サンプルの沈着の方法および装置
二次的な分析のためのサンプルまたは複数のサンプルを準備するための方法および装置が、開示される。単一のサンプル沈着装置、および多重のサンプル沈着装置が、示される。装置は、不連続な液滴の沈着によって、または継続的なトレースとして、サンプルの高スループットの沈着を提供することによってクロマトグラムを形成し得るシステムを可能にする。システムは、約10Hz以上で、約1KHzを含むまでの周波数において動作するターゲットプレートに電圧を加えることによって、クロマトグラフから発出する流体をパルスすることによって、高分解能デジタル化を達成し得る。システムは、複数のカラムから来る流体を噴霧化し、継続的なトレースとして、それをターゲットプレート上に同時に収集することによって、アナログレコーディング(すなわち、無限の分解能に接近すること)を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年2月8日出願の米国仮特許出願第60/651,362号の利益を主張し、また、2005年2月10日出願の米国仮特許出願第60/651,203号の利益を主張し、その全体は参考として本明細書中に援用される。
【0002】
本明細書中に用いられているセクションヘディングは、構成の目的のためのみにあり、記述される主題を、いずれにおいても限定するように解釈されるべきではない。
【0003】
(分野)
出願人の教示は、例えば、質量分析法によるその後の分析のためのサンプル沈着の方法および装置に関する。特に、出願人の教示は、MALDI質量分析法によるその後の分析に対する高スループットのサンプルの沈着を提供し得る。
【背景技術】
【0004】
(導入)
液体クロマトグラフィ(LC)は、有機的な分子の異なる吸収特性に依存する、幅広く用いられている分離処理である。通常は、特定の溶媒(溶出液)における有機体の混合物は、化合物が吸収され得る吸収材料とパックされているクロマトグラフィのカラムの上部に加えられる。溶出液と溶質の混合物がカラムを介して降下すると、より強力に吸収された化合物が、吸収材料をコートし、これは、固定相と呼ばれる。あまり強力でなく吸収された化合物は、溶出液とともにカラムを介して進む。従って、化合物は、保持時間に基づいて分離され、その結果として、固定相と強く相互作用する化合物は、カラムにおいてより長い期間に保持される。混合物の溶出および分離された化合物は、溶出液とともにクロマトグラフィのカラムの他方から放出される。有機化合物は、適切に分離され、比較的に純粋な溶出液によって間隔を置かれながら、カラムから出てくる。
【0005】
高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)とは、クロマトグラフィのカラムにおける高圧の下の化合物の分離を指す。通常は、HPLCは、ポンプシステムを用いることによって、クロマトグラフィのカラムを介して溶出液をくみ上げる。ポンプシステムは、通常はソースからの少量の流体(通常は、溶出液を形成する溶媒または水)を受けるリザーバを備えている。ピストンは、リザーバ内で動作可能なように移動が可能であることによって、リザーバからクロマトグラフィのカラムに流体をくみ上げる。ピストンは、通常はステップモーターによって駆動される。
【0006】
ピストンの動作は、不連続の流量で流体をリザーバから放出し、たいていは、流体の流れの圧力パルスをもたらす。放出の流量を滑らかにするために、ポンプシステムは、緩衝チャンバを含み、該緩衝チャンバは、流体の流れのパルスに対してショックアブソーバーのように機能する。通常は、緩衝チャンバは、流体の流れと比較して大きな体積を有する。通常のHPLCにおいて、各ポンプは、実際には180度位相がずれた2つの同様なポンプを備え、該ポンプのうちの1つは、溶媒を導入し、他方のポンプは、大抵は水を導入し、これらは、ポンプの下流において混合されることによって、クロマトグラフィのカラムを介して流れる溶出液を形成する。
【0007】
さらに、液体クロマトグラフィは、その後の分析のためにターゲットプレート上に分離された分析物を沈着させるために用いられ得る。これらのサンプルの記録は、適切な状態の下で数ヶ月に渡って格納され得、追加的なサンプルの処理を行うことなく、その後の実験において追加的な種の特性付けを可能にする。
【0008】
液体クロマトグラフィの分離能力のおかげで、液体クロマトグラフィは、複雑な混合物のその後の分析のためのサンプルを準備するための有用なツールとなる。該複雑な混合物は、例えば、薬学の創薬および開発、プロテオミクス、法医学、環境科学、および臨床医学において頻繁に発見される化合物などであるが、それらに限定されない。
【0009】
質量分析法は、電気的にチャージされた分子から生成されたイオンの質量電荷比の検出に基づいて化合物の中の分子を識別する分析方法に、一般的に用いられる。
【0010】
分子をイオン化させ、該分子が、次いで質量分析法によって分析される、様々な方法が存在する。そのような方法の1つとして、容易に分解される分析物の質量を決定するために用いられるソフトイオン化方法は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)である。MALDIにおいて、サンプルは、マトリックスとして公知のUV吸着化合物と混合され、面上に沈着され、高速レーザーパルスを用いてイオン化される。レーザーのエネルギーは、マトリックスの分子によって吸収され、サンプルの分子に転送され、それらを気化およびイオン化させる。イオンは、次いで例えば、飛行時間型(TOF)質量分析計などの質量分析計によって分析されるが、それに限定されない。
【0011】
精度およびクロマトグラフィの忠実度に妥協することなく、例えばMALDI質量分析法を含み、それに限定されない方法による、化合物の素早く効率的な分析に対する必要性に適切に対処するために、液体クロマトグラフィの能力を効率的に利用しサンプルを沈着させる、包括的で高スループットの方法および装置、例えば多重システムが、要求される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
出願人の教示は、分析のためのサンプルの沈着の方法を提供する。該方法は、サンプルを分離するために、クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことと、クロマトグラフィのカラムから該サンプルの溶出および分離された成分を有する溶出液を放出することであって、該溶出液は、該クロマトグラフィのカラムの放出端において液滴を形成する、ことと、該クロマトグラフィのカラムの該放出端から間隔を置いて配置された適切な沈着面を提供することによって、該液滴を受けることと、該沈着面に電圧を印加することによって、該沈着面に液滴を引き出すことであって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、こととを包含する。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0013】
さらに、出願人の教示は、分析のための複数のサンプルを沈着させる方法を提供する。該方法は、それぞれの複数のクロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことであって、各カラムはサンプルを分離させるためのものである、ことと、該複数のクロマトグラフィのカラムから、該サンプルの溶出および分離された成分を有する該溶出液を放出することであって、該溶出液は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムの放出端において液滴を形成する、ことと、該クロマトグラフィのカラムの該放出端から間隔を置いて配置された、少なくとも1つの適切な沈着面を提供することによって、該液滴を受けることと、該沈着面に電圧を印加することによって、該沈着面に該液滴を引き出すことであって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、こととを包含する。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0014】
様々な実施形態において、電圧は、沈着面に印加され得、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面の対応するターゲット位置に引き出される。沈着面は、クロマトグラフィのカラムの放出端に関して移動可能であり得る。
【0015】
出願人の教示はまた、分析のための複数のサンプルを沈着させる方法を提供し、該方法は、複数のクロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことであって、各カラムはサンプルを分離させるためのものである、ことと、該複数のクロマトグラフィのカラムから、該サンプルの溶出および分離された成分を有する該溶出液を放出することと、該放出された溶出液を噴霧させることと、少なくとも1つの適切な沈着面に噴霧された溶出液を沈着させ、クロマトグラムを生成することとを包含する。
【0016】
さらに、様々な実施形態において、少なくとも1つの空気ポンプが、クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すために用いられる。その上に、溶出液の流量は、制御プロセッサと組み合わさった流量計によって制御され得、該溶出液の流量は、測定および制御されることによって、該流量の連続的な制御を提供する。様々な実施形態において、溶出液の流量は、2つの流体の流れの混合であり、各流体の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御される。流体の流れのうちの少なくとも1つは、水であり得、流体の流れの他方は、溶媒であり得る。
【0017】
複数のクロマトグラフィのカラムが用いられる様々な実施形態において、複数の空気ポンプが提供され得、少なくとも1つのポンプは、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれと関連付けられている。
【0018】
放出された溶出液が噴霧化される様々な実施形態において、非反応ガスのストリームは、放出された溶出液を噴霧化し得る。該非反応ガスは、窒素であり得る。
【0019】
様々な実施形態において、該方法は、サンプルにマトリックスを導入することをさらに包含し得、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。該マトリックスは、放出された溶出液を噴霧化するステップの前に、該溶出液に導入され得る。
【0020】
様々な実施形態において、放出された溶出液は、加熱され得る。
【0021】
さらに、放出された溶出液が噴霧化される様々な実施形態において、クロマトグラムは、継続的なトレースであり得、一部の実施形態において、互いに平行であり得る。さらに、各継続的なトレースは、それぞれのクロマトグラフィのカラムからの放出に対応し得る。さらに、クロマトグラムの全てまたは一部は、レーザーによってイオン化され得、レーザーは、選択クロマトグラムの継続的なトレース上に少なくとも1つのトラックを生成し得る。レーザーは、高速レーザーであり得、各クロマトグラムは、一定の速度でラスターされ得る。さらに一部の実施形態において、複数のレーザートラックが、選択クロマトグラムの継続的なトレース上に生成され得る。さらに、一部の実施形態において、複数のレーザーパス(laser path)が、選択されたクロマトグラムの継続的なトレース上に生成された単一のトラックに作られ得る。
【0022】
出願人の教示はまた、分析のためのサンプルを準備する装置を提供する。該装置は、適切な溶出液を用いてサンプルを受けるクロマトグラフィのカラムと、該クロマトグラフィのカラムを介して該溶出液を流すポンプと、適切な沈着面であって、該沈着面は、該クロマトグラフィのカラムの放出端から間隔を置いて配置されることによって、該クロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れによってその該端において形成される液滴を受ける、沈着面と、該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に該液滴を引き出す電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源とを備えている。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0023】
さらに、出願人の教示は、分析のための複数のサンプルを準備する装置を提供する。該装置は、適切な溶出液を用いてサンプルを受ける複数のクロマトグラフィのカラムと、複数のポンプであって、各ポンプは各クロマトグラフィのカラムと関連付けられており、該ポンプは、該クロマトグラフィのカラムを介して該溶出液を流し、該ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに備えることによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供する、複数のポンプと、少なくとも1つの適切な沈着面であって、該沈着面は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムの複数の放出端から間隔を置いて配置される該少なくとも1つの沈着面は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れによってその該端において形成される液滴を受ける、沈着面と、該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に該液滴を引き出す、少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源とを備えている。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0024】
さらに、開示される様々な実施形態に対して、電源は、沈着面に電圧を印加させ得、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される。沈着面は、クロマトグラフィのカラムの放出端に関して移動可能であり得る。
【0025】
様々な実施形態において、ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプであり得る。該ポンプは、流量計と制御プロセッサとを含むことによって、溶出液の流量の継続的な制御を提供し得る。さらに、該ポンプは、それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな溶出液の体積を保持するように寸法を取られた圧力ソースを含み得る。
【0026】
さらに、様々な実施形態に対して、ネブライザーが、クロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入させるために提供され得、該ネブライザーは、溶出液が放出されると、該溶出液の流れを噴霧する。噴霧ガスは、非反応ガスであり得る。非反応ガスは、窒素であり得る。
【0027】
さらに、複数のクロマトグラフィのカラムが提供され得る一部の実施形態に対して、ネブライザーは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を備え得、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する。該第1の多岐管は、T字バルブによって複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。さらに、該装置は、それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管を備えることによって、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出し得る。様々な実施形態において、ネブライザーは、複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを供給するポンプを含み得る。ポンプは、空気ポンプを含み得る。
【0028】
さらに、様々な実施形態において、マトリックス供給システムは、溶出液にマトリックスを導入するように提供され得、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。ネブライザーが、溶出液が放出される際に該溶出液の流れを噴霧化するために用いられ得る一部の実施形態に対して、マトリックス供給システムは、溶出液が噴霧化される前に、該溶出液にマトリックスを供給し得る。
【0029】
複数のクロマトグラフィのカラムが提供され得る、一部の実施形態に対して、マトリックス供給システムが提供され得、該マトリックス供給システムは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。第2の多岐管は、T字バルブによって複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、溶出液が噴霧化される前にマトリックスを供給し得る。さらに、マトリックス供給システムは、ポンプを備えることによって、複数のクロマトグラフィのカラムにマトリックスを供給し得る。ポンプは、シリンジポンプであり得る。一部の実施形態において、ポンプは、連続流ポンプであり得る。
【0030】
様々な実施形態において、装置は、少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージを備え得る。該トランスレーションステージは、複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり得、その結果として、生成された複数のクロマトグラムは、互いに平行になる。さらに、該少なくとも1つの沈着面は、トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートであり得る。
【0031】
出願人の教示はまた、分析のための複数のサンプルを準備する装置を提供し、該装置は、適切な溶出液を用いて少なくとも1つのサンプルを受ける、複数のクロマトグラフィのカラムと、複数のポンプであって、各ポンプは、各クロマトグラフィのカラムと関連付けられている、複数のポンプと、該複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入するネブライザーであって、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する、ネブライザーと、該放出された噴霧化した溶出液を受けるための少なくとも1つの適切な沈着面であって、該複数のクロマトグラフィのカラムからの該放出された噴霧化した溶出液は、該少なくとも1つの適切な沈着面において複数のクロマトグラムのそれぞれを生成する、沈着面とを備えている。
【0032】
様々な実施形態において、該ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプであり得る。該ポンプは、流量計と制御プロセッサとを備えることによって、溶出液の流量の継続的な制御を提供し得る。さらに、該ポンプは、クロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースを含み得る。
【0033】
さらに、様々な実施形態に対して、ネブライザーが、クロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入させるために提供され得、該ネブライザーは、溶出液が放出されると、該溶出液の流れを噴霧する。噴霧ガスは、非反応ガスであり得る。非反応ガスは、窒素であり得る。
【0034】
ネブライザーは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を備え得、該ネブライザーは、溶出液が放出されるにつれて、該溶出液の流れを噴霧化する。第1の多岐管は、T字バルブによって複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。さらに、該装置は、それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備え得ることによって、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出する。様々な実施形態において、ネブライザーは、ポンプをさらに含み得ることによって、複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを供給する。ポンプは、空気ポンプを含み得る。
【0035】
さらに、様々な実施形態において、マトリックス供給システムは、溶出液にマトリックスを導入するように提供され得、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。ネブライザーが、溶出液が放出されるにつれて該溶出液の流れを噴霧化するために用いられ得る一部の実施形態に対して、マトリックス供給システムは、溶出液が噴霧化される前に、該溶出液にマトリックスを供給し得る。
【0036】
マトリックス供給システムは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。第2の多岐管は、T字バルブによって複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、溶出液が噴霧化される前にマトリックスを供給し得る。さらに、マトリックス供給システムは、ポンプを備えることによって、複数のクロマトグラフィのカラムにマトリックスを供給し得る。一部の実施形態において、ポンプは、シリンジポンプであり得る。一部の実施形態において、ポンプは、連続流ポンプであり得る。
【0037】
様々な実施形態において、装置は、少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージを備え得る。該トランスレーションステージは、複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり得、その結果として、生成された複数のクロマトグラムは、互いに平行になる。さらに、該少なくとも1つの沈着面は、トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートであり得る。
【0038】
一部の実施形態において、該装置は、沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に液滴を引き出す少なくとも1つの電源を備え得、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である。電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において沈着面に印加され得る。電源は、沈着面に電圧を印加し得、その結果として、連続的な液滴が、沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される。
【0039】
さらに、出願人の教示は、使用に依存して、液滴の沈着を介するかまたは噴霧化によって、分析のための複数のサンプルを準備するシステムを提供する。該システムは、適切な溶出液を用いて少なくとも1つのサンプルを受ける、複数のクロマトグラフィのカラムと、複数のポンプであって、各ポンプは、各クロマトグラフィのカラムと関連付けられている、複数のポンプと、該複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入するネブライザーであって、該ネブライザーは、溶出液が放出されるにつれて、該溶出液の流れを噴霧化する、ネブライザーと、該放出された噴霧化した溶出液を受けるための少なくとも1つの適切な沈着面であって、該複数のクロマトグラフィのカラムからの該放出された噴霧化した溶出液は、該少なくとも1つの適切な沈着面において複数のクロマトグラムのそれぞれを生成する、沈着面と、該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に液滴を引き出す少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源とを備えている。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0040】
様々な実施形態において、電源は、沈着面に電圧を印加し得、その結果として、連続的な液滴が、沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される。
【0041】
