説明

サンドイッチパネル

【課題】Cuを添加して強度向上を図りつつも耐食性を向上させたアルミニウム板材を面材とし、軽量で歪が少なく且つ強度と耐食性に優れたろう付けサンドイッチパネルを提供する。
【解決手段】上下に対向して配置された二枚のアルミニウム合金製の面材と当該二枚の面材の間に配置されたアルミニウム製またはアルミニウム合金製のコア材とからなるサンドイッチパネルであって、前記各面材と前記コア材とがろう付け接合によって互いに接合されており、前記各面材として、Si:0.4〜1.2質量%、Fe:1.0質量%以下、Mn:1.0〜2.0質量%、Cu:0.2〜1.0質量%を含み、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成と、ろう付け後に1μm以下の析出物を3×106個/mm2以上有するとともに60MPa以上の耐力を呈するアルミニウム合金板が組み込まれたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の表面板間にコア材を介在させ、これら表面板とコア材、及びコア材同士をろう付にて接合してなるサンドイッチパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、屋根材や外壁材等の建材に用いられるパネル材として、上下一対の表面板と、これら表面板間に配置された多数のコア材とからなる、いわゆるサンドイッチパネルが知られている。このサンドイッチパネルは高剛性で、しかも軽量であるという特性を有している。
そして、サンドイッチパネルにおける面材とコア材の接合には、接着剤によるものとろう付けによるものがあるが、屋外で使用されるサンドイッチパネルについては耐候性の観点からろう付け接合によるものが多用されている。
【0003】
このろう付けによるサンドイッチパネル、即ちろう付けサンドイッチパネルの製造方法として、本発明者らは、特許文献1の技術を提案した。
一般的、Al合金中にCuを添加すると、機械的な強度は上昇するものの耐食性が低下することになる。そこで、特許文献1の技術は、耐食性低下の原因となるCuの添加量を低減させるとともに強度を向上させたアルミニウム板材を面材とし、軽量で歪が少なく且つ強度と耐食性に優れたろう付けサンドイッチパネルを提供しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−120216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この特許文献1に開示された方法では、軽量で歪が少なく且つ強度と耐食性に優れたろう付けサンドイッチパネルを製造することが可能である。
しかし、積雪等により構造体自体に積荷重が発生する地域にサンドイッチパネルを設置する場合には、特許文献1で製造されるサンドイッチパネルでもなお強度不足であり、強度向上のためにはCu添加量をさらに増やすことが必要とある。
【0006】
ところが、Cuを添加させると、ろう付工程でAl‐Cu系化合物が粒界に析出して粒界近傍にCu欠乏層を形成してしまう。このCu欠乏層と粒界の電位差により、粒界が選択的に腐食されてしまう粒界腐食の問題が生じる。前記した通り、耐食性が低下することになる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、Cuを添加して強度向上を図りつつも耐食性を向上させたアルミニウム板材を面材とし、軽量で歪が少なく且つ強度と耐食性に優れたろう付けサンドイッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のサンドイッチパネルは、その目的を達成するため、上下に対向して配置された二枚のアルミニウム合金製の面材と当該二枚の面材の間に配置されたアルミニウム製またはアルミニウム合金製のコア材とからなるサンドイッチパネルであって、前記各面材と前記コア材とがろう付け接合によって互いに接合されており、前記各面材は、Si:0.4〜1.2質量%、Fe:1.0質量%以下、Mn:1.0〜2.0質量%、Cu:0.2〜1.0質量%を含み、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成と、ろう付け後に1μm以下の析出物を3×106個/mm2以上有するとともに60MPa以上の耐力を呈するアルミニウム合金板から構成されていることを特徴とする。
