説明

サンプルの検査方法と検査装置、及びマイクロ電子デバイスの製造装置

【課題】 表面層を備えたサンプルの検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】 その検査方法はX線の平行光線でサンプル22を照射中に、サンプル22の第1の反射率スペクトルを取得し、サンプル22の散漫反射特性を測定するために第1の反射率スペクトルを処理する。X線の収束光線でサンプル22を照射中に、サンプル22の第2の反射率スペクトルが取得される。サンプル22の表面層の特性を求めるために散漫反射特性を使用して、第2の反射率スペクトルが解析される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解析機器一般に関連し、特にX線を用いた薄膜の解析方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
X線反射率法(XRR)は、基板に蒸着された薄膜層の厚さ、密度、表面品質の測定において、よく知られた技術である。従来のX線反射率計は、テクノ(日本・大阪)、シーメンス(ドイツ、ミュンヘン)、ベーデ科学工業(イギリス、ダラム)といった多くの会社で販売されている。一般的に、そういった反射率計は、試料をかすめるような入射で、すなわち、サンプル表面に対して小さな角度、サンプル試料の全反射角近辺でX線を照射することによって作動する。サンプルで反射されたX線強度の測定から、角度の関数として干渉縞パターンが得られ、それは干渉縞パターンを作る原因となる薄膜層の性質を求めるために解析される。
【0003】
膜厚を決定するためにX線データを解析する方法は、例えば小宮らによって開示され、ここに参照として組み込まれる米国特許第5740226号(特許文献1)に記載されている。角度の関数としてX線反射率を測定した後、平均反射率曲線を干渉縞スペクトルにフィットさせる。その平均曲線は減衰、ノイズ、及び膜の表面ラフネスを表す定式に基づいている。またフィットさせた平均反射率曲線は、干渉縞スペクトルの振動成分を抽出するために使用される。この成分は膜厚を調べるためにフーリエ変換される。
【0004】
コペルによって開示され、ここに参照として組み込まれる米国特許第5619548号(特許文献2)には、反射率測定に基づくX線膜厚計について記載されている。湾曲した反射X線モノクロメータが、サンプルの表面上にX線の焦点を合わせるために用いられる。フォトダイオードディテクタアレイのような、位置検出器が、表面で反射されたX線を検知し、反射角の関数として強度信号を生成する。その角度依存信号は、膜厚や密度、表面ラフネスといったサンプル上の薄膜層の構造特性を求めるために解析される。
【0005】
バートン等によって開示され、ここに参照として組み込まれる米国特許第5923720号(特許文献3)もまた、湾曲結晶モノクロメータに基づいたX線分光計について記載している。そのモノクロメータは、先細りした対数スパイラルの形状を有しており、従来のモノクロメータよりもはっきりとした焦点をサンプル表面上に作ることが記載されている。サンプル表面からの反射、または回折されたX線は位置検出器で受光される。
【0006】
ヨーキン(Yokhin)等によって開示され、ここに参照として組み込まれる米国特許第6512814号(特許文献4)及び米国特許第6639968号(特許文献5)は、サンプルに入射するX線を遮断するように位置するよう調整可能な動的シャッターを有するX線反射率計システムについて記載している。このシャッターは、システムの他の特徴とともに、広いダイナミックレンジにわたってXRRの縞パターンの検出を可能としている。これらの特許は、密度、膜厚及び表面ラフネスを含む、薄膜特性を求めるためにXRRの縞パターンの解析についての改良された方法も開示する。広いダイナミックレンジは、上部の薄膜層についてだけでなく、サンプル表面の下にある1以上の層についても正確にこれらの特性を決定するシステムを可能にする。
【0007】
他の一般的なX線反射率測定の方法は、例えば非特許文献1に記載されており、その文献はここに参照として組み込まれる。発散X線をサンプルの表面をかすめるように入射し、X線源と対向して配置されたディテクタは反射されたX線を集める。主X線をカットするため、サンプル表面の測定位置のすぐ上に、近接してナイフエッジを配置する。サンプルとディテクタの間(米国特許第561948号のように、むしろ線源とサンプルの間)のモノクロメータは、ディテクタに到達する反射X線の波長を選択する。
【0008】
XRRは、半導体ウェハ上に生成される薄膜層を検査するために、蒸着炉内でも使用されることがあり、例えば、林等によって開示され、ここに参照として組み込まれる米国特許出願公開第2001/0043668号明細書(特許文献6)に記載されている。蒸着炉の側壁には、X線の入射窓と採取窓が設けられる。薄膜が蒸着されている基板は、入射窓を通して照射され、基板で反射されたX線はX線採取窓を通じて検知される。
【0009】