様々な実施形態において、クロマトグラフィのカラムを介して溶出液を流すポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに含むことによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供し得る。ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプであり得る。ポンプは、それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースをさらに含み得る。
【0042】
様々な実施形態において、ネブライザーは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を含むことによって、該それぞれのクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入し得る。第1の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。さらに、様々な実施形態において、該装置は、それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備えることによって、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出し得る。ネブライザーは、ポンプをさらに含むことによって、複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを供給し得る。ポンプは、空気ポンプを含み得る。
【0043】
噴霧ガスは、非反応ガスであり得る。非反応ガスは、窒素であり得る。
【0044】
さらに、様々な実施形態において、該システムは、マトリックス供給システムを備え得、該マトリックス供給システムは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み得、該第2の多岐管は、溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。第2の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、溶出液が噴霧化される前にマトリックスを供給し得る。マトリックス供給システムは、ポンプを備え、複数のクロマトグラフィのカラムにマトリックスを供給し得る。一部の実施形態において、ポンプは、シリンジポンプであり得る。一部の実施形態において、ポンプは、連続流ポンプであり得る。
【0045】
様々な実施形態において、システムは、少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージを備え得、該トランスレーションステージは、複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり、その結果として、生成された複数のクロマトグラムは、互いに平行になる。少なくとも1つの沈着面は、トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートであり得る。
【0046】
出願人の教示に関するこれらおよび他の特徴は、本明細書中に述べられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
当業者は、以下に記述される図面は、単に例示のためのものであることを理解されたい。図面は、出願人の教示の範囲を限定するようには決して意図されない。
【0048】
以下の記述は、例示的であることのみが意図され、限定するものではない。出願人の教示の様々な実施形態が、この記述を考慮すると当業者に明らかとなる。
【0049】
出願人の教示は、例えば、質量分析法によるその後の分析のためのサンプル沈着の方法および装置に関するが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析に限定されない。
【0050】
高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)のクロマトグラフィの分離は、あらゆる質量分析ベースのサンプル分析における律速ステップを表す。プロテオミクスおよび創薬の分野において、ますますと増えつつある多数のサンプルは、生物学的に意義のある問題を解決するために分析される必要がある。プロテオミクスにおいて、2次元のLCは、非常に複雑なサンプルを解決するために不可欠となってきている。2次元の実験において、10〜100の画分は、第1の分離ステップから収集され得、それぞれの個別の画分は、次いでクロマトグラフィの別のステージの対象となり得る。連続してこの分析を行うのに要求される時間は、第2の次元のクロマトグラフィが多重(multiple)となり得ない限り、実質的に法外なものとなる。同様に、薬効を予測するために薬の候補の多くの試験管内試験が用いられる創薬の適用に対して、クロマトグラフィの分離のステップは、分析のボトルネックを提示し、高速MALDI質量分析法が続いて行われる多重クロマトグラフィの分離に対する必要性が、発見過程におけるブレークスルーを提示する。
【0051】
従来のHPLC機器は、多重化に対して容易にしたがわない。機械的な複雑性、大きさおよび費用が、それを実質的に手の出せないものにしている。流体に対する駆動力として空気圧に基づく流体供給システムは、機械的に単純、小型、および安価である。これらの要因は、多重空気ポンプが機器に配列され、任意の数の独立したチャネルに対する独立した流量制御を提供する。単一のポンプソースから多数のクロマトグラフィのチャネルに流体を供給しようとすると、流体を分配するために流れの分流(flow splitting)を必要とする。実際、このアプローチは、個別のクロマトグラフィのチャネルにおいて異なる圧力が形成され、異なるチャネルへの流量の制御不可能な分岐がもたらされるという点が問題である。それぞれの個別のクロマトグラフィのチャネルに対する独立したポンピング配置を提供するポンピングシステムが、ロバスト(robust)であって信頼性のある多次元分離システムを形成するために要求される。
【0052】
そのような機器がシステムとして信頼性のあるように機能するために、MALDIの標的にクロマトグラフィの流出物を沈着させる手段が、形成され、上記手段は、不必要な機械的な複雑性および厳格な寸法許容差を伴わずに、多数のチャネルの同時の沈着に容易に適応する。一連のMALDI標的への高電圧の瞬間的な印加および同時の印加は、この目的に大変適っている。標的のアレイ全体をパルスする単一の電源は、液滴を発生させる力を提供し、全てのチャネルは、完全な同調性を有する。高電圧の標的に関連する様々な液滴を噴出する細管の間の寸法の相違は、関連性がない。なぜならば、標的からのそれらの間隔に関係なく充分な力が全ての細管に加えられることを保証するために場が用いられ得るからである。機械的部分または可動部分は、液滴を噴出させるためには何も要求されず、それらは、多重システムに対して手が出ないほどの複雑性を導入し得る。このようなポンピングシステムは、高速および高適合度の勾配を供給する能力を有し、高分解能クロマトグラフィのトレースをもたらす。クロマトグラフィのトレースの高精細度プロファイリングを取得するために、高周波数で小さな体積の液滴が、細管から同時に噴出されなくてはならない。10Hz以上で約1kHzを含むまでの周波数、および10ピコリットル程の体積の液滴は、クロマトグラフィの分解能が増加するごとに要求される傾向にある。特に多重の方式において、液滴を放出するための表面に対する細管に機械的に触れることは、これらの速度においては可能ではあり得ない。
【0053】
ピエゾ、超音波およびインクジェットのデバイスは、クロマトグラフィのカラムからの液体のディスペンサーとしては不適合であり、それは、これらのデバイスの大型の体積チャンバにおいて広がるバンドのせいでクロマトグラフィの分離を減成する、これらのデバイスが含む過多な液体の体積のせいである。ここに記述されたデバイスは、液滴の施与を実施するための液体のリザーバを何も必要としない。
【0054】
図1aおよび図1bを参照すると、その後の分析のためのサンプルまたは複数のサンプルを準備する装置10が示される。特に、図1aは、出願人の教示の単一のサンプル沈着装置の実施例を示し、図1bは、出願人の教示の多重のサンプルの沈着装置の実施例を示す。同等の参照記号は、様々な局面における同一の構成要素を参照するために用いられる。出願人の教示の一部に対して図1aおよび図1bに例示されるように、装置10は、サンプルの高スループットの沈着を提供することによって、例えば不連続な液滴の沈着によってクロマトグラム12を形成し得、出願人の教示の一部の局面に対して、図7に例示されるように、継続的なトレースとしてこの後に説明される。
【0055】
装置10は、例えば、オートサンプラー(不図示)のようなサンプル供給システムを含むが、それに限定されない。供給システムは、チャネル流体供給システムに適切な溶出液を用いてサンプル(不図示)を同時に導入し、該チャネル流体供給システムは、通常は20で示されるポンピングシステムを備えることによって、溶出液をクロマトグラフィのカラム14を介して押進し、適切な沈着面16上に沈着させる。出願人の教示の様々な局面に対して、単なる実施例として図1aに示されるように、溶出液が、単一のクロマトグラフィのカラムを介して押進され、一部の局面として、単なる実施例として図1bに示されるように、溶出液が、複数のクロマトグラフィのカラム14を介して押進される。
【0056】
図1aおよび図1bを続けて参照すると、沈着面16は、沈着アレイ22に提供され得る。図1aおよび図1bに示される出願人の教示を例示する目的のために、2つの沈着面16がアレイ22に提供されており、単なる実施例として出願人の教示の一部の局面を例示する目的のために、図7に示されるように、4つの沈着面16がアレイ22に供給される。沈着面は、必要に応じて一連のn×nの沈着面に配列され得ることが理解される。沈着面のアレイ22は、トランスレーションステージ36、例えばx−y−zのステージ上に提供され得、この後の明細書中に説明される。トランスレーションステージ36上に沈着面のアレイ22を提供することは、図1bにおいて示される多重システムに対するクロマトグラム12の高スループット沈着を容易にし、この後の明細書中に説明される。
【0057】
一部の局面に対して、単なる実施例として図1bに示されるように、少なくとも1つのサンプルが、複数のクロマトグラフィのカラム14に適切な溶出液を用いて導入される。しかし、出願人の教示の一部の局面は、1つのサンプルが複数のクロマトグラフィのカラム14に分配されること、分析のために同一サンプルの複数のクロマトグラム12を生成すること、および各クロマトグラフィのカラム14が、適切な溶出液を用いて別個のサンプルを受け取ること、ならびに必要に応じてこれらの様々な組み合わせをも意図していることが認識され得る。
【0058】
高スループットを達成するために、ポンピングシステム20は、図1bに示されるように特に各クロマトグラフィのカラム14に対して、毎分ナノリットルの割合で正確な勾配を提供し、流量の変化に迅速に反応する必要がある。これらの特徴を有する適切なポンプは、空気圧ポンプ、例えば空気駆動式の圧力増幅ポンプである。しかし、同様の結果を達成する他のポンピングシステムが、出願人の教示で使用されることが意図されていることが理解される。
【0059】
図1bに示されるように、ポンピングシステム20は、各クロマトグラフィのカラム14と関連付けられたポンプ21を有する。ポンピングシステム20のポンプ21は、それぞれのクロマトグラフィのカラム14を介して溶出液の流量および制御の流れを正確に測定する。これは、ポンプ21が、流量のステップ変化に素早く反応し、実質的な背圧に対してポンプでくみ上げ、漏洩およびブロッケージを識別し、かつ図1bのそれぞれのクロマトグラフィのカラム14において、一対一でしかるべく流量を調整することを可能にする。
【0060】
それぞれのクロマトグラフィのカラムと一対一でポンプ21を提供することによって、出願人の教示は、流れの分流および流れの分流に関連する欠点を避ける多重化を達成する。例えば、流れの分流のシステムは、流れを複数のクロマトグラフィのカラムに分流する1つのポンプを利用する。しかし、例えば、背圧、漏洩およびブロッケージは、異なる速度および時間において、各クロマトグラフィのカラムにおいて起こり得ることが公知である。従って、流量の任意の測定およびポンプによる流れの制御は、流れの分流のシステムにおける全てのクロマトグラフィのカラムに適用され得、認識され得るように、所定のカラムに対して充分な流れをもたらし得ないか、あるいは、所定のカラムに対して過度の流れとなり得る。流れの分流を用いる多重化システムは、図1に示されるように、一対一でそれぞれのクロマトグラフィのカラムを介した、溶出液の流れの流量および制御の正確な測定は提供しない。
【0061】
図2は、出願人の教示の様々な実施形態に対する適切なポンプ21を例示する。本明細書中にこの後に説明されるように、ポンプ21は、実際は、それぞれの流体の流れを結合させる、2つのポンプ21Aおよびポンプ21Bであるが、出願人の教示の目的のために、ポンプ21Aおよびポンプ21Bは、等しく動作する。
【0062】
ポンプ21Aおよび21Bは、それぞれが大量の流体(例えば、溶媒または水)のソース102aおよび102b、ならびに放出チャネル104aおよび104b(それぞれが該ソースと接続され、流体がそのポンプと関連付けられたクロマトグラフィのカラム14に移動する)を含む。流体は、ソース102aおよび102bから空気で駆動され得、ここで、ポンプ21は、例えば空気圧ポンプである。通常は、ソース102aおよび102bに保留される流体は、それぞれのクロマトグラフィのカラム14の全体的に所望のランに対して充分な体積がある。
【0063】
流量計106aおよび106bは、それぞれがチャネル104aおよび104bに提供される。流量計106aおよび106bは、それぞれがチャネル104aおよび104bを介する流体の流量を測定する。流量計106aおよび流量計106bによって測定された流体の流量は、それぞれ制御プロセッサ108aおよび108bによって監視され、次いで、ソース102aおよび102bからのそれぞれの流体の放出を調整する。適切な制御プロセッサを用いて流量を監視することによって、マイクロ流体の流れの制御は、正確かつ素早く行われ、所定のクロマトグラフィのカラム14を介する所望の流れを生成する。好適には、ポンプ21は、毎分1nlから毎分100μlの流量を提供し得る。
【0064】
先に述べられたポンプ21は、2つのポンプ21Aおよびポンプ21Bを備えることによって、適切な流体を液体クロマトグラフィのカラム14に供給する。例えば、ポンプ21Aは、水などの適切な流体を液体クロマトグラフィのカラム14に分配するように動作する。水は、清掃のためにカラムを水で流すことと溶媒を希釈することとの両方に役に立つ。ポンプ21Bは、クロマトグラフィのカラム14に適切な溶媒をポンプで送るように動作し、カラム内の化合物の分離をもたらし得る。
【0065】
特に、ポンプ21Aからの水は、110において、ポンプ21Bからの溶媒と所定量が混合されることによって、溶出液を形成し、該溶出液は、それぞれがポンプ21Aおよび21Bによって制御された速度でそれぞれの液体クロマトグラフィのカラム14に流れ入る。図2に示されるポンプシステムは、非常に正確な勾配の制御を提供する。図3aおよび図3bを考慮すると、ポンプ21Aおよび21Bは、流量を混合するために非常に素早く調整され、非常に正確で急な勾配を提供し得ることが分り得る。
【0066】
例えば、図3aは、流体の流れのパルスを生成するピストン駆動ポンプのような、不連続な流量を有するポンプの流れプロファイルを示す。線112aは、そのようなポンプによる水の流れのプロファイルを例示し、線112bは、第2のピストン駆動ポンプからの適切な溶媒の流れのプロファイルを例示する。線112aは、水のみが最初に液体クロマトグラフィのカラムに運ばれることを示す。113で示される所定の時間の後に、線112bによって示される所定量の溶媒は、混合物に加えられ、比例して水の流れは同じ時間において低減され、その結果として、全システムの全体的な流量は一定に保たれる。ランの最後に向かって、流量に導入される水の量は最小になる。
【0067】
図3bは、ポンプ21の流れのプロファイルを示し、先に記述されたように、それぞれのクロマトグラフィのカラム14を介する流量の正確な測定および溶出液の流れの制御を可能にする。線114aは、例えばポンプ21Aによる水の流れのプロファイルを例示し、線114bは、ポンプ21Bからの適切な溶媒の流れのプロファイルを例示する。線114aおよび114bは、図3aの線112aおよび112bと比較すると、非常に急な勾配を示す。例えば、図3bにおいて、溶媒を混合物に加えることは、115で示されるように、概ね直ちに始まり、非常に急に増加する。同様に、水の流れの比例した低減は、概ね直ちに始まる。線114aおよび114bのそれぞれによって示される水と溶媒との間の流量は、単なる例示的な目的のためのものであり、出願人の教示は、追加的な流体の混合物も意図していることが認識され得る。
【0068】
線112aおよび112bと比較して線114aおよび114bによって示される非常に急な勾配に加えて、ポンプ21によってもたらされる流量の正確で急激な制御は、図3bにおける線114bに対する115で示されるように、特定の流量が概ね直ちに始まるようことを可能にし、同様に、図3bにおける線114aに対する117で示されるように、概ね直ちに停止することを可能にする。これは、図3aにおける線112bに対する113で示されるように、流量のゆるやかな開始と比較され得、かつ、図3aにおける、線112aに対する119で示されるように、同様の流量のゆるやかな停止と比較され得る。
【0069】
クロマトグラフィのカラムまたは複数のクロマトグラフィのカラムから放出された溶出液を急激に受けるシステムは、先に記述されたポンプシステムによって可能となったそれぞれのカラムまたは複数のカラムを介して、流れる溶出液の高スループットに整合する必要がある。
【0070】
図1a、図1bおよび図4は、本明細書中に後に説明されるように、約10Hz以上で約1kHzを含むまでの高周波数で、それぞれのクロマトグラフィのカラム14(図1a)または複数のクロマトグラフィのカラム14(図1b)から放出された溶出液の不連続の液滴を収集する、出願人の教示の一部の局面を示す。
【0071】
特に、図4を考慮すると、クロマトグラフィのカラム14からの溶出液は、細管112から該細管の放出端114に流れる。放出端114は、沈着面16の表面材38から間隔を置いて配置されている。同じ縮尺および明瞭さのために、図4は、沈着面16の表面材38からの放出端114の過大視された間隔を例示する。しかし、細管112の放出端114は、図1aおよび図1bに例示されるように、沈着面16の表面材38に対して遥かに近接していることが理解される。
【0072】
沈着面16は、プレート116、例えば、MALDI分析において用いられる標的プレート、および好適にはマイクロタイタープレートであり得る。しかし、沈着面の他の構成が、意図され得、ディスク、テープまたはドラムを含み得るが、それらに限定されない。沈着面16の表面材38は、ステンレススチール、金、銀、クローム、ニッケル、アルミニウム、および銅からなる金属面を含み得るが、それらに限定されない。さらに、ターゲットプレート116のような沈着面16は、MALDI質量分析法による後の分析のために、アレイ22から取り外しが可能であり得る。
【0073】
プレート116は、通常は適切なプレートホールダー118によって保持されており、該プレートホールダーは、次いで沈着アレイ22のようなモーションテーブルによって支持され得る(図1を参照)。さらに、先に述べられたように、沈着アレイ22は、トランスレーションステージ36、例えばx−y−zのステージ上に提供され得る。トランスレーションステージ36は、クロマトグラフィのカラム14に関して移動が可能である。沈着アレイ22、およびそれ故に沈着面16は、通常は図1aのクロマトグラフィのカラム14または図1bの複数のクロマトグラフィのカラム14に関して動くが、代替的に、クロマトグラフィのカラムまたは複数のクロマトグラフィのカラム14が、沈着アレイ22に関して動き得る。
【0074】
図4を参照すると、クロマトグラフィのカラム14から放出された溶出液は、沈着面16に沈着される液滴115を形成する。出願人の教示は、沈着面16と液滴115との間に電場を提供することによって、細管112の放出端114から液115を除去する。この電場は、液滴を沈着面16に引き出すように作用する。
【0075】
適切な電源120が提供されることによって、出力電圧の調整を可能にする。電源は、接地またはゼロ電位に接続された電極を含み得る。電源は、沈着面16または液滴115に電圧を加えることによって、液滴と沈着面16との間に電位差を生むように構成される。出願者の教示の様々な実施形態に対して、沈着面16は、充電され、細管112の放出端114における液滴115は、121において接地される。
【0076】
電圧パルスは、沈着面16に供給され、この適用において、電圧パルスは、液滴と沈着面16との間に電位差を形成することによって、沈着面16上、および沈着面16の表面材38において提供される所定の位置、例えば井戸または芝生(divot)125(図1aおよび図1bを参照)に液滴115を引き出す。これらの井戸または芝生のそれぞれは、独立してアドレスすることが可能なターゲット位置にあり、適切な井戸または芝生への液滴の沈着は、沈着される液滴115に対する沈着面16の相対的な位置を制御する、マイクロプロセッサによって制御されることが認識され得る。
【0077】
液滴と沈着面16との間に充分な電位差を形成することによって、沈着面16上および所定の位置、例えば井戸または芝生125(図1aおよび図1bを参照)に液滴115を引き出すために要求される電圧パルスは、0.2mm毎に約1,000ボルトであるか、または1cm毎に約5,000ボルトである。この電圧において、リレーは、オプションではなく、それは、スイッチングの速度および機械的部品の信頼性によるものである。
【0078】
電圧要求は、1,200ボルトまでのレーティングで利用可能なFETまたはIGTB(不図示)の直列配列によって達成され得る。これは、電圧を多くのデバイスに渡って分配する。例えば、単なる例示の目的のために、2セットの5つのFETまたはIGTBは、出力を4,000ボルトの電源の出力または接地に接続するように用いられ得る。核デバイスに及ぶ最大の電圧は、800ボルトであり、最大電圧の定格の充分な範囲内である。デバイスは、制御されることによって、例えば、8MhzでRF信号を生成し、それをFETまたはIGTBの印刷回路基板(不図示)の片側に印刷されているコイルに適用することによって一斉に転換し、この信号を印刷回路基板の反対側の別のコイルを用いて検出する。これは、制御信号が、電圧がスイッチングデバイス上にかかっているどのようなものの上にも乗ることを可能にする。Opアンプ(不図示)は、制御信号を生成するために用いられ得る。さらに、関数発生器(不図示)は、内部クロックのために用いられ得、CMOS回路(不図示)は、インターロッキングおよび外部パルス入力の適用のために用いられ得る。
【0079】
出願人の教示において、異なるプレートに対する電圧パルスは、非常に高い周波数であり得、通常は、10Hz以上で、約1kHzを含むまでであり、沈着面16のターゲットプレートへの溶出液の極めて速い静電沈着を可能にし、クロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れの高スループットに適応する。従って、例えば、MALDI質量分析法によって分析され得、これに限定されない、沈着しているサンプルの高スループットを可能にする装置が提供される。
【0080】
図1aおよび図1bはまた、MALDIマトリックス供給システム40を提供し、該システムは、溶出液が細管112から放出される前に細管112における溶出液にマトリックスを供給するように動作する。マトリックスは、ロード値41を介して導入される。マトリックス供給システムは、出願人の教示の一部の局面に関連して、以下に詳細に記述される。
【0081】
図5aおよび図5bは、ポンピングシステムの組み合わせが、どのように高スループットの流量を達成し、記述された沈着システムが、約10Hz以上で約1kHzを含むまでの周波数において、分析されたときにより短いランタイムにおいてより鋭いピークを生成するクロマトグラムを生成するかを例示する。例えば、図5aは、従来のポンピング技術および沈着技術を用いて分離された3つの化合物の信号トレースを例示する。ピークに達するランタイムは、5分以上であることが分る。
【0082】
図5bは、出願人の教示に従った、ポンピングシステムおよび沈着技術を用いた同様のランを示す。ランタイムは、1分未満であると分り、従来の方法を用いて取得されたそれよりも5倍も速い。結果として、分析のためのサンプルは、より凝縮され、より鋭いピークをもたらす。出願人の教示は、スループットおよび検出の可能性における劇的な増加を提供する。
【0083】
