、保存されるべきである。従って、無水組成物は、好適な医薬品キットに入れることが可能な、水への暴露を防ぐことが知られている材料を用いて包装するのが好ましい。好適な包装の例としては、これらに限定されるものではないが、空気を通さない密閉箔、プラスチック、単位投与量容器(例えばバイアル)、ブリスターパック、およびストリップパックが挙げられる。
【0043】
この点に関して、本発明は、無水条件または低水分/湿度条件下で有効成分と賦形剤とを混合することにより、有効成分を含む固体医薬用製剤を製造する方法であって、前記成分は水を実質的に含まない、前記方法を包含する。さらに本方法は、低水分条件下で無水固形製剤または非吸湿性固形製剤を包装することを含み得る。かかる条件を用いることによって、水との接触によるリスクは低減され、有効成分の分解は、予防されるか、実質的に低減され得る。
【0044】
さらに本発明は、ラクトース非含有の医薬組成物および剤形を包含する。第一級アミンまたは第二級アミンである有効成分を含む組成物および剤形は、ラクトース非含有であるのが好ましい。本明細書では、「ラクトース非含有の」という用語は、ラクトースの含有量が、もし含まれていたとしても、第一級アミンまたは第二級アミンである有効成分の分解速度を実質的に促進させるのには不十分であることを意味する。
【0045】
本発明のラクトース非含有組成物は、当技術分野で周知であって、USP(XXI)/NF(XVI)(これらは参照により本明細書に組み入れるものとする)に列挙されている賦形剤を含み得る。一般に、ラクトース非含有組成物は、有効成分、バインダー/充填剤、および製薬上適合し、かつ製薬上許容可能な量の滑沢剤を含む。好ましいラクトース非含有剤形は、有効成分、微結晶性セルロース、α化デンプン、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0046】
4.2. 剤形の製造方法
本発明の剤形はいかなる製薬方法によっても調製することができるが、すべての方法は有効成分を賦形剤と組み合わせるステップを含み、前記剤形は1種または複数の必須成分を構成する。一般に、本組成物は、液体賦形剤または微粉固体賦形剤、あるいはその両方と有効成分とを均一に混合し、次いで必要に応じて、その生成物を所望の形状に成形することによって調製する。所望するならば、標準の水性技術または非水性技術により錠剤をコーティングすることができる。
【0047】
本発明の錠剤またはカプレットは、場合により1種または複数の副成分と一緒に圧縮または成型(molding)することにより調製することができる。圧縮錠剤は、場合により上述の賦形剤および/または界面活性または分散剤を混合した、粉末または顆粒等の非流動形態の有効成分を好適な機械で圧縮することによって調製することができる。成型された錠剤は、不活性の液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することにより調製することができる。本発明の剤形のカプセル化は、メチルセルロース、アルギン酸カルシウムまたはゼラチンのカプセルを用いて実施することができる。
【0048】
4.2.1. 篩分け
本発明の医薬組成物の製造方法は、有効成分と1種または複数の賦形剤の篩分けを含むのが好ましい。好ましくは、有効成分を約430ミクロンから約750ミクロンの孔を有する篩を通過させる。さらに好ましくは、有効成分を約600ミクロンから約720ミクロンの孔を有する篩を通過させる。一実施形態では、サリドマイドを約710ミクロンの孔を有する篩を通過させる。使用する賦形剤に応じて篩の孔を変える。例えば、崩壊剤および結合剤は、好ましくは約430ミクロンから約750ミクロン、さらに好ましくは約600ミクロンから約720ミクロン、最も好ましくは約710ミクロンの孔を通過させる。滑沢剤は、好ましくはより小さな孔、例えば、約150ミクロンから約250ミクロンの篩を通過させる。一実施形態では、滑沢剤は約210ミクロンの篩孔を通過させる。
【0049】
4.2.2. 予混合
成分を篩分けした後、賦形剤と有効成分は拡散ミキサー中で混合するのが好ましい。一実施形態では、混合時間は約1分から約50分、好ましくは約5分から約45分である。さらに好ましくは、混合時間は約10分から約40分であり、最も好ましくは、混合時間は約10分から約25分である。別の実施形態では、混合時間は約15分である。
【0050】
2種以上の賦形剤を用いる場合、有効成分と混合する前に、複数の賦形剤を約1分から約20分、好ましくは約5分から約10分、タンブルブレンダー中で混合してもよい。
【0051】
4.2.3. ローラー圧縮
一実施形態では、予混成物は、圧縮機の排出口に取り付けられているハンマーミルを備えたローラー圧縮機を通過させることができる。
【0052】
4.2.4. 最終混合
滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を用いる場合、本方法の最後に滑沢剤を予混合物と混合し、医薬組成物を完成させる。この追加混合は、好ましくは約1分から約10分、さらに好ましくは約3分から約5分である。
