説明

サンダル

【課題】足の濡れる恐れを低減させ、濡れた時に水を迅速に排出することが可能なサンダルを提供する。
【解決手段】サンダル10は、インソール30およびクレープソール40を有する。インソール30の第一層31は、複数の垂直排水孔312を有する。第二層32は、左右両側を貫通する複数の水平排水溝322を有する。垂直排水孔312は水平排水溝322と連通し、サンダル10が濡れた時に、第一層31の水は垂直排水孔312を通って水平排水溝322に流れ込み、インソール30の外部に流出することができる。クレープソール40は、前切欠部43、前支持部44、後支持部45および後切欠部46を有する。前支持部44および後支持部45でインソール30を持ち上げ、使用者の足底を地面からより高く離れさせ、足が濡れる恐れを低減させることができる。サンダル10を履くことで、使用者は歩く際の感覚が快適になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンダルに関する。
【背景技術】
【0002】
サンダルはレジャーで履かれることが多いので、消費者がサンダルを購入する際、履き心地は主に考慮される要素である。特に水遊び、温泉、SPAなどの水に関連するレジャーをする時、足が濡れることが多いのでサンダルを履く。しかしながら、サンダルが濡れてしまうと足に不快感を与える。
【0003】
上述した問題を解決するために、従来サンダルの一部は、通気性および排水性のある材質または早く乾く材質を採用する。このようなサンダルを使用しても、濡れたサンダルを乾燥させるまでの間に、足の不快感に耐えなければならない。言い換えれば、上述したサンダルには改善の余地がある。
なお、サンダルは例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−307331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、水を渡る際、足が濡れる恐れを低減させ、歩く際、快適に感じることができるサンダルを提供することである。本発明の他の目的は、濡れた時に水を迅速に排出することによって不快感を改善することができるサンダルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明によるサンダルは、インソールおよびクレープソールを備える。インソールは使用者の足底に接触する。クレープソールは地面に接触するようにインソールの下方に接合され、底部に前切欠部、前支持部および後支持部を有する。前切欠部はクレープソールの先端から後方へ伸びて形成される。前支持部は前切欠部の後方へと連結するようにクレープソールの前半部に位置付けられ、かつ少なくとも二つの突起部を有する。後支持部は前支持部の後方に位置付けられ、かつ少なくとも一つの突起部を有する。クレープソールの前支持部および後支持部によってインソールを持ち上げ、使用者の足底を地面からより高く離れさせることが可能であるため、水を渡る際、足が濡れる可能性を低減させることが可能となる。前支持部の突起部の間に形成された陥没溝によってサンダルの陥没溝に対応する部位が弾性的に湾曲変形し、前切欠部によってサンダルが前に傾くことが可能であるため、インソールは足底の力を受けて弾性的に湾曲変形し、足底に密着し、足底の圧力を確実に解放することが可能となる。使用者は歩く時、足底が前に傾くことによって快適に歩くことが可能となる。従って、本発明によるサンダルを履くことで、使用者は歩く際の感覚が快適になる。
【0007】
さらに、本発明によるサンダルは、インソールに配置された複数の垂直排水孔および複数の水平排水溝を有する。垂直排水孔は水平排水溝へと連通するため、サンダルが濡れた時、水は垂直排水孔から水平排水溝に流入し、そののちインソールの外部に流出することが可能である。従って、サンダルが濡れた時、水を迅速に流出させることによって濡れたサンダルを履いた時の不快感を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態によるサンダルを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるサンダルを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態の変形例によるサンダルのクレープソールを構成した複数のブロックを示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるサンダルを示す側面図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるサンダルを示す側面図である。
【図6】本発明の第3実施形態によるサンダルを示す側面図である。
【図7】本発明の第4実施形態によるサンダルを示す側面図である。
【図8】本発明の第5実施形態によるサンダルを示す底面図である。
【図9】本発明の第6実施形態によるサンダルを示す底面図である。
【図10】本発明の第7実施形態によるサンダルのインソールを示す斜視図である。
【図11】図10中の11−11線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明によるサンダルを図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4に、本発明の第1実施形態によるサンダルを示す。
図1および図2に示すように、本発明の第1実施形態によるサンダル10は、ストラップ20、インソール30およびクレープソール40を備える。
【0010】
図1に示すように、インソール30は、三層の片体を重ねて接着することによって形成される。一番上の第一層31は複数の垂直排水孔312を有し、垂直排水孔312は口径が漸減する漏斗状を呈する。第二層32は第一層31の下方に接合され、左右両側を貫通する複数の水平排水溝322を有する。垂直排水孔312は水平排水溝322へと連通するため、第一層31の水は垂直排水孔312を通って水平排水溝322に流れ込み、インソール30の外部に流出することが可能である。第三層33は、第二層32の下方に接合され、五つの装着孔332を有する。ストラップ20は五つの固定部22が装着孔332内に制限されることによってインソール30に固定される。ストラップ20とインソール30とは、使用者の足を収容し、かつ歩く時に足とサンダル10とを分離させないことができる空間を構成する。