上記で列挙した参考文献が、鏡面反射のX線反射を測定するものであるのに対し、拡散するX線反射(あるいは、散漫散乱として参照される)もまた、表面の情報を与える。X線の散漫散乱の測定は、例えば、非特許文献2に記載されており、その内容はここに参照として組み込まれる。この文献は、サンプルが平行X線源によって照射され、サンプルで散乱されたX線がディテクタで受光される実験的なセットアップについて述べている。ディテクタは、入射角と散乱角の和が、2Θで示される全角で固定されるように配置される。サンプルはゴニオメータに取り付けられ、全角2Θを変えることなく、入射光線に対するサンプルの傾斜角(Ωで示す)が変化可能となっている。
【0010】
この配置では、ディテクタで受光された散乱X線信号は傾斜角Ωの関数として測定される。鋭い鏡面反射ピークがΩ=Θで観察される。さらに、散漫な反射ピークが、鏡面反射ピークの両側、角度Ω=Φ及びΩ=2Θ−Φで観察され、ここでΦはサンプルの全反射についての臨界角である。これらの散漫な反射ピークは、米田によって最初に観察され、米田はその発見をここに参照として組み込まれる非特許文献3に述べている。そのため、一般にそのピークは“ヨネダウイング(Yoneda wings)”と呼ばれる。ストマーが指摘しているように、散漫散乱曲線の形状は、とりわけサンプルの表面ラフネスによって決定し、そのため散漫散乱の測定値を、表面の特性を求めるための解析に使用できる。
【0011】
【特許文献1】米国特許第5740226号明細書
【特許文献2】米国特許第5619548号明細書
【特許文献3】米国特許第5923720号明細書
【特許文献4】米国特許第6512814号明細書
【特許文献5】米国特許第6639968号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2001/0043668号明細書
【非特許文献1】ナードン等、「角度分解された分散モードにおけるX線反射率法の新装置」、ジャーナル・オブ・アプライド・クリストログラフィ、1989年、第22号、p.460
【非特許文献2】ストマー、「シリコン表面でのX線散乱」、セミコンダクターインターナショナル、1998年5月1日
【非特許文献3】米田、「X線の特異表面反射」、フィジカルレビュー、1963年、第131号、p.2010−2013
【発明の開示】
【0012】
本発明の実施形態では、サンプルの1以上の表面の層に関して、より豊富でより正確な情報を提供するために鏡面及び散漫XRRスペクトルが組み合わされる。幾つかの実施形態では、これらの測定値は二重用途XRRシステムを用いて取得され、そのシステムは収束X線又は平行X線の何れかでサンプルを照射するように構成されるX線源を有する。ディテクタ、代表的にはディテクタアレイは、角度範囲にわたってサンプルからの反射X線を検出する(上記のように、“反射”、“反射された”、“反射率”などの用語は、本願及びその特許請求の範囲において、散漫散乱の技術分野では公知のように、鏡面反射及び散漫反射の両方に言及するために使用される)。
【0013】
平行光線構成では、システムは散漫反射率情報を含む第1の反射率スペクトルを取得する。代表的には、ヨネダピークの少なくとも一つの振幅と位置を求めるためにこのスペクトルを処理し、それはサンプルの表面ラフネス及び臨界角の指標となる。
【0014】
収束光線構成では、システムは、鏡面反射が支配的である、第2の反射率スペクトルを取得する。サンプルの1以上の表面の層の特性を求めるために、代表的にはこのスペクトルを理論モデルとフィットさせることにより、このスペクトルの形状を解析する。この特性には、例として半導体ウェハの表面での薄膜層の膜厚、密度、又は/及び表面ラフネスを含む。しかしながら、表面ラフネスに依存して、鏡面反射率スペクトルは散漫反射による多くのノイズを含むことがあり、それはフィットの質を低下させる可能性がある。そのため、フィッティングを行なう前に、第1のスペクトルの散漫反射率の測定値に基づいて、第2の反射率スペクトルを散漫反射のノイズを除去するよう補正してもよい。さらに、表面層の特性評価の精度を向上するために、第1の反射率スペクトルから得られた臨界角及び/又は表面ラフネスを、フィッティングにおいてパラメータとして用いることができる。
【0015】
ここに述べる本発明の実施形態は、主として薄膜、特に半導体ウェハ上に形成される膜のX線測定を向上させるものであるが、本発明の原理を、X線反射率計及び散乱の他の応用にも使用することができ、同様に放射線に基づく解析の他のタイプにも使用することができる。
【0016】
そのため、本発明の実施形態に従って、表面層を備えたサンプルの検査方法が提供され、その検査方法は、X線の平行光線でサンプルを照射中にサンプルの第1の反射率スペクトルを取得し、サンプルの散漫反射特性を測定するために第1の反射率スペクトルを処理し、X線の収束光線でサンプルを照射中にサンプルの第2の反射率スペクトルを取得し、サンプルの表面の層の特性を求めるために散漫反射特性を使用して第2の反射率スペクトルを解析する。
【0017】
開示された実施形態では、第1の反射率スペクトルの取得は、光線を平行にするために収束光線中にスリットを導入することを含む。
【0018】