【0008】
前記各面材としては、前記組成からなる溶湯を10℃/sec以上、好ましくは30℃/sec以上の冷却速度で鋳造されたスラブを冷延することによって得られたものであり、かつ前記各面材を前記コア材とろう付け後、200℃/h以上の速度で冷却したサンドイッチパネルであることが好ましい。
上記の冷却速度で鋳造され、その後冷延された面材としては、スラブの生産性や品質を考慮すると、エンドレスベルトを備え上下に対峙する一対の回転ベルト部と、当該一対の回転ベルト部の間に形成されるキャビティーと、前記回転ベルト部の内部に設けられた冷却手段とを備え、前記キャビティー内に金属溶湯が供給されて連続的にスラブを鋳造する双ベルト式鋳造機によって製造された薄スラブを冷延することによって得られたものが好ましい。
また、前記ろう付け接合は、Cu:27〜37質量%、Si:5〜10質量%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるろう材によってなされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明により提供されるサンドイッチパネルは、面材としてCu含有量を0.2〜1.0%とするとともに、Mn含有量を1.0質量%以上、およびSi含有量を0.4質量%以上としたアルミニウム合金板を用いている。さらにろう付け後に1μm以下の析出物が3×106個/mm2以上になるように組織調整を行っている。このため、優れた機械的強度を有しているばかりでなく、ろう付け後にあっても耐食性を低下させることがない。
【0010】
また、本発明により提供されるサンドイッチパネルであって、面材として双ベルト式鋳造機によって連続的に鋳造された板材を用いたものは、鋳造時に多く固溶したCu,MnおよびSiがろう付け工程で高密度かつ微細に析出することにより高強度化が図られている。
さらに、AlとSiおよびCuからなる融点の低い三元共晶合金による低温ろう付けを行うことで、薄肉の面材を用いてもろう付け時の加熱による面材の軟化、変形が起こることなく、歪みのない表面外観の優れたパネルが生産性よく製造できる。したがって、品質の優れたサンドイッチパネルが低コストで提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ろう付け後の冷却速度の違いによる粒界腐食状況の違いを示す図
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明者等は、軽量で歪が少なく且つ強度と耐食性に優れたろう付けサンドイッチパネルを得る手段について、鋭意検討を重ねてきた。その一つが前記特許文献1で提案したものであるが、当該技術においては耐食性向上のためにCuの含有量を少なくしている。このため、耐食性に関しては所期の目的を達成できているものの、機械的強度の点では物足りない。
そこで、Cuの含有量を増やしても耐食性を劣化させないCuの存在形態を探索し、本発明に到ったものである。
【0013】
すなわち、鋳造にて強制固溶させた比較的に多い量のCuをろう付工程まで固溶状態で維持し、ろう付後の冷却速度を調整して析出物密度を適正に制御することで、比較的に多い量のCuを添加しても粒界腐食感受性に影響を与えないことを確認したものである。
所定の冷却速度以下では、析出物密度が従来DC法と同等まで低下し、析出物が粒界近傍に成長するため、粒界腐食を悪化させる。さらに、結晶粒成長により所定の耐力を得ることができない。よって、ろう付後の冷却速度は、析出物を適正に制御できるように、かつ、操業可能な範囲で速くしたのである。
以下、その詳細を説明する。
【0014】
まず、用いるアルミニウム合金の成分組成について説明する。
Si:0.4〜1.2質量%
Siは鋳造時に過飽和に固溶し、同じく過飽和に固溶したFe、Mnとともにろう付工程で微細なAl−(Fe・Mn)−Si系の金属間化合物として析出し、強度を向上させる作用を呈する。この作用を発現させるには少なくとも0.4質量%の含有を必要とする。しかし、多量に含ませると固相線温度を低下させ、ろう付け時における面材の軟化・変形の原因となるので、その含有量は1.2質量%以下とした。
【0015】
Fe:1.0質量%以下