図5Cは、図1aおよび図1bに対して記述された沈着および10Hzの速度のランを用いて、20μL/分においてミノキシジル(トレース57)とレセルピン(トレース59)とを分離するためのLC MADLIからの信号トレースを示す。記録された不連続な液滴からの個々の地点は、図5Cにおいて、51で示される。53におけるように、例示される鋭いピークは、出願人の教示を用いるときにスループットおよび検出の可能性における増加を証明する。
【0084】
図6は、素早く連続的なサンプル沈着を提供する出願人の教示の一部の局面を例示する。様々な実施形態からの結果も、図5Cにおいて示され、51として記録された不連続な液滴からの個々の地点の継続的なトレースの記録から取得された信号を表す、線55によって表される。
【0085】
特に、図6は、ネブライザー24を加えることによって、クロマトグラフィのカラム14に噴霧ガスを導入し、クロマトグラフィのカラムから溶出液が放出される際に、その溶出液を噴霧する。噴霧ガスは、クロマトグラフィのカラム14における溶出液を蒸発させる。放出された霧状の溶出液は、沈着面16上に沈着する。
【0086】
噴霧ガスは、非反応のガスであり、窒素、乾燥した空気、希ガスまたは他の任意の適切なガスを含むが、それらに限定されない。サンプルを噴霧させる他の手段が可能であり、当該分野において周知であることが理解される。
【0087】
ネブライザー24は、クロマトグラフィのカラム14に接続された多岐管26を含み、クロマトグラフィのカラム14における溶出液に噴霧ガスを供給する。一部の実施形態において、多岐管26は、チュービングの多岐管である。図6に例示されるように、T字バルブ28は、多岐管26を複数のクロマトグラフィのカラム14に接続することによって、クロマトグラフィのカラム14に噴霧ガスを導入することを可能にする。溶出液の噴霧は、溶出液がクロマトグラフィのカラム14から放出される際に発生し、それ故に、一部の実施形態において、噴霧ガスを供給する多岐管26は、クロマトグラフィのカラム14の放出端30において、またはその近接にT字バルブ28によって接続される。例示の目的のために、図6は、MALDI質量分析法による分析のために複数のクロマトグラム12を準備するように適合された装置を示し、従って、本明細書のこの後に説明されるように、クロマトグラフィのカラム14の端30とネブライザー24のT字バルブ28との間の追加的なマトリックス多岐管を含むことが理解される。この適用の目的のために、クロマトグラフィのカラム14の放出端は、クロマトグラフィのカラムからの放出、または、例えば存在する場合には、マトリックス供給システム、またはネブライザー24の前に存在し得る他の任意の供給システムからの放出を包含し得る。
【0088】
ネブライザー24のT字バルブ28は、放出端32から沈着細管34に動作が可能なように接続され得る。沈着細管34は、それぞれの複数のクロマトグラフィのカラム14から適切な面16に噴霧された溶出液を放出する。沈着細管は、適切な面から1〜5mmの距離で動作し得るが、明確にするために図6には示されない。
【0089】
ネブライザー24は、さらにポンプ(不図示)を含むことによって、噴霧ガスをクロマトグラフィのカラム14に供給する。出願人の教示の一部の実施形態において、ポンプは、空気圧ポンプを含むが、出願人の教示は、そのようなポンプに限定されるとは意図されない。
【0090】
放出された溶出液はまた、加熱されることによってネブライザー24による脱溶飽和を加速させ得る。図6に示されるように、27において、ソースからT字バルブ28に適切な加熱されたガスを流すことによって、放出された溶出液は加熱される。しかし、放出された溶出液を加熱させる他の方法および構造が、出願人の教示によって意図されていることが認識され得る。
【0091】
図6は、クロマトグラム12がMALDI質量分析法によって分析されるときのためのマトリックス供給システム40が例示される。マトリックス供給システム40は、クロマトグラフィのカラム14に接続された多岐管42を含むことによって、マトリックスを溶出液に導入し得る。一部の実施形態に対して、それぞれのT字バルブ44は、多岐管42をクロマトグラフィのカラム14に接続する。
【0092】
T字バルブ44は、クロマトグラフィのカラム14に動作が可能なように接続されることによって、溶出液がネブライザー24によって噴霧される前に、マトリックスを溶出液に供給し得る(図6を参照)。マトリックス供給システムは、ポンプ60システム(図2において模式的に例示される)を含むことによって、マトリックスをロードバルブ(load valve)41に、次いで多岐管42およびT字バルブ44を介してクロマトグラフィのカラム14に供給し得る。ポンプは、例えば、シリンジポンプであるか、または代替的に連続流ポンプであり得るが、それに限定されない。
【0093】
図2は、マトリックスを供給するための適切なポンプシステム60を模式的に例示する。システム60は、ポンプ62を備えており、上記ポンプは、マトリックスのソース64と、放出チャネル66(上記ソースに接続され、上記チャネルを介してマトリックスがロードバルブ41に移動し、最終的にクロマトグラフィのカラム14に移動する)に特徴として関連している。流量計68は、チャネル66において提供され、チャネル66を介するマトリックスの流量を測定する。流量計68によって測定される流体の流量は、制御プロセッサ70によって監視され、該制御プロセッサは、ソース64からのマトリックスの放出を調整する。
【0094】
MALDIにおける使用のための適切なマトリックスの材料は、当該分野において周知である。通常用いられるマトリックスの材料の例は、2,5−ジヒドロキシ安息香酸の誘導体、シナピン酸の誘導体、およびインドールアクリル酸の誘導体を含むが、それらに限定されない。
【0095】
図7に示されるように、サンプルの溶出し分離された化合物を有する噴霧された溶出液は、沈着面16のうちの少なくとも1つに放出されることによって、示されるように、例えば面16a上に、複数のクロマトグラム12を生成する。しかし、沈着アレイ22は、トランスレーションステージ36において複数の面16を運び得るので、該方法は、複数の面、特に図7に示される面16aおよび16bにおいて複数のクロマトグラムを同時に生成し得る。
【0096】
図7に最適に例示されるように、出願人の教示の装置および方法は、継続的でとぎれないトレースにあり得る、適切な面16上に沈着した複数のクロマトグラム12を生成する。図7におけるクロマトグラム12のトレースは、通常は互いに平行であるが、しかしながら、継続的なトレースは、任意の線または任意のパターンにおいて沈着され得ることが認識され得る。
【0097】
加えて、クロマトグラム12の沈着は、均一でギャップのない、継続的でとぎれないトレースにおいて形成され得る。継続的なトレースの均一性は、クロマトグラム12がMALDI質量分析法による分析の対象となるときには、データ、精度、およびクロマトグラフィの忠実度を失うことなく、完全な信号を保存する。
【0098】
出願人の教示の方法が、質量分析法による分析のために、複数のクロマトグラムを準備するように用いられる場合には、図1a、図1bおよび図6に対して上述されたように、装置からの選択クロマトグラム12の全てまたは一部は、イオン化され、次いで該イオンは、質量分析計(不図示)によって分析される。特に、クロマトグラムは、ソフトイオン化質量分析法、例えばMALDIに適しており、それに限定されない。
【0099】
MALDIに対して、高反復窒素レーザー(不図示)を用いることによって、選択クロマトグラム12の全てまたは一部を照射およびイオン化することが望ましい。しかし、その出力が、MALDI適用に適切な任意の種類のレーザー(その出力が毎パルス約0.1マイクロジュールから毎パルス約100マイクロジュールのエネルギー範囲に及ぶ限りのレーザー)が用いられ得ることが認識され得る。好適には、各トレースは、一定の速度においてラスターされ、その結果として、質量分析法によって分析されるときには、高クロマトグラフィの分解能におけるクロマトグラムを映す。
【0100】
図8において例示されるように、レーザーは、選択クロマトグラム12の継続的なトレース上に少なくとも1つのトラック46を生成するように動作され得る。しかし、複数のレーザートラック46a、46b、46cが、図9に例示されるように、選択クロマトグラム12の単一の継続的なトレース上に生成され得る。あるいは、複数のレーザーパス(laser path)が、選択されたクロマトグラム12の継続的なトレース上に生成される単一のトラック47に作られ得る(図10を参照)。
【0101】
図11は、(図10に例示されるように)複数のパスが選択クロマトグラム12上の同一のレーザートラック47に通ずるときの、例示的な再現性の例を示す。同一トラック上の第1、第3および第5のパスから生じたデータは、6秒間隔で示される。同一サンプルの複数のパスを通じさせることによって時間をかなり節約でき、それは、サンプルが繰り返される必要がなく、少量のサンプルが、分析に対して充分だからである。加えて、クロマトグラムは、再分析のために格納され得る。
【0102】
図12a、図12bおよび図12cは、選択クロマトグラム12上の同一のレーザートラック47を介する複数のパスを総計することによる、検出限界の増大を示す。これらの図面に対して、同一のレーザートラックを介する8つの単一のパスが一緒に加えられる。単一のレーザーパスと比較すると、信号対雑音比において約4倍の向上があることが分かる。さらに、これは、選択クロマトグラム12からの全体的な復元可能な信号のわずか20%を表すが、それは、追加的なレーザートラックが、選択クロマトグラム上において可能だからである(例えば、図9を参照)。
【0103】
図6において示されるシステムは、高周波数の電着およびネブライザーを結合させる。これは、図6のシステムが、並列化のみで到達し得るスループットを超えたスループットを達成することを可能にし、高速クロマトグラフィのピークは、高分解能沈着技術を要求する。上述の装置およびシステムは、通常は、全ての種類の液体クロマトグラフに適用し得、MALDIを含む全ての種類の脱離イオン化に対して用いられ得る。例えば、図6のデバイスにおいて、ネブライザーは、シャットオフされ得、適切な電源120の使用を介して、電圧パルスが沈着面16に適用され得、その結果として、デバイスは、非常に高速で不連続な液滴の沈着を有する静電モードにおいて動作される。
【0104】
あるいは、電源は、シャットオフされ得、噴霧ガスは、ネブライザー24を介して導入されることによって、概ね継続的なトレースを生成し得るクロマトグラフィのカラムにおいて、溶出液を噴霧し得る。
【0105】
従って、図6の様々な実施形態は、約10Hz以上で、約1KHzを含むまでの周波数において動作するターゲットプレートに電圧を加えることによって、クロマトグラフから発出する流体をパルスすることによって、高分解能デジタル化を達成し得る。図6の様々な実施形態も、カラムから来る流体を噴霧化し、継続的なトレースとして、それをターゲットプレート上に同時に収集することによって、アナログレコーディング(すなわち、無限の分解能に接近すること)を可能にする。
【0106】
さらに、サンプルのスループットは、複数のクロマトグラムを同時に記録することによって増加され得、個別のクロマトグラムが高速で動作されることが可能となり、それによって、複数のクロマトグラフからの同時の継続時間において1秒未満である、サンプルの過渡現象を生成する。デジタル方式(スポッティング)における過度現象(クロマトグラフィのピーク)の記録は、高周波数のサンプリングを必要とし、それは、データの完全性を保持するためであり、サンプルの過度現象(ピーク)が、非常に速い場合には、アナログの記録が呼び出され得るからである。
【0107】
そのようなクロマトグラムの記録は、例えば、MALDIイオン化またはその他の任意の形態のイオン化の他の任意の形状、例えば高速原子衝撃、二次的イオン質量分析法(SIMS)、電子衝撃を用いる熱脱離法、光イオン化、脱離エレクトロスプレー(DESI)、大気圧化学イオン化、または表面から化合物をイオン化する他の手段を用いる質量分析法を用いることによって読み取られ得る。
【0108】
出願人の教示が、様々な実施形態に関連して記述されてきたが、出願人の教示は、そのような様々な実施形態に限定されることは意図されない。むしろ、出願人の教示は、当業者によって認識されるように、様々な代替案、修正、および均等物を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1a】図1aは、出願人の教示の単一のサンプル沈着装置の模式図である。
【図1b】図1bは、出願人の教示の複数のサンプル沈着装置の模式図である。
【図2】図2は、クロマトグラフィのカラムへの流体の流れを例示するフローチャートである。
【図3a】図3aは、従来の流れのプロファイルと図2において例示されるシステムの流体の流れに関する流れのプロファイルとを比較するグラフである。
【図3b】図3bは、従来の流れのプロファイルと図2において例示されるシステムの流体の流れに関する流れのプロファイルとを比較するグラフである。
【図4】図4は、不連続のサンプル沈着を示すダイアグラムである。
【図5a】図5aは、従来のシステムの検出の可能性およびスループットと出願人の教示のそれらとを比較するグラフである。
【図5b】図5bは、従来のシステムの検出の可能性およびスループットと出願人の教示のそれらとを比較するグラフである。
【図5c】図5cは、出願人の教示を用いる、ミノキシジルおよびレセルピンに関する分離の検出の可能性のグラフである。
【図6】図6は、出願人の教示を用いる噴霧ガスのための供給システムを示す模式図である。
【図7】図7は、複数のクロマトグラムを作成するためのターゲットプレートへの放出された複数の溶出液の沈着を例示する、模式図である。
【図8】図8は、クロマトグラムの一部分の拡大図であり、レーザートラックを示す。
【図9】図9は、クロマトグラムの一部分の拡大図であり、複数のレーザートラックを示す。
【図10】図10は、クロマトグラムの一部分の拡大図であり、同一のレーザートラック上の複数のレーザーパスを示す。
【図11】図11は、同一のレーザートラック上の複数のレーザーパスを用いるときの、選択クロマトグラムの質量分析法の分析の再現性を示すチャートである。
【図12a】図12aは、同一のレーザートラックを介する複数のパスを総計することによる、検出限界の増大を示すチャートである。
【図12b】図12bは、同一のレーザートラックを介する複数のパスを総計することによる、検出限界の増大を示すチャートである。
【図12c】図12cは、同一のレーザートラックを介する複数のパスを総計することによる、検出限界の増大を示すチャートである。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年2月8日出願の米国仮特許出願第60/651,362号の利益を主張し、また、2005年2月10日出願の米国仮特許出願第60/651,203号の利益を主張し、その全体は参考として本明細書中に援用される。
【0002】
本明細書中に用いられているセクションヘディングは、構成の目的のためのみにあり、記述される主題を、いずれにおいても限定するように解釈されるべきではない。
【0003】
(分野)
出願人の教示は、例えば、質量分析法によるその後の分析のためのサンプル沈着の方法および装置に関する。特に、出願人の教示は、MALDI質量分析法によるその後の分析に対する高スループットのサンプルの沈着を提供し得る。
【背景技術】
【0004】
(導入)
液体クロマトグラフィ(LC)は、有機的な分子の異なる吸収特性に依存する、幅広く用いられている分離処理である。通常は、特定の溶媒(溶出液)における有機体の混合物は、化合物が吸収され得る吸収材料とパックされているクロマトグラフィのカラムの上部に加えられる。溶出液と溶質の混合物がカラムを介して降下すると、より強力に吸収された化合物が、吸収材料をコートし、これは、固定相と呼ばれる。あまり強力でなく吸収された化合物は、溶出液とともにカラムを介して進む。従って、化合物は、保持時間に基づいて分離され、その結果として、固定相と強く相互作用する化合物は、カラムにおいてより長い期間に保持される。混合物の溶出および分離された化合物は、溶出液とともにクロマトグラフィのカラムの他方から放出される。有機化合物は、適切に分離され、比較的に純粋な溶出液によって間隔を置かれながら、カラムから出てくる。
【0005】
高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)とは、クロマトグラフィのカラムにおける高圧の下の化合物の分離を指す。通常は、HPLCは、ポンプシステムを用いることによって、クロマトグラフィのカラムを介して溶出液をくみ上げる。ポンプシステムは、通常はソースからの少量の流体(通常は、溶出液を形成する溶媒または水)を受けるリザーバを備えている。ピストンは、リザーバ内で動作可能なように移動が可能であることによって、リザーバからクロマトグラフィのカラムに流体をくみ上げる。ピストンは、通常はステップモーターによって駆動される。
【0006】
ピストンの動作は、不連続の流量で流体をリザーバから放出し、たいていは、流体の流れの圧力パルスをもたらす。放出の流量を滑らかにするために、ポンプシステムは、緩衝チャンバを含み、該緩衝チャンバは、流体の流れのパルスに対してショックアブソーバーのように機能する。通常は、緩衝チャンバは、流体の流れと比較して大きな体積を有する。通常のHPLCにおいて、各ポンプは、実際には180度位相がずれた2つの同様なポンプを備え、該ポンプのうちの1つは、溶媒を導入し、他方のポンプは、大抵は水を導入し、これらは、ポンプの下流において混合されることによって、クロマトグラフィのカラムを介して流れる溶出液を形成する。
【0007】
さらに、液体クロマトグラフィは、その後の分析のためにターゲットプレート上に分離された分析物を沈着させるために用いられ得る。これらのサンプルの記録は、適切な状態の下で数ヶ月に渡って格納され得、追加的なサンプルの処理を行うことなく、その後の実験において追加的な種の特性付けを可能にする。
【0008】
液体クロマトグラフィの分離能力のおかげで、液体クロマトグラフィは、複雑な混合物のその後の分析のためのサンプルを準備するための有用なツールとなる。該複雑な混合物は、例えば、薬学の創薬および開発、プロテオミクス、法医学、環境科学、および臨床医学において頻繁に発見される化合物などであるが、それらに限定されない。
【0009】
質量分析法は、電気的にチャージされた分子から生成されたイオンの質量電荷比の検出に基づいて化合物の中の分子を識別する分析方法に、一般的に用いられる。
【0010】
分子をイオン化させ、該分子が、次いで質量分析法によって分析される、様々な方法が存在する。そのような方法の1つとして、容易に分解される分析物の質量を決定するために用いられるソフトイオン化方法は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)である。MALDIにおいて、サンプルは、マトリックスとして公知のUV吸着化合物と混合され、面上に沈着され、高速レーザーパルスを用いてイオン化される。レーザーのエネルギーは、マトリックスの分子によって吸収され、サンプルの分子に転送され、それらを気化およびイオン化させる。イオンは、次いで例えば、飛行時間型(TOF)質量分析計などの質量分析計によって分析されるが、それに限定されない。
【0011】
精度およびクロマトグラフィの忠実度に妥協することなく、例えばMALDI質量分析法を含み、それに限定されない方法による、化合物の素早く効率的な分析に対する必要性に適切に対処するために、液体クロマトグラフィの能力を効率的に利用しサンプルを沈着させる、包括的で高スループットの方法および装置、例えば多重システムが、要求される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
出願人の教示は、分析のためのサンプルの沈着の方法を提供する。該方法は、サンプルを分離するために、クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことと、クロマトグラフィのカラムから該サンプルの溶出および分離された成分を有する溶出液を放出することであって、該溶出液は、該クロマトグラフィのカラムの放出端において液滴を形成する、ことと、該クロマトグラフィのカラムの該放出端から間隔を置いて配置された適切な沈着面を提供することによって、該液滴を受けることと、該沈着面に電圧を印加することによって、該沈着面に液滴を引き出すことであって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、こととを包含する。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0013】
さらに、出願人の教示は、分析のための複数のサンプルを沈着させる方法を提供する。該方法は、それぞれの複数のクロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことであって、各カラムはサンプルを分離させるためのものである、ことと、該複数のクロマトグラフィのカラムから、該サンプルの溶出および分離された成分を有する該溶出液を放出することであって、該溶出液は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムの放出端において液滴を形成する、ことと、該クロマトグラフィのカラムの該放出端から間隔を置いて配置された、少なくとも1つの適切な沈着面を提供することによって、該液滴を受けることと、該沈着面に電圧を印加することによって、該沈着面に該液滴を引き出すことであって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、こととを包含する。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0014】
様々な実施形態において、電圧は、沈着面に印加され得、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面の対応するターゲット位置に引き出される。沈着面は、クロマトグラフィのカラムの放出端に関して移動可能であり得る。
【0015】
出願人の教示はまた、分析のための複数のサンプルを沈着させる方法を提供し、該方法は、複数のクロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことであって、各カラムはサンプルを分離させるためのものである、ことと、該複数のクロマトグラフィのカラムから、該サンプルの溶出および分離された成分を有する該溶出液を放出することと、該放出された溶出液を噴霧させることと、少なくとも1つの適切な沈着面に噴霧された溶出液を沈着させ、クロマトグラムを生成することとを包含する。
【0016】
さらに、様々な実施形態において、少なくとも1つの空気ポンプが、クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すために用いられる。その上に、溶出液の流量は、制御プロセッサと組み合わさった流量計によって制御され得、該溶出液の流量は、測定および制御されることによって、該流量の連続的な制御を提供する。様々な実施形態において、溶出液の流量は、2つの流体の流れの混合であり、各流体の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御される。流体の流れのうちの少なくとも1つは、水であり得、流体の流れの他方は、溶媒であり得る。
【0017】
複数のクロマトグラフィのカラムが用いられる様々な実施形態において、複数の空気ポンプが提供され得、少なくとも1つのポンプは、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれと関連付けられている。
【0018】
放出された溶出液が噴霧化される様々な実施形態において、非反応ガスのストリームは、放出された溶出液を噴霧化し得る。該非反応ガスは、窒素であり得る。
【0019】
様々な実施形態において、該方法は、サンプルにマトリックスを導入することをさらに包含し得、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。該マトリックスは、放出された溶出液を噴霧化するステップの前に、該溶出液に導入され得る。
【0020】
様々な実施形態において、放出された溶出液は、加熱され得る。
【0021】
さらに、放出された溶出液が噴霧化される様々な実施形態において、クロマトグラムは、継続的なトレースであり得、一部の実施形態において、互いに平行であり得る。さらに、各継続的なトレースは、それぞれのクロマトグラフィのカラムからの放出に対応し得る。さらに、クロマトグラムの全てまたは一部は、レーザーによってイオン化され得、レーザーは、選択クロマトグラムの継続的なトレース上に少なくとも1つのトラックを生成し得る。レーザーは、高速レーザーであり得、各クロマトグラムは、一定の速度でラスターされ得る。さらに一部の実施形態において、複数のレーザートラックが、選択クロマトグラムの継続的なトレース上に生成され得る。さらに、一部の実施形態において、複数のレーザーパス(laser path)が、選択されたクロマトグラムの継続的なトレース上に生成された単一のトラックに作られ得る。