幾つかの実施形態では、第1の反射率スペクトルの取得は、所定の入射角において平行光線でサンプルを照射し、ディテクタアレイを使用して仰角の範囲にわたって同時にX線を受光することを含む。代表的には、第2の反射率スペクトルの取得は、第1の反射率スペクトルの取得で使用するディテクタアレイを使用して仰角の範囲にわたって同時にX線を受光することを含む。
【0019】
本発明の一側面では、第1の反射率スペクトルの処理は、第1の反射率スペクトル内のヨネダウイングを検出することを含む。代表的には、ヨネダウイングを検出することは、ヨネダウイングの角度位置に応じてサンプルの全反射の臨界角を求めることを含む。
【0020】
さらに、若しくは代わりとして、ヨネダウイングの検出は、ヨネダウイングの振幅に応じて表面層のラフネスの尺度を求めることを含む。
【0021】
幾つかの実施形態では、第2の反射率スペクトルの解析は、第1の反射率スペクトルに応じて散漫反射ノイズを評価し、第2の反射率スペクトルから散漫反射ノイズを減じることを含む。
【0022】
代表的には、第2の反射率スペクトルの解析は、表面の層の密度、厚さ、及び表面ラフネスの少なくとも一つを求めることを含む。
【0023】
開示された実施形態では、サンプルは半導体ウェハであり、第2の反射率スペクトルの解析はウェハに形成された薄膜層の質を求めることを含む。
【0024】
また、本発明の実施形態に従って、表面層を備えたサンプルの検査装置が提供される。その検査装置は、その装置の第1の構成においてサンプルの表面にX線の平行光線を向け、且つその装置の第2の構成においてサンプルの表面にX線の収束光線を向けるように適合される放射線源と、第1及び第2の構成において、それぞれ表面に対する仰角の関数として第1及び第2の反射率スペクトルを生成するために、表面で反射されたX線を検知するように配置されるディテクタ部と、サンプルの散漫反射特性を測定するために第1の反射率スペクトルを受信及び処理し、且つサンプルの表面層の特性を求めるために散漫反射特性を用いて第2の反射率スペクトルを解析するように結合される信号プロセッサを有する。
【0025】
さらに、本発明の実施形態に従って、マイクロ電子デバイス製造用クラスターツールが提供される。そのクラスターツールは、半導体ウェハの表面に薄膜層を蒸着するように適合される蒸着ステーションと、検査ステーションであって、その検査ステーションの第1の構成においてウェハの表面にX線の平行光線を向けるように適合され、且つその検査ステーションの第2の構成においてウェハの表面にX線の収束光線を向けるように適合される放射線源と、第1及び第2の構成において、それぞれ表面に対する仰角の関数として第1及び第2の反射率スペクトルを生成するために、表面で反射されたX線を検知するように配置されるディテクタ部と、表面の散漫反射特性を測定するために第1の反射率スペクトルを受信及び処理し、且つ薄膜層の特性を求めるために散漫反射特性を使用して第2の反射率スペクトルを解析するように結合される信号プロセッサを有する検査ステーションとを有する。
【0026】
さらに、本発明の実施形態に従って、マイクロ電子デバイスの製造装置が提供される。その製造装置は、半導体ウェハを受け取るように適合される製造チャンバーと、そのチャンバー内で半導体ウェハの表面に膜層を蒸着するように適合される蒸着装置と、放射線源であって、その線源の第1の構成において製造チャンバー内のウェハの表面にX線の平行光線を向けるように適合され、且つその線源の第2の構成において製造チャンバー内のウェハの表面にX線の収束光線を向けるように適合される放射線源と、第1及び第2の構成において、それぞれ表面に対する仰角の関数として第1及び第2の反射率スペクトルを生成するために、製造チャンバー内のウェハの表面で反射されたX線を検知するように配置されるディテクタ部と、表面の散漫反射特性を測定するために第1の反射率スペクトルを受信し及び処理し、且つ薄膜層の特性を求めるために散漫反射特性を使用して第2の反射率スペクトルを解析するように結合される信号プロセッサを有する。
【0027】
本発明は、図とともに以下の実施形態の詳細な説明から、より十分に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1を参照すると、そこには本発明の実施形態による反射率測定法(XRR)のシステム20の概略側面図が記載されている。この図において示される構成では、システム20は、サンプルの鏡面X線反射率を測定する目的のために、X線の収束光線27で半導体ウェハなどのサンプル22を照射する。この構成では、システム20は、上述した米国特許第6512814号に記載されているシステムと同様であり、さらに、ここで述べる特徴と能力を加えたものである。図2は、X線の平行光線でサンプルを照射する、第2の構成を示す。
【0029】