Feも、Mn,Siの共存下で、ろう付工程で微細なAl‐(Fe・Mn)‐Si系の金属間化合物を析出させ、強度を向上させる作用を呈する。しかし、多量に含ませると鋳造時に晶出する金属間化合物が粗大化し、鋳造性および圧延性を低下させることになるので、その含有量は1.0質量%以下とした。
【0016】
Mn:1.0〜2.0質量%
Mnも、Si、Feの共存下で、ろう付工程で微細なAl‐(Fe・Mn)‐Si系の金属間化合物を析出させ、強度を向上させる作用を呈する。Mn含有量が1.0質量%に満たないと所望の強度は得られない。逆に2.0質量%を超えるほどに多量に含ませると晶出する金属間化合物が粗大化し、鋳造性および圧延性を低下させることになる。
【0017】
Cu:0.20〜1.0質量%
Cuはマトリックス中に固溶して強度を向上させる作用を呈する。所望の強度を得るには0.2質量%以上の含有を必要とする。しかし多量に含ませると固相線温度を低下させ、ろう付時における面材の軟化・変形の原因となるので、その含有量は1.0質量%を上限とする。
【0018】
その他、スラブの結晶組織を微細化するためにTiあるいはTi+Bを微量含有させてもよい。ただし、それら結晶粒微細化剤の含有量が多すぎると鋳造時にTiAl3等の粗大な金属間化合物を生成して成形性を低下させる場合がある。したがって、それらを含有させる場合、Tiは0.10質量%、Bは0.01質量%を上限とする。
他に、アルミニウム地金や返り材、あるいはフラックスなどから、Zn,Mg,Ni,Ca,Vなどが混入することがあるが、これらはいずれも不可避的不純物である。極力低減することが好ましい。
【0019】
次に、本発明サンドイッチパネルに用いた面材の機械的特性について説明する。
従来、サンドイッチパネルの面材として、低温ろう付け用面材として使われる場合が多い、比較的に強度の高い3N33合金が用いられることがある。この3N33合金のろう付け後の耐力が約55MPaである。しかし、この3N33材はCuを比較的に多く含む材料であるため耐食性に難点がある。また昨近のサンドイッチパネルには、ろう付け後に60MPa以上の耐力を有し、かつ耐食性に優れた材料の使用が要望されている。
【0020】
この耐力60MPa以上は、比較的に多い量のCuを含有させた合金溶湯を10℃/sec以上、好ましくは30℃/sec以上の冷却速度で鋳造されたスラブ、好ましくは双ベルト式連続鋳造機による鋳造を連続して行って得た薄スラブを素材とし、均質化処理を施すことなく直接冷延を施して得た薄板を低温ろう付け温度に加熱し、その後に200℃/h以上の冷却速度で冷却し、1μm以下の析出物を3×106個/mm以上分散させた組織とすることによって発現される。必要に応じて、冷延の途中または最後に焼鈍を行っても効果を損なうことはない。
【0021】
すなわち、Cu含有量が0.20〜1.0質量%、Mn含有量が1.0〜2.0質量%、およびSi含有量が0.4〜1.2質量%であるアルミニウム合金溶湯を10℃/sec以上、好ましくは30℃/sec以上の冷却速度で鋳造するとき、凝固・冷却速度が速いためCu,MnおよびSiは強制的に固溶される。得られたスラブに均質化処理を施すことなく冷延を施すと、Cu,MnおよびSiが強制固溶されたままの冷延材となる。強制固溶されたCuは、ろう付け温度に加熱・冷却されたときにAl‐(Fe・Mn)‐Si系の金属間化合物とともにマトリックス中に均一微細に析出する。この微細な析出物を3×106個/mm以上の密度で分散させた組織とすることにより、通常のDC鋳造スラブを素材とした冷延材を用いたよりも強度の高い面材となり、60MPa以上の耐力を発現する。またマトリックス中に析出させることにより、粒界析出を抑制しすることができ、その結果として粒界腐食の発生・進行を抑えることができる。
【0022】
所定の成分組成を有するアルミニウム合金溶湯を鋳造する際の冷却速度が10℃/secに満たない程に遅いと、Cu,MnおよびSiの固溶量が少なく、ろう付け時に所望の析出強化作用が発現しない。30℃/sec以上の冷却速度で鋳造すると、ろう付け時に十分析出強化している。また、ろう付け後の冷却速度が200℃/hに満たないほどに遅い冷却速度では、析出物密度が従来DC法と同等まで低下し、析出物が粒界近傍に成長するため、粒界腐食を悪化させる。さらに、結晶粒成長により所定の耐力を得ることができない。