【0053】
4.2.5. カプセル化
次いで、カプセル充填機または回転式タブレット成形機等を用いて、所望のサイズのカプセルシェルへ製剤混合物を封入する。
【0054】
4.3. キット
本明細書に記載の医薬組成物または剤形を含む製薬パックまたは製薬キットもまた本発明に包含される。キットの一例は、薬剤または生物学的製剤の製造、使用または販売を取り締まっている政府機関によって規定されている形式の通知(ここで、通知は、製造、使用または販売に関する機関によってヒト投与について承認されたことを表すものである)を含む。
【0055】
4.4. 治療方法および予防方法
本発明は、患者(例えば、ヒトを含む哺乳動物)における種々の疾患および症状を治療および予防する方法を対象とする。かかる疾患および症状の例としては、これらに限定されるものではないが、ハンセン病、慢性移植片対宿主反応疾患、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、炎症症状(例えば、皮膚の炎症)、炎症性腸疾患、および癌が挙げられる。本発明の医薬組成物および剤形を用いて治療可能な癌の例としては、これらに限定されるものではないが、頭部、頚部、眼球、口腔、喉頭、皮下組織、リンパ節、食道、胸部、骨、腸、肺、結腸、直腸、胃、心臓、前立腺、乳房、卵巣、副腎、腎臓、肝臓、膵臓、および脳の原発性癌および転移癌が挙げられる。治療可能な癌の特定の例としては、これらに限定されるものではないが、AIDS関連白血病および成人T細胞白血病リンパ腫;肛門癌;星状細胞腫;胆道癌;膀胱癌(膀胱上皮性腫瘍を含む);脳腫瘍(膠芽腫および髄芽細胞腫を含む);乳癌(乳腺癌を含む);子宮頸癌;絨毛膜癌;結腸癌(結腸直腸癌を含む);子宮内膜癌;食道癌;ユーイング肉腫;胃癌;胎盤絨毛性腫瘍;神経膠腫;ヘアリーセル白血病;頭部および首部癌腫;血液新生物(急性および慢性のリンパ球および骨髄形成白血病を含む);肝細胞癌;カポジ肉腫;腎臓癌;多発性骨髄腫;上皮内新生物(ボーエン病およびパジェット病を含む);肝臓癌;肺癌(小細胞癌を含む);リンパ腫(ホジキン病、リンパ球性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞性リンパ腫、袋果状混合リンパ腫、およびリンパ芽球性リンパ腫を含む);リンパ性白血病;神経芽細胞腫;口腔癌(扁平上皮癌を含む);卵巣癌(上皮細胞、ストロマ細胞、生殖細胞および間葉細胞から発症するものを含む);膵臓癌;前立腺癌;直腸癌;肉腫(軟部組織肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫、繊維肉腫および骨肉腫を含む);皮膚癌(黒色腫、カポジ肉腫、基底細胞癌および扁平上皮癌を含む);睾丸癌(睾丸上皮性腫瘍および胚腫瘍(例えば、半昏睡、非精上皮腫[奇形腫および絨毛膜癌])、ストロマ腫瘍および胚細胞腫瘍を含む);甲状腺癌(甲状腺腺癌および髄様癌を含む);ならびに腎臓癌(腺癌およびウィルムス腫瘍を含む)が挙げられる。「結腸直腸癌」という用語は、結腸、S字結腸および/または直腸の、ならびに結腸、S字結腸および/または直腸周辺の皮膚組織および器官、血液および血管の疾患を意味する。
【0056】
本発明の医薬組成物を用いて治療可能な他の疾患および症状は、D'Amatoの米国特許第5,712,291号および第6,235,756号に記載されている(なお、両特許は参照により本明細書に組み入れるものとする)。
【0057】
また本発明は、化学療法または放射線治療に随伴する副作用を低減または予防する方法であって、かかる治療または予防が必要な患者に十分な量の本発明の医薬組成物または剤形を投与し、化学療法または放射線治療に随伴する副作用を低減するステップを含む、前記方法を包含する。この実施形態は、化学療法または放射線治療の使用に随伴する副作用に対して保護するか、あるいは前記副作用を治療することを目的とした医薬組成物および剤形の使用を含む。これには、化学療法または放射線治療に対する患者の耐性を高めることが含まれる。
【0058】
化学療法および放射線治療に随伴する副作用の例としては、これらに限定されるものではないが、胃腸毒性、例えば、これらに限定されるものではないが早期形成および遅発性形成の下痢および鼓腸;悪心;嘔吐;拒食症;白血球減少症;貧血;好中球減少症;無力症;痙性腹痛;発熱;疼痛;体重の減少;脱水;脱毛症;呼吸困難;不眠症;めまい、粘膜炎、口内乾燥症、および腎不全が挙げられる。
【0059】
患者に投与される実際量の有効成分は、種々の要因、例えば、これらに限定されるものではないが、治療または予防すべき疾患または症状、特定の有効成分、およびその投与方法によって決まり得る。また例えば、用量および/または投与頻度は、年齢、体重、応答、および患者の過去の病歴に応じて変更され得る。好適な投与計画は、例えば、文献中に報告されている用量およびPhysician 's Desk Reference(登録商標)(第55版, 2001)で推奨されている用量に従い、かかる要因を十分に考慮して当業者によって容易に選択され得る。