サンプル22は可動ステージ24に取り付けられ、その位置と向きを正確に調整することが可能である。代表的なものとしては、単色光学器械に適用されるX線管(図示せず)のようなX線源26が、サンプル22上の小領域28を照射する収束光線27を発生する。例えば、オックスフォード工業(カリフォルニア、スコットバレー)によって製造されているX線管である、XTF5011を用いることができる。システム20での反射率と散乱の測定において代表的なX線エネルギーは約8.05KeV(CuKa1)である。代わりとして、5.4KeV(CrKa1)といった他のエネルギーを使用してもよい。
【0030】
収束光線27を発生する線源26において使用可能な多数の異なる光学器械の構成が、ここに参照として組み込まれる米国特許第6381303号に記載されている。例として、その光学器械は、XOS工業(アルバニー、ニューヨーク)によって製造されている、二重湾曲フォーカスクリスタル光学器(Doubly−Bent Focusing Crystal Optics)といった湾曲結晶分光器を有するようにしてもよい。他の適した光学器械が、上述した米国特許第5619548号及び第5923720号に記載されている。二重湾曲フォーカスクリスタルは、領域28内のポイントにほぼ焦点を合わせるために、水平方向(X)と垂直方向(Z)の両方において光線27を収束させる。代表的には、X線は、約0°から4.5°までの入射角の範囲にわたって領域28上に収束する。しかし、より広い範囲及びより狭い範囲としてもよい。代わりとして、光線をサンプル表面の線に収束させるために、シリンドリカル光学系を光線27の焦点を合わせるために用いてもよい。さらに可能な光学器械の構成は、その当業者に対して明らかであろう。
【0031】
移動可能なナイフエッジ36とシャッター38を、垂直方向(すなわち、サンプル22の面に直交する方向)でのX線入射光27の角度範囲を制限するために使用してもよい。
【0032】
付加的なスリット(図示せず)を水平方向において光線を制限するために使用してもよい。XRR測定におけるナイフエッジ36とシャッター38の使用は上述した米国特許第6512814号明細書に詳しく記載されている。簡単に言えば、0°近辺の浅い角度での反射の光学的検出に対しては、シャッター38は入射光線27の範囲の外側へ撤収され、一方ナイフエッジ36は領域28上に置かれ、入射光の有効縦断面を減ずるために下方移動される。結果として、領域28でのX線入射スポットの横方向範囲が狭くなる。
【0033】
一方、弱く、高角度な反射を効果的に検出するため、ナイフエッジ36は入射光線27からはずされ、一方シャッター38は入射光線の浅い角度部分をカットするように置かれる。代表的には、シャッターは、表面に対して0.6°を下回る入射放射線をカットする。(その代わりとして、反射X線29の浅い角度部分をカットするようにシャッターを配置してもよい)。この手法では、サンプル22からの高角度の反射光だけがディテクタアレイに到達し、浅い角度の強い反射光は到達せず、そのため高角度での測定における信号/ノイズ比が向上する。
【0034】
サンプル22からのX線反射光29は、ディテクタ部30で集光される。通常、ディテクタ部30は、全反射角Φcに対するサンプルの臨界角の上方、下方双方ともで、約0°から3°の間で仰角φの関数として、垂直方向における反射角の範囲にわたって反射X線を集光する(図を明確にするため、図1ではサンプル22の平面に対してX線源26とディテクタ部30が大きな仰角をもっているように誇張されている)。
【0035】
ディテクタ部30は、米国特許第6512814号明細書に記載されているように、CCDアレイのような、ディテクタアレイ32を有する。図の簡単化のために、図では一列だけで且つ相対的に少ない検出素子が示されているが、一般的には、ディテクタアレイ32は非常に多数の素子を有し、直線配列、もしくはマトリクス(2次元)配列されている。さらに、ディテクタ部30は、ベリリウムのような好適なX線透過素材で作られた窓34を有し、その窓はディテクタアレイとサンプルの間、ディテクタアレイの前面に置かれる。
【0036】
信号プロセッサ40は、所定のエネルギー若しくはエネルギーの範囲で角度の関数としてサンプル22で反射されたX線フォトン束の分布42を求めるために、ディテクタ部30の出力を解析する。代表的には、サンプル22は、領域28において薄膜のような薄い表面層を1以上有し、そのため仰角の関数としての分布42は、各層間の面から反射されたX線波の間での干渉効果により振動構造を示す。以下に記述する解析方法を用いて、サンプル表面の1以上の層について厚さや密度、表面の質といった特性を決定するために、信号プロセッサ40は角度分布特性を解析する。
【0037】
図2は、システム20の別の構成を示し、その構成では、サンプル22は平行光線で照射される。この構成は散漫X線反射率の測定に使用される。X線光線を平行にするために、様々な手段を使用することができる。図2に示された例では、細い水平スリット39が入射光路中に配置される。代表的には、そのスリットは、(図1において収束光線の典型的な範囲である4.5°に対して)約0.03°まで入射光線の収束角を遮断する。代わりに、測定の角度の精度に対する処理能力とのトレードオフで、より幅の広い若しくはより幅の狭いスリットを使用してもよい。スリット39の位置は、領域28上での平行光線の入射角度θを定義する。本願発明者は、0.8°のセッティングが良い結果を与えることを見出した。さらに代わりとして、散漫反射率測定において、ゲーベルミラーのような、他のタイプのコリメータをスリットとともに又はスリット無しに入射X線を平行にするために使用してもよい。