【0022】
出願人の教示はまた、分析のためのサンプルを準備する装置を提供する。該装置は、適切な溶出液を用いてサンプルを受けるクロマトグラフィのカラムと、該クロマトグラフィのカラムを介して該溶出液を流すポンプと、適切な沈着面であって、該沈着面は、該クロマトグラフィのカラムの放出端から間隔を置いて配置されることによって、該クロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れによってその該端において形成される液滴を受ける、沈着面と、該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に該液滴を引き出す電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源とを備えている。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0023】
さらに、出願人の教示は、分析のための複数のサンプルを準備する装置を提供する。該装置は、適切な溶出液を用いてサンプルを受ける複数のクロマトグラフィのカラムと、複数のポンプであって、各ポンプは各クロマトグラフィのカラムと関連付けられており、該ポンプは、該クロマトグラフィのカラムを介して該溶出液を流し、該ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに備えることによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供する、複数のポンプと、少なくとも1つの適切な沈着面であって、該沈着面は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムの複数の放出端から間隔を置いて配置される該少なくとも1つの沈着面は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れによってその該端において形成される液滴を受ける、沈着面と、該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に該液滴を引き出す、少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源とを備えている。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0024】
さらに、開示される様々な実施形態に対して、電源は、沈着面に電圧を印加させ得、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される。沈着面は、クロマトグラフィのカラムの放出端に関して移動可能であり得る。
【0025】
様々な実施形態において、ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプであり得る。該ポンプは、流量計と制御プロセッサとを含むことによって、溶出液の流量の継続的な制御を提供し得る。さらに、該ポンプは、それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな溶出液の体積を保持するように寸法を取られた圧力ソースを含み得る。
【0026】
さらに、様々な実施形態に対して、ネブライザーが、クロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入させるために提供され得、該ネブライザーは、溶出液が放出されると、該溶出液の流れを噴霧する。噴霧ガスは、非反応ガスであり得る。非反応ガスは、窒素であり得る。
【0027】
さらに、複数のクロマトグラフィのカラムが提供され得る一部の実施形態に対して、ネブライザーは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を備え得、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する。該第1の多岐管は、T字バルブによって複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。さらに、該装置は、それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管を備えることによって、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出し得る。様々な実施形態において、ネブライザーは、複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを供給するポンプを含み得る。ポンプは、空気ポンプを含み得る。
【0028】
さらに、様々な実施形態において、マトリックス供給システムは、溶出液にマトリックスを導入するように提供され得、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。ネブライザーが、溶出液が放出される際に該溶出液の流れを噴霧化するために用いられ得る一部の実施形態に対して、マトリックス供給システムは、溶出液が噴霧化される前に、該溶出液にマトリックスを供給し得る。
【0029】
複数のクロマトグラフィのカラムが提供され得る、一部の実施形態に対して、マトリックス供給システムが提供され得、該マトリックス供給システムは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。第2の多岐管は、T字バルブによって複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、溶出液が噴霧化される前にマトリックスを供給し得る。さらに、マトリックス供給システムは、ポンプを備えることによって、複数のクロマトグラフィのカラムにマトリックスを供給し得る。ポンプは、シリンジポンプであり得る。一部の実施形態において、ポンプは、連続流ポンプであり得る。
【0030】
様々な実施形態において、装置は、少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージを備え得る。該トランスレーションステージは、複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり得、その結果として、生成された複数のクロマトグラムは、互いに平行になる。さらに、該少なくとも1つの沈着面は、トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートであり得る。
【0031】
出願人の教示はまた、分析のための複数のサンプルを準備する装置を提供し、該装置は、適切な溶出液を用いて少なくとも1つのサンプルを受ける、複数のクロマトグラフィのカラムと、複数のポンプであって、各ポンプは、各クロマトグラフィのカラムと関連付けられている、複数のポンプと、該複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入するネブライザーであって、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する、ネブライザーと、該放出された噴霧化した溶出液を受けるための少なくとも1つの適切な沈着面であって、該複数のクロマトグラフィのカラムからの該放出された噴霧化した溶出液は、該少なくとも1つの適切な沈着面において複数のクロマトグラムのそれぞれを生成する、沈着面とを備えている。
【0032】
様々な実施形態において、該ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプであり得る。該ポンプは、流量計と制御プロセッサとを備えることによって、溶出液の流量の継続的な制御を提供し得る。さらに、該ポンプは、クロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースを含み得る。
【0033】
さらに、様々な実施形態に対して、ネブライザーが、クロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入させるために提供され得、該ネブライザーは、溶出液が放出されると、該溶出液の流れを噴霧する。噴霧ガスは、非反応ガスであり得る。非反応ガスは、窒素であり得る。
【0034】
ネブライザーは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を備え得、該ネブライザーは、溶出液が放出されるにつれて、該溶出液の流れを噴霧化する。第1の多岐管は、T字バルブによって複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。さらに、該装置は、それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備え得ることによって、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出する。様々な実施形態において、ネブライザーは、ポンプをさらに含み得ることによって、複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを供給する。ポンプは、空気ポンプを含み得る。
【0035】
さらに、様々な実施形態において、マトリックス供給システムは、溶出液にマトリックスを導入するように提供され得、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。ネブライザーが、溶出液が放出されるにつれて該溶出液の流れを噴霧化するために用いられ得る一部の実施形態に対して、マトリックス供給システムは、溶出液が噴霧化される前に、該溶出液にマトリックスを供給し得る。
【0036】
マトリックス供給システムは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。第2の多岐管は、T字バルブによって複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、溶出液が噴霧化される前にマトリックスを供給し得る。さらに、マトリックス供給システムは、ポンプを備えることによって、複数のクロマトグラフィのカラムにマトリックスを供給し得る。一部の実施形態において、ポンプは、シリンジポンプであり得る。一部の実施形態において、ポンプは、連続流ポンプであり得る。
【0037】
様々な実施形態において、装置は、少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージを備え得る。該トランスレーションステージは、複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり得、その結果として、生成された複数のクロマトグラムは、互いに平行になる。さらに、該少なくとも1つの沈着面は、トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートであり得る。
【0038】
一部の実施形態において、該装置は、沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に液滴を引き出す少なくとも1つの電源を備え得、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である。電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において沈着面に印加され得る。電源は、沈着面に電圧を印加し得、その結果として、連続的な液滴が、沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される。
【0039】
さらに、出願人の教示は、使用に依存して、液滴の沈着を介するかまたは噴霧化によって、分析のための複数のサンプルを準備するシステムを提供する。該システムは、適切な溶出液を用いて少なくとも1つのサンプルを受ける、複数のクロマトグラフィのカラムと、複数のポンプであって、各ポンプは、各クロマトグラフィのカラムと関連付けられている、複数のポンプと、該複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入するネブライザーであって、該ネブライザーは、溶出液が放出されるにつれて、該溶出液の流れを噴霧化する、ネブライザーと、該放出された噴霧化した溶出液を受けるための少なくとも1つの適切な沈着面であって、該複数のクロマトグラフィのカラムからの該放出された噴霧化した溶出液は、該少なくとも1つの適切な沈着面において複数のクロマトグラムのそれぞれを生成する、沈着面と、該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に液滴を引き出す少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源とを備えている。該電圧は、約1kHzまで含む周波数において沈着面に印加され得る。
【0040】
様々な実施形態において、電源は、沈着面に電圧を印加し得、その結果として、連続的な液滴が、沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される。
【0041】
様々な実施形態において、クロマトグラフィのカラムを介して溶出液を流すポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに含むことによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供し得る。ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプであり得る。ポンプは、それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースをさらに含み得る。
【0042】
様々な実施形態において、ネブライザーは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を含むことによって、該それぞれのクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入し得る。第1の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。さらに、様々な実施形態において、該装置は、それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備えることによって、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出し得る。ネブライザーは、ポンプをさらに含むことによって、複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを供給し得る。ポンプは、空気ポンプを含み得る。
【0043】
噴霧ガスは、非反応ガスであり得る。非反応ガスは、窒素であり得る。
【0044】
さらに、様々な実施形態において、該システムは、マトリックス供給システムを備え得、該マトリックス供給システムは、複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み得、該第2の多岐管は、溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している。第2の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続され得る。第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、溶出液が噴霧化される前にマトリックスを供給し得る。マトリックス供給システムは、ポンプを備え、複数のクロマトグラフィのカラムにマトリックスを供給し得る。一部の実施形態において、ポンプは、シリンジポンプであり得る。一部の実施形態において、ポンプは、連続流ポンプであり得る。
【0045】
様々な実施形態において、システムは、少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージを備え得、該トランスレーションステージは、複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり、その結果として、生成された複数のクロマトグラムは、互いに平行になる。少なくとも1つの沈着面は、トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートであり得る。
【0046】
出願人の教示に関するこれらおよび他の特徴は、本明細書中に述べられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
当業者は、以下に記述される図面は、単に例示のためのものであることを理解されたい。図面は、出願人の教示の範囲を限定するようには決して意図されない。
【0048】
以下の記述は、例示的であることのみが意図され、限定するものではない。出願人の教示の様々な実施形態が、この記述を考慮すると当業者に明らかとなる。
【0049】
出願人の教示は、例えば、質量分析法によるその後の分析のためのサンプル沈着の方法および装置に関するが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析に限定されない。
【0050】
高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)のクロマトグラフィの分離は、あらゆる質量分析ベースのサンプル分析における律速ステップを表す。プロテオミクスおよび創薬の分野において、ますますと増えつつある多数のサンプルは、生物学的に意義のある問題を解決するために分析される必要がある。プロテオミクスにおいて、2次元のLCは、非常に複雑なサンプルを解決するために不可欠となってきている。2次元の実験において、10〜100の画分は、第1の分離ステップから収集され得、それぞれの個別の画分は、次いでクロマトグラフィの別のステージの対象となり得る。連続してこの分析を行うのに要求される時間は、第2の次元のクロマトグラフィが多重(multiple)となり得ない限り、実質的に法外なものとなる。同様に、薬効を予測するために薬の候補の多くの試験管内試験が用いられる創薬の適用に対して、クロマトグラフィの分離のステップは、分析のボトルネックを提示し、高速MALDI質量分析法が続いて行われる多重クロマトグラフィの分離に対する必要性が、発見過程におけるブレークスルーを提示する。
【0051】
従来のHPLC機器は、多重化に対して容易にしたがわない。機械的な複雑性、大きさおよび費用が、それを実質的に手の出せないものにしている。流体に対する駆動力として空気圧に基づく流体供給システムは、機械的に単純、小型、および安価である。これらの要因は、多重空気ポンプが機器に配列され、任意の数の独立したチャネルに対する独立した流量制御を提供する。単一のポンプソースから多数のクロマトグラフィのチャネルに流体を供給しようとすると、流体を分配するために流れの分流(flow splitting)を必要とする。実際、このアプローチは、個別のクロマトグラフィのチャネルにおいて異なる圧力が形成され、異なるチャネルへの流量の制御不可能な分岐がもたらされるという点が問題である。それぞれの個別のクロマトグラフィのチャネルに対する独立したポンピング配置を提供するポンピングシステムが、ロバスト(robust)であって信頼性のある多次元分離システムを形成するために要求される。
【0052】
そのような機器がシステムとして信頼性のあるように機能するために、MALDIの標的にクロマトグラフィの流出物を沈着させる手段が、形成され、上記手段は、不必要な機械的な複雑性および厳格な寸法許容差を伴わずに、多数のチャネルの同時の沈着に容易に適応する。一連のMALDI標的への高電圧の瞬間的な印加および同時の印加は、この目的に大変適っている。標的のアレイ全体をパルスする単一の電源は、液滴を発生させる力を提供し、全てのチャネルは、完全な同調性を有する。高電圧の標的に関連する様々な液滴を噴出する細管の間の寸法の相違は、関連性がない。なぜならば、標的からのそれらの間隔に関係なく充分な力が全ての細管に加えられることを保証するために場が用いられ得るからである。機械的部分または可動部分は、液滴を噴出させるためには何も要求されず、それらは、多重システムに対して手が出ないほどの複雑性を導入し得る。このようなポンピングシステムは、高速および高適合度の勾配を供給する能力を有し、高分解能クロマトグラフィのトレースをもたらす。クロマトグラフィのトレースの高精細度プロファイリングを取得するために、高周波数で小さな体積の液滴が、細管から同時に噴出されなくてはならない。10Hz以上で約1kHzを含むまでの周波数、および10ピコリットル程の体積の液滴は、クロマトグラフィの分解能が増加するごとに要求される傾向にある。特に多重の方式において、液滴を放出するための表面に対する細管に機械的に触れることは、これらの速度においては可能ではあり得ない。
【0053】
ピエゾ、超音波およびインクジェットのデバイスは、クロマトグラフィのカラムからの液体のディスペンサーとしては不適合であり、それは、これらのデバイスの大型の体積チャンバにおいて広がるバンドのせいでクロマトグラフィの分離を減成する、これらのデバイスが含む過多な液体の体積のせいである。ここに記述されたデバイスは、液滴の施与を実施するための液体のリザーバを何も必要としない。
【0054】
図1aおよび図1bを参照すると、その後の分析のためのサンプルまたは複数のサンプルを準備する装置10が示される。特に、図1aは、出願人の教示の単一のサンプル沈着装置の実施例を示し、図1bは、出願人の教示の多重のサンプルの沈着装置の実施例を示す。同等の参照記号は、様々な局面における同一の構成要素を参照するために用いられる。出願人の教示の一部に対して図1aおよび図1bに例示されるように、装置10は、サンプルの高スループットの沈着を提供することによって、例えば不連続な液滴の沈着によってクロマトグラム12を形成し得、出願人の教示の一部の局面に対して、図7に例示されるように、継続的なトレースとしてこの後に説明される。
【0055】
装置10は、例えば、オートサンプラー(不図示)のようなサンプル供給システムを含むが、それに限定されない。供給システムは、チャネル流体供給システムに適切な溶出液を用いてサンプル(不図示)を同時に導入し、該チャネル流体供給システムは、通常は20で示されるポンピングシステムを備えることによって、溶出液をクロマトグラフィのカラム14を介して押進し、適切な沈着面16上に沈着させる。出願人の教示の様々な局面に対して、単なる実施例として図1aに示されるように、溶出液が、単一のクロマトグラフィのカラムを介して押進され、一部の局面として、単なる実施例として図1bに示されるように、溶出液が、複数のクロマトグラフィのカラム14を介して押進される。
【0056】
図1aおよび図1bを続けて参照すると、沈着面16は、沈着アレイ22に提供され得る。図1aおよび図1bに示される出願人の教示を例示する目的のために、2つの沈着面16がアレイ22に提供されており、単なる実施例として出願人の教示の一部の局面を例示する目的のために、図7に示されるように、4つの沈着面16がアレイ22に供給される。沈着面は、必要に応じて一連のn×nの沈着面に配列され得ることが理解される。沈着面のアレイ22は、トランスレーションステージ36、例えばx−y−zのステージ上に提供され得、この後の明細書中に説明される。トランスレーションステージ36上に沈着面のアレイ22を提供することは、図1bにおいて示される多重システムに対するクロマトグラム12の高スループット沈着を容易にし、この後の明細書中に説明される。
【0057】
一部の局面に対して、単なる実施例として図1bに示されるように、少なくとも1つのサンプルが、複数のクロマトグラフィのカラム14に適切な溶出液を用いて導入される。しかし、出願人の教示の一部の局面は、1つのサンプルが複数のクロマトグラフィのカラム14に分配されること、分析のために同一サンプルの複数のクロマトグラム12を生成すること、および各クロマトグラフィのカラム14が、適切な溶出液を用いて別個のサンプルを受け取ること、ならびに必要に応じてこれらの様々な組み合わせをも意図していることが認識され得る。
【0058】
高スループットを達成するために、ポンピングシステム20は、図1bに示されるように特に各クロマトグラフィのカラム14に対して、毎分ナノリットルの割合で正確な勾配を提供し、流量の変化に迅速に反応する必要がある。これらの特徴を有する適切なポンプは、空気圧ポンプ、例えば空気駆動式の圧力増幅ポンプである。しかし、同様の結果を達成する他のポンピングシステムが、出願人の教示で使用されることが意図されていることが理解される。
【0059】