【0060】
本発明の一実施形態では、有効成分は毎日約50mgから約2000mg、好ましくは約50mgから約1000mg、さらに好ましくは約50mg〜800mgを経口にて投与される。好ましい実施形態では、有効成分の推奨用量は、約200mgから約800mgである。
【実施例】
【0061】
5. 実施例
本発明の実施形態は、以下の実施例を参照することによってより完全に理解することができよう。これらの実施例は、本発明に従って製造される医薬組成物および剤形を例示することを目的とするが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。すべての割合の表示は、別段の定めがない限り重量部である。
【0062】
5.1. 実施例1:サリドマイド200mg用量カプセル
表2に、サイズ#0カプセルを用いた200mgのサリドマイド単回投与単位(すなわち、約40重量パーセント)のバッチ製剤および単回投与製剤を示す。
【表2】

【0063】
α化コーンスターチ(SPRESS B-820)およびサリドマイド成分を710μmの篩に通し、次いで、バッフルインサートを備えた拡散ミキサーに充填し、15分間混合した。ステアリン酸マグネシウムを210μmの篩に通し、拡散ミキサーに加えた。次いで、Dosator型カプセル充填機を用いて、この混合物を1カプセル当たり500mgでサイズ#0のカプセル中に封入した(バッチサイズ8400カプセル)。
【0064】
5.2. 実施例2:サリドマイド100mg用量錠剤
表3に、100mg(すなわち、約40重量パーセント)のサリドマイド単回投与単位錠剤のバッチ製剤および単回投与製剤を示す。
【表3】

【0065】
微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよびサリドマイド成分を#30メッシュの篩(約430μ〜約655μ)に通した。プルロニックF-68(登録商標)(JRH Biosciences, Inc. of Lenexa, KS.製)界面活性剤を#20メッシュの篩(約457μ〜約1041μ)に通した。プルロニックF-68(登録商標)界面活性剤とクロスカルメロースナトリウム0.5kgを16qt.ツインシェル・タンブルブレンダーに充填し、約5分間混合した。次いで、この混合物を3立方フィートのツインシェル・タンブルブレンダーに転送し、ここに微結晶性セルロースを添加し、約5分間混合した。サリドマイドを添加し、さらに25分間混合した。ローラー圧縮機の排出口に取り付けられているハンマーミルを備えたローラー圧縮機にこの予混合物を通し、タンブルブレンダーに戻した。残りのクロスカルメロースナトリウムとステアリン酸マグネシウムをタンブルブレンダーに添加し、約3分間混合した。この最終混合物を回転式錠剤成形機により1錠剤当たり250mgで圧縮した(バッチザイズ200,000錠剤)。
【0066】
5.3. 実施例3:従来のサリドマイド投与単位
表4に、カプセルサイズ#0の大きさの50mgサリドマイド単回投与単位(すなわち、12.5重量パーセント)のバッチ製剤および単回投与製剤を示す。
【表4】

【0067】
微結晶性セルロース、KOLLIDON 90F、ステアリン酸、コロイド状二酸化ケイ素、クロスポビドン、および無水乳糖を個別に秤量し、710μの篩に通した。原料をボウルまたはFielderブレンダーに移した。続いて、粉砕サリドマイドの量を秤量し、篩に通して前記原料に加えた後、無水乳糖を添加した。この混合物が均質になるまで、約2.5分間から約6分間混合した。この混合物をローラー圧縮機(Alexanderwerk Compactor WP 50 N/75)に通して圧縮した。その後、カプセル製造機Zanasi AZ20を用いてこの混合物をカプセル化した(バッチサイズ150,000カプセル)。サイズ#0の硬ゼラチンカプセルにこの混合物を所望の充填量の粉末とサリドマイド50mgになるよう充填した。
【0068】
本発明を特定の実施形態に関して記載したが、特許請求の範囲に定義されている本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく種々の変更および改変を行なうことができるのは当業者に明らかであろう。かかる改変もまた添付の特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約30mgを超える、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である有効成分と、
賦形剤と
を含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形。
【請求項2】