【0038】
図1の構成において鏡面反射放射を集光するために使用されたものと同じディテクタ部30が、図2の構成において散漫反射を集光するために使用される。そのため、システム20が、鏡面反射測定の構成と散漫測定の構成との間で容易に切り替えられることが分かる。散漫反射の相対的な弱さのために、図1の構成よりも図2の構成の方が、長い積分時間にわたってX線を集光する必要があるかもしれない。
【0039】
図3は、それぞれ図1及び図2に示される構成を用いてシステム20で捕捉された鏡面反射スペクトル50及び散漫反射スペクトル52を示す概略プロット図である。それらのスペクトルは、反射(若しくは散乱)角度φに対してプロットされている。
【0040】
スペクトル50は、臨界角Φcで特徴的な肩を有し、角度が増加するにつれて振動パターンが減衰する。この種のより詳細なXRRスペクトルは、よりはっきりとした、高周波振動パターンで、例えば上述した米国特許第6512814号明細書又は第6639968号明細書に示されている。これらの特許に示されているように、スペクトル50の肩の位置を、臨界角、よってサンプル22の表面層の密度を求めるために解析してもよく、一方振動の周期及び振幅は、サンプルの表面層の厚さ及び表面ラフネスの指標となる。XRRスペクトルの信号/ノイズ比が大きくなるにつれて、プロセッサ40は、より正確に表面層の特性を求めることができる。実施形態によっては、プロセッサは、サンプル表面の真下にある、下層の特性を求めることも可能である。一方、サンプル表面のラフネスは、散漫反射のためにXRRスペクトルにおける振動の振幅を減少させ、ノイズを増加させる。そのためスペクトル50から正確な測定値を得ることが非常に困難となる。
【0041】
散漫反射スペクトル52は、平行光線の入射角θで中心ピーク54を有し、またヨネダウイングに対応するサイドピーク56及び58を有する。実際、米田によって使用された古典的な傾斜測定セットアップではピーク56及び58の両方が観察されるが、システム20の配置では、ピーク56のみがディテクタ部30によって実際に観察される。本発明においては、単一のピーク56だけで十分である。そこで、ピーク54及び56がほぼガウシアン形状であると仮定し、ピーク58を無視すると、スペクトル52は以下の式のようにモデル化できる。
【数1】

ここでrは、角度の関数として測定されたサンプル22の鏡面反射率であり、G(x)は
【数2】

である。ここでσはピーク幅特性である。係数α及びγは、それぞれφ=θでの鏡面ピークに関する、ピーク56の振幅及びピーク間の拡散ノイズを表す。代表的には、αは0.01のオーダーであり、一方γは0.001のオーダーである。
【0042】
ピーク56の位置は、Φcの正確な読みを与え、それは多くの場合においてカーブ50の肩よりも明確に定義される。ピーク56の振幅(絶対値若しくはピーク54との比較において)は、サンプル表面のラフネスの尺度を与える。スペクトル52の全体的な形状及び振幅は、スペクトル50に現れる散漫反射ノイズの指標となる。スペクトル52のこれらの特徴は、以下に述べる方法を用いて、サンプル22の表面層の特性を求めるためにスペクトル50の特徴とともに使用される。
【0043】
図4は、本発明の実施形態に係る、サンプル22の表面層特性を求める方法の概要を示すフローチャートである。本方法のステップは、概念の明確化のために以下では特定の順番で並べられているが、操作の他の順番も同じ目的を達成するために使用可能であり、そのような順番も本発明の範囲内に含まれることは、当業者にとって明らかであろう。
【0044】
まず、図4の方法の開始では、散漫反射取得ステップ60において、システム20は光路に挿入されたスリット39とともに、図2に示される構成を有する。この構成では、鏡面ピーク54及びヨネダピーク56の両方を含む、散漫反射スペクトル52が取得される。図3は、入射角θの単一の値のみについての散漫反射スペクトルを示しているが、測定精度の向上及び散漫反射のモデル化に対してさらなるデータ点を与えるために、異なる入射角での複数のスペクトルを取得してもよい。ピーク測定ステップ62において、プロセッサ40はピーク54及び56の角度位置と大きさを含む、スペクトル52から選択された特徴を抽出する。代わりとして、若しくは追加として、ステップ60では、スリット39を所定のペースで角度範囲にわたって連続的に走査させて、ディテクタ部30で受光される散漫ノイズ放射を、以下に述べるように、背景差分で使用するために範囲全体にわたって積分してもよい。
【0045】