図1bに示されるように、ポンピングシステム20は、各クロマトグラフィのカラム14と関連付けられたポンプ21を有する。ポンピングシステム20のポンプ21は、それぞれのクロマトグラフィのカラム14を介して溶出液の流量および制御の流れを正確に測定する。これは、ポンプ21が、流量のステップ変化に素早く反応し、実質的な背圧に対してポンプでくみ上げ、漏洩およびブロッケージを識別し、かつ図1bのそれぞれのクロマトグラフィのカラム14において、一対一でしかるべく流量を調整することを可能にする。
【0060】
それぞれのクロマトグラフィのカラムと一対一でポンプ21を提供することによって、出願人の教示は、流れの分流および流れの分流に関連する欠点を避ける多重化を達成する。例えば、流れの分流のシステムは、流れを複数のクロマトグラフィのカラムに分流する1つのポンプを利用する。しかし、例えば、背圧、漏洩およびブロッケージは、異なる速度および時間において、各クロマトグラフィのカラムにおいて起こり得ることが公知である。従って、流量の任意の測定およびポンプによる流れの制御は、流れの分流のシステムにおける全てのクロマトグラフィのカラムに適用され得、認識され得るように、所定のカラムに対して充分な流れをもたらし得ないか、あるいは、所定のカラムに対して過度の流れとなり得る。流れの分流を用いる多重化システムは、図1に示されるように、一対一でそれぞれのクロマトグラフィのカラムを介した、溶出液の流れの流量および制御の正確な測定は提供しない。
【0061】
図2は、出願人の教示の様々な実施形態に対する適切なポンプ21を例示する。本明細書中にこの後に説明されるように、ポンプ21は、実際は、それぞれの流体の流れを結合させる、2つのポンプ21Aおよびポンプ21Bであるが、出願人の教示の目的のために、ポンプ21Aおよびポンプ21Bは、等しく動作する。
【0062】
ポンプ21Aおよび21Bは、それぞれが大量の流体(例えば、溶媒または水)のソース102aおよび102b、ならびに放出チャネル104aおよび104b(それぞれが該ソースと接続され、流体がそのポンプと関連付けられたクロマトグラフィのカラム14に移動する)を含む。流体は、ソース102aおよび102bから空気で駆動され得、ここで、ポンプ21は、例えば空気圧ポンプである。通常は、ソース102aおよび102bに保留される流体は、それぞれのクロマトグラフィのカラム14の全体的に所望のランに対して充分な体積がある。
【0063】
流量計106aおよび106bは、それぞれがチャネル104aおよび104bに提供される。流量計106aおよび106bは、それぞれがチャネル104aおよび104bを介する流体の流量を測定する。流量計106aおよび流量計106bによって測定された流体の流量は、それぞれ制御プロセッサ108aおよび108bによって監視され、次いで、ソース102aおよび102bからのそれぞれの流体の放出を調整する。適切な制御プロセッサを用いて流量を監視することによって、マイクロ流体の流れの制御は、正確かつ素早く行われ、所定のクロマトグラフィのカラム14を介する所望の流れを生成する。好適には、ポンプ21は、毎分1nlから毎分100μlの流量を提供し得る。
【0064】
先に述べられたポンプ21は、2つのポンプ21Aおよびポンプ21Bを備えることによって、適切な流体を液体クロマトグラフィのカラム14に供給する。例えば、ポンプ21Aは、水などの適切な流体を液体クロマトグラフィのカラム14に分配するように動作する。水は、清掃のためにカラムを水で流すことと溶媒を希釈することとの両方に役に立つ。ポンプ21Bは、クロマトグラフィのカラム14に適切な溶媒をポンプで送るように動作し、カラム内の化合物の分離をもたらし得る。
【0065】
特に、ポンプ21Aからの水は、110において、ポンプ21Bからの溶媒と所定量が混合されることによって、溶出液を形成し、該溶出液は、それぞれがポンプ21Aおよび21Bによって制御された速度でそれぞれの液体クロマトグラフィのカラム14に流れ入る。図2に示されるポンプシステムは、非常に正確な勾配の制御を提供する。図3aおよび図3bを考慮すると、ポンプ21Aおよび21Bは、流量を混合するために非常に素早く調整され、非常に正確で急な勾配を提供し得ることが分り得る。
【0066】
例えば、図3aは、流体の流れのパルスを生成するピストン駆動ポンプのような、不連続な流量を有するポンプの流れプロファイルを示す。線112aは、そのようなポンプによる水の流れのプロファイルを例示し、線112bは、第2のピストン駆動ポンプからの適切な溶媒の流れのプロファイルを例示する。線112aは、水のみが最初に液体クロマトグラフィのカラムに運ばれることを示す。113で示される所定の時間の後に、線112bによって示される所定量の溶媒は、混合物に加えられ、比例して水の流れは同じ時間において低減され、その結果として、全システムの全体的な流量は一定に保たれる。ランの最後に向かって、流量に導入される水の量は最小になる。
【0067】
図3bは、ポンプ21の流れのプロファイルを示し、先に記述されたように、それぞれのクロマトグラフィのカラム14を介する流量の正確な測定および溶出液の流れの制御を可能にする。線114aは、例えばポンプ21Aによる水の流れのプロファイルを例示し、線114bは、ポンプ21Bからの適切な溶媒の流れのプロファイルを例示する。線114aおよび114bは、図3aの線112aおよび112bと比較すると、非常に急な勾配を示す。例えば、図3bにおいて、溶媒を混合物に加えることは、115で示されるように、概ね直ちに始まり、非常に急に増加する。同様に、水の流れの比例した低減は、概ね直ちに始まる。線114aおよび114bのそれぞれによって示される水と溶媒との間の流量は、単なる例示的な目的のためのものであり、出願人の教示は、追加的な流体の混合物も意図していることが認識され得る。
【0068】
線112aおよび112bと比較して線114aおよび114bによって示される非常に急な勾配に加えて、ポンプ21によってもたらされる流量の正確で急激な制御は、図3bにおける線114bに対する115で示されるように、特定の流量が概ね直ちに始まるようことを可能にし、同様に、図3bにおける線114aに対する117で示されるように、概ね直ちに停止することを可能にする。これは、図3aにおける線112bに対する113で示されるように、流量のゆるやかな開始と比較され得、かつ、図3aにおける、線112aに対する119で示されるように、同様の流量のゆるやかな停止と比較され得る。
【0069】
クロマトグラフィのカラムまたは複数のクロマトグラフィのカラムから放出された溶出液を急激に受けるシステムは、先に記述されたポンプシステムによって可能となったそれぞれのカラムまたは複数のカラムを介して、流れる溶出液の高スループットに整合する必要がある。
【0070】
図1a、図1bおよび図4は、本明細書中に後に説明されるように、約10Hz以上で約1kHzを含むまでの高周波数で、それぞれのクロマトグラフィのカラム14(図1a)または複数のクロマトグラフィのカラム14(図1b)から放出された溶出液の不連続の液滴を収集する、出願人の教示の一部の局面を示す。
【0071】
特に、図4を考慮すると、クロマトグラフィのカラム14からの溶出液は、細管112から該細管の放出端114に流れる。放出端114は、沈着面16の表面材38から間隔を置いて配置されている。同じ縮尺および明瞭さのために、図4は、沈着面16の表面材38からの放出端114の過大視された間隔を例示する。しかし、細管112の放出端114は、図1aおよび図1bに例示されるように、沈着面16の表面材38に対して遥かに近接していることが理解される。
【0072】
沈着面16は、プレート116、例えば、MALDI分析において用いられる標的プレート、および好適にはマイクロタイタープレートであり得る。しかし、沈着面の他の構成が、意図され得、ディスク、テープまたはドラムを含み得るが、それらに限定されない。沈着面16の表面材38は、ステンレススチール、金、銀、クローム、ニッケル、アルミニウム、および銅からなる金属面を含み得るが、それらに限定されない。さらに、ターゲットプレート116のような沈着面16は、MALDI質量分析法による後の分析のために、アレイ22から取り外しが可能であり得る。
【0073】
プレート116は、通常は適切なプレートホールダー118によって保持されており、該プレートホールダーは、次いで沈着アレイ22のようなモーションテーブルによって支持され得る(図1を参照)。さらに、先に述べられたように、沈着アレイ22は、トランスレーションステージ36、例えばx−y−zのステージ上に提供され得る。トランスレーションステージ36は、クロマトグラフィのカラム14に関して移動が可能である。沈着アレイ22、およびそれ故に沈着面16は、通常は図1aのクロマトグラフィのカラム14または図1bの複数のクロマトグラフィのカラム14に関して動くが、代替的に、クロマトグラフィのカラムまたは複数のクロマトグラフィのカラム14が、沈着アレイ22に関して動き得る。
【0074】
図4を参照すると、クロマトグラフィのカラム14から放出された溶出液は、沈着面16に沈着される液滴115を形成する。出願人の教示は、沈着面16と液滴115との間に電場を提供することによって、細管112の放出端114から液115を除去する。この電場は、液滴を沈着面16に引き出すように作用する。
【0075】
適切な電源120が提供されることによって、出力電圧の調整を可能にする。電源は、接地またはゼロ電位に接続された電極を含み得る。電源は、沈着面16または液滴115に電圧を加えることによって、液滴と沈着面16との間に電位差を生むように構成される。出願者の教示の様々な実施形態に対して、沈着面16は、充電され、細管112の放出端114における液滴115は、121において接地される。
【0076】
電圧パルスは、沈着面16に供給され、この適用において、電圧パルスは、液滴と沈着面16との間に電位差を形成することによって、沈着面16上、および沈着面16の表面材38において提供される所定の位置、例えば井戸または芝生(divot)125(図1aおよび図1bを参照)に液滴115を引き出す。これらの井戸または芝生のそれぞれは、独立してアドレスすることが可能なターゲット位置にあり、適切な井戸または芝生への液滴の沈着は、沈着される液滴115に対する沈着面16の相対的な位置を制御する、マイクロプロセッサによって制御されることが認識され得る。
【0077】
液滴と沈着面16との間に充分な電位差を形成することによって、沈着面16上および所定の位置、例えば井戸または芝生125(図1aおよび図1bを参照)に液滴115を引き出すために要求される電圧パルスは、0.2mm毎に約1,000ボルトであるか、または1cm毎に約5,000ボルトである。この電圧において、リレーは、オプションではなく、それは、スイッチングの速度および機械的部品の信頼性によるものである。
【0078】
電圧要求は、1,200ボルトまでのレーティングで利用可能なFETまたはIGTB(不図示)の直列配列によって達成され得る。これは、電圧を多くのデバイスに渡って分配する。例えば、単なる例示の目的のために、2セットの5つのFETまたはIGTBは、出力を4,000ボルトの電源の出力または接地に接続するように用いられ得る。核デバイスに及ぶ最大の電圧は、800ボルトであり、最大電圧の定格の充分な範囲内である。デバイスは、制御されることによって、例えば、8MhzでRF信号を生成し、それをFETまたはIGTBの印刷回路基板(不図示)の片側に印刷されているコイルに適用することによって一斉に転換し、この信号を印刷回路基板の反対側の別のコイルを用いて検出する。これは、制御信号が、電圧がスイッチングデバイス上にかかっているどのようなものの上にも乗ることを可能にする。Opアンプ(不図示)は、制御信号を生成するために用いられ得る。さらに、関数発生器(不図示)は、内部クロックのために用いられ得、CMOS回路(不図示)は、インターロッキングおよび外部パルス入力の適用のために用いられ得る。
【0079】
出願人の教示において、異なるプレートに対する電圧パルスは、非常に高い周波数であり得、通常は、10Hz以上で、約1kHzを含むまでであり、沈着面16のターゲットプレートへの溶出液の極めて速い静電沈着を可能にし、クロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れの高スループットに適応する。従って、例えば、MALDI質量分析法によって分析され得、これに限定されない、沈着しているサンプルの高スループットを可能にする装置が提供される。
【0080】
図1aおよび図1bはまた、MALDIマトリックス供給システム40を提供し、該システムは、溶出液が細管112から放出される前に細管112における溶出液にマトリックスを供給するように動作する。マトリックスは、ロード値41を介して導入される。マトリックス供給システムは、出願人の教示の一部の局面に関連して、以下に詳細に記述される。
【0081】
図5aおよび図5bは、ポンピングシステムの組み合わせが、どのように高スループットの流量を達成し、記述された沈着システムが、約10Hz以上で約1kHzを含むまでの周波数において、分析されたときにより短いランタイムにおいてより鋭いピークを生成するクロマトグラムを生成するかを例示する。例えば、図5aは、従来のポンピング技術および沈着技術を用いて分離された3つの化合物の信号トレースを例示する。ピークに達するランタイムは、5分以上であることが分る。
【0082】
図5bは、出願人の教示に従った、ポンピングシステムおよび沈着技術を用いた同様のランを示す。ランタイムは、1分未満であると分り、従来の方法を用いて取得されたそれよりも5倍も速い。結果として、分析のためのサンプルは、より凝縮され、より鋭いピークをもたらす。出願人の教示は、スループットおよび検出の可能性における劇的な増加を提供する。
【0083】
図5Cは、図1aおよび図1bに対して記述された沈着および10Hzの速度のランを用いて、20μL/分においてミノキシジル(トレース57)とレセルピン(トレース59)とを分離するためのLC MADLIからの信号トレースを示す。記録された不連続な液滴からの個々の地点は、図5Cにおいて、51で示される。53におけるように、例示される鋭いピークは、出願人の教示を用いるときにスループットおよび検出の可能性における増加を証明する。
【0084】
図6は、素早く連続的なサンプル沈着を提供する出願人の教示の一部の局面を例示する。様々な実施形態からの結果も、図5Cにおいて示され、51として記録された不連続な液滴からの個々の地点の継続的なトレースの記録から取得された信号を表す、線55によって表される。
【0085】
特に、図6は、ネブライザー24を加えることによって、クロマトグラフィのカラム14に噴霧ガスを導入し、クロマトグラフィのカラムから溶出液が放出される際に、その溶出液を噴霧する。噴霧ガスは、クロマトグラフィのカラム14における溶出液を蒸発させる。放出された霧状の溶出液は、沈着面16上に沈着する。
【0086】
噴霧ガスは、非反応のガスであり、窒素、乾燥した空気、希ガスまたは他の任意の適切なガスを含むが、それらに限定されない。サンプルを噴霧させる他の手段が可能であり、当該分野において周知であることが理解される。
【0087】
ネブライザー24は、クロマトグラフィのカラム14に接続された多岐管26を含み、クロマトグラフィのカラム14における溶出液に噴霧ガスを供給する。一部の実施形態において、多岐管26は、チュービングの多岐管である。図6に例示されるように、T字バルブ28は、多岐管26を複数のクロマトグラフィのカラム14に接続することによって、クロマトグラフィのカラム14に噴霧ガスを導入することを可能にする。溶出液の噴霧は、溶出液がクロマトグラフィのカラム14から放出される際に発生し、それ故に、一部の実施形態において、噴霧ガスを供給する多岐管26は、クロマトグラフィのカラム14の放出端30において、またはその近接にT字バルブ28によって接続される。例示の目的のために、図6は、MALDI質量分析法による分析のために複数のクロマトグラム12を準備するように適合された装置を示し、従って、本明細書のこの後に説明されるように、クロマトグラフィのカラム14の端30とネブライザー24のT字バルブ28との間の追加的なマトリックス多岐管を含むことが理解される。この適用の目的のために、クロマトグラフィのカラム14の放出端は、クロマトグラフィのカラムからの放出、または、例えば存在する場合には、マトリックス供給システム、またはネブライザー24の前に存在し得る他の任意の供給システムからの放出を包含し得る。
【0088】
ネブライザー24のT字バルブ28は、放出端32から沈着細管34に動作が可能なように接続され得る。沈着細管34は、それぞれの複数のクロマトグラフィのカラム14から適切な面16に噴霧された溶出液を放出する。沈着細管は、適切な面から1〜5mmの距離で動作し得るが、明確にするために図6には示されない。
【0089】
ネブライザー24は、さらにポンプ(不図示)を含むことによって、噴霧ガスをクロマトグラフィのカラム14に供給する。出願人の教示の一部の実施形態において、ポンプは、空気圧ポンプを含むが、出願人の教示は、そのようなポンプに限定されるとは意図されない。
【0090】
放出された溶出液はまた、加熱されることによってネブライザー24による脱溶飽和を加速させ得る。図6に示されるように、27において、ソースからT字バルブ28に適切な加熱されたガスを流すことによって、放出された溶出液は加熱される。しかし、放出された溶出液を加熱させる他の方法および構造が、出願人の教示によって意図されていることが認識され得る。
【0091】
図6は、クロマトグラム12がMALDI質量分析法によって分析されるときのためのマトリックス供給システム40が例示される。マトリックス供給システム40は、クロマトグラフィのカラム14に接続された多岐管42を含むことによって、マトリックスを溶出液に導入し得る。一部の実施形態に対して、それぞれのT字バルブ44は、多岐管42をクロマトグラフィのカラム14に接続する。
【0092】
T字バルブ44は、クロマトグラフィのカラム14に動作が可能なように接続されることによって、溶出液がネブライザー24によって噴霧される前に、マトリックスを溶出液に供給し得る(図6を参照)。マトリックス供給システムは、ポンプ60システム(図2において模式的に例示される)を含むことによって、マトリックスをロードバルブ(load valve)41に、次いで多岐管42およびT字バルブ44を介してクロマトグラフィのカラム14に供給し得る。ポンプは、例えば、シリンジポンプであるか、または代替的に連続流ポンプであり得るが、それに限定されない。
【0093】
図2は、マトリックスを供給するための適切なポンプシステム60を模式的に例示する。システム60は、ポンプ62を備えており、上記ポンプは、マトリックスのソース64と、放出チャネル66(上記ソースに接続され、上記チャネルを介してマトリックスがロードバルブ41に移動し、最終的にクロマトグラフィのカラム14に移動する)に特徴として関連している。流量計68は、チャネル66において提供され、チャネル66を介するマトリックスの流量を測定する。流量計68によって測定される流体の流量は、制御プロセッサ70によって監視され、該制御プロセッサは、ソース64からのマトリックスの放出を調整する。
【0094】
MALDIにおける使用のための適切なマトリックスの材料は、当該分野において周知である。通常用いられるマトリックスの材料の例は、2,5−ジヒドロキシ安息香酸の誘導体、シナピン酸の誘導体、およびインドールアクリル酸の誘導体を含むが、それらに限定されない。
【0095】
図7に示されるように、サンプルの溶出し分離された化合物を有する噴霧された溶出液は、沈着面16のうちの少なくとも1つに放出されることによって、示されるように、例えば面16a上に、複数のクロマトグラム12を生成する。しかし、沈着アレイ22は、トランスレーションステージ36において複数の面16を運び得るので、該方法は、複数の面、特に図7に示される面16aおよび16bにおいて複数のクロマトグラムを同時に生成し得る。
【0096】
図7に最適に例示されるように、出願人の教示の装置および方法は、継続的でとぎれないトレースにあり得る、適切な面16上に沈着した複数のクロマトグラム12を生成する。図7におけるクロマトグラム12のトレースは、通常は互いに平行であるが、しかしながら、継続的なトレースは、任意の線または任意のパターンにおいて沈着され得ることが認識され得る。
【0097】
加えて、クロマトグラム12の沈着は、均一でギャップのない、継続的でとぎれないトレースにおいて形成され得る。継続的なトレースの均一性は、クロマトグラム12がMALDI質量分析法による分析の対象となるときには、データ、精度、およびクロマトグラフィの忠実度を失うことなく、完全な信号を保存する。
【0098】
出願人の教示の方法が、質量分析法による分析のために、複数のクロマトグラムを準備するように用いられる場合には、図1a、図1bおよび図6に対して上述されたように、装置からの選択クロマトグラム12の全てまたは一部は、イオン化され、次いで該イオンは、質量分析計(不図示)によって分析される。特に、クロマトグラムは、ソフトイオン化質量分析法、例えばMALDIに適しており、それに限定されない。
【0099】
MALDIに対して、高反復窒素レーザー(不図示)を用いることによって、選択クロマトグラム12の全てまたは一部を照射およびイオン化することが望ましい。しかし、その出力が、MALDI適用に適切な任意の種類のレーザー(その出力が毎パルス約0.1マイクロジュールから毎パルス約100マイクロジュールのエネルギー範囲に及ぶ限りのレーザー)が用いられ得ることが認識され得る。好適には、各トレースは、一定の速度においてラスターされ、その結果として、質量分析法によって分析されるときには、高クロマトグラフィの分解能におけるクロマトグラムを映す。
【0100】
図8において例示されるように、レーザーは、選択クロマトグラム12の継続的なトレース上に少なくとも1つのトラック46を生成するように動作され得る。しかし、複数のレーザートラック46a、46b、46cが、図9に例示されるように、選択クロマトグラム12の単一の継続的なトレース上に生成され得る。あるいは、複数のレーザーパス(laser path)が、選択されたクロマトグラム12の継続的なトレース上に生成される単一のトラック47に作られ得る(図10を参照)。
【0101】
図11は、(図10に例示されるように)複数のパスが選択クロマトグラム12上の同一のレーザートラック47に通ずるときの、例示的な再現性の例を示す。同一トラック上の第1、第3および第5のパスから生じたデータは、6秒間隔で示される。同一サンプルの複数のパスを通じさせることによって時間をかなり節約でき、それは、サンプルが繰り返される必要がなく、少量のサンプルが、分析に対して充分だからである。加えて、クロマトグラムは、再分析のために格納され得る。
【0102】
図12a、図12bおよび図12cは、選択クロマトグラム12上の同一のレーザートラック47を介する複数のパスを総計することによる、検出限界の増大を示す。これらの図面に対して、同一のレーザートラックを介する8つの単一のパスが一緒に加えられる。単一のレーザーパスと比較すると、信号対雑音比において約4倍の向上があることが分かる。さらに、これは、選択クロマトグラム12からの全体的な復元可能な信号のわずか20%を表すが、それは、追加的なレーザートラックが、選択クロマトグラム上において可能だからである(例えば、図9を参照)。
【0103】
図6において示されるシステムは、高周波数の電着およびネブライザーを結合させる。これは、図6のシステムが、並列化のみで到達し得るスループットを超えたスループットを達成することを可能にし、高速クロマトグラフィのピークは、高分解能沈着技術を要求する。上述の装置およびシステムは、通常は、全ての種類の液体クロマトグラフに適用し得、MALDIを含む全ての種類の脱離イオン化に対して用いられ得る。例えば、図6のデバイスにおいて、ネブライザーは、シャットオフされ得、適切な電源120の使用を介して、電圧パルスが沈着面16に適用され得、その結果として、デバイスは、非常に高速で不連続な液滴の沈着を有する静電モードにおいて動作される。
【0104】
あるいは、電源は、シャットオフされ得、噴霧ガスは、ネブライザー24を介して導入されることによって、概ね継続的なトレースを生成し得るクロマトグラフィのカラムにおいて、溶出液を噴霧し得る。
【0105】
従って、図6の様々な実施形態は、約10Hz以上で、約1KHzを含むまでの周波数において動作するターゲットプレートに電圧を加えることによって、クロマトグラフから発出する流体をパルスすることによって、高分解能デジタル化を達成し得る。図6の様々な実施形態も、カラムから来る流体を噴霧化し、継続的なトレースとして、それをターゲットプレート上に同時に収集することによって、アナログレコーディング(すなわち、無限の分解能に接近すること)を可能にする。
【0106】
さらに、サンプルのスループットは、複数のクロマトグラムを同時に記録することによって増加され得、個別のクロマトグラムが高速で動作されることが可能となり、それによって、複数のクロマトグラフからの同時の継続時間において1秒未満である、サンプルの過渡現象を生成する。デジタル方式(スポッティング)における過度現象(クロマトグラフィのピーク)の記録は、高周波数のサンプリングを必要とし、それは、データの完全性を保持するためであり、サンプルの過度現象(ピーク)が、非常に速い場合には、アナログの記録が呼び出され得るからである。