なお、双ベルト式連続鋳造機により製造された薄スラブを直接冷延した冷延材は、その必要に応じて最終焼鈍が施されている。
焼鈍の態様としては、連続焼鈍炉もしくはバッチ焼鈍炉を用い、温度・時間はいずれも適宜設定して良い。
【0023】
続いて、低融点ろう材を用いて低温ろう付けする態様を説明する。
低温ろう材としては、Cu:27〜37質量%、Si:5〜10質量%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるものを用いる。このような成分組成のろう材を用いることにより、ろう付け温度を540〜560℃に下げることができる。
低温ろう材としては、溶湯を真空中又は不活性ガス中で噴霧して急冷することにより得られた10〜100μmの平均粒径を有する粉末状アルミニウム合金ろう材を用いることが好ましい。さらに、固形分として11質量%以上のCsFを含むフッ化物系フラックスを併用することが好ましい。
【0024】
現実的なろう付け態様としては、面板、及び必要に応じてコア材のろう付け面に粉末状アルミニウム合金ろう材とCsF含有フッ化物系フラックス含む混合スラリーを塗布した後、混合スラリーを塗布した二枚の面板のろう付け面間にコア材をその側面が互いに接触するように配置した状態で、面板及びコア材を不活性ガス中で加熱して両者をろう付けすることが好ましい。
ろう付け後は、前記した通り、200℃/h以上の冷却速度で冷却する必要がある。
低温ろう付けにより、ろう付け時に接合する各部材が変形したり強度が低下したりすることがなく、表面外観に優れたサンドイッチパネルが得られる。また低温ろう付けが可能となることにより、生産速度を早くすることができ、結果的に低コストでサンドイッチパネルを製造することができる。
【実施例】
【0025】
試験体の調製
表1に示す2種類のアルミニウム合金について、ろう付け後の冷却速度を変えて試験体を作製した。
なお、用いたアルミニウム合金板材は、溶解炉で溶製した合金溶湯を、セラミックスフィルターを通してろ過し、エンドレスベルトを備え上下に対峙する一対の回転ベルト部と、当該一対の回転ベルト部の間に形成されるキャビティーと、前記回転ベルト部の内部に設けられた冷却手段とを備え、前記キャビティー内に金属溶湯が供給されて連続的にスラブを鋳造する双ベルト式鋳造機で10mmの厚さのスラブを製造してコイルに巻き取った。得られた薄スラブはその後、均質化処理、中間焼鈍を施すことなく最終板厚1.5mmまで冷延した。さらにバッチ式焼鈍炉で330℃×3時間の焼鈍を施してH24調質材としたものである。
【0026】
これらの冷延焼鈍材を上下の面材とし、0.5mm厚の3003合金板を素材とした直径25mm、高さ37.0mmの円筒体をコア材としてサンドイッチパネルを試作した。
なお、ろう材としてCu:30.9質量%及びSi:9.3質量%を含有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金であって、平均粒径が40μmの球状を呈するものを用い、フラックスとしてフッ化セシウム(CsF)を16質量%含有したKF−AlF3系の錯体からなるフッ化物系フラックスを固形分30%含む水溶液を用い、それぞれ、100g/m2、130g/m2の付着量で塗布した。そして、550℃の温度でろう付けし、その後、表1に併せて示す冷却速度で冷却した。冷却速度は、冷却用ファンの数及び試験体からの距離を変えることで制御した。
【0027】

【0028】
耐食性の評価
得られた四種のサンドイッチパネルの面材から、それぞれ70mm×150mmの試験体を切り出し、切断面をシールして粒界腐食感受性試験を行った。
なお、粒界腐食感受性の評価は、酢酸酸性食塩水交互浸漬試験(5%NaCl+酢酸6ml/l、35℃、10分浸漬→50分乾燥、168サイクル)を行った後の面材断面を光学顕微鏡で観察して行った。観察結果を表2及び図1に示す。
比較例である試験体No.2,3では、若干ではあるが粒界腐食が観察された。一方、本発明例である試験体No.1では、問題になるほどの粒界腐食は観察されなかった。
この結果、Cu含有量が多くなっても、ろう付け後の冷却速度を速くすることにより耐食性低下を抑制できることがわかった。
【0029】

【0030】
組織観察