表面モデリングステップ64では、プロセッサは臨界角及びサンプル22の表面層のラフネスを求める上でスペクトル52の特徴を使用する。ラフネスは、例えば上述したストマーによる文献に記載されているように、表面特性の数学的モデリングによって求められる。代わりとして、関心のある既知のラフネス特性を有する素材のサンプルからシステム20において散漫反射を測定することにより、ヨネダピークの振幅とラフネスとの関係を事前に較正しておいてもよい。さらにまた、臨界角だけでなく表面ラフネスを求める上で、又は表面ラフネスだけでなく臨界角を求める上でスペクトル52を使用してもよく、またはステップ64を省略して、以下に述べるようにステップ60で取得される散漫スペクトルを背景差分の目的においてのみ使用してもよい。
【0046】
次に、XRR取得ステップ66では、スリット39を除去して、収束光線27を用いて鏡面XRRスペクトル50を取得するために、図1の構成でシステム20を動作させる。オプションとして、背景差分ステップ68では、鏡面XRRの測定値に対する散漫反射の寄与によるノイズを、ステップ60で得られた測定値に基づいて、スペクトル50から除去する。ある検出角φについて、トータルの散漫反射ノイズを評価するために、式(1)の散漫反射分、
【数3】

が収束光線の(臨界角の上方の)入射角θの全範囲にわたって積分される。そしてその結果は、以下の式で表される補正された鏡面反射信号r'(φ)を与えるために測定された反射r(φ)から差し引かれる。
【数4】

D(φ,θ)の実際の変数形式に置換し、(ディテクタアレイ32の画素における)離散座標系に変換して、以下の結果を得る。
【数5】

ここでjcは臨界角の画素座標である。上述したように、ステップ60で入射角の範囲にわたってスリット39を走査し、その後測定された反射r(φ)から検出角φの関数として得られる積分されたノイズを差し引くことにより、等しい結果を得ることができる。
【0047】
フィッティングステップ70では、サンプルの表面層の特性を求めるために、(背景差分された)スペクトル50は鏡面反射の理論モデルと比較される。好適なフィッティング手順は、例えば、上述した米国特許第6639968号明細書及び第5740226号明細書に記載されている。理論モデルに従って、スペクトル50の最初の肩の角度位置及びスペクトル52のピーク56の角度位置が、サンプルの最上部の層の密度によって求められる。スペクトル50における縞の空間周波数又は周波数群が、膜の層の厚さの指標となる。低次の縞に対する相対的な高次の縞の強度は、主としてサンプルの外側面のラフネスにより、副次的にサンプルの膜層間の接触面のラフネスによって決まる。上述のように、スペクトル52のピーク56の位置と振幅の基づいて、臨界角及び表面ラフネスを確認してもよい。
【0048】
このように、ステップ70の完了により、スペクトル50及び52に保持される情報に基づいて、サンプルの外部層の物理特性−密度、厚さ、外部表面のラフネス−は全て既知となる。さらに、実施形態によっては、1以上の内部層の特性を求めるために、スペクトル50を解析することができる。
【0049】
図5は、本願発明の実施形態による、半導体デバイス製造用のクラスターツール70の概略平面図である。そのクラスターツールは複数のステーションを有し、それぞれ半導体ウェハ77に薄膜を蒸着するための蒸着ステーション72、検査ステーション74、及びクリーニングステーションのようなこの技術で既知の他のステーション76を含む。検査ステーション74は、ここで上述したシステム20と同様の手法で構成され、動作する。ロボット78は、システムコントローラ80の制御の下、ウェハ77をステーション72、74、76、・・・の間で移送する。ツール70の動作は、コントローラ80に接続されたワークステーション82を用いて、オペレータにより制御され、モニタされる。
【0050】
検査ステーション74は、ツール70における蒸着ステーション72や他のステーションで実行される製造工程で選択されたステップの前後において、鏡面測定、又は散漫測定、若しくはその両方を含む、XRRによるウェハのX線検査を行うために使用される。一つの実施形態では、蒸着ステーション72はウェハ77上に薄膜を作るために使用され、検査ステーション74は、ウェハの散漫反射率特性及び鏡面反射率特性を測定することによって、上述したXRR評価を実行する。この配置は、コントローラ80と、あるいはワークステーション82を用いて、製造異常の早期発見と適切な調整、及び製品ウェハの製造パラメータの評価を可能とする。
【0051】
図6は、本発明の別の実施形態による、半導体ウェハ製造及び製造中の検査のためのシステム90の概略側面図である。システム90は、ウェハ77上に薄膜を作るための、本技術分野で既知であるような蒸着装置94を内包する真空チャンバー92を有する。ウェハはチャンバー92内の可動ステージ24に取り付けられる。代表的には、そのチャンバーはX線窓96を有し、上述した米国特許出願公開第2001/0043668号明細書に記載されたタイプであってもよい。X線源26は、上述の方法により窓96の一つを通してウェハ77上の領域28を照射する。図1に示されるシャッター、ナイフエッジ及びスリットは、簡単化のために図6からは省略されているが、代表的にはこの種の素子は線源26かチャンバー92内に集積されている。
【0052】