【0107】
そのようなクロマトグラムの記録は、例えば、MALDIイオン化またはその他の任意の形態のイオン化の他の任意の形状、例えば高速原子衝撃、二次的イオン質量分析法(SIMS)、電子衝撃を用いる熱脱離法、光イオン化、脱離エレクトロスプレー(DESI)、大気圧化学イオン化、または表面から化合物をイオン化する他の手段を用いる質量分析法を用いることによって読み取られ得る。
【0108】
出願人の教示が、様々な実施形態に関連して記述されてきたが、出願人の教示は、そのような様々な実施形態に限定されることは意図されない。むしろ、出願人の教示は、当業者によって認識されるように、様々な代替案、修正、および均等物を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1a】図1aは、出願人の教示の単一のサンプル沈着装置の模式図である。
【図1b】図1bは、出願人の教示の複数のサンプル沈着装置の模式図である。
【図2】図2は、クロマトグラフィのカラムへの流体の流れを例示するフローチャートである。
【図3a】図3aは、従来の流れのプロファイルと図2において例示されるシステムの流体の流れに関する流れのプロファイルとを比較するグラフである。
【図3b】図3bは、従来の流れのプロファイルと図2において例示されるシステムの流体の流れに関する流れのプロファイルとを比較するグラフである。
【図4】図4は、不連続のサンプル沈着を示すダイアグラムである。
【図5a】図5aは、従来のシステムの検出の可能性およびスループットと出願人の教示のそれらとを比較するグラフである。
【図5b】図5bは、従来のシステムの検出の可能性およびスループットと出願人の教示のそれらとを比較するグラフである。
【図5c】図5cは、出願人の教示を用いる、ミノキシジルおよびレセルピンに関する分離の検出の可能性のグラフである。
【図6】図6は、出願人の教示を用いる噴霧ガスのための供給システムを示す模式図である。
【図7】図7は、複数のクロマトグラムを作成するためのターゲットプレートへの放出された複数の溶出液の沈着を例示する、模式図である。
【図8】図8は、クロマトグラムの一部分の拡大図であり、レーザートラックを示す。
【図9】図9は、クロマトグラムの一部分の拡大図であり、複数のレーザートラックを示す。
【図10】図10は、クロマトグラムの一部分の拡大図であり、同一のレーザートラック上の複数のレーザーパスを示す。
【図11】図11は、同一のレーザートラック上の複数のレーザーパスを用いるときの、選択クロマトグラムの質量分析法の分析の再現性を示すチャートである。
【図12a】図12aは、同一のレーザートラックを介する複数のパスを総計することによる、検出限界の増大を示すチャートである。
【図12b】図12bは、同一のレーザートラックを介する複数のパスを総計することによる、検出限界の増大を示すチャートである。
【図12c】図12cは、同一のレーザートラックを介する複数のパスを総計することによる、検出限界の増大を示すチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析のためのサンプルを沈着させる方法であって、該方法は、
a)サンプルを分離させるために、クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことと、
b)該クロマトグラフィのカラムから該サンプルの溶出および分離された成分を有する溶出液を放出することであって、該溶出液は、該クロマトグラフィのカラムの放出端において液滴を形成する、ことと、
c)該クロマトグラフィのカラムの該放出端から間隔を置いて配置された適切な沈着面を提供することによって、該液滴を受けることと、
d)該沈着面に電圧を印加することによって、該沈着面に該液滴を引き出すことであって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、ことと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記電圧は、約1kHzまで含む周波数において前記沈着面に印加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの空気圧ポンプが、前記クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すために用いられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶出液の流量は、制御プロセッサと組み合わさった流量計によって制御され、該溶出液の流量は、測定および制御されることによって、該流量の連続的な制御を提供する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記溶出液の流量は、2つの流体の流れの混合であり、各流体の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御される、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記流体の流れのうちの少なくとも1つは、水である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記流体の流れの他方は、溶媒である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電圧は、前記沈着面に印加され、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面の対応するターゲット位置に引き出される、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記沈着面は、前記クロマトグラフィのカラムの前記放出端に関して移動可能である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプルにマトリックスを導入することをさらに包含し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
分析のための複数のサンプルを沈着させる方法であって、該方法は、
a)それぞれの複数のクロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことであって、各カラムはサンプルを分離させるためのものである、ことと、
b)該複数のクロマトグラフィのカラムから、該サンプルの溶出および分離された成分を有する該溶出液を放出することであって、該溶出液は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムの放出端において液滴を形成する、ことと、
c)該クロマトグラフィのカラムの該放出端から間隔を置いて配置された、少なくとも1つの適切な沈着面を提供することによって、該液滴を受けることと、
d)該沈着面に電圧を印加することによって、該沈着面に該液滴を引き出すことであって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、ことと
を包含する、方法。
【請求項12】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数で前記沈着面に印加される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの空気圧ポンプが、前記クロマトグラフィのカラムを介する前記適切な溶出液を流すために用いられる、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
複数の空気圧ポンプが提供され、少なくとも1つのポンプは、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれと関連付けられている、請求項11または12に記載の方法。
【請求項15】
各クロマトグラフィのカラムに対する溶出液の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御され、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれに対する該溶出液の流量は、独立して測定および制御されることによって、各カラムに対する流量の継続的な制御を提供する、請求項11〜14のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
各クロマトグラフィのカラムに対する各溶出液の流量は、2つの流体の流れを混合することによって提供され、各流体の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御される、請求項11〜15のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記流体の流れのうちの少なくとも1つは、水である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記流体の流れの他方は、溶媒である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電圧は、前記沈着面に印加され、その結果として、連続した液滴が、該沈着面の対応するターゲット位置に引き出される、請求項11〜18のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記沈着面は、前記クロマトグラフィのカラムの前記放出端に関して移動可能である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記サンプルにマトリックスを導入することをさらに包含し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項11〜20のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
分析のための複数のサンプルを沈着させる方法であって、該方法は、
a)複数のクロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことであって、各カラムはサンプルを分離させるためのものである、ことと、
b)該複数のクロマトグラフィのカラムから、該サンプルの溶出および分離された成分を有する該溶出液を放出することと、
c)該放出された溶出液を噴霧させることと、
d)少なくとも1つの適切な沈着面に噴霧された溶出液を沈着させ、クロマトグラムを生成することと
を包含する、方法。
【請求項23】
少なくとも1つの空気圧ポンプは、前記クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すために用いられる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
複数の空気圧ポンプが提供され、少なくとも1つのポンプは、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれと関連付けられている、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
各クロマトグラフィのカラムに対する前記溶出液の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御され、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれに対する該溶出液の流量は、独立して測定および制御されることによって、各カラムに対する流量の継続的な制御を提供する、請求項22〜24のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
各クロマトグラフィのカラムに対する各溶出液の流量は、2つの流体の流れを混合することによって提供され、各流体の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御される、請求項22〜25のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記流体のうちの少なくとも1つは、水である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記流体の流れの他方は、溶媒である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
非反応ガスのストリームは、前記放出された溶出液を噴霧させる、請求項22〜28のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記クロマトグラムは、継続的なトレースである、請求項22〜30のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記継続的なトレースは、互いに平行である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
各継続的なトレースは、それぞれのクロマトグラフィのカラムからの放出に対応する、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記クロマトグラムの全てまたは一部は、レーザーによってイオン化され、該レーザーは、選択クロマトグラムの前記継続的なトレース上に少なくとも1つのトラックを生成する、請求項31〜33のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記レーザーは、高速レーザーであり、各クロマトグラムは、一定の速度においてラスターされる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
複数のレーザートラックが、前記選択クロマトグラムの前記継続的なトレース上に生成される、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
複数のレーザーパスが、選択されたクロマトグラムの前記継続的なトレース上に生成された、単一のトラック上に作られる、請求項34〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記サンプルにマトリックスを導入することをさらに包含し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項22〜37のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記マトリックスは、前記放出された溶出液を噴霧させるステップの前に、該溶出液に導入される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記放出された溶出液は、加熱される、請求項22〜39のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
分析のためのサンプルを準備する装置であって、該装置は、
a)適切な溶出液を用いてサンプルを受けるクロマトグラフィのカラムと、
b)該クロマトグラフィのカラムを介して該溶出液を流すポンプと、
c)適切な沈着面であって、該沈着面は、該クロマトグラフィのカラムの放出端から間隔を置いて配置されることによって、該クロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れによってその該端において形成される液滴を受ける、沈着面と、
d)該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に該液滴を引き出す電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源と
を備えている、装置。
【請求項42】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において前記沈着面に印加される、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプである、請求項41または42に記載の装置。
【請求項44】
前記ポンプは、流量計と制御プロセッサとを備えることによって、前記溶出液の流量の継続的な制御を提供する、請求項41〜43のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
前記ポンプは、前記クロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースを備えている、請求項41〜44のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記電源は、前記沈着面に電圧を印加させ、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される、請求項41〜45のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項47】
前記沈着面は、前記クロマトグラフィのカラムの前記放出端に関して移動可能である、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記クロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入させるネブライザーをさらに備え、該ネブライザーは、溶出液が放出されると、該溶出液の流れを噴霧する、請求項41〜47のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
前記噴霧ガスは、非反応ガスである、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記溶出液にマトリックスを導入するマトリックス供給システムをさらに備え、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項41〜50のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記マトリックス供給システムは、前記溶出液が噴霧化される前に、該溶出液をマトリックスに供給する、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
分析のために複数のサンプルを準備する装置であって、該装置は、
a)適切な溶出液を用いてサンプルを受ける複数のクロマトグラフィのカラムと、
b)複数のポンプであって、各ポンプは各クロマトグラフィのカラムと関連付けられており、該ポンプは、該クロマトグラフィのカラムを介して該溶出液を流し、該ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに備えることによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供する、複数のポンプと、
c)少なくとも1つの適切な沈着面であって、該沈着面は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムの複数の放出端から間隔を置いて配置される該少なくとも1つの適切な沈着面は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れによってその該端において形成される液滴を受ける、沈着面と、
d)該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に該液滴を引き出す、少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源と
を備えている、装置。
【請求項54】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において前記沈着面に印加される、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプである、請求項53または54に記載の装置。
【請求項56】
前記ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに含むことによって、前記溶出液の流量の継続的な制御を提供する、請求項53〜55のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
前記ポンプは、前記それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな溶出液の体積を保持するように寸法を取られた圧力ソースをさらに含む、請求項53〜56のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記電源は、前記沈着面に電圧を印加させ、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される、請求項53〜57のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
前記少なくとも1つの沈着面は、前記クロマトグラフィのカラムの前記放出端に関して移動可能である、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記それぞれのクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを導入するネブライザーをさらに備え、該ネブライザーは、該複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を備えることによって該クロマトグラフィのカラムに該噴霧ガスを導入し、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する、請求項53〜59のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記第1の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備えることによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出する、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記ネブライザーは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを供給する、請求項60〜62のいずれか一項に記載の装置。
【請求項64】
前記ポンプは、空気ポンプを含む、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記噴霧ガスは、非反応ガスである、請求項60〜65のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項66】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
マトリックス供給システムをさらに備え、該マトリックス供給システムは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、前記溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項53〜66のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項68】
前記第2の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、前記溶出液が噴霧化される前に前記マトリックスを供給する、請求項67または68に記載の装置。
【請求項70】
前記マトリックス供給システムは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記マトリックスを供給する、請求項67〜69のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項71】
前記ポンプは、シリンジポンプである、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記ポンプは、連続流ポンプである、請求項70に記載の装置。
【請求項73】
前記少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージをさらに備え、該トランスレーションステージは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり、その結果として、生成された前記複数のクロマトグラムは、互いに平行になる、請求項53〜72のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記少なくとも1つの沈着面は、前記トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートである、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