【0011】
クレープソール40は、インソール30の下方に接着される底座41と、底座41の下方に接着される四つの滑り止め42とを有する。また図2に示すように、クレープソール40は底部に前後の順によって配列される前切欠部43、前支持部44、後支持部45および後切欠部46を有する。前切欠部43はクレープソール40の先端から後方へ伸びて形成され、欠け口を呈する。前支持部44は前切欠部43の後方に位置付けられる第一突起部441と、第一突起部441の後方に位置付けられる第二突起部442とを有し、第一突起部441と第二突起部442との間に陥没溝443が形成される。後支持部45は、第一突起部451と、第一突起部451の後方に位置付けられる第二突起部452とを有し、第一突起部451と第二突起部452との間に陥没溝453が形成される。前支持部44の第一突起部441および第二突起部442と、後支持部45の第一突起部451および第二突起部452とは、左右方向、即ち横向きに伸びて形成される。後切欠部46はクレープソール40の末端から後支持部45の第二突起部452まで伸びて形成され、かつ欠け口を呈する。底座41は射出成形方法によって直接形成されるか、或いは予め雛型を製作し、そののち切削、研磨などの加工方法によって前切欠部位43、陥没溝443、陥没溝453および後切欠部位46を形成する。
【0012】
上述したサンダル10のクレープソール40において、前支持部44の第一突起部441および第二突起部442と、後支持部45の第一突起部451および第二突起部452とはそれぞれ底部に滑り止め42を有し、滑り止め42は地面に接触する底面が起伏状を呈するため、滑り止め効果を果たすことが可能である。前支持部44および後支持部45はクレープソール40の前半部および後半部に別々に位置付けられるため、前支持部44の第一突起部441および第二突起部442と、後支持部45の第一突起部451および第二突起部452とはバランスを取りながらサンダル10を持ち上げ、インソール30の使用者の足底に接触する足載せ台34と地面との間に距離を置くことが可能である。従って、サンダル10は水を渡る時に足が濡れる恐れを低減させることが可能となる。
【0013】
図4に示すように、クレープソール40の底部の先端から全長Lの1/3離れる部位は前支持部44の陥没溝443内に据えられ、クレープソール40の底部の末端から全長Lの1/6離れる部位は後支持部45内に据えられる。使用者が足底の長さより大きいサンダル10を履いて立つ時、足底の前半部および後半部の重心はそれぞれ前支持部44の陥没溝443および後支持部45の陥没溝453に垂直である。サンダル10の前支持部44の陥没溝443および後支持部45の陥没溝453に対応する部位は、足底の力を受ける際、前支持部44の陥没溝443および後支持部45の陥没溝453によって湾曲変形し、足底をインソール30により密着させ、圧力を確実に解放することが可能である。
【0014】
前切欠部43の長さL1は全長Lの12%以上18%以下であり、特に15%前後が好ましい。後切欠部46の長さL2は全長Lの6%以上9%以下であり、特に7.5%前後が好ましい。使用者がサンダル10を履いて歩く時、前切欠部43および後切欠部46によって足底を前か後に傾けて快調に歩くことが可能である。
【0015】
上述したとおり、サンダル10は、水を渡る時に足底とそれに接触するインソール30の足載せ台34が濡れる恐れを低減させることが可能なことに限らず、サンダル10が濡れても水を迅速に排出することが可能であるため、濡れたサンダルを履いた時の不快感を改善することが可能となる。サンダル10を履くことで、使用者は歩く際の感覚が快適になる。
(第2実施形態)
【0016】
図5に、本発明の第2実施形態によるサンダルを示す。
図5に示すように、サンダル10のクレープソール40は、前後両端の底部に斜面432および斜面462を別々に形成する。使用者はサンダル10を履くとき、快調に歩くことが可能である。
(第3実施形態)
【0017】
図6に、本発明の第3実施形態によるサンダルを示す。
図6に示すように、サンダル10は、前支持部44、後支持部45を有する。前支持部44は一つの突起部444のみを有することによってバランスを取りながらインソール30を持ち上げる。
(第4実施形態)
【0018】
図7に、本発明の第4実施形態によるサンダルを示す。
図7に示すように、サンダル10は、前支持部44、後支持部45を有する。後支持部45は一つの突起部454のみを有することによってバランスを取りながらインソール30を持ち上げる。
(第5実施形態)
【0019】
図8に、本発明の第5実施形態によるサンダルを示す。
図8に示すように、サンダル10は、前支持部44、後支持部45を有する。前支持部44の第一突起部441および第二突起部442と、後支持部45の第一突起部451および第二突起部452とは波状を呈し、第1実施形態と同じ効果を達成することも可能である。
(第6実施形態)
【0020】
図9に、本発明の第6実施形態によるサンダルを示す。
図9に示すように、サンダル10は、前支持部44、後支持部45を有する。前支持部44は間隔を置いて環状に配列された複数の突起部446を有し、後支持部45は間隔を置いて環状に配列された複数の突起部456を有する。これにより、前支持部44および後支持部45は足底を持ち上げ、足底の圧力を解放することが可能である。
(第7実施形態)
【0021】
図10および図11に、本発明の第7実施形態によるサンダルを示す。
図10および図11に示すように、インソール30は片状の上層部35および下層部36を重ねて接着することによって構成される。上層部35は複数の垂直排水孔352および複数の水平排水溝354を有する。水平排水溝354はインソール30の左右両側を貫通する。垂直排水孔352は水平排水溝354へと連通する。下層部36はストラップ20の固定部22の固定に用いる五つの装着孔(図中未表示)を有する。
【0022】
第2〜第7実施形態の使用及び特徴は第1実施形態と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0023】
本発明において、ストラップは第1実施形態の記載に限らず、本実施形態に記載した機能を達成可能な任意の形にしてもよい。