領域28で反射したX線は窓96の別の一つを通してディテクタ部30でアレイ32により受光される。上述したように、ウェハの散漫又は/及び鏡面反射率特性を測定することにより、プロセッサ40はディテクタ部30から信号を受信し、チャンバー92内で製造中の薄膜層の特性を評価するために受信した信号を処理する。システム90が製造する薄膜が、厚さ、密度、及び表面ラフネスなどで所望の特性を有するように、この評価結果を蒸着装置94の制御に使用してもよい。
【0053】
上述した実施形態では、主として半導体ウェハの表面層の特性の決定とともに詳細を記述したが、本発明の原理は、他のX線反射計測の応用にも使用することが可能であり、放射線に基づく解析の他のタイプや、X線だけでなく、他の電離放射線帯域を用いるものでも同様に使用可能である。このように上記の実施形態は例として言及されており、本発明は、特にここに記述し、示したものに限定されないということが認識されるべきである。むしろ、本発明の範囲には、ここで記述してきた様々な特徴の組み合わせや部分的組み合わせを含み、そのため当業者が前述の記載を読んだ上で見出す、先行技術に開示されていないバリエーションや変形も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態による、収束光線構成におけるX線反射率法(XRR)測定システムの概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態による、平行光線構成におけるX線反射率法(XRR)測定システムの概略側面図である。
【図3】図1及び図2のシステムを用いて取得され得る、鏡面及び散漫X線反射率スペクトルの概略プロット図である。
【図4】本発明の実施形態による、X線反射率スペクトルを生成し、解析する方法を概略的に説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態による、検査ステーションを有する半導体デバイス製造用クラスターツールの概略平面図である。
【図6】本発明の実施形態による、X線検査能力を有する半導体製造チャンバーの概略側面図である。
【符号の説明】
【0055】
20 XRRシステム
22 サンプル
24 可動ステージ
26 X線源
27 収束光線
29 反射X線
30 ディテクタ部
32 ディテクタアレイ
36 ナイフエッジ
38 シャッター
39 スリット
40 信号プロセッサ
70 クラスターツール
72 蒸着ステーション
74 検査ステーション
77 ウェハ
78 ロボット
80 システムコントローラ
82 ワークステーション
90 半導体ウェハ製造システム
92 真空チャンバー
94 蒸着装置
96 X線窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面層を備えたサンプルの検査方法であって、
X線の平行光線でサンプルを照射中に、サンプルの第1の反射率スペクトルを取得し、
前記サンプルの散漫反射特性を測定するために前記第1の反射率スペクトルを処理し、
X線の収束光線で前記サンプルを照射中に、前記サンプルの第2の反射率スペクトルを取得し、
前記サンプルの表面層の特性を求めるために前記散漫反射特性を使用して前記第2の反射率スペクトルを解析することを特徴とする検査方法。
【請求項2】
前記第1の反射率スペクトルの取得は、収束光線を平行にするために該光線中にスリットを導入することを含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項3】
前記第1の反射率スペクトルの取得は、所定の入射角で平行光線で前記サンプルを照射し、且つディテクタアレイを用いて仰角の範囲にわたって同時にX線を受光することを含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項4】
前記第2の反射率スペクトルの取得は、前記第1の反射率スペクトルの取得で使用するディテクタアレイを使用して、仰角の範囲にわたって同時にX線を受光することを含む、請求項3に記載の検査方法。
【請求項5】
前記第1の反射率スペクトルの処理は、前記第1の反射率スペクトルにおいてヨネダウイングを検出することを含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項6】
前記ヨネダウイングの検出は、前記ヨネダウイングの角度位置に応じて前記サンプルの全反射の臨界角を求めることを含む、請求項5に記載の検査方法。
【請求項7】
前記ヨネダウイングの検出は、前記ヨネダウイングの振幅に応じて前記表面層のラフネスの尺度を求めることを含む、請求項5に記載の検査方法。
【請求項8】
前記第2の反射率スペクトルの解析は、前記第1の反射率スペクトルに応じて散漫反射ノイズを評価し、且つ前記第2の反射率スペクトルから該散漫反射ノイズを減じることを含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項9】
前記第2の反射率スペクトルの解析は、前記表面層の密度、厚さ、及び表面ラフネスの少なくとも一つを求めることを含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項10】