分析のための複数のサンプルを準備する装置であって、該装置は、
a)適切な溶出液を用いて少なくとも1つのサンプルを受ける、複数のクロマトグラフィのカラムと、
b)複数のポンプであって、各ポンプは、各クロマトグラフィのカラムと関連付けられている、複数のポンプと、
c)該複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入するネブライザーであって、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する、ネブライザーと、
d)該放出された噴霧化した溶出液を受けるための少なくとも1つの適切な沈着面であって、該複数のクロマトグラフィのカラムからの該放出された噴霧化された溶出液は、該少なくとも1つの適切な沈着面において複数のクロマトグラムのそれぞれを生成する、沈着面と
を備えている、装置。
【請求項76】
前記クロマトグラフィのカラムを介して前記溶出液を流す前記ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに含むことによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供する、請求項75に記載の装置。
【請求項77】
前記複数のポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプである、請求項75または76に記載の装置。
【請求項78】
前記複数のポンプは、前記それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースをさらに含む、請求項75〜77のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項79】
前記ネブライザーは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を含むことによって、該それぞれのクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを導入する、請求項75〜78のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項80】
前記第1の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項79に記載の装置。
【請求項81】
ぞれぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備えることによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから前記噴霧化した溶出液を放出する、請求項80に記載の装置。
【請求項82】
前記ネブライザーは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを供給する、請求項75〜81のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項83】
前記ポンプは、空気ポンプを含む、請求項82に記載の装置。
【請求項84】
前記噴霧ガスは、非反応ガスである、請求項75〜83のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項85】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項84に記載の装置。
【請求項86】
マトリックス供給システムをさらに備え、該マトリックス供給システムは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、前記溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項75〜85のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項87】
前記第2の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項86に記載の装置。
【請求項88】
前記第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、前記溶出液が噴霧化される前に前記マトリックスを供給する、請求項86または87に記載の装置。
【請求項89】
前記マトリックス供給システムは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記マトリックスを供給する、請求項86〜88のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項90】
前記ポンプは、シリンジポンプである、請求項89に記載の装置。
【請求項91】
前記ポンプは、連続流ポンプである、請求項89に記載の装置。
【請求項92】
前記少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージをさらに備え、該トランスレーションステージは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり、その結果として、生成された前記複数のクロマトグラムは、互いに平行になる、請求項75〜91のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項93】
前記少なくとも1つの沈着面は、前記トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートである、請求項92に記載の装置。
【請求項94】
前記沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に前記液滴を引き出す少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、請求項75〜93のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項95】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において前記沈着面に印加される、請求項94に記載の装置。
【請求項96】
前記電源は、前記沈着面に電圧を印加し、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される、請求項94または95に記載の装置。
【請求項97】
使用に依存して、液滴の沈着を介するかまたは噴霧化によって、分析のための複数のサンプルを準備するシステムであって、該システムは、
a)適切な溶出液を用いて少なくとも1つのサンプルを受ける、複数のクロマトグラフィのカラムと、
b)複数のポンプであって、各ポンプは、各クロマトグラフィのカラムと関連付けられている、複数のポンプと、
c)該複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入するネブライザーであって、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する、ネブライザーと、
d)該放出された噴霧化した溶出液を受けるための少なくとも1つの適切な沈着面であって、該複数のクロマトグラフィのカラムからの該放出された噴霧化した溶出液は、該少なくとも1つの適切な沈着面において複数のクロマトグラムのそれぞれを生成する、沈着面と、
e)該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に液滴を引き出す少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源と
を備えている、システム。
【請求項98】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において前記沈着面に印加される、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記電源は、前記沈着面に電圧を印加し、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される、請求項97または98に記載のシステム。
【請求項100】
前記クロマトグラフィのカラムを介して前記溶出液を流す前記ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに含むことによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供する、請求項97〜99のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項101】
前記複数のポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプである、請求項97〜100のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項102】
前記複数のポンプは、前記それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースをさらに含む、請求項97〜101のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項103】
前記ネブライザーは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を含むことによって、該それぞれのクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを導入する、請求項97〜102のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項104】
前記第1の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項103に記載のシステム。
【請求項105】
それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備えることによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出する、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
前記ネブライザーは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを供給する、請求項97〜105のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項107】
前記ポンプは、空気ポンプを含む、請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
前記噴霧ガスは、非反応ガスである、請求項97〜107のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項109】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項108に記載のシステム。
【請求項110】
マトリックス供給システムをさらに備え、該マトリックス供給システムは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、前記溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項97〜109のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項111】
前記第2の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項110に記載のシステム。
【請求項112】
前記第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、前記溶出液が噴霧化される前に前記マトリックスを供給する、請求項110または111のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項113】
前記マトリックス供給システムは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記マトリックスを供給する、請求項110〜112のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項114】
前記ポンプは、シリンジポンプである、請求項113に記載のシステム。
【請求項115】
前記ポンプは、連続流ポンプである、請求項114に記載のシステム。
【請求項116】
前記少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージをさらに備え、該トランスレーションステージは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり、その結果として、生成された前記複数のクロマトグラムは、互いに平行になる、請求項97〜115のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項117】
前記少なくとも1つの沈着面は、前記トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートである、請求項116に記載のシステム。
【請求項1】
分析のためのサンプルを沈着させる方法であって、該方法は、
a)サンプルを分離させるために、クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことと、
b)該クロマトグラフィのカラムから該サンプルの溶出および分離された成分を有する溶出液を放出することであって、該溶出液は、該クロマトグラフィのカラムの放出端において液滴を形成する、ことと、
c)該クロマトグラフィのカラムの該放出端から間隔を置いて配置された適切な沈着面を提供することによって、該液滴を受けることと、
d)該沈着面に電圧を印加することによって、該沈着面に該液滴を引き出すことであって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、ことと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記電圧は、約1kHzまで含む周波数において前記沈着面に印加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの空気圧ポンプが、前記クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すために用いられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶出液の流量は、制御プロセッサと組み合わさった流量計によって制御され、該溶出液の流量は、測定および制御されることによって、該流量の連続的な制御を提供する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記溶出液の流量は、2つの流体の流れの混合であり、各流体の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御される、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記流体の流れのうちの少なくとも1つは、水である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記流体の流れの他方は、溶媒である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電圧は、前記沈着面に印加され、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面の対応するターゲット位置に引き出される、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記沈着面は、前記クロマトグラフィのカラムの前記放出端に関して移動可能である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプルにマトリックスを導入することをさらに包含し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
分析のための複数のサンプルを沈着させる方法であって、該方法は、
a)それぞれの複数のクロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことであって、各カラムはサンプルを分離させるためのものである、ことと、
b)該複数のクロマトグラフィのカラムから、該サンプルの溶出および分離された成分を有する該溶出液を放出することであって、該溶出液は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムの放出端において液滴を形成する、ことと、
c)該クロマトグラフィのカラムの該放出端から間隔を置いて配置された、少なくとも1つの適切な沈着面を提供することによって、該液滴を受けることと、
d)該沈着面に電圧を印加することによって、該沈着面に該液滴を引き出すことであって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、ことと
を包含する、方法。
【請求項12】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数で前記沈着面に印加される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの空気圧ポンプが、前記クロマトグラフィのカラムを介する前記適切な溶出液を流すために用いられる、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
複数の空気圧ポンプが提供され、少なくとも1つのポンプは、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれと関連付けられている、請求項11または12に記載の方法。
【請求項15】
各クロマトグラフィのカラムに対する溶出液の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御され、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれに対する該溶出液の流量は、独立して測定および制御されることによって、各カラムに対する流量の継続的な制御を提供する、請求項11〜14のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
各クロマトグラフィのカラムに対する各溶出液の流量は、2つの流体の流れを混合することによって提供され、各流体の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御される、請求項11〜15のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記流体の流れのうちの少なくとも1つは、水である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記流体の流れの他方は、溶媒である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電圧は、前記沈着面に印加され、その結果として、連続した液滴が、該沈着面の対応するターゲット位置に引き出される、請求項11〜18のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記沈着面は、前記クロマトグラフィのカラムの前記放出端に関して移動可能である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記サンプルにマトリックスを導入することをさらに包含し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項11〜20のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
分析のための複数のサンプルを沈着させる方法であって、該方法は、
a)複数のクロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すことであって、各カラムはサンプルを分離させるためのものである、ことと、
b)該複数のクロマトグラフィのカラムから、該サンプルの溶出および分離された成分を有する該溶出液を放出することと、
c)該放出された溶出液を噴霧させることと、
d)少なくとも1つの適切な沈着面に噴霧された溶出液を沈着させ、クロマトグラムを生成することと
を包含する、方法。
【請求項23】
少なくとも1つの空気圧ポンプは、前記クロマトグラフィのカラムを介して適切な溶出液を流すために用いられる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
複数の空気圧ポンプが提供され、少なくとも1つのポンプは、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれと関連付けられている、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
各クロマトグラフィのカラムに対する前記溶出液の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御され、各クロマトグラフィのカラムのそれぞれに対する該溶出液の流量は、独立して測定および制御されることによって、各カラムに対する流量の継続的な制御を提供する、請求項22〜24のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
各クロマトグラフィのカラムに対する各溶出液の流量は、2つの流体の流れを混合することによって提供され、各流体の流量は、制御プロセッサと組み合わさったそれぞれの流量計によって制御される、請求項22〜25のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記流体のうちの少なくとも1つは、水である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記流体の流れの他方は、溶媒である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
非反応ガスのストリームは、前記放出された溶出液を噴霧させる、請求項22〜28のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記クロマトグラムは、継続的なトレースである、請求項22〜30のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記継続的なトレースは、互いに平行である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
各継続的なトレースは、それぞれのクロマトグラフィのカラムからの放出に対応する、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記クロマトグラムの全てまたは一部は、レーザーによってイオン化され、該レーザーは、選択クロマトグラムの前記継続的なトレース上に少なくとも1つのトラックを生成する、請求項31〜33のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記レーザーは、高速レーザーであり、各クロマトグラムは、一定の速度においてラスターされる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
複数のレーザートラックが、前記選択クロマトグラムの前記継続的なトレース上に生成される、請求項34または35に記載の方法。
【請求項37】
複数のレーザーパスが、選択されたクロマトグラムの前記継続的なトレース上に生成された、単一のトラック上に作られる、請求項34〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記サンプルにマトリックスを導入することをさらに包含し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項22〜37のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記マトリックスは、前記放出された溶出液を噴霧させるステップの前に、該溶出液に導入される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記放出された溶出液は、加熱される、請求項22〜39のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