第1実施形態では、底座41は、射出成形方法によって直接形成されるか、または予め雛型を形成し、そののち切削、研磨などの加工方法によって前切欠部、陥没溝、および後切欠部を形成することとしたが、図3(変形例)に示すように、この底座は、厚さが異なる複数のブロックから構成されることにしてもよい。
【0024】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0025】
10・・・サンダル、
20・・・ストラップ、
22・・・固定部、
30・・・インソール、
31・・・第一層、
312・・・垂直排水孔、
32・・・第二層、
322・・・水平排水溝、
33・・・第三層、
332・・・装着孔、
34・・・足載せ台、
35・・・上層部、
352・・・垂直排水孔、
354・・・水平排水溝、
36・・・下層部、
40・・・クレープソール、
41・・・底座、
412・・・ブロック、
42・・・滑り止め、
43・・・前切欠部、
432・・・斜面、
44・・・前支持部、
441・・・第一突起部、
442・・・第二突起部、
443・・・陥没溝、
444・・・突起部、
446・・・突起部、
45・・・後支持部、
451・・・第一突起部、
452・・・第二突起部、
453・・・陥没溝、
454・・・突起部、
456・・・突起部、
46・・・後切欠部、
462・・・斜面、
L・・・全長、
L1・・・前切欠部の長さ、
L2・・・後切欠部の長さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足底に接触するインソールと、
地面に接触するように前記インソールの下方に接合され、底部に前切欠部、前支持部および後支持部を有するクレープソールと、を備え、
前記前切欠部は、前記クレープソールの先端から後方へ伸びて形成され、
前記前支持部は、前記前切欠部の後方へと連結するように前記クレープソールの前半部に位置付けられ、かつ少なくとも二つの突起部および前記二つの突起部の間に形成された陥没溝を有し、
前記後支持部は、前記前支持部の後方に位置付けられ、かつ少なくとも一つの突起部を有することを特徴とするサンダル。
【請求項2】
前記クレープソールの前記後支持部は、二つの突起部および前記二つの突起部の間に形成された陥没溝を有することを特徴とする請求項1に記載のサンダル。
【請求項3】
使用者の足底に接触するインソールと、
地面に接触するように前記インソールの下方に接合され、底部に前切欠部、前支持部および後支持部を有するクレープソールと、を備え、
前記前切欠部は、前記クレープソールの先端から後方へ伸びて形成され、
前記前支持部は、前記前切欠部の後方に位置付けられ、かつ少なくとも一つの突起部を有し、
前記後支持部は、前記前支持部の後方かつ前記クレープソールの後半部に位置付けられ、かつ少なくとも二つの突起部および前記二つの突起部の間に形成された陥没溝を有することを特徴とするサンダル。
【請求項4】
前記前支持部の突起部および前記後支持部の突起部は、左右方向に沿って横向きに伸びて形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項5】
前記前支持部の突起部および前記後支持部の突起部は、波状を呈することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項6】
前記クレープソールの底部の先端から全長の1/3離れる部位は、前記前支持部の陥没溝内に据えられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサンダル。
【請求項7】
前記クレープソールの底部の末端から全長の1/6離れる部位は、前記後支持部内に据えられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項8】
前記前支持部の突起部および前記後支持部の突起部は、底面が起伏状を呈することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項9】
前記クレープソールは、底部にさらに後切欠部を有し、前記後切欠部は前記クレープソールの末端から前方へ伸びて形成され、かつ前記後支持部の後方に位置付けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項10】
前記クレープソールは、前後両端の底部に斜面を別々に有することを特徴とする請求項9に記載のサンダル。
【請求項11】
前記クレープソールの前記後切欠部の長さは、全長の6%以上9%以下であることを特徴とする請求項9に記載のサンダル。
【請求項12】
前記クレープソールの前記前切欠部の長さは、全長の12%以上18%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項13】
前記前支持部は、間隔を置いて環状に配列された複数の突起部を有し、前記後支持部は、間隔を置いて環状に配列された複数の突起部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項14】
前記クレープソールは、複数のブロックを組み合わせて構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項15】
前記インソールは、複数の垂直排水孔および複数の水平排水溝を有し、前記垂直排水孔は前記水平排水溝へと連通することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。
【請求項16】
前記クレープソールは、底座を有し、前記底座は射出成形法によって直接形成されるか、または予め製作した雛型に切削または研磨を行うことによって形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサンダル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−24183(P2012−24183A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163730(P2010−163730)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【出願人】(502087840)
【Fターム(参考)】