前記サンプルは半導体ウェハであり、且つ前記第2の反射率スペクトルの解析は、該ウェハに形成された薄膜層の質を求めることを含む、請求項1に記載の検査方法。
【請求項11】
表面層を備えたサンプルの検査装置であって、
前記装置の第1の構成において前記サンプルの表面へX線の平行光線を向け、且つ前記装置の第2の構成において前記サンプルの表面へX線の収束光線を向けるように適合される放射線源と、
前記第1及び第2の構成において、それぞれ前記表面に対する仰角の関数として第1及び第2の反射率スペクトルを生成するために、前記表面から反射されたX線を検知するように配置されるディテクタ部と、
前記サンプルの散漫反射特性を測定するために前記第1の反射率スペクトルを受信及び処理し、且つ前記サンプルの表面層の特性を求めるために該散漫反射特性を使用して前記第2の反射率スペクトルを解析するように結合される信号プロセッサと、
を有することを特徴とする検査装置。
【請求項12】
前記第1の構成において光線を平行にするために、前記放射線源で生じた収束光線中に導入されるスリットを有する、請求項11に記載の検査装置。
【請求項13】
前記ディテクタ部は、前記第1及び第2の構成の両方において、仰角の範囲にわたって同時に反射X線を受光するように構成されたディテクタアレイを有する、請求項11に記載の検査装置。
【請求項14】
前記信号プロセッサは、前記第1の反射率スペクトルにおいてヨネダウイングを検出するために前記第1の反射率スペクトルを処理するように適合される、請求項11に記載の検査装置。
【請求項15】
前記信号処理プロセッサは、前記ヨネダウイングの角度位置に応じて前記サンプルの全反射の臨界角を求めるように適合される、請求項14に記載の検査装置。
【請求項16】
前記信号処理プロセッサは、前記ヨネダウイングの振幅に応じて前記表面層のラフネスの尺度を求めるように適合される、請求項14に記載の検査装置。
【請求項17】
前記信号処理プロセッサは、前記第1の反射率スペクトルに応じて散漫反射ノイズを評価し、且つ前記第2の反射率スペクトルから該散漫反射ノイズを減じるように適合される、請求項11に記載の検査装置。
【請求項18】
前記信号処理プロセッサは、前記表面層の密度、厚さ、及び表面ラフネスの少なくとも一つを求めるために前記第2の反射率スペクトルを解析するように適合される、請求項11に記載の検査装置。
【請求項19】
前記サンプルは半導体ウェハであり、且つ前記信号処理プロセッサは前記ウェハに形成された薄膜層の質を求めるために前記第2の反射率スペクトルを解析するように適合される、請求項11に記載の検査装置。
【請求項20】
半導体ウェハの表面に薄膜層を蒸着するように適合される蒸着ステーションと、
検査ステーションであって、
該検査ステーションの第1の構成において前記サンプルの表面へX線の平行光線を向け、且つ該検査ステーションの第2の構成において前記サンプルの表面へX線の収束光線を向けるように適合される放射線源と、
前記第1及び第2の構成において、それぞれ前記表面に対する仰角の関数として第1及び第2の反射率スペクトルを生成するために、前記表面から反射されたX線を検知するように配置されるディテクタ部と、
前記表面の散漫反射特性を測定するために前記第1の反射率スペクトルを受信及び処理し、且つ前記薄膜層の特性を求めるために該散漫反射特性を使用して前記第2の反射率スペクトルを解析するように結合される信号処理プロセッサとを有する検査ステーションと、
を有することを特徴とするマイクロ電子デバイス製造用クラスタツール。
【請求項21】
半導体ウェハを受け取るように適合される製造チャンバーと、
前記チャンバー内で前記半導体ウェハの表面に薄膜層を蒸着するように適合される蒸着装置と、
放射線源であって、
該線源の第1の構成において前記製造チャンバー内の前記ウェハの表面へX線の平行光線を向け、且つ該線源の第2の構成において前記製造チャンバー内の前記ウェハの表面へX線の収束光線を向けるように適合される放射線源と、
前記第1及び第2の構成において、それぞれ前記表面に対する仰角の関数として第1及び第2の反射率スペクトルを生成するために、前記製造チャンバー内の前記表面から反射されたX線を検知するように配置されるディテクタ部と、
前記表面の散漫反射特性を測定するために前記第1の反射率スペクトルを受信及び処理し、且つ前記薄膜層の特性を求めるために該散漫反射特性を使用して前記第2の反射率スペクトルを解析するように結合される信号処理プロセッサと、
を有することを特徴とするマイクロ電子デバイスの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−58293(P2006−58293A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−221372(P2005−221372)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(504390894)ジョーダン バリー アプライド レイディエイション リミティド (4)
【Fターム(参考)】