分析のためのサンプルを準備する装置であって、該装置は、
a)適切な溶出液を用いてサンプルを受けるクロマトグラフィのカラムと、
b)該クロマトグラフィのカラムを介して該溶出液を流すポンプと、
c)適切な沈着面であって、該沈着面は、該クロマトグラフィのカラムの放出端から間隔を置いて配置されることによって、該クロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れによってその該端において形成される液滴を受ける、沈着面と、
d)該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に該液滴を引き出す電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源と
を備えている、装置。
【請求項42】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において前記沈着面に印加される、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプである、請求項41または42に記載の装置。
【請求項44】
前記ポンプは、流量計と制御プロセッサとを備えることによって、前記溶出液の流量の継続的な制御を提供する、請求項41〜43のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
前記ポンプは、前記クロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースを備えている、請求項41〜44のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記電源は、前記沈着面に電圧を印加させ、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される、請求項41〜45のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項47】
前記沈着面は、前記クロマトグラフィのカラムの前記放出端に関して移動可能である、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記クロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入させるネブライザーをさらに備え、該ネブライザーは、溶出液が放出されると、該溶出液の流れを噴霧する、請求項41〜47のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項49】
前記噴霧ガスは、非反応ガスである、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記溶出液にマトリックスを導入するマトリックス供給システムをさらに備え、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項41〜50のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項52】
前記マトリックス供給システムは、前記溶出液が噴霧化される前に、該溶出液をマトリックスに供給する、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
分析のために複数のサンプルを準備する装置であって、該装置は、
a)適切な溶出液を用いてサンプルを受ける複数のクロマトグラフィのカラムと、
b)複数のポンプであって、各ポンプは各クロマトグラフィのカラムと関連付けられており、該ポンプは、該クロマトグラフィのカラムを介して該溶出液を流し、該ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに備えることによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供する、複数のポンプと、
c)少なくとも1つの適切な沈着面であって、該沈着面は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムの複数の放出端から間隔を置いて配置される該少なくとも1つの適切な沈着面は、該それぞれのクロマトグラフィのカラムを介する溶出液の流れによってその該端において形成される液滴を受ける、沈着面と、
d)該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に該液滴を引き出す、少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源と
を備えている、装置。
【請求項54】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において前記沈着面に印加される、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記ポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプである、請求項53または54に記載の装置。
【請求項56】
前記ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに含むことによって、前記溶出液の流量の継続的な制御を提供する、請求項53〜55のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項57】
前記ポンプは、前記それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな溶出液の体積を保持するように寸法を取られた圧力ソースをさらに含む、請求項53〜56のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記電源は、前記沈着面に電圧を印加させ、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される、請求項53〜57のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
前記少なくとも1つの沈着面は、前記クロマトグラフィのカラムの前記放出端に関して移動可能である、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記それぞれのクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを導入するネブライザーをさらに備え、該ネブライザーは、該複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を備えることによって該クロマトグラフィのカラムに該噴霧ガスを導入し、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する、請求項53〜59のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項61】
前記第1の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項60に記載の装置。
【請求項62】
それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備えることによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出する、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記ネブライザーは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを供給する、請求項60〜62のいずれか一項に記載の装置。
【請求項64】
前記ポンプは、空気ポンプを含む、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記噴霧ガスは、非反応ガスである、請求項60〜65のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項66】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
マトリックス供給システムをさらに備え、該マトリックス供給システムは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、前記溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項53〜66のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項68】
前記第2の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、前記溶出液が噴霧化される前に前記マトリックスを供給する、請求項67または68に記載の装置。
【請求項70】
前記マトリックス供給システムは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記マトリックスを供給する、請求項67〜69のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項71】
前記ポンプは、シリンジポンプである、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記ポンプは、連続流ポンプである、請求項70に記載の装置。
【請求項73】
前記少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージをさらに備え、該トランスレーションステージは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり、その結果として、生成された前記複数のクロマトグラムは、互いに平行になる、請求項53〜72のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項74】
前記少なくとも1つの沈着面は、前記トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートである、請求項73に記載の装置。
【請求項75】
分析のための複数のサンプルを準備する装置であって、該装置は、
a)適切な溶出液を用いて少なくとも1つのサンプルを受ける、複数のクロマトグラフィのカラムと、
b)複数のポンプであって、各ポンプは、各クロマトグラフィのカラムと関連付けられている、複数のポンプと、
c)該複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入するネブライザーであって、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する、ネブライザーと、
d)該放出された噴霧化した溶出液を受けるための少なくとも1つの適切な沈着面であって、該複数のクロマトグラフィのカラムからの該放出された噴霧化された溶出液は、該少なくとも1つの適切な沈着面において複数のクロマトグラムのそれぞれを生成する、沈着面と
を備えている、装置。
【請求項76】
前記クロマトグラフィのカラムを介して前記溶出液を流す前記ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに含むことによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供する、請求項75に記載の装置。
【請求項77】
前記複数のポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプである、請求項75または76に記載の装置。
【請求項78】
前記複数のポンプは、前記それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースをさらに含む、請求項75〜77のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項79】
前記ネブライザーは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を含むことによって、該それぞれのクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを導入する、請求項75〜78のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項80】
前記第1の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項79に記載の装置。
【請求項81】
ぞれぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備えることによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから前記噴霧化した溶出液を放出する、請求項80に記載の装置。
【請求項82】
前記ネブライザーは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを供給する、請求項75〜81のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項83】
前記ポンプは、空気ポンプを含む、請求項82に記載の装置。
【請求項84】
前記噴霧ガスは、非反応ガスである、請求項75〜83のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項85】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項84に記載の装置。
【請求項86】
マトリックス供給システムをさらに備え、該マトリックス供給システムは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、前記溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項75〜85のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項87】
前記第2の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項86に記載の装置。
【請求項88】
前記第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、前記溶出液が噴霧化される前に前記マトリックスを供給する、請求項86または87に記載の装置。
【請求項89】
前記マトリックス供給システムは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記マトリックスを供給する、請求項86〜88のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項90】
前記ポンプは、シリンジポンプである、請求項89に記載の装置。
【請求項91】
前記ポンプは、連続流ポンプである、請求項89に記載の装置。
【請求項92】
前記少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージをさらに備え、該トランスレーションステージは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり、その結果として、生成された前記複数のクロマトグラムは、互いに平行になる、請求項75〜91のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項93】
前記少なくとも1つの沈着面は、前記トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートである、請求項92に記載の装置。
【請求項94】
前記沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に前記液滴を引き出す少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、請求項75〜93のうちのいずれか一項に記載の装置。
【請求項95】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において前記沈着面に印加される、請求項94に記載の装置。
【請求項96】
前記電源は、前記沈着面に電圧を印加し、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される、請求項94または95に記載の装置。
【請求項97】
使用に依存して、液滴の沈着を介するかまたは噴霧化によって、分析のための複数のサンプルを準備するシステムであって、該システムは、
a)適切な溶出液を用いて少なくとも1つのサンプルを受ける、複数のクロマトグラフィのカラムと、
b)複数のポンプであって、各ポンプは、各クロマトグラフィのカラムと関連付けられている、複数のポンプと、
c)該複数のクロマトグラフィのカラムに噴霧ガスを導入するネブライザーであって、該ネブライザーは、溶出液が放出される際に、該溶出液の流れを噴霧化する、ネブライザーと、
d)該放出された噴霧化した溶出液を受けるための少なくとも1つの適切な沈着面であって、該複数のクロマトグラフィのカラムからの該放出された噴霧化した溶出液は、該少なくとも1つの適切な沈着面において複数のクロマトグラムのそれぞれを生成する、沈着面と、
e)該沈着面に電圧を生成することによって該沈着面に液滴を引き出す少なくとも1つの電源であって、該沈着面に印加される該電圧は、約10Hz以上の周波数である、電源と
を備えている、システム。
【請求項98】
前記電圧は、約1kHzを含むまでの周波数において前記沈着面に印加される、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記電源は、前記沈着面に電圧を印加し、その結果として、連続的な液滴が、該沈着面上の対応するターゲット位置に引き出される、請求項97または98に記載のシステム。
【請求項100】
前記クロマトグラフィのカラムを介して前記溶出液を流す前記ポンプは、流量計と制御プロセッサとをさらに含むことによって、該溶出液の流量の継続的な制御を提供する、請求項97〜99のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項101】
前記複数のポンプは、空気駆動式の圧力増幅ポンプである、請求項97〜100のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項102】
前記複数のポンプは、前記それぞれのクロマトグラフィのカラムの体積よりも大きな体積の溶出液を保持するように寸法を取られた圧力ソースをさらに含む、請求項97〜101のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項103】
前記ネブライザーは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第1の多岐管を含むことによって、該それぞれのクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを導入する、請求項97〜102のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項104】
前記第1の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項103に記載のシステム。
【請求項105】
それぞれのT字バルブに動作可能なように接続された複数の沈着細管をさらに備えることによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれから噴霧化した溶出液を放出する、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
前記ネブライザーは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記噴霧ガスを供給する、請求項97〜105のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項107】
前記ポンプは、空気ポンプを含む、請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
前記噴霧ガスは、非反応ガスである、請求項97〜107のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項109】
前記非反応ガスは、窒素である、請求項108に記載のシステム。
【請求項110】
マトリックス供給システムをさらに備え、該マトリックス供給システムは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続された第2の多岐管を含み、該第2の多岐管は、前記溶出液にマトリックスを導入し、該マトリックスは、マトリックス支援レーザー脱離イオン化における使用に適している、請求項97〜109のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項111】
前記第2の多岐管は、T字バルブによって前記複数のクロマトグラフィのカラムに接続されている、請求項110に記載のシステム。
【請求項112】
前記第2の多岐管は、複数のクロマトグラフィのカラムのそれぞれに動作可能なように接続されることによって、前記溶出液が噴霧化される前に前記マトリックスを供給する、請求項110または111のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項113】
前記マトリックス供給システムは、ポンプをさらに含むことによって、前記複数のクロマトグラフィのカラムに前記マトリックスを供給する、請求項110〜112のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項114】
前記ポンプは、シリンジポンプである、請求項113に記載のシステム。
【請求項115】
前記ポンプは、連続流ポンプである、請求項114に記載のシステム。
【請求項116】
前記少なくとも1つの沈着面を受けるトランスレーションステージをさらに備え、該トランスレーションステージは、前記複数のクロマトグラフィのカラムに関して移動が可能であり、その結果として、生成された前記複数のクロマトグラムは、互いに平行になる、請求項97〜115のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項117】
前記少なくとも1つの沈着面は、前記トランスレーションステージ上の沈着アレイにおいて配列された複数のプレートである、請求項116に記載のシステム。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図1b】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【公表番号】特表2008−530521(P2008−530521A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553430(P2007−553430)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000168
【国際公開番号】WO2006/084354
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(505377197)エムディーエス インコーポレイテッド ドゥーイング ビジネス スルー イッツ エムディーエス サイエックス ディヴィジョン (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000168
【国際公開番号】WO2006/084354
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(505377197)エムディーエス インコーポレイテッド ドゥーイング ビジネス スルー イッツ エムディーエス サイエックス ディヴィジョン (12)
【Fターム(参考)】
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