約25mgを超える、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である有効成分と、
賦形剤と
を含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、
単一用量剤形がカプセルである、前記剤形。
【請求項3】
有効成分の量が約30重量パーセントから約50重量パーセントである、請求項1または2に記載の剤形。
【請求項4】
有効成分の量が約40重量パーセントである、請求項3に記載の剤形。
【請求項5】
有効成分が約50mgから約200mgの量で存在する、請求項1または2に記載の剤形。
【請求項6】
カプセルサイズが#0、#1、#2、#3、#4または#5である、請求項2に記載の剤形。
【請求項7】
約200mgの、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である有効成分と、
約297mgの、α化コーンスターチ、微結晶性セルロース、第二リン酸カルシウム、またはその混合物を含む担体、希釈剤または充填剤と、
約2.5mgのステアリン酸マグネシウムと
を含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、
単一用量剤形がカプセルである、前記剤形。
【請求項8】
約40重量パーセントの、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である有効成分と、
約53重量パーセントの、α化コーンスターチまたは微結晶性セルロースを含む、担体、希釈剤または充填剤と、
約4重量パーセントの界面活性剤と、
約2重量パーセントの崩壊剤と、
約1重量パーセントの滑沢剤と
を含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、
単一用量剤形が錠剤である、前記剤形。
【請求項9】
有効成分がサリドマイドである、請求項1、2、7、または8に記載の剤形。
【請求項10】
ハンセン病、慢性移植片対宿主反応疾患、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、炎症症状、炎症性腸疾患、または癌の治療または予防方法であって、かかる治療または予防が必要な患者に請求項1、2、7、または8に記載の単一用量剤形を投与することを含む、前記方法。
【請求項11】
疾患が癌である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
癌が、頭部、頚部、眼球、口腔、喉頭、皮下組織、リンパ節、食道、胸部、骨、腸、肺、結腸、直腸、胃、心臓、前立腺、乳房、卵巣、副腎、腎臓、肝臓、膵臓、および脳の原発性癌または転移癌である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
癌が結腸直腸癌である、請求項12に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約30mgを超える、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である有効成分と、
賦形剤と
を含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形。
【請求項2】
約25mgを超える、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である有効成分と、
賦形剤と
を含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、
単一用量剤形がカプセルである、前記剤形。
【請求項3】
有効成分の量が約30重量パーセントから約50重量パーセントである、請求項1または2に記載の剤形。
【請求項4】
有効成分の量が約40重量パーセントである、請求項3に記載の剤形。
【請求項5】
有効成分が約50mgから約200mgの量で存在する、請求項1または2に記載の剤形。
【請求項6】
カプセルサイズが#0、#1、#2、#3、#4または#5である、請求項2に記載の剤形。
【請求項7】
約200mgの、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である有効成分と、
約297mgの、α化コーンスターチ、微結晶性セルロース、第二リン酸カルシウム、またはその混合物を含む担体、希釈剤または充填剤と、
約2.5mgのステアリン酸マグネシウムと
を含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、
単一用量剤形がカプセルである、前記剤形。
【請求項8】
約40重量パーセントの、サリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物である有効成分と、
約53重量パーセントの、α化コーンスターチまたは微結晶性セルロースを含む、担体、希釈剤または充填剤と、