上記で試作した四種類のサンドイッチパネルの上下面から組織観察片を切り出し、断面の組織を透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、比較例である試験体No.2,3では析出物が粗大化しているのに対して、本発明例である試験体No.1では析出物が粒内,粒界に均一に分散していることがわかった。そして、1μm以下の大きさの微細析出物の数を計測した。その結果を表2に併せて示す。
表2から、ろう付け後の冷却速度を速くすることにより微細な析出物の数が増えることがわかった。
【0031】
機械的特性の評価
また、上記で試作した四種類のサンドイッチパネルの上下面からパネル長手方向に長さ200mm×幅30mmの試験片を各3枚ずつ切り出し、コアを削除した後、JIS5号引張試験片に加工し、引張試験を行った。
引張試験は、(株)島津製作所社製の50kN級の精密万能試験機を用い、0.2%耐力までは2mm/分、0.2%耐力以降は10mm/分の引張速度で行い、引張強さ、0.2%耐力、伸びを測定した。その結果を表2に併せて示す。表中の数値は、上下各3枚ずつの6個の数値の平均値である。
【0032】
以上の結果を総合すると、Cuを増やして機械的特性を向上させたアルミニウム合金板を面材として用いたサンドイッチパネルであっても、ろう付け後の冷却速度を速くすれば、含有されたCuは、ろう付け後の冷却過程でAl‐(Fe・Mn)‐Si系の金属間化合物とともにマトリックス中に均一微細に析出し、粒界腐食の発生要因とはならない。すなわち、多量に含有すると粒界近傍に析出して粒界腐食を起こしやすいCuを多く含有していても、ろう付け後の冷却速度を速くすれば粒界近傍での析出が抑制され、粒界腐食を抑えることができ、Cu含有の所期の目的である強度向上を達成できることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に対向して配置された二枚のアルミニウム合金製の面材と当該二枚の面材の間に配置されたアルミニウム製またはアルミニウム合金製のコア材とからなるサンドイッチパネルであって、
前記各面材と前記コア材とがろう付け接合によって互いに接合されており、
前記各面材は、Si:0.4〜1.2質量%、Fe:1.0質量%以下、Mn:1.0〜2.0質量%、Cu:0.2〜1.0質量%を含み、残部がAl及び不可避的不純物からなる組成と、ろう付け後に1μm以下の析出物を3×106個/mm2以上有するとともに60MPa以上の耐力を呈するアルミニウム合金板から構成されていることを特徴とするサンドイッチパネル。
【請求項2】
前記各面材は、前記組成からなる溶湯を10℃/sec以上の冷却速度で鋳造されたスラブを冷延することによって得られたものであり、かつ前記各面材を前記コア材とろう付け後、200℃/h以上の速度で冷却したものである請求項1に記載のサンドイッチパネル。
【請求項3】
前記各面材は、前記組成からなる溶湯を30℃/sec以上の冷却速度で鋳造されたスラブを冷延することによって得られたものであり、かつ前記各面材を前記コア材とろう付け後、200℃/h以上の速度で冷却したものである請求項1に記載のサンドイッチパネル。
【請求項4】
前記各面材は、エンドレスベルトを備え上下に対峙する一対の回転ベルト部と、当該一対の回転ベルト部の間に形成されるキャビティーと、前記回転ベルト部の内部に設けられた冷却手段とを備え、前記キャビティー内に金属溶湯が供給されて連続的にスラブを鋳造する双ベルト式鋳造機によって製造された薄スラブを冷延することによって得られたものである請求項2又は3に記載のサンドイッチパネル。
【請求項5】
前記ろう付け接合は、Cu:27〜37質量%、Si:5〜10質量%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるろう材によってなされている請求項1〜4のいずれか1項に記載のサンドイッチパネル。

【図1】
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【公開番号】特開2013−108294(P2013−108294A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254523(P2011−254523)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】