約4重量パーセントの界面活性剤と、
約2重量パーセントの崩壊剤と、
約1重量パーセントの滑沢剤と
を含んでなる、ヒトへの経口投与に好適な単一用量剤形であって、
単一用量剤形が錠剤である、前記剤形。
【請求項9】
有効成分がサリドマイドである、請求項1、2、7、または8に記載の剤形。
【請求項10】
ハンセン病、慢性移植片対宿主反応疾患、慢性関節リウマチ、サルコイドーシス、炎症症状、炎症性腸疾患、または癌の治療または予防方法であって、かかる治療または予防が必要な患者に請求項1、2、7、または8に記載の単一用量剤形を投与することを含む、前記方法。
【請求項11】
疾患が癌である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
癌が、頭部、頚部、眼球、口腔、喉頭、皮下組織、リンパ節、食道、胸部、骨、腸、肺、結腸、直腸、胃、心臓、前立腺、乳房、卵巣、副腎、腎臓、肝臓、膵臓、および脳の原発性癌または転移癌である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
癌が結腸直腸癌である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
約25mgを超える有効成分と、賦形剤とを含んでなる単一用量剤形であって、
前記有効成分がサリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物であり、
前記有効成分が前記剤形の約30〜約50重量%を構成し、
前記剤形がサイズ#0のカプセルであるか、サイズ#1のカプセルであるか、サイズ#2のカプセルであるか、サイズ#4のカプセルであるか、又はサイズ#5のカプセルである、前記剤形。
【請求項15】
前記有効成分が前記剤形の約40重量%を構成し、前記剤形がサイズ#0のカプセルであるか、サイズ#1のカプセルであるか、サイズ#2のカプセルであるか、又はサイズ#4のカプセルである、請求項14に記載の剤形。
【請求項16】
サイズ#0のカプセルである請求項15に記載の剤形。
【請求項17】
サイズ#1のカプセルである請求項15に記載の剤形。
【請求項18】
サイズ#2のカプセルである請求項15に記載の剤形。
【請求項19】
サイズ#4のカプセルである請求項15に記載の剤形。
【請求項20】
約50mg〜約200mgの有効成分を含有する請求項14に記載の剤形。
【請求項21】
約200mgの有効成分と、1種以上の賦形剤とを含んでなる単一用量剤形であって、
前記有効成分がサリドマイドまたはその製薬上許容可能なプロドラッグ、塩、溶媒和物もしくは包接化合物であり、
前記剤形がサイズ#0のカプセルである、前記剤形。
【請求項22】
前記1種以上の賦形剤がα化デンプン及び/又はステアリン酸マグネシウムを含む請求項21に記載の剤形。
【請求項23】
前記有効成分が前記剤形の約40重量%を構成する請求項21に記載の剤形。
【請求項24】
約50mgのサリドマイドと約74mgの担体を含む、サイズ4のカプセルの形態の単一用量剤形。
【請求項25】
前記担体がα化コーンスターチである請求項24に記載の剤形。
【請求項26】
ステアリン酸マグネシウムを更に含む請求項25に記載の剤形。
【請求項27】
前記ステアリン酸マグネシウムが約1mgの量存在する請求項26に記載の剤形。
【請求項28】
重量が約125mgである請求項27に記載の剤形。
【請求項29】
重量が約250mgであり、約100mgのサリドマイドと担体とを含む、サイズ2のカプセルの形態の単一用量剤形。
【請求項30】
ステアリン酸マグネシウムを更に含む請求項29に記載の剤形。
【請求項31】
約200mgのサリドマイドと約297.5mgの担体を含む、サイズ0のカプセルの形態の単一用量剤形。
【請求項32】
前記担体がα化コーンスターチである請求項31に記載の剤形。
【請求項33】
ステアリン酸マグネシウムを更に含む請求項32に記載の剤形。
【請求項34】
前記ステアリン酸マグネシウムが約2.5mgの量存在する請求項33に記載の剤形。
【請求項35】
重量が約500mgである請求項34に記載の剤形。

【公表番号】特表2006−508983(P2006−508983A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553785(P2004−553785)
【出願日】平成15年11月13日(2003.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2003/036620
【国際公開番号】WO2004/045579
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(591120033)セルジーン・コーポレーション (84)
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
【Fターム(参考)】